序:接着歯学は歯科臨床を貫く
2002 年に日本接着歯学会が編集した『接着歯学─ Minimal Interventionを求めて─ 』(医歯薬出版)が出版されて13 年が経過した.本年(2015 年)はM.Buonocore先生によるエナメル質エッチングによるレジン接着の論文が発表(1955 年)されて60 年目にあたる.この節目となる年に先人の叡智が集大成された初版本を見直し,その後の新しい臨床技法,研究成果の追加,接着材料の開発秘話,学術用語の整理などを編集方針とした改訂版をここに上梓する.
日本接着歯学会は1983 年3 月に設立された日本接着歯学研究会を前身として,1987 年4 月に学会へ改組された.2017 年4 月には学会創立30 周年を迎えることになる.学会の30 年の歩みの集大成として区切りをつけるためにもこの改訂は時機を得たものといえよう.
日本接着歯学会は歯(特に象牙質)と人工材料を一体化する接着材を世界に先駆けて開発し,“歯の削りが少ない“,“痛くない”,“速い“,“きれい”な歯科治療を実現し,歯を守り,歯の長寿化をめざして人々の口腔の健康維持に貢献してきた.接着歯学は日本が先駆的に開拓してきた分野であり,本学会が産学臨と協働して世界の接着歯学をリードしてきたことは国内外で高く評価されている.初代会長の増原英一先生は,学会雑誌「接着歯学」創刊号の巻頭言に「接着歯学(adhesive dentistry)は最先端をゆくものであるから,本誌ADは接着を核とした周辺の先端技術から歯科医療の管理システムに至る先進歯学(advanced dentistry,AD)の情報を幅広く収載する」と述べられている.その言葉どおり,う蝕治療におけるMinimal Intervention Dentistryは「う蝕学」と接着歯学の集大成のうえに成り立った概念である.また矯正治療におけるダイレクトボンディング,欠損補綴における接着ブリッジ,ラミネートベニア修復,レジン支台築造,動揺歯固定,予防填塞,接着性根管充填など,接着歯学に基づく歯科治療は今日の歯科臨床において広く一般化している.まさに「接着歯学は歯科臨床を貫く」といっても過言ではないであろう.
最近では,ジルコニアや各種CAD/CAMブロック材などの新しい被着体が金属材料の代替材料として急速に普及している.特にわが国では,前・臼歯部接着ブリッジおよび小臼歯部のコンポジットレジンCAD/CAM冠が保険導入された.さらに直接法コンポジットレジン冠の臨床応用が世界に先駆けて始まった.その背景には,わが国特有の金銀パラジウム合金の価格高騰が保険医療財政を圧迫していることがある.今後,セラミック材やコンポジットレジン材を使ったメタルフリー修復への流れは加速度的に進むであろう.これら修復法は接着効力と接着補強に依存しており,修復の成功の鍵は歯冠形成法とレジン系接着材にあると考えられる.そのためには,接着歯学に関する基本的知識と接着材料の正確な取り扱いは一般臨床においてますます重要になる.
超高齢社会にあって,歯の長寿化は国民のQOLに大きく関わることである.歯・歯列の保存と口腔機能の長期維持のために,接着歯学の研究成果に基づく本書の内容はますます意義のあるものになるであろう.その意味で本書が広く歯科医療関係者の座右の書になることを期待している.特に歯科学生,歯科技工士学生,歯科衛生士学生,歯科研修医,大学院生などの標準テキストとして初版本と併せて活用されることを切望する.
最後に多忙な日常業務のなかで原稿を執筆していただいた執筆者各位,本書の企画・編集と監修の労をとっていただいた監修委員会の二階堂 徹委員長をはじめとする委員各位,および本改訂に全面的なご支援をいただいた医歯薬出版(株)に感謝申し上げる.
2015 年11 月
日本接着歯学会会長 福島正義
第1 版 序
日本が世界をリードしている「接着歯学」は,この20 年間に国際的にも急速に発展し,歯科臨床における大きな分野の一つとして歯科界で認められている.さらに現在では,臨床現場の要請に基礎学者と産業界が呼応する形で優れた研究業績が積み重ねられ,再現性のある「歯科用接着システム」が次々と生み出されている.
この接着歯学に裏付けされた歯科用接着システムは,いまや歯科医療の各分野に採用され,歯科臨床の根幹に関わる一大変革を巻き起こしつつある.しかし,歯科界全体から見ると,その変革の速度はあまりにも遅いように感じられる.
日本接着歯学会では,接着歯学の普及についての調査を行う目的で,一昨年「医療・教育検討委員会」(腰原 好委員長)が全国の歯科大学の臨床系講座を主体として25 部門の332 カ所に対し,「接着歯学教育に関するアンケート調査」を行った.その結果,回答のあった125 カ所のうち接着理論を教育に採り入れている講座は保存関連講座で約65%,補綴関連講座で約18%であり,無回答の講座を教育していないと解釈すれば,この数値は半分以下になるものと考えられる.しかも教育の内容についてはかなり統一性を欠いており,なかにはどのように教えたらよいか,といったとまどいも見られた.さらに分析すると,接着歯学教育の必要性は認めているものの,教育の現場に定着していないことや,教育に関心があってもアンダーグラジュエートでどの程度まで教育すべきかといった迷いが感じられた.これらの結果から,教育の指針となるスタンダードな教科書の必要性が示唆された.
