序
わが国で初の実用性を備えた磁性アタッチメントとして「マグフィット」を開発したのが1991年,そして私がその概要と臨床術式の基本を紹介した『磁性アタッチメント』を刊行したのは1992年の暮れでありました.しかし,磁性アタッチメントという,全く新奇な臨床用具に対しては,そのメーカーも出版社も販売担当の歯科材料業者も,当初はこの先例のない医療用具が,臨床現場で多くの専門家に活用していただけるのか否かに関しては,全く否定的でありました.以来,すでに20数年が経過しましたが,正に懐しい想い出であります.
しかし,幸運なことに,発売直後から極めて画期的な臨床システムとして,全国から大きな反響を得,小生自身も47都道府県のすべてを訪問し,200回以上の講演会を経験するほどの「磁石ブーム」を迎えました.1995年には,現場の皆様とのQ&Aを集約したものとして『続・磁性アタッチメント』も刊行できました.現在では,この磁性アタッチメントもすでに極めて一般的な臨床術式の一つとして定着しているものと確信しております.また最近では,関係者のご尽力と経産省のNEDO支援の結果,わが国から提案された磁性アタッチメントの維持力,耐食性などに関する諸事項が,ISOの国際規格として採用され,世界各国で製造されている磁性アタッチメントのすべてが,それらの要件を満たさなければならないこととなりました.歯科医学分野でわが国からこの種の提案がなされ,全く新規の国際規格が誕生したことは,若干残念ながら,これまでほとんど前例がないと関係者から聞かされておりましたため,われわれにとりましては大変喜ばしい快挙でありました.この分野では,われら日本国が圧倒的な実績を背景とした,確たる世界のリーダーシップを担っている,という証の一つでもありましょう.
このような,上記の拙書2冊も,その情報が開発直後のものに限定されていること,また,その後の磁性アタッチメント本体の大幅な改良と新たな臨床術式の開発などにより,臨床現場にそぐわない事項もいくつか発現してきたため,すでに数年前に廃刊となっております.しかし,何よりも重要なことは,開発以来長年にわたり数え切れないほどの症例にこの磁性アタッチメントを活用してきたわれわれ自身も,この新しい歯科臨床システムが,当初の想定を大きく凌駕するほどの,素晴らしい臨床的価値を備えていることを確認できたという事実であります.
当時から継続的に活用していただいている臨床家の皆様方には,その都度新たな情報は伝達されているはずですが,日進月歩の臨床システムに関する基本事項は,その臨床活用上,極めて重要なものであるはずです.また,いわゆる過熱気味の「磁石ブーム」が一段落した後に,歯学部を卒業されて現在臨床現場に立たれている新進の臨床家も,単純な計算でも,すでに数万人になるはずです.これらの方々に,永久磁石の歯科臨床での活用という,比較的特殊な分野に関する基本的な参考書がないということは,磁性アタッチメント一筋に生きてきたわれわれにとりましても,大きな不安であります.特に最近では,歯科補綴学の教科にも取り入れられ,歯科医師国家試験にも,毎年この分野に関する内容が出題されるような時勢となりました.歯学部学生諸君にも,この種の資料は不可欠となってきた訳であります.その意味では,本書は彼らの教科書,参考書ともなりましょう.
このような現状に鑑み,今般改めて,この『新・磁性アタッチメント』を発刊することとなりました.本書は,上記の理由から,旧来の機械的維持装置とは本質的に異なる特性を備えた磁石,磁性アタッチメントの基本事項を改めて強調するとともに,その基本かつ最新の臨床術式や各種の専用付属品の活用法を,紹介したものであります.ただし,基礎的な事柄である磁石の原理やその歴史的変遷が変わるはずはなく,かつての『磁性アタッチメント』の内容を,ほぼ同じ体裁で掲載させていただいた部分もございます.
最近の磁性アタッチメントは,開発当初のものに比べれば,極めて高性能化されてきたことは確かですが,それでも,すでに今後の改良の余地のないほど完成されたレベルに達したものであるとは申しません.すなわち,これから先も多様な変遷に遭遇していくことになることでしょうが,それでも本書はまたしばらくの間,臨床現場での最新の基本的ガイドブックとして,多くの臨床家のお役に立てるものと確信しております.
