第3版 序
本書は,2004年9月に初版が,2009年2月に第2版が発行され,そしてこのたび第3版を発行する運びとなりました.10年を超える期間にわたって,学生,研修歯科医,歯科医師の方々に広く活用されていることに,心から感謝の意を表する次第です.
周知の如く,2000年に策定された「健康日本21」では,生活習慣病とその原因となる生活習慣等の課題について,「歯の健康」を含む9分野ごとの対策が組まれました.その結果として,「8020運動」の効果とともに歯の喪失数は減少し,診療室での無歯顎患者は減少し,無歯顎補綴治療学の意義は低下しているように見えるかもしれません.しかし,高齢化のスピードは一段と加速し,さらに医療と福祉とがボーダーレスになり,現在の医療政策では,要介護者や認知症などの老年症候群への対策や,フレイル,サルコペニアに対する早期の介入など,要介護にならないことへの対策に重点が移りつつあります.本書の初版には,「無歯顎補綴治療は無歯顎患者の形態的・機能的障害の改善や回復を目指すことからリハビリテーションの一分野でもある.また,リハビリテーションの究極的な目標はQOLの維持・向上であり,無歯顎補綴治療はまさに21世紀に求められる主要な医療の一つである.」という強いメッセージが込められておりました.いまこそ,真の意味でこのことが求められてきているものと考えます.
もう一つの押し寄せてきている大きな波は,デジタル化です.既にインプラントやクラウンブリッジの分野では,重要な臨床術式の一つとなっています.有床義歯についても,この大きな波がすぐそこまで来ていることから,本書でもその章を新たに設定しました.ここで重要なことは,デジタル化の時代だからこそ,そして前述の老年症候群の対策が求められる時代だからこそ,無歯顎補綴学とそれに立脚した無歯顎補綴治療に関しての術式や製作法と並んで,診察・検査・診断と治療計画の立案,アウトカム評価などの能力が一層強く問われるということです.学生諸君や若い歯科医師の方々には,このような共通の認識の上で,補綴歯科治療学の基盤を成し,学術的に膨大な知識が凝縮された無歯顎補綴治療学とその臨床を学習あるいは認識していただくことが必要であると考えます.本書は,それに対応可能な教科書になっていると信じております.
第3版は,当然のことながら,初版および第2版の編集の枠組みを踏襲しております.そして,現在ではそれほどは使用されていない治療材料,器具,手技につきましても,無歯顎補綴治療を理解する上で必要と考えられる基本的な事項を十分に吟味した上で継承するとともに,最新の事項と合わせて記載いたしました.
また,初版では14歯科大学・歯学部,第2版では23歯科大学・歯学部の先生方にご執筆をいただいたのに対して,第3版では29歯科大学・歯学部のすべての無歯顎補綴治療学担当教員の方々に分担執筆をお願いいたしました.お忙しい中ご執筆いただいた先生方に深甚なる謝意を表します.
最後になりましたが,本書がより一層多くの歯学部学生と研修歯科医の教科書として,また,日々臨床に携わる歯科医師の方々の必携の書として利用されることを祈念する次第です.
2016年1月
第2版 序
『無歯顎補綴治療学』の初版が2004年9月に出版されて以来今日まで,歯学部学生をはじめとして,多くの方々が本書を活用してくださっていることに対しまして,心から謝意を表します.
この度の改訂にあたり,新たに市川哲雄教授,大川周治教授に編集委員として加わっていただきました.さらに23校に及ぶ歯科大学・歯学部の有床義歯補綴学担当教員の方々に分担執筆をお願いしました.なお編集方針につきましては,初版と同じく『歯科医学教授要綱』と『歯科医師国家試験出題基準』に準拠した構成としました.しかし高齢社会の急速な進展に対応し得るために,一部内容を補足し,新たな章を加えました.主な変更点は,「第2章 診察,検査,診断」に(社)日本補綴歯科学会が長年にわたる検討を経てまとめた「症型分類」を加えたこと,「第3章 治療」としてくくられていた「I 前処置」「II 印象採得」「III 顎間関係の記録」「IV 下顎運動の記録と咬合器装着」「V 人工歯の排列」「VI ?義歯とその試適」「VII 埋没,重合,研磨」「VIII 重合義歯の咬合器再装着と咬合調整」「IX 義歯の装着」をそれぞれ独立した章として記述したこと,さらに新たに「複製義歯による治療」と「無歯顎患者に対する歯科訪問診療」の章を加えたことなどです.また,全頁をカラー印刷とし,図や写真などの理解を深められるように配慮するなどの改変を試みました.
ここ数年,高齢化のスピードは一段と加速し,それに伴い高齢無歯顎患者も増加している状況にあって,今回の改訂は無歯顎補綴治療の社会的要請にも応える内容となっております.さらに歯科医師国家試験はますます厳しさを増し,狭き門になりつつある状況下で,無歯顎補綴学とそれに立脚した臨床に関しても,術式や製作法と並んで診察・検査・診断と治療計画の立案などの能力が問われております.加えてインプラント治療は,無歯顎補綴治療の選択肢として重要な位置を占めるようになりました.このような背景から,多くの歯学部学生と歯科医師およびその関係の方々には,共通の基盤に立って新しい無歯顎補綴治療学とその臨床を学習あるいは認識していただくことが必要であると考えます.
ご承知の通り,21世紀におけるわが国の健康政策であります「健康日本21」では,改善重点項目の一つとして「歯の健康」が掲げられています.顎口腔系の健康が全身の健康と密接に関係していることがエビデンスをもって示された所以です.適正な全部床義歯の装着が高齢者の健康の維持・増進に重要な役割を担っていることを強調したいと思います.「咬合・咀嚼が創る健康長寿」を具現化しなければなりません.
本書が多くの歯学部学生と研修歯科医師の教科書として,また,日々臨床に携わる歯科医師の参考書として活用され,無歯顎患者の診断と治療に有効に生かされることを切望いたします.
2009年1月
編集委員代表 細井紀雄
平井敏博
序
近年の教育改革の波は歯科医学教育分野にも及んでおり,歯学教育モデル・コア・カリキュラムが提示され,共用試験の本格実施および歯科医師臨床研修の完全義務化が決定されている.そこで,これらの変革への対応が可能な無歯顎補綴治療に関する教科書が必要であると考えた.