このような状況を前提に,本学会の「企画・将来構想委員会」(柏田聰明委員長)から,歯科医療の発展向上にとって重要な役割を果たす接着歯学と,その実際面である臨床における接着技法を,教育を含めて広く啓蒙,普及させ,高度な歯科医療技術として確立させてゆく必要性から,接着歯学のスタンダードとなるテキストブックの出版が提案された.これを受けて本学会としては,これまでの約20 年間の接着歯学に関する理論と技法を集約し,学問としての体系化を行い,併せて実践的な技術情報ならびに最新の知見を教育と臨床の現場に提供することを目的として,「接着歯学」の出版を決定した.
本書の編纂に当たり,柏田聰明氏を委員長とする「接着歯学」編集委員会を設置し,委員は常任理事の小野瀬英雄 副会長,河野 篤 学会誌編集委員会委員長の他,6名(熱田 充,荒木吉馬,佐野英彦,鈴木一臣,福島俊士,安田 登,敬称略)に委嘱した.
本書の内容は編集委員会で立案して常任理事会,理事会に諮り,歯科学生の卒前,卒後教育の基準となるテキストとして,かつ一般歯科臨床医にとって座右の技術書ともなることを目指した.
執筆者は,編集委員会が学会員のなかから選出し,それぞれの項目について広く公平な立場での執筆を依頼した.また,本書は臨床編と基礎編(接着の科学)とに分かれ,執筆者も70 人を越える大人数となったことから,記述内容の重複を避け,表現の統一をはかるため,それぞれの専門分野別に4名の監修者(細田裕康,藤井辨次,野口八九重,山下 敦,敬称略)に内容の調整と校閲を委嘱した.
本書の出版期日を「第1回国際接着歯学会」の開催に合わせて4月当初とした関係で,執筆をお願いした会員の方々に多大なご負担とご迷惑をおかけしたことに対し,この場を借りてお詫びと御礼を申し上げたい.
また,短期間で精力的に原稿の調整と校閲の作業を行っていただいた監修者の方々のご苦労に対しては,感謝もさることながら本書の評価をもってお応えさせていただきたい.
本書が,歯科学生の教育現場で広く使用されるとともに,臨床家の意識改革を促し,今後の歯科臨床を変えていく起爆剤となることを期待している.
2002 年4月
日本接着歯学会 会長 内山洋一
2002 年に日本接着歯学会が編集した『接着歯学─ Minimal Interventionを求めて─ 』(医歯薬出版)が出版されて13 年が経過した.本年(2015 年)はM.Buonocore先生によるエナメル質エッチングによるレジン接着の論文が発表(1955 年)されて60 年目にあたる.この節目となる年に先人の叡智が集大成された初版本を見直し,その後の新しい臨床技法,研究成果の追加,接着材料の開発秘話,学術用語の整理などを編集方針とした改訂版をここに上梓する.
日本接着歯学会は1983 年3 月に設立された日本接着歯学研究会を前身として,1987 年4 月に学会へ改組された.2017 年4 月には学会創立30 周年を迎えることになる.学会の30 年の歩みの集大成として区切りをつけるためにもこの改訂は時機を得たものといえよう.
日本接着歯学会は歯(特に象牙質)と人工材料を一体化する接着材を世界に先駆けて開発し,“歯の削りが少ない“,“痛くない”,“速い“,“きれい”な歯科治療を実現し,歯を守り,歯の長寿化をめざして人々の口腔の健康維持に貢献してきた.接着歯学は日本が先駆的に開拓してきた分野であり,本学会が産学臨と協働して世界の接着歯学をリードしてきたことは国内外で高く評価されている.初代会長の増原英一先生は,学会雑誌「接着歯学」創刊号の巻頭言に「接着歯学(adhesive dentistry)は最先端をゆくものであるから,本誌ADは接着を核とした周辺の先端技術から歯科医療の管理システムに至る先進歯学(advanced dentistry,AD)の情報を幅広く収載する」と述べられている.その言葉どおり,う蝕治療におけるMinimal Intervention Dentistryは「う蝕学」と接着歯学の集大成のうえに成り立った概念である.また矯正治療におけるダイレクトボンディング,欠損補綴における接着ブリッジ,ラミネートベニア修復,レジン支台築造,動揺歯固定,予防填塞,接着性根管充填など,接着歯学に基づく歯科治療は今日の歯科臨床において広く一般化している.まさに「接着歯学は歯科臨床を貫く」といっても過言ではないであろう.
最近では,ジルコニアや各種CAD/CAMブロック材などの新しい被着体が金属材料の代替材料として急速に普及している.特にわが国では,前・臼歯部接着ブリッジおよび小臼歯部のコンポジットレジンCAD/CAM冠が保険導入された.さらに直接法コンポジットレジン冠の臨床応用が世界に先駆けて始まった.その背景には,わが国特有の金銀パラジウム合金の価格高騰が保険医療財政を圧迫していることがある.今後,セラミック材やコンポジットレジン材を使ったメタルフリー修復への流れは加速度的に進むであろう.これら修復法は接着効力と接着補強に依存しており,修復の成功の鍵は歯冠形成法とレジン系接着材にあると考えられる.そのためには,接着歯学に関する基本的知識と接着材料の正確な取り扱いは一般臨床においてますます重要になる.
