東京下町の真ん中を流れる隅田川のほとりにリハビリテーション専門病院があります.開院以来9年間,私はこの病院の歯科に勤務していました.入院や外来で訪れる患者の7割が脳卒中です.
歯科診療室に往来する患者やその家族の方々,ときには病室や訓練室に足を運び,ときには患者宅に伺い出会ってきた人々とわれわれとの間には,悲喜こもごもの人間模様が織りなされてきました.
初めてみた脳卒中患者の口腔内は,まだ昨日のことのように目に焼き付いています.
食物がそのままの形で口腔内に貯留していたり,28本の歯の残根が増殖した歯肉に埋もれていたり,脳卒中発症以来一度も外さなかった義歯が食渣におおわれていたり….当初は,・なぜこんなになるまで放っておくんだ・・何から始めればいいんだ・と,暗中模索の毎日でした.
脳卒中患者の多くが困っているのは,脳卒中という・疾患・そのものよりも,脳卒中が残した・障害・です.発症後も患者は時を刻んでいかなくてはなりません.彼らは,自分のことなのに自分の意思が届かない,自己責任が負えない,周囲の人次第でどうにでもなってしまう,というような時間を経てきたようにみえました.
こうしたいわば・放去の時間・の中にいる患者さんに対し,・なんとかしなければ・から・なんとかいける・になったとき,脳卒中のケアにも体系立った法則があることに気付きました.
そこで,・放去の時間・を過ごした口腔をみるようになってからの9年間を・脳卒中患者の口腔ケア・という形にしてみました.
本書にはいろいろなタイプの患者さんが登場します.いままでに脳卒中患者を担当した経験のある人にとっては,何度か出会ったことのある患者さんです.これから担当していこうとする人にとっては,一度はめぐり会うだろう患者さんです.今回のこの本では,脳卒中が引き起こす障害の基礎知識から,実際の口腔ケアの行い方,さらに,いずれは在宅で過ごす患者さんのことを考え,在宅訪問して口腔ケアを行う際にまず必要とされる知識と技術を,現場での豊富な症例とエピソードをまじえ,初めての方にもわかりやすく解説してあります.臨床経験の有無にかかわらず,この一冊で脳卒中患者の口腔ケアについての考え方が整理され,対応の筋道がたつようになると思います.
昼食など満足にとれない日々の連続でしたが,一日の仕事を終えたときは,いつもからだ全体が充実感に浸っていました.それというのも今日まで私を支えてくださった歯科衛生士さんや歯科技工士さん,同僚の歯科医師の力なしには語れません.心から感謝いたします.
また,リハビリテーション医療の中で歯科がやってこれたのは医師,看護婦,各リハビリテーションスタッフ,栄養士,事務職,さらに地区の歯科医師会や医療関連施設の方々のご理解があればこそでした.
患者さんに励まされ,学んだこともしばしばでした.
私は,日々の臨床の中で,恩師やフロンティア的先人たちが築きあげてきたことを習得し,その発展型を積み重ねていくことに努めてきました.そして今度は,私が9年かけて得たものを本書で知っていただき,口腔ケアに関心のある方々にさらなる発展型を築いてもらいたいのです.
もちろん筆者も歩み続けます.
21世紀は・介護・や・ケア・に関する問題が最重要課題の一つとして扱われることでしょう.本書がそうした問題解決の一助となることを期待しています.
それでは,さっそく脳卒中患者の口腔ケアを始めましょう.
1999年8月
歯科診療室に往来する患者やその家族の方々,ときには病室や訓練室に足を運び,ときには患者宅に伺い出会ってきた人々とわれわれとの間には,悲喜こもごもの人間模様が織りなされてきました.
初めてみた脳卒中患者の口腔内は,まだ昨日のことのように目に焼き付いています.
