序
本書は,1994年に出版して以来歯学生・研修医・臨床家に好評を得て7刷を重ねてきた『最新歯周病学』を,最新情報を加え全面的に修正・加筆するとともに,最近重要になった垂直歯根破折の治療とインプラント治療の章を新しく加え,さらにわかりやすく臨床に役立つようオールカラーにし『新版 最新歯周病学』として出版したものである.
本書の基盤は,1962年東京医科歯科大学卒業と同時に歯周病学講座の助手(助教)となって以来,東京医科歯科大学,北海道大学,北海道医療大学において今日まで50年間にわたり取り組んで来た臨床,教育,研究の成果にある.本書の目的は,歯学部の「学生」には,わかりやすく実力がつく教科書として,「研修医」には臨床力の向上・歯周治療のレベルアップに役立つ参考書として,勤務医・大学院生・開業医,さらに認定医・専門医を目指す先生方には「歯周病学の基礎と臨床」をもう一度見直し実力の向上と問題点の解決力を身につけるのに役立つ座右の書となることを目指したものである.
本書の前身である『最新歯周病学』の執筆に取り組んだのは,北海道医療大学の教授として講義を行っていた1984年である.当時の教科書は,多数の先生が分担執筆したもので,全体の考え方に統一性がなく臨床的に難解な所もあり臨床にも役立たなかった.一方,海外の有名な教科書が翻訳されており,私もRamfjordとAshの『Periodontology and Periodontics』を翻訳した.この本は素晴らしい内容で,私には大変勉強になったが,学生には難解な所や我が国の現状に合わない所も多く,日本の教科書としては問題があり,学生にわかりやすく卒業後も臨床に役立つ教科書を作る必要があることを痛感した.
そこで自分でこれまで学んだこと,自分で行った研究成果,臨床経験,教育経験を中心に,本当に臨床に役立つ教科書をつくりたいと医歯薬出版に相談したところ,ぜひ単著で書いてほしいとの返事を得た.そこで,臨床に必要な基礎知識を整理し,歯周治療の考え方と治療の進め方を明確にして歯周病を勉強しようとする者に真に役立つ教科書を目指し,10年間力を注ぎ,完成したのは北大に戻って8年後の1994年であった.
完成後は好評を得て7刷を重ねたが,歯科医学・歯周病学の進歩が著しいことは予想しており,10年後には改訂しようと考え,2001年北海道大学を定年退職した後は,東京と水戸で臨床・研究,教育を継続し,新しい検査法・治療法への取り組みを進めてきた.改訂について医歯薬出版に相談すると快諾してくださり,2004年には具体的に準備を開始した.改訂にあたっては,臨床により役立つよう新しい研究結果と最新情報に検討を加え,全面的に修正・加筆するとともに,理解しやすくするため図表をカラー化した.さらに,北海道大学で一緒に研究を行った坂上竜資・福岡歯科大学教授(9章インプラント)と菅谷勉・北海道大学准教授(8章垂直歯根破折)を共著者に迎えて広範囲に充実を図った.
1章では,歯周治療の実力向上に必要な「歯周組織と歯周病の正しい基礎知識」を身につけるよう,写真と図を用いできるだけわかりやすく解説した.
2章からは臨床編で,まず歯周治療の基本的考え方,治療の進め方に重点を置き,検査と診断,・治療計画の立て方について詳細に記載した.
3章は,歯周治療で最も重要な「歯周基本治療」について,実際の症例を含めて具体的に解説してあり,本書の臨床編の重要な部分である.
4章は「歯周外科」について,基本的な手術から再生療法,歯周形成手術までシェーマ図と症例写真を用いて理論と術式を理解しやすいようにしてあり,歯周治療のレベルアップに役立つようになっている.
5章は,歯周治療で大切な「咬合治療」について必要な基礎知識を含め,咬合調整から矯正治療(MTM),歯周補綴まで記述してある.
6章は,根分岐部病変,歯周・歯内病変,薬物療法について,7章は特殊な歯周病,小児,高齢者の治療について解説し,問題解決力を高めるようになっている.
8章は新設で,近年発現率が高く歯周組織が破壊され歯周炎と類似した症状を示し,治療が難しい「垂直歯根破折」について,これまでの研究成果を踏まえ診断から治療法まで述べてある.
9章も新設で,歯周治療の一環として行われるようになった「歯周病患者のインプラント治療」について,基本的事項から歯周病患者にインプラントを行う場合の注意点まで述べてある.
10章メインテナンス治療は,著者の30年にわたる長期症例を示すとともに,メインテナンス上重要な事項を具体的に記載した.
本書の特徴は,多くの情報があふれる中で歯周治療に真に必要な基礎をもう一度見直し,しっかりと身につけて臨床に取り組み,科学的な理論に裏打ちされた臨床を行い,歯周病学のレベルアップが図れるところにある.本書の症例は,特殊な症例を除いてすべて著者自身が治療した患者さんで,臨床に役立つよう多くの長期症例を示した.さらに図表のほか「参考」の項目を作り,とくに興味を持たれた先生や専門医を目指す先生方がより深い知識や広い知識を得るのに役立つよう工夫してある.
本書が完成するまでには,多くの先生方および家族,さらに医歯薬出版の応援,協力があり,深く感謝する次第である.とくに長い間にわたり協力を惜しまず応援してくれた妻の瑞穂に,心から深く感謝する.
本書は皆様の歯周病学の研修に役立つものと確信しているが,内容についてお気付きの点やご要望があればぜひお知らせいただき,さらに改良を加え本書を息の長いものにしたいと考えている.
2011年8月
加藤 熈
本書は,1994年に出版して以来歯学生・研修医・臨床家に好評を得て7刷を重ねてきた『最新歯周病学』を,最新情報を加え全面的に修正・加筆するとともに,最近重要になった垂直歯根破折の治療とインプラント治療の章を新しく加え,さらにわかりやすく臨床に役立つようオールカラーにし『新版 最新歯周病学』として出版したものである.
本書の基盤は,1962年東京医科歯科大学卒業と同時に歯周病学講座の助手(助教)となって以来,東京医科歯科大学,北海道大学,北海道医療大学において今日まで50年間にわたり取り組んで来た臨床,教育,研究の成果にある.本書の目的は,歯学部の「学生」には,わかりやすく実力がつく教科書として,「研修医」には臨床力の向上・歯周治療のレベルアップに役立つ参考書として,勤務医・大学院生・開業医,さらに認定医・専門医を目指す先生方には「歯周病学の基礎と臨床」をもう一度見直し実力の向上と問題点の解決力を身につけるのに役立つ座右の書となることを目指したものである.
本書の前身である『最新歯周病学』の執筆に取り組んだのは,北海道医療大学の教授として講義を行っていた1984年である.当時の教科書は,多数の先生が分担執筆したもので,全体の考え方に統一性がなく臨床的に難解な所もあり臨床にも役立たなかった.一方,海外の有名な教科書が翻訳されており,私もRamfjordとAshの『Periodontology and Periodontics』を翻訳した.この本は素晴らしい内容で,私には大変勉強になったが,学生には難解な所や我が国の現状に合わない所も多く,日本の教科書としては問題があり,学生にわかりやすく卒業後も臨床に役立つ教科書を作る必要があることを痛感した.
そこで自分でこれまで学んだこと,自分で行った研究成果,臨床経験,教育経験を中心に,本当に臨床に役立つ教科書をつくりたいと医歯薬出版に相談したところ,ぜひ単著で書いてほしいとの返事を得た.そこで,臨床に必要な基礎知識を整理し,歯周治療の考え方と治療の進め方を明確にして歯周病を勉強しようとする者に真に役立つ教科書を目指し,10年間力を注ぎ,完成したのは北大に戻って8年後の1994年であった.
完成後は好評を得て7刷を重ねたが,歯科医学・歯周病学の進歩が著しいことは予想しており,10年後には改訂しようと考え,2001年北海道大学を定年退職した後は,東京と水戸で臨床・研究,教育を継続し,新しい検査法・治療法への取り組みを進めてきた.改訂について医歯薬出版に相談すると快諾してくださり,2004年には具体的に準備を開始した.改訂にあたっては,臨床により役立つよう新しい研究結果と最新情報に検討を加え,全面的に修正・加筆するとともに,理解しやすくするため図表をカラー化した.さらに,北海道大学で一緒に研究を行った坂上竜資・福岡歯科大学教授(9章インプラント)と菅谷勉・北海道大学准教授(8章垂直歯根破折)を共著者に迎えて広範囲に充実を図った.
1章では,歯周治療の実力向上に必要な「歯周組織と歯周病の正しい基礎知識」を身につけるよう,写真と図を用いできるだけわかりやすく解説した.
2章からは臨床編で,まず歯周治療の基本的考え方,治療の進め方に重点を置き,検査と診断,・治療計画の立て方について詳細に記載した.
3章は,歯周治療で最も重要な「歯周基本治療」について,実際の症例を含めて具体的に解説してあり,本書の臨床編の重要な部分である.
