やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

緒言
 本書は,日頃,臨床に携わっている歯科医療者が,診療室から出て,地域のなかで医療・保健・介護の分野に取り組む際のハンドブックとして企画されたものである.
 口腔保健を達成するには,コミュニティケア,プロフェッショナルケア,セルフケアという3つの手段があり,それぞれの特性を活かしながら連携したシステムを構築することが重要であると考えられている.う蝕や歯周病に代表される口腔疾患は,いずれも蓄積性の疾患であり,食べている限り生涯その発病のリスクが伴う.そのため,各ライフステージにおいて,効果的な対策や対応を図ることが必要であり,またそのことによって予防可能な疾患である.実際,フッ化物応用に代表される地域での取り組みが,小児う蝕の減少をはじめとして,口腔保健の向上の大きな推進力となることをこの20年間に歯科保健医療関係者は経験してきた.また,この間の研究展開をみると,口腔保健の向上が,全身の健康状態の改善は基より生命予後の向上に寄与するものであるという科学的根拠が次々と報告されるようになってきている.
 一方,2008年度からは,わが国における医療制度改革の一環として,後期高齢者医療制度と40歳以降を対象とした特定健診・特定保健指導がスタートした.この約7,000万人を対象とした新しい保健・医療・介護の施策の国民の健康に与えるインパクトは大きく,少子高齢社会のなかで,保健と医療と介護をめぐる施策はダイナミックに変化してきている.特に,この制度のなかで高齢者の健康課題については,生活上の安全・安心・健康を確保するために,医療や介護のみならず福祉サービスを含めた生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供できるような地域での体制を基盤とした「地域包括ケア」の概念が提唱されている.また,生活習慣病の予防を目的とした特定健診・特定保健指導においても,地域職域連携をはじめとして,医療と保健との連携の重要性が再認識されるようになってきた.
 私たち歯科医療者が地域でその役割を果たしていく場合に,診療室でのアプローチとは異なった点がある.臨床医にとって保健政策の動向やある種の疾病や障害,あるいはケアの考え方に触れる機会は少ない.また,診療室では医療者と患者という関係で歯科医療が成り立つのに対して,地域での取り組みでは,保健行政,教育,介護・福祉,医療という多職種と協同したチームアプローチのなかで取り組まなければならない.しかも,口腔保健の効果や成果について,科学的な根拠をもって簡潔に説明しなければならない場面も多い.
 これらは,臨床での取り組みとは異なるものであるので,歯科医療者が地域に出ていく場合の妨げとなることがしばしばみられる.本書を通して,これらのハードルを少しでも取り除くことができれば,当初の意図は達成されたといえる.
 今回の企画の主旨は,このような時代背景のなかで,地域から求められる口腔ヘルスケアにかかわる最新の情報を,歯科医師,歯科衛生士,歯科保健医療関係者などが手元においていつでも,短時間に確認できるハンドブックとして提供することであり,各地の歯科医師会・自治体などでの地域歯科保健に関する研修会などのテキストとしても活用できる内容で構成されている.
 そして本書の編集方針として,
 (1)口腔ヘルスケアの科学的根拠を明確に示すこと
 (2)最新の情報であり,また現場ですぐ使える内容であること
 (3)基本として見開き2頁(または1頁)で1項目を説明するなど,分かり易い体裁とするという3点をあげた.幸いにも,本書の主旨に賛同して執筆に協力してくれた各位は,いずれもその分野の第一線で活躍している方々であり,本書の意図を十分に踏まえた内容となっている.
 保健政策にしても保健情報にしても,これらはup to dateなものであるので,本書も適宜,改定していくことが求められると考えられるが,本書を通して,歯科医療者が,地域における口腔保健の推進に寄与し,そのことによってさらに口腔保健に関わる期待とそれに従事する者の信頼が高まれば幸いである.
 最後に,本書をまとめるにあたり,当初の企画に関わられた牧野和彦氏ならびにその後,根気強く編集作業にあたられた医歯薬出版の大城惟克氏に心から感謝申し上げます.
