シリーズVer.4発行にあたって
日本摂食嚥下リハビリテーション学会(以下,学会)の会員数は15,000人を超え,さらに増加を続けている.また認定士は4,000人を超え,会員のなかで認定士が占める割合も増加している.それぞれの地域のニーズに対して未だ充足しているとはいえないにしても,このような普及は世界的にも例をみない.これは日本の医療者が「食」というQOLをいかに大切に扱ってきたかを反映していると思われる.
誰でもが最初は初心者である.教育─研究─臨床実践は一体であり,知識を実践し,疑問を研究に結びつけ,その努力が新たな知識を生みだす.摂食嚥下リハビリテーションという学際科学の発展は,30年前の初心者が地道に努力を続けてきた結果であることは間違いないが,そのような臨床家が集まり知見を交換する場を提供し,さらに教育コンテンツとして誰でもがアクセスできるようにした学会の意義は大きいと考える.
本書は,学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.令和6年度のeラーニング改訂にあわせて本書も改訂されることとなり,ここに上梓されるに至った.今改訂においても新たなコンテンツの作成にあたられた方々をはじめとして関係各位に感謝申し上げる.現在の学問と臨床の水準にあわせてそれぞれのコンテンツを改訂したことに加えて,概念を整理するために内容の移動など編集にも注意を払った.今回新たに加わった項目として,「原因疾患:認知症」「コーチング」「気管カニューレ」「小児に対する画像検査の適応と実際」がある.病態を深く理解するとともに,患者・家族とのコミュニケーションを大切にして多職種協働を実践することがこの分野でも求められている.
本書の内容は,摂食嚥下リハビリテーションの実践において多職種が連携するための共通言語である.学会認定士を目指す方はもちろん,すでに専門家として活躍されている方々が,周囲のスタッフを巻き込んで連携するための教育ツールとして活用することもできるだろう.本書が患者さんのために日々努力されている臨床家や教育者の役に立つことを願っている.
令和6年11月
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
教育委員会委員長 出江紳一
シリーズVer.3発行にあたって
日本摂食嚥下リハビリテーション学会(以下,学会)の会員数は15,000人を超え,毎年1,000人以上のペースで増加している.認定士は3,000人を超える.それぞれの地域のニーズに対して未だ充足しているとはいえないにしても,このような普及は世界的にも例をみない.これは日本の医療者が「食」というQOLをいかに大切に扱ってきたかを反映していると思われる.
誰でもが最初は初心者である.教育─研究─臨床実践は一体であり,知識を実践し,疑問を研究に結びつけ,その努力が新たな知識を生みだす.摂食嚥下リハビリテーションという学際科学の発展は,30年前の初心者が地道に努力を続けてきた結果であることは間違いないが,そのような臨床家が集まり知見を交換する場を提供し,さらに教育コンテンツとして誰でもがアクセスできるようにした学会の意義は大きいと考える.
本書は,学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.令和元年度のeラーニング改訂にあわせて本書も改訂されることとなり,ここに上梓されるに至った.今改訂においても新たなコンテンツの作成にあたられた方々をはじめとして関係各位に感謝申し上げる.現在の学問と臨床の水準にあわせてそれぞれのコンテンツを改訂したことに加えて,概念を整理するために内容の移動など編集にも注意を払った.特に項目として新たにサルコペニア(第5分野)を立てたのは,高齢者の嚥下障害関連肺炎と摂食嚥下障害,およびサルコペニアの関連が注目されるとともに,その知見が集積されつつあることによる.
本書の内容は,摂食嚥下リハビリテーションの実践において多職種が連携するための共通言語である.学会認定士を目指す方はもちろん,すでに専門家として活躍されている方々が,周囲のスタッフを巻き込んで連携するための教育ツールとして活用することもできるだろう.本書が患者さんのために日々努力されている臨床家や教育者の役に立つことを願っている.
令和2年5月
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
教育委員会委員長 出江紳一
シリーズVer.2発行にあたって
本書は,日本摂食嚥下リハビリテーション学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.平成27年度のeラーニング改訂に合わせて本書も改訂されることとなり,ここに上梓されるに至った.これまで同学会認定制度の確立,eラーニングの立ち上げ,そして認定事業の継続と発展に携わってこられた関係各位に深く敬意を表する次第である.
いうまでもなく摂食嚥下リハビリテーションは多職種協同の営みであり,疾患の急性期から生活期までの,すべての時期で重要な役割を演じるだけでなく,予防的な対応を含めると,ほとんどすべての国民に関係するといっても過言ではない.学会発足から20年が過ぎ,摂食嚥下リハビリテーションは専門性を深化させてきた.その多様で広汎な知識と技術のなかから,共通の基本的な医療関連知識を明示することが,専門領域の社会的責任として求められることになる.その意味で,誰でもが入手できる本書の意義は大きい.
内容は,摂食嚥下の基本的理解,摂食嚥下障害の評価,同障害へのさまざまな対応等が網羅されており,それぞれの領域の第一人者により平易に述べられている.本書の基本的知識は日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士を目指す方はもちろん,すべての保健・医療・福祉関係者に有用であると思われる.より多くの方々が本書を参考書として摂食嚥下リハビリテーションの基本を学び,日々の実践に活かして下さることを願っている.
平成27年6月
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
教育委員会委員長 出江紳一
シリーズ刊行に寄せて(Ver.1収載)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会は,摂食・嚥下リハビリテーションにかかわる多職種が集まり,患者ニーズに対し協力的,効率的,合目的に対応を考えるというtrans disciplinaryな対応を可能とすべく,1996年9月に発足した.以来,本分野の研究,発展,普及に努めており,現在では会員数が6,000名を超えている.また,2009年8月には一般社団法人となり,急速に高まる社会的ニーズに応えるべく法人格を取得し,アイデンティファイされることとなった.
