やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 衛生学・公衆衛生学は医療従事者の基本知識であり,医療従事者の共通言語ともいえる学問です.また,歯科医師国家試験出題基準では,衛生学・公衆衛生学に関連したものは,「必修の基本的事項」(約22%)のうちの約21%(全体の約4.6%),「歯科医学総論」(約28%)のうちの約21%(全体の約5.9%)と,国試問題全体の10%以上を占め,実際の出題数も30題前後にのぼっています.衛生学・公衆衛生学で思うように得点できないと,国試合格はきわめてむずかしいといっても過言ではありません.
 しかしその一方で,衛生学・公衆衛生学は,「臨床とのかかわりが少ない」「内容がおもしろくない」「覚えることが膨大」というのが多くの学生さんが感じているイメージかもしれません.
 衛生学・公衆衛生学の国家試験問題は,知識の有無で解答できるものが比較的多くあります.そのためにはまず正しい知識を身につける必要があります.しかし,ただやみくもに用語を暗記しただけでは解けない問題も少なくありません.つまり,全体像と各項目の相互の関連を把握し,問われ方が変わっても確実に知識を引き出せるようにすることが大切です.そのためには要点がまとまったものを反復して学習するのが近道です.本書はそういった点に配慮して,覚えるべきポイントをわかりやすくまとめました.
 本書で学んだ読者のみなさんが,衛生学・公衆衛生学をマスターして歯科医師国家試験に合格することを祈念しております.そして正しく衛生学・公衆衛生学の知識を身につけて,それを生かして歯科医師として活躍されることを願っています.
 2018年12月 野村義明
Chapter 1 医療倫理
Chapter 2 健康,予防の概念と社会環境
Chapter 3 疫学とその応用
Chapter 4 スクリーニング検査
Chapter 5 統計解析
Chapter 6 人口統計
Chapter 7 保健統計
Chapter 8 社会保障
Chapter 9 地域医療
Chapter 10 地域保健
Chapter 11 母子保健
Chapter 12 学校保健
Chapter 13 成人保健
Chapter 14 産業保健
Chapter 15 高齢者保健
Chapter 16 障害者・障害児の保健・福祉
Chapter 17 国際保健
Chapter 18 感染症の予防
Chapter 19 食品保健
Chapter 20 国民栄養の現状
Chapter 21 環境保健
 付録 関連法規一覧
 参考文献
 索引