第3版 緒言
1998年8月に発行された『摂食・嚥下リハビリテーション』(金子芳洋,千野直一監修)は,日本摂食嚥下リハビリテーション学会の主要メンバーが力を合わせてまとめた教科書であった.初版は摂食嚥下リハビリテーション領域の発展とともに広く教育・臨床の場に浸透し,テキストとして揺るぎないポジションを確立した.そして2007年には,全面改訂となった第2版(才藤栄一,向井美惠監修)を発行するに至っている.第2版でも,本書は初版からの信頼を発展させ,摂食嚥下リハビリテーション領域のアップデートな基礎・臨床を解説した.読者諸氏からは引き続き大きな支持を得ることができ,初版,第2版とあわせ現在までに多くの読者に手にしてもらうことができた.
そして,ここに9年の歳月を経て第3版の改訂が実現したわけだが,前版発行からの本領域の発展の軌跡をたどりつつ,改訂へと至った経緯を考えてみたい.
摂食嚥下リハビリテーション領域は,1980年代に始まった若い領域であり,今日においても急速に進歩している.プロセスモデルの登場は臨床概念を大きく変えたが,2007年に開発された320列マルチスライスCTの登場は同じように変革をもたらした.嚥下器官の可視領域を大幅に拡大させ,それまでこの領域を大きく牽引する原動力となった嚥下造影とは異なり,嚥下運動の立体的定量的把握を可能とし,治療志向的な嚥下動態の把握を実現させたのである.また,TOR-BSSTやMASAといった前版には収載していない評価手法も打ち立てられてきた.障害への介入に関しても,従来の訓練・練習(training,exercise)はエビデンスを蓄え,さらに非侵襲的脳刺激(noninvasive brain stimulation;NIBS)といった新しい手法なども,研究論文を目にする機会が増えるようになってきた.
一方,日本摂食嚥下リハビリテーション学会は会員数が平成27年に11,000名を超え,前版刊行以降に,一般社団法人化,認定制度創設とeラーニングの運用開始,各種ガイドラインの整備といったドラスティックな展開を行っている.また,日本の医療保険制度においては,2010年には「嚥下造影検査」がそれまでの食道造影準用から保険に独立して収載され,2014年には胃瘻造設前の「嚥下造影検査」,「内視鏡嚥下機能検査」実施による造設前の嚥下機能評価が重視されるようになった.
進展する高齢社会のなか,このように摂食嚥下リハビリテーション領域は,増大する患者ニーズにあわせて急速に進歩してきたのである.この第3版には,このような改訂までの9年の科学の進歩が凝縮されているといってもよいだろう.初版,第2版と同じく,本書が摂食嚥下リハビリテーションの進歩・普及にさらに貢献できれば幸いである.
最後に,改訂版を発刊するにあたり,ご尽力いただいた著者の皆様,編集委員の皆様,そして,医歯薬出版株式会社に心より感謝申し上げる.
2016年9月
才藤栄一
植田耕一郎
第2版 緒言
この度,1998年8月に発刊された『摂食・嚥下リハビリテーション』(金子芳洋,千野直一監修)が改訂されることになった.本書初版は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の主要メンバーが力を合わせて編纂した日本の摂食・嚥下リハビリテーション臨床家のための教科書だった.実際,1万部を超える発行部数は,その極めて大きな訴求力を示している.そして,第2版発行までに9年の歳月が経過した.ここでは摂食・嚥下リハビリテーションの歴史をごく簡単に振り返りながら,そのようななかで生まれた本書とその改訂の意義に触れてみたい.
摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションの歴史は新しい.欧米では,1981年に創設されたJohns Hopkins大学Swallowing Centerに代表される学際的な「嚥下障害センター」がその発展に大きく寄与した.また,Logemanによる教科書は,1983年に刊行されている.これら1980年代前半の仕事によって,本領域はその基礎が確立した.また,学際誌Dysphagia(Springer)は1986年に刊行され,リハビリテーション医学の代表的教科書Kruzen's Handbook第4版に嚥下の章が登場したのは1990年のことであった.
日本では,1980年代初めより耳鼻科領域で研究会が開催されるようになった.リハビリテーション領域では,1980年代半ばより臨床的検討が始まり,1990年代に入って急速に普及していった.そして,1994年の診療報酬改定において「摂食機能療法」が医科と歯科に同時に新設されたことが,大きな転機となった.以降,歯科関係者の積極的関与が日本特有の傾向となる.
1995年,学際的学会である日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が創設された.同会は拡張を続けて,現在,会員数5,000名を超え,年3巻の学術誌を発刊している.また,2006年には摂食機能療法の保険上の扱いが大幅に拡張された.さらに専門性についてみれば,1999年に言語聴覚士が国家資格となったことも大きな変化点であった.また,認定看護師制が2006年に始まり,言語聴覚士協会でも認定制検討が始まっている.日本摂食・嚥下リハビリテーション学会でも2008年に多職種に対応するシステムのスタートを検討している.
科学の進歩は大きく,特に,始まったばかりの本領域は,本書初版刊行の1998年以降も大きな変化をとげてきた.生理学的概念,診断法,治療法,対処法も大きく変わった.臨床では,嚥下造影のみならず嚥下内視鏡検査も広く用いられるようになった.また,球麻痺の病態生理の解明など,その理解が精緻化されたものばかりでなく,プロセスモデルのように概念を根本的に変容させたものさえあった.
以上を鑑みれば,改訂までの間隔はやや長過ぎたかもしれない.ただそれだけに,改訂内容の充実ぶりが明瞭であると思う.この教科書が,摂食・嚥下リハビリテーションの進歩・普及にさらに貢献できればありがたい.
最後に,改訂版を発刊するにあたり,ご尽力いただいた著者の皆様,編集委員の皆様,そして,医歯薬出版株式会社に心より感謝申し上げる.
2007年8月
才藤栄一
向井美惠
初版 緒言
摂食・嚥下障害に対する医療領域は,わが国で認められるようになって日が浅く,まだ普遍化していないため,多くの医療関係者は対応に苦慮しているのが実状である.このような状況は,ほとんどの先進諸国においても同様であり,そのニーズの大きさにもかかわらず,系統的な医療対応は十分にはなされていないといえよう.
摂食・嚥下障害への取り組みに関しては,特別の教育も研修も受けたことのない医療関係者が多い現状にありながら,関係する職種によっては訓練や指導を委ねられるという例も珍しくない.また,現在,多くの医療機関において,摂食・嚥下障害は,その機能に関与する器官の多さから,複数の医療専門領域の対象とされている.一方,食べることが生きるための基本であり日常的な営みであることから,保健や福祉などの領域とのかかわりを必要とすることも多く,医療における対応のみでは限界がある.
最近では,社会的にも医療や介護のあり方がこれまでになく注目され,かつ,摂食・嚥下障害の対応が可能であることが理解されるに伴い,それぞれの専門領域で,摂食・嚥下に関する基礎知識ならびに,有用な診断(評価)法の開発や効果的な治療(訓練)手技などが強く求められてきている.
そこで,このような大きな期待に,少しでも応えることができればとの願いから企画されたのが本書である.
本書は,摂食・嚥下リハビリテーションという新しい視点で,摂食・嚥下に関する学究的な裏づけと,臨床技術の両面にわたってまとめたはじめての手引き書であり,医師,歯科医師をはじめ,摂食・嚥下障害にかかわる医療,保健,福祉領域の専門家および,それらを志す学生諸君や卒後教育のための指針となることをねらいとしている.
本書のような乳幼児から高齢者までの摂食・嚥下に関する基礎と臨床を1冊にまとめた成書は,世界に類をみないと自負している.
本書が生まれるまでには,摂食・嚥下障害に対する貴重な臨床や研究があり,そこから学ばせていただいたことが基盤となっていることはいうまでもない.これらの多くの摂食・嚥下障害に取り組んでこられた方々に感謝するとともに,本書が摂食・嚥下リハビリテーションに関心をよせられる読者諸氏のお役に立てることを願って,序とさせていただく.
なお,なにぶんにも新たなテーマであり,また執筆者も多領域にわたるため,重複する箇所,内容や用語の整備など,いたらない面も多々あるかと思われる.今後,読者のご叱正ならびにご批判を賜れば幸いである.
