巻頭言
病理学は,疾病のすべてについて理論的に解析し学び取る学問であり,また,その基礎知識を医学のあらゆる分野に提供する学問でもある.
このような病理学は,病理学総論と病理学各論の二つの分野に分けて学ぶ.総論は病理学の基礎をなす分野であり,具体的にはあらゆる疾病に共通する現象について学ぶ.これはちょうど数学の公理・定理を学ぶことに似ている.その共通する現象とは,(1)疾病はすべて何らかの原因で,(2)生体が生存していくために有している一定の形態とその形態で営まれる機能が異常に陥り(発症),(3)その異常がある期間持続し(経過),(4)やがて終焉を迎える(転帰)という4点である.したがって,病理学総論では,(1)疾病の原因,(2)発症機転,(3)経過,(4)転帰の4点について総括的に学ぶ.また,各論では,このような総論の知識をもとにして,個々の疾病(固有疾患)を原因別,病変別,あるいは臓器組織別に分類し,個々の原因,発症機転,経過,転帰について学ぶ.ちなみに,口腔領域の病理学各論は,本来消化器の病理学各論に属するものであるが,特に,口腔病理学の名が与えられている.
以上の病理学総論と各論の二つの分野から学び取った知識は,単に知識だけに停まらず,基礎医学と臨床医学の二つの領域で生かされる.すなわち,解剖学,生化学,生理学をはじめとする基礎医学の各分野には,すでに知られている疾病のさらなる解析のための,あるいは未知の疾病の解明のための形態異常や機能異常を中心とする情報を提供する.臨床医学に対しては,各固有疾患の原因と発症機転を知ることによって予防医学の領域に,経過や転帰における形態的・機能的変化を知ることによって,診断医学と治療医学の領域にそれぞれの知識を提供する.ちなみに,臨床医学への病理学の知識の提供の最たるものは病理診断である.これは,生じた病変部を切除あるいは剔出し,顕微鏡下で形態的変化をとらえ,その所見を基礎にして,ほかの種々の臨床的検査結果をも勘案し,総合的に固有疾患を確定(診断)する行為である.
本書は,病理学総論と各論(口腔病理学)の両方をまとめているが,その中にいくつかの特徴がある.一つは,各章の内容が初級程度から中・上級程度の二段階に分けて論じていることである.初級程度はコア・カリキュラムとCBTに対応しており,本文中に色をつけて表示し,章末に「チェック事項」を設けて復習しやすいようにした.これをもとに肉づけしたのが中・上級程度で,一般のテストや卒業試験,国家試験あるいはそれ以上に対応している.もう一つの特徴は,口腔に発症する疾病の中で腫瘍と腫瘍性病変,そして胞の分類命名が最新のWHOの分類に基づいていることである.本書の『最新病理学・口腔病理学』の名は,各章の内容の斬新さとともに,この最新の分類命名の採用にある.
以上述べたように,医学の領域において病理学が関係する範囲はきわめて広範に及んでおり,各医学の分野での医療行為や研究には何らかの形で必ず関係していることを念頭に置いて学ぶべきである.換言すれば,医学の領域において,病理学は避けて通れない分野であること,したがって,歯科医学生にとっても,また歯科医全般にとっても必修の学問分野であることをよく認識して学ばれんことを,その目標のために本書をおおいに活用されんことを望むしだいである.
2007年3月
執筆者一同を代表して
朝日大学歯学部口腔病態医療学講座口腔病理学分野
竹内 宏
病理学は,疾病のすべてについて理論的に解析し学び取る学問であり,また,その基礎知識を医学のあらゆる分野に提供する学問でもある.
このような病理学は,病理学総論と病理学各論の二つの分野に分けて学ぶ.総論は病理学の基礎をなす分野であり,具体的にはあらゆる疾病に共通する現象について学ぶ.これはちょうど数学の公理・定理を学ぶことに似ている.その共通する現象とは,(1)疾病はすべて何らかの原因で,(2)生体が生存していくために有している一定の形態とその形態で営まれる機能が異常に陥り(発症),(3)その異常がある期間持続し(経過),(4)やがて終焉を迎える(転帰)という4点である.したがって,病理学総論では,(1)疾病の原因,(2)発症機転,(3)経過,(4)転帰の4点について総括的に学ぶ.また,各論では,このような総論の知識をもとにして,個々の疾病(固有疾患)を原因別,病変別,あるいは臓器組織別に分類し,個々の原因,発症機転,経過,転帰について学ぶ.ちなみに,口腔領域の病理学各論は,本来消化器の病理学各論に属するものであるが,特に,口腔病理学の名が与えられている.