 2009年9月
 編者一同
序 医療制度改革のなかでの歯科保健医療の考え方―歯科医師会の組織的役割を中心に―(池主憲夫)
 1.はじめに 2.部外審議会の意味 3.歯科界における歴史的教材 4.1983(昭和58)年からのメッセージ 5.ニーズとデマンド 6.プロフェッショナルとは 7.おわりに 
Part1 こらからの歯科保健医療の展開
 1 歯科医療・口腔保健と健康増進(深井穫博・池主憲夫)
  1.はじめに 2.8020運動およびわが国における健康政策の展開 3.「健康日本21」における中間評価の意味するもの 4.後期高齢者の歯科医療・口腔保健の課題 5.生活習慣病予防と成人歯科保健 6.まとめ
 2 口腔ヘルスケアとライフステージ(川口陽子)
  1.口腔ヘルスケアとは 2.妊産婦・乳幼児の口腔ヘルスケア 3.学齢期(小児・青年期)の口腔ヘルスケア 4.成人の口腔ヘルスケア 5.高齢者・要介護者の口腔ヘルスケア 6.障害者の口腔ヘルスケア
 3 保健医療情報とヘルスプロモーション(深井穫博)
  1.はじめに 2.保健医療情報の交流とコミュニケーションの評価 3.保健医療における「参加」とヘルスプロモーション 4.健康の増進に寄与する口腔保健・歯科医療への転換とその推進力 5.まとめ
 4 地域における医科歯科連携在宅医療・介護の取り組み(角町正勝・米山武義)
  1.医科歯科連携の時代的背景 2.在宅歯科診療とは 3.長崎市の医療連携事例 4.退院時カンファレンスの仕組みとカンファレンス参入への試み 5.医科歯科連携モデルへのトライ 6.口のリハビリテーション研究会の立ち上げと回復期リハビリテーション病院とのオープンシステムによる連携
Part2 口腔ヘルスケアの実際(疾患の予防法)とその科学的根拠
 1 う蝕
  (1)う蝕発病因子(杉原直樹)
   1.Keyesの3つの輪 2.Newbrunの4つの輪 3.新しいう蝕発病モデル
  (2)カリエスリスクの評価法(杉原直樹)
   1.カリエスリスクとは 2.カリエスリスクテスト 3.国内で入手できるカリエスリスクテストの種類 4.カリエスリスクテストで考慮すべき事項
  (3)カリエスリスクに応じた予防プログラム(杉原直樹)
   1.個人のう蝕予防 2.地域や集団における予防プログラム
  (4)定期歯科健診・リコール・メインテナンスの効果(高柳篤史)
   1.定期歯科健診の目的 2.セルフ・ケアの支援 3.予防処置 4.早期発見・早期治療または経過観察 5.リコールのためのシステム 6.定期歯科健診・リコール・メインテナンスの効果
  (5)フッ化物の応用と安全性(小林清吾・有川量崇)
   1.自然界に広く分布するフッ素,フッ化物 2.栄養素,有益元素としてのフッ化物 3.フッ化物によるう蝕予防機序 4.フッ化物の適正量 5.フッ化物利用の応用時期 6.フッ化物利用の安全性についての考え方
  (6)フッ化物歯面塗布法(小林清吾・有川量崇)
   1.フッ化物歯面塗布剤の種類 2.術式 3.実施頻度 4.う蝕抑制効果
  (7)フッ化物洗口法 (小林清吾・有川量崇)
   1.適応年齢 2.実施方法 3.フッ化物洗口法によるう蝕予防効果
  (8)フッ化物配合歯磨剤 (小林清吾・有川量崇)
   1.使用薬剤 2.適切な歯磨剤の使用法 3.う蝕予防の有効性
  (9)フロリデーション(Water Fluoridation)(小林清吾・有川量崇)
   1.定義 2.至適フッ化物濃度 3.フロリデーションのう蝕予防効果
  (10)歯根面う蝕杉原直樹)
   1.歯根面う蝕の有病者率と好発部位 2.歯根面う蝕のリスクファクター  3.歯根面う蝕の予防
  (11)乳幼児のう蝕予防と食生活・甘味摂取(杉原直樹)
   1.う蝕発病と食生活・甘味摂取 2.嗜好性飲料水のう蝕誘発能 3.酸性飲料による酸蝕症
