第2版発刊にあたり
本書は2006年に初版が刊行され,以来,約8年が経過した.幸い発刊当初より好感を持って迎えられ,予期した以上の評価を得ることが出来た.
当初の目標であった,口腔組織学・発生学における標準的教科書への途を歩み始めることができたとの手応えを,本書を世に送り出したものとして喜びを感じている.
この理由の一つとして,本書が我が国の口腔組織学・発生学を担う歯科大学・歯学部教員による,優れた記載内容に溢れていることがあげられるが,さらに十分な時間をかけてその内容・構成が検討されていることによると考えている.すなわち,基本事項の精選,基礎的事項の抽出と分離記載による初学者から研究者までの対応など,今までの教科書にみられなかった特徴を明確に示したことが広く受け入れられたと考える.さらには,歯科教育カリキュラムの大転換期に対応していることがもう一つの理由であろう.
初版が出版されて以来,口腔組織学・発生学の分野においても学問の進歩は驚くべきものがあったが,他方,初版から8年あまり経過した今でも,基本事項として抽出,分離記載した事項にはほとんど修正の必要がないことに,編者らは当初の編集方針が間違っていなかったと自信を深めている.
一方,発展的内容の部分ならびに臨床との関連部分は,さすがに大幅な書き換えを余儀なくされたので,この部分は今回全面的に書き改めている.
本書は今回の改訂にあたり,今までの多くの教科書等では添え物的と言っては語弊があるが,歯と歯周組織に対して副次的に取り扱われて,記載内容の乏しかった事項,すなわち,歯の支持組織,神経・血管,口腔軟組織,顎関節,骨,さらには近年めざましい進歩を遂げている発生生物学や再生医療の最近の知見などにも十分紙数を配分した.幸い,優れた執筆者を得られたことで,基礎的事項,発展的事項共に他に類をみない充実した内容となった.これが,今回の改訂の大きな特徴である.
ここに,第2版を送り出すにあたり,本書が口腔組織学・発生学の標準的教科書として,今後も我が国の歯学教育および研究に,今まで以上に貢献して行くことを,編者としては大いに期待したい.同時に,本書が歯学を専門としない読者にとって,形態学という窓を通して歯学・歯科医療を俯瞰するための資料として役立てば,編者にとって望外の喜びである.
第2版への改訂にあたり,今回も多くの方々から図版の提供あるいは転載の許可を頂いた.ここにお礼を申し上げる.また,短期間での全面改訂作業に励ましと種々の助言,提案を頂いた医歯薬出版株式会社編集部の方々にお礼を申し上げる.
2014年12月
編者一同
初版の序
「口腔組織学・発生学」は歯科医学における顕微解剖学の中心となる学問である.歯あるいは口腔の組織学ならびに発生学の授業に教科書として広く使われている出版物は,世界的にみてもあまり種類は多くない.わが国でもおそらく,ほとんどの大学では,『歯の組織学』(藤田恒太郎著)のほか,数種の外国語書籍の和訳本が使われていると思われる.
学問の進歩によって基本的知識が年々増加するのは当然としても,これに,続々と発表される現在の最先端の知見などのすべてを盛り込もうとすると,教科書としては不適当な大部なものとなってしまう.同時に,情報化社会のなかでは,知見の置き換わりと追加の頻度が高くなり,教科書も比較的短時間での改訂が必要となる.一方で,代表的な教科書とされる『歯の組織学』が初版以来半世紀にわたり,歯牙の組織学に関する標準記載として引用されている事実は,基本的記載の点でこれを超える内容をもつ教科書が現れなかったことを示している.電子顕微鏡や組織化学等その後に急速に発達した方法論によって得られた研究成果の記載がほとんどないなど,いくつかの欠点が指摘されつつも,歴史的名著といわれるゆえんであろう.
教科書としてどのようなものが必要かと考えると,これには二つの方向があると考えられる.一つは,外国の多くの教科書にみられるように,まだ定説として認識されていなくても,最近の知見をできる限り盛り込もうとする考え方である.研究者が対象の場合はこれでもよいのであるが,初学者が対象の場合,基本的・古典的と考えられる基礎知識を十分に示す必要があり,適当とはいえない.また,教科書にのった“最新知見”の多くは,出版された段階ですでに最新ではなくなっている場合も多いという欠点もある.
