序
筆者が初めてサマリウム・コバルト磁石に巡り合ったのは1976年の暮れであった.ある人が持ち込んだ2mm角くらいのものであったが,“おっ,これは……”という手ごたえを今でも鮮明に覚えている.小さなサイズで指先でつまみにくいものであったからなおのこと,一対の磁石を引き離すのにものすごい力を必要とするような一種の錯覚も加わって,希土類磁石で誰でも一度は経験する,あの驚異であった.以来その魅力にとりつかれ,ちょうどそのころ志を立てた今の自分の専門分野である,顎顔面補綴の症例に思いつくまま使ってみた.成功もあり失敗もありで,多くの方々のお知恵を拝借しつつ,全くの試行錯誤であった.あれからはや十数年,いくつかの手作りの磁性アタッチメントを試作しながら,あっという間に時が流れた.1989年に,それまで難問とされてきた磁石の防錆対策やアタッチメントの高性能化など多くの課題に決着をつけ,ようやく人様にお薦めできるような磁性アタッチメントが完成した.厚生省の医療用具としての認可を得るのにそれから2年間を費やしたが,ついに今年の7月にわれわれの磁性アタッチメントを市場に出すことができた.
磁性アタッチメントは多くの点で未知数であり,その総合的評価は今後にまつしかない.しかし,それは義歯の基本形態を変えうる大きな可能性を秘めた未知数でもある.
1991年暮れ,東京医科歯科大学の藍 稔教授のご尽力で日本磁気歯科学会が発足した.この多分野に及ぶ磁石の臨床応用について,学際的な意見交換を行おうとするものである.そしてまた,わが国でも複数の磁性アタッチメントが製品として市販される状況となった.すなわち,今やわが国でも,磁石の歯科臨床応用への幕開けを迎えたわけである.しかし,現在われわれの手元にこの歯科用磁性アタッチメントを扱った成書は皆無である.多くの臨床家がこの新しい範疇の維持装置を活用しようとするには,やはり,なんらかの手引書が必要となろう.浅学非才も顧みず,いまだ世界でも先例のない書を世に出すに当たっては,それなりに恥を凌ぐ覚悟である.
われわれ歯科医も含め,一般の人の磁石に関する知識は貧弱である.磁石がきわめて身近なものであるだけに,これは意外というほかはない.当初“磁石を磁路も考えずにそのまま使うなんて”などと専門家から笑われたものである.そんな自分自身の経験から,門外漢ながら可及的に磁石の基本事項も加えてみた.しかし,磁石そのものの奥の深さをみせつけられ,結局わが身の不勉強さを自覚させられたのみであった.磁気工学の専門家からみれば,吹き出したくなるような箇所もあろう.それでも本書が,読者がこの分野に興味を抱くきっかけとなりうるならば満足である.
磁性アタッチメントに対するわれわれ自身の臨床実績もいまだ不十分である.しかし,その実際の利用に関しても本書は種々お役に立てるはずである.それなりに,臨床・技工のマニュアルとして利用していただきながら,読者諸賢の幅広いご批判を賜り,この新しいシステムをより完成度の高い臨床術式としてゆくことが筆者の願いである.
磁石の世界は今やハイテクの先端技術の一翼を担う位置にある.素材そのものも日進月歩であり,それを利用しようというわれわれもいまだデータ不足である.将来になおいっそうの飛躍が期待される分野だけに,本書もあっという間に時代後れにならないとも限らない.そのときは,また大幅な改訂をお許しいただくしかない.
文字どおり,磁石の磁の字も知らないころから,数えきれないくらい多くの先輩諸氏にお教えをいただいた.まず,磁気工学の手ほどきを賜った,東京医科歯科大学の三浦維四名誉教授,名古屋大学工学部の岩間義郎名誉教授,徳島大学工学部の木内陽介教授.また,臨床応用について種々ご助言を賜った九州歯科大学の豊田静夫教授,徳島大学の坂東永一教授,東京医科歯科大学の藍 稔教授.そして,私の積年の夢を実現していただいた愛知製鋼(株) エレクトロニクス部の本蔵義信課長と荒井一生主任,それに新事業推進室の紀藤輝明部長と末松義朗主任.ここに各位のお名前を拝借し,深く感謝申し上げます.