  (12)含糖酸性飲料による直接脱灰 (飯島洋一)
   1.日常に潜む脱灰の危険 2.酸蝕症の決定要因
  (13)エナメル質の脱灰と再石灰化(飯島洋一)
   1.脱灰病変 2.再石灰化現象
  (14)代用甘味料(キシリトールを含む)(杉原直樹)
   1.非う蝕誘発性甘味料 2.糖アルコール 3.パラチノース 4.高甘度甘味料 5.キシリトール
  (15)シーラント(小窩裂溝う蝕予防 塞)(杉原直樹)
   1.シーラントの歴史,特徴および安全性 2.シーラントのう蝕予防効果
  (16)諸外国のう蝕予防ガイドライン(大山 篤)
   1.う蝕予防ガイドラインの例 2.ガイドラインの推奨度と適用
 2 歯周病
  (1)PMTC,PTC(花村裕之)
   1.PMTC,PTCの定義 2.PMTC,PTCの効果
  (2)歯周サポート治療(SPT)効果 (関野 愉)
   1.はじめに 2.SPTの効果 3.SPTの間隔 4.リスクアセスメント 5.おわりに
  (3)リスクファクター 喫煙・糖尿病・ストレス(林 潤一郎・野口俊英)
   1.リスクファクターとは 2.喫煙 3.糖尿病 4.ストレス
  (4)歯周病と全身(古市保志)
   1.はじめに 2.歯周医学の概念 3.歯周医学の各論 4.まとめ
  (5)歯周病の病因論とプラークコントロール(沼部幸博)
   1.歯周病の病因論 2.プラークコントロール
 3 高齢者・要介護者の口腔ケア
  (1)摂食・嚥下障害(戸原 玄)
   1.はじめに 2.摂食・嚥下障害に関連する用語について 3.摂食・嚥下障害の病態と検査方法 4.摂食・嚥下の5期 5.摂食・嚥下障害により生じる問題点
  (2)誤嚥性肺炎の予防と専門的口腔ケア(米山武義)
   1.はじめに 2.高齢者における誤嚥性肺炎の発症機序 3.口腔ケアの意味するもの 4.専門的口腔ケアの効果 5.歯科医療の重要な柱となる専門的口腔ケア
  (3)口臭(品田佳世子)
   1.高齢者・要介護者の口臭 2.口臭の原因 3.口臭対策:口腔ケアおよび予防方法
  (4)口腔乾燥,舌痛症,口腔癌(中川洋一)
   1.口腔乾燥 2.舌痛症 3.口腔癌
  (5)口腔機能向上とリハビリテーション(菊谷 武)
   1.介護予防とは 2.展開されている介護予防サービス
  (6)高齢者・要介護者の歯科治療のリスクマネージメント(大渡凡人)
   1.基本となるリスクマネージメント 2.疾患ごとのリスクマネージメント
 4 口腔と全身
  (1)咬合と全身/聴覚/視覚/運動機能/心電図異常(花田信弘)
   1.咬合と不定愁訴,睡眠 2.歯の喪失と視力 3.咀嚼能力と聴覚 4.歯の喪失と運動機能 5.歯の喪失と心電図異常
  (2)口腔保健とQOL(花田信弘)
   1.Oral Health Impact Profile(OHIP) 2.Oral Impact on Dairy Performances(OIDP) 3.General Geriatric Oral Health Assessment Index(GOHAL)
  (3)咀嚼法(花田信弘)
   咀嚼法の獲得
  (4)8020の意義(深井穫博)
   1.「8020」と口腔機能 2.歯数と全身の健康・医療費との関連性 3.歯数と生命予後 4.8020の意義とこれからの展開
Part3 科学的根拠とヘルスプロモーションの理念に基づく口腔ヘルスケアとその評価
 1 歯科疾患の病因と科学的根拠に基づく予防法
  (1)根拠に基づくヘルスケア(安藤雄一)
   1.はじめに 2.根拠(エビデンス)とは 3.エビデンスと言語表現 4.根拠のレベルとは 5.「根拠がない」の2通りの意味
  (2)ヘルスケアの質(安藤雄一)