なお今回は,これまでわが国の当分野を精力的に牽引してこられました,日本磁気歯科学会の主要・若手メンバーの方々にも著者として加わっていただき,多くの貴重な症例のデータをご提供いただきました.突然かつ勝手な申し出をご快諾いただきました,全国各地のMagnetic Dentist各位に,心から感謝申し上げます.
また,各製品の貴重なデータのご提供をいただきました,わが国の磁性アタッチメントメーカーである,愛知製鋼(株),NEOMAXエンジニアリング(株),(株)ジーシー各社の関係者にも厚く御礼申し上げます.
末筆ながら,現時点での本書刊行の意義を深く理解され,ご定年直前の貴重なお時間を,本書編集のために全面的に投入していただきました,永年の朋友,医歯薬出版(株)の大城惟克氏にも深く感謝申し上げます.
20余年経過した現在でも,われわれの気持ちは変わりません.
すなわち,
This book is dedicated to all the dentists who always strive for better prostheses in their daily clinical duties.
(本書を常により良い義歯を求めるすべての歯科医師に捧げる)
平成28年9月吉日
編集代表 田中貴信
わが国で初の実用性を備えた磁性アタッチメントとして「マグフィット」を開発したのが1991年,そして私がその概要と臨床術式の基本を紹介した『磁性アタッチメント』を刊行したのは1992年の暮れでありました.しかし,磁性アタッチメントという,全く新奇な臨床用具に対しては,そのメーカーも出版社も販売担当の歯科材料業者も,当初はこの先例のない医療用具が,臨床現場で多くの専門家に活用していただけるのか否かに関しては,全く否定的でありました.以来,すでに20数年が経過しましたが,正に懐しい想い出であります.
しかし,幸運なことに,発売直後から極めて画期的な臨床システムとして,全国から大きな反響を得,小生自身も47都道府県のすべてを訪問し,200回以上の講演会を経験するほどの「磁石ブーム」を迎えました.1995年には,現場の皆様とのQ&Aを集約したものとして『続・磁性アタッチメント』も刊行できました.現在では,この磁性アタッチメントもすでに極めて一般的な臨床術式の一つとして定着しているものと確信しております.また最近では,関係者のご尽力と経産省のNEDO支援の結果,わが国から提案された磁性アタッチメントの維持力,耐食性などに関する諸事項が,ISOの国際規格として採用され,世界各国で製造されている磁性アタッチメントのすべてが,それらの要件を満たさなければならないこととなりました.歯科医学分野でわが国からこの種の提案がなされ,全く新規の国際規格が誕生したことは,若干残念ながら,これまでほとんど前例がないと関係者から聞かされておりましたため,われわれにとりましては大変喜ばしい快挙でありました.この分野では,われら日本国が圧倒的な実績を背景とした,確たる世界のリーダーシップを担っている,という証の一つでもありましょう.
このような,上記の拙書2冊も,その情報が開発直後のものに限定されていること,また,その後の磁性アタッチメント本体の大幅な改良と新たな臨床術式の開発などにより,臨床現場にそぐわない事項もいくつか発現してきたため,すでに数年前に廃刊となっております.しかし,何よりも重要なことは,開発以来長年にわたり数え切れないほどの症例にこの磁性アタッチメントを活用してきたわれわれ自身も,この新しい歯科臨床システムが,当初の想定を大きく凌駕するほどの,素晴らしい臨床的価値を備えていることを確認できたという事実であります.
当時から継続的に活用していただいている臨床家の皆様方には,その都度新たな情報は伝達されているはずですが,日進月歩の臨床システムに関する基本事項は,その臨床活用上,極めて重要なものであるはずです.また,いわゆる過熱気味の「磁石ブーム」が一段落した後に,歯学部を卒業されて現在臨床現場に立たれている新進の臨床家も,単純な計算でも,すでに数万人になるはずです.これらの方々に,永久磁石の歯科臨床での活用という,比較的特殊な分野に関する基本的な参考書がないということは,磁性アタッチメント一筋に生きてきたわれわれにとりましても,大きな不安であります.特に最近では,歯科補綴学の教科にも取り入れられ,歯科医師国家試験にも,毎年この分野に関する内容が出題されるような時勢となりました.歯学部学生諸君にも,この種の資料は不可欠となってきた訳であります.その意味では,本書は彼らの教科書,参考書ともなりましょう.