本学会は,この法人格取得と同時に認定士制度を設けた.その目的は,認定士制度規約の第1条に記されているが,「『日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士』制度は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会総則第2条『摂食・嚥下リハビリテーションの啓発と普及,その安全で効果的な実施のために貢献する』を積極的に具現化するために,摂食・嚥下リハビリテーションの基本的な事項と必要な技能を明確化し,それらの知識を習得した本学会の会員を認定することを目的とする」である.本領域の活動は,多職種が担う.そのため,摂食・嚥下リハビリテーションを行うに当たって,当該職種が知っておかなくてはならない共通の知識,そして各職種の適応と制限に関する知識を明確化しておくことは,学会の重要な責務であろう.また,そのような知識を有するものを学会が認定し,その知識レベルを保証することは大変意義深い.
この知識は,われわれの活動の基礎になるものである.そして,その学習方法の一つが,本書の骨子となるeラーニングにあたる.この概要は,インターネット上で体系的に6分野78項目に分類された最重要事項を供覧することで,上記のような共通知識の整理をはかるものである.そして,この課程を修めることが,認定士受験資格の重要な要件の一つとなる.
さらに,認定士の展開としては,認定を得たものがそれぞれの専門職種において,より専門的な知識や技能を修得できるような構造が望ましいと考えられる.例えば,この認定士資格をもつものが,高度な実習を要するセミナーに参加ができるなどである.また,関連する他の学会の学会員が,この認定士の水準を十分に備えていると認められるような場合は,申請により認定士の資格を与えるなど,関連学会と発展的な関係を築く基盤となる.
今回,ここに上記のようなeラーニング各分野の学習内容をもとに,書籍を刊行することになった.それは,eラーニング受講者の学習の便をはかるとともに,より多くの人に必要最低限の共通知識を知ってもらい,本領域がいっそう伝播することを企図したことによる.
そうして学習基盤を整理することで関係職種の多くの方が本学会へ参加できるようになり,それによって摂食・嚥下障害を有する患者の幸せに少しでも寄与することができれば,望外の喜びである.
2010年8月
一般社団法人日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
理事長 才藤栄一
緒言(Ver.1収載)
本書は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.eラーニングによる学習を支援することを目的とし,eラーニングコンテンツを踏襲した内容で構成されている.内容は豊富で網羅的なので,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員以外の方々にもおおいに参考にしていただけるものになっている.
eラーニングは,2010年7月16日に開講した.その構想は2007年に認定制を計画することが決まり,認定士としてふさわしい知識をどのように会員に伝達するかを検討する過程で始まった.当初は研修会を日本各所で開催し,これらを受講した会員が認定士試験受験資格を得るという従来型の案もあったが,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員の職種は,非常に広範囲にわたるので,共通の基本的な医療関連知識を担保する必要があった.たとえば,医療の総論的な内容やリスク管理の知識は教育環境にいる人たちにはあまり馴染みがないかもしれないが,このような知識は学会認定士にとっては必須事項になるべきである.
このような広い内容を含めると,およそ20時間に相当するセミナーが必要になる.これを研修会のスタイルで行うには,物理的,経済的に困難だった.また,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員は,少人数職場に従事しているため気軽に学会や研修会に参加しにくい環境にあることも多い.このような背景から,当時の資格制度準備委員会(現認定委員会)は,認定士試験受験資格としてのeラーニング構想を理事会に提案し,理事会において歓迎をもって受理され,学会の最重点課題の一つになった.
2008年の第14回学術大会では,総会,シンポジウムでこの構想を発表し,理解をいただいた.その後,2年の歳月を経て,何とか準備が整い,2010年7月,開講に至った.
コンテンツの作成は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士のうち資格制度準備委員会で推薦し,理事会で承認された各分野の専門家76名と認定委員20名が分業してあたった.内容に関しては,コンテンツの作成者と認定委員との間で調整を行った.この作業は困難なこともあったが,各コンテンツは工夫された.また,最初の構想では必要最低限の知識を中心に構成される予定だったが,この域を大きく超えて,非常に充実した内容になった.
実際のeラーニングをご覧いただくとわかるが,1コンテンツ10から15枚程度のスライドに,解説文が付随し,それを読み進め,最後に確認問題をして1コンテンツが終了するという構成になっている.動画なども多用してあり非常にわかりやすい内容である.しかし,一度学習が終了したあとに,再度確認したいということもあるだろうし,もう少し詳しい解説がほしいということもあるだろう.
本書はこのような要望に対応することを目的に出版された.より多くの方に,有効に活用していただけることを願っている.
2010年8月
一般社団法人日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
認定委員会委員長 馬場 尊
日本摂食嚥下リハビリテーション学会(以下,学会)の会員数は15,000人を超え,さらに増加を続けている.また認定士は4,000人を超え,会員のなかで認定士が占める割合も増加している.それぞれの地域のニーズに対して未だ充足しているとはいえないにしても,このような普及は世界的にも例をみない.これは日本の医療者が「食」というQOLをいかに大切に扱ってきたかを反映していると思われる.
誰でもが最初は初心者である.教育─研究─臨床実践は一体であり,知識を実践し,疑問を研究に結びつけ,その努力が新たな知識を生みだす.摂食嚥下リハビリテーションという学際科学の発展は,30年前の初心者が地道に努力を続けてきた結果であることは間違いないが,そのような臨床家が集まり知見を交換する場を提供し,さらに教育コンテンツとして誰でもがアクセスできるようにした学会の意義は大きいと考える.
