第5版序
『基礎歯科生理学第5版』が完成しました.第4版発行から5年が,そして坂田三弥先生と中村嘉男先生による初版が発刊されてから20年が経過しています.この間の科学の進歩はいうまでもなく,口腔生理学に対する社会の期待も大きく変化してきました.たとえば日本は世界一の高齢社会となり,これに伴い高齢者の生活の質(QOL)をどのように維持していくかが問題となっています.そのなかで摂食や発語といった顎・顔面・口腔が関与する日常の行動が重要視されています.高齢者だけではありません.嚥下はもとより咀嚼という用語も歯科独特の読みにくい用語ですが,最近では新聞や雑誌,テレビなどのメディアにも日常的に取りあげられ,健康維持に重要な機能の1つとして広い年齢層に認知されてきています.
口腔生理学は医学用語として一般国民にはなじみのない言葉です.しかし,「口腔機能」という言葉は歯科衛生士はもとより,意外にも介護施設などで活躍する介護福祉士・理学療法士・言語聴覚士などの専門職の間では日常的に使われています.これは高齢社会に向け導入された介護保険が見直され,改正介護保険法が2005年6月に成立したことにより,介護予防サービスのメニューの1つとして「口腔機能の向上」が位置づけられたためです.口腔生理学の分野で培われた知識が「口腔機能」という形で歯科界だけでなく社会一般に認知され,その研究成果が社会に還元されていることが理解できます.このような社会環境のなかで,口腔機能を口腔生理学の専門家が系統立てて解説する本書の役割は重いといえます.
さて,本書の主目的は歯科医師を養成する際に求められる生理学の基本知識を学生にわかりやすく解説することにあります.このため卒前・卒後に設定されている共用試験(CBT)や歯科医師国家試験に対応した内容であることも求められています.したがって,本書の項目を決定する際には『歯科医学教授要綱』,『歯科医師国家試験出題基準』,『歯学教育モデル・コア・カリキュラム』に準拠することにも配慮しました.同時に,高齢社会に対応できる歯科医師を育てることも重要と考え,「生理機能の加齢変化」や「臨床と密接に関連した事項」を取り入れる努力を執筆者にお願いしてきました.限られたページ数ではありますが,執筆者の努力により未来の歯科医師養成に耐えうる教科書が完成したと考えております.
最後になりましたが,第5版の編集にあたり,フルカラー化を実現して下さった医歯薬出版株式会社に感謝申し上げます.
2008年1月
編者
『基礎歯科生理学第5版』が完成しました.第4版発行から5年が,そして坂田三弥先生と中村嘉男先生による初版が発刊されてから20年が経過しています.この間の科学の進歩はいうまでもなく,口腔生理学に対する社会の期待も大きく変化してきました.たとえば日本は世界一の高齢社会となり,これに伴い高齢者の生活の質(QOL)をどのように維持していくかが問題となっています.そのなかで摂食や発語といった顎・顔面・口腔が関与する日常の行動が重要視されています.高齢者だけではありません.嚥下はもとより咀嚼という用語も歯科独特の読みにくい用語ですが,最近では新聞や雑誌,テレビなどのメディアにも日常的に取りあげられ,健康維持に重要な機能の1つとして広い年齢層に認知されてきています.
口腔生理学は医学用語として一般国民にはなじみのない言葉です.しかし,「口腔機能」という言葉は歯科衛生士はもとより,意外にも介護施設などで活躍する介護福祉士・理学療法士・言語聴覚士などの専門職の間では日常的に使われています.これは高齢社会に向け導入された介護保険が見直され,改正介護保険法が2005年6月に成立したことにより,介護予防サービスのメニューの1つとして「口腔機能の向上」が位置づけられたためです.口腔生理学の分野で培われた知識が「口腔機能」という形で歯科界だけでなく社会一般に認知され,その研究成果が社会に還元されていることが理解できます.このような社会環境のなかで,口腔機能を口腔生理学の専門家が系統立てて解説する本書の役割は重いといえます.