ほかの一つは,改訂を加えるごとに,新知見を逐次追加する方法である.この方法では,多くの新旧の事項が併記混在されていることが多いため,初学者にとって何が基礎的に重要なのかを読み取ることが困難となる欠点がある.この点を補うためには,授業中に教員が指摘をすれば解決するのであるが,すべてにわたって十分な指摘が可能かという点で疑問が残る.結果として,この魅力に富んだ学問が,学生にとって無味乾燥な「暗記もの」に堕してしまう危険性が増加する.さらに,講義や実習で学んだことをすべて理解すれば,おのずから全体像がみえてくるはずであるとする従来型の古典的な教育は,学生の気質と資質の変化ならびに学ぶべき事項の急激な増加と授業時間の減少により,もはやすべての分野にわたり通用しなくなっている.
したがって,学問を学ぶうえで基本事項は何かを明確に記載し,さらにその先を自主的に学びたいという学生には,現在どのような点で進歩しつつあるのか,どのような考えが提出されつつあるのかを,明瞭に区分して記載提示するという方法をとることが,教科書としてよりよい形態と考えられる.
現在,歯学教育は大きな変換期にあたっており,カリキュラムの見直し,共用試験の導入など,いままさに,基本的事項の精選が求められている.この意味でも,本書の編集方針として掲げた“基本的事項の抽出と分離記載”は,時宜を得たものと考える.
これらの点を踏まえて本書では次のような工夫を施した.まず,歯学部学生ならびに歯の研究を始めようとする初学者のために,基本的事項を大きな文字で記載した.そしてひと通り歯学を修得した研究者ならびに歯を研究対象とする多くの研究者にとって役立つように専門的な項目を分けて小さな文字として記載した.さらに,項目ごとに記載の理解のための重要な箇所を太字で表した.付録として,現在行われている歯の研究方法の基本的な点について第11章に述べてある.詳細は専門書を読み,ベテランの研究者から指導を受けてほしい.
われわれがもっとも苦心した点は「用語の統一」である.歴史的理由,個人の好みによる短縮,あるいは元が外国語の場合における表現の違いなどで,一つの事項について似たような用語がそれぞれの場で使われていることが少なくない.本書では,もっとも普通に使われていると考えられる用語を選択し,別に広く使われている用語がある場合は括弧で示した.欧文用語も英語を基準とし,表記の異なる場合は同様に併記した.
本書は決して『歯の組織学』の改訂版ではないが,同書は編集にあたってもっとも参考にした書籍である.したがって,全体の構成をはじめ記載内容に同書との類似や付図の引用が少なくないのはこのためである.本書を編集することができたのは,ひとえに一方で『歯の組織学』という優れた先達の存在があり,他方で優秀な組織学教員ならびに研究者に恵まれた現在という幸運があったからである.分担執筆の通例としての欠点も散見されるが,本書が『歯の組織学』と同様に息の長い,わが国における「口腔組織学・発生学」の標準的教科書に育っていけば,編者にとって望外の喜びである.
本書の刊行にあたり,多くの方々から図版の提供あるいは転載の許可をいただいた.この場を借りてここに厚くお礼を申し上げる.また,本書の完成までに終始励ましと助言をいただいた医歯薬出版株式会社編集部の方々に心からお礼を申し上げる.
2006年7月
編者一同
本書は2006年に初版が刊行され,以来,約8年が経過した.幸い発刊当初より好感を持って迎えられ,予期した以上の評価を得ることが出来た.
当初の目標であった,口腔組織学・発生学における標準的教科書への途を歩み始めることができたとの手応えを,本書を世に送り出したものとして喜びを感じている.
この理由の一つとして,本書が我が国の口腔組織学・発生学を担う歯科大学・歯学部教員による,優れた記載内容に溢れていることがあげられるが,さらに十分な時間をかけてその内容・構成が検討されていることによると考えている.すなわち,基本事項の精選,基礎的事項の抽出と分離記載による初学者から研究者までの対応など,今までの教科書にみられなかった特徴を明確に示したことが広く受け入れられたと考える.さらには,歯科教育カリキュラムの大転換期に対応していることがもう一つの理由であろう.
初版が出版されて以来,口腔組織学・発生学の分野においても学問の進歩は驚くべきものがあったが,他方,初版から8年あまり経過した今でも,基本事項として抽出,分離記載した事項にはほとんど修正の必要がないことに,編者らは当初の編集方針が間違っていなかったと自信を深めている.
一方,発展的内容の部分ならびに臨床との関連部分は,さすがに大幅な書き換えを余儀なくされたので,この部分は今回全面的に書き改めている.