4章は「歯周外科」について,基本的な手術から再生療法,歯周形成手術までシェーマ図と症例写真を用いて理論と術式を理解しやすいようにしてあり,歯周治療のレベルアップに役立つようになっている.
5章は,歯周治療で大切な「咬合治療」について必要な基礎知識を含め,咬合調整から矯正治療(MTM),歯周補綴まで記述してある.
6章は,根分岐部病変,歯周・歯内病変,薬物療法について,7章は特殊な歯周病,小児,高齢者の治療について解説し,問題解決力を高めるようになっている.
8章は新設で,近年発現率が高く歯周組織が破壊され歯周炎と類似した症状を示し,治療が難しい「垂直歯根破折」について,これまでの研究成果を踏まえ診断から治療法まで述べてある.
9章も新設で,歯周治療の一環として行われるようになった「歯周病患者のインプラント治療」について,基本的事項から歯周病患者にインプラントを行う場合の注意点まで述べてある.
10章メインテナンス治療は,著者の30年にわたる長期症例を示すとともに,メインテナンス上重要な事項を具体的に記載した.
本書の特徴は,多くの情報があふれる中で歯周治療に真に必要な基礎をもう一度見直し,しっかりと身につけて臨床に取り組み,科学的な理論に裏打ちされた臨床を行い,歯周病学のレベルアップが図れるところにある.本書の症例は,特殊な症例を除いてすべて著者自身が治療した患者さんで,臨床に役立つよう多くの長期症例を示した.さらに図表のほか「参考」の項目を作り,とくに興味を持たれた先生や専門医を目指す先生方がより深い知識や広い知識を得るのに役立つよう工夫してある.
本書が完成するまでには,多くの先生方および家族,さらに医歯薬出版の応援,協力があり,深く感謝する次第である.とくに長い間にわたり協力を惜しまず応援してくれた妻の瑞穂に,心から深く感謝する.
本書は皆様の歯周病学の研修に役立つものと確信しているが,内容についてお気付きの点やご要望があればぜひお知らせいただき,さらに改良を加え本書を息の長いものにしたいと考えている.
2011年8月
加藤 熈
1章 歯周組織と歯周病(加藤 熈)
1・歯周組織の形態と機能
1 歯肉
1)歯肉の肉眼的解剖学 2)歯肉の組織学(微細構造)
2 歯根膜
1)歯根膜線維 2)細胞成分・血管・神経 3)マラッセの残存上皮
3 セメント質
1)無細胞セメント質と有細胞セメント質
2)シャーピー線維とセメント基質
3)セメント質の吸収と再生
4 歯槽骨
1)固有歯槽骨と支持歯槽骨 2)組織学的特徴(生物学的特徴)
5 歯周組織の形成・発達・増齢変化
1)形成・発達 2)増齢変化
6 歯周組織と歯との付着・結合
1)歯肉と歯の付着 2)歯根膜と歯根の結合
7 歯肉溝と歯肉溝滲出液
1)歯肉溝 2)歯肉溝滲出液
8 咬合機能と歯周組織
9 咀嚼と嚥下
1)咀嚼運動と歯の接触 2)嚥下運動
2・歯周病の分類と歯肉炎・歯周炎の成り立ち
1 歯周病の分類の歴史
1)海外における分類 2)我が国における分類
2 歯周病の分類と病名
1.歯肉炎,歯肉疾患
1)プラーク性歯肉炎 2)非プラーク性歯肉炎 3)歯肉退縮
2.歯周炎
1)慢性歯周炎 2)侵襲性(急速性)歯周炎 3)全身因子関連歯周炎 4)壊死性潰瘍性歯肉炎・歯周炎
3.咬合性外傷
4.1部位や1歯単位で診断・分類される病名
1)歯肉膿瘍,歯周膿瘍 2)歯周─歯内病変 3)根分岐部病変 4)歯根垂直破折 5)インプラント周囲炎
3 歯肉炎・歯周炎の発症と進行
1)歯肉炎の発症と進行 2)歯周炎の発症と進行
4 重度歯周炎への進行
5 歯周病の部位特異性と周期的進行
1)歯周病の部位特異性
2)歯周病の周期的進行と進行タイプ(型)
6 歯周病の全身疾患への影響
3・歯周病の病理
1 臨床的正常歯肉
2 歯肉炎
1)初発期(開始期)歯肉炎 2)急性歯肉炎(早期病変) 3)慢性歯肉炎(確立期病変)
3 歯周炎
1)病理組織学的特徴 2)歯周炎の急性悪化期と静止期
4 咬合性外傷と廃用性萎縮
1)咬合性外傷の病理変化 2)揺さぶり力による咬合性外傷 3)廃用性萎縮の病理変化
5 特殊な歯周病
1)特殊な歯肉炎(複雑性歯肉炎) 2)侵襲性歯周炎 3)遺伝性因子が関与する特殊な歯周炎
4・歯周病の原因因子,リスクファクター
1 初発因子―第1次病因因子
2 局所修飾因子―第2次病因因子
1)プラーク増加因子(炎症性修飾因子)
2)外傷性咬合(外傷性修飾因子)
3 全身性修飾因子
4 リスクファクター
1)第1次リスクファクター 2)第2次リスクファクター 3)リスクファクターのオッズ比
5・プラーク(バイオフィルム),細菌,歯石
1 プラーク
1)歯肉縁上プラークとプラーク形成 2)歯肉縁下プラーク 3)バイオフィルム 4)プラーク細菌と歯周病,歯周組織の防御作用 5)歯肉炎の発症と歯周炎へ進行する要因 6)細菌の歯肉への侵入
2 プラーク細菌による組織破壊
1)直接作用 2)間接作用(免疫応答)
3 歯周病の細菌学
1)正常な歯肉溝の細菌 2)歯肉炎のポケット内細菌 3)歯周炎のポケット内細菌
4 歯周病原(性)菌
1)非特異的細菌感染説と特異的細菌感染説
2)Socranskyの歯周病原(性)菌のためのKochの原則
3)レッドコンプレックス
5 歯石
1)定義と分類 2)歯石の組成,形成,付着様式 3)歯周病の病因としての歯石の役割
6・歯周病における宿主応答(炎症と免疫反応による防御と組織破壊)
1 炎症性反応
1)血管透過性の亢進 2)炎症性細胞の浸潤
2 炎症性細胞(宿主応答細胞)
1)好中球(好中性白血球) 2)単核食細胞,単球,マクロファージ 3)リンパ球 4)プラズマ細胞(形質細胞) 5)マスト細胞(肥満細胞)
3 免疫反応と歯周組織破壊
1)抗原侵入による免疫反応と歯周組織
2)歯周組織に生じると思われる免疫反応による組織破壊
7・歯周病と咬合―外傷性咬合と咬合性外傷
1 外傷性咬合と咬合性外傷
1)外傷性咬合 2)咬合性外傷 3)1次性咬合性外傷と2次性咬合性外傷
2 正常な(炎症のない)歯周組織に生じる咬合性外傷
1)歯根膜に生じる咬合性外傷
2)歯槽骨とセメント質に生じる咬合性外傷
3)歯肉に対する影響
3 歯周病における外傷性咬合と咬合性外傷の役割
4 炎症と咬合性外傷の合併による歯周組織破壊
5 歯周組織の炎症と咬合性外傷の合併(まとめ)
8・ペリオドンタルメディシン
1 糖尿病
1)糖尿病と歯周病との関係 2)糖尿病患者の歯周治療
2 冠状動脈心疾患(心臓血管系疾患,虚血性心疾患)
1)歯周病との関係の疫学的研究 2)動脈硬化部位の観察結果 3)歯周病が冠状動脈心疾患の危険性を高めるメカニズム(原因)
3 メタボリックシンドローム(肥満,血清脂質異常,血圧高値,高血糖)
1)メタボリックシンドロームが歯周病に与える影響
2)歯周病がメタボリックシンドロームに与える影響
4 誤嚥性肺炎(呼吸器疾患)
5 骨粗鬆症
6 早期低体重児出産
7 ストレス
8 喫煙
9 遺伝(遺伝的素因)
1)歯周病の遺伝子診断 2)遺伝性疾患に伴う歯周炎
9・歯周病の疫学
1 疫学の目的
2 歯周病の疫学に用いる指数
1)口腔清掃度を表す指数 2)歯肉の炎症を表す指数 3)ポケット内部の炎症を表す指数(歯肉出血指数,BI) 4)歯周炎の程度を表す指数 5)歯周治療の必要度を表す指数
3 歯肉炎の疫学
4 歯周炎の疫学
1)年齢および口腔清掃状態との関係 2)性,人種,地域との関係 3)教育・社会経済状態 4)歯周病による歯の喪失
2章 歯周治療の基本的考え方と治療計画の立て方および検査と診断(加藤 熈)
1・歯周治療の基本的考え方と治療の進め方
1 歯周治療の基本的考え方
1)歯周組織の炎症の改善 2)咬合性外傷の改善,安定した咬合機能の回復 3)失われた歯周組織の再生 4)回復した口腔の健康の長期維持
2 歯周治療の進め方
1)歯周治療への患者の導入,検査・診断,治療計画の立案および患者への説明と承諾
2)歯周基本治療(イニシャルプレパレーション,初期治療)
3)再評価,治療計画の修正
4)修正治療
5)再評価
6)メインテナンスとサポーティブペリオドンタルセラピー