最後に,本書の出版にあたり,執筆に快く協力していただいた著者の先生方に心から御礼申し上げるとともに,多大なご助力をいただいた医歯薬出版株式会社に深謝する次第である.
1998年8月
監修者・編集委員一同
1998年8月に発行された『摂食・嚥下リハビリテーション』(金子芳洋,千野直一監修)は,日本摂食嚥下リハビリテーション学会の主要メンバーが力を合わせてまとめた教科書であった.初版は摂食嚥下リハビリテーション領域の発展とともに広く教育・臨床の場に浸透し,テキストとして揺るぎないポジションを確立した.そして2007年には,全面改訂となった第2版(才藤栄一,向井美惠監修)を発行するに至っている.第2版でも,本書は初版からの信頼を発展させ,摂食嚥下リハビリテーション領域のアップデートな基礎・臨床を解説した.読者諸氏からは引き続き大きな支持を得ることができ,初版,第2版とあわせ現在までに多くの読者に手にしてもらうことができた.
そして,ここに9年の歳月を経て第3版の改訂が実現したわけだが,前版発行からの本領域の発展の軌跡をたどりつつ,改訂へと至った経緯を考えてみたい.
摂食嚥下リハビリテーション領域は,1980年代に始まった若い領域であり,今日においても急速に進歩している.プロセスモデルの登場は臨床概念を大きく変えたが,2007年に開発された320列マルチスライスCTの登場は同じように変革をもたらした.嚥下器官の可視領域を大幅に拡大させ,それまでこの領域を大きく牽引する原動力となった嚥下造影とは異なり,嚥下運動の立体的定量的把握を可能とし,治療志向的な嚥下動態の把握を実現させたのである.また,TOR-BSSTやMASAといった前版には収載していない評価手法も打ち立てられてきた.障害への介入に関しても,従来の訓練・練習(training,exercise)はエビデンスを蓄え,さらに非侵襲的脳刺激(noninvasive brain stimulation;NIBS)といった新しい手法なども,研究論文を目にする機会が増えるようになってきた.
一方,日本摂食嚥下リハビリテーション学会は会員数が平成27年に11,000名を超え,前版刊行以降に,一般社団法人化,認定制度創設とeラーニングの運用開始,各種ガイドラインの整備といったドラスティックな展開を行っている.また,日本の医療保険制度においては,2010年には「嚥下造影検査」がそれまでの食道造影準用から保険に独立して収載され,2014年には胃瘻造設前の「嚥下造影検査」,「内視鏡嚥下機能検査」実施による造設前の嚥下機能評価が重視されるようになった.
進展する高齢社会のなか,このように摂食嚥下リハビリテーション領域は,増大する患者ニーズにあわせて急速に進歩してきたのである.この第3版には,このような改訂までの9年の科学の進歩が凝縮されているといってもよいだろう.初版,第2版と同じく,本書が摂食嚥下リハビリテーションの進歩・普及にさらに貢献できれば幸いである.
最後に,改訂版を発刊するにあたり,ご尽力いただいた著者の皆様,編集委員の皆様,そして,医歯薬出版株式会社に心より感謝申し上げる.
2016年9月
才藤栄一
植田耕一郎
第2版 緒言
この度,1998年8月に発刊された『摂食・嚥下リハビリテーション』(金子芳洋,千野直一監修)が改訂されることになった.本書初版は,日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の主要メンバーが力を合わせて編纂した日本の摂食・嚥下リハビリテーション臨床家のための教科書だった.実際,1万部を超える発行部数は,その極めて大きな訴求力を示している.そして,第2版発行までに9年の歳月が経過した.ここでは摂食・嚥下リハビリテーションの歴史をごく簡単に振り返りながら,そのようななかで生まれた本書とその改訂の意義に触れてみたい.
摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションの歴史は新しい.欧米では,1981年に創設されたJohns Hopkins大学Swallowing Centerに代表される学際的な「嚥下障害センター」がその発展に大きく寄与した.また,Logemanによる教科書は,1983年に刊行されている.これら1980年代前半の仕事によって,本領域はその基礎が確立した.また,学際誌Dysphagia(Springer)は1986年に刊行され,リハビリテーション医学の代表的教科書Kruzen's Handbook第4版に嚥下の章が登場したのは1990年のことであった.
日本では,1980年代初めより耳鼻科領域で研究会が開催されるようになった.リハビリテーション領域では,1980年代半ばより臨床的検討が始まり,1990年代に入って急速に普及していった.そして,1994年の診療報酬改定において「摂食機能療法」が医科と歯科に同時に新設されたことが,大きな転機となった.以降,歯科関係者の積極的関与が日本特有の傾向となる.
1995年,学際的学会である日本摂食・嚥下リハビリテーション学会が創設された.同会は拡張を続けて,現在,会員数5,000名を超え,年3巻の学術誌を発刊している.また,2006年には摂食機能療法の保険上の扱いが大幅に拡張された.さらに専門性についてみれば,1999年に言語聴覚士が国家資格となったことも大きな変化点であった.また,認定看護師制が2006年に始まり,言語聴覚士協会でも認定制検討が始まっている.日本摂食・嚥下リハビリテーション学会でも2008年に多職種に対応するシステムのスタートを検討している.
科学の進歩は大きく,特に,始まったばかりの本領域は,本書初版刊行の1998年以降も大きな変化をとげてきた.生理学的概念,診断法,治療法,対処法も大きく変わった.臨床では,嚥下造影のみならず嚥下内視鏡検査も広く用いられるようになった.また,球麻痺の病態生理の解明など,その理解が精緻化されたものばかりでなく,プロセスモデルのように概念を根本的に変容させたものさえあった.
以上を鑑みれば,改訂までの間隔はやや長過ぎたかもしれない.ただそれだけに,改訂内容の充実ぶりが明瞭であると思う.この教科書が,摂食・嚥下リハビリテーションの進歩・普及にさらに貢献できればありがたい.
最後に,改訂版を発刊するにあたり,ご尽力いただいた著者の皆様,編集委員の皆様,そして,医歯薬出版株式会社に心より感謝申し上げる.
2007年8月
才藤栄一
向井美惠
初版 緒言
摂食・嚥下障害に対する医療領域は,わが国で認められるようになって日が浅く,まだ普遍化していないため,多くの医療関係者は対応に苦慮しているのが実状である.このような状況は,ほとんどの先進諸国においても同様であり,そのニーズの大きさにもかかわらず,系統的な医療対応は十分にはなされていないといえよう.
摂食・嚥下障害への取り組みに関しては,特別の教育も研修も受けたことのない医療関係者が多い現状にありながら,関係する職種によっては訓練や指導を委ねられるという例も珍しくない.また,現在,多くの医療機関において,摂食・嚥下障害は,その機能に関与する器官の多さから,複数の医療専門領域の対象とされている.一方,食べることが生きるための基本であり日常的な営みであることから,保健や福祉などの領域とのかかわりを必要とすることも多く,医療における対応のみでは限界がある.
最近では,社会的にも医療や介護のあり方がこれまでになく注目され,かつ,摂食・嚥下障害の対応が可能であることが理解されるに伴い,それぞれの専門領域で,摂食・嚥下に関する基礎知識ならびに,有用な診断(評価)法の開発や効果的な治療(訓練)手技などが強く求められてきている.
そこで,このような大きな期待に,少しでも応えることができればとの願いから企画されたのが本書である.
本書は,摂食・嚥下リハビリテーションという新しい視点で,摂食・嚥下に関する学究的な裏づけと,臨床技術の両面にわたってまとめたはじめての手引き書であり,医師,歯科医師をはじめ,摂食・嚥下障害にかかわる医療,保健,福祉領域の専門家および,それらを志す学生諸君や卒後教育のための指針となることをねらいとしている.
本書のような乳幼児から高齢者までの摂食・嚥下に関する基礎と臨床を1冊にまとめた成書は,世界に類をみないと自負している.
本書が生まれるまでには,摂食・嚥下障害に対する貴重な臨床や研究があり,そこから学ばせていただいたことが基盤となっていることはいうまでもない.これらの多くの摂食・嚥下障害に取り組んでこられた方々に感謝するとともに,本書が摂食・嚥下リハビリテーションに関心をよせられる読者諸氏のお役に立てることを願って,序とさせていただく.
