やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

日本語版に寄せて
 自著「MANAGEMENT of TEMPOROMANDIBULAR Disorders and Occlusion」の第5版がこのたび日本語に翻訳されたことを大変に喜ばしく思います.この私の喜びにはいくつかの理由があります.第一に,本書が世界中で使用され,しかも多くの言語に翻訳されることは間違いなく著者にとっての褒賞であるからです.このたびの翻訳をうれしく思う第二の理由は,私の日本の多くの友人が関わってくれたことにあります.私は,この10〜15年の間に数回にわたって日本を訪れる幸運を得て,大変にすばらしい人たちに出会いました.日本の歯科医師は,TMDに苦しむ多くの患者がいること,そしてそれらの患者は科学に基づく医療を受ける必要がある,いや受けるに値していることを理解しています.過去には,何の科学的な裏づけもなしに臨床的判断から開発された治療法もありました.そういった治療は,しばしば私たちの患者が最大の利益を得ることにはつながりませんでした.根拠に基づく医療によって明らかにされた既知の科学に基づいて患者の管理を行うことは,歯科医師おのおのの義務であるといえます.この義務は患者と歯科医師双方に共通するものです.本書は,ほぼ1,900の文献に目を通すことによってこの分野の臨床医
 本書が,TMDを管理する臨床医にとって有益であり,その結果としてより良質の医療が患者に提供されるようになることを希望しています.隣人の苦しみを除くことは単に立派な目標であるというだけではなく,医療に従事するもの一人ひとりにとっての基本的な義務であります.私は,本書が私たちの患者の苦しみをとり除く助けとなることを切に願っています.
 最後に,本書の監訳を担当していただいた矢谷博文先生と和嶋浩一先生に深謝いたします.何カ月にもわたる大変な労力であったに違いありません.矢谷先生と和嶋先生は,お二人以外に30人の先生方に翻訳の援助を依頼されましたので,その方々のお名前を下に記し,翻訳にかけていただいた時間と労力に対して感謝を申し上げたいと思います.
 杉崎正志先生,松香芳三先生,豊田 實先生,木本克彦先生,津賀一弘先生,中野雅徳先生,重本修伺先生,窪木拓男先生,波多野泰夫先生,石垣尚一先生,古谷野 潔先生,築山能大先生,大久保昌和先生,月村直樹先生,小林 馨先生,馬場一美先生,木野孔司先生,田上亜紀先生,鈴木政弘先生,櫻井 薫先生,覚道健治先生,栗田賢一先生,柴田考典先生,鱒見進一先生,池田浩子先生,佐藤博信先生,石川昌嗣先生,小出 馨先生,佐々木啓一先生,玉置勝司先生(翻訳順)
 これらのすばらしい翻訳者の方々の献身なくしては本書の翻訳は完成しませんでした.これらすべての方々の友情と献身に対しまして深く感謝申し上げます.とりわけ翻訳を企画し,完成にこぎつけていただいた矢谷先生と和嶋先生に重ねてお礼申し上げます.みなさんありがとう.すべての日本人歯科医師が患者の救済に大きな成功を治められんことを願ってご挨拶とします.
 ジェフリー P.オケソン,DMD

監訳者序文
 このたび待望のJeffrey P.Okeson教授による著書「MANAGEMENT of TEMPOROMANDIBULAR Disorders and Occlusion」の最新版(第5版)の邦訳版「Okeson TMD原著第5版」を上梓する運びとなったことはわれわれ監訳者としてこのうえない喜びである.
 「MANAGEMENT of TEMPOROMANDIBULAR Disorders and Occlusion」は1985年に初版が出されて以来,ほぼ5年ごとに改定され,第5版が2003年暮れに出版された.本書は初版以来,米国ではほとんどの歯学部でTMDの教科書として採用され,学生はもとより多くの臨床家や研究者の座右の書として確固たる信頼を築いている名著である.本書はすでに世界数カ国語に翻訳されており,本邦では1990年に原書第2版の翻訳書が出版された後,改訂版が出版されていなかった.
 本書の最大の特徴は初版以来Okeson教授が一人で全編を書き上げ,第ソ部の解剖から第ツ部の咬合治療に至るまでOkeson教授の一貫したフィロソフィーが隅々まで行き渡っていることである.このような大著は通常分担執筆であることがほとんどで,著者全員の考え方が統一されないままに書かれることが多いが,本書では,一貫した考えに基づいた記述がなされている.どの章を読んでも筋の通った記述がなされ,非常に読みやすく完成された本である.
 一人の著者によって書かれた本には往々にして片寄りが生じてしまいがちであるが,Okeson教授はそれを避けるために膨大な数の文献に当たり,Evidenceの確かな文献を引用することに多くの時間を費やしたようである.このことについて序文のなかでOkeson教授自身が次のように述べている.