超高齢社会にあって,歯の長寿化は国民のQOLに大きく関わることである.歯・歯列の保存と口腔機能の長期維持のために,接着歯学の研究成果に基づく本書の内容はますます意義のあるものになるであろう.その意味で本書が広く歯科医療関係者の座右の書になることを期待している.特に歯科学生,歯科技工士学生,歯科衛生士学生,歯科研修医,大学院生などの標準テキストとして初版本と併せて活用されることを切望する.
最後に多忙な日常業務のなかで原稿を執筆していただいた執筆者各位,本書の企画・編集と監修の労をとっていただいた監修委員会の二階堂 徹委員長をはじめとする委員各位,および本改訂に全面的なご支援をいただいた医歯薬出版(株)に感謝申し上げる.
2015 年11 月
日本接着歯学会会長 福島正義
第1 版 序
日本が世界をリードしている「接着歯学」は,この20 年間に国際的にも急速に発展し,歯科臨床における大きな分野の一つとして歯科界で認められている.さらに現在では,臨床現場の要請に基礎学者と産業界が呼応する形で優れた研究業績が積み重ねられ,再現性のある「歯科用接着システム」が次々と生み出されている.
この接着歯学に裏付けされた歯科用接着システムは,いまや歯科医療の各分野に採用され,歯科臨床の根幹に関わる一大変革を巻き起こしつつある.しかし,歯科界全体から見ると,その変革の速度はあまりにも遅いように感じられる.
日本接着歯学会では,接着歯学の普及についての調査を行う目的で,一昨年「医療・教育検討委員会」(腰原 好委員長)が全国の歯科大学の臨床系講座を主体として25 部門の332 カ所に対し,「接着歯学教育に関するアンケート調査」を行った.その結果,回答のあった125 カ所のうち接着理論を教育に採り入れている講座は保存関連講座で約65%,補綴関連講座で約18%であり,無回答の講座を教育していないと解釈すれば,この数値は半分以下になるものと考えられる.しかも教育の内容についてはかなり統一性を欠いており,なかにはどのように教えたらよいか,といったとまどいも見られた.さらに分析すると,接着歯学教育の必要性は認めているものの,教育の現場に定着していないことや,教育に関心があってもアンダーグラジュエートでどの程度まで教育すべきかといった迷いが感じられた.これらの結果から,教育の指針となるスタンダードな教科書の必要性が示唆された.
このような状況を前提に,本学会の「企画・将来構想委員会」(柏田聰明委員長)から,歯科医療の発展向上にとって重要な役割を果たす接着歯学と,その実際面である臨床における接着技法を,教育を含めて広く啓蒙,普及させ,高度な歯科医療技術として確立させてゆく必要性から,接着歯学のスタンダードとなるテキストブックの出版が提案された.これを受けて本学会としては,これまでの約20 年間の接着歯学に関する理論と技法を集約し,学問としての体系化を行い,併せて実践的な技術情報ならびに最新の知見を教育と臨床の現場に提供することを目的として,「接着歯学」の出版を決定した.
本書の編纂に当たり,柏田聰明氏を委員長とする「接着歯学」編集委員会を設置し,委員は常任理事の小野瀬英雄 副会長,河野 篤 学会誌編集委員会委員長の他,6名(熱田 充,荒木吉馬,佐野英彦,鈴木一臣,福島俊士,安田 登,敬称略)に委嘱した.
本書の内容は編集委員会で立案して常任理事会,理事会に諮り,歯科学生の卒前,卒後教育の基準となるテキストとして,かつ一般歯科臨床医にとって座右の技術書ともなることを目指した.
執筆者は,編集委員会が学会員のなかから選出し,それぞれの項目について広く公平な立場での執筆を依頼した.また,本書は臨床編と基礎編(接着の科学)とに分かれ,執筆者も70 人を越える大人数となったことから,記述内容の重複を避け,表現の統一をはかるため,それぞれの専門分野別に4名の監修者(細田裕康,藤井辨次,野口八九重,山下 敦,敬称略)に内容の調整と校閲を委嘱した.
本書の出版期日を「第1回国際接着歯学会」の開催に合わせて4月当初とした関係で,執筆をお願いした会員の方々に多大なご負担とご迷惑をおかけしたことに対し,この場を借りてお詫びと御礼を申し上げたい.
また,短期間で精力的に原稿の調整と校閲の作業を行っていただいた監修者の方々のご苦労に対しては,感謝もさることながら本書の評価をもってお応えさせていただきたい.
本書が,歯科学生の教育現場で広く使用されるとともに,臨床家の意識改革を促し,今後の歯科臨床を変えていく起爆剤となることを期待している.
