はじめに
1990年代に入ってからの歯科用レーザー機器の発達はめざましく,装置の小型・軽量化に加え,各種ファイバーの開発・改良が進み,レーザー光の口腔内への導光が簡便になった.さらにEr:YAGレーザーの実用化により,歯科医師にとって長年の夢であった“レーザーによる歯の切削”が可能になった.現在,主に炭酸ガスレー
ザー,Nd:YAGレーザー,半導体レーザー,Er:YAGレーザーなどが歯科用レーザーとして使用され,それぞれ臨床で成果をあげている.
しかし,多くのレーザーが改良を重ね,使いやすく,より多くの症例に対して応用が可能になった反面,レーザーが万能機器であるかのように謳われ,その使用法に混乱が生じていることも否定できない.
レーザーを効果的に使用するためには,その背景,すなわちレーザーが生体に引き起こすさまざまな現象のメカニズムを理解することが重要である.その結果,的確な判断力が培われ,臨床経験を重ねることにより,応用範囲を広げていくことができる.
そこで本書では,“レーザー光の神秘的な力”を科学的に紐解き,レーザーに関する情報をわかりやすく正確に伝えることに重点をおいた.このため,診療室で出来る実験や,実例を多用し,レーザーの物理的性質を直感的に理解できるように,そして臨床ですぐに役立つよう意図した.また基礎編ではとくに,生体作用に影響の大きい物理パラメーターを重視し,レーザーの何が治療効果において重要なのかを解説した.
この本は,好評を博した,歯界展望「各種レーザーの特徴と用途を整理する(1),(2),(3)」(2000年)に連載された内容を基に企画した.著者らのレーザー治療に対する共通の認識と考え方に則って,書き起こしたものである.本書が読者諸氏の参考になれば幸いである.
執筆は,I章からIV章までは加藤,篠木,守矢が担当し,V章は粟津が担当した.なお,III章第10項(血管腫とKTPレーザー)では宮崎英隆氏に,V章では部谷 学氏に執筆協力いただいた.古味信次氏,山本敦彦氏には症例に関して貴重なご協力をいただいた.この場を借りて,深く感謝の意を表したい.
2003年 初夏
加藤 純二
粟津 邦男
篠木 毅
守矢佳世子
1990年代に入ってからの歯科用レーザー機器の発達はめざましく,装置の小型・軽量化に加え,各種ファイバーの開発・改良が進み,レーザー光の口腔内への導光が簡便になった.さらにEr:YAGレーザーの実用化により,歯科医師にとって長年の夢であった“レーザーによる歯の切削”が可能になった.現在,主に炭酸ガスレー
ザー,Nd:YAGレーザー,半導体レーザー,Er:YAGレーザーなどが歯科用レーザーとして使用され,それぞれ臨床で成果をあげている.
しかし,多くのレーザーが改良を重ね,使いやすく,より多くの症例に対して応用が可能になった反面,レーザーが万能機器であるかのように謳われ,その使用法に混乱が生じていることも否定できない.
レーザーを効果的に使用するためには,その背景,すなわちレーザーが生体に引き起こすさまざまな現象のメカニズムを理解することが重要である.その結果,的確な判断力が培われ,臨床経験を重ねることにより,応用範囲を広げていくことができる.
そこで本書では,“レーザー光の神秘的な力”を科学的に紐解き,レーザーに関する情報をわかりやすく正確に伝えることに重点をおいた.このため,診療室で出来る実験や,実例を多用し,レーザーの物理的性質を直感的に理解できるように,そして臨床ですぐに役立つよう意図した.また基礎編ではとくに,生体作用に影響の大きい物理パラメーターを重視し,レーザーの何が治療効果において重要なのかを解説した.
この本は,好評を博した,歯界展望「各種レーザーの特徴と用途を整理する(1),(2),(3)」(2000年)に連載された内容を基に企画した.著者らのレーザー治療に対する共通の認識と考え方に則って,書き起こしたものである.本書が読者諸氏の参考になれば幸いである.
