やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版の序
 本書の初版を出版してから28年の歳月が流れた.この間,本書は,歯の解剖学,比較解剖学,動物学,古生物学,人類学などにおいて,類書の少ないこの分野のほとんど唯一の教科書として,研究の発展および学問の普及に大きな役割を果たしてきたと自負している.
 この28年間で核やミトコンドリアの遺伝情報の解明が進み,動物,とくに現生哺乳類の分類体系が大きく変化してきた.加えて,恐竜類や絶滅哺乳類の化石の発掘にともない,歯に関する多くの新たな知見も加わった.化石の分子情報や生理・生態学的知見の充実に合わせて,活発な論議が行われている.研究の進展にともない,新たな仮説が生まれたが,まだ定説となっていないものも多い.
 第2版では,こうした状況を鑑みて,新しい研究成果を適切に盛り込むために,旧版の基本的骨格は残しつつも,各著者に大幅に加筆,訂正をしていただいた.また,第6章歯の進化に,新しく「遺伝子からみた歯の進化」と「モンゴロイドの歯の特徴」の2項を追加した.前者は,歯の分子生物学的研究の成果を,後者は歯の人類学的研究の成果を加えるためである.また,脊椎動物および哺乳類の分類表では新しい分類体系を示したが,歯の形態については従来の分類群にそって記述した.これは,読者が理解しやすいと思うからである.これらの作業により,本書は旧版よりもかなりレベルアップされたので,わが国における歯の比較解剖学的研究にさらなる貢献をすることと,ひとりでも多くの研究者がこの分野へ興味をもつ契機となることを願っている.
 永い歳月を経て,旧版の執筆者も齢を重ね,多くが退職するに至っている.第2版では,旧版の編集者であった後藤・大泰司の両名に加え,花村・佐藤・田畑の3名が加わり,5名の編集となった.後藤・佐藤がおもに第2〜4章を,大泰司・花村がおもに第5章を担当し,さらに,後藤・大泰司・田畑が6章を含む全体を編集した.
 この間,旧版の著者のうち,伊藤徹魯氏が逝去された.伊藤氏の担当であった第5章の鰭脚類については,章の担当編者が,その後の分類の変更による必要最小限の手を加えた.また,あたたかい推薦のことばを賜わった酒井琢朗・佐伯政友の両先生も亡くなった.さらに,永年にわたりご指導いただいてきた私どもの恩師である井尻正二・桐野忠大・一條 尚・石川堯雄・橋本 巌・田隅本生・工藤規雄の各先生も逝去された.先生方のご冥福をこころよりお祈りする.
 この本の出版に当たり,医歯薬出版株式会社の米原秀明・石飛あかねの両氏にはひとかたならぬお世話になった.厚くお礼を申し上げる次第である.
 本書が,旧版にも増して,さまざまな分野の研究者に利用され,役立つことを祈っている.そして,いつの日にか,第3版が若い研究者によって出版されることを切望する.
 2014年3月5日
 後藤仁敏・大泰司紀之・田畑 純・花村 肇・佐藤 巌


推薦のことば
 ドイツの碩学Waldeyer教授は,かつて歯を研究していたとき,“歯というものはいかにも不思議な器官である”とつぶやいたという(長尾優).最近の科学技術の進歩につれて歯の研究も著しく進んできたが,研究が進めば進むほどその形態・構造・発生などの点をみても,おおくの不可思議な特徴をもっているということが明らかになってきた.
 すでに紀元前3世紀に,Aristoteles(384〜322B.C.)は“Historia animalium(動物誌)”のなかに,歯は動物の種が違うといろいろな形態をとるということ,また人間の切歯・犬歯・臼歯がおのおの用途に応じた形態になっていること,を述べている.歯の形態が動物の食性によく適応していることは,おそらく人間が気づいた適応のもっとも古い例の1つであろう.
 いろいろな動物の歯の形態,構造,その機能的意義あるいは形態の変異などを,異なった種について研究する“歯の比較解剖学”は,古くから解剖学者にとって興味ある分野であり,動物学・古生物学などの研究の上でも高い評価を与えられてきた.欧米においては古くから“歯の比較解剖学”に関する多くの優れた書籍が刊行されている.しかし,わが国においては,古く奥村鶴吉著『歯科解剖学』(1924),柴田信著『歯牙形態學』(1928),また近年では藤田恒太郎著『歯の話』(1965)のなかの一部にいろいろな動物の歯の形態の記載があるのみで,歯の比較解剖学専門の本は出版されていない.