本書は今回の改訂にあたり,今までの多くの教科書等では添え物的と言っては語弊があるが,歯と歯周組織に対して副次的に取り扱われて,記載内容の乏しかった事項,すなわち,歯の支持組織,神経・血管,口腔軟組織,顎関節,骨,さらには近年めざましい進歩を遂げている発生生物学や再生医療の最近の知見などにも十分紙数を配分した.幸い,優れた執筆者を得られたことで,基礎的事項,発展的事項共に他に類をみない充実した内容となった.これが,今回の改訂の大きな特徴である.
ここに,第2版を送り出すにあたり,本書が口腔組織学・発生学の標準的教科書として,今後も我が国の歯学教育および研究に,今まで以上に貢献して行くことを,編者としては大いに期待したい.同時に,本書が歯学を専門としない読者にとって,形態学という窓を通して歯学・歯科医療を俯瞰するための資料として役立てば,編者にとって望外の喜びである.
第2版への改訂にあたり,今回も多くの方々から図版の提供あるいは転載の許可を頂いた.ここにお礼を申し上げる.また,短期間での全面改訂作業に励ましと種々の助言,提案を頂いた医歯薬出版株式会社編集部の方々にお礼を申し上げる.
2014年12月
編者一同
初版の序
「口腔組織学・発生学」は歯科医学における顕微解剖学の中心となる学問である.歯あるいは口腔の組織学ならびに発生学の授業に教科書として広く使われている出版物は,世界的にみてもあまり種類は多くない.わが国でもおそらく,ほとんどの大学では,『歯の組織学』(藤田恒太郎著)のほか,数種の外国語書籍の和訳本が使われていると思われる.
学問の進歩によって基本的知識が年々増加するのは当然としても,これに,続々と発表される現在の最先端の知見などのすべてを盛り込もうとすると,教科書としては不適当な大部なものとなってしまう.同時に,情報化社会のなかでは,知見の置き換わりと追加の頻度が高くなり,教科書も比較的短時間での改訂が必要となる.一方で,代表的な教科書とされる『歯の組織学』が初版以来半世紀にわたり,歯牙の組織学に関する標準記載として引用されている事実は,基本的記載の点でこれを超える内容をもつ教科書が現れなかったことを示している.電子顕微鏡や組織化学等その後に急速に発達した方法論によって得られた研究成果の記載がほとんどないなど,いくつかの欠点が指摘されつつも,歴史的名著といわれるゆえんであろう.
教科書としてどのようなものが必要かと考えると,これには二つの方向があると考えられる.一つは,外国の多くの教科書にみられるように,まだ定説として認識されていなくても,最近の知見をできる限り盛り込もうとする考え方である.研究者が対象の場合はこれでもよいのであるが,初学者が対象の場合,基本的・古典的と考えられる基礎知識を十分に示す必要があり,適当とはいえない.また,教科書にのった“最新知見”の多くは,出版された段階ですでに最新ではなくなっている場合も多いという欠点もある.
ほかの一つは,改訂を加えるごとに,新知見を逐次追加する方法である.この方法では,多くの新旧の事項が併記混在されていることが多いため,初学者にとって何が基礎的に重要なのかを読み取ることが困難となる欠点がある.この点を補うためには,授業中に教員が指摘をすれば解決するのであるが,すべてにわたって十分な指摘が可能かという点で疑問が残る.結果として,この魅力に富んだ学問が,学生にとって無味乾燥な「暗記もの」に堕してしまう危険性が増加する.さらに,講義や実習で学んだことをすべて理解すれば,おのずから全体像がみえてくるはずであるとする従来型の古典的な教育は,学生の気質と資質の変化ならびに学ぶべき事項の急激な増加と授業時間の減少により,もはやすべての分野にわたり通用しなくなっている.
したがって,学問を学ぶうえで基本事項は何かを明確に記載し,さらにその先を自主的に学びたいという学生には,現在どのような点で進歩しつつあるのか,どのような考えが提出されつつあるのかを,明瞭に区分して記載提示するという方法をとることが,教科書としてよりよい形態と考えられる.
現在,歯学教育は大きな変換期にあたっており,カリキュラムの見直し,共用試験の導入など,いままさに,基本的事項の精選が求められている.この意味でも,本書の編集方針として掲げた“基本的事項の抽出と分離記載”は,時宜を得たものと考える.