 「この改訂版には前回の改訂後の4年間に発表された最も重要な科学的成果を取り入れたつもりである.私は,著書の価値は著者自身の考えの記述ではなく,著者の考えを裏付けるために引用された科学的な参考文献によって決まると考えている.この著書の初版本を記述する際に自分の考えや信頼できる報告を裏付けるために参照した論文数はおよそ450編であったが,この改訂版に記載した概念を裏付けるためには1,850編以上の科学的な参考文献を参照した.」
 本書に掲載されている膨大な数の引用文献は,最近のTMDに関する動向を知るうえで重要な資源ともなるであろう.
 著者のOkeson教授は,1977年にKentucky大学歯学部にOrofacial Pain Centerを設立し,以来30年の長きにわたってTMDとorofacial painの臨床に携わってきた.そのかたわら,これまでAmerican Academy of Orofacial Painの会長,ガイドライン委員長,ジャーナル委員長などの要職も務めてきた.Okeson教授が優れた臨床家であることは当然であるが,同時に優れた教育者でもある.Pain Centerにはこれまで世界中から多くの人たちが留学してOkeson教授の薫陶を受けてきている(監訳者の矢谷もその一人).また,研究者としても活躍しており,これまで180以上の論文を科学雑誌に発表している.さらに,彼は卓越した分かりやすいプレゼンテーションを行うことでも知られており,これまで40カ国以上で550回以上の招待講演を行い,「口腔顔面痛の国際大使」と異名を取るほどである.人柄も申し分なく,われわれ監訳者を含め,日本にも彼を慕う人は多い.
 さて,本書は改定毎に最新のデータに基づいてTMDの原因,診査・診断,治療法の記載内容の刷新が行われてきたが,今回の第5版ではとくに大幅な改定がなされている.第一に,TMDに関連する5つの主要な因子がさらに詳しく解説された.5つの主要な因子とは,A咬合状態,B外傷,C情動ストレス,D深部痛入力,そしてEパラファンクションである.咬合がどのようなメカニズムでTMDに影響するかに関して,他の文献ではみられない内容が詳しく解説されている.この中で用いられる用語に,「整形外科学的安定性」があり,簡単にいうと,しっかりした咬頭嵌合位が存在し,そのときの下顎位は下顎頭が下顎窩内で安定した筋骨格的安定位にあり,調和していることを指す.この安定性の欠如がTMDの原因の一つとなり,永久的咬合治療が必要になる理由であるとされている.
 本書のタイトルにはOcclusionが掲げられ,初版以来,一貫して咬合治療を第ツ部に独立したセクションとしている.タイトルや構成だけをみるとTMD治療として積極的な咬合治療を推奨しているかのように思われるが,実際には咬合治療は慎重であるべきである,という考えに基づいた内容である.永久的に咬合関係を変更する不可逆的な処置をすることを決定するための手順が細かく示されている.従来の,アプライアンス療法によって症状が消えたから,その咬合位に永久的咬合治療をするという短絡的な治療が強く戒められている.「咬合しか検査しない歯科医師は,咬合をまったく検査しない歯科医師と同様にTMDの原因を見逃してしまうであろう」と述べ,TMD治療のためには咬合以外へ目を拡げていくことの重要性を説いている.
 次に特記すべきこととして,慢性のTMD,口腔顔面痛の新たな治療法として身体自己調整法(physical Self-Regulation)を導入したことが挙げられる.この治療概念は,Okeson教授の同僚でPsychologistのCharles Carlson教授を中心に開発された認知行動療法を基本とする8つの患者教育とトレーニング法からなるもので,TMD治療のセルフケアの集大成といえる.患者に現状と問題点を説明し,状況を把握してもらうことから始まり,患部の安静と原因となる動作の自覚と中止,たとえば,TMDの原因が歯ぎしり,くいしばりなどの患者自身の日常生活における内因性の力によるという想定で,力を入れていることを自覚し,それを止めるように行動することを指導することなどである.その他に,正しい姿勢の保持,筋肉の弛緩,睡眠改善等が含まれていて,現在のTMDの原因療法,対症療法の基本となるものである.
 本書の内容は解剖,生理から咬合治療に至る幅広いものであるので,翻訳にあたっては,それぞれの分野に造詣の深い方々にお願いした.翻訳を担当していただいた先生方にはこの場を借りて厚くお礼申し上げたい.使用した用語は我が国で用いられている標準的な歯学用語,医学用語とし,読者の方々が混乱しないように,全章を通じて統一をはかった.その中で,著者の真意が伝わるように原語の直訳とはかなり違った訳語になったものもある.日本語として真意が伝わることを意図したものであることをご理解いただきたい.
 近年,TMDの原因は多因子性であるという考えが定着し,咬合一辺倒の治療ではなく,それぞれの症例のもつ原因,症状に応じた治療法を選択するべきであると言われて久しい.しかし,原因,症状に応じた治療法を具体的に示した著作は少なく,未だそれぞれの経験に基づいた治療法を試行錯誤しながら試みている状態である.本書は新時代に入ったTMD治療の絶好の指南書であり,まさに時代の要求に応えてくれるものである.本書は出口のないトンネルに入ってしまったような我が国の顎関節症治療に光明をさし,進むべき方向を指し示してくれる一冊になるものと確信している.