2002 年4月
日本接着歯学会 会長 内山洋一
序:接着歯学は歯科臨床を貫く(福島正義)
(第1 版 序)
臨床編
1章 接着歯学とは
(田上順次)
1 意 義
2 接着歯学会の発展
3 接着が臨床にもたらした効果
2章 MIの理念と接着
(宮崎真至)
3章 接着材料を用いたう窩形成前病変への対応
(伊藤修一,斎藤隆史)
1 概 説
1)う窩形成前病変
2)歯面コーティング材の応用
4章 直接法修復における接着―One day treatment
1 概説:無痛無刺激性修復とは(猪越重久)
1)切削治療の必要性
2)接着性レジンが可能にした窩洞形成の変化
3)樹脂含浸層による創傷治癒
4)無痛無刺激性修復
5)象牙質う蝕の構造と窩洞形成法
6)無痛無刺激性修復を実現するために
2 歯冠う蝕の修復
1)前歯部の修復(宮崎真至)
1.前準備
2.歯頸部修復
3.3 および4 級修復
4.漂白による接着への影響(新海航一)
5.症 例
2)臼歯部の修復(高垣智博)
1.1 級および2 級修復
2.ダイレクトクラウン
3 根面う蝕の修復(北川蘭奈,林 美加子,今里 聡)
1)根面う蝕の臨床的特徴
1.超高齢社会における根面う蝕
2.根面う蝕の進行形態とその特徴
2)処置法
1.コンポジットレジン修復
2.グラスアイオノマーセメント修復
4 無髄歯のコンポジットレジン修復(二階堂 徹)
5章 補 修
(久保至誠)
1 概 説
1)MIの概念における補修の意義
2)コンポジットレジン修復の長期臨床成績からみた修復物の事故
1.事故の種類
2.事故と各種要因
3.機能時間
4.事故の原因
2 処置法
1)再研磨
1.機械的歯面清掃,再研磨
2.再仕上げ・研磨(リファービッシュメント;refurbishment)
2)補修修復
3)再装着
6章 間接法修復における接着
1 概 説(矢谷博文)
1)間接法接着性修復材料の発展
1.セメント材料の発展
Column Phenyl-Pとスルフィン酸塩3 元系重合開始剤の開発秘話(山内淳一)
Column 接着がもたらした臨床の革新(柏田聰明)
2 切削象牙質面および歯髄の保護(亀山敦史)
1)レジンコーティング法
1.インレー・アンレーにおけるレジンコーティング法
2.レジンコーティングの実際
3.全部被覆冠におけるレジンコーティング法(柳田廣明)
2)接着性レジンによる直接覆髄(冨士谷盛興)
1.適応症
2.露髄創傷部の処置
3.ボンディング材による覆髄
4.レジン材料の歯髓刺激
5.適切なボンディング材の選択
6.レジンによる直接覆髄症例
3 処置法(新海航一)
1)インレー・アンレーの接着
1.材 料
2.臨床術式
2)ラミネートベニアの接着
1.材 料
2.臨床術式
3)間接法コンポジットレジンクラウンの臨床術式(田中昌博)
1.支台歯形成
2.テンポラリークラウンの仮着および撤去
3.クラウンの試適
4.クラウンの装着
5.審美性への配慮とセメントの選択
4)オールセラミッククラウンの臨床術式(三浦宏之)
1.MMA系レジンセメントとコンポジット系レジンセメントの違いによるクラウン接着後の歯根内応力分布
2.シリカ系のオールセラミッククラウンの臨床術式
3.アルミナ,ジルコニアオールセラミック修復装置の臨床術式
4.さまざまな被着体に使用できるユニバーサルプライマー
5)CAD/CAMレジン冠の臨床術式(疋田一洋)
1.サンドブラスト処理
2.37%リン酸エッチング材による洗浄
3.シランカップリング処理
4.支台歯の処理
5.接着性レジンセメントによる接着
Column スーパーボンドの誕生は偶然の所産?(安田 登)
7章 支台築造における接着
(南 弘之,村原貞昭)
1 概 説
1)支台築造を行ったうえでの歯冠修復と直接修復との境界線
2)ポストとフェルール
2 直接法による支台築造
1)適応症
2)処置法
1.コンポジットレジンと既製ファイバーポストによる支台築造
2.コンポジットレジンと既製金属ポストによる支台築造
3 間接法による支台築造
1)適応症
2)処置法
1.ファイバーコア
2.金属築造
3.金属分割築造
8章 接着ブリッジ
1 欠損歯列の補綴における接着技法の応用(田中卓男,松村英雄)
1)概 説
2 接着ブリッジの術式
1)直接法
1.人工歯および抜去歯の応用(田中卓男,南 弘之)
2.コンポジットレジンの応用(保坂啓一)
2)間接法
1.金属製接着ブリッジの基本デザイン(田上直美)
2.ジルコニアの応用(新谷明一)
3.グラスファイバーの応用
Column 接着がもたらした臨床の革新「スーパーボンド」の登場(眞坂信夫)
9章 接着性修復材料の発展
1 修復材料の発展(矢谷博文)
1)金 属
2)ポーセレン
3)ハイブリッドセラミックスの登場
4)オールセラミックスの登場