さて,本書の主目的は歯科医師を養成する際に求められる生理学の基本知識を学生にわかりやすく解説することにあります.このため卒前・卒後に設定されている共用試験(CBT)や歯科医師国家試験に対応した内容であることも求められています.したがって,本書の項目を決定する際には『歯科医学教授要綱』,『歯科医師国家試験出題基準』,『歯学教育モデル・コア・カリキュラム』に準拠することにも配慮しました.同時に,高齢社会に対応できる歯科医師を育てることも重要と考え,「生理機能の加齢変化」や「臨床と密接に関連した事項」を取り入れる努力を執筆者にお願いしてきました.限られたページ数ではありますが,執筆者の努力により未来の歯科医師養成に耐えうる教科書が完成したと考えております.
最後になりましたが,第5版の編集にあたり,フルカラー化を実現して下さった医歯薬出版株式会社に感謝申し上げます.
2008年1月
編者
第I編 生理学
第1章 生理学総論
I 生命現象と生体恒常性(中村嘉男)
1 生理学とは
2 生理学の対象
3 歯科基礎医学としての生理学
4 内部環境の恒常性
5 生命科学における生理学の位置
6 むすび生理学を学ぶにあたって
II 細胞の一般的機能(柴 芳樹)
1 細胞の構造と機能
2 細胞集団社会の構造と機能
III エネルギー代謝(杉谷博士)
1 エネルギー代謝の概論
2 エネルギー産生
3 エネルギーの利用
第2章 興奮性組織(神経・筋)
I 興奮性細胞とは(丸井隆之)
1 興奮性細胞
2 刺激と興奮
II 細胞膜のイオンチャネル機構
1 細胞情報の受容と伝達
III 興奮の伝導
1 神経系とニューロン
2 神経の興奮の伝導速度
IV シナプス伝達(三枝木泰丈)
1 電気的シナプス
2 化学的シナプス
3 シナプスの可塑性
V 筋の収縮(骨格筋・心筋・平滑筋)
1 骨格筋
2 心筋と平滑筋
第3章 体液
I 体液(柴 芳樹)
1 体液について
2 体液の恒常性
II 血液の成分と機能
1 血液の成分
2 血液の細胞成分とその機能
3 凝固作用
4 血液型
第4章 体液の循環
I 心臓(西川泰央)
1 心臓の構造
2 心筋の性質
3 活動電位
4 興奮伝導系
5 心電図
6 心周期
7 心拍出量
8 心筋の長さ-張力関係
II 血液循環(富田美穂子・浅沼直和)
1 循環系
2 局所循環
3 血管の構造
4 血行力学
5 血 圧
6 毛細血管における物質交換
7 加齢変化
III 循環調節(和泉博之)
1 循環調節の目的
2 循環調節機構の分類
3 神経性調節(心臓血管反射)
4 体液性(内分泌性)調節
5 局所性調節
第5章 呼吸
I 呼吸(松本茂二)
1 呼吸器
2 換 気
3 換気力学
II ガス交換
1 ガス分圧
2 ガス交換
3 換気と血流の適合
4 血液中のガスの運搬
III 呼吸の調節
1 呼吸調節
2 呼吸の化学的調節
3 反射による呼吸への神経性調節
第6章 体温
I 体熱の産生(平場勝成)
1 エネルギー代謝
2 ふるえ熱産生と非ふるえ熱産生
II 体熱の放射
1 発汗
2 熱放散と皮膚血管
III 体温の調節
1 温度受容
2 体温調節中枢
3 体温の異常
IV 体温適応
第7章 排泄
I 腎(杉村忠敬)
1 腎の機能
2 尿の生成機構
3 腎機能の調節
4 尿の一般的性状
II 排尿
1 排尿反射
第8章 内分泌・生殖
I ホルモンの一般的特徴(岡部幸司・岡本富士雄)
1 ホルモンと内分泌腺