このような現状に鑑み,今般改めて,この『新・磁性アタッチメント』を発刊することとなりました.本書は,上記の理由から,旧来の機械的維持装置とは本質的に異なる特性を備えた磁石,磁性アタッチメントの基本事項を改めて強調するとともに,その基本かつ最新の臨床術式や各種の専用付属品の活用法を,紹介したものであります.ただし,基礎的な事柄である磁石の原理やその歴史的変遷が変わるはずはなく,かつての『磁性アタッチメント』の内容を,ほぼ同じ体裁で掲載させていただいた部分もございます.
最近の磁性アタッチメントは,開発当初のものに比べれば,極めて高性能化されてきたことは確かですが,それでも,すでに今後の改良の余地のないほど完成されたレベルに達したものであるとは申しません.すなわち,これから先も多様な変遷に遭遇していくことになることでしょうが,それでも本書はまたしばらくの間,臨床現場での最新の基本的ガイドブックとして,多くの臨床家のお役に立てるものと確信しております.
なお今回は,これまでわが国の当分野を精力的に牽引してこられました,日本磁気歯科学会の主要・若手メンバーの方々にも著者として加わっていただき,多くの貴重な症例のデータをご提供いただきました.突然かつ勝手な申し出をご快諾いただきました,全国各地のMagnetic Dentist各位に,心から感謝申し上げます.
また,各製品の貴重なデータのご提供をいただきました,わが国の磁性アタッチメントメーカーである,愛知製鋼(株),NEOMAXエンジニアリング(株),(株)ジーシー各社の関係者にも厚く御礼申し上げます.
末筆ながら,現時点での本書刊行の意義を深く理解され,ご定年直前の貴重なお時間を,本書編集のために全面的に投入していただきました,永年の朋友,医歯薬出版(株)の大城惟克氏にも深く感謝申し上げます.
20余年経過した現在でも,われわれの気持ちは変わりません.
すなわち,
This book is dedicated to all the dentists who always strive for better prostheses in their daily clinical duties.
(本書を常により良い義歯を求めるすべての歯科医師に捧げる)
平成28年9月吉日
編集代表 田中貴信
I 基礎編
1章 磁気と磁石
1.磁石の歴史と日常生活での活用の推移
2.磁石に関する基本事項
1)物質の磁気の起源
2)永久磁石とその基本特性
3)磁石に関する基本用語と単位
[磁力線と磁束]
[磁界=磁場]
[ヒステリシス曲線]
[磁区]
[強磁性体]
[反磁場]
[キュリー温度]
[ヨークとキーパー]
3.永久磁石の種類
1)KS鋼とMK鋼
2)アルニコ磁石
3)フェライト磁石
4)白金磁石
5)希土類磁石
4.希土類磁石
1)希土類とは
2)希土類磁石の発明
3)希土類磁石の特徴
4)希土類磁石の組成と製造法
2章 永久磁石の歯科臨床への応用に関する歴史的推移
1.基本的考え
1)磁石の顎骨内インプラント法
2)反発力を利用する方法
3)支台歯への適用
4)分割義歯
5)歯科矯正治療への応用
2.義歯の支台装置としての希土類磁石の有用性
3.歯科臨床利用における希土類磁石の問題点
1)腐食
2)脆弱
3)吸引力
4)温度特性
3章 磁性アタッチメントの基本事項
1.磁石から磁性アタッチメントへ
2.磁性アタッチメントとは
1)定義
[アタッチメント]
[支台装置]
[磁性アタッチメント]
2)原理
3.磁場の利用効率を高めるための磁気回路の導入
1)開磁路
2)閉磁路
4.基本形態
5.材料
[磁石]
[ヨークおよびキーパー材料]
[非磁性材料]
6.磁性アタッチメントの臨床的要件
4章 磁性アタッチメントの開発
1.実用性を備えた磁性アタッチメントの実現
1)キャップ型磁性アタッチメント
2)サンドイッチ型磁性アタッチメント
2.従来の支台装置との比較
1)従来法の問題点
[機能的な不安定さ]
[長期使用に伴う変化]
[煩雑な技工作業]
2)磁性アタッチメントの臨床的利点
3.磁性アタッチメント開発の要点としての磁場解析