本書は,学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.令和6年度のeラーニング改訂にあわせて本書も改訂されることとなり,ここに上梓されるに至った.今改訂においても新たなコンテンツの作成にあたられた方々をはじめとして関係各位に感謝申し上げる.現在の学問と臨床の水準にあわせてそれぞれのコンテンツを改訂したことに加えて,概念を整理するために内容の移動など編集にも注意を払った.今回新たに加わった項目として,「原因疾患:認知症」「コーチング」「気管カニューレ」「小児に対する画像検査の適応と実際」がある.病態を深く理解するとともに,患者・家族とのコミュニケーションを大切にして多職種協働を実践することがこの分野でも求められている.
本書の内容は,摂食嚥下リハビリテーションの実践において多職種が連携するための共通言語である.学会認定士を目指す方はもちろん,すでに専門家として活躍されている方々が,周囲のスタッフを巻き込んで連携するための教育ツールとして活用することもできるだろう.本書が患者さんのために日々努力されている臨床家や教育者の役に立つことを願っている.
令和6年11月
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
教育委員会委員長 出江紳一
シリーズVer.3発行にあたって
日本摂食嚥下リハビリテーション学会(以下,学会)の会員数は15,000人を超え,毎年1,000人以上のペースで増加している.認定士は3,000人を超える.それぞれの地域のニーズに対して未だ充足しているとはいえないにしても,このような普及は世界的にも例をみない.これは日本の医療者が「食」というQOLをいかに大切に扱ってきたかを反映していると思われる.
誰でもが最初は初心者である.教育─研究─臨床実践は一体であり,知識を実践し,疑問を研究に結びつけ,その努力が新たな知識を生みだす.摂食嚥下リハビリテーションという学際科学の発展は,30年前の初心者が地道に努力を続けてきた結果であることは間違いないが,そのような臨床家が集まり知見を交換する場を提供し,さらに教育コンテンツとして誰でもがアクセスできるようにした学会の意義は大きいと考える.
本書は,学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.令和元年度のeラーニング改訂にあわせて本書も改訂されることとなり,ここに上梓されるに至った.今改訂においても新たなコンテンツの作成にあたられた方々をはじめとして関係各位に感謝申し上げる.現在の学問と臨床の水準にあわせてそれぞれのコンテンツを改訂したことに加えて,概念を整理するために内容の移動など編集にも注意を払った.特に項目として新たにサルコペニア(第5分野)を立てたのは,高齢者の嚥下障害関連肺炎と摂食嚥下障害,およびサルコペニアの関連が注目されるとともに,その知見が集積されつつあることによる.
本書の内容は,摂食嚥下リハビリテーションの実践において多職種が連携するための共通言語である.学会認定士を目指す方はもちろん,すでに専門家として活躍されている方々が,周囲のスタッフを巻き込んで連携するための教育ツールとして活用することもできるだろう.本書が患者さんのために日々努力されている臨床家や教育者の役に立つことを願っている.
令和2年5月
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
教育委員会委員長 出江紳一
シリーズVer.2発行にあたって
本書は,日本摂食嚥下リハビリテーション学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.平成27年度のeラーニング改訂に合わせて本書も改訂されることとなり,ここに上梓されるに至った.これまで同学会認定制度の確立,eラーニングの立ち上げ,そして認定事業の継続と発展に携わってこられた関係各位に深く敬意を表する次第である.
いうまでもなく摂食嚥下リハビリテーションは多職種協同の営みであり,疾患の急性期から生活期までの,すべての時期で重要な役割を演じるだけでなく,予防的な対応を含めると,ほとんどすべての国民に関係するといっても過言ではない.学会発足から20年が過ぎ,摂食嚥下リハビリテーションは専門性を深化させてきた.その多様で広汎な知識と技術のなかから,共通の基本的な医療関連知識を明示することが,専門領域の社会的責任として求められることになる.その意味で,誰でもが入手できる本書の意義は大きい.
内容は,摂食嚥下の基本的理解,摂食嚥下障害の評価,同障害へのさまざまな対応等が網羅されており,それぞれの領域の第一人者により平易に述べられている.本書の基本的知識は日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士を目指す方はもちろん,すべての保健・医療・福祉関係者に有用であると思われる.より多くの方々が本書を参考書として摂食嚥下リハビリテーションの基本を学び,日々の実践に活かして下さることを願っている.
平成27年6月
一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
教育委員会委員長 出江紳一
シリーズ刊行に寄せて(Ver.1収載)
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会は,摂食・嚥下リハビリテーションにかかわる多職種が集まり,患者ニーズに対し協力的,効率的,合目的に対応を考えるというtrans disciplinaryな対応を可能とすべく,1996年9月に発足した.以来,本分野の研究,発展,普及に努めており,現在では会員数が6,000名を超えている.また,2009年8月には一般社団法人となり,急速に高まる社会的ニーズに応えるべく法人格を取得し,アイデンティファイされることとなった.
本学会は,この法人格取得と同時に認定士制度を設けた.その目的は,認定士制度規約の第1条に記されているが,「『日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士』制度は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会総則第2条『摂食・嚥下リハビリテーションの啓発と普及,その安全で効果的な実施のために貢献する』を積極的に具現化するために,摂食・嚥下リハビリテーションの基本的な事項と必要な技能を明確化し,それらの知識を習得した本学会の会員を認定することを目的とする」である.本領域の活動は,多職種が担う.そのため,摂食・嚥下リハビリテーションを行うに当たって,当該職種が知っておかなくてはならない共通の知識,そして各職種の適応と制限に関する知識を明確化しておくことは,学会の重要な責務であろう.また,そのような知識を有するものを学会が認定し,その知識レベルを保証することは大変意義深い.
この知識は,われわれの活動の基礎になるものである.そして,その学習方法の一つが,本書の骨子となるeラーニングにあたる.この概要は,インターネット上で体系的に6分野78項目に分類された最重要事項を供覧することで,上記のような共通知識の整理をはかるものである.そして,この課程を修めることが,認定士受験資格の重要な要件の一つとなる.
