序文
私が本書を書きはじめようとしたのは,青山の歯科医院に勤務をしていたときのことです.
当時,青山という場所柄,外国人の患者さんが他の歯科医院に比べて多く,彼らは自分の症状を一生懸命に伝えようとしているのですが,受け入れ側の歯科医も歯科衛生士も誰も的確な英語が話せないという場面がしばしばありました.そのようなおり“こんなときに必要な参考書的な本がないかしら”と思ったのが,執筆のきっかけです.
外国人と街中ですれ違うことが日常的になってきているのが,国際化時代にある現在のわが日本です.外国人患者にわかりやすく歯科治療の説明をし,また歯の健康について相談に応じることができるようにと,本書ではいろいろな場面を考えて,実際の現場で役に立つような内容にしました.
英語以外の言葉を話す外国人のことも考慮し,本書のメインとなる ・患者の主訴(2) の部分は,英語以外に,ドイツ語,フランス語,イタリア語,中国語と5カ国の言葉を取り上げてあります.
21世紀に向けて,ますます医療従事者も英語で患者と接っする機会はふえるでしょう.そのようなときに,本書を皆様の身近に置かれ,いつでも必要なときに取り出して活用していただければ幸いです.
1994年2月 齋藤由城
監修者序
英会話というと急性言語障害に陥ってしまう私が,形のうえでも監修という役目をお引き受けしたのは,著者の齋藤由城さんが衛生士という現場経験を通して執筆に至ったその動機に共感したからである.もとより内容について言及する立場になく,本を作るということにささやかな経験があったので,その面からこのようなユニークな本作りに何かお役に立てれば,と考えたのが第二の動機である.
本文のチェックに関しては,ロンドン滞在中のMrs.Miyamotoという強力な助っ人の存在が極めて大きい.もともと英語が堪能だった彼女が本場イギリスでますます磨きをかけ,細かいニュアンスの違いまで指摘して下さった.さらにその友人のMr.& Mrs.Mackisonが隅々まで目を通して下さったため,ケンブリッジ大学仕込みのQueen's Englishによって完成度がいや増した.
つまり,事実上の監修はこの3人の方々にして頂いたのである.誠にもって感謝の言葉もない.著者の意向や日本における外国人の出自から,多少の改変がなされ,今般上梓の運びとなった.
本書の特徴は,なるべく短文で意思を伝えあおうとするところにある.“はじめに言葉ありき”で,面倒なことは極力避けてある.実用一点張りなので,ストーリーとして途切れてしまうところもあるが,どうかご寛容いただきたい.
もう一つの特徴は,“患者の主訴”の項に英語以外の言語も併記したことである.国際化が進むなか,英語だけでは通用しないかもしれない.そのときには,この本を開いて,患者さんの前にさっと差し出して,指さしてもらおうという,著者および編集者の優しい配慮である.
なお,ドイツ語についてはウィーン大学のDr.Ales Celarに,中国語については台湾出身の留学生梁峻源先生にお世話になった.
このように多くの人々にご協力をいただきながら,私のほうの忙しさに紛れ,出版が大幅に遅れたことを著者におわびするとともに,構成から各章のカットに至るまでご尽力をいただいた医歯薬出版に深甚の感謝を申し上げる.
1994年2月 鈴木祥井
私が本書を書きはじめようとしたのは,青山の歯科医院に勤務をしていたときのことです.
当時,青山という場所柄,外国人の患者さんが他の歯科医院に比べて多く,彼らは自分の症状を一生懸命に伝えようとしているのですが,受け入れ側の歯科医も歯科衛生士も誰も的確な英語が話せないという場面がしばしばありました.そのようなおり“こんなときに必要な参考書的な本がないかしら”と思ったのが,執筆のきっかけです.
外国人と街中ですれ違うことが日常的になってきているのが,国際化時代にある現在のわが日本です.外国人患者にわかりやすく歯科治療の説明をし,また歯の健康について相談に応じることができるようにと,本書ではいろいろな場面を考えて,実際の現場で役に立つような内容にしました.
英語以外の言葉を話す外国人のことも考慮し,本書のメインとなる ・患者の主訴(2) の部分は,英語以外に,ドイツ語,フランス語,イタリア語,中国語と5カ国の言葉を取り上げてあります.
21世紀に向けて,ますます医療従事者も英語で患者と接っする機会はふえるでしょう.そのようなときに,本書を皆様の身近に置かれ,いつでも必要なときに取り出して活用していただければ幸いです.
1994年2月 齋藤由城
監修者序
英会話というと急性言語障害に陥ってしまう私が,形のうえでも監修という役目をお引き受けしたのは,著者の齋藤由城さんが衛生士という現場経験を通して執筆に至ったその動機に共感したからである.もとより内容について言及する立場になく,本を作るということにささやかな経験があったので,その面からこのようなユニークな本作りに何かお役に立てれば,と考えたのが第二の動機である.