食物がそのままの形で口腔内に貯留していたり,28本の歯の残根が増殖した歯肉に埋もれていたり,脳卒中発症以来一度も外さなかった義歯が食渣におおわれていたり….当初は,・なぜこんなになるまで放っておくんだ・・何から始めればいいんだ・と,暗中模索の毎日でした.
脳卒中患者の多くが困っているのは,脳卒中という・疾患・そのものよりも,脳卒中が残した・障害・です.発症後も患者は時を刻んでいかなくてはなりません.彼らは,自分のことなのに自分の意思が届かない,自己責任が負えない,周囲の人次第でどうにでもなってしまう,というような時間を経てきたようにみえました.
こうしたいわば・放去の時間・の中にいる患者さんに対し,・なんとかしなければ・から・なんとかいける・になったとき,脳卒中のケアにも体系立った法則があることに気付きました.
そこで,・放去の時間・を過ごした口腔をみるようになってからの9年間を・脳卒中患者の口腔ケア・という形にしてみました.
本書にはいろいろなタイプの患者さんが登場します.いままでに脳卒中患者を担当した経験のある人にとっては,何度か出会ったことのある患者さんです.これから担当していこうとする人にとっては,一度はめぐり会うだろう患者さんです.今回のこの本では,脳卒中が引き起こす障害の基礎知識から,実際の口腔ケアの行い方,さらに,いずれは在宅で過ごす患者さんのことを考え,在宅訪問して口腔ケアを行う際にまず必要とされる知識と技術を,現場での豊富な症例とエピソードをまじえ,初めての方にもわかりやすく解説してあります.臨床経験の有無にかかわらず,この一冊で脳卒中患者の口腔ケアについての考え方が整理され,対応の筋道がたつようになると思います.
昼食など満足にとれない日々の連続でしたが,一日の仕事を終えたときは,いつもからだ全体が充実感に浸っていました.それというのも今日まで私を支えてくださった歯科衛生士さんや歯科技工士さん,同僚の歯科医師の力なしには語れません.心から感謝いたします.
また,リハビリテーション医療の中で歯科がやってこれたのは医師,看護婦,各リハビリテーションスタッフ,栄養士,事務職,さらに地区の歯科医師会や医療関連施設の方々のご理解があればこそでした.
患者さんに励まされ,学んだこともしばしばでした.
私は,日々の臨床の中で,恩師やフロンティア的先人たちが築きあげてきたことを習得し,その発展型を積み重ねていくことに努めてきました.そして今度は,私が9年かけて得たものを本書で知っていただき,口腔ケアに関心のある方々にさらなる発展型を築いてもらいたいのです.
もちろん筆者も歩み続けます.
21世紀は・介護・や・ケア・に関する問題が最重要課題の一つとして扱われることでしょう.本書がそうした問題解決の一助となることを期待しています.
それでは,さっそく脳卒中患者の口腔ケアを始めましょう.
1999年8月
なぜこんなになるまで,放っておくんだ?
I編 障害をもった口腔
障害をもった口腔へのアプローチ
1 脳卒中と障害の医学
1.脳卒中と麻痺
2.脳卒中発症後に右側の上下肢が麻痺してしまった!
3.障害をもった脳卒中患者は,いかに生活すればよいのでしょうか?
2 脳卒中と口腔ケア
1.口腔についてはどうでしょうか?
2.障害をもった口腔へも,4つの側面からアプローチしてみましょう
3.口腔ケアとブラッシングは同じこと
4.脳卒中患者の口腔ケアとは?