なお,なにぶんにも新たなテーマであり,また執筆者も多領域にわたるため,重複する箇所,内容や用語の整備など,いたらない面も多々あるかと思われる.今後,読者のご叱正ならびにご批判を賜れば幸いである.
最後に,本書の出版にあたり,執筆に快く協力していただいた著者の先生方に心から御礼申し上げるとともに,多大なご助力をいただいた医歯薬出版株式会社に深謝する次第である.
1998年8月
監修者・編集委員一同
総論編
1章 リハビリテーション医学・医療総論(才藤栄一)
1 リハビリテーション医学の対象
(1)リハビリテーション医学が扱う活動障害
(2)リハビリテーション医学が扱う臓器系,各科との関係
2 リハビリテーション医学に必要な概念体系
(1)運動学
(2)障害階層論
3 リハビリテーション医学の介入法
(1)システムとしての解決
(2)健常部の重要性
(3)帰結予測の重要性
(4)リハビリテーション医療の専門家
(5)リハビリテーションチームの形態
4 リハビリテーション医学の四つの対処法
(1)障害者の包括的医学管理
(2)活動機能構造連関
(3)支援システム
(4)治療的学習
2章 摂食嚥下リハビリテーション総論
1 小児の摂食嚥下リハビリテーション
(1)はじめに
(2)小児の摂食嚥下リハビリテーションの特徴
(3)小児の摂食嚥下障害の分類
(4)摂食嚥下障害に導く阻害因子
1−肢体不自由 2−知的障害 3−神経・筋疾患 4−形態異常
5−感覚運動体験不足 6−摂食嚥下障害を修飾する因子
7−摂食嚥下機能獲得と機能不全への対応の基本
2 成人の摂食嚥下リハビリテーション(才藤栄一)
(1)成人の摂食嚥下障害の特徴
1−原疾患 2−加齢の影響
(2)摂食嚥下障害の評価
1−主訴,病歴,経過 2−現症 3−機能検査と食事場面の観察
4−スクリーニング検査 5−嚥下造影,嚥下内視鏡検査,嚥下CT検査,その他
(3)摂食嚥下障害への対応
1−口腔ケア 2−訓練 3−体位・食物物性・補助装置
4−経管栄養法 5−医学的管理
(4)陥りたくない二分法的思考
3 摂食嚥下障害への多角的アプローチの考え方(植田耕一郎)
(1)病態時期
(2)多職種恊働・チームリーダー・コーディネーター
(3)検査値による画一的対応の限界
(4)摂食嚥下の機能訓練の効果
(5)リスクマネジメントとケアマネジメント
(6)死生学,死生観
3章 摂食嚥下リハビリテーションの歴史
1 日本における摂食嚥下リハビリテーションの歴史(小野木啓子)
(1)はじめに
(2)日本における摂食嚥下リハビリテーションの歴史
(3)おわりに
2 米国における摂食嚥下リハビリテーションの歴史(JoAnne Robbins,Nicole M.Rusche:倉智雅子訳)
(1)過去
(2)現在
(3)まとめ
3 欧州における摂食嚥下リハビリテーションの歴史と欧州嚥下障害学会(ESSD)の役割(Pere Clave,Jane Lewis:高橋浩二訳)
(1)はじめに
(2)欧州嚥下障害・咽喉頭異常感症研究会から欧州嚥下障害学会へ
(3)各国の学会について
(4)ESSD
1−ESSDの設立と目的 2−ESSDの研究 3−ESSDの教育
4−ESSDの臨床 5−ESSDの未来
基礎編
1章 摂食嚥下器官の解剖(松永智,阿部伸一,井出吉信)
1 口腔の構造
(1)口唇
1−口唇の神経支配 2−口唇の血液供給
(2)口蓋
1−口蓋の神経支配 2−口蓋の血液供給
(3)頬
1−頬の神経支配 2−頬の血液供給
(4)舌
1−舌の神経支配 2−舌の血液供給
(5)歯
1−歯の神経支配 2−歯の血液供給
(6)唾液腺
1−大唾液腺 2−小唾液腺
2 鼻腔,咽頭,喉頭,食道の構造
(1)鼻腔
1−鼻腔を構成する骨 2−鼻腔の側壁 3−鼻腔粘膜 4−副鼻腔
(2)咽頭
1−咽頭の構造 2−咽頭の壁構造
(3)喉頭
1−喉頭の軟骨 2−喉頭の靱帯 3−喉頭の壁構造 4−喉頭の内腔
(4)食道
1−食道の壁構造
3 摂食嚥下に関与する筋
(1)表情筋
(2)咀嚼筋
(3)舌骨上筋・舌骨下筋
(4)舌筋
(5)軟口蓋の筋
(6)咽頭の筋
(7)喉頭の筋
2章 摂食嚥下の生理
1 摂食嚥下の概要(山田好秋)
(1)口腔機能
1−味覚 2−唾液
(2)摂食行動
(3)摂食嚥下運動
1−食物の認知と取り込み〈先行期(認知期)〉 2−食物の咀嚼と食塊形成〈準備期(咀嚼期)〉
3−嚥下の中枢機構と嚥下反射 4−食道の機能(食道期)
(4)嘔吐
1−嘔吐の誘発 2−嘔吐の仕組み
2 3D-CTによる嚥下生理のアップデート(稲本陽子)
(1)諸器官の運動時間
(2)諸器官の運動調整機構
(3)咽頭収縮
(4)舌骨/喉頭の移動距離および食道入口部開大面積
(5)舌骨上筋群の起始-停止長の変化
3 ヒトの脳画像・脳マッピング・嚥下のニューロサイエンス(Ruth E.Martin:稲本陽子訳)
(1)嚥下の皮質表象領域の機能的貢献
(2)嚥下障害とその回復の神経表象
3章 摂食嚥下と呼吸・発声
1 呼吸と摂食嚥下(井上 誠)
2 発声発語と摂食嚥下(熊倉勇美)
(1)発声発語器官と摂食嚥下器官
(2)発声発語機能と摂食嚥下機能
4章 摂食嚥下のモデル
1 5期モデル(臨床モデル)(松尾浩一郎)
2 3期モデルと4期モデル(松尾浩一郎,Jeffrey B.Palmer)
(1)口腔準備期
(2)口腔送り込み期
(3)咽頭期
(4)食道期
(補)連続嚥下
3 プロセスモデル(松尾浩一郎,Jeffrey B.Palmer)
(1)Stage I transport
(2)Processing
(3)Stage II transport
(4)Swallowing
1−嚥下惹起の因子 2−咽頭期
5章 摂食嚥下機能と発達,加齢
1 発達と摂食嚥下機能(弘中祥司,向井美惠)
(1)発達と摂食嚥下機能の獲得過程
1−乳汁摂取 2−経口摂取の準備 3−摂食嚥下機能の発達と他の機能の発達
4−口腔の成長と摂食嚥下機能の発達 5−摂食嚥下機能の獲得過程
6−咀嚼機能の発達 7−自食(先行期)機能の獲得
2 摂食嚥下機能の加齢変化(中川量晴,松尾浩一郎)
(1)口腔機能
1−咀嚼機能 2−唾液分泌能 3−感覚機能
(2)咽頭機能
1−嚥下反射の惹起,食塊の通過 2−舌骨・喉頭機能
3−食道入口部 4−呼吸 5−咳反射
3 フレイルと栄養障害(近藤和泉)
(1)フレイル(frailty)
(2)フレイルの原因
(3)フレイルと嚥下障害
(4)フレイルと栄養管理
臨床編I 評価・対応の基本
1章 摂食嚥下障害の評価・検査・診断
1 診察(太田喜久夫)
(1)診察の目的
(2)診察前に実施すること
(3)患者診察の留意点
1−患者が診察室へ入ってくる場合 2−患者の病室を訪れる場合
(4)まとめ
2 生活場面における観察(深田順子)
(1)摂食嚥下機能の観察
(2)ベッドサイドのフィジカル・アセスメント
3 スクリーニング
(1)スクリーニングの意義・検査の意義
1−はじめに(戸原 玄) 2−感度,特異度(中山渕利)
(2)スクリーニング質問紙
1−聖隷式嚥下質問紙(大熊るり) 2−嚥下障害リスク評価尺度改訂版(深田順子)
3−EAT-10(若林秀隆)
(3)スクリーニング検査
1−反復唾液嚥下テスト(中山渕利) 2−水飲みテスト(中山渕利)
3−フードテスト(中山渕利) 4−舌圧や開口力の測定(中山渕利)
5−MASA(藤島一郎) 6−TOR-BSST(稲本陽子)
4 嚥下内視鏡検査(VE)(太田喜久夫)
(1)嚥下内視鏡検査普及の歴史
(2)嚥下内視鏡検査の目的
(3)検査機器の説明
1−VEシステム
(4)VEの操作特性
(5)画像の特性
(6)有害事象とその対策