本文のチェックに関しては,ロンドン滞在中のMrs.Miyamotoという強力な助っ人の存在が極めて大きい.もともと英語が堪能だった彼女が本場イギリスでますます磨きをかけ,細かいニュアンスの違いまで指摘して下さった.さらにその友人のMr.& Mrs.Mackisonが隅々まで目を通して下さったため,ケンブリッジ大学仕込みのQueen's Englishによって完成度がいや増した.
つまり,事実上の監修はこの3人の方々にして頂いたのである.誠にもって感謝の言葉もない.著者の意向や日本における外国人の出自から,多少の改変がなされ,今般上梓の運びとなった.
本書の特徴は,なるべく短文で意思を伝えあおうとするところにある.“はじめに言葉ありき”で,面倒なことは極力避けてある.実用一点張りなので,ストーリーとして途切れてしまうところもあるが,どうかご寛容いただきたい.
もう一つの特徴は,“患者の主訴”の項に英語以外の言語も併記したことである.国際化が進むなか,英語だけでは通用しないかもしれない.そのときには,この本を開いて,患者さんの前にさっと差し出して,指さしてもらおうという,著者および編集者の優しい配慮である.
なお,ドイツ語についてはウィーン大学のDr.Ales Celarに,中国語については台湾出身の留学生梁峻源先生にお世話になった.
このように多くの人々にご協力をいただきながら,私のほうの忙しさに紛れ,出版が大幅に遅れたことを著者におわびするとともに,構成から各章のカットに至るまでご尽力をいただいた医歯薬出版に深甚の感謝を申し上げる.
1994年2月 鈴木祥井
1.初めての受診……2
1.受付……2
2.治療が終わってから……6
2.2度目の来院……10
3.治療室とのやりとり……14
4.予診……16
5.X線検査……26
6.患者の主訴……30
7.保存修復……40
1.窩洞形成,印象採得……40
2.インレー装着……44
3.深い齲窩……46
4.再装着……48
5.形成充填……48
6.二次齲蝕……52
8.歯内療法……56
1.抜髄……56
2.根管治療……60
3.根管充填……64
9.歯周療法……66
10.歯冠補綴……70
1.支台前準備……70
2.支台形成……72
3.ブリッジ……76
4.陶材冠……78
5.インプラント……80
11.印象採得……86
12.口腔外科……88
1.智歯周囲炎……88
2.外傷……90
3.抜歯……92
4.専門医依頼……94
13.小児歯科……96
1.レジン充填……96
2.乳歯抜去……98
14.保健指導……100
15.矯正相談……102
16.刷掃指導……112
1.歯石除去……112
2.歯肉マッサージ……114
3.ブラッシング……116
17.技工士とのやりとり……120
18.電話応対……122
19.材料注文……128
20.面接……130
付録
受付予診録……138
歯磨きアンケート……140
他の矯正医への紹介状……142
注意……144
定期検診のご案内……146
処方せんの受け渡し……148
領収書……149
紹介状……150
・歯科医療におけるエイズの基礎知識
(1) エイズとは……28
(2) エイズウイルスのいる所……29
(3) エイズの症状……50
(4) エイズ心得帖……54
(5) 滅菌……84
(6) 消毒……85
(7) エイズ検査……94
(8) エイズ予防策……126
1.受付……2
2.治療が終わってから……6
2.2度目の来院……10
3.治療室とのやりとり……14
4.予診……16
5.X線検査……26
6.患者の主訴……30
7.保存修復……40
1.窩洞形成,印象採得……40
2.インレー装着……44
3.深い齲窩……46
4.再装着……48
5.形成充填……48
6.二次齲蝕……52
8.歯内療法……56
1.抜髄……56
2.根管治療……60
3.根管充填……64
9.歯周療法……66
10.歯冠補綴……70
1.支台前準備……70
2.支台形成……72
3.ブリッジ……76
4.陶材冠……78
5.インプラント……80
11.印象採得……86
12.口腔外科……88
1.智歯周囲炎……88
2.外傷……90
3.抜歯……92
4.専門医依頼……94
13.小児歯科……96
1.レジン充填……96
2.乳歯抜去……98
14.保健指導……100
15.矯正相談……102
16.刷掃指導……112
1.歯石除去……112
2.歯肉マッサージ……114
3.ブラッシング……116
17.技工士とのやりとり……120
18.電話応対……122
19.材料注文……128
20.面接……130
付録
受付予診録……138
歯磨きアンケート……140
他の矯正医への紹介状……142
注意……144
定期検診のご案内……146
処方せんの受け渡し……148
領収書……149
紹介状……150
・歯科医療におけるエイズの基礎知識
(1) エイズとは……28
(2) エイズウイルスのいる所……29
(3) エイズの症状……50
(4) エイズ心得帖……54
(5) 滅菌……84
(6) 消毒……85
(7) エイズ検査……94
(8) エイズ予防策……126