1)解析の意義
2)解析要領
3)解析結果の概要
5章 磁性アタッチメントの力学
1.垂直方向の維持力
1)維持力の動態
2)維持力の経時的安定性
3)アタッチメントの設置方向と維持力
4)磁石構造体とキーパーとの横ずれの影響
2.支持効果
3.側方力に対する動態
4.義歯の欠損部の沈下との関係
5.機能性を重視した磁性アタッチメント義歯
1)根面板形態の工夫
2)MT冠型磁性アタッチメント
6.基本的適応症の拡大
1)歯冠外型磁性アタッチメント
2)インプラントの上部構造としての利用
6章 生体に対する磁場の影響
1.概要
2.磁場の種類
1)時間的変動に基づく分類
2)空間的分布に基づく分類
3.磁場の生体に対する影響
1)物理学的原理
2)具体的事項
[細胞増殖など]
[循環器系]
[神経系]
4.安全基準
1)国際規格
2)磁気歯科安全基準マニュアル
5.磁性アタッチメントの影響
1)概要
2)MRI診断への影響
[MRIの原理]
[対応策]
3)心臓ペースメーカーへの影響
4)金属探知機
5)金属アレルギー
7章 各国の磁性アタッチメント
1.市販の磁性アタッチメント
1)国内製品
[ギガウス]
[ハイパースリム]
[ハイパースリム キーパーTK]
[フィジオマグネット]
[マグフィットEX]
[マグフィットDX]
[マグフィットSX2]
[マグフィットPKR/マグフィットDXC]
[リムーブキーパー]
[インプラント用キーパー]
2)海外製品
[Dyna WR Magnet]
[Multi-Purpose Magnet System]
[Titanmagnetics-System]
[MICROPLANT]
[Maxi Magnet]
[Smart Magnet Kit]
[Magnedisc 800 with 1 Universal keeper]
2.専用付属品
3.ISO規格
II 臨床編
8章 磁性アタッチメントの適応症
1.基本的な適応症
2.義歯に関する臨床要件
3.支台歯選択に関する具体的条件
1)支台歯の数と配置
2)支台歯の骨植状態
3)対合歯とのスペース
4)歯種
5)有髄歯への適用
4.具体的利用法
1)根面板型
2)MT冠型
3)歯冠外型
4)インプラント上部構造
5.各術式の選択基準
6.特殊な利用法
1)歯根の挺出
2)咬合床の維持
7.禁忌症
9章 基本的な臨床術式
1.設計
1)義歯床
[支台歯部の床縁]
[義歯床の吸着]
[義歯床の破折]
2)磁性アタッチメントの位置決め
3)磁性アタッチメントの選択
4)「アタッチメントティース」の利用
5)他の支台装置との併用
6)補助機構の採用
2.前処置
3.キーパー根面板利用時の技法
1)基本手順
2)支台歯の根面形成
3)キーパー根面板の製作法
[鋳接法]
[合着法(KB:キーパーボンディング法)]
[暫間的利用法]
[歯根直接固定法]
4.MT冠型磁性アタッチメント採用時の技法
5.歯冠外型磁性アタッチメント採用時の技法
6.インプラント義歯への適用
10章 キーパー先行法の臨床手順
1.概要
[臨床例]
2.根面板の製作
1)キーパー根面板のワックスアップ
2)埋没・鋳造
3)酸浴処理
3.義歯床の製作
4.義歯装着
11章 義歯先行法の臨床手順
1.概要
[臨床例]
2.義歯床製作
3.支台歯の処置とキーパー根面板の製作
4.義歯床の調整と磁石構造体の合着
12章 MT冠型磁性アタッチメント採用時の臨床手順
[症例1]
[症例2]
[症例3]
13章 歯冠外型磁性アタッチメント採用時の臨床手順
[症例1]
[症例2]
[症例3]
[症例4]
14章 インプラントへの適用時の臨床手順
[症例1]
[症例2]
[症例3]
[症例4]
[症例5]
15章 その他の主要な臨床例
1.一般症例
1)支台歯の臨床条件に鑑みた磁性アタッチメント選択例
[症例1]
[症例2]
2)多数の磁性アタッチメントを適用した症例
[症例3]
[症例4]
3)1歯残存例
[症例5]
[症例6]
4)間接支台装置としての活用
[症例7]
5)クラスプとの併用例