従来から,全部床義歯補綴学あるいは無歯顎補綴学とよばれる学問は,究極的には患者の健康の維持・増進をはかるために必要な理論と技術を考究することを目的としている.したがって,全部床義歯補綴学を含む歯科補綴学は,生命科学や健康科学をベースとする実学であり,人々の健康・福祉の向上に貢献する役割を担う学問である.すなわち,歯科補綴学は歯科補綴治療学であるといえる.このことから,本書名を“無歯顎補綴治療学”とした.また,無歯顎補綴治療とは,無歯顎患者の形態的・機能的障害の改善や回復を目指すことから,リハビリテーションの一分野であるといえる.リハビリテーションの究極的な目標はQOLの維持・向上であり,無歯顎補綴治療は,まさに21世紀に求められる主要な医療の一つであるといえる.なお,最新の“歯学教授要綱”では,“基本方針・到達目標”として,“口腔疾患の予防と健康の保持・増進に寄与する人材の養成”“患者の全身状態を把握し対応する能力を有する人材の養成”があげられている.この理由としては,人口の高齢化に伴う複数の基礎疾患を有する高齢者の増加が考えられる.また,国民の健康に対する関心の高まりと,咬合・咀嚼が全身の健康に重要な役割を果たしていることを示す多くの客観的データの提示も見逃せない.無歯顎患者への義歯補綴治療の重要性は明白である.
以上のことから,本書では,まず健康あるいはQOLと密接な関係にある老化に関する基礎的知識を整理し,全人的見地から無歯顎患者を診ることができる能力を涵養する記載を心がけた.また,無歯顎という病態についての理解を深めるためには,顎口腔系の常態との比較が必要であると考え,総論部分では健常有歯顎者の形態と機能に関する詳細な記載を行った.また,臨床術式に関しては図と写真を多用し,それらを記述と平行して掲載することによって理解を容易にした.さらに,各章末には一般目標,到達目標とkey wordsを設定し,全般的な教育内容と修得すべき指標を記載した.なお,用語に関しては,“歯科補綴学専門用語集”(日本補綴歯科学会編)に準拠した.
本書が歯学部学生,臨床研修医および歯科医師に広く活用され,人々の健康の維持・増進に寄与することを切望する.
最後に,本書の発刊に貴重なご示唆を賜りました東京医科歯科大学名誉教授 林 都志夫先生に心から深謝いたします.
2004年 盛夏
編 者 細井紀雄
平井敏博
本書は,2004年9月に初版が,2009年2月に第2版が発行され,そしてこのたび第3版を発行する運びとなりました.10年を超える期間にわたって,学生,研修歯科医,歯科医師の方々に広く活用されていることに,心から感謝の意を表する次第です.
周知の如く,2000年に策定された「健康日本21」では,生活習慣病とその原因となる生活習慣等の課題について,「歯の健康」を含む9分野ごとの対策が組まれました.その結果として,「8020運動」の効果とともに歯の喪失数は減少し,診療室での無歯顎患者は減少し,無歯顎補綴治療学の意義は低下しているように見えるかもしれません.しかし,高齢化のスピードは一段と加速し,さらに医療と福祉とがボーダーレスになり,現在の医療政策では,要介護者や認知症などの老年症候群への対策や,フレイル,サルコペニアに対する早期の介入など,要介護にならないことへの対策に重点が移りつつあります.本書の初版には,「無歯顎補綴治療は無歯顎患者の形態的・機能的障害の改善や回復を目指すことからリハビリテーションの一分野でもある.また,リハビリテーションの究極的な目標はQOLの維持・向上であり,無歯顎補綴治療はまさに21世紀に求められる主要な医療の一つである.」という強いメッセージが込められておりました.いまこそ,真の意味でこのことが求められてきているものと考えます.
もう一つの押し寄せてきている大きな波は,デジタル化です.既にインプラントやクラウンブリッジの分野では,重要な臨床術式の一つとなっています.有床義歯についても,この大きな波がすぐそこまで来ていることから,本書でもその章を新たに設定しました.ここで重要なことは,デジタル化の時代だからこそ,そして前述の老年症候群の対策が求められる時代だからこそ,無歯顎補綴学とそれに立脚した無歯顎補綴治療に関しての術式や製作法と並んで,診察・検査・診断と治療計画の立案,アウトカム評価などの能力が一層強く問われるということです.学生諸君や若い歯科医師の方々には,このような共通の認識の上で,補綴歯科治療学の基盤を成し,学術的に膨大な知識が凝縮された無歯顎補綴治療学とその臨床を学習あるいは認識していただくことが必要であると考えます.本書は,それに対応可能な教科書になっていると信じております.
第3版は,当然のことながら,初版および第2版の編集の枠組みを踏襲しております.そして,現在ではそれほどは使用されていない治療材料,器具,手技につきましても,無歯顎補綴治療を理解する上で必要と考えられる基本的な事項を十分に吟味した上で継承するとともに,最新の事項と合わせて記載いたしました.
また,初版では14歯科大学・歯学部,第2版では23歯科大学・歯学部の先生方にご執筆をいただいたのに対して,第3版では29歯科大学・歯学部のすべての無歯顎補綴治療学担当教員の方々に分担執筆をお願いいたしました.お忙しい中ご執筆いただいた先生方に深甚なる謝意を表します.
最後になりましたが,本書がより一層多くの歯学部学生と研修歯科医の教科書として,また,日々臨床に携わる歯科医師の方々の必携の書として利用されることを祈念する次第です.
2016年1月
第2版 序
『無歯顎補綴治療学』の初版が2004年9月に出版されて以来今日まで,歯学部学生をはじめとして,多くの方々が本書を活用してくださっていることに対しまして,心から謝意を表します.