以上の病理学総論と各論の二つの分野から学び取った知識は,単に知識だけに停まらず,基礎医学と臨床医学の二つの領域で生かされる.すなわち,解剖学,生化学,生理学をはじめとする基礎医学の各分野には,すでに知られている疾病のさらなる解析のための,あるいは未知の疾病の解明のための形態異常や機能異常を中心とする情報を提供する.臨床医学に対しては,各固有疾患の原因と発症機転を知ることによって予防医学の領域に,経過や転帰における形態的・機能的変化を知ることによって,診断医学と治療医学の領域にそれぞれの知識を提供する.ちなみに,臨床医学への病理学の知識の提供の最たるものは病理診断である.これは,生じた病変部を切除あるいは剔出し,顕微鏡下で形態的変化をとらえ,その所見を基礎にして,ほかの種々の臨床的検査結果をも勘案し,総合的に固有疾患を確定(診断)する行為である.
本書は,病理学総論と各論(口腔病理学)の両方をまとめているが,その中にいくつかの特徴がある.一つは,各章の内容が初級程度から中・上級程度の二段階に分けて論じていることである.初級程度はコア・カリキュラムとCBTに対応しており,本文中に色をつけて表示し,章末に「チェック事項」を設けて復習しやすいようにした.これをもとに肉づけしたのが中・上級程度で,一般のテストや卒業試験,国家試験あるいはそれ以上に対応している.もう一つの特徴は,口腔に発症する疾病の中で腫瘍と腫瘍性病変,そして胞の分類命名が最新のWHOの分類に基づいていることである.本書の『最新病理学・口腔病理学』の名は,各章の内容の斬新さとともに,この最新の分類命名の採用にある.
以上述べたように,医学の領域において病理学が関係する範囲はきわめて広範に及んでおり,各医学の分野での医療行為や研究には何らかの形で必ず関係していることを念頭に置いて学ぶべきである.換言すれば,医学の領域において,病理学は避けて通れない分野であること,したがって,歯科医学生にとっても,また歯科医全般にとっても必修の学問分野であることをよく認識して学ばれんことを,その目標のために本書をおおいに活用されんことを望むしだいである.
2007年3月
執筆者一同を代表して
朝日大学歯学部口腔病態医療学講座口腔病理学分野
竹内 宏
・病理学総論
Chapter1 病理学と疾病の概説(竹内 宏)
1 病理学とは
1)病理学総論
2)病理学各論
2 疾病とは
1)疾病の定義
2)疾病の共通現象
Chapter2 病因と病態
1 疾病の原因(竹内 宏)
1)外因
2)内因
2 細胞傷害(竹内 宏)
1)生体膜の傷害
2)ミトコンドリアの傷害
3)小胞体の傷害
4)ゴルジ装置の傷害
5)リソソームの傷害
6)ぺルオキシソームの傷害
7)核の傷害
3 末梢循環障害(宇都宮忠彦)
1)末梢循環障害の発症機序
2)末梢循環障害の種類
3)浮腫(水腫)
4 代謝性病変(代謝障害と変性)(井出文雄)
1)代謝障害の発症機序
2)代謝障害と変性の種類
5 萎縮(谷口邦久・岡村和彦)
1)萎縮とは
2)萎縮の発生機序
3)萎縮の種類
6 壊死(谷口邦久・岡村和彦)
1)壊死とは
2)壊死の種類
3)壊死巣の転帰
Chapter3 免疫応答(菊池建太郎)
1 免疫の概念
1)免疫とは
2)自然免疫と獲得免疫
2 自己と非自己
1)自 己
2)非自己
3 免疫応答に関係する臓器と細胞
1)免疫臓器・組織
2)免疫担当細胞
4 自然免疫
1)広義の自然免疫
2)狭義の自然免疫
5 獲得免疫
1)自己・非自己の識別
2)抗原の提示
