はじめに
技工学校を卒業後まだ2〜3年の若い歯科技工士の諸君を対象に,1990年に『1週間でマスターするキャストパーシャル』上,下巻を出版したが,あれからもはや10年が経過した.
あの,かつての時代に筆者は,個人の努力によって達成できるゆとりある技工,誇りある歯科技工のために,キャストパーシャルを一つの可能性として呈示した.そして「キャストパーシャルは少しもむずかしくない」ということを一連の製作システムを確立することで提案してみた.
その後,今日まで多くの歯科技工士がキャストパーシャルにトライし,学校教育の現場においても大いに注目されるようになったことは大変喜ばしいことであった.かつてはマイナーな存在であったキャストパーシャルが,今日ではトレンディーな存在となっている.当分はキャストパーシャルは自分には関係がないと思っていた人までも,キャストパーシャルに大いに関心を寄せて下さったことは,とっても力強く感じられたことでもあった.
また,経済的意味でのキャストパーシャルは,歯科医院とラボのこれからの収益部門であるという当時の提案も,人口動態の分析を通して予測したのである(筆者は,10年前に2001年における65歳以上の人口を2202万人と推定していた).その後,歯科医院の収益性を高める役割を大いに果たしてきた.そして同時に高齢化社会から高齢社会へ,そして超高齢社会*へと加速度的に進むことは,キャストパーシャルにとって,さらに追い風となってゆくことはいうまでもない.
私たち歯科医療人は,いつもその時代で停滞していてはいけないと考える.そこで,この10年間,新世紀へ向けて,新たなる課題へ向けて検討を重ね,実践してきた.それは,今日国民の3割がアレルギーに悩んでいる**ことを見るならば,そのあらたな“国民病“の撲滅をめざして,生体に“やさしい”キャストパーシャル,すなわち「Bio-Cast Partial(バイオ・キャストパーシャル)」への道を提案することである.このことこそが新世紀への橋わたしと考えている.
これからの,多くのヤングオールドたち(65〜75歳)は,金属アレルギーをたずさえた補綴患者さんなのだ.そのためにも従来のキャストパーシャルからステップアップすべきと考え,本書の発刊を企図した.
新世紀のキャストパーシャルは,単にメカニカルな面のみではなく,Bio(生物的,生命・生体の),Biological(生物学的)歯科技工学として,欠損補綴を考えなければならない.そこで本書では,技術書は実際に役に立ってこそ価値(バリュー)があるという観点に立脚し,Gold-platinum alloyによる一連のシステムを,総合的にT.K.M.(Tetsu Kawashima Method)として開発,提案した.
君たちはきっと思っていた,あるいは思い込んでいたことだろう.Gold-platinumを用いた一連の製作システムは,すでに確立していたと.残念ながら,不幸にもこれらをシステムとして解説した技術書(成書)は一冊もないのである.
Gold自体は今から6,000年以上の歴史を有する金属である.また,Goldの溶解・治金技術は紀元前4,000年にブルガリア黒海沿岸のVarna地方で発明されたといわれている***.ここで序文が本文のように増長になっているが少し“ガマン”して貴金属の歴史について聞いてもらいたい.
アメリカンムービーの西部劇(ウェスタン)でよく登場する,カリフォルニアのゴールドラッシュは,1848年ひとりの大工がAmerican川とSacramento川の合流点近くの製粉所の放水路で,金の粉を発見したのが始まりといわれる.この噂を聞き,Goldを求めて多くの人たちが一攫千金をねらって集まってきた.採金者たちは最初はSacramento川で採取していたが,やがてSierra Nevada山脈の金鉱脈が発見され,1853年には93トンの金が生産されることになった***.
カナダのゴールドラッシュは,1896年に2人の探鉱家がカナダ北部のYukon川の支流で金を発見したのが発端という.噂を聞いた人々は続々とこの川に集まってきたが,その道中もまた現地のDawsonの生活も悲惨なものであった.しかし1900年までの3年間でこの地で産出されたGoldは75トンとなった.Dawsonのゴールドラッシュはこの年で終わるが,この地の産金操業は1966年まで続いた***(余談になるが,今は観光地になっているので君たちもためしに行ってみるとよい).