これらの点を踏まえて本書では次のような工夫を施した.まず,歯学部学生ならびに歯の研究を始めようとする初学者のために,基本的事項を大きな文字で記載した.そしてひと通り歯学を修得した研究者ならびに歯を研究対象とする多くの研究者にとって役立つように専門的な項目を分けて小さな文字として記載した.さらに,項目ごとに記載の理解のための重要な箇所を太字で表した.付録として,現在行われている歯の研究方法の基本的な点について第11章に述べてある.詳細は専門書を読み,ベテランの研究者から指導を受けてほしい.
われわれがもっとも苦心した点は「用語の統一」である.歴史的理由,個人の好みによる短縮,あるいは元が外国語の場合における表現の違いなどで,一つの事項について似たような用語がそれぞれの場で使われていることが少なくない.本書では,もっとも普通に使われていると考えられる用語を選択し,別に広く使われている用語がある場合は括弧で示した.欧文用語も英語を基準とし,表記の異なる場合は同様に併記した.
本書は決して『歯の組織学』の改訂版ではないが,同書は編集にあたってもっとも参考にした書籍である.したがって,全体の構成をはじめ記載内容に同書との類似や付図の引用が少なくないのはこのためである.本書を編集することができたのは,ひとえに一方で『歯の組織学』という優れた先達の存在があり,他方で優秀な組織学教員ならびに研究者に恵まれた現在という幸運があったからである.分担執筆の通例としての欠点も散見されるが,本書が『歯の組織学』と同様に息の長い,わが国における「口腔組織学・発生学」の標準的教科書に育っていけば,編者にとって望外の喜びである.
本書の刊行にあたり,多くの方々から図版の提供あるいは転載の許可をいただいた.この場を借りてここに厚くお礼を申し上げる.また,本書の完成までに終始励ましと助言をいただいた医歯薬出版株式会社編集部の方々に心からお礼を申し上げる.
2006年7月
編者一同
第I編 口腔組織・発生学総論
第1章 歯と口腔の概説
(脇田 稔)
I 歯とは何か
II 歯の種類
1.永久歯列を構成する歯
2.乳歯列
III 歯の外形
IV 歯の内景
V 歯の固定と支持組織
VI 硬組織
1.硬組織の生活力
2.エナメル質
3.象牙質とセメント質
4.歯を構成する硬組織の物理化学的性状
第2章 歯と口腔の発生
I 顔面と口腔の発生(大峡 淳)
1.概説
2.二層性胚盤から三層性胚盤の形成
3.神経堤の形成と神経堤細胞の移動
4.鰓弓の形成
5.頭蓋冠骨
6.頭蓋底
7.顔面骨
8.口蓋
9.舌
10.唾液腺
II 歯の発生と成長(野吉郎)
1.ヒトの歯の発生と成長
2.歯の初期発生
3.歯冠形成と歯根形成
III 歯の構造と硬組織形成(野吉郎)
IV 歯の発生学の最近のトピックス(福本 敏)
1.歯の先天欠如
2.過剰歯
3.エナメル質および象牙質形成異常
4.歯根形成異常
5.再生医学への展望
第II編 口腔組織・発生学各論
第3章 エナメル質
I 概説(脇田 稔)
II エナメル質の発生
1.エナメル質形成の概要(野吉郎)
2.歯胚の発達とエナメル器の細胞構築
3.エナメル質形成の進行に伴うエナメル芽細胞の分化と機能
4.エナメル小柱とトームス突起の形態(脇田 稔)
III エナメル質の構造
1.エナメル小柱(脇田 稔)
2.シュレーゲル条
3.レチウス条
4.エナメル叢とエナメル葉
5.象牙細管のエナメル質内突起
6.歯小皮(山下靖雄)
7.歯頸部エナメル質と歯頸線(土門卓文)
8.根分岐部のエナメル質の形態
9.エナメル質結晶の構造(裄V孝彰)
IV 臨床的考察(裄V孝彰)
1.エナメル質の構造および組成とエナメル質の外傷