1−リドカインアレルギー 2−失神・血圧低下(迷走神経過緊張)
3−喉頭けいれん 4−その他
(7)評価法の特徴:VEとVFの比較
(8)VEの実際
1−VEで準備するもの 2−VE洗浄法 3−内視鏡画像のオリエンテーション
4−ファイバースコープの挿入法
(9)VEでのおもな観察項目
1−観察点1 2−観察点2 3−観察点3
(10)食物嚥下での嚥下機能評価
1−検査食での評価前に,咽頭や喉頭への分泌物貯留の程度,喀出力の程度を評価する
2−姿勢 3−検査食 4−食塊通過経路の評価,嚥下反射惹起のタイミング,喉頭侵入・誤嚥,喀出力,残留部位と量,残留物のクリアランス過程,残留物への感覚の有無などを評価する
5−咽頭・喉頭の感覚評価
(11)嚥下障害患者のVE画像例
5 嚥下造影(VF)(柴田斉子)
(1)検査の目的
(2)嚥下造影の準備
1−必要な装置 2−造影剤と検査食
(3)嚥下造影の実際
1−検査の開始前に 2−観察範囲とX線照射のタイミング 3−プロトコール
(4)命令嚥下(液体嚥下)と咀嚼嚥下
1−命令嚥下(液体嚥下) 2−咀嚼嚥下 3−液体連続嚥下
4−VFの所見
6 胃瘻造設前の嚥下機能評価(柴田斉子)
(1)胃瘻造設時嚥下機能評価加算
(2)評価の実際
7 小児の嚥下造影・嚥下内視鏡・呼吸動態(上気道)検査
(1)精密検査(VE・VF)の前に(北住映二)
(2)嚥下造影(北住映二)
(3)小児の内視鏡検査(木下憲治)
(4)呼吸動態(上気道)検査(北住映二)
8 3D-CTによる評価
(1)概要(稲本陽子)
(2)嚥下CTの登場(稲本陽子)
(3)嚥下CTの準備(稲本陽子)
1−必要な装置 2−撮影
(4)撮影(稲本陽子)
(5)画像作成と解析方法(稲本陽子)
(6)評価(稲本陽子)
1−形態評価(管球1回転による撮影) 2−動態評価(管球連続回転による撮影)
(7)今後の臨床応用(稲本陽子)
(補)CTの被曝線量(金森大輔,加賀谷 斉)
9 その他の検査
(1)簡易型検査
1−咳テスト(若杉葉子) 2−頸部聴診法(高橋浩二)
3−嚥下誘発試験(寺本信嗣)
(2)機器による検査
1−超音波診断装置(US)(大久保真衣,石田 瞭) 2−マノメトリー(青柳陽一郎)
3−筋電図検査(目谷浩通) 4−MRI,シンチグラフィ(谷本啓二)
10 重症度分類(加賀谷 斉)
(1)臨床的重症度分類(DSS)
(2)摂食状態(ESS)
(3)摂食・嚥下能力グレード
(4)摂食状況のレベル(FILS)
(5)Functional oral intake scale(FOIS)
(6)8-point penetration-aspiration scale(PAS)
2章 摂食嚥下障害への介入1
1 介入の概要(馬場 尊)
(1)チームアプローチ
(2)介入手段
(3)アウトカムなど
2 口腔衛生管理
(1)小児期における口腔衛生管理(水上美樹)
1−はじめに 2−口腔衛生管理の目的
3−おもな口腔内の特徴
(2)成人・老年期における口腔衛生管理(角 保徳)
1−成人期における口腔衛生管理 2−老年期における口腔衛生管理
(3)口腔ケアの基本的な手技(渡邉理沙,松尾浩一郎)
1−姿勢の調整 2−口腔アセスメント 3−口腔ケアの手順
3 訓練
(1)摂食嚥下障害に対する直接訓練と間接訓練の考え方(熊倉勇美)
(2)成人の間接訓練法
1−嚥下促通法(嚥下反射惹起を促す手法)(倉智雅子)
2−筋力増強(稲本陽子) 3−嚥下手技(稲本陽子)
4−バルーン拡張法(北條京子) 5−電気刺激法(加賀谷 斉)
6−非侵襲的脳刺激による嚥下障害の治療(出江紳一)
(3)成人の直接訓練法
1−直接訓練の目的と意義(小島千枝子) 2−各種の直接訓練法(小島千枝子)
3−食具を用いた直接訓練(小島千枝子) 4−姿勢調整(清水充子)
(4)呼吸訓練(神津 玲)
1−摂食嚥下リハビリテーションにおける呼吸訓練の意義 2−呼吸訓練
3−呼気筋トレーニング
(5)小児における訓練法
1−間接訓練法(弘中祥司) 2−直接訓練法(尾本和彦)
4 外科的対応(金沢英哲)
(1)嚥下機能外科とは
1−目的と手技 2−嚥下機能改善手術(総論) 3−誤嚥防止手術(総論)
(2)手術戦略と術式
1−食塊搬送力強化 2−気道防御力強化
5 口腔内装置による対応
(1)嚥下機能補助装置とは(藤井 航)
(2)摂食嚥下障害への義歯の使用(植田耕一郎)
1−義歯の役割 2−リハビリテーションの装置としての役割
(3)各種装置による対応
1−舌接触補助床(PAP)による対応(大野友久)
2−軟口蓋挙上装置(PLP)による対応(鴨田勇司,大野友久)
3−スワロエイドによる対応(野原幹司)
4−その他の装置による対応(野原幹司)
3章 摂食嚥下障害への介入2
1 リスク管理
(1)誤嚥性肺炎(藤谷順子)
1−分類と発症要因 2−誤嚥性肺炎の予防 3−誤嚥性肺炎の包括的治療
(2)窒息(藤谷順子)
1−窒息の頻度 2−窒息時の応急処置
(3)排痰(藤谷順子)
1−排痰の機序 2−排痰を援助する技術
3−基本的な呼吸機能の改善
(4)吸引(三鬼達人)
1−喀痰吸引 2−吸引の適応条件 3−吸引時の注意点
(5)気管切開管理(金沢英哲)
1−気管切開が必要な理由 2−永久気管孔,一時的気管切開孔
3−気管カニューレの種類 4−スピーチカニューレの理解と活用
5−ボタン型カニューレの活用
(6)感染防御(尿路感染と褥瘡)(橋博達)
1−尿路感染の病態 2−尿路感染の予防と治療 3−褥瘡の病態
4−褥瘡の予防と治療
2 栄養管理
(1)栄養不良とは(森 直治,東口志,伊藤彰博)
1−栄養状態と栄養不良 2−栄養不良のメカニズム
3−栄養不良がもたらす臨床的問題とサルコペニア 4−栄養評価方法
5−栄養不良に対する栄養サポート
(2)栄養管理プランニング(小川哲史)
1−栄養管理プランニングとは 2−エネルギー投与量の設定
3−投与ルートの選択
(3)絶食の害と経腸栄養(二村昭彦,東口志,伊藤彰博)
1−絶食による弊害 2−腸管機能を維持することの重要性
3−早期経口・経腸栄養のメリット
(4)胃瘻からの半固形化栄養材短時間注入法(合田文則)
1−半固形化栄養材短時間注入法の概念と原理 2−半固形化栄養材とは
3−遵守すべき粘度,注入量,注入時間 4−半固形化法の適応
5−胃瘻からの半固形化法の臨床効果
6−半固形化法における日常のケア(液体栄養剤との相違点)
(5)栄養管理とリハビリテーション(若林秀隆)
1−リハビリテーション栄養の考え方 2−機能訓練と栄養管理
(6)嚥下調整食の分類(栢下 淳)
1−食事の分類 2−嚥下食ピラミッド
3−特別用途食品 えん下困難者用食品許可基準
4−日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013
5−スマイルケア食 6−まとめ
(7)とろみ調整食品の分類(小城明子)
1−とろみ調整食品の種類 2−とろみ程度の評価
3 薬剤管理(倉田なおみ)
(1)摂食嚥下障害時の服薬方法と問題点
1−経口投与の場合 2−経管投与の場合
(2)おわりに
4 薬物療法(海老原 覚)
(1)はじめに
(2)抗誤嚥薬理解に必要な嚥下の神経性調節知識
(3)抗誤嚥薬の種類とその機序
1−温度感受性TRP受容体作動薬 2−黒胡椒精油 3−シロスタゾール
4−アマンタジン 5−テオフィリン 6−Angiotensin converting enzyme(ACE)阻害薬
5 看護支援
(1)看護の役割(鎌倉やよい)
(2)生活支援のコーディネート
1−生活への訓練の定着(浅田美江) 2−食事の介助(小山珠美)