2・治療計画の意義と立て方
1 治療計画の意義と立て方の原則
2 治療計画立案時の注意事項
1)患者の全身状態・年齢(寿命)
2)歯科治療に対する患者の希望や認識
3)主訴と応急処置の必要性
4)口腔全体の咬合機能回復と審美性
5)患者の経済的負担能力・メインテナンスの可能性
3 第1次治療計画の立案
1)応急処置および基本治療で行う治療内容と順位の決定
2)修正治療の内容と順位の決定
3)メインテナンスの方法
3・歯周病の検査と診断の基本
1 歯周病の検査の基本的考え方
2 医療面接と一般検査
1)主訴
2)全身既往歴と現在の健康状態(医科既往歴),および生活習慣
3)口腔内既往歴(歯科疾患の既往歴)
4)顔面と歯の現症(歯周病以外の現症)
3 歯周病の現状の把握と原因の把握
1)歯周組織の破壊の程度の検査 2)歯周病の原因の検査
4・歯周組織の破壊状態(病態)の検査
1 歯肉の検査
1)色の変化 2)形態,硬さの変化,歯肉辺縁の位置 3)スティップリングの消失 4)出血,BOP,排膿 5)歯肉の炎症程度を示す指数
2 歯肉・歯周ポケットの検査(プロービング)とアタッチメントレベルの検査
1)ポケットの深さの測定 2)プロービングに対する最近の考え方 3)ポケットプローブと検査表 4)測定時の注意点 5)アタッチメントレベルの検査 6)歯肉溝滲出液の検査
3 歯槽骨,歯根膜の検査
1)歯槽骨の検査 2)歯根膜の検査 3)3次元CTによる診断
4 根分岐部病変の検査
5 歯の動揺度の検査
1)動揺度の測定方法 2)歯の動揺度に影響を与える因子
5・歯周病の原因の検査─(1)炎症性因子の検査
1 プラーク付着状態の検査
1)視診 2)プラーク染色剤 3)プラークチャートとプラーク付着率 4)触診
2 ポケット内の細菌検査
1)検査試料(プラーク)の採取方法 2)細菌検査法
3 歯石の検査
4 炎症性修飾因子(プラーク増加因子)の検査
1)口呼吸の検査 2)食片圧入の検査 3)歯列不正の検査 4)不良歯冠修復物・補綴物の検査 5)付着歯肉と角化歯肉幅の狭小の検査 6)小帯異常の検査 7)口腔前庭の狭小の検査 8)歯肉および骨の形態異常の検査 9)歯周ポケットの検査
6・歯周病の原因の検査─(2)咬合性因子の検査
1 咬合の形態的検査
1)大きな不正咬合と歯の欠損の検査 2)咬合彎曲の検査 3)前歯の咬合の検査 4)臼歯の咬合の検査
2 早期接触の検査(咬合の機能的検査)
1)咬頭嵌合位の機能的安定性の検査 2)咬頭嵌合位の早期接触の検査 3)側方運動の前方運動の検査 4)後方位の検査
3 側方力の検査
4 ブラキシズムの検査
1)臨床症状の検査 2)原因因子の検査
5 舌や口唇の悪習癖の検査
1)悪習癖の症状と原因の検査
2)舌の悪習癖の実態観察と診断
7・エックス線写真・口腔内写真・スタディモデルによる検査と記録
1 エックス線写真による検査と記録
1)検査事項と注意点 2)診断できない事項
2 口腔内カラー写真による検査と記録
3 スタディモデルによる検査と記録
8・全身性(修飾)因子の検査
1 歯周病と関連がある全身疾患の検査
2 全身的な宿主反応の検査
3 遺伝子診断―遺伝子多型の検査
1)インターロイキンの検査 2)白血球のFCレセプターの検査 3)その他の検査
3章 歯周基本治療(加藤 熈)
1・歯周基本治療とは
2・応急処置と全身状態への配慮
1 応急処置
1)歯髄炎,急性根尖性歯周炎,急性歯槽膿瘍 2)急性歯肉膿瘍と急性歯周膿瘍 3)咬合性外傷による疼痛
2 全身状態,全身疾患に対する配慮
3・口腔清掃指導―プラークコントロール
1 モチベーション
1)モチベーションとその重要性
2)モチベーションに影響を与える因子
3)モチベーションの方法,成功の要点
4)現在の病状を示し,口腔の健康の重要性を認識させる
5)口腔清掃(ブラッシング)の重要性を認識させる
6)ブラッシングの効果を自覚させる
7)ブラッシングによる歯肉マッサージの効果
8)モチベーションの補強
2 ブラッシングのテクニック指導
1)テクニックの指導順序 2)各種ブラッシングの方法 3)適切なブラッシング法の選択と指導 4)歯磨剤の使用について 5)歯ブラシの損耗と交換
3 補助的清掃用具とその指導法
4 電動式の口腔清掃用具
1)電動歯ブラシ 2)音波歯ブラシと超音波歯ブラシ 3)水流式清掃用具
5 化学的プラークコントロール
6 口腔清掃指導の効果判定と失敗の対策
1)口腔清掃指導の効果判定 2)指導の失敗とその対策 3)ブラッシングを障害する局所因子(疼痛など)の存在と除去
4・スケーリングとルートプレーニング
1 スケーリングとルートプレーニングの定義
1)スケーリングの意義と目的
2)ルートプレーニングの意義と目的
2 手用スケーラーとその特徴
1)鎌型スケーラー 2)キュレット(鋭匙)型スケーラー 3)その他の手用スケーラー
3 スケーリングとルートプレーニングの進め方と術式
1)歯肉縁上のスケーリング
2)歯肉縁下のスケーリング・ルートプレーニング
4 手用スケーラー使用時の注意事項
1)スケーリングとルートプレーニングの前に口腔清掃を徹底させる
2)切れるスケーラーを使用する
3)スケーラーを正しくしっかりと把持する
4)術者と患者の位置を適切にし,フィンガーレストを確実にする
5)スケーラーの操作を適切にする
6)歯石の取り残しと過剰な根面削除を防止する
7)軟組織を不必要に傷つけない
5 スケーラーの研磨
1)スケーラーの切れ味の点検 2)スケーラー用砥石 3)スケーラーの研ぎ方
6 超音波スケーラーとエアスケーラー
1)超音波スケーラー 2)エアスケーラー
5・咬合性外傷に対する治療
1 咬合調整と歯冠形態修正
2 暫間固定と喪失歯の暫間補綴
3 ブラキシズムや舌の悪習癖の改善
6・歯周基本治療として行うその他の治療
1 保存可能か不可能かの判定および明らかに保存不可能な歯の抜去
2 齲蝕の治療・歯髄疾患の治療(歯内治療)
3 不適合修復物・補綴物の修正や除去
4 知覚過敏症の治療
1)原因 2)治療の原則 3)歯周治療後に生じる知覚過敏症の予防と治療 4)歯周治療前から生じている知覚過敏症の治療 5)知覚過敏症に用いる薬物
5 歯周ポケット掻爬(キュレッタージ)
7・歯周基本治療後の再評価と治療計画の修正
1 再評価とは
2 再評価の目的と時期
3 再評価として行う検査内容と治療計画
4 治療計画の修正
4章 歯周外科(加藤 熈)
1・歯周外科の目的と基本原則
1 歯周外科の目的,分類,適応症,禁忌症
1)目的 2)種類・分類 3)適応症と成功の条件 4)禁忌症 5)歯周外科を行う時期と実施の決定
2 歯周外科に必要な前準備
1)患者に対する準備 2)歯周外科に用いる器具と準備
3 歯周外科治療後の治癒形態
1)歯周外科治療後の治癒形態
2)再付着,新付着,再生,修復の定義
4 歯周外科治療後のメインテナンスが重要
1)手術直後の注意事項 2)術後の長期メインテナンス
2・歯周外科における縫合と歯周パック
1 縫合
1)目的 2)使用する器具と材料 3)縫合針と縫合糸 4)縫合法 5)縫合時の注意事項
2 歯周パック
1)目的 2)材質
3・歯周ポケット掻爬術(キュレッタージ)
1 目的と特徴
1)目的 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)歯周外科として行う場合の非適応症
3 使用器具と術式
1)使用器具 2)術式
4 キュレッタージ後の治癒形態と治療効果
1)治癒形態 2)治療効果を高める条件 3)失敗の原因
4・新付着術(ENAP)
1 目的と特徴
1)目的(考え方) 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)非適応症
3 使用器具と術式
1)使用器具 2)術式
5・歯肉切除術と歯肉整形術
1 目的と特徴
1)目的 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)非適応症