5)キャスタブルからCAD/CAMテクニックへ
6)フルカントゥアジルコニアクラウンブリッジの登場
2 デジタルデンティストリー(新谷明喜)
1)CAD/CAMによる修復装置
2)口腔内スキャナーによる光学印象
10章 義歯と接着
1 概 説(新保秀仁,大久保力廣,前田祥博)
2 有床義歯の接着技法
1)床用金属と床用レジンとの接着
1.化学的処理
2.機械的処理
2)人工歯と床用レジンとの接着
3)リライン材と床用レジンとの接着(村田比呂司,江越貴文,黒木唯文)
1.直接法
2.間接法
4)有床義歯の修理(池田正臣)
1.義歯床(床用レジン)
2.金属の構成要素
3.人工歯(破折,咬合面への追加)
11章 歯周治療と接着
(中塚 愛,菅谷 勉)
1 概 説
2 直接法による固定法
1)接着性レジン固定法
2)ファイバーリボンやメッシュ板を併用した固定法
3)A-splint
3 直接法に必要な接着性レジンの特性と種類
1)スーパーボンド(サンメディカル)
2)トクヤママルチボンドIIフィックスフォースプラス(トクヤマデンタル)
3)G-フィックス(ジーシー)
4 間接法による固定法
1)連結冠による固定
2)間接法と直接法の併用
12章 歯内治療と接着
(興地隆史)
1 概 説
1)各製品の組成の概要
2)適応症
3)根管洗浄の影響
4)シーラー層の厚みについての考え方
2 接着性根管充填システム
1)スーパーボンド根充シーラー(サンメディカル)
2)メタシールSoft(サンメディカル)
3)リアルシールSEシーラー(ペントロン ジャパン)
4)AHプラス(デンツプライ三金)
5)エンドレズ(Ultradent)
3 接着による隔壁
1)適応症・処置法
1.適応症
2.術 式
13章 歯の破折と接着
(菅谷 勉)
1 概 説
1)治療の基本
1.歯冠部の破折
2.歯根部の破折
3.歯の破折に用いる接着性レジンの要件
2 歯根歯折の症例
1)垂直歯根歯折
1.口腔内接着法の症例
2.ポスト接着後の歯根外側部接着法の症例
3.口腔外接着法
4.臨床成績
2)水平歯根歯折
14章 小児歯科における接着
(八若保孝)
1 概 説
2 フィッシャーシーラント
1)フィッシャーシーラント
2)レジン系シーラントの長期観察例から得たこと
3)グラスアイオノマーセメント系シーラント材
4)S-RPGフィラー含有レジンの開発
5)良好な予後を得るために
15章 矯正歯科における接着
(鈴木聖一)
1 概 説
2 ダイレクトボンディングシステム
1)スーパーボンドの接着メカニズム
2)補綴物への接着
3)矯正用セルフエッチングプライマーボンディング材
3 スーパーボンドを用いた接着の技術
基礎編
1章 接着の科学
(中嶌 裕)
1 歯の硬組織の特徴
2 象牙質の脱灰と接着
3 レジンの重合収縮と象牙質への接着
4 接着と合着
5 接着試験法の重要性
6 歯科用材料に対する接着
2章 接着理論
(西山典宏,鈴木一臣)
1 接着のしくみ
1)接着材の接着機構
1.化学的接着
2.機械的接着
3.相互拡散による接着
2)接着材分子の被着体表面への吸着
2 接着の条件
1)接着材
1.よく被着面をぬらす
2.固化する
3.接着性能を維持する
2)接着材の選択
3 接着強さの発現機構
1)接着力と接着強さ
2)接着材の破壊様式
4 接着強さを低下させる因子
1)接着材の硬化時の収縮
2)被着面の汚染
3章 接着材
(西山典宏,二階堂 徹)
1 接着性モノマー
1)歯質接着性モノマー
1.カルボン酸系接着性モノマー
2.リン酸系接着性モノマー
2)金属接着性モノマー
1.貴金属接着性モノマー
2.非貴金属接着性モノマー
3)セラミック接着性モノマーの極性基
1.シリカ系セラミックス用接着性モノマーの極性基
2.非シリカ系セラミックス用接着性モノマーの極性基
2 修復用コンポジットレジンの歯質への接着
1)接着術式
1.3 ステップ接着システム
2.2 ステップ接着システム
3.1 ステップセルフエッチング接着システム(オールインワン接着システム)
2)各接着システムの接着性能の評価
1.操作ステップと接着性能との関係
2.ワンボトルタイプ(1 液性)のセルフエッチングプライマーとオールインワン接着システムの保管安定性
3 接着性レジンセメント
1)組成からみた分類
1.コンポジット系接着性レジンセメント
2.MMA系接着性レジンセメント
2)硬化機構からみた分類
1.光重合型
2.化学重合型
3.デュアルキュア型
3)レジンセメントの歯質への接着
4)セルフアドヒーシブレジンセメント
Column 多機能化するレジン接着システム(奈良陽一郎)
Column 世界におけるレジンボンディングシステムのトレンド―トータルVSセルフ―(山田敏元)
4章 被着体
1 歯 質(吉田靖弘,猪越重久)
1)エナメル質