3)抗原の認識
4)抗原の排除
6 免疫寛容
1)自己寛容
2)自己免疫疾患(自己寛容の破綻)
7 アレルギー
1)アレルギーの発症機序
2)代表的なアレルギー性疾患
Chapter4 修復(美島健二・斎藤一郎)
1 修復とは
2 修復の機序
1)幹細胞
2)細胞外基質
3)増殖因子
4)細胞の増殖能力
3 各組織の再生
1)上皮組織の再生
2)結合組織の再生
3)血管の再生
4)骨の再生
5)軟骨の再生
6)造血組織の再生
7)筋組織の再生
8)神経の再生
4 瘢痕形成
1)瘢痕形成とは
2)瘢痕形成過程
5 創傷治癒の形式
1)一次治癒
2)二次治癒
Chapter5 炎症(草間 薫)
1 炎症とは
2 炎症の形態学的変化と炎症に関与する細胞
1)炎症の形態学的変化
2)炎症に関与する細胞と働き
3 炎症反応の機序
1)炎症反応の原因
2)滲出性炎の機序
3)急性増殖性炎の発生機序
4)慢性増殖性炎の発生機序
4 炎症の分類と病理組織学的変化
1)急性炎と慢性炎
2)炎症の形態学的分類
3)原因発生的分類
5 炎症による疼痛・発熱・全身症状
1)疼痛
2)発熱
3)全身症状
6 各種臓器における炎症
1)呼吸器の炎症
2)消化器の炎症
3)循環器の炎症
4)泌尿器の炎症
5)中枢神経の炎症
6)内分泌臓器の炎症
Chapter6 疾病の転帰(千場良司)
1 転帰とは
2 治癒の転帰
3 死の転帰
1)死の三徴候
2)脳 死
3)自然死
4 疾病の予後
1)予後とは
2)予後の予測
Chapter7 先天異常(千場良司)
1 先天異常とは
2 遺伝病
1)遺伝病の発症機序
2)単一遺伝子疾患の種類
3)特異な遺伝様式を示す疾患(非メンデル遺伝病)
4)多因性遺伝による疾患
3 染色体異常
1)染色体異常の発症機序
2)染色体異常による疾患の種類
4 胎芽疾患および胎児疾患
1)胎芽疾患および胎児疾患の発症機序
2)胎芽疾患の種類
3)胎児疾患の種類
Chapter8 腫瘍(竹内 宏)
1 腫瘍とは
2 腫瘍発生の機序
1)細胞増殖の機構(細胞周期とその制御)
2)腫瘍細胞への形質転換
3)腫瘍の原因
3 腫瘍の発育様式
1)腫瘍間質の形成
2)腫瘍実質の発育
4 腫瘍の形質
1)腫瘍細胞の形質
2)腫瘍の組織構造
5 腫瘍の経過と症状,予後
1)良性腫瘍
2)悪性腫瘍
6 腫瘍の種類と診断
1)腫瘍の種類
2)腫瘍の診断法(病理組織診断)
3)良性腫瘍と悪性腫瘍の違い
・口腔病理学
Chapter9 口腔の内分泌性疾患(谷口邦久・岡村和彦)
1 内分泌性疾患とは
2 内分泌性疾患の発症機序
3 口腔の内分泌性疾患の種類
1)下垂体性疾患
2)甲状腺性疾患
3)副甲状腺性疾患
4)副腎皮質性疾患
5)ランゲルハンス島性疾患
Chapter10 顎顔面領域の発育異常(田島義文)
1 顎・顔面の発育異常および奇形の発症機序
1)顎・顔面の発生
2)顎・顔面の発育異常の発症機序
3)歯の発育異常の発症機序
2 顎・顔面の発育異常の種類
1)顔面の奇形
2)口蓋の奇形
3)舌の奇形
4)唾液腺の奇形
5)顎骨・顎関節の奇形
6)筋の奇形
7)歯の発育異常
8)先天異常症候群
Chapter11 口腔の物理的傷害(山本浩嗣)
1 放射線
1)口腔粘膜の傷害
2)顎骨の傷害
3)唾液腺の傷害
4)歯の傷害
2 温 度
1)口腔粘膜の変化
2)歯の変化
3 損 傷
1)外力による損傷
2)咬合による損傷
Chapter12 口腔の化学的傷害(山本浩嗣)
1 酸蝕症
2 ニコチン性傷害