さらに,認定士の展開としては,認定を得たものがそれぞれの専門職種において,より専門的な知識や技能を修得できるような構造が望ましいと考えられる.例えば,この認定士資格をもつものが,高度な実習を要するセミナーに参加ができるなどである.また,関連する他の学会の学会員が,この認定士の水準を十分に備えていると認められるような場合は,申請により認定士の資格を与えるなど,関連学会と発展的な関係を築く基盤となる.
今回,ここに上記のようなeラーニング各分野の学習内容をもとに,書籍を刊行することになった.それは,eラーニング受講者の学習の便をはかるとともに,より多くの人に必要最低限の共通知識を知ってもらい,本領域がいっそう伝播することを企図したことによる.
そうして学習基盤を整理することで関係職種の多くの方が本学会へ参加できるようになり,それによって摂食・嚥下障害を有する患者の幸せに少しでも寄与することができれば,望外の喜びである.
2010年8月
一般社団法人日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
理事長 才藤栄一
緒言(Ver.1収載)
本書は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会インターネット学習システム(eラーニング)の参考書である.eラーニングによる学習を支援することを目的とし,eラーニングコンテンツを踏襲した内容で構成されている.内容は豊富で網羅的なので,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員以外の方々にもおおいに参考にしていただけるものになっている.
eラーニングは,2010年7月16日に開講した.その構想は2007年に認定制を計画することが決まり,認定士としてふさわしい知識をどのように会員に伝達するかを検討する過程で始まった.当初は研修会を日本各所で開催し,これらを受講した会員が認定士試験受験資格を得るという従来型の案もあったが,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員の職種は,非常に広範囲にわたるので,共通の基本的な医療関連知識を担保する必要があった.たとえば,医療の総論的な内容やリスク管理の知識は教育環境にいる人たちにはあまり馴染みがないかもしれないが,このような知識は学会認定士にとっては必須事項になるべきである.
このような広い内容を含めると,およそ20時間に相当するセミナーが必要になる.これを研修会のスタイルで行うには,物理的,経済的に困難だった.また,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員は,少人数職場に従事しているため気軽に学会や研修会に参加しにくい環境にあることも多い.このような背景から,当時の資格制度準備委員会(現認定委員会)は,認定士試験受験資格としてのeラーニング構想を理事会に提案し,理事会において歓迎をもって受理され,学会の最重点課題の一つになった.
2008年の第14回学術大会では,総会,シンポジウムでこの構想を発表し,理解をいただいた.その後,2年の歳月を経て,何とか準備が整い,2010年7月,開講に至った.
コンテンツの作成は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士のうち資格制度準備委員会で推薦し,理事会で承認された各分野の専門家76名と認定委員20名が分業してあたった.内容に関しては,コンテンツの作成者と認定委員との間で調整を行った.この作業は困難なこともあったが,各コンテンツは工夫された.また,最初の構想では必要最低限の知識を中心に構成される予定だったが,この域を大きく超えて,非常に充実した内容になった.
実際のeラーニングをご覧いただくとわかるが,1コンテンツ10から15枚程度のスライドに,解説文が付随し,それを読み進め,最後に確認問題をして1コンテンツが終了するという構成になっている.動画なども多用してあり非常にわかりやすい内容である.しかし,一度学習が終了したあとに,再度確認したいということもあるだろうし,もう少し詳しい解説がほしいということもあるだろう.
本書はこのような要望に対応することを目的に出版された.より多くの方に,有効に活用していただけることを願っている.
2010年8月
一般社団法人日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
認定委員会委員長 馬場 尊
シリーズVer.4発行にあたって
シリーズVer.3発行にあたって
シリーズVer.2発行にあたって
シリーズ刊行に寄せて(Ver.1)
緒言(Ver.1)
eラーニング書籍版全体項目
§1 総論
1 リハビリテーション医学総論(才藤栄一)
1:はじめに
Chapter 1 はじめに
2:活動医学とその汎用性〜臓器,病期
Chapter 2 リハビリテーションという用語について
Chapter 3 リハビリテーション医学の特徴
Chapter 4 リハビリテーション科と関連各科
Chapter 5 リハビリテーション科と医療時期
3:活動と障害の階層的理解とシステム的解決
Chapter 6 リハビリテーション医学の視座―障害をもつ患者にとって生存は生活に直結しない
Chapter 7 リハビリテーション医学の視座―患者を対象とする活動障害の階層的概観
Chapter 8 リハビリテーション医学の基本課題
Chapter 9 リハビリテーションチーム―活動医学の長い橋を多職種チームでつなぐ
Chapter 10 摂食嚥下リハビリテーションチームの形態
Chapter 11 システムとしての解決
Chapter 12 システムとしての解決とは
4:活動管理
Chapter 13 治療計画
Chapter 14 包括的医学管理―活動関連
Chapter 15 不動と廃用:動かないことによる二つの問題
Chapter 16 不動・廃用症候群
Chapter 17 急性期病棟での嚥下回診
5:活動介入
Chapter 18 活動機能構造連関
Chapter 19 活動機能構造連関を使って鍛える
Chapter 20 人的/社会的/工学的支援
Chapter 21 治療的学習
Chapter 22 運動学習
Chapter 23 運動学習とは
Chapter 24 新しいスキルの例
Chapter 25 運動学習の主たる変数
Chapter 26 リハビリテーション医学の方法
Chapter 27 練習/訓練
Chapter 28 嚥下練習(直接練習/間接練習)
Chapter 29 摂食嚥下障害患者の課題練習過程
Chapter 30 スキル獲得の際の二つのパラドクス
Chapter 31 難易度パラドクス克服のための2方法
Chapter 32 難易度パラドクス克服のための課題乗り継ぎ
Chapter 33 摂食嚥下練習課題シリーズ
Chapter 34 まとめ
2 摂食嚥下のリハビリテーション総論(椿原彰夫)
Chapter 1 摂食,嚥下,摂食嚥下障害とは何か?