 また,この領域における研究も寥りょう々りょうたるものであった.1960年代以降における電子顕微鏡の技術や組織化学的・生化学的研究の発展は,歯の解剖学をより微細な組織・細胞,さらに分子単位の構造の解明にかりたてた.微細構造の研究がますます脚光をあびるのとは逆に,比較解剖学のような地味な,はなやかでない領域は軽視されがちで,現在にいたっている.
 しかし,1970年代にはいると歯の比較解剖学的研究が少しずつあらわれ,しだいにその成果が発表され,わが国においても,この分野に関する関心がようやく高まってきている.このような情勢を反映して,最近この領域に関連ある翻訳書が刊行されている(Dahlberg編著,佐伯政友訳『歯の形態と進化』1978;Anthony著,古橋九平監訳『歯のかたち』1983;Halstead著,後藤仁敏・小寺春人訳『硬組織の起源と進化』1984).
 本書は,現在歯の比較解剖学を研究している研究者らによる著書であり,各執筆者はそれぞれの専門領域の項目を分担している.そのため,その内容において研究成果を根幹とした記載が随所にみられ,この種の書物としては珍しくオリジナリティーに富んでいる.
 そもそも新しい視野に立った歯の比較解剖学のような,どちらかといえば学際的研究に属する分野を盛りあげていくには,従来の研究の枠などにとらわれることのない,広い生物学的見識をもった若い研究者の活躍が期待される.
 比較解剖学は,近世初頭のイタリアにおいて人体解剖学と関連して成立し,普通現存の脊椎動物を研究対象として,その形態や構造の-致点,あるいは相違点を探求し記述してきた.しかしのちに,無脊椎動物にも拡張され,現在ではさらに進んで,それらの変化の過程論,すなわち事実の成因を考究することが重要なテーマとなっている.こういう点では,系統発生学が比較解剖学の重要な基盤であると考えられる.本書には,歯の系統発生についても全般的に簡潔に述べられており,歯の進化学に関心をもつものにとって,よい参考になると思う.
 本書は歯の比較解剖学全般にわたって,きわめて明快に記述されており,わが国における唯一の画期的な書物である,この本を歯の比較解剖学の参考書として,歯の形態に関心をもつすべての歯科医学生諸君に推薦するとともに,獣医学,動物学,古生物学,人類学などの研究者にとっても類書のない貴重な文献として推奨したい.
 最後にわたくしどもは,この本の発刊を機会に,歯の比較解剖学に関心をもつ研究者が増加し,その研究成果が飛躍的に発展することを願ってやまない.
 1986年6月10日
 元愛知学院大学教授 歯学部第1解剖学教室   酒井琢朗
 元東北大学教授   歯学部口腔解剖学第1講座 佐伯政友


初版の序
 歯は,無顎類をのぞくすべての脊椎動物の顎上に,摂食器官として存在する.歯のエナメル質や象牙質は,リン灰石の微結晶が密に集積した硬組織からなり,形成されたのち,ほとんど形態を変えない.したがって,動物の死後もっともよく保存され,化石として地層中に残されることもおおい.このような性質によって,歯は動物や人類の分類形質として重視され,動物学・古生物学・人類学の主要な研究対象となってきた.
 また,歯はその動物の食性などに対応して,さまざまな適応的変化をしめしている.したがって,歯をみればその動物の摂食様式などがわかり,その動物の生活を知るための重要な手がかりとなる.歯の硬組織にはさまざまな成長線が刻み込まれており,それをしらべることによって,その動物の年齢や妊娠期間,病歴なども推定することが可能である.
 さらに,ヒトの歯について理解するためにも,動物の歯に関する知識が必要である.さまざまな動物の歯との比較により,ヒトの歯の形態的・機能的特徴を明らかにできる.また,無顎類から魚類への進化のなかで歯はどのように起源し,魚類から両生類・爬虫類をへて哺乳類・人類が進化してくるなかで,歯の形態・構造・機能はどのように変化してきたかについて知ることは,人類の歯を歴史的に位置づける上で重要なことと考えられる.