 最後に,本書の翻訳出版を決断していただいた医歯薬出版株式会社に感謝すると共に,編集にご協力頂いた大城惟克氏に深謝する.
 追記 本書の読み方のアドバイス
 このような大部な著書を読まれる際のアドバイスとして,最初のページから読み進めようとは考えないことをお勧めする.勇んで1ページから読み進んだが数ページで嫌になって,本棚にしまい込んでしまったという話をよく聞く.
 本書を手にとられた方は,まず最初に11章を読むことを勧める.治療を中心に本書の各部に書かれている内容のダイジェストを読むことができる.そして,TMDの原因に興味をもたれた方は7章に戻り,治療法に興味をもたれた方は12章以降を読み進む,TMDの症型について詳しく知りたい方は10章へ,検査・診断法は9章へ,さらに詳しく知りたい部分へどんどん飛んでいって読むことを勧める.そして,臨床的な記述に飽き足らず,その背景となっている基本的事項を知りたい方は第ソ部に戻って,じっくりと解剖,生理を学んでいただきたい.また,咬合治療について,その可否も含めて詳しく知りたい場合には第ツ部を読んでいただきたい.どの章から読み始めても,その章の主題を理解するための最低限必要な基礎事項が解説されているので読み進めることができるように構成されている.
 監訳者 矢谷博文 和嶋浩一

原著序文
 咬合に関する研究や咬合と咀嚼機能の関係に関する研究は,長年にわたり歯科における興味深い課題であった.その関係は非常に複雑であり,完全に解明されていないため,現在もこの領域に関する研究が続けられており,多数の概念,学説,治療法が発表されている.当然のことながら,この複雑な研究分野には,たくさんの混乱が生じてきた.今日の知識レベルは以前よりも高まってはいるが,まだまだ学ぶべきことは多い.今日用いられている技術のいくつかは,将来においても最も効果的な治療法であることが証明されるであろう.しかし,効果がないことが示され,捨て去られるものもあるかもしれない.有能な臨床医は,これまでに蓄積された知識と多くの進行中の研究から発信される情報の不断の革新に基づいて,自らの治療方法の確立に努めなければならない.臨床医にとって,これは膨大な仕事である.本書が学生,教師,臨床医が,患者のために最善の治療法を選択するための手助けとなることを希望している.
 私は第5版の改訂版を出版することができたことを非常にうれしく思っている.この改訂版にはこの4年間に発表された最も重要な科学的成果を取り入れたつもりである.私は,著書の価値は著者自身の考えの記述ではなく,著者の考えを裏付けるために引用された科学的な参考文献によって決まると考えている.引用されていない発表は,それらが真実であることを立証したり,否定したりするためにさらなる科学的な調査を行わなければならないもので,現時点ではそれらは単なる意見であると考えるべきである.著書の内容を最新の状態に保っておくことは,特に非常に多くの事柄が速いスピードで起こっている分野においてはきわめて難しいことである.本書の初版においては,記述内容や考え方を裏付けるためにおよそ450編の論文を参照したが,この改訂版に記載した概念は1,850編以上の科学的な参考文献により裏付けられている.参考文献数の増加は,この分野の大きな科学的な成長を反映しているといえる.将来真実が明らかになっていくにつれて,専門家は新しい情報を最もよく反映している変化に合わせて適切に対応していく義務を有している.このような対応をとるということは臨床プロトコールを変えなければならないということでもあるため,時に臨床医にとっては難しいことである.しかしながら,われわれの患者に対する最善の医療は,最も科学的に支持される情報に基づいてなされるべきである.
 本書「MANAGEMENT of TEMPOROMANDIBULAR Disorders and Occlusion」の目的は,咬合と咀嚼機能の学問分野への論理的で実用的なアプローチを示すことである.本書は4つの主要なパートに分けられる.第ソ部は咀嚼システムの正常な解剖学的・生理学的特徴について記述した6つの章からなる.正常な咬合関係と咀嚼機能を理解することは,機能障害を理解するうえで不可欠である.第タ部は咀嚼システムの病因論と一般的機能障害の鑑別を示す4つの章からなる.この改定版では重要な根拠となる引用文献を追加した.第チ部の6つの章では,明確な原因因子に従ったTMDの合理的な治療法を示している.既存の治療法や新しい考え方を支持するために,最近の研究成果を加えた.第ツ部は不可逆的咬合治療に特定の考えを記した4つの章からなっている
 「MANAGEMENT of TEMPOROMANDIBULAR Disorders and Occlusion」と題した本書を著した目的は,咀嚼機能と咬合の学問分野への理解と合理的なアプローチを発展させるためである.読者の手助けのために,確立されたテクニックのみを示してある.テクニックを解説する目的は,確実に治療目標を達成するための便宜的なものであり,真の目的はテクニックそのものではなく,目標を達成することであることを認識するべきである.治療目標を達成するためのテクニックは,それが十分に保存的で,かつ対費用効果が高い方法である限り受け入れることができる.