3−家族,介護職への食事介助指導(金城利雄,加藤節子)
臨床編II 原疾患と評価・対処
1章 成人期・老年期の疾患と摂食嚥下障害の評価・対処法と対応例
1 脳血管疾患(藤島一郎)
(1)はじめに
(2)頻度など
(3)脳血管疾患の分類
(4)脳血管疾患の症状
(5)偽性球麻痺
(6)病変部位
(7)一側性の脳血管疾患
(8)球麻痺
(9)評価と検査
(10)治療とリハビリテーション
2 外傷性脳損傷(片桐伯真)
(1)疾患の概要
(2)外傷性脳損傷の特徴
(3)外傷性脳損傷に伴う摂食嚥下障害の評価
1−意識障害のある場合 2−気管切開術や気管内挿管を認める場合
3−高次脳機能障害を認める場合 4−各種薬物療法が行われている場合
3 神経疾患
(1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の摂食嚥下障害(野ア園子)
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(2)Parkinson(パーキンソン)病(PD)の摂食嚥下障害(野ア園子)
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(3)多系統萎縮症(山脇正永)
1−多系統萎縮症の概要 2−多系統萎縮症での摂食嚥下障害
3−多系統萎縮症の摂食嚥下障害への対応
(4)Guillain-Barre症候群(谷口 洋)
1−疾患の概念 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(5)その他の神経疾患(山脇正永)
1−帯状疱疹ウイルス感染症 2−反回神経麻痺 3−ポリオ後症候群
4−多発脳神経障害 5−放射線後摂食嚥下障害
4 筋炎・筋疾患(巨島文子,山本敏之)
(1)炎症性筋疾患
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(2)重症筋無力症
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
5 認知症(山本敏之)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害の特徴
(3)摂食嚥下障害への対策
6 統合失調症など精神疾患(山本敏之)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害の特徴
(3)摂食嚥下障害への対策
7 慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患(加賀谷 斉)
8 頸椎疾患に伴う嚥下障害(八木友里)
(1)強直性脊椎骨増殖症(ankylosing spinal hyperostosis;ASH)
1−疾患の概要 2−嚥下障害の特徴 3−嚥下障害への対策
(2)頸髄損傷・頸椎骨折
(3)変形性脊椎症
(4)頸椎前方固定術後
9 器質的障害
(1)口腔領域の腫瘍および術後(鄭 漢忠)
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(2)咽頭領域の腫瘍および術後(藤本保志)
1−嚥下障害の特徴 2−放射線治療による嚥下障害
3−CRTによる嚥下障害への対応 4−喉頭温存手術後の嚥下障害
5−治療前から対応
10 胃食道逆流症(瀬田 拓)
(1)疾患の概要
1−GERDの発生機序
(2)診断
1−問診 2−内視鏡診断 3−24時間pHモニタリング
4−PPIテスト 5−機能性ディスペプシア(FD)との判別
(3)対処法
1−生活習慣の改善 2−薬物治療 3−外科的治療 4−経管栄養とGERD
(4)摂食嚥下障害がある場合の対応
11 薬剤性摂食嚥下障害(倉田なおみ,石田志朗)
(1)薬剤性摂食嚥下障害の特徴
1−薬剤性摂食嚥下障害の実態調査
(2)薬剤性摂食嚥下障害の原因と薬剤の影響
1−誤嚥リスクを低下させる薬剤
2章 小児期の疾患と摂食嚥下障害の評価・対処法
1 脳性麻痺
(1)病態(田角 勝)
1−摂食嚥下障害の特徴 2−病態からみた対応の基本
(2)摂食嚥下障害への対策(渥美 聡,田村文誉)
1−病態別に考える 2−重症度別に考える
3−歯科的アプローチ 4−QOLのための経口摂取
2 唇顎口蓋裂(舘村 卓)
(1)裂型と摂食嚥下障害
(2)生後からの時系列でみる摂食嚥下障害とその対応
1−生後直後からの哺乳障害 2−永久歯列完成直後の咀嚼障害
(3)成長に伴う鼻咽腔閉鎖機能の変化と嚥下機能
3 Pierre Robin(ピエール・ロバン)症候群(Pierre Robin syndrome〈Robin sequence〉)(舘村 卓)
(1)疾患の概要
1−主症状 2−連鎖(sequence)の発症
(2)臨床像と摂食嚥下障害
1−(硬)軟口蓋裂 2−呼吸障害と生後直後の哺乳障害
(3)摂食嚥下障害への対策
4 食道閉鎖症(田角 勝)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害
5 Down(ダウン)症(石ア晶子,弘中祥司)
(1)疾患の概要
1−Down症と染色体核型分類 2−Down症の発生頻度
3−Down症の身体的特徴
(2)摂食嚥下障害への対策
6 染色体異常,先天異常
(1)病態(渥美 聡)
1−身体的,機能的問題
(2)(Down症を除く)おもな疾患(渥美 聡)
1−Prader-Willi症候群 2−Cornelia de Lange症候群
3−18トリソミー 4−13トリソミー 5−22q11.2欠失
6−1p36欠失 7−5p-症候群 8−4p-症候群
(3)摂食嚥下障害への対策(大岡貴史)
7 筋ジストロフィー(山本敏之)
(1)Duchenne(デュシェンヌ)型筋ジストロフィー
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
8 自閉スペクトラム症(橋摩理)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害の特徴とその対策
9 乳幼児摂食障害(田角 勝)
(1)乳幼児の摂食障害とは
(2)乳幼児摂食障害の特徴
(3)乳幼児摂食障害の病態
(4)乳幼児摂食障害の対応における子どもの理解
(5)摂食行動と機能発達の促進のための対応
実践編 チームアプローチの実践
1章 摂食嚥下障害へのチームアプローチ
1 チームアプローチの実際(鎌倉やよい)
(1)摂食嚥下障害患者のニーズ
(2)Transdisciplinary チームアプローチと専門職
(3)摂食嚥下リハビリテーションに関する認定制度
(4)チームアプローチとチームワーク
2 急性期でのアプローチ(三鬼達人)
(1)はじめに
(2)急性期でのチームアプローチの実際
(3)摂食嚥下リハビリテーションの流れ
(4)実際の対応例
3 回復期でのアプローチ(武原 格)
(1)はじめに
(2)入院初期
1−初期評価 2−チームアプローチ
(3)入院中期
1−再評価 2−チームアプローチ
(4)入院後期
1−最終評価 2−チームアプローチ
(5)最後に
4 生活期(施設)でのアプローチ(菊谷 武)
(1)老人保健施設におけるチームアプローチ
1−施設における摂食嚥下リハビリテーション
5 生活期(在宅)でのアプローチ(戸原 玄)
(1)はじめに
(2)背景
(3)患者の状況の考え方
(4)留意点
6 在宅緩和でのアプローチ(佐藤光保)
(1)はじめに
(2)経口摂取に対する想いの傾聴
(3)口腔ケア
(4)楽しみとしての経口摂取
(5)口渇に対するケア