脳卒中の分類と発生原因
1 出血性脳血管障害
1.高血圧性脳内出血
2.クモ膜下出血
3.その他の脳出血
2 閉塞性脳血管障害
1.脳梗塞
2.一過性虚血性発作
3.可逆性虚血性神経脱落症
II編 口腔ケアのための脳卒中の理解
運動障害
1 片麻痺
2 両側性片麻痺
3 交代性片麻痺
4 四肢麻痺
運動障害のまとめ
運動障害に対する一般的対応
運動障害への対応法のまとめ
知覚障害
1 知覚障害を理解するために
1.上下肢,体幹からの刺激(脊髄に接続する知覚伝導路)
2.顔面領域からの刺激(脳神経核に接続する知覚伝導路)
2 脳卒中知覚障害・3つの分類プラス1
1.脳幹部に生じた病変の場合
2.視床に生じた病変の場合
3.皮質に起きた病変の障害
4.プラス1:肩手症候群
知覚障害のまとめ
知覚障害に対する一般的対応
知覚障害への対応法のまとめ
高次脳機能障害
1 失語
1.運動性失語(ブローカ失語)
2.感覚性失語(ウェルニッケ失語)
3.伝導失語
4.健忘失語
5.全失語
失語への対応
失語への対応法のまとめ
2 失認
1.視覚失認
2.触覚失認
3.聴覚失認
4.身体失認
視空間失認への対応
失認のまとめ
3 失行
1.どうして 口を閉じてください が指示どおりできないのだろうか?―観念運動性失行
2.ふたを開けたのに,歯磨剤を使わない!―観念失行
3.毎日指導しているのに,なかなか成果が出ない―構成失行
4.着衣失行
失行への対応
失行のまとめ
4 われわれは,高次脳機能障害をどこまで知れば良いのか
失調
1 運動失調―うまくコップを口に運べない
1.共同運動障害
2.平衡障害
3.測定障害
4.振戦
5.変換運動不能
6.小脳性構音障害
失調への対応
失調のまとめ
意識障害
1 意識障害の分類
1.覚醒
2.傾眠
3.昏迷
4.昏睡
意識障害への対応
意識障害のまとめ
痴呆
1 痴呆の種類
1.脳血管性痴呆
2.アルツハイマー型痴呆
2 痴呆の症状
痴呆への対応法―デイケアとしての口腔ケア
痴呆のまとめ
摂食・嚥下障害
1 摂食・嚥下の生理と病態
1.先行期
2.準備期(咀嚼期)
3.口腔期
4.咽頭期
5.食道期
2 嚥下のメカニズム
1.嚥下反射が起きるメカニズム
2.随意的な嚥下運動を起こすメカニズム
3 摂食・嚥下障害が起きるメカニズム
1.球麻痺の症状
2.仮性球麻痺の症状
3.一側性大脳病変
4 誤嚥性肺炎
摂食・嚥下障害への対応
摂食・嚥下障害のまとめ
III編 口腔ケアの手技
機能・形態面へのアプローチ
1 口腔ケアの基礎的訓練
1.リラクセーション,マッサージ
2.口腔感覚異常の除去
3.咳嗽訓練
4.振動刺激訓練
5.顎関節可動域訓練
6.筋ストレッチ
7.咬合訓練と筋の再教育
8.筋力増強訓練
9.寒冷刺激法
10.その他の訓練と治療的アプローチ
口腔ケアにおける基礎的訓練のまとめ
2 ブラッシング
1.歯のブラッシング
2.義歯装着者のブラッシング
3.舌苔の除去
機能面へのアプローチのまとめ
能力面へのアプローチ
1 利き手交換
2 うがい
3 姿勢
4 義歯の着脱
能力面へのアプローチのまとめ
環境面のアプローチ
1 器具の工夫と応用
1.歯ブラシ
2.歯間ブラシ
3.義歯用ブラシ
4.粘膜面用ブラシ
5.歯磨剤,含嗽剤
6.義歯の保管
7.照明,鏡,音楽
2 介助者への働きかけ
環境面へのアプローチのまとめ
心理面へのアプローチ
1 脳卒中患者の心理
1.反応的心理変化
2.器質的感情障害
2 アプローチの基本姿勢
1.本人の心理的問題とアプローチ
2.家族の心理的問題とアプローチ