 このような著書の出版は決して私一人の仕事でできるものではない.正確に言うならば,著書は多くの先人達の蓄積である.先人達各々の努力がこの分野における知識を現在の状態に高めたのである.これら先人達に,一人ひとり感謝の意を表すことはできないが,各章の終わりに参考文献を載せることで,本書の背景となっている多くの仕事の価値を認めることにしたい.
 Jeffrey P.Okeson
 ジェフリー P.オケソン
 日本語版に寄せて
 監訳者序文
 本書の読み方のアドバイス
 原著序文
 原著謝辞
第I部 機能解剖学
 1章 咀嚼システムの機能解剖学とバイオメカニクス(杉崎正志)
  ●機能解剖学
   ●歯列と支持組織
   ●骨格の構成要素
    上顎骨
    下顎骨
    側頭骨
   ●顎関節
    関節面の組織学
    顎関節の神経支配
    顎関節の血管分布
   ●靱帯
    側副(円板)靱帯
    関節包靱帯
    側頭下顎靱帯(外側靱帯)
    蝶下顎靱帯
    茎突下顎靱帯
   ●咀嚼筋
    咬筋
    側頭筋
    内側翼突筋
    外側翼突筋
     ・外側翼突筋下頭
     ・外側翼突筋上頭
    顎二腹筋
  ●顎関節のバイオメカニクス
 2章 咀嚼システムの機能神経解剖学と生理学
  ●神経筋系の解剖学的構造と機能(松香芳三)
   ●筋
    運動単位
    筋
     ・筋機能
   ●神経構造
    ニューロン
    脳幹と脳
     ・脊髄路核
     ・脳幹網様体
     ・視床
     ・視床下部
     ・大脳辺縁系
     ・大脳皮質
    感覚受容器
     ・筋紡錘
     ・ゴルジ腱器官
     ・パチーニ小体
     ・侵害受容器
   ●神経筋機能
    感覚受容器の機能
    反射活動
     ・筋伸展反射
     ・侵害受容反射
    相反性神経支配
    筋活動の調整
    高位中枢からの影響
     ・筋機能に関する高位中枢の影響
  ●咀嚼システムの主要な機能(木本克彦・豊田 實)
   ●咀嚼
    咀嚼ストローク
    咀嚼中の歯の接触
    咀嚼力
    咀嚼中の軟組織の役割
   ●嚥下
    第一相
    第二相
    第三相
    嚥下の頻度
   ●発語
    発音
  ●顎顔面痛のメカニズム
   ●痛みの修飾
    経皮的無痛性刺激システム
    間欠的有痛性刺激システム
    心理的修飾システム
    理論的根拠
   ●痛みのタイプ
   ●中枢性興奮効果
    中枢性興奮効果による臨床症状の発現
  ・症例報告
 3章 歯列と咬合(津賀一弘)
  ●歯の位置を決定する要因と力
  ●歯列弓内での歯の配列
  ●歯列弓間の歯の配列
   ●頬舌的な咬合接触関係
   ●近遠心的な咬合接触関係
   ●臼歯の一般的な咬合関係
    I級
    II級
    III級
   ●前歯の一般的な咬合関係
   ●下顎運動中の咬合接触
    下顎前方運動
    下顎側方運動
    下顎後方運動
    咬合接触の要約
 4章 下顎運動のメカニクス(中野雅徳・重本修伺)
  ●運動の種類
   ●回転運動
    水平回転軸
    前頭(垂直)回転軸
    矢状回転軸
   ●並進運動(平行移動)
  ●単一基準平面内の限界運動
   ●矢状面内の限界運動路と機能運動
    後方限界運動路
    前方限界運動路
    上方限界運動路
    機能運動
     ・機能運動に対する姿勢の影響
   ●水平面内の限界運動路と機能運動
    左側方限界運動路
    前方突出を伴う左側方限界運動路
    右側方限界運動路
    前方突出を伴う右側方限界運動路
    機能運動
   ●前頭面内の(上下的な)限界運動路と機能運動
    左側方滑走運動路
    左側方限界運動路
    右側方滑走運動路
    右側方限界運動路
    機能運動
  ●運動範囲の菱形柱
   ●三次元的運動
 5章 機能的理想咬合の基準(窪木拓男)
  ●咬合研究の歴史
  ●機能的理想咬合の基準
   ●最も整形外科的に安定した関節位
   ●機能的理想咬合接触
    歯にかかる咬合力の方向
    歯にかかる咬合力の量
    姿勢と機能的咬合接触
   ●機能的理想咬合のまとめ
 6章 咬合面形態の決定要素(波多野泰夫)
  ●後方誘導要素(ポステリアガイダンス)
  ●前方誘導要素(アンテリアガイダンス)
  ●誘導要素を理解する
  ●咬合面形態の垂直的な決定要素
   ●咬頭の高さに及ぼすポステリアガイダンス(関節結節の角度)の影響
   ●咬頭の高さに及ぼすアンテリアガイダンスの影響
   ●咬頭の高さに及ぼす咬合平面の影響
   ●咬頭の高さに及ぼすSpeeの彎曲の影響
   ●咬頭の高さに及ぼす下顎の外方並進運動の影響
    咬頭の高さに及ぼす外方並進運動の量の影響
    咬頭の高さに及ぼす外方並進運動の方向の影響
    咬頭の高さに及ぼす外方並進運動のタイミングの影響
  ●咬合面形態の水平的な決定要素
   ●隆線と裂溝の方向に及ぼす回転顆頭からの距離の影響