Chapter 2 摂食嚥下障害と「正常」との境界は存在するのか?
Chapter 3 摂食嚥下障害の治療目的
Chapter 4 急性期からのリハビリテーション
Chapter 5 回復期における摂食嚥下リハビリテーションの体系
Chapter 6 直接的嚥下訓練(直接訓練)のみが摂食嚥下リハビリテーションではない
Chapter 7 摂食嚥下リハビリテーションにはチーム医療が重要!
Chapter 8 回復期における摂食嚥下リハビリテーションの戦略
Chapter 9 摂食機能療法の効果に関する多施設共同研究
Chapter 10 生活期にある患者の状態は常に一定ではない!
§2 解剖・生理
3 構造(解剖)(依田光正)
Chapter 1 摂食嚥下に関係する器官の位置関係
Chapter 2 口腔
Chapter 3 歯(下堂薗 恵)
Chapter 4 舌
Chapter 5 舌筋群
Chapter 6 咀嚼筋群
Chapter 7 唾液腺
Chapter 8 咽頭
Chapter 9 咽頭の筋群
Chapter 10 咽頭筋内層と口蓋の筋群
Chapter 11 喉頭
Chapter 12 内喉頭筋と声帯の動き
Chapter 13 舌骨
Chapter 14 舌骨筋群
Chapter 15 食道
4 機能(生理)(下堂薗 恵)
Chapter 1 摂食嚥下運動の過程(時相):5期モデル
Chapter 2 先行期─摂食行動の誘因(刺激)と発現
Chapter 3 口唇の運動─口唇によるとり込み
Chapter 4 顎運動─開口と閉口,咀嚼運動
Chapter 5 唾液の生理
Chapter 6 舌運動
Chapter 7 舌の感覚情報伝達
Chapter 8 嚥下運動
Chapter 9 嚥下運動に関与するおもな咽頭,喉頭の筋肉
Chapter 10 嚥下に関係する運動神経とおもな筋の働き
Chapter 11 嚥下に関係する感覚神経の働き
Chapter 12 嚥下反射の中枢機構
Chapter 13 摂食嚥下や関連運動の神経機構
5 嚥下モデル:4期モデル・プロセスモデル・5期モデル(松尾浩一郎)
Chapter 1 4期モデル・プロセスモデル・5期モデル
Chapter 2 4期モデルについて
Chapter 3 咽頭期の詳細
Chapter 4 プロセスモデル
Chapter 5 プロセスモデルの各期
Chapter 6 咀嚼中の器官の動き
Chapter 7 プロセスモデルと4期モデルの比較
Chapter 8 stageII transport(第2期輸送)
Chapter 9 液体と固体同時摂取(2相性食物摂取)時の食物の咽頭への進入様式
参考 5期モデルの各ステージについて
§3 原因と病態
6 摂食嚥下各期の障害(飯田貴俊)
Chapter 1 摂食嚥下の臨床モデルにおける期(stage)と相(phase)について
Chapter 2 先行期(認知期):視覚・嗅覚・触覚などにより食物を認知し,口へ運ぶ
Chapter 3 先行期の障害
Chapter 4 準備期(口腔準備期):食物を口に取り入れて,咀嚼,食塊形成し舌背上に食塊を保持して嚥下の準備をする
Chapter 5 準備期の障害
Chapter 6 口腔期(口腔送り込み期):舌や軟口蓋により適切なタイミングで食塊を咽頭に送り込む
Chapter 7 口腔期の障害
Chapter 8 咽頭期:咽頭に到達した食塊を食道へ送り込む
Chapter 9 咽頭期の障害
Chapter 10 食道期:食道に入った食塊を蠕動運動によって胃まで運ぶ
Chapter 11 食道期の障害
7 原因疾患:脳卒中(重松 孝,藤島一郎)
Chapter 1 摂食嚥下障害の原因
Chapter 2 脳卒中(stroke)の病型分類
Chapter 3 脳卒中の症状
Chapter 4 脳卒中の画像診断
Chapter 5 脳卒中による摂食嚥下障害
Chapter 6 一側大脳病変による摂食嚥下障害
Chapter 7 球麻痺による摂食嚥下障害
Chapter 8 Wallenberg症候群の延髄病変と摂食嚥下障害との関連
Chapter 9 球麻痺のVE,VF
Chapter 10 偽性球麻痺による摂食嚥下障害
Chapter 11 偽性球麻痺の3分類
Chapter 12 偽性球麻痺のVE,VF
Chapter 13 偽性球麻痺と球麻痺の特徴(まとめ)
Chapter 14 脳卒中 遅発性摂食嚥下障害
8 原因と病態:神経筋疾患(野ア園子)
Chapter 1 神経筋疾患の摂食嚥下障害の出現様式による分類
Chapter 2 筋萎縮性側索硬化症(ALS)とその摂食嚥下障害
Chapter 3 患者ごとの呼吸機能と摂食嚥下障害の経時的な経過
Chapter 4 ALSの栄養管理
Chapter 5 ALSの摂食嚥下障害対策
Chapter 6 パーキンソン病(PD)の摂食嚥下障害
Chapter 7 PDの摂食嚥下障害対策
Chapter 8 Wearning─offのある場合の内服(レボドパ製剤)のタイミング
Chapter 9 Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の疾患概念と摂食嚥下障害
Chapter 10 DMD摂食嚥下障害対策のポイント
Chapter 11 筋強直性ジストロフィー(DM)の摂食嚥下障害
Chapter 12 DMの摂食嚥下障害対策のポイント
Chapter 13 重症筋無力症(MG)の摂食嚥下障害の特徴
Chapter 14 MGの摂食嚥下障害対策
9 頭頸部癌による嚥下障害(藤本保志)
Chapter 1 頭頸部癌の特徴
Chapter 2 頭頸部癌による嚥下障害の特徴
Chapter 3 頭頸部癌の放射線治療
Chapter 4 放射線治療による嚥下障害の病態
Chapter 5 放射線治療による嚥下障害─急性期
Chapter 6 放射線治療による嚥下障害─晩期
Chapter 7 晩期障害による嚥下機能低下の典型例
Chapter 8 手術後の嚥下障害の特徴
Chapter 9 口腔癌の嚥下障害
Chapter 10 舌半切後の手術野
Chapter 11 遊離組織移植
Chapter 12 進行した舌癌の切除
Chapter 13 中咽頭癌の切除
Chapter 14 喉頭癌/下咽頭癌治療と嚥下障害(1)
Chapter 15 喉頭癌/下咽頭癌治療と嚥下障害(2)
Chapter 16 喉頭癌/下咽頭癌治療と嚥下障害(3)
Chapter 17 手術後嚥下障害への対応
10 原因疾患:認知症(山田律子)
Chapter 1 認知症の人への摂食嚥下リハビリテーションの全体像
Chapter 2 認知症(dementia,neurocognitive disorder)とは?
