やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに 歯学で学ぶ解剖学とは
 解剖学は,アリストテレスやヴェサリウスを引き合いに出すまでもなく,医学の歴史上最も早く学問として成立した分野である.わが国でも,日本解剖学会は最も古い医学の学会である.
 これは,医学を学ぶうえで,また医療を施すうえで,まずその対象とする人体の構造を知ることから始める必要があることを物語っている.解剖学が「基礎医学の基礎」と称されるのはこのためである.
 基礎歯科学では,全身の理解と専門分野である口腔とその関連境域の理解の両方の教育を歯学部のなかで行わなければならない.
・なぜ全身の知識が必要なのか
 歯学教育はともすれば,歯科に関係のある項目のみに限って扱う傾向が強かった.これは,さまざまな場面で昔から論じられているように,歯科医療が歯のみを対象として,齲蝕の治療,抜歯,義歯の製作という作業が長く歯科医療のほとんどを占めていたという歴史的事実があったため,その後歯科医療の対象が広がっていった後も,歯科医療ならびに歯学教育従事者の観念が固定したままで経過したからであろう.
 一方で,従来「口腔は全身の一部」,「口腔から全身の健康を観察する」,あるいは「口腔の健康を通じて全身の健康を」と歯科のあり方がさまざまに表現されていながら,歯学教育の実際には反映されることが少ないという欠陥が明瞭にみられる.解剖学の教育でも,顎顔面の解剖学の知識があればよしとする風潮があることは事実である.実際,歯科が解剖実習で首から下を行う意味は何かという極端な意見もまれに聞かれる.
 歯科に凝り固まったこのような概念を修正するためには,歯科医学は医学の一部であると意識し続けることがまず必要で,従来型の「歯科は歯科である,特殊なのである」とする考えは払拭しなければならない.同時に,歯科だからこの程度でよいのだという矮小な自己認識をもたないよう意識することも必要であろう.
 全身を意識するあるいは全身を見渡す歯科医学・歯科医療といいつつ,歯科に関係がないので実習は首から上でよいとする矛盾した風潮がある.もちろん,歯科においては首から下は治療の対象ではない.しかし学部教育では歯科臨床各科を学ぶと同時に,歯科医療の理解と実践において必要となる全身疾患を学ぶので,それに対応する全身の知識は必要である.とりわけ歯科麻酔学では,求められる全身の知識は一般医科での麻酔学と異なるところはない.
 また,口腔とその関連領域の構造は,歯を除けば全身の構造と著しく異なることは少ない.したがって,全身を対象として解剖実習を行うにあたり,とくに運動器では,全身の関節運動に比べて,咀嚼機構の複雑さ巧妙さを学ぶうえでおおいに意味がある.また,人体のさまざまな部位でその構造を剖出し,その合理性と必然性を理解することは,きわめて意義深く,人体さらに生命への畏敬の念を醸成する最善の機会となる.系統解剖学の実習で全身を行うのはこのような意味も含まれている.
 「モデルコアカリキュラム」の導入で共用試験が本格実施されている.平成19年には歯科医学教授要綱が改訂され,続いてモデルコアカリキュラムの改訂,歯科医師国家試験出題基準の改正が行われている.このため,今後の国家試験ではより臨床に密接した基礎歯科学が重要視されると考えられる.この意味で,全身と口腔の関係あるいは全身からみた口腔という概念に改めて目を向ける必要が生じている.したがって,これからの解剖学教育では,全身の構造を念頭にあらためて歯科の専門領域を深く知ることが求められることになろう.
・どのように解剖学を学ぶか
 歯科医学を学ぶ基礎としての解剖学では,まず,全身の系統解剖として,人体の構造を概観し,その成り立ちを説明できるための最低限の知識が要求される.続いて,歯科の専門領域として,顎顔面,あるいは頭頸部の詳細な理解が必要となる.さらに,臨床とくに外科系科目に直結する応用解剖学,局所解剖学とよばれる知識も必須のものとして要求される.