   ●隆線と裂溝の方向に及ぼす正中矢状面からの距離の影響
   ●隆線と裂溝の方向に及ぼす回転顆頭からの距離および正中矢状面からの距離の影響
   ●隆線と裂溝の方向に及ぼす下顎の外方並進 運動の影響
   ●隆線と裂溝の方向に及ぼす顆頭間距離の影響
  ●前方誘導要素と後方誘導要素間の関係
第II部 咀嚼システムの機能障害の病因論と鑑別
 7章 咀嚼システムの機能障害の原因(矢谷博文・石垣尚一)
  ●用語
  ●TMDの歴史
  ●TMDの疫学的研究
  ●咀嚼システムの機能障害の進行
   ●正常機能
   ●イベント
    局所的イベント
    全身的イベント
   ●生理的耐性
    局所因子
    全身因子
   ●TMDの症状
  ●TMDの病因論的考察
   ●咬合状態
   ●咬合とTMDの動的な機能的関係
    整形外科的安定性に対する咬合因子の効果
    咬合状態の急激な変化による影響とTMD
     ・咀嚼システムの活動
     ・咬合接触と筋活動亢進
     ・咬合干渉はどのように筋症状に影響を及ぼすか?
   ●まとめ:咬合はどのようにTMDに関連しているか
   ●外傷
   ●情動ストレス
   ●深部痛入力
   ●非機能的活動
    日中の活動
    夜間の活動
     ・睡眠
    睡眠段階とブラキシズムイベント
    ブラキシズムイベントの持続期間
    ブラキシズムイベントの強さ
    睡眠時の姿勢とブラキシズムイベント
    ブラキシズムイベントと咀嚼システムの症状
    筋活動と咀嚼システムの症状
     ・咬合力
     ・咬合力の方向
     ・下顎位
     ・筋収縮の種類
     ・防御反射の影響
    ブラキシズムイベントの原因
    小児のブラキシズム
  ●まとめ
 8章 TMDの徴候と症状(古谷野 潔・築山能大)
  ●筋の機能的疾患
   ●疼痛
   ●機能障害
  ●臨床的な咀嚼筋痛モデル
   ●イベント
   ●防御的共収縮
   ●局所筋痛
   ●中枢神経系の筋痛への影響
   ●筋スパズム
   ●局所性筋痛障害
    筋・筋膜痛
   ●慢性筋痛に関する考察
    継続化因子
     ・局所性継続化因子
     ・全身性継続化因子
    中枢神経性筋痛
    慢性全身性筋痛障害
  ●顎関節の機能的疾患
   ●疼痛
   ●機能障害
   ●顎関節の機能的疾患の連続性
    下顎頭-関節円板複合体障害
     ・外来性外傷
    直接的外傷
    間接的外傷
     ・内在性外傷
     ・矯正と関節円板転位障害
    関節面の構造的不適合
     ・亜脱臼
     ・脱臼
    関節円板転位障害の素因
     ・関節結節の急傾斜
     ・下顎頭と下顎窩の形態
     ・関節
     ・外側翼突筋上頭の付着
    炎症性関節障害
     ・滑膜炎
     ・関節包炎
     ・円板後部組織炎
     ・関節炎
   ●経時的な連続性のまとめ
  ●歯列の機能的疾患
   ●動揺
   ●歯髄炎
   ●歯の磨耗
  ●TMDに関連する他の徴候と症状
   ●頭痛
    神経血管性頭痛
    緊張型頭痛
   ●耳症状
 9章 TMDの病歴聴取と診察
  ●スクリーニングのための病歴聴取と診察(大久保昌和)
  ●TMDの病歴聴取
   ●疼痛
    主訴
     ・疼痛部位
     ・疼痛の始まり
     ・疼痛の特徴
      疼痛の質
      疼痛の様相
      疼痛の強度
      随伴症状
      疼痛の移り変わり
     ・増悪・緩和因子
      機能活動の影響
      理学療法の影響
      薬物療法
      情動ストレス
      睡眠の質
      訴訟と不労状態
     ・過去の診察と治療
     ・ほかの疼痛の訴えとの関連
    医科的既往歴
    身体検査所見
    心理評価
  ●臨床的診察
   ●脳神経の診察
    嗅神経(I)
    視神経(II)
    動眼神経,滑車神経,外転神経(III,IV,VI)
    三叉神経(V)
    顔面神経(VII)
    内耳神経(VIII)
    舌咽神経,迷走神経(IX,X)
    副神経(XI)
    舌下神経(XII)
   ●眼の診察
   ●耳の診察
   ●頸部の診察
   ●筋の診察
    筋触診
     ・側頭筋
     ・咬筋
     ・胸鎖乳突筋
     ・後頸筋
     ・トリガーポイントの臨床的重要性
    機能的マニピュレーション
     ・外側翼突筋下頭の機能的マニピュレーション
     ・外側翼突筋上頭の機能的マニピュレーション
     ・内側翼突筋の機能的マニピュレーション
     ・関節包内障害
    最大切歯間距離
     ・関節包外運動制限
     ・関節包内運動制限
   ●顎関節の診察(月村直樹)
    顎関節痛
    顎関節の機能障害
     ・関節音
     ・関節の運動制限
   ●歯科的診察
    動揺度
     ・歯根膜腔の拡大