 このように動物の歯についての関心は,歯科医学のみならず医学・獣医学をはじめ,動物学・古生物学・人類学など,さまざまな分野において近年ますます高まっている.歯の比較解剖学(比較歯学)に関する教科書は,海外ではOwen著“Odontography”(1840〜1845)以来,Tomes著'A Manual of Dental Anatomy,Human and Comparative”(1876)やPeyer著“Comparative Odontology”(1968)などがあるが,わが国では柴田著『歯牙形態學』(1928)があるのみで,それも絶版になって久しい.
 わが国で歯の比較解剖学の教科書が必要であることは以前から指摘されており,藤田著『歯の解剖学』第1版の序(1949)では,その姉妹編として『歯の比較解剖学』を出版する意志が述べられている.しかし,わずかに普及書として藤田著『歯の話』(1965)の2つの章(IIいろいろな動物の歯,IV魚の歯から人の歯まで)が残されたにとどまっている.
 そこで私たちは,わが国の歯の比較解剖学研究の伝統をうけつぎ,歯学部の専門課程学生が学ぶべき基本的な歯の比較解剖学の知識をまとめた教科書の出版を計画した.同時に,獣医学・動物学・古生物学・人類学などを専攻する学生・教師・研究者にとっても,必要な資料をまとめた有益な参考書となることをめざした.
 さいわいに,同学の10名の気鋭の研究者の方々の同意と,医歯薬出版株式会社からの依頼を得て,本書の出版が実現できたことは,まさに僥倖といえよう.
 本書の構成は6章からなり,まず第1章では歯の形態学を概説した.つぎの第2章から第5章までの4章では,魚類・両生類・爬虫類・哺乳類の歯について記述した.現生種と日本産の動物を中心に述べたが,化石種・外国産の動物の代表的なものについてもひととおりふれるようにした.第6章では,全体の総括として歯の進化について概説した.
 用語については,下記の文献を参考にし,これらを比較検討して,おおくの語を紹介するとともに,最も適切と思われる語を選定した.
 1)藤田恒太郎原著・桐野忠大改訂(1967)『歯の解剖学』改訂第13版(金原出版)
 2)柴田信著(1937)『歯牙形態學』第4版(金原商店)
 3)日本解剖学会編(1969)『解剖学用語』改訂第11版(丸善)
 4)日本獣医学会編(1978)『家畜解剖学用語』(日本中央競馬会弘済会)
 5)文部省編(1975)『学術用語集・歯学編』(医歯薬出版)
 6)石川梧朗ほか編(1985)『新歯学大事典』(永末書店)
 7)山田常雄ほか編(1983)『岩波生物学辞典』第3版(岩波書店)
 8)内田亨監修(1972)『谷律・内田動物分類名辞典』(中山書店)
 9)亀井節夫・後藤仁敏編(1981)『古生物学各論第4巻・脊椎動物化石』(築地書館)
 用語のなかには,共著者間の論議で合意にいたらず,とりあえず編者の考えで統一したものもある.たとえば,“間葉性エナメル質“は“エナメロイド”,“鈍頭歯“は“丘状歯”,“稜縁歯”は“稜状歯“,“ハイポコーン”は“ヒポコーン”が適当であるという意見がある.哺乳類臼歯の咬頭名を“プロトコーン“などのカタカナでなく,“原錐”などの漢字にすべきという意見もあった.また,“小臼歯・大臼歯“を“前臼歯・後臼歯”とすべきとの意見もあったが,ヒトの歯との比較という観点から,“小臼歯・大臼歯”に統一した.歯の支持様式については不統一の部分が残った.これらの語は,読者からの意見をとりいれて,今後より適切なものに改訂していきたいと思う.
 巻末の文献は,わが国の研究者のものをできるだけ掲載するよう努力し,外国の文献は代表的なものにとどめた.しかし,ページ数の都合上,やむなく削除したものも多いことをお断りしたい.なお,記載もれの重要な文献を発見された場合は,編者あてご連絡くださるようお願いしたい.
