やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

この本について
 『子どものお口 どう育つの?』というタイトルのこの本を手に取ったあなたは,子どものお口について,ちょっと気になっていることがあったり,わからないことがあったりするということかと思います.
 子どもがうまれてくるとき,歯はまだ生えていません.しだいに乳歯(子どもの歯)が生えはじめ,それが6歳前後で抜けはじめ,永久歯(大人の歯)が出てきます.子どもの口の成長はおおよそこうした感じです.
 ところで,いままで母乳やミルクを飲んでいた赤ちゃんは,歯が生えてくると次第に形のある食べものを口にするようになります.食べものをしっかり噛んで食べられるようになると,身体も成長していきます.
 また,赤ちゃんのころには大人をまねして声を発するようになりますが,成長するとしっかりと声を出し,会話ができるようになります.
 このように,子どもの口は「歯が生える」ということが,「噛んで食べること」,「身体の成長」「呼吸や発声,会話」などのさまざまなことにつながります.こうした口の役割を「口腔機能」といいます.
 この本は,そうした子どもの口腔機能について,絵本のおはなしでまとめました.おはなしのなかで,口腔機能がかかわるちょっと気になる点については,本のしたの部分にサインがあります(歯と歯並び,食べること,身体・会話・呼吸).この「歯と歯並び」「食べること」「身体・会話・呼吸」はそれぞれ本の後ろに解説があります.口腔機能の発達・発育がどのようなものなのか,気になったらぜひお読みください.
 そして,子どもの口腔機能について気になることがあれば,ぜひとも,歯科医院に相談をしてみてください.歯科医院では,「むし歯をなおす」といったこれまでの治療に加えて,口の機能全体をみられるようになってきています.子どもの口を通して,全身の発達・発育のお手伝いができるかもしれません.
 医歯薬出版株式会社
おはなし
【解説】
学童期の歯と歯並び(執筆/木本茂成)
学童期の食べること(執筆/田村文誉)
学童期の身体・会話・呼吸(執筆/弘中祥司)