   1.はじめに 2.ヘルスケアの質:なにを評価するのか 3.誰が評価するのか(評価者の立場は) 4.どのような評価指標を用いたらよいか
  (3)歯科疾患予防ガイドラインとは(安藤雄一)
   1.ガイドラインとは 2.スコットランドの就学前児を対象としたう蝕予防ガイドライン(SIGN) 3.米国の地域予防サービスガイド 4.ガイドラインとシステマティック・レビューの違い(定期リコールを例に) 5.その他のガイドライン 6.わが国におけるガイドラインの事例
 2 口腔ヘルスケアとヘルスプロモーション
  (1)ヘルスプロモーション(中村譲治)
   1.ヘルスプロモーションの定義 2.ヘルスプロモーションのプロセス 3.ヘルスプロモーションの5つの戦術 4.ヘルスプロモーションと口腔保健
  (2)健康の概念/健康観の変遷/口腔保健と健康(中村譲治)
   1.健康の概念 2.健康観の変遷 3.口腔保健と健康
  (3)ヘルスプロモーションの評価(中村譲治)
   1.はじめに 2.評価のデザイン 3.計画自体の評価項目 4.評価の活用方法
 3 健康教育と口腔ヘルスケア
  (1)健康教育・健康学習と行動変容(深井穫博)
   1.健康教育・健康学習とは 2.行動変容における学習理論 3.「外発的動機づけ」から「内発的動機づけ」へ
  (2)集団健康教育の企画(佐々木 健)
   1.テーマの設定および対象者の絞り込み 2.行動目標の設定 3.教育内容と教育手法の検討
 4 保健政策と口腔ヘルスケアの評価
  (1)保健政策(鶴本明久)
   1.アデレード勧告(1988年) 2.保健政策のプロセス 3 保健政策とステークホルダー
  (2)健康の評価・QOL評価 ニーズの評価(鶴本明久)
   1.健康の評価(疫学診断) 2.QOLの評価 3.ニーズの評価
  (3)地域診断 優先順位(鶴本明久)
   1.地域診断の目的 2.地域診断の実行 3.優先順位
  (4)プロセス評価 結果評価(鶴本明久)
   1.プロセス評価 2.影響評価・結果評価 3.結果評価
Part4 最新の口腔保健情報と口腔ヘルスケアのキーワード
 1 EBM
  (1)ランダム化比較試験,システマティックレビュー(南郷里奈)
   1.ランダム化比較試験 2.システマティックレビュー
  (2)診療ガイドライン(星 佳芳)
 2 NBM(深井穫博)
  1.ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)とは 2.NBMの理論的背景 3.患者のナラティブを促進する医療者の技術
 3 医療安全とリスクマネージメント(泉福英信)
  1.はじめに 2.基本的な考え方 3.体制づくりの大きなプロセス 4.体制にかかわる重要な個々のポイント
 4 医療の質(有川量崇)
  1.医療の質とは 2.QOTとQOCとは 3.患者満足度の構造─期待(expectation)と満足(satisfaction)
 5 患者満足度(深井穫博)
  1.はじめに 2.期待と満足との関係 3.患者満足度の構成要素と尺度 4.患者満足度を向上させるには
 6 歯周疾患の検診基準(神原正樹)
  1.CPI(Community Periodontal Index):WHOの検診基準 2.歯科疾患実態調査の検診基準 3.学校歯科健康診断での検診基準
 7 不正咬合の検診基準(神原正樹)
  1.DAI(Dental Aesthetic Index)の検診基準:WHOの検診基準 2.歯科疾患実態調査の検診基準 3.学校歯科健康診断での検診基準
 8 口腔保健行動(深井穫博)
  1.口腔保健行動とは 2.口腔清掃行動 3.歯科受診・受療行動 4.摂食行動
 9 ハイリスク・ストラテジーとポピュレーション・ストラテジー(野村義明)