1.エナメル質の構造と組成
2.歯質の脱灰
3.エナメル質の被着面処理
4.接着界面の構造と性質
2)象牙質
1.象牙質の構造と組成
2.象牙質切削面の脱灰による変化
3.象牙質にも接着するレジンの登場
4.プライマー処理
5.ウェットボンディング法
6.接着性レジンの浸透・硬化
7.機能性モノマーと歯質の化学的相互作用
2 レジン(高橋英和)
1)レジンの構造と表面化学特性
2)被着体としてのレジンの諸問題
3)CAD/CAM用コンポジットレジンの接着
3 金 属(遠藤一彦,根津尚史)
1)金属接着の概念
1.機械的結合
2.化学的結合
2)接着性モノマーと金属の化学的接着
3)貴金属合金の表面処理法
4)金属接着の成否を決定する因子
5)被着面処理の実際
1.非貴金属合金の場合
2.貴金属合金の場合
3.チタンの場合
4 陶材(セラミックス)(宇尾基弘)
1)陶材とセラミックスの構造と接着
2)シリカ系ガラス・セラミックスの表面処理
3)非シリカ系セラミックス(アルミナ,ジルコニア系)の表面処理
4)各種処理による接着性の向上
Column カッパーバンドの接着から金パラの接着へ(松村英雄)
Column 陶材接着用プライマー誕生秘話(中村光夫)
5章 接着試験法
1 接着の評価(今里 聡,橋本正則)
1)接着強さ測定試験に関する国内外の規格
2)接着耐久性試験
1.長期水中浸漬試験
2.熱サイクル試験
3.繰り返し負荷試験
3)破断面の観察
1.界面破壊
2.接着材の凝集破壊
3.被着体破壊
4)接着界面の観察法
1.観察手技概説
2.酸-塩基抵抗性試験(二階堂 徹)
2 現在行われている接着試験法
1)せん断接着試験(今里 聡,橋本正則)
1.従来型のせん断接着試験
2.シングルプレーンシェア試験
3.微小せん断(マイクロシェア)接着試験(島田康史)
2)引張り接着試験
1.従来型の引張り接着試験(今里 聡,橋本正則)
2.マイクロテンサイル試験(micro-tensile test:微小引張り接着試験)……井上 哲,佐野英彦●170
6章 接着修復とアレルギー反応
(福本いづみ,松村光明)
1 レジンアレルギーの症状
2 レジンアレルギーの診断
3 レジンアレルギー患者の治療
4 レジンアレルギーの研究
付録(高橋英登)
現在わが国で臨床応用可能な各種接着性レジンセメント一覧
セラミックス系補綴物の表面処理に用いるプライマーの一覧
索引
編集後記(二階堂 徹)
(第1 版 序)
臨床編
1章 接着歯学とは
(田上順次)
1 意 義
2 接着歯学会の発展
3 接着が臨床にもたらした効果
2章 MIの理念と接着
(宮崎真至)
3章 接着材料を用いたう窩形成前病変への対応
(伊藤修一,斎藤隆史)
1 概 説
1)う窩形成前病変
2)歯面コーティング材の応用
4章 直接法修復における接着―One day treatment
1 概説:無痛無刺激性修復とは(猪越重久)
1)切削治療の必要性
2)接着性レジンが可能にした窩洞形成の変化
3)樹脂含浸層による創傷治癒
4)無痛無刺激性修復
5)象牙質う蝕の構造と窩洞形成法
6)無痛無刺激性修復を実現するために
2 歯冠う蝕の修復
1)前歯部の修復(宮崎真至)
1.前準備
2.歯頸部修復
3.3 および4 級修復
4.漂白による接着への影響(新海航一)
5.症 例
2)臼歯部の修復(高垣智博)
1.1 級および2 級修復
2.ダイレクトクラウン
3 根面う蝕の修復(北川蘭奈,林 美加子,今里 聡)
1)根面う蝕の臨床的特徴
1.超高齢社会における根面う蝕
2.根面う蝕の進行形態とその特徴
2)処置法
1.コンポジットレジン修復
2.グラスアイオノマーセメント修復
4 無髄歯のコンポジットレジン修復(二階堂 徹)
5章 補 修
(久保至誠)
1 概 説
1)MIの概念における補修の意義
2)コンポジットレジン修復の長期臨床成績からみた修復物の事故
1.事故の種類
2.事故と各種要因
3.機能時間
4.事故の原因
2 処置法
1)再研磨
1.機械的歯面清掃,再研磨
2.再仕上げ・研磨(リファービッシュメント;refurbishment)
2)補修修復
3)再装着
6章 間接法修復における接着
1 概 説(矢谷博文)
1)間接法接着性修復材料の発展
1.セメント材料の発展
Column Phenyl-Pとスルフィン酸塩3 元系重合開始剤の開発秘話(山内淳一)
Column 接着がもたらした臨床の革新(柏田聰明)
2 切削象牙質面および歯髄の保護(亀山敦史)
1)レジンコーティング法
1.インレー・アンレーにおけるレジンコーティング法
2.レジンコーティングの実際
3.全部被覆冠におけるレジンコーティング法(柳田廣明)
2)接着性レジンによる直接覆髄(冨士谷盛興)
1.適応症
2.露髄創傷部の処置
3.ボンディング材による覆髄