2 ホルモンの分類
II 内分泌学各論
1 視床下部下垂体系
2 甲状腺と副甲状腺
3 膵臓
4 副腎
5 性腺
6 その他のホルモン
III ホルモンとホメオスタシス
1 血清カルシウム濃度の調節
2 ホルモンによる血糖の調節
3 循環調節とホルモン
4 ストレスとホルモン
第9章 感覚機能
I 受容器と感覚(林 治秀)
1 受容器
2 体性感覚
II 視覚
1 眼球
2 光学系
3 光受容系
4 視覚伝導路および視覚中枢
5 色覚
6 視覚情報処理
7 眼球運動
8 視野
III 聴覚
1 音
2 音の受容器官
3 音の受容,聴覚伝導路と聴覚中枢
4 難聴
IV 平衡感覚
1 前庭器官
2 中枢神経系
3 めまい
V 内臓感覚(原田秀逸)
1 内臓痛覚
2 臓器感覚
VI 痛覚(岩田幸一)
1 痛みの分類
2 痛みの末梢機構
3 痛みの上行路
4 下行性疼痛変調機構
5 痛みの加齢変化
6 病的異常疼痛発症機構
VII 感覚情報の中枢処理
1 各種感覚入力の中枢投射経路
2 感覚入力の大脳皮質における再現
3 感覚認知における大脳の役割
第10章 運動機能
I 脊髄(村上俊樹)
1 脊髄の構造
2 筋と運動ニューロン
3 脊髄反射
II 姿勢の調節
1 姿勢と筋緊張
2 姿勢反射
3 歩行運動の調節
III 髄意運動(泰羅雅登)
1 皮質運動関連領域
2 大脳基底核
3 小脳
第11章 自律機能
I 自律神経系(稲永清敏)
1 自律神経系の構造
2 自律神経系遠心路の性質
II 自律神経の中枢性調節
1 脊髄
2 下部脳幹
3 視床下部
4 大脳辺縁系・小脳・大脳皮質
5 自律神経反射
第12章 脳と行動
I 大脳皮質の機能局在(泰羅雅登)
1 大脳皮質の構造と機能
2 行動における連合野領域の機能
II 情動(齋藤 充・姜 英男)
1 情動と辺縁系
2 恐怖・怒り
3 自己刺激と薬物嗜癖
4 中枢神経作用薬と汎性投射系
III 睡眠(加藤隆史)
1 睡眠
2 覚醒・睡眠の調節機構
3 睡眠と各生理活動の変化
IV 学習(湯山徳行・小野塚 実)
1 学習
2 記憶
3 記憶の機構
V 言語(入來篤史)
1 大脳皮質における言語機能の局在
2 脳内言語情報処理
第II編 口腔生理学
第13章 口腔生理学総論
I 口腔生理学とはどのような学問か(森本俊文・山田好秋)
II 口腔生理学を学ぶ目的は何か
III 口腔機能の特徴と重要性
IV 咀嚼機能の統合的作用
1 顎・舌のリズミカルな咀嚼運動
2 消化機能としての咀嚼
3 咀嚼がその他の身体機能に与える影響
V 口腔生理学の未来展望
第14章 顎・口腔・顔面の体性感覚
I 歯髄と歯痛(戸田一雄)
1 歯髄の感覚
2 象牙質の感覚
3 歯痛
II 歯根膜
1 歯根膜の感覚
2 歯根膜の受容器
3 歯根膜受容器の機能的特徴
4 歯根膜の役割
III 顔面皮膚・舌・口腔粘膜・口唇(増田裕次)
1 顔面皮膚の感覚
2 舌の感覚
3 口唇の感覚
4 口腔粘膜感覚
IV 顎関節の感覚
1 顎関節の感覚
第15章 味覚
I 味覚の特徴(北田泰之)
1 味の質
2 閾値
3 順応
4 混合液の味
5 反応時間
6 PTC味盲
7 味覚を変える物質
II 受容機構
1 味覚受容器
2 味覚受容機構の一般的性質
3 基本味における味覚受容機構
III 味覚情報の伝達(山本 隆)
1 味覚神経
2 味覚中枢路
3 大脳皮質味覚野
IV 味覚情報の処理
1 味の識別機構
2 ラベルドライン説