執筆は,I章からIV章までは加藤,篠木,守矢が担当し,V章は粟津が担当した.なお,III章第10項(血管腫とKTPレーザー)では宮崎英隆氏に,V章では部谷 学氏に執筆協力いただいた.古味信次氏,山本敦彦氏には症例に関して貴重なご協力をいただいた.この場を借りて,深く感謝の意を表したい.
2003年 初夏
加藤 純二
粟津 邦男
篠木 毅
守矢佳世子
I レーザーを理解しよう
(1)レーザーの性質
(2)波長と歯科用レーザー
(3)レーザーと生体組織の相互作用
(4)歯科領域での応用
コラム 電気メスとレーザーの違い
II レーザーで遊んでみよう
(1)スイッチを入れる前に
レーザーに関する用語
発振様式
(2)さあスイッチを入れよう
レーザーで切ってみる--レバーの実験
■肉眼で違いを見る
■温度変化の違いを知る
■レーザーのなかの個性
レーザーで固めてみる--卵白の実験
■卵白を蒸散する
■炭酸ガスレーザーの熱の軌跡
■出力と照射時間を変化させる
■同一照射エネルギーでの蒸散量
■連続波とパルス波
■Er:YAGレーザー
■半導体レーザーおよびNd:YAGレーザー
■卵白実験のまとめ
レーザーを照射してみる--歯の実験
■象牙質・エナメル質の光透過性
■象牙質・エナメル質の表面構造変化
■歯の実験のまとめ
コラム Nd:YAGレーザーの透過性――第二象牙質の形成
III 臨床に使ってみよう
■はじめに
■歯科用レーザー
基本編
(1)口腔内小手術への応用
1.歯肉切除(難易度A)
キーワード 波長でレーザーの「性格」を知る
確認 レーザーで軟組織が切れる理由
今日の練習 レバーを切ってみよう
症例 ■萌出困難歯の開窓
■レーザー別使用上の注意点
こんなときどうする-誤照射してしまったら
2.エプーリス切除(難易度A)
キーワード 最短コースで最大の結果を
確認 エプーリスとは
今日の練習 タコの吸盤を除去する
症例 ■口蓋側歯間乳頭のエプーリス
こんなときどうする-腫瘤除去のコツ
3.小帯切除(難易度B)
キーワード 周囲組織の変性は最小限に
確認 小帯切除の適用時期
レーザーごとの熱作用パターン
今日の練習 鶏の手羽先を使って
症例 ■上唇小帯切除
■舌小帯切除
■頬小帯切除
こんなときどうする-小帯切除の注意点
4.粘液嚢胞摘出(難易度C)
キーワード 嚢胞は掘り起こす
確認 粘液嚢胞とは
今日の練習 レバーボールをつくる
症例 ■粘液嚢胞摘出例
こんなときどうする-いろいろなレーザーでの対応
(2)歯周病への応用
1.歯肉の形態修正(難易度A)
キーワード レーザーカービング
今日の練習 豚足に凹凸をつくる
症例 ■矯正終了後の歯肉整形
■薬物の副作用による歯肉増殖症
■補綴前処置としての歯肉形態修正
こんなときどうする-歯への誤照射を防ぐには
コラム 生体刺激
2.歯肉の色素除去(難易度B)
キーワード パルスとエアーを利用する
確認 レーザーと蒸散深さの関係
今日の練習 イカの色素を除去する
症例 ■Er:YAGレーザーを使用したメラニン色素除去
■Er:YAGレーザーと炭酸ガスレーザーを併用したメラニン色素除去
こんなときどうする-後戻りへの対応
3.歯石除去(難易度A)
キーワード 歯石の肩をたたく
今日の練習 歯石は削らずに剥がす
症例 ■Er:YAGレーザーによる歯石の除去
こんなときどうする-大量の歯石があるときは
4.歯周ポケット内照射(難易度B/C)
キーワード ポケット内環境を改善する
確認 ポケット内におけるレーザーの効用と波長特性
今日の練習 卵白でシミュレーションする
症例 ■ポケット内殺菌&洗浄例
■ポケット内洗浄&掻爬例
■ポケット内凝固&掻爬例
こんなときどうする-無麻酔下の処置
コラム レーザーの殺菌作用
(3)痛みの処置への応用
1.口内炎(難易度A/B)
キーワード レーザーの非侵襲的照射
確認 疼痛緩和とレーザー
今日の練習 レーザーを感じてみる
症例 ■組織表面吸収型レーザーの利用
■組織透過型レーザーの利用
こんなときどうする-患者が痛がったら
2.知覚過敏(難易度B/C)
キーワード 刺激を遮断する
確認 レーザーが知覚過敏に効く理由
今日の練習 レーザーで卵白を凝固・変性させる
症例 ■組織表面吸収型レーザーの応用
■いろいろな照射例
こんなときどうする-痛みが強い症例
-周囲歯肉への誤照射