この度の改訂にあたり,新たに市川哲雄教授,大川周治教授に編集委員として加わっていただきました.さらに23校に及ぶ歯科大学・歯学部の有床義歯補綴学担当教員の方々に分担執筆をお願いしました.なお編集方針につきましては,初版と同じく『歯科医学教授要綱』と『歯科医師国家試験出題基準』に準拠した構成としました.しかし高齢社会の急速な進展に対応し得るために,一部内容を補足し,新たな章を加えました.主な変更点は,「第2章 診察,検査,診断」に(社)日本補綴歯科学会が長年にわたる検討を経てまとめた「症型分類」を加えたこと,「第3章 治療」としてくくられていた「I 前処置」「II 印象採得」「III 顎間関係の記録」「IV 下顎運動の記録と咬合器装着」「V 人工歯の排列」「VI ?義歯とその試適」「VII 埋没,重合,研磨」「VIII 重合義歯の咬合器再装着と咬合調整」「IX 義歯の装着」をそれぞれ独立した章として記述したこと,さらに新たに「複製義歯による治療」と「無歯顎患者に対する歯科訪問診療」の章を加えたことなどです.また,全頁をカラー印刷とし,図や写真などの理解を深められるように配慮するなどの改変を試みました.
ここ数年,高齢化のスピードは一段と加速し,それに伴い高齢無歯顎患者も増加している状況にあって,今回の改訂は無歯顎補綴治療の社会的要請にも応える内容となっております.さらに歯科医師国家試験はますます厳しさを増し,狭き門になりつつある状況下で,無歯顎補綴学とそれに立脚した臨床に関しても,術式や製作法と並んで診察・検査・診断と治療計画の立案などの能力が問われております.加えてインプラント治療は,無歯顎補綴治療の選択肢として重要な位置を占めるようになりました.このような背景から,多くの歯学部学生と歯科医師およびその関係の方々には,共通の基盤に立って新しい無歯顎補綴治療学とその臨床を学習あるいは認識していただくことが必要であると考えます.
ご承知の通り,21世紀におけるわが国の健康政策であります「健康日本21」では,改善重点項目の一つとして「歯の健康」が掲げられています.顎口腔系の健康が全身の健康と密接に関係していることがエビデンスをもって示された所以です.適正な全部床義歯の装着が高齢者の健康の維持・増進に重要な役割を担っていることを強調したいと思います.「咬合・咀嚼が創る健康長寿」を具現化しなければなりません.
本書が多くの歯学部学生と研修歯科医師の教科書として,また,日々臨床に携わる歯科医師の参考書として活用され,無歯顎患者の診断と治療に有効に生かされることを切望いたします.
2009年1月
編集委員代表 細井紀雄
平井敏博
序
近年の教育改革の波は歯科医学教育分野にも及んでおり,歯学教育モデル・コア・カリキュラムが提示され,共用試験の本格実施および歯科医師臨床研修の完全義務化が決定されている.そこで,これらの変革への対応が可能な無歯顎補綴治療に関する教科書が必要であると考えた.
従来から,全部床義歯補綴学あるいは無歯顎補綴学とよばれる学問は,究極的には患者の健康の維持・増進をはかるために必要な理論と技術を考究することを目的としている.したがって,全部床義歯補綴学を含む歯科補綴学は,生命科学や健康科学をベースとする実学であり,人々の健康・福祉の向上に貢献する役割を担う学問である.すなわち,歯科補綴学は歯科補綴治療学であるといえる.このことから,本書名を“無歯顎補綴治療学”とした.また,無歯顎補綴治療とは,無歯顎患者の形態的・機能的障害の改善や回復を目指すことから,リハビリテーションの一分野であるといえる.リハビリテーションの究極的な目標はQOLの維持・向上であり,無歯顎補綴治療は,まさに21世紀に求められる主要な医療の一つであるといえる.なお,最新の“歯学教授要綱”では,“基本方針・到達目標”として,“口腔疾患の予防と健康の保持・増進に寄与する人材の養成”“患者の全身状態を把握し対応する能力を有する人材の養成”があげられている.この理由としては,人口の高齢化に伴う複数の基礎疾患を有する高齢者の増加が考えられる.また,国民の健康に対する関心の高まりと,咬合・咀嚼が全身の健康に重要な役割を果たしていることを示す多くの客観的データの提示も見逃せない.無歯顎患者への義歯補綴治療の重要性は明白である.
以上のことから,本書では,まず健康あるいはQOLと密接な関係にある老化に関する基礎的知識を整理し,全人的見地から無歯顎患者を診ることができる能力を涵養する記載を心がけた.また,無歯顎という病態についての理解を深めるためには,顎口腔系の常態との比較が必要であると考え,総論部分では健常有歯顎者の形態と機能に関する詳細な記載を行った.また,臨床術式に関しては図と写真を多用し,それらを記述と平行して掲載することによって理解を容易にした.さらに,各章末には一般目標,到達目標とkey wordsを設定し,全般的な教育内容と修得すべき指標を記載した.なお,用語に関しては,“歯科補綴学専門用語集”(日本補綴歯科学会編)に準拠した.
本書が歯学部学生,臨床研修医および歯科医師に広く活用され,人々の健康の維持・増進に寄与することを切望する.
最後に,本書の発刊に貴重なご示唆を賜りました東京医科歯科大学名誉教授 林 都志夫先生に心から深謝いたします.