3 アクロスファイバーパターン説
V 味覚と食行動
1 快,不快の判断
2 味の学習と記憶
VI 味覚障害
1 老化と味覚
2 味覚の異常
3 味覚の検査法
4 歯科臨床と味覚
第16章 嗅覚
I 嗅覚の特徴(小野田法彦)
II 受容機構
1 鼻粘膜
2 嗅細胞のニオイ受容
3 嗅粘膜の電気生理学
III 中枢機構
1 中枢経路
2 嗅球
3 梨状皮質
4 視床背内側核のニオイ応答
IV 大脳皮質嗅覚野
V 嗅覚中枢のニオイ情報処理
VI ヒトの嗅覚野
第17章 顎運動
I 顎反射(森本俊文)
1 下顎張反射
2 歯根膜閉口筋反射
3 口腔粘膜刺激による閉口反射
4 開口反射
II 顎位(下顎位)
1 下顎安静位
2 咬頭嵌合位
3 顎位と咬合
4 顎関節の構造と下顎の限界運動
5 下顎の限界運動
6 下顎の位置感覚(下顎位感覚)
III 顎運動の神経・筋機構
1 咀嚼筋と顎運動
2 咀嚼筋の性質
3 咀嚼筋の神経支配と顎運動の神経機構
第18章 舌運動
I 舌反射(森本俊文)
1 舌の役割
2 舌筋の神経支配
3 顎舌反射
4 舌粘膜・舌筋反射
II 舌運動の神経筋機構
1 咀嚼時の舌運動
2 舌運動と顎運動の協調
第19章 口唇・頬・顔面運動
I 口唇・顔面(頬)運動とその役割(森本俊文)
1 口唇
2 頬
3 口蓋
第20章 咀嚼
I 咀嚼とは(井上富雄)
II 咀嚼能力の評価
1 咬合力と咀嚼力
2 食品の粉砕度の測定
3 その他の方法
4 咀嚼能力に影響する要因
III 咀嚼運動の調節
1 動物の食性と咀嚼パターン
2 咀嚼運動の調節要素
3 咀嚼過程
4 咀嚼のパターン形成機構
5 上位脳の役割
6 咀嚼運動中の反射の変調
7 末梢感覚による調節
8 咀嚼機能の生後発達・加齢
第21章 吸啜
I 吸啜の概念(外ア肇一)
II 吸啜運動の特徴
III 吸啜運動の経過
IV 吸啜運動と発生機序
V 吸啜から咀嚼への移行
VI 病態
第22章 嚥下
I 嚥下の概念(山田好秋)
1 摂食・嚥下の流れ
2 嚥下関連器官
3 嚥下に伴う諸器官の動き
II 嚥下運動の特徴
1 摂食過程における嚥下
2 嚥下運動と食塊の動き
3 気道の防御
4 嚥下時の咽頭内圧変化
III 嚥下の神経機構
1 嚥下の開始
2 中枢性制御機構
3 末梢性制御機構
IV 病態
第23章 嘔吐
I 嘔吐の概念と病態(舩橋 誠)
II 嘔吐の機序
III 嘔吐の神経機構
1 嘔吐中枢への求心性入力
2 化学受容性嘔吐誘発域
第24章 唾液・唾液腺
I 唾液腺の構造(松尾龍二)
1 耳下腺
2 顎下腺
3 舌下腺
4 小唾液腺
II 唾液分泌機構
1 唾液分泌量
2 唾液の生成
3 唾液分泌の調節
III 唾液の性状
1 物理的性状
2 化学的性状
IV 唾液の機能
V 唾液と口腔疾患
1 唾液と齲蝕・歯周疾患
2 唾液と粘膜疾患
VI 唾液腺機能と加齢
第25章 消化と吸収
I 消化器の基本構造(細井和雄)
1 消化管の一般構造
2 血液循環
3 リンパ
4 神経支配
5 水の出納と消化酵素の分泌
6 消化管ホルモン
7 消化管の運動
II 胃(二ノ宮裕三)
1 胃の運動
2 胃液の分泌
3 胃の活動の制御機構
III 十二指腸
IV 肝臓と胆嚢
1 胆汁
2 胆汁分泌の制御機構
V 膵臓
1 膵液
2 膵液分泌の制御機構
VI 小腸
1 小腸の運動
2 消化と吸収
VII 大腸
1 便の形成
2 排便機構
3 腸内細菌