さらに,長年にわたる筆者のわがままに対し,常に人的・経済的ご援助を快諾され,また,今この好機に本書執筆のお許しをいただき,推薦のお言葉まで頂戴した,恩師平沼謙二教授にはお礼の言葉もありません.また,磁性アタッチメント開発に多大なご協力をいただいた,愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座の各位,および愛知学院大学歯学部附属病院技工部の諸氏にも厚く御礼申し上げます.
最後に,短期間の出版という無理なお願いに全力投球していただいたわが友,医歯薬出版株式会社の牧野和彦および大城惟克両氏に心より御礼申し上げます.
This book is dedicated to my dearest wife and children,and to all the dentists who always strive for better prostheses in their daily clinical duties.
(本書をわが最愛なる家族と常によりよい義歯を求めるすべての歯科医に捧げる)
平成4年12月 田中貴信
筆者が初めてサマリウム・コバルト磁石に巡り合ったのは1976年の暮れであった.ある人が持ち込んだ2mm角くらいのものであったが,“おっ,これは……”という手ごたえを今でも鮮明に覚えている.小さなサイズで指先でつまみにくいものであったからなおのこと,一対の磁石を引き離すのにものすごい力を必要とするような一種の錯覚も加わって,希土類磁石で誰でも一度は経験する,あの驚異であった.以来その魅力にとりつかれ,ちょうどそのころ志を立てた今の自分の専門分野である,顎顔面補綴の症例に思いつくまま使ってみた.成功もあり失敗もありで,多くの方々のお知恵を拝借しつつ,全くの試行錯誤であった.あれからはや十数年,いくつかの手作りの磁性アタッチメントを試作しながら,あっという間に時が流れた.1989年に,それまで難問とされてきた磁石の防錆対策やアタッチメントの高性能化など多くの課題に決着をつけ,ようやく人様にお薦めできるような磁性アタッチメントが完成した.厚生省の医療用具としての認可を得るのにそれから2年間を費やしたが,ついに今年の7月にわれわれの磁性アタッチメントを市場に出すことができた.
磁性アタッチメントは多くの点で未知数であり,その総合的評価は今後にまつしかない.しかし,それは義歯の基本形態を変えうる大きな可能性を秘めた未知数でもある.
1991年暮れ,東京医科歯科大学の藍 稔教授のご尽力で日本磁気歯科学会が発足した.この多分野に及ぶ磁石の臨床応用について,学際的な意見交換を行おうとするものである.そしてまた,わが国でも複数の磁性アタッチメントが製品として市販される状況となった.すなわち,今やわが国でも,磁石の歯科臨床応用への幕開けを迎えたわけである.しかし,現在われわれの手元にこの歯科用磁性アタッチメントを扱った成書は皆無である.多くの臨床家がこの新しい範疇の維持装置を活用しようとするには,やはり,なんらかの手引書が必要となろう.浅学非才も顧みず,いまだ世界でも先例のない書を世に出すに当たっては,それなりに恥を凌ぐ覚悟である.
われわれ歯科医も含め,一般の人の磁石に関する知識は貧弱である.磁石がきわめて身近なものであるだけに,これは意外というほかはない.当初“磁石を磁路も考えずにそのまま使うなんて”などと専門家から笑われたものである.そんな自分自身の経験から,門外漢ながら可及的に磁石の基本事項も加えてみた.しかし,磁石そのものの奥の深さをみせつけられ,結局わが身の不勉強さを自覚させられたのみであった.磁気工学の専門家からみれば,吹き出したくなるような箇所もあろう.それでも本書が,読者がこの分野に興味を抱くきっかけとなりうるならば満足である.