 従来の歯科におけるあるいは歯科学用とする解剖学書は,全身の解剖学のうち,顎顔面を詳しく記載したとするものが多かった.これはこれで意味があるが,読者が医師となることを前提としている教育体系の全身の部分を簡略化したに過ぎない場合が多い.将来歯科医師となる学生にとって,教育される口腔解剖学の構成には,単に口腔とその周囲が詳しいという以上に,歯科医師ならびに歯科医療の専門家の目が届いている「歯科のための解剖学」としての内容が十分反映されていることが必要である.本書は,このような目的で編集されている.
 まず,ヒトという生物の全身の成り立ちを大まかに理解する必要がある.系統解剖学としてそれぞれの系統の成り立ちと相互の関係が説明できることが必要である.全身の構造の理解のためには,個体発生学,さらには比較解剖学と系統発生学の基礎的な知識も有用である.この段階では系統解剖学と局所解剖学の関連を理解し,また臨床歯科を学ぶうえでの基礎をつくる必要がある.そのうえで,口腔解剖学を学ぶことが順序である.ただし,歯の解剖学は,文字通り歯科独特の学問であり,全身に対する知識と分けて学ぶことも可能である.この歯の解剖学の理解のためには,比較解剖学,系統発生学さらには人類学の基礎知識が同様に有用である.また,保存修復学,歯科補綴学など臨床科目の基礎部分として実習(歯型彫刻など)と組み合わせたカリキュラムとしても可能であろう.
 教育する側にとって,理想的な教育を実践しようとすると,相当の時間数を必要とし,近年の授業時間削減傾向と減少する授業時間という問題が障害となる.また,口腔解剖学として特別に教育する範囲をどこまでにするかという問題も解決が難しいと考える教員もいることと思う.このようななか,上記のような口腔解剖学の教育理念をいかに実現するかは,解剖学担当の教員の知恵と学生の学ぶ熱意とにかかっていると我々は強調したい.同時に,解剖学教員は,解剖学は理解する学問であって,単純に用語を丸暗記するものではないことを学習を始める前に初学者に向かってあらためて強調する必要があることを意識しなければならない.
 本書の編纂は,歯科領域に優れた解剖学教員が多い現在という幸運がなければ不可能であったと考える.多忙のなか執筆協力いただいた先生方には,この場を借りて心より御礼を申し上げたい.今後定期的に見直しを受けながら,本書が真に歯科教育の標準的解剖学教科書として育っていけば,編者らにとって望外の喜びである.
 2009年10月
 監修 脇田 稔 山下靖雄
 編集 井出吉信 前田健康 天野 修
第1編 口腔解剖学総論
 第1章 解剖学用語(脇田 稔)
  1 解剖学用語とは
  2 方向用語とは
  3 方向用語の概説
   1 人体の3方向
   2 部位による方向
   3 運動の方向
   4 歯科における方向用語
    (1)歯列の方向用語 (2)歯の方向用語
 第2章 頭頸部の体表(金澤英作)
  1 頭の部位
  2 顔の部位
   1 眼窩部 2 眼窩下部 3 鼻部 4 口部 5 オトガイ部 6 頬部 7 頬骨部 8 耳下腺咬筋部
  3 頸の部位
   1 前頸部 2 胸鎖乳突筋部 3 外側頸三角部 4 後頸部
 第3章 骨学総論(井出吉信,上松博子)
  1 骨の種類
  2 骨の構造
   1 骨の組織学的特徴
    (1)骨膜 (2)骨質 (3)骨髄
   2 骨の発生と成長
    (1)骨の発生 (2)骨の成長
  3 骨の機能
  4 骨の表面形状
    (1)陥凹・切れ込み・孔 (2)突出部
  5 骨の連結