第26章 発声と構音
I コミュニケーション,言語,スピーチ(舘村 卓)
1 コミュニケーション情報伝達
2 言語シンボルと約束ごと
3 耳に聞こえる言葉
II 発 声
1 呼吸器(肺)エネルギー源
2 咽頭発声器
3 構音
4 喉頭原音母音の音源
5 附属管腔(共鳴腔)調節母音構音
6 子音構音
7 構音機能の発達
III 鼻咽腔閉鎖機能
1 鼻咽腔閉鎖運動の特徴
2 鼻咽腔閉鎖機能の調節
索引
第1章 生理学総論
I 生命現象と生体恒常性(中村嘉男)
1 生理学とは
2 生理学の対象
3 歯科基礎医学としての生理学
4 内部環境の恒常性
5 生命科学における生理学の位置
6 むすび生理学を学ぶにあたって
II 細胞の一般的機能(柴 芳樹)
1 細胞の構造と機能
2 細胞集団社会の構造と機能
III エネルギー代謝(杉谷博士)
1 エネルギー代謝の概論
2 エネルギー産生
3 エネルギーの利用
第2章 興奮性組織(神経・筋)
I 興奮性細胞とは(丸井隆之)
1 興奮性細胞
2 刺激と興奮
II 細胞膜のイオンチャネル機構
1 細胞情報の受容と伝達
III 興奮の伝導
1 神経系とニューロン
2 神経の興奮の伝導速度
IV シナプス伝達(三枝木泰丈)
1 電気的シナプス
2 化学的シナプス
3 シナプスの可塑性
V 筋の収縮(骨格筋・心筋・平滑筋)
1 骨格筋
2 心筋と平滑筋
第3章 体液
I 体液(柴 芳樹)
1 体液について
2 体液の恒常性
II 血液の成分と機能
1 血液の成分
2 血液の細胞成分とその機能
3 凝固作用
4 血液型
第4章 体液の循環
I 心臓(西川泰央)
1 心臓の構造
2 心筋の性質
3 活動電位
4 興奮伝導系
5 心電図
6 心周期
7 心拍出量
8 心筋の長さ-張力関係
II 血液循環(富田美穂子・浅沼直和)
1 循環系
2 局所循環
3 血管の構造
4 血行力学
5 血 圧
6 毛細血管における物質交換
7 加齢変化
III 循環調節(和泉博之)
1 循環調節の目的
2 循環調節機構の分類
3 神経性調節(心臓血管反射)
4 体液性(内分泌性)調節
5 局所性調節
第5章 呼吸
I 呼吸(松本茂二)
1 呼吸器
2 換 気
3 換気力学
II ガス交換
1 ガス分圧
2 ガス交換
3 換気と血流の適合
4 血液中のガスの運搬
III 呼吸の調節
1 呼吸調節
2 呼吸の化学的調節
3 反射による呼吸への神経性調節
第6章 体温
I 体熱の産生(平場勝成)
1 エネルギー代謝
2 ふるえ熱産生と非ふるえ熱産生
II 体熱の放射
1 発汗
2 熱放散と皮膚血管
III 体温の調節
1 温度受容
2 体温調節中枢
3 体温の異常
IV 体温適応
第7章 排泄
I 腎(杉村忠敬)
1 腎の機能
2 尿の生成機構
3 腎機能の調節
4 尿の一般的性状
II 排尿
1 排尿反射
第8章 内分泌・生殖
I ホルモンの一般的特徴(岡部幸司・岡本富士雄)
1 ホルモンと内分泌腺
2 ホルモンの分類
II 内分泌学各論
1 視床下部下垂体系
2 甲状腺と副甲状腺
3 膵臓
4 副腎
5 性腺
6 その他のホルモン
III ホルモンとホメオスタシス
1 血清カルシウム濃度の調節
2 ホルモンによる血糖の調節
3 循環調節とホルモン
4 ストレスとホルモン
第9章 感覚機能
I 受容器と感覚(林 治秀)
1 受容器
2 体性感覚
II 視覚
1 眼球
2 光学系
3 光受容系
4 視覚伝導路および視覚中枢