1)歯の着色
2)ニコチン性口内炎
3 金属性毒による傷害
1)水 銀
2)蒼 鉛
3)鉛
4 薬物による傷害
1)アスピリン
2)テトラサイクリン
3)歯科用薬物
Chapter13 口腔の栄養障害(田島義文)
1 タンパク質・カロリー栄養失調
2 栄養状態の変化
3 無機質の供給障害
4 ビタミン欠乏
1)ビタミンA欠乏
2)ビタミンB複合体欠乏
3)ビタミンC欠乏
4)ビタミンD欠乏
5)ビタミンK欠乏
Chapter14 口腔の代謝性疾患(井出文雄)
1 糖質代謝性疾患
1)糖原代謝性疾患
2)ムコ多糖代謝障害
2 脂質代謝性疾患
1)先天性脂質代謝障害
2)後天性脂質代謝障害
3 タンパク質代謝性疾患
1)先天性タンパク質代謝障害
2)後天性タンパク質代謝障害
4 核酸代謝性疾患
1)先天性代謝異常
2)後天性代謝異常
5 色素代謝性疾患
1)先天性色素代謝障害
2)後天性色素代謝障害
6 歯髄の変性・萎縮
1)網様萎縮
2)空胞変性
3)脂肪変性
4)硝子変性
5)アミロイド変性
6)石灰変性
7)色素変性
7 唾石症
Chapter15 顎口腔の炎症性および関連疾患(槻木恵一)
1 う蝕
1)う蝕とは
2)う蝕病変の特徴
3)う蝕の発症機序
4)う蝕の疫学
5)う蝕の広がり方と病理組織所見
6)乳歯う蝕の特徴
7)う蝕の継発疾患
2 歯髄炎
1)歯髄炎とは
2)歯髄炎の発症機序
3)歯髄炎の種類
3 根尖性歯周炎
1)根尖性歯周炎とは
2)根尖性歯周炎の発症機序
3)根尖性歯周炎の種類
4)根尖性歯周炎の合併症
4 歯周疾患
1)歯周疾患とは
2)歯周疾患の発症機序
3)歯周疾患の疫学
4)歯周疾患の経過
5)歯周疾患の種類
5 口腔の感染症
1)感染とは
2)口腔感染症の発症機序
3)口腔感染症の種類
6 口腔の免疫性疾患
1)口腔の異種免疫性疾患
2)口腔の免疫性疾患の種類
7 原因不明の炎症性疾患
1)慢性び漫性硬化性骨髄炎
2)サルコイドーシス
3)軟部好酸球肉芽腫
4)膿原性肉芽腫
Chapter16 顎顔面領域の嚢胞性疾患(窪田展久)
1 嚢胞とは
2 嚢胞の発症機序
1)壊死後および組織間隙形成によって生じる嚢胞
2)分泌器の排泄障害によって生じる嚢胞
3 顎顔面領域の嚢胞の特徴
4 顎顔面領域の嚢胞性疾患の種類
1)歯原性嚢胞
2)非歯原性嚢胞
3)いわゆる顔裂性嚢胞
4)その他の嚢胞および嚢胞性病変
Chapter17 口腔の腫瘍および類似疾患(竹内 宏・永原國央・勝又明敏・永山元彦)
1 口腔の腫瘍および類似疾患の種類
2 非歯原性腫瘍および非上皮性腫瘍性病変
1)上皮性腫瘍・上皮性腫瘍性病変
2)非上皮性腫瘍
3 唾液腺上皮性腫瘍
1)良性腫瘍
2)悪性腫瘍
4 歯原性腫瘍および歯原性腫瘍性病変
1)良性腫瘍
2)悪性腫瘍
3)その他の腫瘍
5 口腔の転移性腫瘍(転移癌)
参考文献
索引
Chapter1 病理学と疾病の概説(竹内 宏)
1 病理学とは
1)病理学総論
2)病理学各論
2 疾病とは
1)疾病の定義
2)疾病の共通現象
Chapter2 病因と病態
1 疾病の原因(竹内 宏)
1)外因
2)内因
2 細胞傷害(竹内 宏)
1)生体膜の傷害
2)ミトコンドリアの傷害
3)小胞体の傷害
4)ゴルジ装置の傷害
5)リソソームの傷害
6)ぺルオキシソームの傷害
7)核の傷害
3 末梢循環障害(宇都宮忠彦)
1)末梢循環障害の発症機序
2)末梢循環障害の種類
3)浮腫(水腫)
4 代謝性病変(代謝障害と変性)(井出文雄)