3 使用器具と術式
1)使用器具と材料 2)術式
4 歯肉切除術後の治癒とメインテナンス
6・フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
1 目的と特徴
1)目的 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)非適応症
3 使用器具
4 罹患根面に(再)付着させずポケットを除去する目的のフラップ手術
1)術式
5 罹患根面に(再)付着させてポケットを浅くする目的のフラップ手術
1)(再)付着を目的とする基本的フラップ手術
2)ウィドマン改良フラップ手術
7・ディスタルウェッジ手術
8・骨外科(骨整形術,骨切除術)と骨移植術
1 骨外科
1)骨整形術 2)骨切除術
2 骨移植術
1)自家骨移植 2)他家骨移植 3)人工骨移植
9・歯周組織再生療法
1 GTR法
1)原理と発展 2)使用する膜 3)適応症 4)術式 5)人工骨移植との併用 6)成功させるための注意事項
2 エナメルマトリックスタンパク質を用いた手術
1)エナメルマトリックスタンパク質 2)適応症,利点,治療効果 3)問題点と対策 4)術式
3 その他の再生療法
1)多血小板血漿
2)臨床応用の可能性が高い研究中の再生療法
10・歯周形成手術─歯肉歯槽粘膜手術
1 目的と種類
1)目的 2)種類
2 小帯手術
1)適応症 2)小帯異常の検査 3)術式
3 歯肉弁側方移動術
1)適応症 2)術式
4 両側乳頭歯肉移植術
1)適応症 2)術式
5 遊離歯肉移植術
1)特徴 2)適応症 3)術式
6 結合組織移植術
7 歯肉弁根尖側移動術
1)適応症 2)術式
8 歯肉弁歯冠側移動術
11・歯周外科時の併発症と対策および術後管理
1 併発症と対策
1)ショックと失神 2)出血 3)疼痛 4)腫脹 5)治癒の遅延 6)パックによるアレルギー反応 7)知覚過敏症の処置
2 術後管理
1)手術直後の患者指導と処置
2)咬合性外傷のチェック(咬合調整,暫間固定)
3)術後の長期メインテナンス
5章 歯周治療における咬合治療,矯正治療,歯冠修復,欠損補綴(歯周補綴)(加藤 熈)
1・歯周治療における咬合治療の基本的考え方
1 咬合性外傷と外傷性咬合
2 咬合治療の進め方
1)初診時の咬合検査 2)歯周基本治療時の咬合治療 3)再評価 4)修正治療時の咬合治療 5)メインテナンス,サポーティブ歯周治療時の咬合治療
2・咬合の基礎知識
1 下顎の限界運動と習慣性開閉運動
1)下顎の限界運動 2)習慣性開閉運動
2 下顎の機能運動(咀嚼運動と嚥下運動)
1)咀嚼運動 2)嚥下運動と歯の接触
3 安静位と安静空隙
1)安静位 2)安静空隙
4 咬頭嵌合位(中心咬合位)と筋肉位(筋安定位)
1)咬頭嵌合位 2)筋肉位
5 後方接触位と中心位
1)後方接触位 2)中心位
6 前方運動
7 側方運動
1)犬歯誘導 2)グループ誘導 3)非作業側の接触
8 側方運動をもとにした咬合様式の分類
1)フル・バランスド・オクルージョン
2)グループ・ファンクションド・オクルージョン
3)カスピッド・プロテクテッド・オクルージョン
4)ミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョン
5)咬合様式に対する考え方
3・咬合調整と歯冠形態修正
1 咬合調整を行う時期と基本原則
1)時期 2)基本的な順序 3)基本原則
2 咬合調整に用いる器材
1)検査用具 2)切削用具 3)その他の器材
3 咬頭嵌合位(中心咬合位)の咬合調整
1)咬合調整時の準備と咬頭嵌合位の安定性の検査 2)早期接触歯の発見 3)早期接触部の歯面への印記 4)早期接触部の削合 5)削合した歯面の形態修正
4 側方運動路の調整
1)作業側の調整 2)非作業側(平衡側)の調整
5 前方運動路の調整
1)早期接触部の検査と印記 2)前方運動路の削合
6 歯冠形態修正
1)前歯の形態修正 2)臼歯の形態修正
7 後方接触位の咬合調整
4・暫間固定と永久固定
1 暫間固定(プロビジョナル固定を含む)
1)目的 2)適応症 3)歯質を削合せずに行う暫間固定法(外側性固定) 4)歯質を削合して行う暫間固定法(内側性固定) 5)可撤式床固定装置
2 永久固定
1)目的と適応症 2)固定式永久固定法 3)可撤式永久固定法 4)注意点
5・ブラキシズムの処置
1 ブラキシズムの定義と歯周組織への影響
2 ブラキシズムの分類
1)グラインディング 2)クレンチング 3)タッピング 4)睡眠時ブラキシズム 5)覚醒時ブラキシズム
3 ブラキシズムの原因と発生メカニズム
4 ブラキシズムの検査・診断
5 ブラキシズムの治療
1)全身因子,精神的因子の改善 2)局所因子の除去
6・歯周治療における矯正治療
1 歯周治療における局所矯正治療の意義
2 歯周治療における局所矯正治療の目的
1)歯周組織の炎症の改善(口腔清掃性の改善,炎症性因子の除去) 2)咬合性外傷の改善(外傷性咬合の除去) 3)審美性の改善(前歯部の歯列不正の改善) 4)歯周組織の再生(高度な垂直性骨欠損がある場合など)
3 適応症の選択
1)矯正治療の効果と必要性の検討 2)矯正治療の難易度 3)歯の移動後の保定の難易度
4 矯正治療の開始時期,前準備の重要性,矯正装置の選択
1)患者教育 2)矯正治療の開始時期と歯周組織の炎症の改善 3)矯正装置の選択
5 歯周病患者の矯正治療に適した可撤式矯正装置
1)特徴 2)適応と設計上の注意事項 3)構造と製作方法
6 歯周病患者に用いる固定式矯正装置
1)特徴 2)各種装置の構造と特色
7 矯正治療開始後の点検と調整
8 保定とメインテナンス
7・歯周病患者の歯冠修復,欠損補綴(歯周補綴)と生物学的幅径
1 歯周病患者の歯冠修復,欠損補綴(歯周補綴)の基本的考え方と注意事項
2 歯周病患者のプロビジョナルレストレーション
1)暫間修復・補綴物の役割 2)暫間修復物製作時の注意点
3 歯周病患者の歯冠修復
1)マージンの位置と適合性 2)歯周補綴の修復物の形態 3)咬合面の形態 4)生物学的幅径
4 歯周病患者の欠損補綴(歯周補綴)
1)歯周補綴 2)固定式欠損補綴 3)可撤式欠損補綴
6章 根分岐部病変の治療,歯周-歯内病変(加藤 熈)
1・根分岐部病変とその治療
1 根分岐部病変が生じやすい原因
2 根分岐部病変の治療が難しい原因
3 検査・診断と根分岐部病変の分類
1)進行度の検査 2)分類 3)原因と修飾因子の検査
4 根分岐部病変の治療法
1)歯根保存療法 2)根分割療法
2・歯周-歯内病変とその治療
1 歯周病と歯髄疾患の相互関係
1)歯周病や歯周治療が歯髄に及ぼす影響
2)歯髄疾患が歯周組織へ及ぼす影響
2 歯周-歯内病変とその分類
1)I型(歯内病変由来型) 2)II型(歯周病変由来型) 3)III型(歯周病変と歯内病変の合併型)
3 歯周-歯内病変の検査・診断
1)基本的な検査 2)I,II,III型の診断上の注意点
4 歯周-歯内病変の治療法
1)I型(歯内病変由来型) 2)II型(歯周病変由来型) 3)III型(歯周病変と歯内病変の合併型)
3・歯周病の薬物療法
1 局所の抵抗力を高めようとする薬物
2 局所の消毒,細菌抑制を目的とする薬物
1)局所消毒液(薬),ポケット内消毒液(薬) 2)含嗽薬 3)プラーク抑制薬 4)局所塗布軟膏 5)歯周パック 6)知覚過敏症治療薬
3 抗菌薬の歯周ポケット内投与療法
1)局所薬物配送システム
2)局所薬物配送システムの歯周治療への応用
3)フルマウスディスインフェクション,全顎除菌療法
4 全身的に用いられる薬剤と抗菌療法
1)抗菌薬と抗菌療法 2)消炎酵素薬 3)鎮痛・鎮静薬
7章 特殊な歯周病および小児と高齢者の歯周病の治療(加藤 熈)
1・特殊な歯周病とその治療
1 特殊な歯周病の治療の基本的考え方
2 特殊な歯肉炎
1)壊死性潰瘍性歯肉炎 2)慢性剥離性歯肉炎 3)フェニトイン増殖性歯肉炎 4)ニフェジピン増殖性歯肉炎 5)シクロスポリン増殖性歯肉炎 6)妊娠性歯肉炎 7)白血病性歯肉炎 8)遺伝性歯肉線維腫症 9)ヘルペス性歯肉口内炎