    (1)軟骨性連結 (2)線維性連結 (3)骨性連結 (4)滑膜性連結(関節)
  6 各部位の骨
   1 頭の骨
    (1)頭蓋骨 (2)耳小骨
   2 体幹の骨
    (1)椎骨 (2)肋骨 (3)胸骨
   3 上肢の骨
    (1)上肢帯骨 (2)自由上肢骨
   4 下肢の骨
    (1)下肢帯骨 (2)自由下肢骨
 第4章 筋学総論(井出吉信,上松博子)
  1 筋の組織学的分類
   (1)骨格筋 (2)心筋 (3)平滑筋
  2 筋の機能
  3 骨格筋の基本構造
  4 筋の収縮機構
  5 骨格筋の性状と分類
   1 筋の起始・停止
   2 筋の形状による分類
   3 筋の作用
  6 各部位の筋
   1 頭部の筋
   2 頸部の筋
    (1)浅頸筋 (2)前頸筋 (3)側頸筋 (4)後頸筋
   3 胸部の筋
    (1)浅胸筋 (2)深胸筋 (3)横隔膜
   4 腹部の筋
    (1)前腹筋 (2)側腹筋 (3)後腹筋
   5 背部の筋
    (1)浅背筋 (2)深背筋
   6 上肢の筋
    (1)上肢帯の筋 (2)上腕の筋 (3)前腕の筋 (4)手の筋
   7 下肢の筋
    (1)下肢帯の筋 (2)大腿の筋 (3)下腿の筋 (4)足の筋
 第5章 関節学総論(大野紀和)
  1 不動性関節
   1 線維性連結
    (1)靱帯結合 (2)縫合 (3)釘植
   2 軟骨性連結
    (1)軟骨結合 (2)線維軟骨結合
   3 骨性連結
    (1)骨結合
  2 半関節
  3 可動性関節
   1 関節の一般的構造
    (1)関節軟骨 (2)関節腔 (3)関節包 (4)関節の補強靱帯 (5)関節半月と関節円板
  4 関節の分類
   1 関節に関与する骨の数による分類
    (1)単関節 (2)複関節
   2 関節の機能(運動軸の数)と関節面の形態による分類
    (1)一軸性の関節 (2)二軸性の関節 (3)多軸関節
  5 滑膜性連結の神経と血管の分布
   1 関節の神経
   2 関節の血管
 第6章 脈管学総論(山下靖雄)
  1 血管系
   1 血管系の構成
   2 血管の構造
    (1)動脈および静脈 (2)毛細血管
   3 血管分枝の状態
   4 心臓
    (1)心臓の形態と基本構造 (2)刺激伝導系 (3)心臓の血管と神経
   5 血液の循環
    (1)小循環 (2)大循環 (3)胎児の血液循環
  2 リンパ系
   1 リンパ系の構成 2 リンパ管の構造 3 リンパ管(リンパ本幹) 4 リンパ節の構造 5 リンパ節 6 脾臓
 第7章 内臓学総論(天野 修)
  1 内臓と器官
  2 器官の分類
   1 実質器官
    (1)小葉 (2)実質と間質
   2 中空性器官
    (1)内層 (2)中層 (3)外層 (4)頭頸部器官での層構成
  3 内臓と内臓の発生
   1 消化器系器官
    (1)消化器系の構成 (2)原腸から消化管の発生 (3)消化器付属腺の発生
   2 呼吸器系
   3 内分泌系とその発生
   4 口腔顎顔面の発生
  4 漿膜と外膜
   1 漿膜とは
   2 漿膜の構造
    (1)中皮と漿膜下組織 (2)漿膜腔
   3 胸膜
   4 心膜
   5 腹膜
   6 外膜
  5 体腔
   1 体腔とは
   2 体腔の区分と境界
    (1)胸腔 (2)縦隔 (3)横隔膜 (4)腹腔 (5)体腔の発生
  6 間膜
   1 間膜とは
   2 間膜の発生
   3 腹膜後器官