2004年 盛夏
編 者 細井紀雄
平井敏博
第1章 総論
I 無歯顎補綴治療の健康に果たす役割と全部床義歯(市川哲雄,平井敏博)
1 健康・QOLの考え方
2 顎口腔系の機能と形態
3 歯科補綴学と補綴歯科臨床(大川周治,平井敏博)
4 全部床義歯と無歯顎補綴学(全部床義歯補綴学)
5 歯科補綴学・補綴歯科治療と咬合
II 無歯顎の病因と病態
1 無歯顎の病因(越野 寿)
2 歯の寿命および喪失歯数と全部床義歯装着者数
3 無歯顎の病態
1)歯の喪失後の顎骨の変化 2)歯の喪失後の顎堤粘膜の変化
4 加齢に伴う変化
1)顎関節(津賀一弘,吉川峰加) 2)筋(櫻井 薫) 3)神経系(津賀一弘,吉川峰加)
4)下顎運動・下顎位(古谷野 潔) 5)唾液(津賀一弘,吉川峰加) 6)味覚
5 咀嚼障害(越野 寿)
6 嚥下障害
7 発語障害(構音障害)(市川哲雄)
1)構音と音声(言語音)のつくられ方 2)言語音の分類
3)構音障害と検査法
III 補綴装置としての全部床義歯(皆木省吾,原 哲也)
1 全部床義歯の構成要素
1)人工歯 2)義歯床
2 全部床義歯の各部の名称と役割
3 全部床義歯の維持
1)唾液による物理的維持力 2)陰圧による物理的維持力
3)筋圧による生理的維持力 4)維持力に影響を及ぼす解剖学的因子
4 全部床義歯の支持
5 全部床義歯の安定
1)咬合平衡 2)上下顎顎堤の前頭面での対向関係
3)上下顎顎堤の矢状面での対向関係
IV 全部床義歯装着者にみられる主要症候
1)義歯床下および周囲組織の疼痛 2)咀嚼障害 3)審美障害
4)発語障害(構音障害) 5)顎機能異常 6)顎関節の疼痛
第2章 診察,検査,診断
I 医療面接とインフォームドコンセント(津匡樹)
1 患者中心の医療における医療面接とインフォームドコンセント
2 医療面接の目的
1)患者理解のための情報収集 2)患者と歯科医師との間の信頼関係の構築
3)患者教育と治療への動機づけ
3 無歯顎補綴治療における医療面接
4 コミュニケーションスキル
1)コミュニケーションの種類 2)質問法 3)傾聴
5 医療面接情報の記録
6 インフォームドコンセント
II 診察,検査(馬場一美)
1 一般的な診察
1)主訴 2)既往歴 3)現症 4)基礎疾患
5)服用薬剤 6)患者の気質・精神医学的状態
2 局所的な診察と検査
1)口腔外の診察 2)口腔内の診察 3)画像検査 4)顎機能の検査
5)咀嚼機能の検査(志賀 博) 6)満足度,口腔関連QOL(馬場一美)
7)使用中の義歯の観察 8)研究用模型の観察
III 診断と治療計画の立案(小野高裕)
1 無歯顎補綴治療における診断
2 心理的な診断情報
3 全身的な診断情報
4 局所的な診断情報
5 プロブレムリストの作成
6 治療計画の立案
7 治療効果
8 治療計画の提示と患者指導
9 診断と治療計画の意義
第3章 前処置
(服部正巳,竹内一夫)
I 補綴的前処置
1 治療用義歯による粘膜治療
2 治療用義歯による咬合治療
II 外科的前処置
1 口蓋隆起,下顎隆起に対する外科的処置
2 骨鋭縁部に対する外科的処置
3 顎堤のアンダーカットに対する外科的処置
4 高度な顎堤吸収に対する外科的処置
5 軟組織に対する外科的処置
III その他の前処置
第4章 印象採得
I 印象採得の目的(大久保力廣,細井紀雄)
II 印象採得用材料
1 印象材の所要性質
2 印象用材料
1)概形印象 2)精密印象
III 印象法の種類(櫻井 薫)
1 印象材の組合せ別
1)単一印象 2)連合印象
2 目的別
1)概形印象 2)精密印象 3)リラインのための印象
3 粘膜への圧力別
1)無圧印象 2)加圧印象 3)選択的加圧印象
4 粘膜の静的・動的状態別
1)解剖学的印象 2)機能印象 3)咬合圧印象
4)ダイナミック印象
5 その他の印象
1)咬座印象
IV 概形印象採得(大川周治)
1 目的
2 印象法
1)モデリングコンパウンドによる概形印象採得
2)アルジネート印象材による概形印象採得
V 研究用模型の製作(大久保力廣,細井紀雄)
1 使用目的
2 製作法
VI 精密印象採得
1 目的
2 印象法
1)個人トレーの製作 2)個人トレーによる筋圧形成
3)印象採得
VII 作業用模型の製作(鱒見進一)
1 使用目的
2 製作法
3 模型の調整
1)リリーフ 2)ブロックアウト 3)後堤法
第5章 顎間関係の記録
I 咬合床の製作(黒岩昭弘)
1 咬合床の構成
1)基礎床 2)咬合堤(ろう堤)
2 咬合床の製作
1)作業用模型の調整 2)基準線の記入 3)ブロックアウトおよびリリーフ
4)咬合床の高さ 5)咬合堤の頬舌的位置と幅 6)前歯部咬合堤の弓形
7)床翼部および口蓋部の形状
II 仮想咬合平面の決定
1 咬合床の試適
2 前歯部の修正とリップサポート
1)上顎法 2)下顎法
3 仮想咬合平面の設定
4 下顎咬合床の高さの調整
III 垂直的顎間関係の記録(小出 馨)
1 形態的根拠に基づく方法
1)無歯顎状態の情報を利用する方法
2)有歯顎時の情報を利用する方法
2 機能的根拠に基づく方法
1)下顎安静位を利用する方法 2)最大咬合力を利用する方法
3)発音を利用する方法 4)嚥下を利用する方法
5)その他の方法
IV 水平的顎間関係の記録(鈴木哲也)
1 一般的な水平的顎間関係の記録法
2 特に器具を必要としない方法
1)筋疲労法 2)タッピング法 3)ワルクホッフ小球利用法
4)頭部後傾法 5)嚥下法 6)側頭筋触診法 7)咬筋触診法
3 特殊な器具を使用する方法
1)ゴシックアーチ描記法 2)チューイン法
3)FGPテクニック 4)終末蝶番軸法
V 標示線の記入