     ・骨硬化症
     ・過セメント症
    歯髄炎
    咬耗
    咬合検査
     ・中心位における咬合接触
      中心位の決定
      中心位における早期接触の確認
     ・咬頭嵌合位
      急性の不正咬合
      最大咬頭嵌合位の安定vs顎関節の安定
      歯列弓の完全性
      咬合高径
     ・偏心位の咬合接触
      前方運動時の咬合接触
      側方運動時の作業側の咬合接触
      側方運動時の平衡側の咬合接触
   ●補助的診断テスト(小林 馨)
   ●顎関節画像検査
    エックス線撮影法
     ・パノラマ像
     ・側方経頭蓋像
     ・経咽頭投影
     ・前頭後頭方向経上顎投影法
     ・断層撮影法
     ・造影撮影法
     ・コンピュータ断層撮影法
    磁気共鳴画像法
    骨スキャン
    エックス線像の解釈
     ・限定条件
     ・骨構造の解釈
     ・下顎頭位の読影
     ・関節運動機能の解釈
      関節包外運動制限の放射線学的根拠
      関節包内運動制限の放射線学的根拠
    顎関節画像検査のまとめ
   ●模型の咬合器付着
   ●筋電図検査
   ●下顎運動解析装置
   ●ソノグラフィー
   ●振動分析
   ●サーモグラフィー
 10章 TMDの診断
  ●疼痛障害の診断(馬場一美)
  ●局所麻酔に対する一般的考察
  ●鑑別診断の鍵
   ●咀嚼筋障害
    防御的共収縮
    局所筋痛
    中枢神経系の筋痛への影響
    筋スパズム
    急性筋障害と慢性筋障害
   ●局所性筋痛障害
    筋・筋膜痛
    中枢神経性筋痛
   ●全身性筋痛障害
    線維筋痛症
   ●顎関節障害(木野孔司)
    下顎頭-関節円板複合体障害
     ・関節円板偏位
     ・復位を伴う関節円板前方転位
     ・復位を伴わない関節円板前方転位
    関節面の構造的不適合
     ・形態変化
     ・粘着と癒着
     ・亜脱臼
     ・脱臼
    炎症性関節障害
     ・滑膜炎または関節包炎
     ・円板後部組織炎
     ・関節炎
    骨関節炎と骨関節症
    多発性関節炎
     ・関連構造の炎症性障害
    側頭筋腱炎
    茎突下顎靱帯炎
   ●慢性下顎運動制限
    強直症
    筋拘縮
     ・静止による筋短縮
     ・線維性筋拘縮
    筋突起による下顎運動障害
    成長障害
  ●まとめ
第III部 咀嚼システムの機能障害の治療
 11章 TMD治療に関して一般的に考えるべき事柄
  ●種々のTMDの相互関係(和嶋浩一・田上亜紀)
  ●TMDの治療
   ●原因療法
    咬合因子に対する原因療法の考察
     ・可逆的咬合治療
     ・不可逆的咬合治療
    情動ストレスに対する原因療法の考察
     ・共通する性格特性
     ・共通の情緒状態
     ・性格特性と情緒状態のまとめ
     ・情動ストレス治療の分類
      患者の認識
      顎機能の制限
      自発的な回避
      リラクセーション療法
      情動ストレス治療を行う際の重要な配慮
    外傷に対する原因療法の考察
    深部痛入力に対する原因療法の考察
    パラファンクションに対する原因療法の考察
   ●対症療法
    薬物療法
     ・鎮痛薬
     ・非ステロイド性抗炎症薬
     ・抗炎症薬
     ・コルチコステロイド
     ・抗不安薬
     ・筋弛緩薬
     ・抗うつ薬
     ・局所麻酔薬
    理学療法(鈴木政弘)
     ・物理療法
      温熱療法
      冷却療法
      超音波療法
      音波導入法
      イオン導入法
      ガルバニック電気刺激治療
      経皮的電気神経刺激療法
      鍼治療
      低温レーザー治療
     ・徒手療法
      軟組織可動化
      関節可動化
      筋コンディショニング
  ●身体-自己調整法(physical self-regulation)の概念
 12章 咀嚼筋障害の治療(櫻井 薫)
  ●防御的共収縮
   原因
   病歴
   臨床的特徴
   原因療法
   対症療法
  ●局所筋痛
   原因
   病歴
   臨床的特徴
   原因療法
   対症療法
  ●筋スパズム
   原因
   病歴
   臨床的特徴
   原因療法
   対症療法
  ●筋・筋膜痛
   原因
   病歴
   臨床的特徴
   原因療法
    ・スプレーとストレッチ
    ・指圧とマッサージ
    ・超音波療法およびガルバニック電気刺激治療
    ・トリガーポイント注射とストレッチ
   対症療法
  ●中枢神経性筋痛
   原因
   病歴
   臨床的特徴
   原因療法
   対症療法
  ●線維筋痛症(ファイブロマイアルジア)
   原因
   病歴
   臨床的特徴
   原因療法