(6)緩和ケアでのチームアプローチ
7 小児へのアプローチ(西脇恵子)
(1)はじめに
(2)家族への支援
(3)チームでのアプローチの実践例
1−経管栄養離脱に向けた試み 2−学校での環境調整への試み
3−調理実習会の試み
文献
索引
1章 リハビリテーション医学・医療総論(才藤栄一)
1 リハビリテーション医学の対象
(1)リハビリテーション医学が扱う活動障害
(2)リハビリテーション医学が扱う臓器系,各科との関係
2 リハビリテーション医学に必要な概念体系
(1)運動学
(2)障害階層論
3 リハビリテーション医学の介入法
(1)システムとしての解決
(2)健常部の重要性
(3)帰結予測の重要性
(4)リハビリテーション医療の専門家
(5)リハビリテーションチームの形態
4 リハビリテーション医学の四つの対処法
(1)障害者の包括的医学管理
(2)活動機能構造連関
(3)支援システム
(4)治療的学習
2章 摂食嚥下リハビリテーション総論
1 小児の摂食嚥下リハビリテーション
(1)はじめに
(2)小児の摂食嚥下リハビリテーションの特徴
(3)小児の摂食嚥下障害の分類
(4)摂食嚥下障害に導く阻害因子
1−肢体不自由 2−知的障害 3−神経・筋疾患 4−形態異常
5−感覚運動体験不足 6−摂食嚥下障害を修飾する因子
7−摂食嚥下機能獲得と機能不全への対応の基本
2 成人の摂食嚥下リハビリテーション(才藤栄一)
(1)成人の摂食嚥下障害の特徴
1−原疾患 2−加齢の影響
(2)摂食嚥下障害の評価
1−主訴,病歴,経過 2−現症 3−機能検査と食事場面の観察
4−スクリーニング検査 5−嚥下造影,嚥下内視鏡検査,嚥下CT検査,その他
(3)摂食嚥下障害への対応
1−口腔ケア 2−訓練 3−体位・食物物性・補助装置
4−経管栄養法 5−医学的管理
(4)陥りたくない二分法的思考
3 摂食嚥下障害への多角的アプローチの考え方(植田耕一郎)
(1)病態時期
(2)多職種恊働・チームリーダー・コーディネーター
(3)検査値による画一的対応の限界
(4)摂食嚥下の機能訓練の効果
(5)リスクマネジメントとケアマネジメント
(6)死生学,死生観
3章 摂食嚥下リハビリテーションの歴史
1 日本における摂食嚥下リハビリテーションの歴史(小野木啓子)
(1)はじめに
(2)日本における摂食嚥下リハビリテーションの歴史
(3)おわりに
2 米国における摂食嚥下リハビリテーションの歴史(JoAnne Robbins,Nicole M.Rusche:倉智雅子訳)
(1)過去
(2)現在
(3)まとめ
3 欧州における摂食嚥下リハビリテーションの歴史と欧州嚥下障害学会(ESSD)の役割(Pere Clave,Jane Lewis:高橋浩二訳)
(1)はじめに
(2)欧州嚥下障害・咽喉頭異常感症研究会から欧州嚥下障害学会へ
(3)各国の学会について
(4)ESSD
1−ESSDの設立と目的 2−ESSDの研究 3−ESSDの教育
4−ESSDの臨床 5−ESSDの未来
基礎編
1章 摂食嚥下器官の解剖(松永智,阿部伸一,井出吉信)
1 口腔の構造
(1)口唇
1−口唇の神経支配 2−口唇の血液供給
(2)口蓋
1−口蓋の神経支配 2−口蓋の血液供給
(3)頬
1−頬の神経支配 2−頬の血液供給
(4)舌
1−舌の神経支配 2−舌の血液供給
(5)歯
1−歯の神経支配 2−歯の血液供給
(6)唾液腺
1−大唾液腺 2−小唾液腺
2 鼻腔,咽頭,喉頭,食道の構造
(1)鼻腔
1−鼻腔を構成する骨 2−鼻腔の側壁 3−鼻腔粘膜 4−副鼻腔
(2)咽頭
1−咽頭の構造 2−咽頭の壁構造
(3)喉頭
1−喉頭の軟骨 2−喉頭の靱帯 3−喉頭の壁構造 4−喉頭の内腔
(4)食道
1−食道の壁構造
3 摂食嚥下に関与する筋
(1)表情筋
(2)咀嚼筋
(3)舌骨上筋・舌骨下筋
(4)舌筋
(5)軟口蓋の筋
(6)咽頭の筋
(7)喉頭の筋
2章 摂食嚥下の生理
1 摂食嚥下の概要(山田好秋)
(1)口腔機能
1−味覚 2−唾液
(2)摂食行動
(3)摂食嚥下運動
1−食物の認知と取り込み〈先行期(認知期)〉 2−食物の咀嚼と食塊形成〈準備期(咀嚼期)〉
3−嚥下の中枢機構と嚥下反射 4−食道の機能(食道期)
(4)嘔吐
1−嘔吐の誘発 2−嘔吐の仕組み
2 3D-CTによる嚥下生理のアップデート(稲本陽子)
(1)諸器官の運動時間
(2)諸器官の運動調整機構
(3)咽頭収縮
(4)舌骨/喉頭の移動距離および食道入口部開大面積
(5)舌骨上筋群の起始-停止長の変化
3 ヒトの脳画像・脳マッピング・嚥下のニューロサイエンス(Ruth E.Martin:稲本陽子訳)
(1)嚥下の皮質表象領域の機能的貢献
(2)嚥下障害とその回復の神経表象
3章 摂食嚥下と呼吸・発声
1 呼吸と摂食嚥下(井上 誠)
2 発声発語と摂食嚥下(熊倉勇美)
(1)発声発語器官と摂食嚥下器官
(2)発声発語機能と摂食嚥下機能
4章 摂食嚥下のモデル
1 5期モデル(臨床モデル)(松尾浩一郎)
2 3期モデルと4期モデル(松尾浩一郎,Jeffrey B.Palmer)
(1)口腔準備期
(2)口腔送り込み期
(3)咽頭期
(4)食道期
(補)連続嚥下
3 プロセスモデル(松尾浩一郎,Jeffrey B.Palmer)
(1)Stage I transport
(2)Processing
(3)Stage II transport
(4)Swallowing
1−嚥下惹起の因子 2−咽頭期
5章 摂食嚥下機能と発達,加齢
1 発達と摂食嚥下機能(弘中祥司,向井美惠)
(1)発達と摂食嚥下機能の獲得過程
1−乳汁摂取 2−経口摂取の準備 3−摂食嚥下機能の発達と他の機能の発達
4−口腔の成長と摂食嚥下機能の発達 5−摂食嚥下機能の獲得過程
6−咀嚼機能の発達 7−自食(先行期)機能の獲得
2 摂食嚥下機能の加齢変化(中川量晴,松尾浩一郎)
(1)口腔機能
1−咀嚼機能 2−唾液分泌能 3−感覚機能
(2)咽頭機能
1−嚥下反射の惹起,食塊の通過 2−舌骨・喉頭機能
3−食道入口部 4−呼吸 5−咳反射
3 フレイルと栄養障害(近藤和泉)
(1)フレイル(frailty)
(2)フレイルの原因
(3)フレイルと嚥下障害
(4)フレイルと栄養管理
臨床編I 評価・対応の基本
1章 摂食嚥下障害の評価・検査・診断
1 診察(太田喜久夫)
(1)診察の目的
(2)診察前に実施すること
(3)患者診察の留意点
1−患者が診察室へ入ってくる場合 2−患者の病室を訪れる場合
(4)まとめ
2 生活場面における観察(深田順子)
(1)摂食嚥下機能の観察
(2)ベッドサイドのフィジカル・アセスメント
3 スクリーニング
(1)スクリーニングの意義・検査の意義
1−はじめに(戸原 玄) 2−感度,特異度(中山渕利)
(2)スクリーニング質問紙
1−聖隷式嚥下質問紙(大熊るり) 2−嚥下障害リスク評価尺度改訂版(深田順子)
3−EAT-10(若林秀隆)
(3)スクリーニング検査
1−反復唾液嚥下テスト(中山渕利) 2−水飲みテスト(中山渕利)
3−フードテスト(中山渕利) 4−舌圧や開口力の測定(中山渕利)
5−MASA(藤島一郎) 6−TOR-BSST(稲本陽子)
4 嚥下内視鏡検査(VE)(太田喜久夫)
(1)嚥下内視鏡検査普及の歴史
(2)嚥下内視鏡検査の目的
(3)検査機器の説明
1−VEシステム
(4)VEの操作特性
(5)画像の特性
(6)有害事象とその対策
1−リドカインアレルギー 2−失神・血圧低下(迷走神経過緊張)
3−喉頭けいれん 4−その他
(7)評価法の特徴:VEとVFの比較
(8)VEの実際