Platinum(白金)の発見は金や銀よりもはるかに遅く,Platinumが人類と関わりをもつようになったのは紀元前720年といわれている***.当初はこの物質に価値を見いだすことができず,Gold採取が目的のため,Platinumは取り除くのに苦労するただのじゃま物であった.ここで君たちに白金族について知ってもらいたい.白金属金属には,白金,パラジウム,ルテニウム,ロジウム,イリジウム,オスミウムなどの金属元素がある.Platinumは,独特な生物的・化学的・物理的性質をもつため,近年とくに研究者の注目を集めている.
貴金属の歴史を少しひもといたが,こんなに長い歴史をもってしてもGold-Platinum alloyの鋳造に関する専門書はほとんどなく,キャストパーシャルの分野でも事情は同じである.これは歯科技工学そのものの基盤の脆弱さにも起因していると考えられる.
いずれにしても,T.K.M.を君たち自身がスタディーすることで,ブレークスルー(突破),あるいはテイクオフ(離陸)してもらいたい.そのゴールドカードを君たちは手にしたのである.
あとは実践あるのみである.生体に対して,毒性のない,加工性・鋳造性にすぐれ,耐腐食性が良い,イオン化による溶出がほとんどない,Bio(バイオ)メタルをたずさえて,補綴臨床に取り組もう.患者さんに“やさしい”,ゆとりある歯科ライフを提供すべく誠実に取り組もう.そして,人類6000年の夢をともに実現しよう.
なお,最後になってしまったが,本書の構成・執筆にあたって全面的なご助力をいただいた医歯薬出版第3出版部の担当編集者に心より感謝申し上げる.また,本書で紹介した各機材のメーカー,商社の方に,使用貴金属の分析に協力して下さったメーカーの方々,そして,筆者を日夜支えてくれたユニデント社員の諸氏の御協力に感謝申し上げる.
2000年4月25日 川島 哲
* 国連では,65歳以上の老齢人口が7%を超えた国を「高齢化の国」とよび,14%を超えた国を「高齢の国」とよんでいる.わが国は,1995年に14%を超え,高齢の国になった.また,2015年には,老齢人口は25%に達し,「超高齢の国」になることが予測されている.
** 読売新聞夕刊,2000年4月12日号,「アレルギー研究ネット-アトピー,花粉症…新たな“国民病”」
*** 鈴木平,目黒謙次郎監修編:貴金属の科学-基礎編.田中貴金属工業株式会社 創立100周年記念出版,1985,1〜9.
技工学校を卒業後まだ2〜3年の若い歯科技工士の諸君を対象に,1990年に『1週間でマスターするキャストパーシャル』上,下巻を出版したが,あれからもはや10年が経過した.
あの,かつての時代に筆者は,個人の努力によって達成できるゆとりある技工,誇りある歯科技工のために,キャストパーシャルを一つの可能性として呈示した.そして「キャストパーシャルは少しもむずかしくない」ということを一連の製作システムを確立することで提案してみた.
その後,今日まで多くの歯科技工士がキャストパーシャルにトライし,学校教育の現場においても大いに注目されるようになったことは大変喜ばしいことであった.かつてはマイナーな存在であったキャストパーシャルが,今日ではトレンディーな存在となっている.当分はキャストパーシャルは自分には関係がないと思っていた人までも,キャストパーシャルに大いに関心を寄せて下さったことは,とっても力強く感じられたことでもあった.
また,経済的意味でのキャストパーシャルは,歯科医院とラボのこれからの収益部門であるという当時の提案も,人口動態の分析を通して予測したのである(筆者は,10年前に2001年における65歳以上の人口を2202万人と推定していた).その後,歯科医院の収益性を高める役割を大いに果たしてきた.そして同時に高齢化社会から高齢社会へ,そして超高齢社会*へと加速度的に進むことは,キャストパーシャルにとって,さらに追い風となってゆくことはいうまでもない.