   対症療法
  ●睡眠時歯ぎしり
  ・症例報告
 13章 顎関節障害の治療
  ●下顎頭-関節円板複合体障害(覚道健治)
   ●復位性関節円板転位
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
     ・復位性関節円板転位の原因療法のまとめ
    対症療法
   ●非復位性関節円板転位
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
     ・徒手的円板整位術
    対症療法
     ・下顎頭-関節円板転位障害に対する外科的考察
  ●関節表面の構造的不適合性
   ●形態異常
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
   ●粘着および癒着
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
   ●亜脱臼
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
   ●脱臼
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
  ●顎関節の炎症性疾患(栗田賢一)
   ●滑膜炎と関節包炎
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
   ●円板後部組織炎
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    外因性外傷による円板後部組織炎の原因療法
    外因性外傷による円板後部組織炎の対症療法
    内因性外傷による円板後部組織炎の原因療法
    内因性外傷による円板後部組織炎の対症療法
   ●関節炎
    骨関節炎
     ・原因
     ・病歴
     ・臨床的特徴
     ・原因療法
     ・対症療法
    骨関節症
     ・原因
     ・病歴
     ・臨床的特徴
     ・原因療法
    多発性関節炎
     ・外傷性関節炎
      原因療法
      対症療法
     ・感染性関節炎
      原因療法
      対症療法
     ・関節リウマチ
      原因療法
      対症療法
     ・高尿酸血症
      原因療法
      対症療法
     ・乾癬性関節炎
      原因療法
      対症療法
     ・強直性脊椎炎
      原因療法
      対症療法
   ●関連組織の炎症疾患
    側頭筋腱炎
     ・原因療法
     ・対症療法
    茎突下顎サ帯炎
     ・原因療法
     ・対症療法
  ●顎関節への急性外傷処置時の一般的注意事項
  ・症例報告
 14章 慢性下顎運動制限と成長障害の治療(柴田考典)
  ●慢性下顎運動制限
   ●強直症
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
   ●関節包線維症
    原因療法
    対症療法
   ●筋拘縮
    静止による筋性拘縮
     ・原因
     ・病歴
     ・臨床的特徴
     ・原因療法
      自己ストレッチ
      抵抗を加えた開口運動訓練
     ・対症療法
    線維性筋拘縮
     ・原因
     ・病歴
     ・臨床的特徴
     ・原因療法
     ・対症療法
   ●筋突起による下顎運動障害
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
  ●成長障害
   ●先天性および発育性骨障害
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
   ●先天性および発育性筋障害
    原因
    病歴
    臨床的特徴
    原因療法
    対症療法
  ・症例報告
 15章 オクルーザルアプライアンス療法(鱒見進一)
  ●一般的な考え
   ●適切なアプライアンスの選択
   ●アプライアンスの製作および調整
   ●患者の協力
  ●オクルーザルアプライアンスのタイプ
   ●スタビリゼーション型アプライアンス
    説明と治療目標
    適応症
    簡易的な製作方法
     ・アプライアンスの製作
     ・上顎へのアプライアンスの適合
     ・筋骨格的安定位の決定法
     ・咬合の付与
     ・中心位における咬合調整
     ・偏心誘導の調整
     ・スタビリゼーション型アプライアンスの最終 的確認基準
     ・指示と調整
   ●下顎前方位型アプライアンス
    説明と治療目標
    適応症
    簡易的な製作方法
     ・アプライアンスの製作と適合
     ・正確な前方位の位置決め
     ・咬合の調整
     ・下顎前方位型アプライアンスの最終的確認基準
     ・指示と調整
   ●前歯接触型アプライアンス
    説明と治療目標
    適応症
   ●臼歯接触型アプライアンス