磁性アタッチメントに対するわれわれ自身の臨床実績もいまだ不十分である.しかし,その実際の利用に関しても本書は種々お役に立てるはずである.それなりに,臨床・技工のマニュアルとして利用していただきながら,読者諸賢の幅広いご批判を賜り,この新しいシステムをより完成度の高い臨床術式としてゆくことが筆者の願いである.
磁石の世界は今やハイテクの先端技術の一翼を担う位置にある.素材そのものも日進月歩であり,それを利用しようというわれわれもいまだデータ不足である.将来になおいっそうの飛躍が期待される分野だけに,本書もあっという間に時代後れにならないとも限らない.そのときは,また大幅な改訂をお許しいただくしかない.
文字どおり,磁石の磁の字も知らないころから,数えきれないくらい多くの先輩諸氏にお教えをいただいた.まず,磁気工学の手ほどきを賜った,東京医科歯科大学の三浦維四名誉教授,名古屋大学工学部の岩間義郎名誉教授,徳島大学工学部の木内陽介教授.また,臨床応用について種々ご助言を賜った九州歯科大学の豊田静夫教授,徳島大学の坂東永一教授,東京医科歯科大学の藍 稔教授.そして,私の積年の夢を実現していただいた愛知製鋼(株) エレクトロニクス部の本蔵義信課長と荒井一生主任,それに新事業推進室の紀藤輝明部長と末松義朗主任.ここに各位のお名前を拝借し,深く感謝申し上げます.
さらに,長年にわたる筆者のわがままに対し,常に人的・経済的ご援助を快諾され,また,今この好機に本書執筆のお許しをいただき,推薦のお言葉まで頂戴した,恩師平沼謙二教授にはお礼の言葉もありません.また,磁性アタッチメント開発に多大なご協力をいただいた,愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座の各位,および愛知学院大学歯学部附属病院技工部の諸氏にも厚く御礼申し上げます.
最後に,短期間の出版という無理なお願いに全力投球していただいたわが友,医歯薬出版株式会社の牧野和彦および大城惟克両氏に心より御礼申し上げます.
This book is dedicated to my dearest wife and children,and to all the dentists who always strive for better prostheses in their daily clinical duties.
(本書をわが最愛なる家族と常によりよい義歯を求めるすべての歯科医に捧げる)
平成4年12月 田中貴信
基礎編
1 磁気と磁石……3
1 磁石の歴史と日常生活での磁石……3
2 磁石に関する基本事項……4
1)物質の磁気の起源……4
2)永久磁石とその基本特性……6
3)磁石に関する基本用語と単位……7
3 永久磁石の種類……11
1)KS鋼とMK鋼……12
2)アルニコ磁石……12
3)フェライト磁石……12
4)白金磁石……12
5)希土類磁石……12
4 希土類磁石……12
1)希土類とは……12
2)希土類磁石の発明……13
3)希土類磁石はなぜ強力か……14
4)希土類磁石の組成と製造法……14
5)希土類磁石の特徴……15
6)希土類磁石の性能……15
2 磁石の歯科臨床への応用……18
1 基本的考え……18
1)磁石の顎骨内インプラント法……18
2)反発力を利用する方法……19
3)支台歯への利用……19
4)分割義歯205) 歯科矯正での利用……20
6)診断器機への利用……20
2 顎顔面補綴分野での活用……20
1)分割顎義歯……20
2)エピテーゼ……23
3)放射線治療補助装置……24
3 義歯の維持装置としての希土類磁石の有用性……25
4 歯科臨床利用における希土類磁石の問題点……25
1)腐食……25
2)脆弱……26
3)吸引力……27
4)温度特性……27
3 磁性アタッチメント……29
1 磁石から磁性アタッチメントへ……29
2 磁性アタッチメントとは……29
1)定義……29
2)原理……30
3)基本形態……31
4)材料……31
3 磁性アタッチメントの要件……32
4 磁気回路……33
1)開磁路……33
2)閉磁路 34
5 従来の維持装置の問題点……36