1)代謝障害の発症機序
2)代謝障害と変性の種類
5 萎縮(谷口邦久・岡村和彦)
1)萎縮とは
2)萎縮の発生機序
3)萎縮の種類
6 壊死(谷口邦久・岡村和彦)
1)壊死とは
2)壊死の種類
3)壊死巣の転帰
Chapter3 免疫応答(菊池建太郎)
1 免疫の概念
1)免疫とは
2)自然免疫と獲得免疫
2 自己と非自己
1)自 己
2)非自己
3 免疫応答に関係する臓器と細胞
1)免疫臓器・組織
2)免疫担当細胞
4 自然免疫
1)広義の自然免疫
2)狭義の自然免疫
5 獲得免疫
1)自己・非自己の識別
2)抗原の提示
3)抗原の認識
4)抗原の排除
6 免疫寛容
1)自己寛容
2)自己免疫疾患(自己寛容の破綻)
7 アレルギー
1)アレルギーの発症機序
2)代表的なアレルギー性疾患
Chapter4 修復(美島健二・斎藤一郎)
1 修復とは
2 修復の機序
1)幹細胞
2)細胞外基質
3)増殖因子
4)細胞の増殖能力
3 各組織の再生
1)上皮組織の再生
2)結合組織の再生
3)血管の再生
4)骨の再生
5)軟骨の再生
6)造血組織の再生
7)筋組織の再生
8)神経の再生
4 瘢痕形成
1)瘢痕形成とは
2)瘢痕形成過程
5 創傷治癒の形式
1)一次治癒
2)二次治癒
Chapter5 炎症(草間 薫)
1 炎症とは
2 炎症の形態学的変化と炎症に関与する細胞
1)炎症の形態学的変化
2)炎症に関与する細胞と働き
3 炎症反応の機序
1)炎症反応の原因
2)滲出性炎の機序
3)急性増殖性炎の発生機序
4)慢性増殖性炎の発生機序
4 炎症の分類と病理組織学的変化
1)急性炎と慢性炎
2)炎症の形態学的分類
3)原因発生的分類
5 炎症による疼痛・発熱・全身症状
1)疼痛
2)発熱
3)全身症状
6 各種臓器における炎症
1)呼吸器の炎症
2)消化器の炎症
3)循環器の炎症
4)泌尿器の炎症
5)中枢神経の炎症
6)内分泌臓器の炎症
Chapter6 疾病の転帰(千場良司)
1 転帰とは
2 治癒の転帰
3 死の転帰
1)死の三徴候
2)脳 死
3)自然死
4 疾病の予後
1)予後とは
2)予後の予測
Chapter7 先天異常(千場良司)
1 先天異常とは
2 遺伝病
1)遺伝病の発症機序
2)単一遺伝子疾患の種類
3)特異な遺伝様式を示す疾患(非メンデル遺伝病)
4)多因性遺伝による疾患
3 染色体異常
1)染色体異常の発症機序
2)染色体異常による疾患の種類
4 胎芽疾患および胎児疾患
1)胎芽疾患および胎児疾患の発症機序
2)胎芽疾患の種類
3)胎児疾患の種類
Chapter8 腫瘍(竹内 宏)
1 腫瘍とは
2 腫瘍発生の機序
1)細胞増殖の機構(細胞周期とその制御)
2)腫瘍細胞への形質転換
3)腫瘍の原因
3 腫瘍の発育様式
1)腫瘍間質の形成
2)腫瘍実質の発育
4 腫瘍の形質
1)腫瘍細胞の形質
2)腫瘍の組織構造
5 腫瘍の経過と症状,予後
1)良性腫瘍
2)悪性腫瘍
6 腫瘍の種類と診断
1)腫瘍の種類
2)腫瘍の診断法(病理組織診断)
3)良性腫瘍と悪性腫瘍の違い
・口腔病理学
Chapter9 口腔の内分泌性疾患(谷口邦久・岡村和彦)
1 内分泌性疾患とは
2 内分泌性疾患の発症機序
3 口腔の内分泌性疾患の種類
1)下垂体性疾患
2)甲状腺性疾患
3)副甲状腺性疾患
4)副腎皮質性疾患
5)ランゲルハンス島性疾患
Chapter10 顎顔面領域の発育異常(田島義文)
1 顎・顔面の発育異常および奇形の発症機序
1)顎・顔面の発生