    説明と治療目標
    適応症
   ●ピボット型アプライアンス
    説明と治療目標
    適応症
   ●軟質あるいは弾性アプライアンス
    説明と治療目標
    適応症
  ●アプライアンス療法の一般的な見解
 16章 治療の手順…(和嶋浩一・池田浩子
  ●咀嚼筋障害の診断的治療アルゴリズム
   【防御的共収縮と局所筋痛】
   【筋・筋膜痛】
   【筋スパズム】
   【慢性中枢神経性筋痛】
  ●顎関節障害の診断的治療アルゴリズム
   【下顎頭-関節円板複合体障害(関節円板偏位と 復位を伴う関節円板転位)】
   【下顎頭-関節円板複合体障害(復位を伴わない 関節円板転位)】
   【構造上の異常(形態異常と癒着)】
   【構造上の異常(亜脱臼と脱臼)】
   【顎関節の炎症性疾患(関節包炎,滑膜炎,円板後部組織炎,外傷性関節炎)】
   【顎関節の炎症性疾患(変形性関節炎)】
   【顎関節の炎症性疾患(感染性関節炎)】
第IV部 咬合治療
 17章 咬合治療の一般的適応(佐藤博信・石川昌嗣)
  ●TMDの治療
  ●他の歯科治療と関連した治療
  ●咬合治療のための治療目標
   ●筋骨格的安定位のための治療目標
  ●咬合治療の治療計画
   ●3分割の法則
  ●治療計画に影響する因子
   ●症状
   ●歯列の状態
   ●全身の健康
   ●審美
   ●経済状態
  ●優先順位決定因子
 18章 咬合治療における咬合器の利用(小出 馨)
  ●咬合器の使用
   ●診断にあたって
   ●治療計画の立案において
    選択削合
    機能的(診断用)事前ワックスアップ
    審美的(診断用)事前ワックスアップ
    歯列矯正用予測模型
    固定性修復物の設計
    咬合器に付着された診断用模型のその他の使用目的
   ●治療時の咬合器の使用
  ●咬合器の一般的な種類
   ●非調節性咬合器
    概要
    非調節性咬合器の使用手順
    非調節性咬合器の長所と短所
   ●半調節性咬合器
    概要
     ・矢状顆路傾斜度
     ・Bennet角
     ・顆頭間距離
    半調節性咬合器の使用手順
     ・フェイスボウトランスファー
     ・中心位咬合記録
     ・偏心位咬合記録
    半調節性咬合器の長所と短所
  ●全調節性咬合器
   概要
    ・矢状顆路傾斜度
    ・Bennet角および側方運動
    ・作業側顆頭の運動
    ・顆頭間距離
   全調節性咬合器の使用手順
    ・正確な蝶番軸の測定
    ・パントグラフ描記
    ・中心位咬合記録
   咬合高径増加時の中心位咬合記録
   全調節性咬合器の長所と短所
  ●咬合器の選択
   ●患者の咬合のもつ特徴
   ●修復の範囲
   ●咬合器のもつ機能の理解
   ●臨床医の技術
 19章 選択削合(佐々木啓一)
  ●適応症
   ●TMDの管理を行うための補足的治療
   ●広範囲にわたる咬合変更を図る際の補足的治療
  ●選択削合による転帰の予測
  ●選択削合を行ううえでの留意事項
  ●選択削合の治療目標
   ●許容しうる中心位における接触位の付与法
    前上方への滑走
    前上方かつ右側方への滑走
    前上方かつ左側方への滑走
    中心位における接触位の成立
   ●許容しうる側方および前方ガイドの進展
    選択削合のテクニック
     ・犬歯誘導とするための処置
     ・グループファンクションとするための処置
   ●アップライト姿勢における評価
    患者指導
  ●部分的選択削合
 20章 咬合治療における修復処置の考察(玉置勝司)
  ●咬合治療における充填処置の検討
   ●治療目標
    咬合接触のための治療目標
     ・臼歯部の咬合接触
     ・前歯部の咬合接触
    下顎位のための治療目標
   ●達成すべき治療目標
    臼歯部の咬合接触
    前歯部の咬合接触
  ●咬合治療における固定性補綴への考察
   ●治療目標
    咬合接触のための治療目標
     ・臼歯部の咬合接触
     ・前歯部の咬合接触
    下顎位のための治療目標
     ・機能障害
     ・治療の範囲
   ●達成すべき治療目標
    前歯部の咬合接触
     ・適切なガイダンス
    カスタムアンテリアガイダンステーブル
     ・不適切なアンテリアガイダンス
    臼歯部の咬合接触
     1.3点接触
     2.咬頭頂と平坦面の接触
      ・ワックスアップテクニック
       ステップ 1―中心咬頭頂
       ステップ 2―近心および遠心の辺縁隆線
       ステップ 3―中央窩での接触部位
       ステップ 4―舌側咬頭隆線
       ステップ 5―近心および遠心の舌側咬頭隆線
       ステップ 6―舌側咬頭三角隆線
       ステップ 7―非中心咬頭頂
       ステップ 8―頬側咬頭隆線
       ステップ 9―近心および遠心の頬側咬頭隆線
       ステップ10―頬側咬頭三角隆線

  付表
  索引