  7 頭頸部の基本構造と頭部内臓
   1 頭頸部の層構造
   2 筋膜
    (1)浅(頸)筋膜 (2)深(頸)筋膜 (3)隙
   3 頭頸部内臓との関係
 第8章 神経学総論(前田健康,杉本朋貞)
  1 神経系の分類
  2 神経系の組織構造
   1 神経細胞
   2 神経線維
   3 神経膠細胞(グリア細胞)
  3 中枢神経系
   1 中枢神経系の構成要素
   2 中枢神経系の発生
   3 中枢神経系の概観
    (1)脳 (2)脊髄
  4 末梢神経系の概観
   1 末梢神経の構築
   2 末梢神経の発生の概略
   3 脳神経
   4 脊髄神経
   5 自律神経系
    (1)交感神経系 (2)副交感神経系
 第9章 感覚器学総論(前田健康)
  1 概説
  2 視覚器
  3 平衡聴覚器
  4 味覚器
  5 嗅覚器
  6 外皮
   (1)自由神経終末 (2)メルケル小体 (3)マイスナー小体 (4)ファーテル-パチニ小体 (5)クラウゼ小体 (6)ゴルジ-マッツォニ小体 (7)ルフィニ小体
第2編 口腔解剖学各論
 第10章 頭頸部の骨(野坂洋一郎,藤村 朗)
  1 脳頭蓋
   1 頭蓋冠
   2 内頭蓋底
    (1)前頭蓋窩 (2)中頭蓋窩 (3)後頭蓋窩
   3 外頭蓋底
    (1)前部 (2)中部 (3)後部
  2 顔面頭蓋
   1 眼窩
   2 鼻腔
   3 側頭窩
   4 側頭下窩
   5 翼口蓋窩
  3 口腔を構成する骨
   1 上顎骨
    (1)上顎体 (2)上顎骨の突起 (3)上顎骨と関節する骨
   2 口蓋骨
    (1)水平板 (2)垂直板
   3 下顎骨
    (1)下顎体 (2)下顎枝 (3)顎関節 (4)舌骨
  4 その他の重要な骨
   1 後頭骨
   2 蝶形骨
   3 側頭骨
  5 セファログラムとその計測点
 第11章 頭頸部の筋(島田和幸,田松裕一)
  1 頭部の筋
   1 表情筋
    (1)頭蓋表筋 (2)眼瞼部の筋 (3)鼻部の筋 (4)耳介部の筋 (5)口唇と頬の筋
   2 咀嚼筋
    (1)咬筋 (2)側頭筋 (3)外側翼突筋 (4)内側翼突筋
  2 頸部の筋
   1 前頸部の筋
    (1)広頸筋(表情筋) (2)舌骨上筋群 (3)舌骨下筋群
   2 後頸部の筋
    (1)椎前筋群 (2)斜角筋群
   3 側頸部の筋
    (1)胸鎖乳突筋
  3 浅背部の筋
   1 僧帽筋
 第12章 頭頸部の関節(井出吉信,阿部伸一)
  1 顎関節
   1 骨部
    (1)下顎頭 (2)下顎窩
   2 軟組織部
    (1)関節円板 (2)外側翼突筋 (3)関節包
   3 靱帯
    (1)外側靱帯 (2)副靱帯
  2 頭蓋と脊柱の連結
   1 環椎後頭関節
   2 環軸関節
 第13章 頭頸部の脈管・リンパ系
  1 血管(諏訪文彦)
   1 頭頸部の動脈系
    (1)総頸動脈 (2)外頸動脈 (3)内頸動脈
   2 頭頸部の静脈系
    (1)内頸静脈 (2)外頸静脈 (3)鎖骨下静脈 (4)硬膜静脈洞
  2 リンパ(中村雅典)
   1 頭部のリンパ節
    (1)頭部浅リンパ節 (2)頭部深リンパ節
   2 頸部のリンパ節
    (1)浅頸リンパ節 (2)深頸リンパ節
   3 扁桃
    (1)口蓋扁桃 (2)舌扁桃 (3)咽頭扁桃 (4)耳管扁桃
 第14章 頭頸部の神経系(杉本朋貞,前田健康)