2.エナメル質の構造および組成とエナメル質齲蝕
第4章 象牙質・歯髄複合体
I 概説(入江一元)
II 象牙質・歯髄複合体の発生(入江一元)
1.象牙質形成の概要と歯乳頭から歯髄への分化
2.外套象牙質と髄周象牙質
3.象牙芽細胞の分化と石灰化の進行
III 象牙質の構造(脇田 稔)
1.総論
2.象牙細管
3.象牙質の成長線
4.象牙質の成長と石灰化
5.象牙質の経年変化
6.エナメル象牙境
IV 歯髄の構造(脇坂 聡)
1.歯髄の機能
2.歯髄の細胞
3.歯髄の細胞外基質
4.歯髄表層の構造
5.歯髄の加齢変化
V 臨床的考察
1.修復学研究者からみた象牙質・歯髄複合体(吉山昌宏,西谷佳浩)
2.歯内療法学の立場から(興地隆史)
3.幹細胞と再生歯科医療(江草 宏)
4.歯髄幹細胞の最近の知見(山座孝義)
第5章 歯の支持組織
I 概説(山本恒之,山下靖雄)
II 支持組織の発生(山本恒之,矢嶋俊彦)
1.ヘルトウィッヒ上皮鞘の形成
2.歯根形成
3.セメント質形成
4.ヘルトウィッヒ上皮鞘の運命
5.歯の支持組織の系統発生
III セメント質(山本恒之)
1.概説
2.セメント質形成
3.セメント質の微細構造
4.エナメル質とセメント質の境界
5.加齢変化
IV 歯根膜(歯周靱帯)(山本恒之,矢嶋俊彦)
1.概説
2.歯根膜の発生
3.歯根膜細胞
4.細胞外基質
5.血管分布
6.神経支配
7.歯根膜の機能
8.歯周組織の改造
9.加齢変化
V 歯槽骨(笹野泰之,網塚憲生)
1.概説
2.歯槽骨の発生
3.歯槽骨の構造
4.加齢変化
VI 歯肉(下田信治)
1.概説
2.歯肉上皮
3.歯肉固有層
4.歯肉の血管と神経
VII 臨床的考察
1.歯肉の臨床的意義(下野正基)
2.歯根膜と歯科臨床
3.セメント質添加と歯周処置
4.歯槽骨吸収の臨床的意味
5.歯周病と歯周組織再生(村上伸也)
6.歯周組織再生療法の現状
7.サイトカイン療法の可能性
8.細胞移植による歯周組織再生療法の可能性
9.おわりに
第6章 歯と歯周組織の神経と脈管
I 概説(前田健康)
1.歯と歯周組織の神経
2.歯と歯周組織の脈管
II 歯の神経支配(前田健康)
1.歯髄の神経分布
2.歯髄の自律神経
3.歯髄神経の微細構造
4.歯の痛みの発生機序
5.歯髄のペプチド作動性神経
6.歯髄神経の発生
III 歯周組織の神経支配(前田健康)
1.歯根膜の神経分布
2.歯根膜神経の終末
3.歯根膜神経の発生
4.歯根膜神経の再生
IV 歯肉の神経支配(前田健康)
V 歯と歯周組織の脈管
1.血管系(天野 修)
2.リンパ管系(前田健康)
VI 臨床的考察
1.象牙質・歯髄複合体の傷害に伴う歯髄神経の分布構築の変動(興地隆史)
2.歯の痛みの臨床的側面
3.歯髄神経と血管系の相互作用(神経原性炎症)
4.歯の移動と痛み(山城 隆)
5.癌と血管新生(樋田京子)
第7章 歯の萌出と交換
I 概説(中村浩彰)
II 歯の萌出(中村浩彰)
1.萌出前期
2.機能前萌出期
3.機能的萌出期
III 歯の萌出機序(中村浩彰)
1.歯根形成
2.歯槽底部における骨形成
3.歯槽骨の形成と骨リモデリング
4.歯頸・歯肉線維群,歯根膜線維群による牽引
5.血管,組織圧
6.異物排除に類似した機構
IV 歯の吸収と脱落(中村浩彰)
V 歯の吸収の要因(中村浩彰)
VI 歯根吸収の臨床的考察(溝口 到)
1.歯根吸収の種類
2.外部吸収の種類と臨床的考察
第8章 顎関節
I 概説(城戸瑞穂)
II 顎関節の構造(城戸瑞穂)
1.下顎窩と下顎頭
2.関節滑膜
3.関節円板
4.神経分布
III 顎関節の発生(野澤-井上佳世子,前田健康)