3 侵襲性歯周炎(急速破壊性歯周炎)
1)若年者の侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)
2)成人の侵襲性歯周炎(急速進行性歯周炎)
4 遺伝的因子が関与する歯周炎
1)Papillon─Lefevre症候群(掌蹠過角化症)
2)ダウン症候群,トリソミー21
3)遺伝子が関与するその他の疾患
5 血液疾患が関与する歯周炎
1)好中球減少症(無顆粒細胞症,顆粒球減少症) 2)白血病 3)その他
6 糖尿病患者の歯周炎
2・小児の歯周病の治療
1 小児の歯肉炎とその治療
1)単純性歯肉炎 2)増殖性歯肉炎 3)萌出性歯肉炎 4)思春期性歯肉炎 5)特殊な急性歯肉炎
2 小児の歯周炎とその治療
1)慢性歯周炎 2)特殊な全身疾患が関与する歯周炎 3)侵襲性歯周炎(前思春期性歯周炎) 4)誤った矯正治療による歯周炎
3・高齢者の歯周病の治療
1 高齢者の歯周治療
1)高齢者の歯周組織の特徴と治療の基本 2)全身状態の把握 3)ニフェジピン増殖性歯肉炎 4)歯周病に対する抵抗性の検討
2 口腔清掃指導の徹底
1)高齢者の口腔清掃指導 2)電動歯ブラシの使用 3)高齢者・障害者の口腔清掃指導の重要なポイント
3 保存的治療法の重視と根分岐部病変の治療
1)保存的治療法の重視 2)根分岐部病変の治療
4 固定,補綴治療,メインテナンス治療
8章 垂直歯根破折による歯周病変と治療(菅谷 勉,加藤 熈)
1・垂直歯根破折による歯周組織破壊
1 垂直歯根破折の分類
1)破折の程度による分類 2)破折の発生部位による分類
2 垂直歯根破折の原因と発生部位
1)原因とリスクファクター 2)リスクの高い患者 3)発生部位
3 垂直歯根破折の臨床症状
1)初期の症状 2)中期の症状 3)後期の症状
4 垂直歯根破折による歯周組織破壊の病態(病理)
1)ステージ1(初期) 2)ステージ2(中期) 3)ステージ3(後期)
2・垂直歯根破折の検査・診断
1 垂直歯根破折の鑑別に必要な検査
1)プロービング 2)歯の動揺度の増加 3)エックス線写真 4)破折線の確認
3・垂直歯根破折の治療の原則
1 垂直歯根破折の治療の基本的考え方
1)初期 2)中期 3)後期
2 接着性レジンセメントの選択条件
1)生体親和性 2)接着力 3)操作性
3 適応症と適切な治療法決定に必要な検査
1)破折状態の検査 2)歯周組織破壊の進行状態の検査
4・垂直破折歯根の接着治療法
1 口腔内接着法
2 口腔内接着後の再植法
3 口腔外接着再植法
4 接着治療後の再破折防止とメインテナンス
1)再破折への対策 2)咬合性外傷への配慮 3)ブラキシズムへの対策 4)歯周ポケットのメインテナンス治療
9章 歯周病患者におけるインプラント治療(坂上竜資,加藤 熈)
1 インプラント治療の概要と歴史
2 歯周病患者とインプラント治療
3 インプラントの基本構造と手術法
1)2回法 2)1回法
4 インプラントと骨および軟組織との界面の状態
5 インプラント治療の流れ
1)患者の選択 2)治療計画の立案と患者への説明 3)一次手術 4)二次手術 5)印象から上部構造製作 6)上部構造(補綴物)の固定(装着) 7)インプラントのメインテナンス
6 骨造成のための治療法
7 インプラント周囲の付着角化粘膜の獲得
8 インプラント治療における咬合の与え方
9 前歯部における審美性への配慮
10 インプラント周囲炎
10章 メインテナンス治療(メインテナンスとサポーティブペリオドンタルセラピー)(加藤 熈)
1・メインテナンス治療の重要性(長期症例に学ぶ)
1 歯周病再発の危険性
2 歯周病の再発と進行を防ぐメインテナンス治療
3 長期(30年間)メインテナンス治療症例1
2・メインテナンス治療の内容と方法
1 患者の自己健康管理
2 歯科医院での健康管理
3 長期(31年間)メインテナンス治療症例2
3・治癒とメインテナンス,病状安定とサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)
1 病状安定と治癒
1)病状安定 2)治癒
2 サポーティブペリオドンタルセラピーとメインテナンス
1)サポーティブペリオドンタルセラピー 2)メインテナンス
3 メインテナンス治療
4 メインテナンスとSPTを行う際の重要事項
4・リコールシステムとPMTC,PTC
1 リコールシステム
1)リコールの時期と間隔
2)リコール来院時の検査と治療の基本
2 リコール時の検査内容
1)患者面談 2)口腔清掃状態と歯肉の炎症の検査 3)歯周ポケットとプロービング時の出血の検査 4)咬合性外傷と歯の動揺度の検査 5)エックス線写真検査 6)齲蝕,その他の検査
3 リコール時の治療の実際
1)口腔清掃再指導 2)スケーリング,ルートプレーニング 3)咬合調整,咬合性外傷に対する治療 4)知覚過敏症,歯頸部齲蝕の治療 5)歯周外科治療
4 PMTC
1)PMTCとは 2)PMTCの意義と効果 3)PTCとは
参考図書・参考文献
索引
謝辞
1・歯周組織の形態と機能
1 歯肉
1)歯肉の肉眼的解剖学 2)歯肉の組織学(微細構造)
2 歯根膜
1)歯根膜線維 2)細胞成分・血管・神経 3)マラッセの残存上皮
3 セメント質
1)無細胞セメント質と有細胞セメント質
2)シャーピー線維とセメント基質
3)セメント質の吸収と再生
4 歯槽骨
1)固有歯槽骨と支持歯槽骨 2)組織学的特徴(生物学的特徴)
5 歯周組織の形成・発達・増齢変化
1)形成・発達 2)増齢変化
6 歯周組織と歯との付着・結合
1)歯肉と歯の付着 2)歯根膜と歯根の結合
7 歯肉溝と歯肉溝滲出液
1)歯肉溝 2)歯肉溝滲出液
8 咬合機能と歯周組織
9 咀嚼と嚥下
1)咀嚼運動と歯の接触 2)嚥下運動
2・歯周病の分類と歯肉炎・歯周炎の成り立ち
1 歯周病の分類の歴史
1)海外における分類 2)我が国における分類
2 歯周病の分類と病名
1.歯肉炎,歯肉疾患
1)プラーク性歯肉炎 2)非プラーク性歯肉炎 3)歯肉退縮
2.歯周炎
1)慢性歯周炎 2)侵襲性(急速性)歯周炎 3)全身因子関連歯周炎 4)壊死性潰瘍性歯肉炎・歯周炎
3.咬合性外傷
4.1部位や1歯単位で診断・分類される病名
1)歯肉膿瘍,歯周膿瘍 2)歯周─歯内病変 3)根分岐部病変 4)歯根垂直破折 5)インプラント周囲炎
3 歯肉炎・歯周炎の発症と進行
1)歯肉炎の発症と進行 2)歯周炎の発症と進行
4 重度歯周炎への進行
5 歯周病の部位特異性と周期的進行
1)歯周病の部位特異性
2)歯周病の周期的進行と進行タイプ(型)
6 歯周病の全身疾患への影響
3・歯周病の病理
1 臨床的正常歯肉
2 歯肉炎
1)初発期(開始期)歯肉炎 2)急性歯肉炎(早期病変) 3)慢性歯肉炎(確立期病変)
3 歯周炎
1)病理組織学的特徴 2)歯周炎の急性悪化期と静止期
4 咬合性外傷と廃用性萎縮
1)咬合性外傷の病理変化 2)揺さぶり力による咬合性外傷 3)廃用性萎縮の病理変化
5 特殊な歯周病
1)特殊な歯肉炎(複雑性歯肉炎) 2)侵襲性歯周炎 3)遺伝性因子が関与する特殊な歯周炎
4・歯周病の原因因子,リスクファクター
1 初発因子―第1次病因因子
2 局所修飾因子―第2次病因因子
1)プラーク増加因子(炎症性修飾因子)
2)外傷性咬合(外傷性修飾因子)
3 全身性修飾因子
4 リスクファクター
1)第1次リスクファクター 2)第2次リスクファクター 3)リスクファクターのオッズ比
5・プラーク(バイオフィルム),細菌,歯石
1 プラーク
1)歯肉縁上プラークとプラーク形成 2)歯肉縁下プラーク 3)バイオフィルム 4)プラーク細菌と歯周病,歯周組織の防御作用 5)歯肉炎の発症と歯周炎へ進行する要因 6)細菌の歯肉への侵入
2 プラーク細菌による組織破壊
1)直接作用 2)間接作用(免疫応答)
3 歯周病の細菌学
1)正常な歯肉溝の細菌 2)歯肉炎のポケット内細菌 3)歯周炎のポケット内細菌