1−VEで準備するもの 2−VE洗浄法 3−内視鏡画像のオリエンテーション
4−ファイバースコープの挿入法
(9)VEでのおもな観察項目
1−観察点1 2−観察点2 3−観察点3
(10)食物嚥下での嚥下機能評価
1−検査食での評価前に,咽頭や喉頭への分泌物貯留の程度,喀出力の程度を評価する
2−姿勢 3−検査食 4−食塊通過経路の評価,嚥下反射惹起のタイミング,喉頭侵入・誤嚥,喀出力,残留部位と量,残留物のクリアランス過程,残留物への感覚の有無などを評価する
5−咽頭・喉頭の感覚評価
(11)嚥下障害患者のVE画像例
5 嚥下造影(VF)(柴田斉子)
(1)検査の目的
(2)嚥下造影の準備
1−必要な装置 2−造影剤と検査食
(3)嚥下造影の実際
1−検査の開始前に 2−観察範囲とX線照射のタイミング 3−プロトコール
(4)命令嚥下(液体嚥下)と咀嚼嚥下
1−命令嚥下(液体嚥下) 2−咀嚼嚥下 3−液体連続嚥下
4−VFの所見
6 胃瘻造設前の嚥下機能評価(柴田斉子)
(1)胃瘻造設時嚥下機能評価加算
(2)評価の実際
7 小児の嚥下造影・嚥下内視鏡・呼吸動態(上気道)検査
(1)精密検査(VE・VF)の前に(北住映二)
(2)嚥下造影(北住映二)
(3)小児の内視鏡検査(木下憲治)
(4)呼吸動態(上気道)検査(北住映二)
8 3D-CTによる評価
(1)概要(稲本陽子)
(2)嚥下CTの登場(稲本陽子)
(3)嚥下CTの準備(稲本陽子)
1−必要な装置 2−撮影
(4)撮影(稲本陽子)
(5)画像作成と解析方法(稲本陽子)
(6)評価(稲本陽子)
1−形態評価(管球1回転による撮影) 2−動態評価(管球連続回転による撮影)
(7)今後の臨床応用(稲本陽子)
(補)CTの被曝線量(金森大輔,加賀谷 斉)
9 その他の検査
(1)簡易型検査
1−咳テスト(若杉葉子) 2−頸部聴診法(高橋浩二)
3−嚥下誘発試験(寺本信嗣)
(2)機器による検査
1−超音波診断装置(US)(大久保真衣,石田 瞭) 2−マノメトリー(青柳陽一郎)
3−筋電図検査(目谷浩通) 4−MRI,シンチグラフィ(谷本啓二)
10 重症度分類(加賀谷 斉)
(1)臨床的重症度分類(DSS)
(2)摂食状態(ESS)
(3)摂食・嚥下能力グレード
(4)摂食状況のレベル(FILS)
(5)Functional oral intake scale(FOIS)
(6)8-point penetration-aspiration scale(PAS)
2章 摂食嚥下障害への介入1
1 介入の概要(馬場 尊)
(1)チームアプローチ
(2)介入手段
(3)アウトカムなど
2 口腔衛生管理
(1)小児期における口腔衛生管理(水上美樹)
1−はじめに 2−口腔衛生管理の目的
3−おもな口腔内の特徴
(2)成人・老年期における口腔衛生管理(角 保徳)
1−成人期における口腔衛生管理 2−老年期における口腔衛生管理
(3)口腔ケアの基本的な手技(渡邉理沙,松尾浩一郎)
1−姿勢の調整 2−口腔アセスメント 3−口腔ケアの手順
3 訓練
(1)摂食嚥下障害に対する直接訓練と間接訓練の考え方(熊倉勇美)
(2)成人の間接訓練法
1−嚥下促通法(嚥下反射惹起を促す手法)(倉智雅子)
2−筋力増強(稲本陽子) 3−嚥下手技(稲本陽子)
4−バルーン拡張法(北條京子) 5−電気刺激法(加賀谷 斉)
6−非侵襲的脳刺激による嚥下障害の治療(出江紳一)
(3)成人の直接訓練法
1−直接訓練の目的と意義(小島千枝子) 2−各種の直接訓練法(小島千枝子)
3−食具を用いた直接訓練(小島千枝子) 4−姿勢調整(清水充子)
(4)呼吸訓練(神津 玲)
1−摂食嚥下リハビリテーションにおける呼吸訓練の意義 2−呼吸訓練
3−呼気筋トレーニング
(5)小児における訓練法
1−間接訓練法(弘中祥司) 2−直接訓練法(尾本和彦)
4 外科的対応(金沢英哲)
(1)嚥下機能外科とは
1−目的と手技 2−嚥下機能改善手術(総論) 3−誤嚥防止手術(総論)
(2)手術戦略と術式
1−食塊搬送力強化 2−気道防御力強化
5 口腔内装置による対応
(1)嚥下機能補助装置とは(藤井 航)
(2)摂食嚥下障害への義歯の使用(植田耕一郎)
1−義歯の役割 2−リハビリテーションの装置としての役割
(3)各種装置による対応
1−舌接触補助床(PAP)による対応(大野友久)
2−軟口蓋挙上装置(PLP)による対応(鴨田勇司,大野友久)
3−スワロエイドによる対応(野原幹司)
4−その他の装置による対応(野原幹司)
3章 摂食嚥下障害への介入2
1 リスク管理
(1)誤嚥性肺炎(藤谷順子)
1−分類と発症要因 2−誤嚥性肺炎の予防 3−誤嚥性肺炎の包括的治療
(2)窒息(藤谷順子)
1−窒息の頻度 2−窒息時の応急処置
(3)排痰(藤谷順子)
1−排痰の機序 2−排痰を援助する技術
3−基本的な呼吸機能の改善
(4)吸引(三鬼達人)
1−喀痰吸引 2−吸引の適応条件 3−吸引時の注意点
(5)気管切開管理(金沢英哲)
1−気管切開が必要な理由 2−永久気管孔,一時的気管切開孔
3−気管カニューレの種類 4−スピーチカニューレの理解と活用
5−ボタン型カニューレの活用
(6)感染防御(尿路感染と褥瘡)(橋博達)
1−尿路感染の病態 2−尿路感染の予防と治療 3−褥瘡の病態
4−褥瘡の予防と治療
2 栄養管理
(1)栄養不良とは(森 直治,東口志,伊藤彰博)
1−栄養状態と栄養不良 2−栄養不良のメカニズム
3−栄養不良がもたらす臨床的問題とサルコペニア 4−栄養評価方法
5−栄養不良に対する栄養サポート
(2)栄養管理プランニング(小川哲史)
1−栄養管理プランニングとは 2−エネルギー投与量の設定
3−投与ルートの選択
(3)絶食の害と経腸栄養(二村昭彦,東口志,伊藤彰博)
1−絶食による弊害 2−腸管機能を維持することの重要性
3−早期経口・経腸栄養のメリット
(4)胃瘻からの半固形化栄養材短時間注入法(合田文則)
1−半固形化栄養材短時間注入法の概念と原理 2−半固形化栄養材とは
3−遵守すべき粘度,注入量,注入時間 4−半固形化法の適応
5−胃瘻からの半固形化法の臨床効果
6−半固形化法における日常のケア(液体栄養剤との相違点)
(5)栄養管理とリハビリテーション(若林秀隆)
1−リハビリテーション栄養の考え方 2−機能訓練と栄養管理
(6)嚥下調整食の分類(栢下 淳)
1−食事の分類 2−嚥下食ピラミッド
3−特別用途食品 えん下困難者用食品許可基準
4−日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013
5−スマイルケア食 6−まとめ
(7)とろみ調整食品の分類(小城明子)
1−とろみ調整食品の種類 2−とろみ程度の評価
3 薬剤管理(倉田なおみ)
(1)摂食嚥下障害時の服薬方法と問題点
1−経口投与の場合 2−経管投与の場合
(2)おわりに
4 薬物療法(海老原 覚)
(1)はじめに
(2)抗誤嚥薬理解に必要な嚥下の神経性調節知識
(3)抗誤嚥薬の種類とその機序
1−温度感受性TRP受容体作動薬 2−黒胡椒精油 3−シロスタゾール
4−アマンタジン 5−テオフィリン 6−Angiotensin converting enzyme(ACE)阻害薬
5 看護支援
(1)看護の役割(鎌倉やよい)
(2)生活支援のコーディネート
1−生活への訓練の定着(浅田美江) 2−食事の介助(小山珠美)
3−家族,介護職への食事介助指導(金城利雄,加藤節子)
臨床編II 原疾患と評価・対処
1章 成人期・老年期の疾患と摂食嚥下障害の評価・対処法と対応例
1 脳血管疾患(藤島一郎)