1.顎関節の発生の概略
2.初期発生
3.下顎頭と下顎窩の発生
4.関節円板と関節腔の発生
5.滑膜の発生
IV 臨床的考察
1.顎関節の構造と臨床的現象(木律男)
2.顎関節のバイオメカニクスと顎関節構造物(中沢勝宏)
第9章 口腔の軟組織
I 概説(山本 仁)
1.粘膜
2.唾液腺
3.舌
4.リンパ系
II 口腔粘膜(城戸瑞穂)
1.口腔粘膜の組織構成
2.口腔上皮
3.粘膜固有層
4.口腔粘膜の分類と特徴
III 唾液腺(天野 修)
1.唾液と唾液腺
2.唾液腺組織の基本構造
3.腺房の構造
4.導管の構造
5.大唾液腺
6.小唾液腺
IV 舌(豊島邦昭,P田祐司)
1.舌筋
2.舌乳頭
3.舌の発生
4.味蕾
5.舌腺
V リンパ系(中村雅典)
1.リンパ系とは
2.リンパ節
3.扁桃
4.舌のリンパ
VI 臨床的考察
1.口腔粘膜(泉 健次)
2.唾液腺(橋本貞充)
3.舌(脇坂 聡)
第10章 顎骨
I 顎骨の肉眼解剖学(網塚憲生)
1.下顎骨
2.上顎骨
II 顎骨の組織学(網塚憲生)
1.骨の基本組織構造
2.骨の細胞群の役割
3.骨リモデリングとミニモデリング
III 顎骨の発生(網塚憲生)
1.下顎骨の発生
2.上顎骨の発生
IV 臨床的考察
1.顎骨と歯科(井上 孝)
2.顎骨の喪失と再生
3.置換医療における顎骨
4.置換医療と顎骨再生に影響を及ぼす因子
5.インプラント周囲骨の形成と骨リモデリング(辻村麻衣子)
第11章 歯の研究法
I 光学顕微鏡―特にデジタル画像について(脇田 稔)
II 電子顕微鏡(網塚憲生)
1.電子顕微鏡の原理の概要
2.電子顕微鏡の種類
3.電子顕微鏡の試料作製
4.電子顕微鏡の細胞組織化学への応用
III 蛍光顕微鏡と共焦点レーザー走査型顕微鏡 (網塚憲生)
IV 免疫組織化学と組織化学(網塚憲生)
1.免疫組織化学
2.酵素組織化学
3.in situハイブリダイゼーション
V 顕微エックス線法(コンタクトマイクロラジオグラフィ)(脇田 稔)
1.撮影法(歯の研磨標本の撮影)
VI 蛍光バイオイメージング(飯村忠浩)
1.蛍光
2.全視野蛍光顕微鏡
3.共焦点レーザー顕微鏡
4.多光子励起顕微鏡(二光子励起顕微鏡)
5.三次元イメージング
6.タイムラプス撮影(ライブイメージング)
7.蛍光バイオイメージングと顕微鏡の選択
8.超解像(蛍光)顕微鏡と2014 年ノーベル化学賞
9.蛍光バイオイメージングと定量解析および今後の展開
VII 組織培養(原田英光)
1.Trowellの培養法
2.寒天またはコラーゲンゲル培養法
3.フローティング法(浮遊培養法)
4.歯根の培養
5.歯胚の腎被膜下移植
VIII 分子生物学的手法(羽地達次)
1.ウエスタンブロット法
2.PCR法
3.RNAi法
和文・欧文索引
第1章 歯と口腔の概説
(脇田 稔)
I 歯とは何か
II 歯の種類
1.永久歯列を構成する歯
2.乳歯列
III 歯の外形
IV 歯の内景
V 歯の固定と支持組織
VI 硬組織
1.硬組織の生活力
2.エナメル質
3.象牙質とセメント質
4.歯を構成する硬組織の物理化学的性状
第2章 歯と口腔の発生
I 顔面と口腔の発生(大峡 淳)
1.概説
2.二層性胚盤から三層性胚盤の形成
3.神経堤の形成と神経堤細胞の移動
4.鰓弓の形成
5.頭蓋冠骨
6.頭蓋底
7.顔面骨
8.口蓋
9.舌
10.唾液腺
II 歯の発生と成長(野吉郎)
1.ヒトの歯の発生と成長
2.歯の初期発生
3.歯冠形成と歯根形成
III 歯の構造と硬組織形成(野吉郎)
IV 歯の発生学の最近のトピックス(福本 敏)
1.歯の先天欠如
2.過剰歯