3.われわれの心理的問題
心理面へのアプローチのまとめ
IV編 在宅ケア
日常生活動作の中の在宅口腔ケア
急性期から慢性期への移り変わり
1 急性期担当医からの手紙
2 慢性期における評価
3 慢性期から維持期への薬
1.降圧薬
2.抗血液凝固薬
3.その他に投与されていることのある薬剤
4.合併症のための薬剤
在宅口腔ケアに必要な日常生活動作の介助
運動項目
1 移乗(ベッド,椅子,車椅子)
1.起き上がり動作
2.立ち上がり動作と移乗
2 更衣
1.上半身
2.下半身
3 移動(歩行,車椅子)
1.歩行について
2.車椅子について
4 整容
5 移乗(トイレ)
6 トイレ動作
7 排尿コントロール
8 排便コントロール
9 食事
10 移乗(浴槽)
11 清拭
認知項目
1 コミュニケーション
2 社会的交流
3 問題解決
4 記憶
5 在宅口腔ケアを開始して3カ月後の評価
在宅口腔ケアのまとめ
V編 21世紀のケアを考える
21世紀のケアを考える
1 われわれが対象とするもの
1.高齢化社会とは
2.健康相の変遷
2 サイエンスとケア
1.サイエンスとしての医療からケアとしての医療へ
2.ケアの視野にとらえるもの
3.ミクロとマクロ
3 チーム医療,そして口腔ケアのいきつく先
1.口腔ケアはしなくてけっこうです
2.連携は筆記と足
3.進歩する,立ち止まる,振り返る,戻る
4.誰と一緒に
用語解説
ワンポイント
片麻痺はどうして起こるか?(片麻痺)
交代性片麻痺はどうして起こるか?(交代性片麻痺)
閉じこめ症候群はどうして起こるか?(四肢麻痺)
麻痺と高次脳機能障害の関係(われわれは高次機能障害をどこまで知れば良いのか)
ブラッシングだけで解決されますか?(機能面へのアプローチ)
マッサージの手技(リラクセーション,マッサージ)
Spurling Test(リラクセーション,マッサージ)
廃用とは?(リラクセーション,マッサージ)
押すのは,われわれの深呼吸のリズムで行います(リラクセーション,マッサージ)
非麻痺側は健(康)側か?(リラクセーション,マッサージ)
障害児の脱感作とは意味合いが異なります(口腔感覚異常の除去)
むせたときの介助方法(咳嗽訓練)
廃用症候群とは?(振動刺激訓練)
効果の即時性と持続性(顎関節可動域訓練)
10カウントの意義(筋ストレッチ)
片側噛みの理由(咬合訓練と筋の再教育)
健側アプローチのもう1つの意義(筋力増強訓練)
訓練は何回すればよいのでしょうか?(寒冷刺激法)
ブラッシングは面倒くさい(歯のブラッシング)
脳卒中になると義歯が合わなくなる(義歯装着者のブラッシング)
舌は,全身状態を反映していることがしばしばあります(舌苔の除去)
介助磨きと仕上げ磨き(介助者への働きかけ)
介護と介助(介助者への働きかけ)
ポイントは?(慢性期から維持期への薬)
爪切り? なんで私が!(整容)
バルーンカテーテルによる尿道留置法(排尿コントロール)
自己導尿(排尿コントロール)
膀胱洗浄(排尿コントロール)
膀胱瘻(排尿コントロール)
おむつの弊害(排便コントロール)
便秘のとき(排便コントロール)
I編 障害をもった口腔
障害をもった口腔へのアプローチ
1 脳卒中と障害の医学
1.脳卒中と麻痺
2.脳卒中発症後に右側の上下肢が麻痺してしまった!
3.障害をもった脳卒中患者は,いかに生活すればよいのでしょうか?
2 脳卒中と口腔ケア
1.口腔についてはどうでしょうか?
2.障害をもった口腔へも,4つの側面からアプローチしてみましょう
3.口腔ケアとブラッシングは同じこと
4.脳卒中患者の口腔ケアとは?