Chapter 3 軽度認知障害(mild cognitive impairment;MCI)とは?
Chapter 4 認知機能検査(スクリーニング検査)
Chapter 5 認知症の症状と摂食嚥下障害
Chapter 6 認知症の原因疾患および治療可能な認知症
Chapter 7 Alzheimer型認知症(Alzheimer type of dementia;ATD)
Chapter 8 Alzheimer型認知症の摂食嚥下障害
Chapter 9 血管性認知症(vascular dementia;VaD)
Chapter 10 血管性認知症の摂食嚥下障害
Chapter 11 Lewy小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)
Chapter 12 Lewy小体型認知症の摂食嚥下障害
Chapter 13 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD)
Chapter 14 前頭側頭型認知症の摂食嚥下障害
11 加齢と摂食嚥下機能(辻村恭憲)
Chapter 1 はじめに
Chapter 2 高齢者にみられる低栄養
Chapter 3 高齢者に多い窒息事故
Chapter 4 高齢者に多い誤嚥性肺炎
Chapter 5 加齢に伴う誤嚥リスクの増加
Chapter 6 嗅覚・味覚の加齢変化
Chapter 7 歯数と咀嚼機能の加齢変化
Chapter 8 唾液腺と舌の加齢変化
Chapter 9 咽頭と喉頭の加齢変化
Chapter 10 咽頭期の加齢変化
Chapter 11 食道および食道期の加齢変化
Chapter 12 呼吸機能の加齢変化
12 摂食嚥下に影響する要因(小口和代)
Chapter 1 摂食嚥下に影響を及ぼすもの
Chapter 2 意識と嚥下
Chapter 3 意識レベルの評価(Japan Coma Scale:JCS)
Chapter 4 意識障害の原因
Chapter 5 薬剤の副作用
Chapter 6 摂食嚥下機能を改善する薬剤
Chapter 7 気管切開
Chapter 8 気管切開および気管カニューレの目的
Chapter 9 気管カニューレの種類
Chapter 10 気管カニューレの摂食嚥下機能への影響
Chapter 11 経鼻経管栄養チューブの摂食嚥下機能への影響
Chapter 12 経鼻経管栄養チューブの摂食嚥下機能への影響─嚥下内視鏡検査での観察例
Chapter 13 経鼻経管栄養チューブの摂食嚥下機能への影響─嚥下造影検査での観察例
13 合併症:誤嚥性肺炎・窒息・低栄養・脱水(藤谷順子)
Chapter 1 誤嚥と肺炎
Chapter 2 肺炎を起こす誤嚥
Chapter 3 肺炎の症状と診断
参考 誤嚥性肺炎と嚥下性肺炎
参考 医療・介護関連肺炎(NHCAP)
Chapter 4 発熱を認めた場合の鑑別診断
Chapter 5 直接訓練施行中の症例が発熱をきたしたら
Chapter 6 誤嚥性肺炎の予防
Chapter 7 窒息を起こす食物と場面
Chapter 8 窒息時の処置
Chapter 9 窒息が疑われた際の対応
Chapter 10 栄養の重要性
Chapter 11 脱水の危険とその把握
Chapter 12 脱水の所見と対策
索引
シリーズVer.3発行にあたって
シリーズVer.2発行にあたって
シリーズ刊行に寄せて(Ver.1)
緒言(Ver.1)
eラーニング書籍版全体項目
§1 総論
1 リハビリテーション医学総論(才藤栄一)
1:はじめに
Chapter 1 はじめに
2:活動医学とその汎用性〜臓器,病期
Chapter 2 リハビリテーションという用語について
Chapter 3 リハビリテーション医学の特徴
Chapter 4 リハビリテーション科と関連各科
Chapter 5 リハビリテーション科と医療時期
3:活動と障害の階層的理解とシステム的解決
Chapter 6 リハビリテーション医学の視座―障害をもつ患者にとって生存は生活に直結しない
Chapter 7 リハビリテーション医学の視座―患者を対象とする活動障害の階層的概観
Chapter 8 リハビリテーション医学の基本課題
Chapter 9 リハビリテーションチーム―活動医学の長い橋を多職種チームでつなぐ
Chapter 10 摂食嚥下リハビリテーションチームの形態
Chapter 11 システムとしての解決
Chapter 12 システムとしての解決とは
4:活動管理
Chapter 13 治療計画
Chapter 14 包括的医学管理―活動関連
Chapter 15 不動と廃用:動かないことによる二つの問題
Chapter 16 不動・廃用症候群
Chapter 17 急性期病棟での嚥下回診
5:活動介入
Chapter 18 活動機能構造連関
Chapter 19 活動機能構造連関を使って鍛える
Chapter 20 人的/社会的/工学的支援
Chapter 21 治療的学習
Chapter 22 運動学習
Chapter 23 運動学習とは
Chapter 24 新しいスキルの例
Chapter 25 運動学習の主たる変数
Chapter 26 リハビリテーション医学の方法
Chapter 27 練習/訓練
Chapter 28 嚥下練習(直接練習/間接練習)
Chapter 29 摂食嚥下障害患者の課題練習過程
Chapter 30 スキル獲得の際の二つのパラドクス
Chapter 31 難易度パラドクス克服のための2方法
Chapter 32 難易度パラドクス克服のための課題乗り継ぎ
Chapter 33 摂食嚥下練習課題シリーズ
Chapter 34 まとめ
2 摂食嚥下のリハビリテーション総論(椿原彰夫)
Chapter 1 摂食,嚥下,摂食嚥下障害とは何か?