3.その他の疼痛緩和(難易度B)
キーワード LLLT(低レベルレーザー治療)
確認 疼痛緩和のメカニズム
LLLTと温度変化
今日の練習 経穴にレーザーを照射する
症例 ■組織透過型レーザーの低出力照射による疼痛緩和
■組織表面吸収型レーザーの疼痛緩和への応用
■矯正治療中の疼痛への応用
こんなときどうする-効果を確実にするためには
コラム HLLTとLLLT
(4)歯髄処置への応用
1.抜髄・感染根管治療(難易度B)
キーワード 歯髄は軟組織の一部である
確認 レーザー使用の目的と考え方
今日の練習 抜去歯で熱の伝わり方を知る
症例 ■外傷後の根管処置
■歯根破折時の根管処置
こんなときどうする-滲出液を止めるには
2.覆髄法・断髄法(難易度B/C)
キーワード レーザーで歯髄を回復させる
確認 歯髄温存の考え方とレーザーの役割
レーザー照射後の根管内の温度変化とその影響
今日の練習 卵白に薄膜をつくる
症例 ■低出力レーザーの断髄への応用
■組織透過型レーザーの断髄への応用
こんなときどうする-消失する水酸化カルシウム
■組織表面吸収型レーザーの断髄への応用
■低出力レーザーの覆髄への応用
こんなときどうする-幼若永久歯の露髄
■組織表面吸収型レーザーの覆髄への応用
こんなときどうする-外傷により露髄したら
コラム 露出歯髄に対するレーザー照射の考え方
(5)硬組織への応用
1.レーザーによる齲蝕予防(難易度A/B)
キーワード エナメル質の強化
確認 歯質強化のメカニズム
今日の練習 抜去歯で表面変化を見る
症例 ■歯質強化および歯肉弁切除
■シーラントの前処置としての応用
こんなときどうする-ピンポイント殺菌効果
2.歯の切削(難易度B)
キーワード タービンとは異なるレーザー切削
確認 Er:YAGレーザーと水
切削にかかわる要因
今日の練習 抜去歯を切削する
症例 ■歯頸部V級窩洞
■咬合面I級窩洞
■乳歯の切削
こんなときどうする-レジン修復の際の歯面処理について
コラム 患者さんの笑顔
3.骨・歯根の切除(難易度C)
キーワード 硬組織に強いEr:YAGレーザー
確認 レーザーと骨組織
歯根端切除術
今日の練習 鶏の骨に窓を開ける
症例 ■歯根端切除術への応用
こんなときどうする-歯根切断前後の処理
コラム レーザーと海外支援活動
(6)その他の応用
1.抜歯後の止血(難易度A)
キーワード 血液成分を凝固する
確認 止血のメカニズム
症例 ■抜歯(歯根分割)後の止血
■抜歯(歯周病)後の止血
■乳歯の抜歯後の止血
こんなときどうする-透過光による誤照射
2.診断(難易度A)
キーワード レーザーで齲蝕を見つける
確認 レーザーによる齲蝕診査の実際
発展編
(7)無麻酔下の処置
キーワード 熱をコントロールする
確認 レーザーの無痛的処置の実際
今日の練習 エアーの効果を確かめる
症例 ■メラニン色素除去症例
こんなときどうする-それでも痛いときは
コラム ディフォーカス照射とパワー密度
(8)インプラントへの応用--周囲炎・歯肉形態修正への応用
キーワード インプラント体への誤照射は禁物
今日の練習 インプラント周囲組織を除去する
症例 ■上顎臼歯部アバットメント装着後の歯肉形態修正
■下顎臼歯部アバットメント印象前の歯肉形態修正
こんなときどうする-インプラント体への誤照射を防ぐために
(9)漂白
キーワード 重要なのはレーザーの色ではなく,熱である
症例 ■漂白(1)
■漂白(2)
こんなときどうする-術後の後戻りと知覚過敏への対応
(10)血管腫とKTPレーザー
キーワード 波長を使い分ける
確認 ■血管腫
■KTPレーザー
症例 ■血管腫への応用:血管腫の切除
■血管腫への応用:血管腫の蒸散
こんなときどうする-色素沈着や瘢痕形成を避けるために
コラム 白板症
■まとめ--生体作用は波長とパワー密度の組み合わせで決まる
IV レーザーを安全に,快適に,末永く使おう
(1)眼の保護
(2)レーザー治療の注意点
患者さんへの説明の要点
治療中・治療後の注意点
コラム 電磁波の影響--ペースメーカー使用者に対して
スタッフの教育および管理
(3)レーザーのメンテナンス
出力の確認
チップの管理
ファイバーの管理
レーザーの寿命
水の管理
その他
(4)レーザー機器購入時の注意点
選択基準
■目的-レーザーで何をしたいか?