1)機能的な不安定さ……36
2)使用に伴う変化……37
3)作業の煩雑さ……37
6 磁性アタッチメントの利点……37
7 磁性アタッチメント利用の現状……37
4 磁場解析……40
1 目的……40
2 三次元磁場解析の意義……40
3 解析要領……41
4 磁気回路の比較……42
1)基本磁気回路……42
2)最適形状の追求……43
5 アタッチメント構成要素の形態と材料……44
1)磁石とヨーク材料 44
2)キーパーと磁石の厚さの影響 44
6 磁場解析に関する問題点……45
5 サンドイッチ型磁性アタッチメント……46
1 形態と構造……46
1)磁石構造体……47
2)キーパー47
2 構成材料……48
1)磁石……48
2)磁性ステンレス鋼……49
3)非磁性ステンレス鋼……50
3 レーザー溶接……50
4 維持力 51
5 物理・化学的特性……51
1)圧縮強度……51
2)耐摩耗性……52
3)性能安定性……52
4)耐食性……52
6 生物学的安全性……53
1)動物実験……53
2)漏洩磁場……54
7 付属品……55
1)石膏ダミー55
2)診断用ゲージ……55
3)キーパーキャリヤー55
8 マグフィット……40057
6 各国の磁性アタッチメント……59
1 市販の磁性アタッチメント……59
1)GillingsのSplit Pole System……59
2)ParkellのMagnet System(DynaのMagnedent) 60
3)JacksonのRare Earth Attachment……61
4)ShinerのStress Directing Magnet System 62
5)IglooのMagnetic System 64
6)CEMAG 64
7)Zest Magnet Anchor 65
8)HICOLEX MD,キーパーMK 66
9)マグフィット600……66
2 各種アタッチメントの比較 66
1)形態……66
2)維持装置としての性能……68
3)漏洩磁場……68
4)腐食……70
7 生体と磁場……71
1 概要 71
2 磁場の種類……71
1)時間的変動に基づく分類 71
2)空間的分布に基づく分類……72
3 磁場の生体に対する影響の可能性……72
1)物理学的原理……72
2)具体的事項……73
4 安全基準……73
5 磁性アタッチメントの影響 74
臨床編
8磁性アタッチメントの適応症……79
1 基本的な適応症……79
2 具体的な利用法……80
3 義歯に関する臨床要件……80
4 支台歯選択に関する具体的臨床要件……80
1)支台歯の数と配置 81
2)支台歯の骨植状態 81
3)垂直的スペース 81
4)歯種……82
5)有髄歯への適用……83
5 特殊な利用法……83
1)歯根の挺出……83
2)咬合床の維持 84
6 禁忌症……84
9 磁性アタッチメントの力学……86
1 垂直方向の力……86
1)磁石構造体とキーパーとの間……86
2)維持力の動態……86
3)維持力の変化……87
4)アタッチメントの設置方向と維持力……87
5)支持効果……89
2 側方力に対する動態 89
3 義歯の傾斜……90
4 機能性を重視した磁性アタッチメント義歯……91
1)根面板形態の工夫 91
2)アタッチメントの倒立利用法……92
3)ガイドプレーンの活用……93
10 基本術式……94
1 設計……94
1)義歯床 94
2)アタッチメントの位置決め……95
3)他の維持装置との併用……95
4)補助機構の適用……95
2 前処置……95
3 基本手順……95
症例1 並行法による診療および技工術式……97
1)支台歯形成……97
2)印象採得および作業模型の製作……98
3)蝋義歯の製作……98
4)根面板の蝋型採得……98
5)キーパーの鋳接……99
6)義歯製作……99
7)磁石構造体の義歯床への結合……101
症例2 キーパー先行法 103
1)根面板の製作……104
2)義歯床の製作……106
3)義歯装着……109
症例3 義歯先行法……109
1)義歯床製作……110