4 歯周病原(性)菌
1)非特異的細菌感染説と特異的細菌感染説
2)Socranskyの歯周病原(性)菌のためのKochの原則
3)レッドコンプレックス
5 歯石
1)定義と分類 2)歯石の組成,形成,付着様式 3)歯周病の病因としての歯石の役割
6・歯周病における宿主応答(炎症と免疫反応による防御と組織破壊)
1 炎症性反応
1)血管透過性の亢進 2)炎症性細胞の浸潤
2 炎症性細胞(宿主応答細胞)
1)好中球(好中性白血球) 2)単核食細胞,単球,マクロファージ 3)リンパ球 4)プラズマ細胞(形質細胞) 5)マスト細胞(肥満細胞)
3 免疫反応と歯周組織破壊
1)抗原侵入による免疫反応と歯周組織
2)歯周組織に生じると思われる免疫反応による組織破壊
7・歯周病と咬合―外傷性咬合と咬合性外傷
1 外傷性咬合と咬合性外傷
1)外傷性咬合 2)咬合性外傷 3)1次性咬合性外傷と2次性咬合性外傷
2 正常な(炎症のない)歯周組織に生じる咬合性外傷
1)歯根膜に生じる咬合性外傷
2)歯槽骨とセメント質に生じる咬合性外傷
3)歯肉に対する影響
3 歯周病における外傷性咬合と咬合性外傷の役割
4 炎症と咬合性外傷の合併による歯周組織破壊
5 歯周組織の炎症と咬合性外傷の合併(まとめ)
8・ペリオドンタルメディシン
1 糖尿病
1)糖尿病と歯周病との関係 2)糖尿病患者の歯周治療
2 冠状動脈心疾患(心臓血管系疾患,虚血性心疾患)
1)歯周病との関係の疫学的研究 2)動脈硬化部位の観察結果 3)歯周病が冠状動脈心疾患の危険性を高めるメカニズム(原因)
3 メタボリックシンドローム(肥満,血清脂質異常,血圧高値,高血糖)
1)メタボリックシンドロームが歯周病に与える影響
2)歯周病がメタボリックシンドロームに与える影響
4 誤嚥性肺炎(呼吸器疾患)
5 骨粗鬆症
6 早期低体重児出産
7 ストレス
8 喫煙
9 遺伝(遺伝的素因)
1)歯周病の遺伝子診断 2)遺伝性疾患に伴う歯周炎
9・歯周病の疫学
1 疫学の目的
2 歯周病の疫学に用いる指数
1)口腔清掃度を表す指数 2)歯肉の炎症を表す指数 3)ポケット内部の炎症を表す指数(歯肉出血指数,BI) 4)歯周炎の程度を表す指数 5)歯周治療の必要度を表す指数
3 歯肉炎の疫学
4 歯周炎の疫学
1)年齢および口腔清掃状態との関係 2)性,人種,地域との関係 3)教育・社会経済状態 4)歯周病による歯の喪失
2章 歯周治療の基本的考え方と治療計画の立て方および検査と診断(加藤 熈)
1・歯周治療の基本的考え方と治療の進め方
1 歯周治療の基本的考え方
1)歯周組織の炎症の改善 2)咬合性外傷の改善,安定した咬合機能の回復 3)失われた歯周組織の再生 4)回復した口腔の健康の長期維持
2 歯周治療の進め方
1)歯周治療への患者の導入,検査・診断,治療計画の立案および患者への説明と承諾
2)歯周基本治療(イニシャルプレパレーション,初期治療)
3)再評価,治療計画の修正
4)修正治療
5)再評価
6)メインテナンスとサポーティブペリオドンタルセラピー
2・治療計画の意義と立て方
1 治療計画の意義と立て方の原則
2 治療計画立案時の注意事項
1)患者の全身状態・年齢(寿命)
2)歯科治療に対する患者の希望や認識
3)主訴と応急処置の必要性
4)口腔全体の咬合機能回復と審美性
5)患者の経済的負担能力・メインテナンスの可能性
3 第1次治療計画の立案
1)応急処置および基本治療で行う治療内容と順位の決定
2)修正治療の内容と順位の決定
3)メインテナンスの方法
3・歯周病の検査と診断の基本
1 歯周病の検査の基本的考え方
2 医療面接と一般検査
1)主訴
2)全身既往歴と現在の健康状態(医科既往歴),および生活習慣
3)口腔内既往歴(歯科疾患の既往歴)
4)顔面と歯の現症(歯周病以外の現症)
3 歯周病の現状の把握と原因の把握
1)歯周組織の破壊の程度の検査 2)歯周病の原因の検査
4・歯周組織の破壊状態(病態)の検査
1 歯肉の検査
1)色の変化 2)形態,硬さの変化,歯肉辺縁の位置 3)スティップリングの消失 4)出血,BOP,排膿 5)歯肉の炎症程度を示す指数
2 歯肉・歯周ポケットの検査(プロービング)とアタッチメントレベルの検査
1)ポケットの深さの測定 2)プロービングに対する最近の考え方 3)ポケットプローブと検査表 4)測定時の注意点 5)アタッチメントレベルの検査 6)歯肉溝滲出液の検査
3 歯槽骨,歯根膜の検査
1)歯槽骨の検査 2)歯根膜の検査 3)3次元CTによる診断
4 根分岐部病変の検査
5 歯の動揺度の検査
1)動揺度の測定方法 2)歯の動揺度に影響を与える因子
5・歯周病の原因の検査─(1)炎症性因子の検査
1 プラーク付着状態の検査
1)視診 2)プラーク染色剤 3)プラークチャートとプラーク付着率 4)触診
2 ポケット内の細菌検査
1)検査試料(プラーク)の採取方法 2)細菌検査法
3 歯石の検査
4 炎症性修飾因子(プラーク増加因子)の検査
1)口呼吸の検査 2)食片圧入の検査 3)歯列不正の検査 4)不良歯冠修復物・補綴物の検査 5)付着歯肉と角化歯肉幅の狭小の検査 6)小帯異常の検査 7)口腔前庭の狭小の検査 8)歯肉および骨の形態異常の検査 9)歯周ポケットの検査
6・歯周病の原因の検査─(2)咬合性因子の検査
1 咬合の形態的検査
1)大きな不正咬合と歯の欠損の検査 2)咬合彎曲の検査 3)前歯の咬合の検査 4)臼歯の咬合の検査
2 早期接触の検査(咬合の機能的検査)
1)咬頭嵌合位の機能的安定性の検査 2)咬頭嵌合位の早期接触の検査 3)側方運動の前方運動の検査 4)後方位の検査
3 側方力の検査
4 ブラキシズムの検査
1)臨床症状の検査 2)原因因子の検査
5 舌や口唇の悪習癖の検査
1)悪習癖の症状と原因の検査
2)舌の悪習癖の実態観察と診断
7・エックス線写真・口腔内写真・スタディモデルによる検査と記録
1 エックス線写真による検査と記録
1)検査事項と注意点 2)診断できない事項
2 口腔内カラー写真による検査と記録
3 スタディモデルによる検査と記録
8・全身性(修飾)因子の検査
1 歯周病と関連がある全身疾患の検査
2 全身的な宿主反応の検査
3 遺伝子診断―遺伝子多型の検査
1)インターロイキンの検査 2)白血球のFCレセプターの検査 3)その他の検査
3章 歯周基本治療(加藤 熈)
1・歯周基本治療とは
2・応急処置と全身状態への配慮
1 応急処置
1)歯髄炎,急性根尖性歯周炎,急性歯槽膿瘍 2)急性歯肉膿瘍と急性歯周膿瘍 3)咬合性外傷による疼痛
2 全身状態,全身疾患に対する配慮
3・口腔清掃指導―プラークコントロール
1 モチベーション
1)モチベーションとその重要性
2)モチベーションに影響を与える因子
3)モチベーションの方法,成功の要点
4)現在の病状を示し,口腔の健康の重要性を認識させる
5)口腔清掃(ブラッシング)の重要性を認識させる
6)ブラッシングの効果を自覚させる
7)ブラッシングによる歯肉マッサージの効果
8)モチベーションの補強
2 ブラッシングのテクニック指導
1)テクニックの指導順序 2)各種ブラッシングの方法 3)適切なブラッシング法の選択と指導 4)歯磨剤の使用について 5)歯ブラシの損耗と交換
3 補助的清掃用具とその指導法
4 電動式の口腔清掃用具
1)電動歯ブラシ 2)音波歯ブラシと超音波歯ブラシ 3)水流式清掃用具
5 化学的プラークコントロール
6 口腔清掃指導の効果判定と失敗の対策
1)口腔清掃指導の効果判定 2)指導の失敗とその対策 3)ブラッシングを障害する局所因子(疼痛など)の存在と除去
4・スケーリングとルートプレーニング
1 スケーリングとルートプレーニングの定義
1)スケーリングの意義と目的
2)ルートプレーニングの意義と目的
2 手用スケーラーとその特徴
1)鎌型スケーラー 2)キュレット(鋭匙)型スケーラー 3)その他の手用スケーラー
3 スケーリングとルートプレーニングの進め方と術式
1)歯肉縁上のスケーリング