3.エナメル質および象牙質形成異常
4.歯根形成異常
5.再生医学への展望
第II編 口腔組織・発生学各論
第3章 エナメル質
I 概説(脇田 稔)
II エナメル質の発生
1.エナメル質形成の概要(野吉郎)
2.歯胚の発達とエナメル器の細胞構築
3.エナメル質形成の進行に伴うエナメル芽細胞の分化と機能
4.エナメル小柱とトームス突起の形態(脇田 稔)
III エナメル質の構造
1.エナメル小柱(脇田 稔)
2.シュレーゲル条
3.レチウス条
4.エナメル叢とエナメル葉
5.象牙細管のエナメル質内突起
6.歯小皮(山下靖雄)
7.歯頸部エナメル質と歯頸線(土門卓文)
8.根分岐部のエナメル質の形態
9.エナメル質結晶の構造(裄V孝彰)
IV 臨床的考察(裄V孝彰)
1.エナメル質の構造および組成とエナメル質の外傷
2.エナメル質の構造および組成とエナメル質齲蝕
第4章 象牙質・歯髄複合体
I 概説(入江一元)
II 象牙質・歯髄複合体の発生(入江一元)
1.象牙質形成の概要と歯乳頭から歯髄への分化
2.外套象牙質と髄周象牙質
3.象牙芽細胞の分化と石灰化の進行
III 象牙質の構造(脇田 稔)
1.総論
2.象牙細管
3.象牙質の成長線
4.象牙質の成長と石灰化
5.象牙質の経年変化
6.エナメル象牙境
IV 歯髄の構造(脇坂 聡)
1.歯髄の機能
2.歯髄の細胞
3.歯髄の細胞外基質
4.歯髄表層の構造
5.歯髄の加齢変化
V 臨床的考察
1.修復学研究者からみた象牙質・歯髄複合体(吉山昌宏,西谷佳浩)
2.歯内療法学の立場から(興地隆史)
3.幹細胞と再生歯科医療(江草 宏)
4.歯髄幹細胞の最近の知見(山座孝義)
第5章 歯の支持組織
I 概説(山本恒之,山下靖雄)
II 支持組織の発生(山本恒之,矢嶋俊彦)
1.ヘルトウィッヒ上皮鞘の形成
2.歯根形成
3.セメント質形成
4.ヘルトウィッヒ上皮鞘の運命
5.歯の支持組織の系統発生
III セメント質(山本恒之)
1.概説
2.セメント質形成
3.セメント質の微細構造
4.エナメル質とセメント質の境界
5.加齢変化
IV 歯根膜(歯周靱帯)(山本恒之,矢嶋俊彦)
1.概説
2.歯根膜の発生
3.歯根膜細胞
4.細胞外基質
5.血管分布
6.神経支配
7.歯根膜の機能
8.歯周組織の改造
9.加齢変化
V 歯槽骨(笹野泰之,網塚憲生)
1.概説
2.歯槽骨の発生
3.歯槽骨の構造
4.加齢変化
VI 歯肉(下田信治)
1.概説
2.歯肉上皮
3.歯肉固有層
4.歯肉の血管と神経
VII 臨床的考察
1.歯肉の臨床的意義(下野正基)
2.歯根膜と歯科臨床
3.セメント質添加と歯周処置
4.歯槽骨吸収の臨床的意味
5.歯周病と歯周組織再生(村上伸也)
6.歯周組織再生療法の現状
7.サイトカイン療法の可能性
8.細胞移植による歯周組織再生療法の可能性
9.おわりに
第6章 歯と歯周組織の神経と脈管
I 概説(前田健康)
1.歯と歯周組織の神経
2.歯と歯周組織の脈管
II 歯の神経支配(前田健康)
1.歯髄の神経分布
2.歯髄の自律神経
3.歯髄神経の微細構造
4.歯の痛みの発生機序
5.歯髄のペプチド作動性神経
6.歯髄神経の発生
III 歯周組織の神経支配(前田健康)
1.歯根膜の神経分布
2.歯根膜神経の終末
3.歯根膜神経の発生
4.歯根膜神経の再生
IV 歯肉の神経支配(前田健康)
V 歯と歯周組織の脈管
1.血管系(天野 修)
2.リンパ管系(前田健康)
VI 臨床的考察
1.象牙質・歯髄複合体の傷害に伴う歯髄神経の分布構築の変動(興地隆史)
2.歯の痛みの臨床的側面
3.歯髄神経と血管系の相互作用(神経原性炎症)