2)顎・顔面の発育異常の発症機序
3)歯の発育異常の発症機序
2 顎・顔面の発育異常の種類
1)顔面の奇形
2)口蓋の奇形
3)舌の奇形
4)唾液腺の奇形
5)顎骨・顎関節の奇形
6)筋の奇形
7)歯の発育異常
8)先天異常症候群
Chapter11 口腔の物理的傷害(山本浩嗣)
1 放射線
1)口腔粘膜の傷害
2)顎骨の傷害
3)唾液腺の傷害
4)歯の傷害
2 温 度
1)口腔粘膜の変化
2)歯の変化
3 損 傷
1)外力による損傷
2)咬合による損傷
Chapter12 口腔の化学的傷害(山本浩嗣)
1 酸蝕症
2 ニコチン性傷害
1)歯の着色
2)ニコチン性口内炎
3 金属性毒による傷害
1)水 銀
2)蒼 鉛
3)鉛
4 薬物による傷害
1)アスピリン
2)テトラサイクリン
3)歯科用薬物
Chapter13 口腔の栄養障害(田島義文)
1 タンパク質・カロリー栄養失調
2 栄養状態の変化
3 無機質の供給障害
4 ビタミン欠乏
1)ビタミンA欠乏
2)ビタミンB複合体欠乏
3)ビタミンC欠乏
4)ビタミンD欠乏
5)ビタミンK欠乏
Chapter14 口腔の代謝性疾患(井出文雄)
1 糖質代謝性疾患
1)糖原代謝性疾患
2)ムコ多糖代謝障害
2 脂質代謝性疾患
1)先天性脂質代謝障害
2)後天性脂質代謝障害
3 タンパク質代謝性疾患
1)先天性タンパク質代謝障害
2)後天性タンパク質代謝障害
4 核酸代謝性疾患
1)先天性代謝異常
2)後天性代謝異常
5 色素代謝性疾患
1)先天性色素代謝障害
2)後天性色素代謝障害
6 歯髄の変性・萎縮
1)網様萎縮
2)空胞変性
3)脂肪変性
4)硝子変性
5)アミロイド変性
6)石灰変性
7)色素変性
7 唾石症
Chapter15 顎口腔の炎症性および関連疾患(槻木恵一)
1 う蝕
1)う蝕とは
2)う蝕病変の特徴
3)う蝕の発症機序
4)う蝕の疫学
5)う蝕の広がり方と病理組織所見
6)乳歯う蝕の特徴
7)う蝕の継発疾患
2 歯髄炎
1)歯髄炎とは
2)歯髄炎の発症機序
3)歯髄炎の種類
3 根尖性歯周炎
1)根尖性歯周炎とは
2)根尖性歯周炎の発症機序
3)根尖性歯周炎の種類
4)根尖性歯周炎の合併症
4 歯周疾患
1)歯周疾患とは
2)歯周疾患の発症機序
3)歯周疾患の疫学
4)歯周疾患の経過
5)歯周疾患の種類
5 口腔の感染症
1)感染とは
2)口腔感染症の発症機序
3)口腔感染症の種類
6 口腔の免疫性疾患
1)口腔の異種免疫性疾患
2)口腔の免疫性疾患の種類
7 原因不明の炎症性疾患
1)慢性び漫性硬化性骨髄炎
2)サルコイドーシス
3)軟部好酸球肉芽腫
4)膿原性肉芽腫
Chapter16 顎顔面領域の嚢胞性疾患(窪田展久)
1 嚢胞とは
2 嚢胞の発症機序
1)壊死後および組織間隙形成によって生じる嚢胞
2)分泌器の排泄障害によって生じる嚢胞
3 顎顔面領域の嚢胞の特徴
4 顎顔面領域の嚢胞性疾患の種類
1)歯原性嚢胞
2)非歯原性嚢胞
3)いわゆる顔裂性嚢胞
4)その他の嚢胞および嚢胞性病変
Chapter17 口腔の腫瘍および類似疾患(竹内 宏・永原國央・勝又明敏・永山元彦)
1 口腔の腫瘍および類似疾患の種類
2 非歯原性腫瘍および非上皮性腫瘍性病変
1)上皮性腫瘍・上皮性腫瘍性病変
2)非上皮性腫瘍
3 唾液腺上皮性腫瘍
1)良性腫瘍
2)悪性腫瘍
4 歯原性腫瘍および歯原性腫瘍性病変
1)良性腫瘍
2)悪性腫瘍
3)その他の腫瘍
5 口腔の転移性腫瘍(転移癌)
参考文献
索引