■機種-波長を考える
■機能
■大きさ,デザイン
■メーカーの選択
■費用・値段
コラムレーザーと経営
V レーザーの基礎を学ぼう--低侵襲治療を行うために
(1)はじめに
(2)レーザー照射で発生する熱・応力をうまく利用する
1.治療で用いられる相互作用
(1)レーザー生体相互作用
1)レーザー光と生体組織は吸収係数によって関係づけられる
2)機械的相互作用は応力閉じ込めが成立する場合に主に起こる
3)熱的相互作用は熱拡散が成立する場合に主に起こる
(2)パワーフルエンス,相互作用時間によって生体相互作用が決定される
1)軟組織の場合
2)硬組織の場合
2.レーザーで相互作用を制御する
(1)レーザー波長
1)吸収係数
2)光侵入深さ
3)熱緩和時間
4)応力緩和時間
5)反射率
(2)パワーフルエンス(パルス幅)
(3)パルス構造(繰り返し周波数)
(3)まとめ
1)波長の選択
2)パルス幅の設定
3)繰り返し周波数の選定
索引
(1)レーザーの性質
(2)波長と歯科用レーザー
(3)レーザーと生体組織の相互作用
(4)歯科領域での応用
コラム 電気メスとレーザーの違い
II レーザーで遊んでみよう
(1)スイッチを入れる前に
レーザーに関する用語
発振様式
(2)さあスイッチを入れよう
レーザーで切ってみる--レバーの実験
■肉眼で違いを見る
■温度変化の違いを知る
■レーザーのなかの個性
レーザーで固めてみる--卵白の実験
■卵白を蒸散する
■炭酸ガスレーザーの熱の軌跡
■出力と照射時間を変化させる
■同一照射エネルギーでの蒸散量
■連続波とパルス波
■Er:YAGレーザー
■半導体レーザーおよびNd:YAGレーザー
■卵白実験のまとめ
レーザーを照射してみる--歯の実験
■象牙質・エナメル質の光透過性
■象牙質・エナメル質の表面構造変化
■歯の実験のまとめ
コラム Nd:YAGレーザーの透過性――第二象牙質の形成
III 臨床に使ってみよう
■はじめに
■歯科用レーザー
基本編
(1)口腔内小手術への応用
1.歯肉切除(難易度A)
キーワード 波長でレーザーの「性格」を知る
確認 レーザーで軟組織が切れる理由
今日の練習 レバーを切ってみよう
症例 ■萌出困難歯の開窓
■レーザー別使用上の注意点
こんなときどうする-誤照射してしまったら
2.エプーリス切除(難易度A)
キーワード 最短コースで最大の結果を
確認 エプーリスとは
今日の練習 タコの吸盤を除去する
症例 ■口蓋側歯間乳頭のエプーリス
こんなときどうする-腫瘤除去のコツ
3.小帯切除(難易度B)
キーワード 周囲組織の変性は最小限に
確認 小帯切除の適用時期
レーザーごとの熱作用パターン
今日の練習 鶏の手羽先を使って
症例 ■上唇小帯切除
■舌小帯切除
■頬小帯切除
こんなときどうする-小帯切除の注意点
4.粘液嚢胞摘出(難易度C)
キーワード 嚢胞は掘り起こす
確認 粘液嚢胞とは
今日の練習 レバーボールをつくる
症例 ■粘液嚢胞摘出例
こんなときどうする-いろいろなレーザーでの対応
(2)歯周病への応用
1.歯肉の形態修正(難易度A)
キーワード レーザーカービング
今日の練習 豚足に凹凸をつくる
症例 ■矯正終了後の歯肉整形
■薬物の副作用による歯肉増殖症
■補綴前処置としての歯肉形態修正
こんなときどうする-歯への誤照射を防ぐには
コラム 生体刺激
2.歯肉の色素除去(難易度B)