5 色覚
6 視覚情報処理
7 眼球運動
8 視野
III 聴覚
1 音
2 音の受容器官
3 音の受容,聴覚伝導路と聴覚中枢
4 難聴
IV 平衡感覚
1 前庭器官
2 中枢神経系
3 めまい
V 内臓感覚(原田秀逸)
1 内臓痛覚
2 臓器感覚
VI 痛覚(岩田幸一)
1 痛みの分類
2 痛みの末梢機構
3 痛みの上行路
4 下行性疼痛変調機構
5 痛みの加齢変化
6 病的異常疼痛発症機構
VII 感覚情報の中枢処理
1 各種感覚入力の中枢投射経路
2 感覚入力の大脳皮質における再現
3 感覚認知における大脳の役割
第10章 運動機能
I 脊髄(村上俊樹)
1 脊髄の構造
2 筋と運動ニューロン
3 脊髄反射
II 姿勢の調節
1 姿勢と筋緊張
2 姿勢反射
3 歩行運動の調節
III 髄意運動(泰羅雅登)
1 皮質運動関連領域
2 大脳基底核
3 小脳
第11章 自律機能
I 自律神経系(稲永清敏)
1 自律神経系の構造
2 自律神経系遠心路の性質
II 自律神経の中枢性調節
1 脊髄
2 下部脳幹
3 視床下部
4 大脳辺縁系・小脳・大脳皮質
5 自律神経反射
第12章 脳と行動
I 大脳皮質の機能局在(泰羅雅登)
1 大脳皮質の構造と機能
2 行動における連合野領域の機能
II 情動(齋藤 充・姜 英男)
1 情動と辺縁系
2 恐怖・怒り
3 自己刺激と薬物嗜癖
4 中枢神経作用薬と汎性投射系
III 睡眠(加藤隆史)
1 睡眠
2 覚醒・睡眠の調節機構
3 睡眠と各生理活動の変化
IV 学習(湯山徳行・小野塚 実)
1 学習
2 記憶
3 記憶の機構
V 言語(入來篤史)
1 大脳皮質における言語機能の局在
2 脳内言語情報処理
第II編 口腔生理学
第13章 口腔生理学総論
I 口腔生理学とはどのような学問か(森本俊文・山田好秋)
II 口腔生理学を学ぶ目的は何か
III 口腔機能の特徴と重要性
IV 咀嚼機能の統合的作用
1 顎・舌のリズミカルな咀嚼運動
2 消化機能としての咀嚼
3 咀嚼がその他の身体機能に与える影響
V 口腔生理学の未来展望
第14章 顎・口腔・顔面の体性感覚
I 歯髄と歯痛(戸田一雄)
1 歯髄の感覚
2 象牙質の感覚
3 歯痛
II 歯根膜
1 歯根膜の感覚
2 歯根膜の受容器
3 歯根膜受容器の機能的特徴
4 歯根膜の役割
III 顔面皮膚・舌・口腔粘膜・口唇(増田裕次)
1 顔面皮膚の感覚
2 舌の感覚
3 口唇の感覚
4 口腔粘膜感覚
IV 顎関節の感覚
1 顎関節の感覚
第15章 味覚
I 味覚の特徴(北田泰之)
1 味の質
2 閾値
3 順応
4 混合液の味
5 反応時間
6 PTC味盲
7 味覚を変える物質
II 受容機構
1 味覚受容器
2 味覚受容機構の一般的性質
3 基本味における味覚受容機構
III 味覚情報の伝達(山本 隆)
1 味覚神経
2 味覚中枢路
3 大脳皮質味覚野
IV 味覚情報の処理
1 味の識別機構
2 ラベルドライン説
3 アクロスファイバーパターン説
V 味覚と食行動
1 快,不快の判断
2 味の学習と記憶
VI 味覚障害
1 老化と味覚
2 味覚の異常
3 味覚の検査法
4 歯科臨床と味覚
第16章 嗅覚
I 嗅覚の特徴(小野田法彦)
II 受容機構
1 鼻粘膜
2 嗅細胞のニオイ受容
3 嗅粘膜の電気生理学
III 中枢機構
1 中枢経路
2 嗅球
3 梨状皮質
4 視床背内側核のニオイ応答
IV 大脳皮質嗅覚野