4.歯の移動と痛み(山城 隆)
5.癌と血管新生(樋田京子)
第7章 歯の萌出と交換
I 概説(中村浩彰)
II 歯の萌出(中村浩彰)
1.萌出前期
2.機能前萌出期
3.機能的萌出期
III 歯の萌出機序(中村浩彰)
1.歯根形成
2.歯槽底部における骨形成
3.歯槽骨の形成と骨リモデリング
4.歯頸・歯肉線維群,歯根膜線維群による牽引
5.血管,組織圧
6.異物排除に類似した機構
IV 歯の吸収と脱落(中村浩彰)
V 歯の吸収の要因(中村浩彰)
VI 歯根吸収の臨床的考察(溝口 到)
1.歯根吸収の種類
2.外部吸収の種類と臨床的考察
第8章 顎関節
I 概説(城戸瑞穂)
II 顎関節の構造(城戸瑞穂)
1.下顎窩と下顎頭
2.関節滑膜
3.関節円板
4.神経分布
III 顎関節の発生(野澤-井上佳世子,前田健康)
1.顎関節の発生の概略
2.初期発生
3.下顎頭と下顎窩の発生
4.関節円板と関節腔の発生
5.滑膜の発生
IV 臨床的考察
1.顎関節の構造と臨床的現象(木律男)
2.顎関節のバイオメカニクスと顎関節構造物(中沢勝宏)
第9章 口腔の軟組織
I 概説(山本 仁)
1.粘膜
2.唾液腺
3.舌
4.リンパ系
II 口腔粘膜(城戸瑞穂)
1.口腔粘膜の組織構成
2.口腔上皮
3.粘膜固有層
4.口腔粘膜の分類と特徴
III 唾液腺(天野 修)
1.唾液と唾液腺
2.唾液腺組織の基本構造
3.腺房の構造
4.導管の構造
5.大唾液腺
6.小唾液腺
IV 舌(豊島邦昭,P田祐司)
1.舌筋
2.舌乳頭
3.舌の発生
4.味蕾
5.舌腺
V リンパ系(中村雅典)
1.リンパ系とは
2.リンパ節
3.扁桃
4.舌のリンパ
VI 臨床的考察
1.口腔粘膜(泉 健次)
2.唾液腺(橋本貞充)
3.舌(脇坂 聡)
第10章 顎骨
I 顎骨の肉眼解剖学(網塚憲生)
1.下顎骨
2.上顎骨
II 顎骨の組織学(網塚憲生)
1.骨の基本組織構造
2.骨の細胞群の役割
3.骨リモデリングとミニモデリング
III 顎骨の発生(網塚憲生)
1.下顎骨の発生
2.上顎骨の発生
IV 臨床的考察
1.顎骨と歯科(井上 孝)
2.顎骨の喪失と再生
3.置換医療における顎骨
4.置換医療と顎骨再生に影響を及ぼす因子
5.インプラント周囲骨の形成と骨リモデリング(辻村麻衣子)
第11章 歯の研究法
I 光学顕微鏡―特にデジタル画像について(脇田 稔)
II 電子顕微鏡(網塚憲生)
1.電子顕微鏡の原理の概要
2.電子顕微鏡の種類
3.電子顕微鏡の試料作製
4.電子顕微鏡の細胞組織化学への応用
III 蛍光顕微鏡と共焦点レーザー走査型顕微鏡 (網塚憲生)
IV 免疫組織化学と組織化学(網塚憲生)
1.免疫組織化学
2.酵素組織化学
3.in situハイブリダイゼーション
V 顕微エックス線法(コンタクトマイクロラジオグラフィ)(脇田 稔)
1.撮影法(歯の研磨標本の撮影)
VI 蛍光バイオイメージング(飯村忠浩)
1.蛍光
2.全視野蛍光顕微鏡
3.共焦点レーザー顕微鏡
4.多光子励起顕微鏡(二光子励起顕微鏡)
5.三次元イメージング
6.タイムラプス撮影(ライブイメージング)
7.蛍光バイオイメージングと顕微鏡の選択
8.超解像(蛍光)顕微鏡と2014 年ノーベル化学賞
9.蛍光バイオイメージングと定量解析および今後の展開
VII 組織培養(原田英光)
1.Trowellの培養法
2.寒天またはコラーゲンゲル培養法
3.フローティング法(浮遊培養法)
4.歯根の培養
5.歯胚の腎被膜下移植
VIII 分子生物学的手法(羽地達次)
1.ウエスタンブロット法
2.PCR法
3.RNAi法
和文・欧文索引