  1.それぞれの概念 2.利点・欠点
 10 カウンセリング技法(植野正之)
  1.カウンセリングの定義 2.カウンセリングの理論 3.カウンセリングの実践 4.歯科医療におけるカウンセリング
 11 健康学習理論(植野正之)
  1.健康学習 2.行動主義 3.新行動主義 4.社会的認知科学
 12 住民参加型歯科保健活動(佐藤 徹)
  1.まちづくり活動との融合による新たな取り組み 2.住民参加型活動のツールとしてのワークショップ 3.住民参加型歯科保健活動の心得
 13 口腔保健指標(吉野浩一)
  1.う蝕のIndex 2.歯周疾患のIndex 3.口腔清掃状態をあらわすIndex 4.口腔の健康・QOLをあらわすIndex
 14 う蝕検診基準とDMF,ICDAS(神原正樹)
 15 患者の権利(患者の権利章典)・インフォームド・コンセント(高柳篤史)
  1.インフォームド・コンセントとその背景 2.インフォームド・コンセントでの説明内容
 16 質的研究(中村譲治)
  1.量的研究と質的研究 2.質的研究とは 3 質的研究の方法
 17 フォーカスグループインタビュー(植野正之)
  1.フォーカスグループインタビューとは 2.歴史 3.主な特徴 4.インタビューの手順 5.分析方法
 18 テキストマイニング(野村義明・今中正浩)
  1.テキストマイニングとは 2.テキストマイニングによる調査例
 19 個人情報保護と疫学調査倫理規定(吉野浩一)
  1.個人情報保護の歴史 2.自己情報のコントロール権 3.個人情報保護法と個人情報の取り扱い
 20 疫学手法と統計(瀧口 徹)
  1.疫学調査法はどのように選択すべきか 2.疫学研究(論文)の質をどう判定するか 3.交絡因子をどう調整しどう統計解析を行うか
 21 健康寿命(川口陽子)
  1.「平均寿命」から「健康寿命」へ 2.世界的に浸透する健康寿命の概念
 22 QOL(川口陽子)
  1.さまざまな領域で使用されるQOL 2.健康関連QOL 3.QOLの評価法
 23 ADL・IADL(米山武義)
  1.ADL(activity of daily living) 2.IADL(instrumental activity of daily living)
 24 認知機能検査(佐々木 健)
 25 介護保険制度(田村文誉)
  1.介護保険制度とは 2.要介護認定の流れ 3.介護サービスの利用 4.介護予防における歯科の位置づけ
 26 介護保険サービス(遠藤眞美)
  1.保険給付サービス 2.地域密着型サービス
 27 介護予防(大原里子)
  1.介護予防 2.地域支援事業の「特定高齢者」について
 28 地域リハビリテーション(角町正勝)
  1.地域リハビリテーションの概念 2.歯科医師会と地域リハビリテーション 3.地域リハビリテーションと連携パス
 29 ノーマライゼーション(遠藤眞美)
  1.ノーマライゼーションの理念
 30 ターミナルケア(米山武義)
  1.ターミナルケアの概念 2.ターミナルケアにおける口腔ケア
 31 保健・医療・福祉の統合(佐藤 保)
  1.背景 2.具体例からみる統合
 32 病診連携・診診連携・医療連携クリティカルパス
  (1)病診連携のモデル(大田洋二郎)
   1.歯科における病診連携 2.歯科における病診連携のパターン 3.歯科における病診連携の実際 4.静岡県東部地区 がん患者歯科医療連携について 5.最後に
  (2)病診連携・診診連携・医療連携クリティカルパス(石井拓男)
   1.医療法改正と連携の推進 2.医療連携と地域連携 3.地域連携パス(地域連携クリティカルパス) 4.歯科と地域連携パス
 33 NST(栄養サポートチーム)(石井拓男)
  1.NSTの評価 2.NSTと歯科保健医療