Chapter 2 摂食嚥下障害と「正常」との境界は存在するのか?
Chapter 3 摂食嚥下障害の治療目的
Chapter 4 急性期からのリハビリテーション
Chapter 5 回復期における摂食嚥下リハビリテーションの体系
Chapter 6 直接的嚥下訓練(直接訓練)のみが摂食嚥下リハビリテーションではない
Chapter 7 摂食嚥下リハビリテーションにはチーム医療が重要!
Chapter 8 回復期における摂食嚥下リハビリテーションの戦略
Chapter 9 摂食機能療法の効果に関する多施設共同研究
Chapter 10 生活期にある患者の状態は常に一定ではない!
§2 解剖・生理
3 構造(解剖)(依田光正)
Chapter 1 摂食嚥下に関係する器官の位置関係
Chapter 2 口腔
Chapter 3 歯(下堂薗 恵)
Chapter 4 舌
Chapter 5 舌筋群
Chapter 6 咀嚼筋群
Chapter 7 唾液腺
Chapter 8 咽頭
Chapter 9 咽頭の筋群
Chapter 10 咽頭筋内層と口蓋の筋群
Chapter 11 喉頭
Chapter 12 内喉頭筋と声帯の動き
Chapter 13 舌骨
Chapter 14 舌骨筋群
Chapter 15 食道
4 機能(生理)(下堂薗 恵)
Chapter 1 摂食嚥下運動の過程(時相):5期モデル
Chapter 2 先行期─摂食行動の誘因(刺激)と発現
Chapter 3 口唇の運動─口唇によるとり込み
Chapter 4 顎運動─開口と閉口,咀嚼運動
Chapter 5 唾液の生理
Chapter 6 舌運動
Chapter 7 舌の感覚情報伝達
Chapter 8 嚥下運動
Chapter 9 嚥下運動に関与するおもな咽頭,喉頭の筋肉
Chapter 10 嚥下に関係する運動神経とおもな筋の働き
Chapter 11 嚥下に関係する感覚神経の働き
Chapter 12 嚥下反射の中枢機構
Chapter 13 摂食嚥下や関連運動の神経機構
5 嚥下モデル:4期モデル・プロセスモデル・5期モデル(松尾浩一郎)
Chapter 1 4期モデル・プロセスモデル・5期モデル
Chapter 2 4期モデルについて
Chapter 3 咽頭期の詳細
Chapter 4 プロセスモデル
Chapter 5 プロセスモデルの各期
Chapter 6 咀嚼中の器官の動き
Chapter 7 プロセスモデルと4期モデルの比較
Chapter 8 stageII transport(第2期輸送)
Chapter 9 液体と固体同時摂取(2相性食物摂取)時の食物の咽頭への進入様式
参考 5期モデルの各ステージについて
§3 原因と病態
6 摂食嚥下各期の障害(飯田貴俊)
Chapter 1 摂食嚥下の臨床モデルにおける期(stage)と相(phase)について
Chapter 2 先行期(認知期):視覚・嗅覚・触覚などにより食物を認知し,口へ運ぶ
Chapter 3 先行期の障害
Chapter 4 準備期(口腔準備期):食物を口に取り入れて,咀嚼,食塊形成し舌背上に食塊を保持して嚥下の準備をする
Chapter 5 準備期の障害
Chapter 6 口腔期(口腔送り込み期):舌や軟口蓋により適切なタイミングで食塊を咽頭に送り込む
Chapter 7 口腔期の障害
Chapter 8 咽頭期:咽頭に到達した食塊を食道へ送り込む
Chapter 9 咽頭期の障害
Chapter 10 食道期:食道に入った食塊を蠕動運動によって胃まで運ぶ
Chapter 11 食道期の障害
7 原因疾患:脳卒中(重松 孝,藤島一郎)
Chapter 1 摂食嚥下障害の原因
Chapter 2 脳卒中(stroke)の病型分類
Chapter 3 脳卒中の症状
Chapter 4 脳卒中の画像診断
Chapter 5 脳卒中による摂食嚥下障害
Chapter 6 一側大脳病変による摂食嚥下障害
Chapter 7 球麻痺による摂食嚥下障害
Chapter 8 Wallenberg症候群の延髄病変と摂食嚥下障害との関連
Chapter 9 球麻痺のVE,VF
Chapter 10 偽性球麻痺による摂食嚥下障害
Chapter 11 偽性球麻痺の3分類
Chapter 12 偽性球麻痺のVE,VF
Chapter 13 偽性球麻痺と球麻痺の特徴(まとめ)
Chapter 14 脳卒中 遅発性摂食嚥下障害
8 原因と病態:神経筋疾患(野ア園子)
Chapter 1 神経筋疾患の摂食嚥下障害の出現様式による分類
Chapter 2 筋萎縮性側索硬化症(ALS)とその摂食嚥下障害
Chapter 3 患者ごとの呼吸機能と摂食嚥下障害の経時的な経過
Chapter 4 ALSの栄養管理
Chapter 5 ALSの摂食嚥下障害対策
Chapter 6 パーキンソン病(PD)の摂食嚥下障害
Chapter 7 PDの摂食嚥下障害対策
Chapter 8 Wearning─offのある場合の内服(レボドパ製剤)のタイミング