1)正中線 2)口角線 3)鼻幅線(鼻翼幅線)
4)上唇線と下唇線(笑線) 5)微笑線
VI デンチャースペースの記録法(鱒見進一)
1 デンチャースペースを構成する筋群
1)義歯の維持に関与する筋 2)義歯の脱離に関与する筋
2 デンチャースペースの記録法
1)ニュートラルゾーンテクニック 2)フレンジテクニック
3)ピエゾグラフィ
第6章 下顎運動の記録と咬合器装着
I 下顎運動の記録(志賀 博)
1 下顎運動測定の目的
1)咬合器での下顎運動の再現 2)下顎運動の診断(評価)
2 下顎運動の測定法
1)ゴシックアーチ描記法 2)チェックバイトによる測定
3)特殊な測定機器を用いる方法
II 咬合器(服部佳功)
1 咬合器の種類
1)調節性による分類 2)関節部の構造による分類
3)顆路部の構造による分類
2 模型の咬合器への装着
1)模型装着の前準備 2)咬合平面板を用いた装着
3)フェイスボウを用いた装着 4)顆路の調節
3 バーチャル咬合器の利用
第7章 人工歯の排列
I 人工歯の歴史(山森徹雄)
II 前歯部人工歯の選択と排列
1 前歯部人工歯の選択
1)形態 2)大きさ 3)色調 4)材質
2 前歯部人工歯の排列
1)リップサポート 2)微笑線 3)笑線
4)上顎前歯部唇側面の位置 5)上顎前歯部排列時の人工歯切縁の位置
6)上下顎前歯部の被蓋関係 7)個性的排列 8)前歯部排列後の修正
III 臼歯部人工歯の選択と排列(市川哲雄,永尾 寛)
1 臼歯部人工歯の選択
1)形態 2)材質 3)大きさ 4)色調
2 臼歯部人工歯の排列
1)排列位置 2)上顎法による排列と下顎法による排列
3)咬合平衡 4)平衡咬合
5)全部床義歯に与える咬合様式と排列の実際
第8章 歯肉形成とろう義歯試適
(玉置勝司,菅野京子)
I 歯肉形成
1 審美的形態
1)歯頸部および歯根部の形成 2)歯間乳頭部の形成
2 機能的形態
1)床縁形態 2)義歯床研磨面形態 3)S字状隆起
4)口蓋ヒダ(皺襞)および切歯乳頭
II ろう義歯の試適
1 義歯床形態の検査
2 咬合関係の検査
1)咬合平面 2)咬合高径 3)中心咬合位
4)偏心咬合位
3 人工歯の排列位置と舌房の検査
4 審美性の検査
5 発語機能の検査
第9章 埋没,重合,研磨
(橋 裕)
I 埋没
1 埋没の前準備
1)スプリットキャスト法 2)テンチのコア法
2 埋没法
1)アメリカ式埋没法 2)フランス式埋没法
3 埋没の手順
1)フラスク 2)埋没手順
II 流ろうとレジン填入
1 流ろう
2 レジン填入
III 重合
1 レジン重合法
1)加熱重合法 2)常温重合法 3)マイクロ波重合法
2 各種重合法の特徴
IV 義歯の取り出し
V 研磨
1 意義
2 手順
1)形態修正,荒研磨 2)仕上げ研磨
第10章 重合義歯の咬合器再装着と咬合調整
(西村正宏,村上 格)
1 重合の完了した義歯の咬合器再装着
1)スプリットキャスト法 2)テンチのコア法
2 人工歯の削合
1)選択削合 2)自動削合
第11章 義歯の装着
(大川周治)
I 装着時の調整
1 形態に関する調整
1)装着の前準備 2)床縁の調整 3)義歯床研磨面の形態
4)義歯床粘膜面の適合性 5)維持力の確認
2 機能に関する調整
1)咬合接触状態の検査 2)咬合・咀嚼圧を負荷した状態での適合試験
3)機能圧が負荷された後の維持の検査
3 審美に関する調整
II 装着時の患者指導
1 義歯への慣れに関する指導
2 摂食に関する指導
1)食事方法の指導 2)口腔機能のリハビリテーション
3 義歯および口腔内の清掃に関する指導
1)機械的清掃 2)化学的清掃 3)口腔内の清掃
4 就寝時における義歯の取り扱いに関する指導
5 リコールとメインテナンスに関する指導
III 装着直後の調整
1)調整時期 2)咬合調整と義歯床の調整
IV 治療効果の評価
第12章 義歯装着後の経過観察
I 装着後の生体と義歯の変化(河相安彦)
1 生体の変化
2 義歯の変化
1)人工歯の変化 2)義歯床の変化
II 定期検査と評価
1 残存組織について
1)顎堤・義歯床下粘膜の変化への対処
2)顎関節・筋の異常への対処
2 咬合について
1)義歯の咬頭嵌合位の変化および対処
3 義歯について
1)義歯床の破折・破損 2)人工歯の破折・破損・脱落
4 患者指導
III 修理
1 破折の原因
1)義歯床 2)人工歯
2 修理法
1)義歯床の破折 2)人工歯の破折・脱落
IV リライン(村田比呂司)
1 直接法によるリライン
1)特徴 2)検査と前処置 3)手順
2 間接法によるリライン
1)フラスク埋没による方法(軟質リライン材,義歯床用レジン)
2)リライニングジグによる方法(硬質リライン材,軟質リライン材)
V リベース
VI 咬合面再形成
第13章 複製義歯による治療
(横山敦郎)
1 複製義歯による治療の特徴
2 複製義歯の製作方法
1)複製義歯用フラスクへの使用中の義歯の埋没
2)義歯の複製 3)複製義歯の取り出し,研磨
3 複製義歯による治療法
1)診断 2)複製義歯の製作と装着 3)複製義歯の調整
4)粘膜治療,咬合治療終了後の印象採得および咬合採得
5)試適と装着
第14章 金属床義歯による治療
(岡崎定司,小正 裕)
1 金属床義歯の利点と欠点
2 金属床義歯の構造
3 金属床義歯の製作手順
1)ろう義歯の試適とコア採得
2)フレームワークのフィニッシュラインの設定とデザイン
3)作業用模型上でのリリーフと耐火模型の製作 4)フレームワークのワックスアップ
5)フレームワークの鋳造・研磨 6)ろう義歯の製作 7)金属床義歯の完成
8)金属床義歯におけるCAD/CAMシステムの適用 9)金属床義歯のリライン