(1)顎欠損症例での対合歯の処置
[症例8]
(2)Iバークラスプ(RPIクラスプ)との併用
[症例9]
6)通常のコーヌスクローネとの併用
[症例10]
7)可撤性ブリッジ
[症例11]
[症例12]
8)磁性アタッチメントのみで対処した片側義歯
[症例13]
2.若干特殊な症例
1)暫間キャップへの応用
[症例14]
2)歯根挺出
[症例15]
3)抜歯
[症例16]
4)コーヌスクローネの事故処理としての対応
[症例17]
[症例18]
5)暫間義歯としての旧義歯活用
[症例19]
6)顎顔面補綴症例への適用
16章 磁性アタッチメント義歯の術後経過
1.予後調査
1)概要
2)具体的事項
2.術後のトラブル
1)スペース不足
2)人工歯脱離と義歯床破折
3)支台歯の抜去
4)磁石構造体の脱離
5)誤飲
17章 磁性アタッチメント義歯装着後の留意点
1.支台歯の管理
2.患者による義歯の管理
3.義歯洗浄剤の影響
1)実験方法
2)実験結果
4.加熱処理の影響
5.義歯床の調整
1)リベース(改床法)
[症例1]
[症例2]
2)リライン(裏装法)
[症例3]
[症例4]
1章 磁気と磁石
1.磁石の歴史と日常生活での活用の推移
2.磁石に関する基本事項
1)物質の磁気の起源
2)永久磁石とその基本特性
3)磁石に関する基本用語と単位
[磁力線と磁束]
[磁界=磁場]
[ヒステリシス曲線]
[磁区]
[強磁性体]
[反磁場]
[キュリー温度]
[ヨークとキーパー]
3.永久磁石の種類
1)KS鋼とMK鋼
2)アルニコ磁石
3)フェライト磁石
4)白金磁石
5)希土類磁石
4.希土類磁石
1)希土類とは
2)希土類磁石の発明
3)希土類磁石の特徴
4)希土類磁石の組成と製造法
2章 永久磁石の歯科臨床への応用に関する歴史的推移
1.基本的考え
1)磁石の顎骨内インプラント法
2)反発力を利用する方法
3)支台歯への適用
4)分割義歯
5)歯科矯正治療への応用
2.義歯の支台装置としての希土類磁石の有用性
3.歯科臨床利用における希土類磁石の問題点
1)腐食
2)脆弱
3)吸引力
4)温度特性
3章 磁性アタッチメントの基本事項
1.磁石から磁性アタッチメントへ
2.磁性アタッチメントとは
1)定義
[アタッチメント]
[支台装置]
[磁性アタッチメント]
2)原理
3.磁場の利用効率を高めるための磁気回路の導入
1)開磁路
2)閉磁路
4.基本形態
5.材料
[磁石]
[ヨークおよびキーパー材料]
[非磁性材料]
6.磁性アタッチメントの臨床的要件
4章 磁性アタッチメントの開発
1.実用性を備えた磁性アタッチメントの実現
1)キャップ型磁性アタッチメント
2)サンドイッチ型磁性アタッチメント
2.従来の支台装置との比較
1)従来法の問題点
[機能的な不安定さ]
[長期使用に伴う変化]
[煩雑な技工作業]
2)磁性アタッチメントの臨床的利点
3.磁性アタッチメント開発の要点としての磁場解析
1)解析の意義
2)解析要領
3)解析結果の概要
5章 磁性アタッチメントの力学
1.垂直方向の維持力
1)維持力の動態
2)維持力の経時的安定性
3)アタッチメントの設置方向と維持力
4)磁石構造体とキーパーとの横ずれの影響
2.支持効果
3.側方力に対する動態
4.義歯の欠損部の沈下との関係
5.機能性を重視した磁性アタッチメント義歯
1)根面板形態の工夫
2)MT冠型磁性アタッチメント
6.基本的適応症の拡大
1)歯冠外型磁性アタッチメント
2)インプラントの上部構造としての利用
6章 生体に対する磁場の影響
1.概要
2.磁場の種類
1)時間的変動に基づく分類
2)空間的分布に基づく分類
3.磁場の生体に対する影響
1)物理学的原理
2)具体的事項
[細胞増殖など]
[循環器系]
[神経系]
4.安全基準
1)国際規格
2)磁気歯科安全基準マニュアル
5.磁性アタッチメントの影響
1)概要
2)MRI診断への影響
[MRIの原理]
[対応策]
3)心臓ペースメーカーへの影響
4)金属探知機
5)金属アレルギー
7章 各国の磁性アタッチメント
1.市販の磁性アタッチメント
