「わかる! できる! ホワイトニング」発刊にあたり
歯科医学が人々の「歯を白くしたい」という夢を実現するようになり,約10年が経過した.1989年にホーム・ホワイトニング製品が発売されて以来,治療経験者は販売実績から推定して1000万人を超えるといわれる.「白く美しい歯」は,相手に心地よい印象を与えるだけではなく,生物学的に「個体の優劣」を識別する重要なサインのひとつであることは間違いない.ここで仔細な説明は省略するが,美しいと視覚に感じさせる以上に人を魅了する何かがある.
ホワイトニングは「無痛」「歯質を切削しない」「麻酔が不要」,治療の理想が具現化されたといっても過言ではない.しかも症例を適切に選択すれば,安全に最大限の効果が得られる.唯一障害となるのは,「アイボリー・イエローをベースにしたのが天然歯の色調」という固定概念から脱却できない歯科医の存在であろう.そろそろ,私たち歯科医も「この色調でなくてはいけない」という統計学的公式から,頭を切り替える時期に差しかかっているのではないだろうか.
歯の色調をコントロールできるのは,その道のプロフェッショナル:歯科医だけであり,一方,「輝くばかりの白い歯に憧れる人々」や「変色歯に悩みをもつ人々」は数知れぬほど多い.この言葉を疑うなら,まず身近な人々に質問をしてはいかがか.あるいは自分自身に,「ダメージもなく安全な方法で,歯が白くなるとしたら」と問いかけてみるといい.
ホワイトニングを歯科医が拒否していたなら,白くしたいと悩む人々はどうすればよいのだろう.「キッチンハイターを含漱剤として使用した」「レモンを輪切りにして,就寝時に歯面に貼り付けた」民間療法を試した患者の話で,身につまされる思いがした(ホワイトニング体験記が本書に掲載されている).それとも胡散臭いような「美容整形」の門をくぐらせたほうがよいのであろうか.
歯界展望に連載した超実践シリーズだけでは解説し切れなかった部分も多い.本書のために加筆した部分は「臨床におけるホワイトニングの進行過程」だが,最良の結果を容易に得ることができるホーム・ホワイトニングを,どのように臨床に取り入れてゆくかを把握していただけると思う.
2000年4月20日 近藤隆一
歯科医学が人々の「歯を白くしたい」という夢を実現するようになり,約10年が経過した.1989年にホーム・ホワイトニング製品が発売されて以来,治療経験者は販売実績から推定して1000万人を超えるといわれる.「白く美しい歯」は,相手に心地よい印象を与えるだけではなく,生物学的に「個体の優劣」を識別する重要なサインのひとつであることは間違いない.ここで仔細な説明は省略するが,美しいと視覚に感じさせる以上に人を魅了する何かがある.
ホワイトニングは「無痛」「歯質を切削しない」「麻酔が不要」,治療の理想が具現化されたといっても過言ではない.しかも症例を適切に選択すれば,安全に最大限の効果が得られる.唯一障害となるのは,「アイボリー・イエローをベースにしたのが天然歯の色調」という固定概念から脱却できない歯科医の存在であろう.そろそろ,私たち歯科医も「この色調でなくてはいけない」という統計学的公式から,頭を切り替える時期に差しかかっているのではないだろうか.
歯の色調をコントロールできるのは,その道のプロフェッショナル:歯科医だけであり,一方,「輝くばかりの白い歯に憧れる人々」や「変色歯に悩みをもつ人々」は数知れぬほど多い.この言葉を疑うなら,まず身近な人々に質問をしてはいかがか.あるいは自分自身に,「ダメージもなく安全な方法で,歯が白くなるとしたら」と問いかけてみるといい.
ホワイトニングを歯科医が拒否していたなら,白くしたいと悩む人々はどうすればよいのだろう.「キッチンハイターを含漱剤として使用した」「レモンを輪切りにして,就寝時に歯面に貼り付けた」民間療法を試した患者の話で,身につまされる思いがした(ホワイトニング体験記が本書に掲載されている).それとも胡散臭いような「美容整形」の門をくぐらせたほうがよいのであろうか.
歯界展望に連載した超実践シリーズだけでは解説し切れなかった部分も多い.本書のために加筆した部分は「臨床におけるホワイトニングの進行過程」だが,最良の結果を容易に得ることができるホーム・ホワイトニングを,どのように臨床に取り入れてゆくかを把握していただけると思う.