  1 中枢神経系
   1 中枢神経系の伝導路と大脳皮質の諸中枢
   2 脊髄神経系の線維連絡
    (1)一般体性感覚の伝導路 (2)随意運動の伝導路
   3 脳神経の線維連絡
    (1)一般体性感覚の伝導路 (2)一般内臓性感覚および味覚の伝導路 (3)嗅覚の伝導路 (4)視覚の伝導路 (5)位置の感覚 (6)聴覚の伝導路 (7)随意運動の伝導路 (8)自律神経系
  2 末梢神経系
   1 末梢神経の概要
    (1)脊髄神経による末梢支配の概要 (2)脳神経による末梢支配の概要
   2 脳神経
    (1)嗅神経 (2)視神経 (3)動眼神経 (4)滑車神経 (5)三叉神経 (6)外転神経 (7)顔面神経 (8)内耳神経 (9)舌咽神経 (10)迷走神経 (11)副神経 (12)舌下神経 (13)頸神経叢
 第15章 頭頸部の内臓
  1 消化器系(天野 修)
   1 口腔
    (1)口腔とは (2)口唇 (3)口腔前庭 (4)硬口蓋 (5)軟口蓋・口峡 (6)口腔底 (7)舌
   2 唾液線
    (1)唾液線の種類 (2)大唾液線の基本構造 (3)唾液線の神経支配 (4)耳下腺 (5)顎下腺 (6)舌下腺 (7)小唾液腺
   3 咽頭(影山幾男)
    (1)咽頭鼻部(上咽頭) (2)咽頭口部(中咽頭) (3)咽頭喉頭部(下咽頭) (4)咽頭の神経 (5)咽頭筋
  2 呼吸器系
   1 鼻腔(後藤哲哉)
    (1)鼻腔の構造 (2)鼻腔の粘膜 (3)鼻腔の脈管・神経
   2 副鼻腔
    (1)上顎洞 (2)前頭洞 (3)篩骨洞 (4)蝶形骨洞
   3 喉頭(城戸瑞穂)
    (1)喉頭の機能 (2)喉頭の支柱 (3)喉頭軟骨の連結 (4)喉頭腔 (5)喉頭筋 (6)喉頭の脈管・神経
   4 気管
    (1)気管の脈管・神経
   5 気管支と肺
    (1)気管支の分岐 (2)肺 (3)肺の脈管・神経
  3 感覚器系(佐藤 巌)
   1 感覚の種類
   2 感覚受容器の種類
    (1)機械受容器の種類 (2)侵害受容器の種類
   3 口腔の感覚
    (1)表面感覚(皮膚感覚) (2)深部感覚 (3)口腔の感覚の局在性 (4)歯および歯根膜の感覚 (5)歯髄の痛み (6)象牙質の痛み (7)顎関節の痛み
   4 特殊感覚
    (1)味覚 (2)味覚受容器 (3)味覚の伝導路
  4 内分泌腺(内田 隆)
   1 甲状腺
   2 上皮小体(副甲状腺)
   3 甲状腺と上皮小体の脈管と神経系
   4 甲状腺と上皮小体の組織学
    (1)甲状腺 (2)上皮小体
   5 甲状腺と上皮小体の発生
    (1)甲状腺の発生 (2)上皮小体の発生
   6 甲状腺,上皮小体から分泌されるホルモンとその機能
    (1)甲状腺ホルモン (2)カルシトニン (3)パラトルモン(副甲状腺ホルモン)
第3編 歯科応用解剖学
 第16章 加齢と歯の喪失に伴う顎骨の変化(井出吉信,松永 智)
  1 口腔・顎顔面領域の成長発育
   1 上顎の成長発育
    (1)縫合部での成長 (2)骨の新生添加および吸収による成長 (3)歯槽突起の発育
   2 下顎の成長発育
    (1)下顎頭の成長変化 (2)下顎枝の成長変化 (3)下顎体の成長変化 (4)歯槽部の成長
  2 口腔・顎顔面領域の老化
   1 顎骨の老化
    (1)上顎骨の老化 (2)下顎骨の老化
   2 歯の喪失に伴う顎骨の変化
    (1)歯の喪失に伴う上顎の変化 (2)歯の喪失に伴う下顎の変化