2)支台歯の処置と根面板の製作……110
3)義歯床の調整と磁石構造体の結合……111
11 臨床・技工操作上の留意点……113
1 根面板の製作 113
1)蝋型採得……113
2)鋳造……113
3)酸浴……113
4)鋳接法の利害……116
2 磁石構造体の取り扱い……117
1)キャップの損傷……117
2)接合面の損傷……117
3)加熱……117
4)磁石構造体の方向性……118
3 磁石構造体の義歯床への結合……118
1)各種歯科用接着剤による結合力……118
2)床穿孔法……119
3)結合時期……120
12 臨床例……122
症例 1 上下顎のオーバーデンチャー 122
症例 2 1歯残存症例……124
症例 3 無口蓋義歯とパーシャルデンチャー症例……126
症例 4 無口蓋義歯とパーシャルデンチャー症例……128
症例 5 暫間処置として旧義歯を利用した症例……130
症例 6 間接維持装置を考慮したもの……132
症例 7 上下パーシャルデンチャーの症例……134
症例 8 Iバークラスプとの併用例……136
症例 9 可撤性ブリッジ……138
症例10 旧義歯の修理として磁性アタッチメント追加例……140
症例11 有髄歯の症例……143
症例12 磁性アタッチメントのみで対処した片側義歯……147
症例13 即時義歯としての義歯先行法 152
症例14 コーヌスクローネとの併用例……156
症例15 コーヌスクローネとの併用例……158
症例16 コーヌスクローネの事故処理として利用したもの……160
症例17 顎義歯への応用……162
症例18 インプラント義歯……164
症例19 暫間キャップへの応用……166
症例20 歯根の挺出……167
13 臨床経験の概況……171
1 補綴物の種類 171
2 歯種別使用度……172
3 臨床的評価と予後経過……172
1)磁性アタッチメントを適用した維持歯の健康状態……172
2)総合評価……173
4 トラブル……175
1)スペース不足……176
2)キーパー腐食……176
3)人工歯脱落と義歯床破折……177
4)根面板脱離……177
5)支台歯の抜去……178
6)磁石構造体脱離……179
7)MRI……179
14 磁性アタッチメント義歯装着後の留意点……182
1 支台歯の管理 182
2 患者自身による義歯の管理……183
3 義歯床の調整 184
4 義歯洗浄剤の影響……184
1)実験方法……184
2)実験結果……185
5 MRIへの影響……186
1)MRIの原理と特徴 186
2)磁性アタッチメントとの関係 187
3)対応策……187
6 MKG 188
1)MKGの原理……188
2)計測への影響……189
7 心臓ペースメーカー190
1)ペースメーカーの概要……190
2)磁気との関係……190
3)磁性アタッチメントの影響……191
15 歯科矯正治療での磁石の利用……193
1 各種の応用例 193
1)マグネティックブラケット……193
2)Bleckmanのシステム……194
3)MDS 194
4)AVC 195
2 磁石利用による矯正治療の特長 195
1)荷重の動態 195
2)その他の利点 195
3 現時点での問題点……196
4 磁性アタッチメントとの関係……196
5 臨床例 197
索引……201
1 磁気と磁石……3
1 磁石の歴史と日常生活での磁石……3
2 磁石に関する基本事項……4
1)物質の磁気の起源……4
2)永久磁石とその基本特性……6
3)磁石に関する基本用語と単位……7
3 永久磁石の種類……11
1)KS鋼とMK鋼……12
2)アルニコ磁石……12
3)フェライト磁石……12
4)白金磁石……12
5)希土類磁石……12
4 希土類磁石……12
1)希土類とは……12
2)希土類磁石の発明……13
3)希土類磁石はなぜ強力か……14
4)希土類磁石の組成と製造法……14
5)希土類磁石の特徴……15
6)希土類磁石の性能……15
2 磁石の歯科臨床への応用……18
1 基本的考え……18
1)磁石の顎骨内インプラント法……18
2)反発力を利用する方法……19