Chapter 9 Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の疾患概念と摂食嚥下障害
Chapter 10 DMD摂食嚥下障害対策のポイント
Chapter 11 筋強直性ジストロフィー(DM)の摂食嚥下障害
Chapter 12 DMの摂食嚥下障害対策のポイント
Chapter 13 重症筋無力症(MG)の摂食嚥下障害の特徴
Chapter 14 MGの摂食嚥下障害対策
9 頭頸部癌による嚥下障害(藤本保志)
Chapter 1 頭頸部癌の特徴
Chapter 2 頭頸部癌による嚥下障害の特徴
Chapter 3 頭頸部癌の放射線治療
Chapter 4 放射線治療による嚥下障害の病態
Chapter 5 放射線治療による嚥下障害─急性期
Chapter 6 放射線治療による嚥下障害─晩期
Chapter 7 晩期障害による嚥下機能低下の典型例
Chapter 8 手術後の嚥下障害の特徴
Chapter 9 口腔癌の嚥下障害
Chapter 10 舌半切後の手術野
Chapter 11 遊離組織移植
Chapter 12 進行した舌癌の切除
Chapter 13 中咽頭癌の切除
Chapter 14 喉頭癌/下咽頭癌治療と嚥下障害(1)
Chapter 15 喉頭癌/下咽頭癌治療と嚥下障害(2)
Chapter 16 喉頭癌/下咽頭癌治療と嚥下障害(3)
Chapter 17 手術後嚥下障害への対応
10 原因疾患:認知症(山田律子)
Chapter 1 認知症の人への摂食嚥下リハビリテーションの全体像
Chapter 2 認知症(dementia,neurocognitive disorder)とは?
Chapter 3 軽度認知障害(mild cognitive impairment;MCI)とは?
Chapter 4 認知機能検査(スクリーニング検査)
Chapter 5 認知症の症状と摂食嚥下障害
Chapter 6 認知症の原因疾患および治療可能な認知症
Chapter 7 Alzheimer型認知症(Alzheimer type of dementia;ATD)
Chapter 8 Alzheimer型認知症の摂食嚥下障害
Chapter 9 血管性認知症(vascular dementia;VaD)
Chapter 10 血管性認知症の摂食嚥下障害
Chapter 11 Lewy小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)
Chapter 12 Lewy小体型認知症の摂食嚥下障害
Chapter 13 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD)
Chapter 14 前頭側頭型認知症の摂食嚥下障害
11 加齢と摂食嚥下機能(辻村恭憲)
Chapter 1 はじめに
Chapter 2 高齢者にみられる低栄養
Chapter 3 高齢者に多い窒息事故
Chapter 4 高齢者に多い誤嚥性肺炎
Chapter 5 加齢に伴う誤嚥リスクの増加
Chapter 6 嗅覚・味覚の加齢変化
Chapter 7 歯数と咀嚼機能の加齢変化
Chapter 8 唾液腺と舌の加齢変化
Chapter 9 咽頭と喉頭の加齢変化
Chapter 10 咽頭期の加齢変化
Chapter 11 食道および食道期の加齢変化
Chapter 12 呼吸機能の加齢変化
12 摂食嚥下に影響する要因(小口和代)
Chapter 1 摂食嚥下に影響を及ぼすもの
Chapter 2 意識と嚥下
Chapter 3 意識レベルの評価(Japan Coma Scale:JCS)
Chapter 4 意識障害の原因
Chapter 5 薬剤の副作用
Chapter 6 摂食嚥下機能を改善する薬剤
Chapter 7 気管切開
Chapter 8 気管切開および気管カニューレの目的
Chapter 9 気管カニューレの種類
Chapter 10 気管カニューレの摂食嚥下機能への影響
Chapter 11 経鼻経管栄養チューブの摂食嚥下機能への影響
Chapter 12 経鼻経管栄養チューブの摂食嚥下機能への影響─嚥下内視鏡検査での観察例
Chapter 13 経鼻経管栄養チューブの摂食嚥下機能への影響─嚥下造影検査での観察例
13 合併症:誤嚥性肺炎・窒息・低栄養・脱水(藤谷順子)
Chapter 1 誤嚥と肺炎
Chapter 2 肺炎を起こす誤嚥
Chapter 3 肺炎の症状と診断
参考 誤嚥性肺炎と嚥下性肺炎
参考 医療・介護関連肺炎(NHCAP)
Chapter 4 発熱を認めた場合の鑑別診断
Chapter 5 直接訓練施行中の症例が発熱をきたしたら
Chapter 6 誤嚥性肺炎の予防
Chapter 7 窒息を起こす食物と場面
Chapter 8 窒息時の処置
Chapter 9 窒息が疑われた際の対応
Chapter 10 栄養の重要性
Chapter 11 脱水の危険とその把握
Chapter 12 脱水の所見と対策
索引