第15章 即時全部床義歯による治療
(藤原 周)
1 即時全部床義歯の利点と欠点
2 診療手順と製作法
3 即時全部床義歯の装着に関する注意事項
第16章 オーバーデンチャーによる治療
(前田芳信,池邉一典)
1 オーバーデンチャーの利点と欠点
2 オーバーデンチャーの適応症
3 支台歯の処置方法の選択
1)コーピング法とノンコーピング法 2)コーピングの形態
3)アタッチメント
4 装着後の経過観察
1)患者自身によるホームケア
2)定期検査時に術者が行うプロフェッショナルケア
第17章 顎義歯による治療
(田中貴信,中村好徳)
1 腫瘍による顎欠損
1)顎欠損に伴う臨床症状
2)顎義歯製作に関する臨床的問題点と治療目標
2 主要な臨床術式
1)上顎顎義歯 2)下顎顎義歯
第18章 インプラント義歯による治療
1 無歯顎におけるインプラント治療の利点と欠点(近藤尚知)
2 インプラント材料に対する生体反応
3 インプラント治療の基本術式
1)従来法 2)即時荷重(即時修復)
4 固定性上部構造
1)スクリュー固定式 2)セメント固定式
3)スクリューとセメントのハイブリッド固定式
5 可撤性上部構造(インプラントオーバーデンチャー)前田芳信,池邉一典)
1)インプラントオーバーデンチャーの利点と欠点
2)インプラントオーバーデンチャーの適応症と治療手順
3)インプラントの数と位置 4)アタッチメントの選択
5)経過観察
6 インプラント治療の有効性とその将来(近藤尚知)
第19章 全部床義歯による治療のデジタル化
(水口俊介,金澤 学)
I 全部床義歯の製作ステップのデジタル化
1 デンチャースペースのデータ化
2 人工歯排列と試適
3 義歯床の切削と人工歯の接着
II 無歯顎補綴治療におけるデジタル化の意義
第20章 無歯顎患者に対する訪問歯科診療
(水口俊介)
I 訪問歯科診療の目的と意義
1 訪問歯科診療の目的
2 要介護高齢者の口腔状況と訪問歯科診療の意義
II 診察・検査・診断
1 訪問歯科診療と安全管理
2 患者とのコミュニケーションと診療時の体位
3 診察・検査・診断の要点
1)口腔内の診察 2)義歯の観察
III 器具,器材
1 診療器具・器材と環境の整備
2 感染予防
IV 治療方針・治療計画と処置
1 治療方針・治療計画の立案
2 訪問歯科診療の実際
V 患者指導
1 義歯および口腔内の清掃に関する指導
2 義歯への慣れ,摂食に関する指導
3 メインテナンスに関する指導
コラム1 「無歯顎補綴治療学」と「全部床義歯学」「全部床義歯補綴学」
コラム2 発音・発語・発話・構音
コラム3 筋圧形成(筋形成,辺縁形成)
コラム4 中心咬合位
コラム5 咬合平衡と平衡咬合
コラム6 チェックバイト
コラム7 顆路傾斜角と顆路角
コラム8 即時重合レジンと常温重合レジン
文献
索引
I 無歯顎補綴治療の健康に果たす役割と全部床義歯(市川哲雄,平井敏博)
1 健康・QOLの考え方
2 顎口腔系の機能と形態
3 歯科補綴学と補綴歯科臨床(大川周治,平井敏博)
4 全部床義歯と無歯顎補綴学(全部床義歯補綴学)
5 歯科補綴学・補綴歯科治療と咬合
II 無歯顎の病因と病態
1 無歯顎の病因(越野 寿)
2 歯の寿命および喪失歯数と全部床義歯装着者数
3 無歯顎の病態
1)歯の喪失後の顎骨の変化 2)歯の喪失後の顎堤粘膜の変化
4 加齢に伴う変化
1)顎関節(津賀一弘,吉川峰加) 2)筋(櫻井 薫) 3)神経系(津賀一弘,吉川峰加)
4)下顎運動・下顎位(古谷野 潔) 5)唾液(津賀一弘,吉川峰加) 6)味覚
5 咀嚼障害(越野 寿)
6 嚥下障害
7 発語障害(構音障害)(市川哲雄)
1)構音と音声(言語音)のつくられ方 2)言語音の分類
3)構音障害と検査法
III 補綴装置としての全部床義歯(皆木省吾,原 哲也)
1 全部床義歯の構成要素
1)人工歯 2)義歯床
2 全部床義歯の各部の名称と役割
3 全部床義歯の維持
1)唾液による物理的維持力 2)陰圧による物理的維持力
3)筋圧による生理的維持力 4)維持力に影響を及ぼす解剖学的因子
4 全部床義歯の支持
5 全部床義歯の安定
1)咬合平衡 2)上下顎顎堤の前頭面での対向関係
3)上下顎顎堤の矢状面での対向関係
IV 全部床義歯装着者にみられる主要症候
1)義歯床下および周囲組織の疼痛 2)咀嚼障害 3)審美障害
4)発語障害(構音障害) 5)顎機能異常 6)顎関節の疼痛
第2章 診察,検査,診断
I 医療面接とインフォームドコンセント(津匡樹)
1 患者中心の医療における医療面接とインフォームドコンセント
2 医療面接の目的
1)患者理解のための情報収集 2)患者と歯科医師との間の信頼関係の構築
3)患者教育と治療への動機づけ
3 無歯顎補綴治療における医療面接
4 コミュニケーションスキル
1)コミュニケーションの種類 2)質問法 3)傾聴
5 医療面接情報の記録
6 インフォームドコンセント
II 診察,検査(馬場一美)
1 一般的な診察
1)主訴 2)既往歴 3)現症 4)基礎疾患
5)服用薬剤 6)患者の気質・精神医学的状態
2 局所的な診察と検査
1)口腔外の診察 2)口腔内の診察 3)画像検査 4)顎機能の検査
5)咀嚼機能の検査(志賀 博) 6)満足度,口腔関連QOL(馬場一美)
7)使用中の義歯の観察 8)研究用模型の観察
III 診断と治療計画の立案(小野高裕)
1 無歯顎補綴治療における診断
2 心理的な診断情報
3 全身的な診断情報
4 局所的な診断情報
5 プロブレムリストの作成
6 治療計画の立案
7 治療効果
8 治療計画の提示と患者指導
9 診断と治療計画の意義
第3章 前処置