1)国内製品
[ギガウス]
[ハイパースリム]
[ハイパースリム キーパーTK]
[フィジオマグネット]
[マグフィットEX]
[マグフィットDX]
[マグフィットSX2]
[マグフィットPKR/マグフィットDXC]
[リムーブキーパー]
[インプラント用キーパー]
2)海外製品
[Dyna WR Magnet]
[Multi-Purpose Magnet System]
[Titanmagnetics-System]
[MICROPLANT]
[Maxi Magnet]
[Smart Magnet Kit]
[Magnedisc 800 with 1 Universal keeper]
2.専用付属品
3.ISO規格
II 臨床編
8章 磁性アタッチメントの適応症
1.基本的な適応症
2.義歯に関する臨床要件
3.支台歯選択に関する具体的条件
1)支台歯の数と配置
2)支台歯の骨植状態
3)対合歯とのスペース
4)歯種
5)有髄歯への適用
4.具体的利用法
1)根面板型
2)MT冠型
3)歯冠外型
4)インプラント上部構造
5.各術式の選択基準
6.特殊な利用法
1)歯根の挺出
2)咬合床の維持
7.禁忌症
9章 基本的な臨床術式
1.設計
1)義歯床
[支台歯部の床縁]
[義歯床の吸着]
[義歯床の破折]
2)磁性アタッチメントの位置決め
3)磁性アタッチメントの選択
4)「アタッチメントティース」の利用
5)他の支台装置との併用
6)補助機構の採用
2.前処置
3.キーパー根面板利用時の技法
1)基本手順
2)支台歯の根面形成
3)キーパー根面板の製作法
[鋳接法]
[合着法(KB:キーパーボンディング法)]
[暫間的利用法]
[歯根直接固定法]
4.MT冠型磁性アタッチメント採用時の技法
5.歯冠外型磁性アタッチメント採用時の技法
6.インプラント義歯への適用
10章 キーパー先行法の臨床手順
1.概要
[臨床例]
2.根面板の製作
1)キーパー根面板のワックスアップ
2)埋没・鋳造
3)酸浴処理
3.義歯床の製作
4.義歯装着
11章 義歯先行法の臨床手順
1.概要
[臨床例]
2.義歯床製作
3.支台歯の処置とキーパー根面板の製作
4.義歯床の調整と磁石構造体の合着
12章 MT冠型磁性アタッチメント採用時の臨床手順
[症例1]
[症例2]
[症例3]
13章 歯冠外型磁性アタッチメント採用時の臨床手順
[症例1]
[症例2]
[症例3]
[症例4]
14章 インプラントへの適用時の臨床手順
[症例1]
[症例2]
[症例3]
[症例4]
[症例5]
15章 その他の主要な臨床例
1.一般症例
1)支台歯の臨床条件に鑑みた磁性アタッチメント選択例
[症例1]
[症例2]
2)多数の磁性アタッチメントを適用した症例
[症例3]
[症例4]
3)1歯残存例
[症例5]
[症例6]
4)間接支台装置としての活用
[症例7]
5)クラスプとの併用例
(1)顎欠損症例での対合歯の処置
[症例8]
(2)Iバークラスプ(RPIクラスプ)との併用
[症例9]
6)通常のコーヌスクローネとの併用
[症例10]
7)可撤性ブリッジ
[症例11]
[症例12]
8)磁性アタッチメントのみで対処した片側義歯
[症例13]
2.若干特殊な症例
1)暫間キャップへの応用
[症例14]
2)歯根挺出
[症例15]
3)抜歯
[症例16]
4)コーヌスクローネの事故処理としての対応
[症例17]
[症例18]
5)暫間義歯としての旧義歯活用
[症例19]
6)顎顔面補綴症例への適用
16章 磁性アタッチメント義歯の術後経過
1.予後調査
1)概要
2)具体的事項
2.術後のトラブル
1)スペース不足
2)人工歯脱離と義歯床破折
3)支台歯の抜去
4)磁石構造体の脱離
5)誤飲
17章 磁性アタッチメント義歯装着後の留意点
1.支台歯の管理
2.患者による義歯の管理
3.義歯洗浄剤の影響
1)実験方法
2)実験結果
4.加熱処理の影響
5.義歯床の調整
1)リベース(改床法)
[症例1]
[症例2]
2)リライン(裏装法)
[症例3]
[症例4]