3)支台歯への利用……19
4)分割義歯205) 歯科矯正での利用……20
6)診断器機への利用……20
2 顎顔面補綴分野での活用……20
1)分割顎義歯……20
2)エピテーゼ……23
3)放射線治療補助装置……24
3 義歯の維持装置としての希土類磁石の有用性……25
4 歯科臨床利用における希土類磁石の問題点……25
1)腐食……25
2)脆弱……26
3)吸引力……27
4)温度特性……27
3 磁性アタッチメント……29
1 磁石から磁性アタッチメントへ……29
2 磁性アタッチメントとは……29
1)定義……29
2)原理……30
3)基本形態……31
4)材料……31
3 磁性アタッチメントの要件……32
4 磁気回路……33
1)開磁路……33
2)閉磁路 34
5 従来の維持装置の問題点……36
1)機能的な不安定さ……36
2)使用に伴う変化……37
3)作業の煩雑さ……37
6 磁性アタッチメントの利点……37
7 磁性アタッチメント利用の現状……37
4 磁場解析……40
1 目的……40
2 三次元磁場解析の意義……40
3 解析要領……41
4 磁気回路の比較……42
1)基本磁気回路……42
2)最適形状の追求……43
5 アタッチメント構成要素の形態と材料……44
1)磁石とヨーク材料 44
2)キーパーと磁石の厚さの影響 44
6 磁場解析に関する問題点……45
5 サンドイッチ型磁性アタッチメント……46
1 形態と構造……46
1)磁石構造体……47
2)キーパー47
2 構成材料……48
1)磁石……48
2)磁性ステンレス鋼……49
3)非磁性ステンレス鋼……50
3 レーザー溶接……50
4 維持力 51
5 物理・化学的特性……51
1)圧縮強度……51
2)耐摩耗性……52
3)性能安定性……52
4)耐食性……52
6 生物学的安全性……53
1)動物実験……53
2)漏洩磁場……54
7 付属品……55
1)石膏ダミー55
2)診断用ゲージ……55
3)キーパーキャリヤー55
8 マグフィット……40057
6 各国の磁性アタッチメント……59
1 市販の磁性アタッチメント……59
1)GillingsのSplit Pole System……59
2)ParkellのMagnet System(DynaのMagnedent) 60
3)JacksonのRare Earth Attachment……61
4)ShinerのStress Directing Magnet System 62
5)IglooのMagnetic System 64
6)CEMAG 64
7)Zest Magnet Anchor 65
8)HICOLEX MD,キーパーMK 66
9)マグフィット600……66
2 各種アタッチメントの比較 66
1)形態……66
2)維持装置としての性能……68
3)漏洩磁場……68
4)腐食……70
7 生体と磁場……71
1 概要 71
2 磁場の種類……71
1)時間的変動に基づく分類 71
2)空間的分布に基づく分類……72
3 磁場の生体に対する影響の可能性……72
1)物理学的原理……72
2)具体的事項……73
4 安全基準……73
5 磁性アタッチメントの影響 74
臨床編
8磁性アタッチメントの適応症……79
1 基本的な適応症……79
2 具体的な利用法……80
3 義歯に関する臨床要件……80
4 支台歯選択に関する具体的臨床要件……80
1)支台歯の数と配置 81
2)支台歯の骨植状態 81
3)垂直的スペース 81
4)歯種……82
5)有髄歯への適用……83
5 特殊な利用法……83
1)歯根の挺出……83
2)咬合床の維持 84
6 禁忌症……84
9 磁性アタッチメントの力学……86
1 垂直方向の力……86
1)磁石構造体とキーパーとの間……86
2)維持力の動態……86
3)維持力の変化……87
4)アタッチメントの設置方向と維持力……87
5)支持効果……89
2 側方力に対する動態 89
3 義歯の傾斜……90
4 機能性を重視した磁性アタッチメント義歯……91
1)根面板形態の工夫 91
2)アタッチメントの倒立利用法……92