脳卒中の分類と発生原因
1 出血性脳血管障害
1.高血圧性脳内出血
2.クモ膜下出血
3.その他の脳出血
2 閉塞性脳血管障害
1.脳梗塞
2.一過性虚血性発作
3.可逆性虚血性神経脱落症
II編 口腔ケアのための脳卒中の理解
運動障害
1 片麻痺
2 両側性片麻痺
3 交代性片麻痺
4 四肢麻痺
運動障害のまとめ
運動障害に対する一般的対応
運動障害への対応法のまとめ
知覚障害
1 知覚障害を理解するために
1.上下肢,体幹からの刺激(脊髄に接続する知覚伝導路)
2.顔面領域からの刺激(脳神経核に接続する知覚伝導路)
2 脳卒中知覚障害・3つの分類プラス1
1.脳幹部に生じた病変の場合
2.視床に生じた病変の場合
3.皮質に起きた病変の障害
4.プラス1:肩手症候群
知覚障害のまとめ
知覚障害に対する一般的対応
知覚障害への対応法のまとめ
高次脳機能障害
1 失語
1.運動性失語(ブローカ失語)
2.感覚性失語(ウェルニッケ失語)
3.伝導失語
4.健忘失語
5.全失語
失語への対応
失語への対応法のまとめ
2 失認
1.視覚失認
2.触覚失認
3.聴覚失認
4.身体失認
視空間失認への対応
失認のまとめ
3 失行
1.どうして 口を閉じてください が指示どおりできないのだろうか?―観念運動性失行
2.ふたを開けたのに,歯磨剤を使わない!―観念失行
3.毎日指導しているのに,なかなか成果が出ない―構成失行
4.着衣失行
失行への対応
失行のまとめ
4 われわれは,高次脳機能障害をどこまで知れば良いのか
失調
1 運動失調―うまくコップを口に運べない
1.共同運動障害
2.平衡障害
3.測定障害
4.振戦
5.変換運動不能
6.小脳性構音障害
失調への対応
失調のまとめ
意識障害
1 意識障害の分類
1.覚醒
2.傾眠
3.昏迷
4.昏睡
意識障害への対応
意識障害のまとめ
痴呆
1 痴呆の種類
1.脳血管性痴呆
2.アルツハイマー型痴呆
2 痴呆の症状
痴呆への対応法―デイケアとしての口腔ケア
痴呆のまとめ
摂食・嚥下障害
1 摂食・嚥下の生理と病態
1.先行期
2.準備期(咀嚼期)
3.口腔期
4.咽頭期
5.食道期
2 嚥下のメカニズム
1.嚥下反射が起きるメカニズム
2.随意的な嚥下運動を起こすメカニズム
3 摂食・嚥下障害が起きるメカニズム
1.球麻痺の症状
2.仮性球麻痺の症状
3.一側性大脳病変
4 誤嚥性肺炎
摂食・嚥下障害への対応
摂食・嚥下障害のまとめ
III編 口腔ケアの手技
機能・形態面へのアプローチ
1 口腔ケアの基礎的訓練
1.リラクセーション,マッサージ
2.口腔感覚異常の除去
3.咳嗽訓練
4.振動刺激訓練
5.顎関節可動域訓練
6.筋ストレッチ
7.咬合訓練と筋の再教育
8.筋力増強訓練
9.寒冷刺激法
10.その他の訓練と治療的アプローチ
口腔ケアにおける基礎的訓練のまとめ
2 ブラッシング
1.歯のブラッシング
2.義歯装着者のブラッシング
3.舌苔の除去
機能面へのアプローチのまとめ
能力面へのアプローチ
1 利き手交換
2 うがい
3 姿勢
4 義歯の着脱
能力面へのアプローチのまとめ
環境面のアプローチ
1 器具の工夫と応用
1.歯ブラシ
2.歯間ブラシ
3.義歯用ブラシ
4.粘膜面用ブラシ
5.歯磨剤,含嗽剤
6.義歯の保管
7.照明,鏡,音楽
2 介助者への働きかけ