2000年4月20日 近藤隆一
できる! ホーム・ホワイトニング…1
はじめに…3
1.マーケティング…3
2.変色原因を追究する…4
STEP 1 対象となる歯数…4
STEP 2 プラーク・コントロールをチェック…4
STEP 3 生活習慣や嗜好品をチェック…5
STEP 4 病歴に関する質問…5
コラム:テトラサイクリンによる変色…6
STEP 5 禁忌となる症例を除外する…7
3.口腔内診査と治療計画…7
4.ホワイトニング様式の選択…9
コラム:近藤歯科におけるホワイトニング…11
5.コミュニケーション…10
(1)ホワイトニング用コミュニケーション・ツール…11
(2)インフォームド・コンセント…11
6.治療の契約…12
7.「ベースライン・シェード」の記録と撮影…12
(1)カルテに記載…12
(2)写真撮影…12
(3)シェード・アイ:松風…13
8.歯面清掃…13
9.ホーム・ホワイトニングの臨床術式…14
準備する器材…14
第1日(STEP 1 術前処置,STEP 2カスタム・トレー製作用のアルジネート印象)…14
第2日(STEP 3,4,5,6,7)…16
第3日(STEP 8)…16
完了まで(STEP 9)…16
10.知覚過敏にどう対応するか…17
11.メインテナンス…18
ホーム・ケア…18
プロフェッショナル・クリーニングPMTC…19
タッチアップ…19
ホワイトニング体験記…20
歯科医から見た 扇谷 淳一氏…22
わかる! ホワイトニング…23
超実践 ホワイトニング1 ホワイトニングビギナーズ・コース…25
連載開始にあたって…25
「ホワイトニング」へのアプローチ…27
「松風ハイライト」でスタート!…27
症例の選び方…28
漂白用補助機器の選び方…29
ラバーダムは必要か?…30
術式…32
エッチング…34
後戻り…34
不自然な白さ…34
コーティング…35
広がるフィールド…35
ホワイトニングPR用ポスターA,B…36
超実践 ホワイトニング2 ホーム・ホワイトニング…37
最も治療らしくない「治療法」…37
偶然発見された漂白法…37
「ホーム・ホワイトニング」のアドバンテージ…39
「ホーム・ホワイトニング」術式…41
「ホーム・ホワイトニング」の限界と所要時間…44
ホワイトニングPR用ポスターC,D…46
超実践 ホワイトニング3 カスタム・トレー製作法…47
「カスタム・トレー」がキーポイント…47
必要な器材…47
素材の選択とトレーの形状…48
製作法…50
ホワイトニングPR用ポスターE,F…56
超実践 ホワイトニング4 プロフェッショナル・コース基礎知識…57
はじめに…57
「ホワイトニング」のキー:基剤…57
ホワイトニング効果の発現…58
口腔内における安全性…59
口腔内組織に対する影響…60
コンポジットレジンの接着性…63
歯髄に対する為害作用…64
細菌の付着量…64
「ホワイトニング」の特殊性…65
ホワイトニングPR用ポスターG,H…66
超実践 ホワイトニング5 対応法:コミュニケーション…67
コミュニケーション(治療開始前・治療中)…67
プレゼンテーション(治療開始前)…67
ベースライン(治療開始前・治療中)…68
治療効果(治療開始前・治療中)…72
不快症状の説明(治療開始前)…73
ホームケアと歯科医によるメインテナンス(治療開始前・治療完了後)…73
治療の所要期間(治療開始前)…74
治療費(治療開始前)…74
おわりに…74
超実践 ホワイトニング6 ホワイトニング最新情報…75
はじめに…75
アメリカで販売されているホワイトニング製品…75
ホワイトニング製品の選択…75
Laser Strikes Out…78
臨床現場における「ホワイトニング」のポジション…81
超実践シリーズ終了にあたり…82
歯の漂白に伴う問題点と歯の漂白によって生じる問題点とその対応
治療の先を読む…83
ホワイトニング・シェード…84
色が動く…89
ミレニアム・ホワイト…93
歯界展望連載原稿の追補…94
巻末資料 メーカー一覧…95
文献…97
Index&Glossary 索引と用語解説…99
ホワイトニングコミュニケーションツール(別冊)