V 嗅覚中枢のニオイ情報処理
VI ヒトの嗅覚野
第17章 顎運動
I 顎反射(森本俊文)
1 下顎張反射
2 歯根膜閉口筋反射
3 口腔粘膜刺激による閉口反射
4 開口反射
II 顎位(下顎位)
1 下顎安静位
2 咬頭嵌合位
3 顎位と咬合
4 顎関節の構造と下顎の限界運動
5 下顎の限界運動
6 下顎の位置感覚(下顎位感覚)
III 顎運動の神経・筋機構
1 咀嚼筋と顎運動
2 咀嚼筋の性質
3 咀嚼筋の神経支配と顎運動の神経機構
第18章 舌運動
I 舌反射(森本俊文)
1 舌の役割
2 舌筋の神経支配
3 顎舌反射
4 舌粘膜・舌筋反射
II 舌運動の神経筋機構
1 咀嚼時の舌運動
2 舌運動と顎運動の協調
第19章 口唇・頬・顔面運動
I 口唇・顔面(頬)運動とその役割(森本俊文)
1 口唇
2 頬
3 口蓋
第20章 咀嚼
I 咀嚼とは(井上富雄)
II 咀嚼能力の評価
1 咬合力と咀嚼力
2 食品の粉砕度の測定
3 その他の方法
4 咀嚼能力に影響する要因
III 咀嚼運動の調節
1 動物の食性と咀嚼パターン
2 咀嚼運動の調節要素
3 咀嚼過程
4 咀嚼のパターン形成機構
5 上位脳の役割
6 咀嚼運動中の反射の変調
7 末梢感覚による調節
8 咀嚼機能の生後発達・加齢
第21章 吸啜
I 吸啜の概念(外ア肇一)
II 吸啜運動の特徴
III 吸啜運動の経過
IV 吸啜運動と発生機序
V 吸啜から咀嚼への移行
VI 病態
第22章 嚥下
I 嚥下の概念(山田好秋)
1 摂食・嚥下の流れ
2 嚥下関連器官
3 嚥下に伴う諸器官の動き
II 嚥下運動の特徴
1 摂食過程における嚥下
2 嚥下運動と食塊の動き
3 気道の防御
4 嚥下時の咽頭内圧変化
III 嚥下の神経機構
1 嚥下の開始
2 中枢性制御機構
3 末梢性制御機構
IV 病態
第23章 嘔吐
I 嘔吐の概念と病態(舩橋 誠)
II 嘔吐の機序
III 嘔吐の神経機構
1 嘔吐中枢への求心性入力
2 化学受容性嘔吐誘発域
第24章 唾液・唾液腺
I 唾液腺の構造(松尾龍二)
1 耳下腺
2 顎下腺
3 舌下腺
4 小唾液腺
II 唾液分泌機構
1 唾液分泌量
2 唾液の生成
3 唾液分泌の調節
III 唾液の性状
1 物理的性状
2 化学的性状
IV 唾液の機能
V 唾液と口腔疾患
1 唾液と齲蝕・歯周疾患
2 唾液と粘膜疾患
VI 唾液腺機能と加齢
第25章 消化と吸収
I 消化器の基本構造(細井和雄)
1 消化管の一般構造
2 血液循環
3 リンパ
4 神経支配
5 水の出納と消化酵素の分泌
6 消化管ホルモン
7 消化管の運動
II 胃(二ノ宮裕三)
1 胃の運動
2 胃液の分泌
3 胃の活動の制御機構
III 十二指腸
IV 肝臓と胆嚢
1 胆汁
2 胆汁分泌の制御機構
V 膵臓
1 膵液
2 膵液分泌の制御機構
VI 小腸
1 小腸の運動
2 消化と吸収
VII 大腸
1 便の形成
2 排便機構
3 腸内細菌
第26章 発声と構音
I コミュニケーション,言語,スピーチ(舘村 卓)
1 コミュニケーション情報伝達
2 言語シンボルと約束ごと
3 耳に聞こえる言葉
II 発 声
1 呼吸器(肺)エネルギー源
2 咽頭発声器
3 構音
4 喉頭原音母音の音源
5 附属管腔(共鳴腔)調節母音構音
6 子音構音
7 構音機能の発達
III 鼻咽腔閉鎖機能
1 鼻咽腔閉鎖運動の特徴
2 鼻咽腔閉鎖機能の調節
索引