(1)はじめに
(2)頻度など
(3)脳血管疾患の分類
(4)脳血管疾患の症状
(5)偽性球麻痺
(6)病変部位
(7)一側性の脳血管疾患
(8)球麻痺
(9)評価と検査
(10)治療とリハビリテーション
2 外傷性脳損傷(片桐伯真)
(1)疾患の概要
(2)外傷性脳損傷の特徴
(3)外傷性脳損傷に伴う摂食嚥下障害の評価
1−意識障害のある場合 2−気管切開術や気管内挿管を認める場合
3−高次脳機能障害を認める場合 4−各種薬物療法が行われている場合
3 神経疾患
(1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の摂食嚥下障害(野ア園子)
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(2)Parkinson(パーキンソン)病(PD)の摂食嚥下障害(野ア園子)
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(3)多系統萎縮症(山脇正永)
1−多系統萎縮症の概要 2−多系統萎縮症での摂食嚥下障害
3−多系統萎縮症の摂食嚥下障害への対応
(4)Guillain-Barre症候群(谷口 洋)
1−疾患の概念 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(5)その他の神経疾患(山脇正永)
1−帯状疱疹ウイルス感染症 2−反回神経麻痺 3−ポリオ後症候群
4−多発脳神経障害 5−放射線後摂食嚥下障害
4 筋炎・筋疾患(巨島文子,山本敏之)
(1)炎症性筋疾患
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(2)重症筋無力症
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
5 認知症(山本敏之)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害の特徴
(3)摂食嚥下障害への対策
6 統合失調症など精神疾患(山本敏之)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害の特徴
(3)摂食嚥下障害への対策
7 慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患(加賀谷 斉)
8 頸椎疾患に伴う嚥下障害(八木友里)
(1)強直性脊椎骨増殖症(ankylosing spinal hyperostosis;ASH)
1−疾患の概要 2−嚥下障害の特徴 3−嚥下障害への対策
(2)頸髄損傷・頸椎骨折
(3)変形性脊椎症
(4)頸椎前方固定術後
9 器質的障害
(1)口腔領域の腫瘍および術後(鄭 漢忠)
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
(2)咽頭領域の腫瘍および術後(藤本保志)
1−嚥下障害の特徴 2−放射線治療による嚥下障害
3−CRTによる嚥下障害への対応 4−喉頭温存手術後の嚥下障害
5−治療前から対応
10 胃食道逆流症(瀬田 拓)
(1)疾患の概要
1−GERDの発生機序
(2)診断
1−問診 2−内視鏡診断 3−24時間pHモニタリング
4−PPIテスト 5−機能性ディスペプシア(FD)との判別
(3)対処法
1−生活習慣の改善 2−薬物治療 3−外科的治療 4−経管栄養とGERD
(4)摂食嚥下障害がある場合の対応
11 薬剤性摂食嚥下障害(倉田なおみ,石田志朗)
(1)薬剤性摂食嚥下障害の特徴
1−薬剤性摂食嚥下障害の実態調査
(2)薬剤性摂食嚥下障害の原因と薬剤の影響
1−誤嚥リスクを低下させる薬剤
2章 小児期の疾患と摂食嚥下障害の評価・対処法
1 脳性麻痺
(1)病態(田角 勝)
1−摂食嚥下障害の特徴 2−病態からみた対応の基本
(2)摂食嚥下障害への対策(渥美 聡,田村文誉)
1−病態別に考える 2−重症度別に考える
3−歯科的アプローチ 4−QOLのための経口摂取
2 唇顎口蓋裂(舘村 卓)
(1)裂型と摂食嚥下障害
(2)生後からの時系列でみる摂食嚥下障害とその対応
1−生後直後からの哺乳障害 2−永久歯列完成直後の咀嚼障害
(3)成長に伴う鼻咽腔閉鎖機能の変化と嚥下機能
3 Pierre Robin(ピエール・ロバン)症候群(Pierre Robin syndrome〈Robin sequence〉)(舘村 卓)
(1)疾患の概要
1−主症状 2−連鎖(sequence)の発症
(2)臨床像と摂食嚥下障害
1−(硬)軟口蓋裂 2−呼吸障害と生後直後の哺乳障害
(3)摂食嚥下障害への対策
4 食道閉鎖症(田角 勝)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害
5 Down(ダウン)症(石ア晶子,弘中祥司)
(1)疾患の概要
1−Down症と染色体核型分類 2−Down症の発生頻度
3−Down症の身体的特徴
(2)摂食嚥下障害への対策
6 染色体異常,先天異常
(1)病態(渥美 聡)
1−身体的,機能的問題
(2)(Down症を除く)おもな疾患(渥美 聡)
1−Prader-Willi症候群 2−Cornelia de Lange症候群
3−18トリソミー 4−13トリソミー 5−22q11.2欠失
6−1p36欠失 7−5p-症候群 8−4p-症候群
(3)摂食嚥下障害への対策(大岡貴史)
7 筋ジストロフィー(山本敏之)
(1)Duchenne(デュシェンヌ)型筋ジストロフィー
1−疾患の概要 2−摂食嚥下障害の特徴 3−摂食嚥下障害への対策
8 自閉スペクトラム症(橋摩理)
(1)疾患の概要
(2)摂食嚥下障害の特徴とその対策
9 乳幼児摂食障害(田角 勝)
(1)乳幼児の摂食障害とは
(2)乳幼児摂食障害の特徴
(3)乳幼児摂食障害の病態
(4)乳幼児摂食障害の対応における子どもの理解
(5)摂食行動と機能発達の促進のための対応
実践編 チームアプローチの実践
1章 摂食嚥下障害へのチームアプローチ
1 チームアプローチの実際(鎌倉やよい)
(1)摂食嚥下障害患者のニーズ
(2)Transdisciplinary チームアプローチと専門職
(3)摂食嚥下リハビリテーションに関する認定制度
(4)チームアプローチとチームワーク
2 急性期でのアプローチ(三鬼達人)
(1)はじめに
(2)急性期でのチームアプローチの実際
(3)摂食嚥下リハビリテーションの流れ
(4)実際の対応例
3 回復期でのアプローチ(武原 格)
(1)はじめに
(2)入院初期
1−初期評価 2−チームアプローチ
(3)入院中期
1−再評価 2−チームアプローチ
(4)入院後期
1−最終評価 2−チームアプローチ
(5)最後に
4 生活期(施設)でのアプローチ(菊谷 武)
(1)老人保健施設におけるチームアプローチ
1−施設における摂食嚥下リハビリテーション
5 生活期(在宅)でのアプローチ(戸原 玄)
(1)はじめに
(2)背景
(3)患者の状況の考え方
(4)留意点
6 在宅緩和でのアプローチ(佐藤光保)
(1)はじめに
(2)経口摂取に対する想いの傾聴
(3)口腔ケア
(4)楽しみとしての経口摂取
(5)口渇に対するケア
(6)緩和ケアでのチームアプローチ
7 小児へのアプローチ(西脇恵子)
(1)はじめに
(2)家族への支援
(3)チームでのアプローチの実践例
1−経管栄養離脱に向けた試み 2−学校での環境調整への試み
3−調理実習会の試み
文献
索引