2)歯肉縁下のスケーリング・ルートプレーニング
4 手用スケーラー使用時の注意事項
1)スケーリングとルートプレーニングの前に口腔清掃を徹底させる
2)切れるスケーラーを使用する
3)スケーラーを正しくしっかりと把持する
4)術者と患者の位置を適切にし,フィンガーレストを確実にする
5)スケーラーの操作を適切にする
6)歯石の取り残しと過剰な根面削除を防止する
7)軟組織を不必要に傷つけない
5 スケーラーの研磨
1)スケーラーの切れ味の点検 2)スケーラー用砥石 3)スケーラーの研ぎ方
6 超音波スケーラーとエアスケーラー
1)超音波スケーラー 2)エアスケーラー
5・咬合性外傷に対する治療
1 咬合調整と歯冠形態修正
2 暫間固定と喪失歯の暫間補綴
3 ブラキシズムや舌の悪習癖の改善
6・歯周基本治療として行うその他の治療
1 保存可能か不可能かの判定および明らかに保存不可能な歯の抜去
2 齲蝕の治療・歯髄疾患の治療(歯内治療)
3 不適合修復物・補綴物の修正や除去
4 知覚過敏症の治療
1)原因 2)治療の原則 3)歯周治療後に生じる知覚過敏症の予防と治療 4)歯周治療前から生じている知覚過敏症の治療 5)知覚過敏症に用いる薬物
5 歯周ポケット掻爬(キュレッタージ)
7・歯周基本治療後の再評価と治療計画の修正
1 再評価とは
2 再評価の目的と時期
3 再評価として行う検査内容と治療計画
4 治療計画の修正
4章 歯周外科(加藤 熈)
1・歯周外科の目的と基本原則
1 歯周外科の目的,分類,適応症,禁忌症
1)目的 2)種類・分類 3)適応症と成功の条件 4)禁忌症 5)歯周外科を行う時期と実施の決定
2 歯周外科に必要な前準備
1)患者に対する準備 2)歯周外科に用いる器具と準備
3 歯周外科治療後の治癒形態
1)歯周外科治療後の治癒形態
2)再付着,新付着,再生,修復の定義
4 歯周外科治療後のメインテナンスが重要
1)手術直後の注意事項 2)術後の長期メインテナンス
2・歯周外科における縫合と歯周パック
1 縫合
1)目的 2)使用する器具と材料 3)縫合針と縫合糸 4)縫合法 5)縫合時の注意事項
2 歯周パック
1)目的 2)材質
3・歯周ポケット掻爬術(キュレッタージ)
1 目的と特徴
1)目的 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)歯周外科として行う場合の非適応症
3 使用器具と術式
1)使用器具 2)術式
4 キュレッタージ後の治癒形態と治療効果
1)治癒形態 2)治療効果を高める条件 3)失敗の原因
4・新付着術(ENAP)
1 目的と特徴
1)目的(考え方) 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)非適応症
3 使用器具と術式
1)使用器具 2)術式
5・歯肉切除術と歯肉整形術
1 目的と特徴
1)目的 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)非適応症
3 使用器具と術式
1)使用器具と材料 2)術式
4 歯肉切除術後の治癒とメインテナンス
6・フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
1 目的と特徴
1)目的 2)特徴
2 適応症と非適応症
1)適応症 2)非適応症
3 使用器具
4 罹患根面に(再)付着させずポケットを除去する目的のフラップ手術
1)術式
5 罹患根面に(再)付着させてポケットを浅くする目的のフラップ手術
1)(再)付着を目的とする基本的フラップ手術
2)ウィドマン改良フラップ手術
7・ディスタルウェッジ手術
8・骨外科(骨整形術,骨切除術)と骨移植術
1 骨外科
1)骨整形術 2)骨切除術
2 骨移植術
1)自家骨移植 2)他家骨移植 3)人工骨移植
9・歯周組織再生療法
1 GTR法
1)原理と発展 2)使用する膜 3)適応症 4)術式 5)人工骨移植との併用 6)成功させるための注意事項
2 エナメルマトリックスタンパク質を用いた手術
1)エナメルマトリックスタンパク質 2)適応症,利点,治療効果 3)問題点と対策 4)術式
3 その他の再生療法
1)多血小板血漿
2)臨床応用の可能性が高い研究中の再生療法
10・歯周形成手術─歯肉歯槽粘膜手術
1 目的と種類
1)目的 2)種類
2 小帯手術
1)適応症 2)小帯異常の検査 3)術式
3 歯肉弁側方移動術
1)適応症 2)術式
4 両側乳頭歯肉移植術
1)適応症 2)術式
5 遊離歯肉移植術
1)特徴 2)適応症 3)術式
6 結合組織移植術
7 歯肉弁根尖側移動術
1)適応症 2)術式
8 歯肉弁歯冠側移動術
11・歯周外科時の併発症と対策および術後管理
1 併発症と対策
1)ショックと失神 2)出血 3)疼痛 4)腫脹 5)治癒の遅延 6)パックによるアレルギー反応 7)知覚過敏症の処置
2 術後管理
1)手術直後の患者指導と処置
2)咬合性外傷のチェック(咬合調整,暫間固定)
3)術後の長期メインテナンス
5章 歯周治療における咬合治療,矯正治療,歯冠修復,欠損補綴(歯周補綴)(加藤 熈)
1・歯周治療における咬合治療の基本的考え方
1 咬合性外傷と外傷性咬合
2 咬合治療の進め方
1)初診時の咬合検査 2)歯周基本治療時の咬合治療 3)再評価 4)修正治療時の咬合治療 5)メインテナンス,サポーティブ歯周治療時の咬合治療
2・咬合の基礎知識
1 下顎の限界運動と習慣性開閉運動
1)下顎の限界運動 2)習慣性開閉運動
2 下顎の機能運動(咀嚼運動と嚥下運動)
1)咀嚼運動 2)嚥下運動と歯の接触
3 安静位と安静空隙
1)安静位 2)安静空隙
4 咬頭嵌合位(中心咬合位)と筋肉位(筋安定位)
1)咬頭嵌合位 2)筋肉位
5 後方接触位と中心位
1)後方接触位 2)中心位
6 前方運動
7 側方運動
1)犬歯誘導 2)グループ誘導 3)非作業側の接触
8 側方運動をもとにした咬合様式の分類
1)フル・バランスド・オクルージョン
2)グループ・ファンクションド・オクルージョン
3)カスピッド・プロテクテッド・オクルージョン
4)ミューチュアリー・プロテクテッド・オクルージョン
5)咬合様式に対する考え方
3・咬合調整と歯冠形態修正
1 咬合調整を行う時期と基本原則
1)時期 2)基本的な順序 3)基本原則
2 咬合調整に用いる器材
1)検査用具 2)切削用具 3)その他の器材
3 咬頭嵌合位(中心咬合位)の咬合調整
1)咬合調整時の準備と咬頭嵌合位の安定性の検査 2)早期接触歯の発見 3)早期接触部の歯面への印記 4)早期接触部の削合 5)削合した歯面の形態修正
4 側方運動路の調整
1)作業側の調整 2)非作業側(平衡側)の調整
5 前方運動路の調整
1)早期接触部の検査と印記 2)前方運動路の削合
6 歯冠形態修正
1)前歯の形態修正 2)臼歯の形態修正
7 後方接触位の咬合調整
4・暫間固定と永久固定
1 暫間固定(プロビジョナル固定を含む)
1)目的 2)適応症 3)歯質を削合せずに行う暫間固定法(外側性固定) 4)歯質を削合して行う暫間固定法(内側性固定) 5)可撤式床固定装置
2 永久固定
1)目的と適応症 2)固定式永久固定法 3)可撤式永久固定法 4)注意点
5・ブラキシズムの処置
1 ブラキシズムの定義と歯周組織への影響
2 ブラキシズムの分類
1)グラインディング 2)クレンチング 3)タッピング 4)睡眠時ブラキシズム 5)覚醒時ブラキシズム
3 ブラキシズムの原因と発生メカニズム
4 ブラキシズムの検査・診断
5 ブラキシズムの治療
1)全身因子,精神的因子の改善 2)局所因子の除去
6・歯周治療における矯正治療
1 歯周治療における局所矯正治療の意義
2 歯周治療における局所矯正治療の目的
1)歯周組織の炎症の改善(口腔清掃性の改善,炎症性因子の除去) 2)咬合性外傷の改善(外傷性咬合の除去) 3)審美性の改善(前歯部の歯列不正の改善) 4)歯周組織の再生(高度な垂直性骨欠損がある場合など)
3 適応症の選択