インフォームド・コンセント用紙(別冊・50枚つづり)
はじめに…3
1.マーケティング…3
2.変色原因を追究する…4
STEP 1 対象となる歯数…4
STEP 2 プラーク・コントロールをチェック…4
STEP 3 生活習慣や嗜好品をチェック…5
STEP 4 病歴に関する質問…5
コラム:テトラサイクリンによる変色…6
STEP 5 禁忌となる症例を除外する…7
3.口腔内診査と治療計画…7
4.ホワイトニング様式の選択…9
コラム:近藤歯科におけるホワイトニング…11
5.コミュニケーション…10
(1)ホワイトニング用コミュニケーション・ツール…11
(2)インフォームド・コンセント…11
6.治療の契約…12
7.「ベースライン・シェード」の記録と撮影…12
(1)カルテに記載…12
(2)写真撮影…12
(3)シェード・アイ:松風…13
8.歯面清掃…13
9.ホーム・ホワイトニングの臨床術式…14
準備する器材…14
第1日(STEP 1 術前処置,STEP 2カスタム・トレー製作用のアルジネート印象)…14
第2日(STEP 3,4,5,6,7)…16
第3日(STEP 8)…16
完了まで(STEP 9)…16
10.知覚過敏にどう対応するか…17
11.メインテナンス…18
ホーム・ケア…18
プロフェッショナル・クリーニングPMTC…19
タッチアップ…19
ホワイトニング体験記…20
歯科医から見た 扇谷 淳一氏…22
わかる! ホワイトニング…23
超実践 ホワイトニング1 ホワイトニングビギナーズ・コース…25
連載開始にあたって…25
「ホワイトニング」へのアプローチ…27
「松風ハイライト」でスタート!…27
症例の選び方…28
漂白用補助機器の選び方…29
ラバーダムは必要か?…30
術式…32
エッチング…34
後戻り…34
不自然な白さ…34
コーティング…35
広がるフィールド…35
ホワイトニングPR用ポスターA,B…36
超実践 ホワイトニング2 ホーム・ホワイトニング…37
最も治療らしくない「治療法」…37
偶然発見された漂白法…37
「ホーム・ホワイトニング」のアドバンテージ…39
「ホーム・ホワイトニング」術式…41
「ホーム・ホワイトニング」の限界と所要時間…44
ホワイトニングPR用ポスターC,D…46
超実践 ホワイトニング3 カスタム・トレー製作法…47
「カスタム・トレー」がキーポイント…47
必要な器材…47
素材の選択とトレーの形状…48
製作法…50
ホワイトニングPR用ポスターE,F…56
超実践 ホワイトニング4 プロフェッショナル・コース基礎知識…57
はじめに…57
「ホワイトニング」のキー:基剤…57
ホワイトニング効果の発現…58
口腔内における安全性…59
口腔内組織に対する影響…60
コンポジットレジンの接着性…63
歯髄に対する為害作用…64
細菌の付着量…64
「ホワイトニング」の特殊性…65
ホワイトニングPR用ポスターG,H…66
超実践 ホワイトニング5 対応法:コミュニケーション…67
コミュニケーション(治療開始前・治療中)…67
プレゼンテーション(治療開始前)…67
ベースライン(治療開始前・治療中)…68
治療効果(治療開始前・治療中)…72
不快症状の説明(治療開始前)…73
ホームケアと歯科医によるメインテナンス(治療開始前・治療完了後)…73
治療の所要期間(治療開始前)…74
治療費(治療開始前)…74
おわりに…74
超実践 ホワイトニング6 ホワイトニング最新情報…75
はじめに…75
アメリカで販売されているホワイトニング製品…75
ホワイトニング製品の選択…75
Laser Strikes Out…78
臨床現場における「ホワイトニング」のポジション…81
超実践シリーズ終了にあたり…82
歯の漂白に伴う問題点と歯の漂白によって生じる問題点とその対応
治療の先を読む…83
ホワイトニング・シェード…84
色が動く…89
ミレニアム・ホワイト…93
歯界展望連載原稿の追補…94
巻末資料 メーカー一覧…95
文献…97
Index&Glossary 索引と用語解説…99
ホワイトニングコミュニケーションツール(別冊)
インフォームド・コンセント用紙(別冊・50枚つづり)