3)ガイドプレーンの活用……93
10 基本術式……94
1 設計……94
1)義歯床 94
2)アタッチメントの位置決め……95
3)他の維持装置との併用……95
4)補助機構の適用……95
2 前処置……95
3 基本手順……95
症例1 並行法による診療および技工術式……97
1)支台歯形成……97
2)印象採得および作業模型の製作……98
3)蝋義歯の製作……98
4)根面板の蝋型採得……98
5)キーパーの鋳接……99
6)義歯製作……99
7)磁石構造体の義歯床への結合……101
症例2 キーパー先行法 103
1)根面板の製作……104
2)義歯床の製作……106
3)義歯装着……109
症例3 義歯先行法……109
1)義歯床製作……110
2)支台歯の処置と根面板の製作……110
3)義歯床の調整と磁石構造体の結合……111
11 臨床・技工操作上の留意点……113
1 根面板の製作 113
1)蝋型採得……113
2)鋳造……113
3)酸浴……113
4)鋳接法の利害……116
2 磁石構造体の取り扱い……117
1)キャップの損傷……117
2)接合面の損傷……117
3)加熱……117
4)磁石構造体の方向性……118
3 磁石構造体の義歯床への結合……118
1)各種歯科用接着剤による結合力……118
2)床穿孔法……119
3)結合時期……120
12 臨床例……122
症例 1 上下顎のオーバーデンチャー 122
症例 2 1歯残存症例……124
症例 3 無口蓋義歯とパーシャルデンチャー症例……126
症例 4 無口蓋義歯とパーシャルデンチャー症例……128
症例 5 暫間処置として旧義歯を利用した症例……130
症例 6 間接維持装置を考慮したもの……132
症例 7 上下パーシャルデンチャーの症例……134
症例 8 Iバークラスプとの併用例……136
症例 9 可撤性ブリッジ……138
症例10 旧義歯の修理として磁性アタッチメント追加例……140
症例11 有髄歯の症例……143
症例12 磁性アタッチメントのみで対処した片側義歯……147
症例13 即時義歯としての義歯先行法 152
症例14 コーヌスクローネとの併用例……156
症例15 コーヌスクローネとの併用例……158
症例16 コーヌスクローネの事故処理として利用したもの……160
症例17 顎義歯への応用……162
症例18 インプラント義歯……164
症例19 暫間キャップへの応用……166
症例20 歯根の挺出……167
13 臨床経験の概況……171
1 補綴物の種類 171
2 歯種別使用度……172
3 臨床的評価と予後経過……172
1)磁性アタッチメントを適用した維持歯の健康状態……172
2)総合評価……173
4 トラブル……175
1)スペース不足……176
2)キーパー腐食……176
3)人工歯脱落と義歯床破折……177
4)根面板脱離……177
5)支台歯の抜去……178
6)磁石構造体脱離……179
7)MRI……179
14 磁性アタッチメント義歯装着後の留意点……182
1 支台歯の管理 182
2 患者自身による義歯の管理……183
3 義歯床の調整 184
4 義歯洗浄剤の影響……184
1)実験方法……184
2)実験結果……185
5 MRIへの影響……186
1)MRIの原理と特徴 186
2)磁性アタッチメントとの関係 187
3)対応策……187
6 MKG 188
1)MKGの原理……188
2)計測への影響……189
7 心臓ペースメーカー190
1)ペースメーカーの概要……190
2)磁気との関係……190
3)磁性アタッチメントの影響……191
15 歯科矯正治療での磁石の利用……193
1 各種の応用例 193
1)マグネティックブラケット……193
2)Bleckmanのシステム……194
3)MDS 194
4)AVC 195
2 磁石利用による矯正治療の特長 195
1)荷重の動態 195
2)その他の利点 195
3 現時点での問題点……196
4 磁性アタッチメントとの関係……196
5 臨床例 197
索引……201