1)矯正治療の効果と必要性の検討 2)矯正治療の難易度 3)歯の移動後の保定の難易度
4 矯正治療の開始時期,前準備の重要性,矯正装置の選択
1)患者教育 2)矯正治療の開始時期と歯周組織の炎症の改善 3)矯正装置の選択
5 歯周病患者の矯正治療に適した可撤式矯正装置
1)特徴 2)適応と設計上の注意事項 3)構造と製作方法
6 歯周病患者に用いる固定式矯正装置
1)特徴 2)各種装置の構造と特色
7 矯正治療開始後の点検と調整
8 保定とメインテナンス
7・歯周病患者の歯冠修復,欠損補綴(歯周補綴)と生物学的幅径
1 歯周病患者の歯冠修復,欠損補綴(歯周補綴)の基本的考え方と注意事項
2 歯周病患者のプロビジョナルレストレーション
1)暫間修復・補綴物の役割 2)暫間修復物製作時の注意点
3 歯周病患者の歯冠修復
1)マージンの位置と適合性 2)歯周補綴の修復物の形態 3)咬合面の形態 4)生物学的幅径
4 歯周病患者の欠損補綴(歯周補綴)
1)歯周補綴 2)固定式欠損補綴 3)可撤式欠損補綴
6章 根分岐部病変の治療,歯周-歯内病変(加藤 熈)
1・根分岐部病変とその治療
1 根分岐部病変が生じやすい原因
2 根分岐部病変の治療が難しい原因
3 検査・診断と根分岐部病変の分類
1)進行度の検査 2)分類 3)原因と修飾因子の検査
4 根分岐部病変の治療法
1)歯根保存療法 2)根分割療法
2・歯周-歯内病変とその治療
1 歯周病と歯髄疾患の相互関係
1)歯周病や歯周治療が歯髄に及ぼす影響
2)歯髄疾患が歯周組織へ及ぼす影響
2 歯周-歯内病変とその分類
1)I型(歯内病変由来型) 2)II型(歯周病変由来型) 3)III型(歯周病変と歯内病変の合併型)
3 歯周-歯内病変の検査・診断
1)基本的な検査 2)I,II,III型の診断上の注意点
4 歯周-歯内病変の治療法
1)I型(歯内病変由来型) 2)II型(歯周病変由来型) 3)III型(歯周病変と歯内病変の合併型)
3・歯周病の薬物療法
1 局所の抵抗力を高めようとする薬物
2 局所の消毒,細菌抑制を目的とする薬物
1)局所消毒液(薬),ポケット内消毒液(薬) 2)含嗽薬 3)プラーク抑制薬 4)局所塗布軟膏 5)歯周パック 6)知覚過敏症治療薬
3 抗菌薬の歯周ポケット内投与療法
1)局所薬物配送システム
2)局所薬物配送システムの歯周治療への応用
3)フルマウスディスインフェクション,全顎除菌療法
4 全身的に用いられる薬剤と抗菌療法
1)抗菌薬と抗菌療法 2)消炎酵素薬 3)鎮痛・鎮静薬
7章 特殊な歯周病および小児と高齢者の歯周病の治療(加藤 熈)
1・特殊な歯周病とその治療
1 特殊な歯周病の治療の基本的考え方
2 特殊な歯肉炎
1)壊死性潰瘍性歯肉炎 2)慢性剥離性歯肉炎 3)フェニトイン増殖性歯肉炎 4)ニフェジピン増殖性歯肉炎 5)シクロスポリン増殖性歯肉炎 6)妊娠性歯肉炎 7)白血病性歯肉炎 8)遺伝性歯肉線維腫症 9)ヘルペス性歯肉口内炎
3 侵襲性歯周炎(急速破壊性歯周炎)
1)若年者の侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)
2)成人の侵襲性歯周炎(急速進行性歯周炎)
4 遺伝的因子が関与する歯周炎
1)Papillon─Lefevre症候群(掌蹠過角化症)
2)ダウン症候群,トリソミー21
3)遺伝子が関与するその他の疾患
5 血液疾患が関与する歯周炎
1)好中球減少症(無顆粒細胞症,顆粒球減少症) 2)白血病 3)その他
6 糖尿病患者の歯周炎
2・小児の歯周病の治療
1 小児の歯肉炎とその治療
1)単純性歯肉炎 2)増殖性歯肉炎 3)萌出性歯肉炎 4)思春期性歯肉炎 5)特殊な急性歯肉炎
2 小児の歯周炎とその治療
1)慢性歯周炎 2)特殊な全身疾患が関与する歯周炎 3)侵襲性歯周炎(前思春期性歯周炎) 4)誤った矯正治療による歯周炎
3・高齢者の歯周病の治療
1 高齢者の歯周治療
1)高齢者の歯周組織の特徴と治療の基本 2)全身状態の把握 3)ニフェジピン増殖性歯肉炎 4)歯周病に対する抵抗性の検討
2 口腔清掃指導の徹底
1)高齢者の口腔清掃指導 2)電動歯ブラシの使用 3)高齢者・障害者の口腔清掃指導の重要なポイント
3 保存的治療法の重視と根分岐部病変の治療
1)保存的治療法の重視 2)根分岐部病変の治療
4 固定,補綴治療,メインテナンス治療
8章 垂直歯根破折による歯周病変と治療(菅谷 勉,加藤 熈)
1・垂直歯根破折による歯周組織破壊
1 垂直歯根破折の分類
1)破折の程度による分類 2)破折の発生部位による分類
2 垂直歯根破折の原因と発生部位
1)原因とリスクファクター 2)リスクの高い患者 3)発生部位
3 垂直歯根破折の臨床症状
1)初期の症状 2)中期の症状 3)後期の症状
4 垂直歯根破折による歯周組織破壊の病態(病理)
1)ステージ1(初期) 2)ステージ2(中期) 3)ステージ3(後期)
2・垂直歯根破折の検査・診断
1 垂直歯根破折の鑑別に必要な検査
1)プロービング 2)歯の動揺度の増加 3)エックス線写真 4)破折線の確認
3・垂直歯根破折の治療の原則
1 垂直歯根破折の治療の基本的考え方
1)初期 2)中期 3)後期
2 接着性レジンセメントの選択条件
1)生体親和性 2)接着力 3)操作性
3 適応症と適切な治療法決定に必要な検査
1)破折状態の検査 2)歯周組織破壊の進行状態の検査
4・垂直破折歯根の接着治療法
1 口腔内接着法
2 口腔内接着後の再植法
3 口腔外接着再植法
4 接着治療後の再破折防止とメインテナンス
1)再破折への対策 2)咬合性外傷への配慮 3)ブラキシズムへの対策 4)歯周ポケットのメインテナンス治療
9章 歯周病患者におけるインプラント治療(坂上竜資,加藤 熈)
1 インプラント治療の概要と歴史
2 歯周病患者とインプラント治療
3 インプラントの基本構造と手術法
1)2回法 2)1回法
4 インプラントと骨および軟組織との界面の状態
5 インプラント治療の流れ
1)患者の選択 2)治療計画の立案と患者への説明 3)一次手術 4)二次手術 5)印象から上部構造製作 6)上部構造(補綴物)の固定(装着) 7)インプラントのメインテナンス
6 骨造成のための治療法
7 インプラント周囲の付着角化粘膜の獲得
8 インプラント治療における咬合の与え方
9 前歯部における審美性への配慮
10 インプラント周囲炎
10章 メインテナンス治療(メインテナンスとサポーティブペリオドンタルセラピー)(加藤 熈)
1・メインテナンス治療の重要性(長期症例に学ぶ)
1 歯周病再発の危険性
2 歯周病の再発と進行を防ぐメインテナンス治療
3 長期(30年間)メインテナンス治療症例1
2・メインテナンス治療の内容と方法
1 患者の自己健康管理
2 歯科医院での健康管理
3 長期(31年間)メインテナンス治療症例2
3・治癒とメインテナンス,病状安定とサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)
1 病状安定と治癒
1)病状安定 2)治癒
2 サポーティブペリオドンタルセラピーとメインテナンス
1)サポーティブペリオドンタルセラピー 2)メインテナンス
3 メインテナンス治療
4 メインテナンスとSPTを行う際の重要事項
4・リコールシステムとPMTC,PTC
1 リコールシステム
1)リコールの時期と間隔
2)リコール来院時の検査と治療の基本
2 リコール時の検査内容
1)患者面談 2)口腔清掃状態と歯肉の炎症の検査 3)歯周ポケットとプロービング時の出血の検査 4)咬合性外傷と歯の動揺度の検査 5)エックス線写真検査 6)齲蝕,その他の検査
3 リコール時の治療の実際
1)口腔清掃再指導 2)スケーリング,ルートプレーニング 3)咬合調整,咬合性外傷に対する治療 4)知覚過敏症,歯頸部齲蝕の治療 5)歯周外科治療
4 PMTC
1)PMTCとは 2)PMTCの意義と効果 3)PTCとは
参考図書・参考文献
索引
謝辞