4.レジン材料の歯髓刺激
5.適切なボンディング材の選択
6.レジンによる直接覆髄症例
3 処置法(新海航一)
1)インレー・アンレーの接着
1.材 料
2.臨床術式
2)ラミネートベニアの接着
1.材 料
2.臨床術式
3)間接法コンポジットレジンクラウンの臨床術式(田中昌博)
1.支台歯形成
2.テンポラリークラウンの仮着および撤去
3.クラウンの試適
4.クラウンの装着
5.審美性への配慮とセメントの選択
4)オールセラミッククラウンの臨床術式(三浦宏之)
1.MMA系レジンセメントとコンポジット系レジンセメントの違いによるクラウン接着後の歯根内応力分布
2.シリカ系のオールセラミッククラウンの臨床術式
3.アルミナ,ジルコニアオールセラミック修復装置の臨床術式
4.さまざまな被着体に使用できるユニバーサルプライマー
5)CAD/CAMレジン冠の臨床術式(疋田一洋)
1.サンドブラスト処理
2.37%リン酸エッチング材による洗浄
3.シランカップリング処理
4.支台歯の処理
5.接着性レジンセメントによる接着
Column スーパーボンドの誕生は偶然の所産?(安田 登)
7章 支台築造における接着
(南 弘之,村原貞昭)
1 概 説
1)支台築造を行ったうえでの歯冠修復と直接修復との境界線
2)ポストとフェルール
2 直接法による支台築造
1)適応症
2)処置法
1.コンポジットレジンと既製ファイバーポストによる支台築造
2.コンポジットレジンと既製金属ポストによる支台築造
3 間接法による支台築造
1)適応症
2)処置法
1.ファイバーコア
2.金属築造
3.金属分割築造
8章 接着ブリッジ
1 欠損歯列の補綴における接着技法の応用(田中卓男,松村英雄)
1)概 説
2 接着ブリッジの術式
1)直接法
1.人工歯および抜去歯の応用(田中卓男,南 弘之)
2.コンポジットレジンの応用(保坂啓一)
2)間接法
1.金属製接着ブリッジの基本デザイン(田上直美)
2.ジルコニアの応用(新谷明一)
3.グラスファイバーの応用
Column 接着がもたらした臨床の革新「スーパーボンド」の登場(眞坂信夫)
9章 接着性修復材料の発展
1 修復材料の発展(矢谷博文)
1)金 属
2)ポーセレン
3)ハイブリッドセラミックスの登場
4)オールセラミックスの登場
5)キャスタブルからCAD/CAMテクニックへ
6)フルカントゥアジルコニアクラウンブリッジの登場
2 デジタルデンティストリー(新谷明喜)
1)CAD/CAMによる修復装置
2)口腔内スキャナーによる光学印象
10章 義歯と接着
1 概 説(新保秀仁,大久保力廣,前田祥博)
2 有床義歯の接着技法
1)床用金属と床用レジンとの接着
1.化学的処理
2.機械的処理
2)人工歯と床用レジンとの接着
3)リライン材と床用レジンとの接着(村田比呂司,江越貴文,黒木唯文)
1.直接法
2.間接法
4)有床義歯の修理(池田正臣)
1.義歯床(床用レジン)
2.金属の構成要素
3.人工歯(破折,咬合面への追加)
11章 歯周治療と接着
(中塚 愛,菅谷 勉)
1 概 説
2 直接法による固定法
1)接着性レジン固定法
2)ファイバーリボンやメッシュ板を併用した固定法
3)A-splint
3 直接法に必要な接着性レジンの特性と種類
1)スーパーボンド(サンメディカル)
2)トクヤママルチボンドIIフィックスフォースプラス(トクヤマデンタル)
3)G-フィックス(ジーシー)
4 間接法による固定法
1)連結冠による固定
2)間接法と直接法の併用
12章 歯内治療と接着
(興地隆史)
1 概 説
1)各製品の組成の概要
2)適応症
3)根管洗浄の影響
4)シーラー層の厚みについての考え方
2 接着性根管充填システム
1)スーパーボンド根充シーラー(サンメディカル)
2)メタシールSoft(サンメディカル)
3)リアルシールSEシーラー(ペントロン ジャパン)
4)AHプラス(デンツプライ三金)
5)エンドレズ(Ultradent)
3 接着による隔壁
1)適応症・処置法
1.適応症
2.術 式
13章 歯の破折と接着
(菅谷 勉)
1 概 説
1)治療の基本
1.歯冠部の破折
2.歯根部の破折
3.歯の破折に用いる接着性レジンの要件
2 歯根歯折の症例
1)垂直歯根歯折
1.口腔内接着法の症例
2.ポスト接着後の歯根外側部接着法の症例
3.口腔外接着法
4.臨床成績
2)水平歯根歯折
14章 小児歯科における接着
(八若保孝)
1 概 説
2 フィッシャーシーラント
1)フィッシャーシーラント
2)レジン系シーラントの長期観察例から得たこと
3)グラスアイオノマーセメント系シーラント材
4)S-RPGフィラー含有レジンの開発
5)良好な予後を得るために
15章 矯正歯科における接着
(鈴木聖一)
1 概 説