キーワード パルスとエアーを利用する
確認 レーザーと蒸散深さの関係
今日の練習 イカの色素を除去する
症例 ■Er:YAGレーザーを使用したメラニン色素除去
■Er:YAGレーザーと炭酸ガスレーザーを併用したメラニン色素除去
こんなときどうする-後戻りへの対応
3.歯石除去(難易度A)
キーワード 歯石の肩をたたく
今日の練習 歯石は削らずに剥がす
症例 ■Er:YAGレーザーによる歯石の除去
こんなときどうする-大量の歯石があるときは
4.歯周ポケット内照射(難易度B/C)
キーワード ポケット内環境を改善する
確認 ポケット内におけるレーザーの効用と波長特性
今日の練習 卵白でシミュレーションする
症例 ■ポケット内殺菌&洗浄例
■ポケット内洗浄&掻爬例
■ポケット内凝固&掻爬例
こんなときどうする-無麻酔下の処置
コラム レーザーの殺菌作用
(3)痛みの処置への応用
1.口内炎(難易度A/B)
キーワード レーザーの非侵襲的照射
確認 疼痛緩和とレーザー
今日の練習 レーザーを感じてみる
症例 ■組織表面吸収型レーザーの利用
■組織透過型レーザーの利用
こんなときどうする-患者が痛がったら
2.知覚過敏(難易度B/C)
キーワード 刺激を遮断する
確認 レーザーが知覚過敏に効く理由
今日の練習 レーザーで卵白を凝固・変性させる
症例 ■組織表面吸収型レーザーの応用
■いろいろな照射例
こんなときどうする-痛みが強い症例
-周囲歯肉への誤照射
3.その他の疼痛緩和(難易度B)
キーワード LLLT(低レベルレーザー治療)
確認 疼痛緩和のメカニズム
LLLTと温度変化
今日の練習 経穴にレーザーを照射する
症例 ■組織透過型レーザーの低出力照射による疼痛緩和
■組織表面吸収型レーザーの疼痛緩和への応用
■矯正治療中の疼痛への応用
こんなときどうする-効果を確実にするためには
コラム HLLTとLLLT
(4)歯髄処置への応用
1.抜髄・感染根管治療(難易度B)
キーワード 歯髄は軟組織の一部である
確認 レーザー使用の目的と考え方
今日の練習 抜去歯で熱の伝わり方を知る
症例 ■外傷後の根管処置
■歯根破折時の根管処置
こんなときどうする-滲出液を止めるには
2.覆髄法・断髄法(難易度B/C)
キーワード レーザーで歯髄を回復させる
確認 歯髄温存の考え方とレーザーの役割
レーザー照射後の根管内の温度変化とその影響
今日の練習 卵白に薄膜をつくる
症例 ■低出力レーザーの断髄への応用
■組織透過型レーザーの断髄への応用
こんなときどうする-消失する水酸化カルシウム
■組織表面吸収型レーザーの断髄への応用
■低出力レーザーの覆髄への応用
こんなときどうする-幼若永久歯の露髄
■組織表面吸収型レーザーの覆髄への応用
こんなときどうする-外傷により露髄したら
コラム 露出歯髄に対するレーザー照射の考え方
(5)硬組織への応用
1.レーザーによる齲蝕予防(難易度A/B)
キーワード エナメル質の強化
確認 歯質強化のメカニズム
今日の練習 抜去歯で表面変化を見る
症例 ■歯質強化および歯肉弁切除
■シーラントの前処置としての応用
こんなときどうする-ピンポイント殺菌効果
2.歯の切削(難易度B)
キーワード タービンとは異なるレーザー切削
確認 Er:YAGレーザーと水
切削にかかわる要因
今日の練習 抜去歯を切削する
症例 ■歯頸部V級窩洞
■咬合面I級窩洞