 本書の出版にあたり,あたたかい推薦のことばを賜った酒井琢朗・佐伯政友の両先生,ご助言とご激励をいただいた井尻正二・桐野忠大・一條 尚・石川堯雄・橋本 巌・富田喜内・中根文雄・故三木成夫・田隅本生・工藤規雄の諸先生,図の引用や標本の写真撮影を許可していただいた多くの方々,第5章哺乳類の歯の原図を描いていただいた高橋雄作氏,および医歯薬出版株式会社の須田隆雄・斎藤智潮の両氏に深謝の意を表する.
 この本が,わが国における歯の比較解剖学的研究の発展と啓蒙に,少しでも役に立つことができれば,編者にとってこのうえない大きな喜びである.
 1986年6月10日
 後藤仁敏・大泰司紀之
 第2版の序
 推薦のことば
 初版の序

第1章 緒論
 (後藤仁敏)
 1.歯の定義
 2.歯の起源
  1)発生学的アプローチ
  2)比較解剖学的アプローチ
  3)古生物学的アプローチ
 3.歯の存在部位
 4.歯の形態
  1)歯の形態用語
  2)歯の方向用語
  3)歯の種類と型
 5.歯の組織と支持様式
  1)エナメロイドとエナメル質
  2)象牙質と歯髄
  3)歯周組織と歯の支持様式
 6.歯の交換
 7.歯の数と配列
 8.歯の機能
第2章 魚類の歯
 1.概説(後藤仁敏)
  1)魚類の進化と系統
  2)歯の形態と機能
  3)歯の組織構造
   (1)魚類のエナメロイド (2)魚類の象牙質
 2.無顎類(綱)
  1)概説
  2)甲皮類
  3)現生の無顎類
 3.棘魚類(綱)
  1)概説
  2)歯の形態
  3)歯の構造
 4.板皮類(綱)
  1)概説
  2)歯と歯板の形態
  3)歯の構造
 5.軟骨魚類(綱)
  1)概説
  2)板鰓類(亜綱)
   (1)板鰓類の進化と系統 (2)板鰓類の歯の一般的特徴
   (3)クラドドゥス段階 (4)ヒボドゥス段階
   (5)現代型板鰓類
  3)全頭類(亜綱)と正軟骨頭類(亜綱)
   (1)歯の形態と配列 (2)歯の構造
 6.硬骨魚類(綱)
  1)条鰭類(亜綱)(駒田格知)
   (1)概説 (2)歯の役割,形態,分布および数
   (3)歯の硬組織 (4)支持様式
   (5)咽頭歯および咽頭咀嚼板 (6)歯の交換
   (7)歯の摂餌適応 (8)数種の魚類の歯
  2)肉鰭類(亜綱)
   (1)総鰭類(目)(笹川一郎)
   (2)肺魚類(目)(石山巳喜夫)
第3章 両生類の歯
 1.概説(佐藤 巌・笹川一郎)
 2.迷歯類と空椎類(笹川一郎)
  1)迷歯類(亜綱)
  2)空椎類(亜綱)
 3.無尾類(目)(佐藤 巌)
 4.有尾類(目)
第4章 爬虫類の歯
 1.概説
  1)爬虫類の特徴と系統(笹川一郎)
  2)歯の位置・形態・数
  3)歯の支持様式と交換
  4)歯の組織構造(石山巳喜夫)
   (1)エナメル質 (2)象牙質
   (3)セメント質と歯根膜
  5)歯の発生
  6)卵歯
 2.無弓類(亜綱)
  1)杯竜類(目)
  2)メソサウルス類(目)
 3.カメ類(亜綱)
 4.鱗竜形類(下綱)
  1)始鰐類(目)
  2)ムカシトカゲ(喙頭)類(目)
  3)トカゲ(有鱗)類(目)
   (1)トカゲ類(亜目) (2)ヘビ類(亜目)
 5.主竜形類(下綱)(笹川一郎)
  1)槽歯類(目)
  2)ワニ類(目)
  3)竜盤類(目)
  4)鳥盤類(目)
  5)翼竜類(目)
 6.広弓類(亜綱)
 7.魚鰭類(亜綱)