 34 ゴールドプラン・障害者プラン(大内章嗣)
  1.ゴールドプラン 2.障害者プラン
 35 障害者手帳(遠藤眞美)
  1.身体障害者手帳 2.療育手帳 3.精神障害者保健福祉手帳
 36 健康日本21(小椋正之)
  1.健康日本21とは 2.健康日本21の課題と目標
 37 健やか親子21(大内章嗣)
 38 財団法人8020推進財団について(新井誠四郎)
  1.設立の趣旨 2.沿?革 3.事業内容 4.財?産 5.賛助会員・賛助会費 6.組織図(8020推進団体?組織図)
 39 国立保健医療科学院(花田信弘)
 40 厚生労働科学研究(花田信弘)
 41 NGO・NPO(中村修一)
  1.国際協力,ODAとNGO 2.NPO 3.NGO 4.歯科保健医療関係NGO団体
 42 国際保健医療協力(中村修一)
  1.はじめに 2.国際歯科保健医療協力 3.ネパールでの歯科保健医療協力 4.まとめ
 43 口腔保健に関する国際目標(川口陽子)
 44 唾液検査(武内博朗)
  1.唾液検査の位置づけ 2.う蝕唾液検査の種類と特徴 3.歯周病唾液検査の種類と特徴 4.唾液検査の実施時期
 45 メタボリックシンドローム(佐藤 保)
  1.メタボリックシンドロームの背景 2.メタボリックシンドロームの診断基準 3.歯科保健とメタボリックシンドローム
 46 特定健診・特定保健指導(小椋正之)
  1.生活習慣病の予防および保健指導 2.メタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準 3.生活習慣病予備軍への保健指導 4.健診結果に応じた保健指導の必要性
 47 後期高齢者医療制度(箱崎守男)
  1.75歳以上を対象とする新たな医療制度 2.財政運営は都道府県単位の広域連合が担当
 48 新健康フロンティア戦略(大内章嗣)
 49 食育(武井啓一)
  1.食育とは 2.食育基本法および食育推進基本計画 3.食育に関する健康づくり施策の変遷 4.「歯科関係者のための食育推進支援ガイド」 5.地域での取り組みと今後の課題
 50 医療計画(角町正勝)
  1.医療法に基づき,医療提供者の視点で 2.都道府県単位で実施されるが,歯科については 3.長崎県の事例
 51 健康増進計画(大内章嗣)
 52 在宅療養支援診療所・地域包括支援センター(西郷慶悦)
  1.在宅療養支援診療所 2.地域包括支援センター
 53 介護保険事業(支援)計画(大原里子)
  1.介護保険事業の基本指針
 54 学校と地域との連携(柘植紳平)
  1.CO・GOについて 2.学校歯科医と,かかりつけ歯科医との連携について 3.学校保健安全法について(平成21年4月1日施行)
 55 地域・職域連携(森岡俊介)
  1.地域・職域連携の目的 2.地域・職域連携推進協議会,保険者協議会の役割と歯科医師会
 56 禁煙指導(西原和行)
  1.歯科診療所の環境を整備する 2.患者への禁煙支援の実践 3.禁煙支援のための病診連携について
Part5 資料編
 1 歯科保健に関する資料(青山 旬)
  1.人口 2.歯科疾患実態調査 3.歯科疾患等の現状を示す調査 4.口腔保健行動に関する調査 5.その他の歯科保健に関する調査 6.口腔保健の国際比較について
 2 法令など(小椋正之)
  (1)「健康日本21」中間評価報告書
  (2)フッ化物洗口ガイドライン
  (3)今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会中間報告書(概要)
  (4)口腔機能向上マニュアル
  (5)医師法第17条,歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)

 索引