■乳歯の切削
こんなときどうする-レジン修復の際の歯面処理について
コラム 患者さんの笑顔
3.骨・歯根の切除(難易度C)
キーワード 硬組織に強いEr:YAGレーザー
確認 レーザーと骨組織
歯根端切除術
今日の練習 鶏の骨に窓を開ける
症例 ■歯根端切除術への応用
こんなときどうする-歯根切断前後の処理
コラム レーザーと海外支援活動
(6)その他の応用
1.抜歯後の止血(難易度A)
キーワード 血液成分を凝固する
確認 止血のメカニズム
症例 ■抜歯(歯根分割)後の止血
■抜歯(歯周病)後の止血
■乳歯の抜歯後の止血
こんなときどうする-透過光による誤照射
2.診断(難易度A)
キーワード レーザーで齲蝕を見つける
確認 レーザーによる齲蝕診査の実際
発展編
(7)無麻酔下の処置
キーワード 熱をコントロールする
確認 レーザーの無痛的処置の実際
今日の練習 エアーの効果を確かめる
症例 ■メラニン色素除去症例
こんなときどうする-それでも痛いときは
コラム ディフォーカス照射とパワー密度
(8)インプラントへの応用--周囲炎・歯肉形態修正への応用
キーワード インプラント体への誤照射は禁物
今日の練習 インプラント周囲組織を除去する
症例 ■上顎臼歯部アバットメント装着後の歯肉形態修正
■下顎臼歯部アバットメント印象前の歯肉形態修正
こんなときどうする-インプラント体への誤照射を防ぐために
(9)漂白
キーワード 重要なのはレーザーの色ではなく,熱である
症例 ■漂白(1)
■漂白(2)
こんなときどうする-術後の後戻りと知覚過敏への対応
(10)血管腫とKTPレーザー
キーワード 波長を使い分ける
確認 ■血管腫
■KTPレーザー
症例 ■血管腫への応用:血管腫の切除
■血管腫への応用:血管腫の蒸散
こんなときどうする-色素沈着や瘢痕形成を避けるために
コラム 白板症
■まとめ--生体作用は波長とパワー密度の組み合わせで決まる
IV レーザーを安全に,快適に,末永く使おう
(1)眼の保護
(2)レーザー治療の注意点
患者さんへの説明の要点
治療中・治療後の注意点
コラム 電磁波の影響--ペースメーカー使用者に対して
スタッフの教育および管理
(3)レーザーのメンテナンス
出力の確認
チップの管理
ファイバーの管理
レーザーの寿命
水の管理
その他
(4)レーザー機器購入時の注意点
選択基準
■目的-レーザーで何をしたいか?
■機種-波長を考える
■機能
■大きさ,デザイン
■メーカーの選択
■費用・値段
コラムレーザーと経営
V レーザーの基礎を学ぼう--低侵襲治療を行うために
(1)はじめに
(2)レーザー照射で発生する熱・応力をうまく利用する
1.治療で用いられる相互作用
(1)レーザー生体相互作用
1)レーザー光と生体組織は吸収係数によって関係づけられる
2)機械的相互作用は応力閉じ込めが成立する場合に主に起こる
3)熱的相互作用は熱拡散が成立する場合に主に起こる
(2)パワーフルエンス,相互作用時間によって生体相互作用が決定される
1)軟組織の場合
2)硬組織の場合
2.レーザーで相互作用を制御する
(1)レーザー波長
1)吸収係数
2)光侵入深さ
3)熱緩和時間
4)応力緩和時間
5)反射率
(2)パワーフルエンス(パルス幅)
(3)パルス構造(繰り返し周波数)
(3)まとめ
1)波長の選択
2)パルス幅の設定
3)繰り返し周波数の選定
索引