 8.単弓類(亜綱)(瀬戸口烈司)
 付.鳥類(綱)の歯(笹川一郎)
  1)古鳥類(亜綱)
  2)歯顎類(上目)
  3)新顎類(上目)
第5章 哺乳類の歯
 1.概説(大泰司紀之)
  1)哺乳類(綱)の進化・系統と分類
  2)三結節説の変遷とトリボスフェニック型臼歯
   (1)三結節説 (2)咬頭の名称
   (3)三結節説に対する批判と修正 (4)トリボスフェニック型臼歯
  3)歯の形態分化
   (1)トリボスフェニック型臼歯の多様化と収斂 (2)歯根の変化
   (3)性的二型 (4)歯数の減少と異常
  4)歯の加齢変化
   (1)萌出と交換 (2)萌出後の加齢変化
 2.初期哺乳類―原獣類(亜綱)と汎獣類(下綱)(瀬戸口烈司)
 3.有袋類(上目)
 4.食虫類(目)
 5.皮翼類(目)
 6.翼手類(目)(前田喜四雄)
 7.霊長類(目)(瀬戸口烈司)
  1)原猿類(亜目)
  2)真猿類(亜目)
 8.裂歯類(目)と紐歯類(目)
 9.貧歯類と有鱗類(目)
 10.齧歯類(目)(花村 肇)
  1)リス類(亜目)
  2)ヤマアラシ類(亜目)
  3)ヤマネ類(亜目)
  4)ネズミ類(亜目)
 11.兎類(目)
 12.鯨類(亜目)(大泰司紀之)
  1)古鯨類(下目)
  2)鬚鯨類(下目)
  3)歯鯨類(下目)
 13.食肉類(目)
  1)裂脚類(亜目)(茂原信生・瀬戸口烈司)
  2)鰭脚類(上科)(伊藤徹魯)
 14.古い有蹄類─顆節類(目)・滑距類(目)
  南蹄類(目)・雷獣類(目)・鈍脚類(目)(瀬戸口烈司)
  1)顆節類(目)
  2)滑距類(目)
  3)南蹄類(目)
  4)雷獣類(目)
  5)鈍脚類(目)
 15.管歯類(目)
 16.岩狸類(目)(犬塚則久)
 17.束柱類(目)
 18.海牛類(目)
 19.重脚類(目)
 20.長鼻類(目)
 21.奇蹄類(目)(瀬戸烈司)
 22.偶蹄類(亜目)(大泰司紀之)
  1)古歯類(亜目)
  2)猪豚類(亜目)
  3)河馬類(亜目)
  4)核脚類(亜目)
  5)反芻類(亜目)
第6章 歯の進化
 1.歯の形態・組織の進化(後藤仁敏)
  1)脊椎動物の進化
  2)硬組織の比較生物学
  3)歯の構成要素の基本型と多様性
  4)魚類から両生類・爬虫類への歯の進化
  5)爬虫類から哺乳類への歯の進化
  6)エナメロイドからエナメル質への進化
 2.遺伝子からみた歯の進化(田畑 純)
  1)歯の形成と進化のメカニズム
  2)歯の生える位置の決定
  3)歯数の制御
   (1)顎遠心側への歯堤の伸長・分岐による先行歯の歯数制御
   (2)顎深部への歯堤の伸長・分岐による代生歯の歯数制御
   (3)歯胚発生中絶による制御
  4)歯種の決定
  5)歯の大きさの制御
  6)歯の外形の制御
  7)歯の凹凸の制御
  8)歯の成分の進化
 3.人類の歯の進化
  1)序説(瀬戸口烈司)
  2)食虫類進化の二方向分化傾向
  3)初期の霊長類の臼歯の構造
  4)ヒト上科の臼歯の特性
  5)遠心咬頭の特異性
  6)ヒトの臼歯の特性
  7)異常咬頭
  8)犬歯
  9)モンゴロイドの歯の特徴(茂原信生)
   (1)序説 (2)モンゴロイドの成立 (3)日本人の起源 (4)シノドントとスンダドント
  10)人類の歯の退化(後藤仁敏)
   11)人類の歯の未来と歯科医学の使命

 文献
 和文索引
 欧文索引