(服部正巳,竹内一夫)
I 補綴的前処置
1 治療用義歯による粘膜治療
2 治療用義歯による咬合治療
II 外科的前処置
1 口蓋隆起,下顎隆起に対する外科的処置
2 骨鋭縁部に対する外科的処置
3 顎堤のアンダーカットに対する外科的処置
4 高度な顎堤吸収に対する外科的処置
5 軟組織に対する外科的処置
III その他の前処置
第4章 印象採得
I 印象採得の目的(大久保力廣,細井紀雄)
II 印象採得用材料
1 印象材の所要性質
2 印象用材料
1)概形印象 2)精密印象
III 印象法の種類(櫻井 薫)
1 印象材の組合せ別
1)単一印象 2)連合印象
2 目的別
1)概形印象 2)精密印象 3)リラインのための印象
3 粘膜への圧力別
1)無圧印象 2)加圧印象 3)選択的加圧印象
4 粘膜の静的・動的状態別
1)解剖学的印象 2)機能印象 3)咬合圧印象
4)ダイナミック印象
5 その他の印象
1)咬座印象
IV 概形印象採得(大川周治)
1 目的
2 印象法
1)モデリングコンパウンドによる概形印象採得
2)アルジネート印象材による概形印象採得
V 研究用模型の製作(大久保力廣,細井紀雄)
1 使用目的
2 製作法
VI 精密印象採得
1 目的
2 印象法
1)個人トレーの製作 2)個人トレーによる筋圧形成
3)印象採得
VII 作業用模型の製作(鱒見進一)
1 使用目的
2 製作法
3 模型の調整
1)リリーフ 2)ブロックアウト 3)後堤法
第5章 顎間関係の記録
I 咬合床の製作(黒岩昭弘)
1 咬合床の構成
1)基礎床 2)咬合堤(ろう堤)
2 咬合床の製作
1)作業用模型の調整 2)基準線の記入 3)ブロックアウトおよびリリーフ
4)咬合床の高さ 5)咬合堤の頬舌的位置と幅 6)前歯部咬合堤の弓形
7)床翼部および口蓋部の形状
II 仮想咬合平面の決定
1 咬合床の試適
2 前歯部の修正とリップサポート
1)上顎法 2)下顎法
3 仮想咬合平面の設定
4 下顎咬合床の高さの調整
III 垂直的顎間関係の記録(小出 馨)
1 形態的根拠に基づく方法
1)無歯顎状態の情報を利用する方法
2)有歯顎時の情報を利用する方法
2 機能的根拠に基づく方法
1)下顎安静位を利用する方法 2)最大咬合力を利用する方法
3)発音を利用する方法 4)嚥下を利用する方法
5)その他の方法
IV 水平的顎間関係の記録(鈴木哲也)
1 一般的な水平的顎間関係の記録法
2 特に器具を必要としない方法
1)筋疲労法 2)タッピング法 3)ワルクホッフ小球利用法
4)頭部後傾法 5)嚥下法 6)側頭筋触診法 7)咬筋触診法
3 特殊な器具を使用する方法
1)ゴシックアーチ描記法 2)チューイン法
3)FGPテクニック 4)終末蝶番軸法
V 標示線の記入
1)正中線 2)口角線 3)鼻幅線(鼻翼幅線)
4)上唇線と下唇線(笑線) 5)微笑線
VI デンチャースペースの記録法(鱒見進一)
1 デンチャースペースを構成する筋群
1)義歯の維持に関与する筋 2)義歯の脱離に関与する筋
2 デンチャースペースの記録法
1)ニュートラルゾーンテクニック 2)フレンジテクニック
3)ピエゾグラフィ
第6章 下顎運動の記録と咬合器装着
I 下顎運動の記録(志賀 博)
1 下顎運動測定の目的
1)咬合器での下顎運動の再現 2)下顎運動の診断(評価)
2 下顎運動の測定法
1)ゴシックアーチ描記法 2)チェックバイトによる測定
3)特殊な測定機器を用いる方法
II 咬合器(服部佳功)
1 咬合器の種類
1)調節性による分類 2)関節部の構造による分類
3)顆路部の構造による分類
2 模型の咬合器への装着
1)模型装着の前準備 2)咬合平面板を用いた装着
3)フェイスボウを用いた装着 4)顆路の調節
3 バーチャル咬合器の利用
第7章 人工歯の排列
I 人工歯の歴史(山森徹雄)
II 前歯部人工歯の選択と排列
1 前歯部人工歯の選択
1)形態 2)大きさ 3)色調 4)材質
2 前歯部人工歯の排列
1)リップサポート 2)微笑線 3)笑線
4)上顎前歯部唇側面の位置 5)上顎前歯部排列時の人工歯切縁の位置
6)上下顎前歯部の被蓋関係 7)個性的排列 8)前歯部排列後の修正
III 臼歯部人工歯の選択と排列(市川哲雄,永尾 寛)
1 臼歯部人工歯の選択
1)形態 2)材質 3)大きさ 4)色調
2 臼歯部人工歯の排列
1)排列位置 2)上顎法による排列と下顎法による排列
3)咬合平衡 4)平衡咬合
5)全部床義歯に与える咬合様式と排列の実際
第8章 歯肉形成とろう義歯試適
(玉置勝司,菅野京子)
I 歯肉形成
1 審美的形態
1)歯頸部および歯根部の形成 2)歯間乳頭部の形成
2 機能的形態
1)床縁形態 2)義歯床研磨面形態 3)S字状隆起
4)口蓋ヒダ(皺襞)および切歯乳頭
II ろう義歯の試適
1 義歯床形態の検査
2 咬合関係の検査
1)咬合平面 2)咬合高径 3)中心咬合位
4)偏心咬合位
3 人工歯の排列位置と舌房の検査
4 審美性の検査
5 発語機能の検査
第9章 埋没,重合,研磨
(橋 裕)
I 埋没
1 埋没の前準備
1)スプリットキャスト法 2)テンチのコア法
2 埋没法
1)アメリカ式埋没法 2)フランス式埋没法
3 埋没の手順
1)フラスク 2)埋没手順
II 流ろうとレジン填入
1 流ろう
2 レジン填入
III 重合
1 レジン重合法
1)加熱重合法 2)常温重合法 3)マイクロ波重合法
2 各種重合法の特徴
IV 義歯の取り出し
V 研磨
1 意義
2 手順
1)形態修正,荒研磨 2)仕上げ研磨
第10章 重合義歯の咬合器再装着と咬合調整
(西村正宏,村上 格)
1 重合の完了した義歯の咬合器再装着