 第17章 咀嚼と嚥下(阿部伸一,井出吉信)
  1 摂食行動の機序
   1 食物の認識
   2 口腔への取り込み
   3 咀嚼と食塊形成
   4 舌根部,咽頭への送り込み
   5 咽頭通過,食道への送り込み
   6 食道通過
  2 嚥下障害
 第18章 骨折と筋(齊藤 力,小林正治)
  1 顎骨骨折の原因
  2 顎骨骨折の診断
   1 問診 2 臨床所見 3 エックス線検査
  3 下顎骨骨折
   1 骨折部位による分類 2 好発部位 3 骨片の変位
  4 上顎骨骨折
   1 骨折部位による分類 2 骨片の変位
  5 頬骨・頬骨弓骨折
   1 好発部位 2 骨片の変位
  6 眼窩壁吹き抜け骨折
  7 顔面多発骨折
 第19章 義歯と筋(阿部伸一,井出吉信)
  1 顎骨の形態変化と義歯の形態
   1 下顎骨 2 上顎骨
  2 歯を喪失した後の顎骨において変化が少ない部位
   1 下顎骨 2 上顎骨
  3 義歯製作の際に考慮すべき組織
   1 頬筋 2 表情筋 3 顎舌骨筋 4 レトロモラーパッド 5 舌
 第20章 感染・炎症と隙(柴田俊一)
  1 筋膜隙の臨床的意義
  2 頸部の筋膜隙
  3 口腔周囲の筋膜隙
   1 咀嚼筋隙
    (1)咬筋下隙 (2)翼突下顎隙 (3)側頭下隙 (4)側頭隙
   2 顎下隙
   3 舌下隙
   4 オトガイ下隙
   5 耳下腺隙
   6 浅顔面隙
   7 扁桃周囲隙
   8 咽頭周囲隙
  4 口腔周囲の隙の連絡
   1 咀嚼筋隙の交通先
   2 舌下隙の交通先
   3 顎下隙の交通先
   4 耳下腺隙の交通先
  5 歯性病巣感染の広がりと膿瘍形成部位
   1 下顎前歯,小臼歯部
   2 下顎大臼歯部
   3 上顎切歯,犬歯,小臼歯部
   4 上顎大臼歯部
 第21章 歯科麻酔,神経痛と神経麻痺(一戸達也)
  1 歯科における局所麻酔法の種類
  2 表面麻酔のための解剖学
  3 浸潤麻酔のための解剖学
  4 伝達麻酔のための解剖学
  5 神経ブロックと解剖学
  6 神経麻痺と解剖学
 第22章 画像解剖学(木村幸紀,岡野友宏)
  1 パノラマエックス線写真の正常解剖
  2 頭部およびセファロエックス線写真の正常解剖
   1 後頭前頭方向撮影法 2 側方向撮影法
  3 MRIの正常解剖
  4 エックス線CT写真の正常解剖
  5 超音波断層法
 第23章 気道確保(一戸達也)
  1 気道閉塞と気道確保
   1 気道閉塞 2 気道確保
  2 用手気道確保
   1 頭部後屈法 2 顎先挙上法 3 下顎挙上法
  3 器具を用いた気道確保
   1 エアウェイ挿入
    (1)経口・経鼻エアウェイ (2)ラリンゲルマスクエアウェイ
   2 気管挿管
   3 輪状甲状間膜穿刺
   4 気管切開
 第24章 上顎洞(高橋常男)
  1 上顎洞の解剖
  2 含気化
  3 注意すべき脈管神経束
 第25章 口腔癌のリンパ節転移・頸部郭清術(坂下英明)
  1 頸部リンパ節の区分と特徴
  2 頸部郭清術の名称
  3 根治的頸部郭清術の基本術式
 第26章 抜歯(坂下英明)
  1 抜歯とは
  2 挺子と抜歯鉗子
  3 抜歯の手技
  4 下顎埋伏智歯の抜去
  5 上顎洞底との関係
 第27章 止血と脈拍(川崎堅三)
  1 止血
   1 上甲状腺動脈 2 舌動脈 3 顔面動脈 4 顎動脈
  2 脈拍
   1 頭頸部の動脈 2 上肢の動脈 3 下肢の動脈

 索引