2 ダイレクトボンディングシステム
1)スーパーボンドの接着メカニズム
2)補綴物への接着
3)矯正用セルフエッチングプライマーボンディング材
3 スーパーボンドを用いた接着の技術
基礎編
1章 接着の科学
(中嶌 裕)
1 歯の硬組織の特徴
2 象牙質の脱灰と接着
3 レジンの重合収縮と象牙質への接着
4 接着と合着
5 接着試験法の重要性
6 歯科用材料に対する接着
2章 接着理論
(西山典宏,鈴木一臣)
1 接着のしくみ
1)接着材の接着機構
1.化学的接着
2.機械的接着
3.相互拡散による接着
2)接着材分子の被着体表面への吸着
2 接着の条件
1)接着材
1.よく被着面をぬらす
2.固化する
3.接着性能を維持する
2)接着材の選択
3 接着強さの発現機構
1)接着力と接着強さ
2)接着材の破壊様式
4 接着強さを低下させる因子
1)接着材の硬化時の収縮
2)被着面の汚染
3章 接着材
(西山典宏,二階堂 徹)
1 接着性モノマー
1)歯質接着性モノマー
1.カルボン酸系接着性モノマー
2.リン酸系接着性モノマー
2)金属接着性モノマー
1.貴金属接着性モノマー
2.非貴金属接着性モノマー
3)セラミック接着性モノマーの極性基
1.シリカ系セラミックス用接着性モノマーの極性基
2.非シリカ系セラミックス用接着性モノマーの極性基
2 修復用コンポジットレジンの歯質への接着
1)接着術式
1.3 ステップ接着システム
2.2 ステップ接着システム
3.1 ステップセルフエッチング接着システム(オールインワン接着システム)
2)各接着システムの接着性能の評価
1.操作ステップと接着性能との関係
2.ワンボトルタイプ(1 液性)のセルフエッチングプライマーとオールインワン接着システムの保管安定性
3 接着性レジンセメント
1)組成からみた分類
1.コンポジット系接着性レジンセメント
2.MMA系接着性レジンセメント
2)硬化機構からみた分類
1.光重合型
2.化学重合型
3.デュアルキュア型
3)レジンセメントの歯質への接着
4)セルフアドヒーシブレジンセメント
Column 多機能化するレジン接着システム(奈良陽一郎)
Column 世界におけるレジンボンディングシステムのトレンド―トータルVSセルフ―(山田敏元)
4章 被着体
1 歯 質(吉田靖弘,猪越重久)
1)エナメル質
1.エナメル質の構造と組成
2.歯質の脱灰
3.エナメル質の被着面処理
4.接着界面の構造と性質
2)象牙質
1.象牙質の構造と組成
2.象牙質切削面の脱灰による変化
3.象牙質にも接着するレジンの登場
4.プライマー処理
5.ウェットボンディング法
6.接着性レジンの浸透・硬化
7.機能性モノマーと歯質の化学的相互作用
2 レジン(高橋英和)
1)レジンの構造と表面化学特性
2)被着体としてのレジンの諸問題
3)CAD/CAM用コンポジットレジンの接着
3 金 属(遠藤一彦,根津尚史)
1)金属接着の概念
1.機械的結合
2.化学的結合
2)接着性モノマーと金属の化学的接着
3)貴金属合金の表面処理法
4)金属接着の成否を決定する因子
5)被着面処理の実際
1.非貴金属合金の場合
2.貴金属合金の場合
3.チタンの場合
4 陶材(セラミックス)(宇尾基弘)
1)陶材とセラミックスの構造と接着
2)シリカ系ガラス・セラミックスの表面処理
3)非シリカ系セラミックス(アルミナ,ジルコニア系)の表面処理
4)各種処理による接着性の向上
Column カッパーバンドの接着から金パラの接着へ(松村英雄)
Column 陶材接着用プライマー誕生秘話(中村光夫)
5章 接着試験法
1 接着の評価(今里 聡,橋本正則)
1)接着強さ測定試験に関する国内外の規格
2)接着耐久性試験
1.長期水中浸漬試験
2.熱サイクル試験
3.繰り返し負荷試験
3)破断面の観察
1.界面破壊
2.接着材の凝集破壊
3.被着体破壊
4)接着界面の観察法
1.観察手技概説
2.酸-塩基抵抗性試験(二階堂 徹)
2 現在行われている接着試験法
1)せん断接着試験(今里 聡,橋本正則)
1.従来型のせん断接着試験
2.シングルプレーンシェア試験
3.微小せん断(マイクロシェア)接着試験(島田康史)
2)引張り接着試験
1.従来型の引張り接着試験(今里 聡,橋本正則)
2.マイクロテンサイル試験(micro-tensile test:微小引張り接着試験)……井上 哲,佐野英彦●170
6章 接着修復とアレルギー反応
(福本いづみ,松村光明)
1 レジンアレルギーの症状
2 レジンアレルギーの診断
3 レジンアレルギー患者の治療
4 レジンアレルギーの研究
付録(高橋英登)
現在わが国で臨床応用可能な各種接着性レジンセメント一覧
セラミックス系補綴物の表面処理に用いるプライマーの一覧
索引
編集後記(二階堂 徹)