1)スプリットキャスト法 2)テンチのコア法
2 人工歯の削合
1)選択削合 2)自動削合
第11章 義歯の装着
(大川周治)
I 装着時の調整
1 形態に関する調整
1)装着の前準備 2)床縁の調整 3)義歯床研磨面の形態
4)義歯床粘膜面の適合性 5)維持力の確認
2 機能に関する調整
1)咬合接触状態の検査 2)咬合・咀嚼圧を負荷した状態での適合試験
3)機能圧が負荷された後の維持の検査
3 審美に関する調整
II 装着時の患者指導
1 義歯への慣れに関する指導
2 摂食に関する指導
1)食事方法の指導 2)口腔機能のリハビリテーション
3 義歯および口腔内の清掃に関する指導
1)機械的清掃 2)化学的清掃 3)口腔内の清掃
4 就寝時における義歯の取り扱いに関する指導
5 リコールとメインテナンスに関する指導
III 装着直後の調整
1)調整時期 2)咬合調整と義歯床の調整
IV 治療効果の評価
第12章 義歯装着後の経過観察
I 装着後の生体と義歯の変化(河相安彦)
1 生体の変化
2 義歯の変化
1)人工歯の変化 2)義歯床の変化
II 定期検査と評価
1 残存組織について
1)顎堤・義歯床下粘膜の変化への対処
2)顎関節・筋の異常への対処
2 咬合について
1)義歯の咬頭嵌合位の変化および対処
3 義歯について
1)義歯床の破折・破損 2)人工歯の破折・破損・脱落
4 患者指導
III 修理
1 破折の原因
1)義歯床 2)人工歯
2 修理法
1)義歯床の破折 2)人工歯の破折・脱落
IV リライン(村田比呂司)
1 直接法によるリライン
1)特徴 2)検査と前処置 3)手順
2 間接法によるリライン
1)フラスク埋没による方法(軟質リライン材,義歯床用レジン)
2)リライニングジグによる方法(硬質リライン材,軟質リライン材)
V リベース
VI 咬合面再形成
第13章 複製義歯による治療
(横山敦郎)
1 複製義歯による治療の特徴
2 複製義歯の製作方法
1)複製義歯用フラスクへの使用中の義歯の埋没
2)義歯の複製 3)複製義歯の取り出し,研磨
3 複製義歯による治療法
1)診断 2)複製義歯の製作と装着 3)複製義歯の調整
4)粘膜治療,咬合治療終了後の印象採得および咬合採得
5)試適と装着
第14章 金属床義歯による治療
(岡崎定司,小正 裕)
1 金属床義歯の利点と欠点
2 金属床義歯の構造
3 金属床義歯の製作手順
1)ろう義歯の試適とコア採得
2)フレームワークのフィニッシュラインの設定とデザイン
3)作業用模型上でのリリーフと耐火模型の製作 4)フレームワークのワックスアップ
5)フレームワークの鋳造・研磨 6)ろう義歯の製作 7)金属床義歯の完成
8)金属床義歯におけるCAD/CAMシステムの適用 9)金属床義歯のリライン
第15章 即時全部床義歯による治療
(藤原 周)
1 即時全部床義歯の利点と欠点
2 診療手順と製作法
3 即時全部床義歯の装着に関する注意事項
第16章 オーバーデンチャーによる治療
(前田芳信,池邉一典)
1 オーバーデンチャーの利点と欠点
2 オーバーデンチャーの適応症
3 支台歯の処置方法の選択
1)コーピング法とノンコーピング法 2)コーピングの形態
3)アタッチメント
4 装着後の経過観察
1)患者自身によるホームケア
2)定期検査時に術者が行うプロフェッショナルケア
第17章 顎義歯による治療
(田中貴信,中村好徳)
1 腫瘍による顎欠損
1)顎欠損に伴う臨床症状
2)顎義歯製作に関する臨床的問題点と治療目標
2 主要な臨床術式
1)上顎顎義歯 2)下顎顎義歯
第18章 インプラント義歯による治療
1 無歯顎におけるインプラント治療の利点と欠点(近藤尚知)
2 インプラント材料に対する生体反応
3 インプラント治療の基本術式
1)従来法 2)即時荷重(即時修復)
4 固定性上部構造
1)スクリュー固定式 2)セメント固定式
3)スクリューとセメントのハイブリッド固定式
5 可撤性上部構造(インプラントオーバーデンチャー)前田芳信,池邉一典)
1)インプラントオーバーデンチャーの利点と欠点
2)インプラントオーバーデンチャーの適応症と治療手順
3)インプラントの数と位置 4)アタッチメントの選択
5)経過観察
6 インプラント治療の有効性とその将来(近藤尚知)
第19章 全部床義歯による治療のデジタル化
(水口俊介,金澤 学)
I 全部床義歯の製作ステップのデジタル化
1 デンチャースペースのデータ化
2 人工歯排列と試適
3 義歯床の切削と人工歯の接着
II 無歯顎補綴治療におけるデジタル化の意義
第20章 無歯顎患者に対する訪問歯科診療
(水口俊介)
I 訪問歯科診療の目的と意義
1 訪問歯科診療の目的
2 要介護高齢者の口腔状況と訪問歯科診療の意義
II 診察・検査・診断
1 訪問歯科診療と安全管理
2 患者とのコミュニケーションと診療時の体位
3 診察・検査・診断の要点
1)口腔内の診察 2)義歯の観察
III 器具,器材
1 診療器具・器材と環境の整備
2 感染予防
IV 治療方針・治療計画と処置
1 治療方針・治療計画の立案
2 訪問歯科診療の実際
V 患者指導
1 義歯および口腔内の清掃に関する指導
2 義歯への慣れ,摂食に関する指導
3 メインテナンスに関する指導
コラム1 「無歯顎補綴治療学」と「全部床義歯学」「全部床義歯補綴学」
コラム2 発音・発語・発話・構音
コラム3 筋圧形成(筋形成,辺縁形成)
コラム4 中心咬合位
コラム5 咬合平衡と平衡咬合
コラム6 チェックバイト
コラム7 顆路傾斜角と顆路角
コラム8 即時重合レジンと常温重合レジン
文献
索引