環境面へのアプローチのまとめ
心理面へのアプローチ
1 脳卒中患者の心理
1.反応的心理変化
2.器質的感情障害
2 アプローチの基本姿勢
1.本人の心理的問題とアプローチ
2.家族の心理的問題とアプローチ
3.われわれの心理的問題
心理面へのアプローチのまとめ
IV編 在宅ケア
日常生活動作の中の在宅口腔ケア
急性期から慢性期への移り変わり
1 急性期担当医からの手紙
2 慢性期における評価
3 慢性期から維持期への薬
1.降圧薬
2.抗血液凝固薬
3.その他に投与されていることのある薬剤
4.合併症のための薬剤
在宅口腔ケアに必要な日常生活動作の介助
運動項目
1 移乗(ベッド,椅子,車椅子)
1.起き上がり動作
2.立ち上がり動作と移乗
2 更衣
1.上半身
2.下半身
3 移動(歩行,車椅子)
1.歩行について
2.車椅子について
4 整容
5 移乗(トイレ)
6 トイレ動作
7 排尿コントロール
8 排便コントロール
9 食事
10 移乗(浴槽)
11 清拭
認知項目
1 コミュニケーション
2 社会的交流
3 問題解決
4 記憶
5 在宅口腔ケアを開始して3カ月後の評価
在宅口腔ケアのまとめ
V編 21世紀のケアを考える
21世紀のケアを考える
1 われわれが対象とするもの
1.高齢化社会とは
2.健康相の変遷
2 サイエンスとケア
1.サイエンスとしての医療からケアとしての医療へ
2.ケアの視野にとらえるもの
3.ミクロとマクロ
3 チーム医療,そして口腔ケアのいきつく先
1.口腔ケアはしなくてけっこうです
2.連携は筆記と足
3.進歩する,立ち止まる,振り返る,戻る
4.誰と一緒に
用語解説
ワンポイント
片麻痺はどうして起こるか?(片麻痺)
交代性片麻痺はどうして起こるか?(交代性片麻痺)
閉じこめ症候群はどうして起こるか?(四肢麻痺)
麻痺と高次脳機能障害の関係(われわれは高次機能障害をどこまで知れば良いのか)
ブラッシングだけで解決されますか?(機能面へのアプローチ)
マッサージの手技(リラクセーション,マッサージ)
Spurling Test(リラクセーション,マッサージ)
廃用とは?(リラクセーション,マッサージ)
押すのは,われわれの深呼吸のリズムで行います(リラクセーション,マッサージ)
非麻痺側は健(康)側か?(リラクセーション,マッサージ)
障害児の脱感作とは意味合いが異なります(口腔感覚異常の除去)
むせたときの介助方法(咳嗽訓練)
廃用症候群とは?(振動刺激訓練)
効果の即時性と持続性(顎関節可動域訓練)
10カウントの意義(筋ストレッチ)
片側噛みの理由(咬合訓練と筋の再教育)
健側アプローチのもう1つの意義(筋力増強訓練)
訓練は何回すればよいのでしょうか?(寒冷刺激法)
ブラッシングは面倒くさい(歯のブラッシング)
脳卒中になると義歯が合わなくなる(義歯装着者のブラッシング)
舌は,全身状態を反映していることがしばしばあります(舌苔の除去)
介助磨きと仕上げ磨き(介助者への働きかけ)
介護と介助(介助者への働きかけ)
ポイントは?(慢性期から維持期への薬)
爪切り? なんで私が!(整容)
バルーンカテーテルによる尿道留置法(排尿コントロール)
自己導尿(排尿コントロール)
膀胱洗浄(排尿コントロール)
膀胱瘻(排尿コントロール)
おむつの弊害(排便コントロール)
便秘のとき(排便コントロール)