私たち歯科医療人は,いつもその時代で停滞していてはいけないと考える.そこで,この10年間,新世紀へ向けて,新たなる課題へ向けて検討を重ね,実践してきた.それは,今日国民の3割がアレルギーに悩んでいる**ことを見るならば,そのあらたな“国民病“の撲滅をめざして,生体に“やさしい”キャストパーシャル,すなわち「Bio-Cast Partial(バイオ・キャストパーシャル)」への道を提案することである.このことこそが新世紀への橋わたしと考えている.
これからの,多くのヤングオールドたち(65〜75歳)は,金属アレルギーをたずさえた補綴患者さんなのだ.そのためにも従来のキャストパーシャルからステップアップすべきと考え,本書の発刊を企図した.
新世紀のキャストパーシャルは,単にメカニカルな面のみではなく,Bio(生物的,生命・生体の),Biological(生物学的)歯科技工学として,欠損補綴を考えなければならない.そこで本書では,技術書は実際に役に立ってこそ価値(バリュー)があるという観点に立脚し,Gold-platinum alloyによる一連のシステムを,総合的にT.K.M.(Tetsu Kawashima Method)として開発,提案した.
君たちはきっと思っていた,あるいは思い込んでいたことだろう.Gold-platinumを用いた一連の製作システムは,すでに確立していたと.残念ながら,不幸にもこれらをシステムとして解説した技術書(成書)は一冊もないのである.
Gold自体は今から6,000年以上の歴史を有する金属である.また,Goldの溶解・治金技術は紀元前4,000年にブルガリア黒海沿岸のVarna地方で発明されたといわれている***.ここで序文が本文のように増長になっているが少し“ガマン”して貴金属の歴史について聞いてもらいたい.
アメリカンムービーの西部劇(ウェスタン)でよく登場する,カリフォルニアのゴールドラッシュは,1848年ひとりの大工がAmerican川とSacramento川の合流点近くの製粉所の放水路で,金の粉を発見したのが始まりといわれる.この噂を聞き,Goldを求めて多くの人たちが一攫千金をねらって集まってきた.採金者たちは最初はSacramento川で採取していたが,やがてSierra Nevada山脈の金鉱脈が発見され,1853年には93トンの金が生産されることになった***.
カナダのゴールドラッシュは,1896年に2人の探鉱家がカナダ北部のYukon川の支流で金を発見したのが発端という.噂を聞いた人々は続々とこの川に集まってきたが,その道中もまた現地のDawsonの生活も悲惨なものであった.しかし1900年までの3年間でこの地で産出されたGoldは75トンとなった.Dawsonのゴールドラッシュはこの年で終わるが,この地の産金操業は1966年まで続いた***(余談になるが,今は観光地になっているので君たちもためしに行ってみるとよい).
Platinum(白金)の発見は金や銀よりもはるかに遅く,Platinumが人類と関わりをもつようになったのは紀元前720年といわれている***.当初はこの物質に価値を見いだすことができず,Gold採取が目的のため,Platinumは取り除くのに苦労するただのじゃま物であった.ここで君たちに白金族について知ってもらいたい.白金属金属には,白金,パラジウム,ルテニウム,ロジウム,イリジウム,オスミウムなどの金属元素がある.Platinumは,独特な生物的・化学的・物理的性質をもつため,近年とくに研究者の注目を集めている.
貴金属の歴史を少しひもといたが,こんなに長い歴史をもってしてもGold-Platinum alloyの鋳造に関する専門書はほとんどなく,キャストパーシャルの分野でも事情は同じである.これは歯科技工学そのものの基盤の脆弱さにも起因していると考えられる.
いずれにしても,T.K.M.を君たち自身がスタディーすることで,ブレークスルー(突破),あるいはテイクオフ(離陸)してもらいたい.そのゴールドカードを君たちは手にしたのである.
あとは実践あるのみである.生体に対して,毒性のない,加工性・鋳造性にすぐれ,耐腐食性が良い,イオン化による溶出がほとんどない,Bio(バイオ)メタルをたずさえて,補綴臨床に取り組もう.患者さんに“やさしい”,ゆとりある歯科ライフを提供すべく誠実に取り組もう.そして,人類6000年の夢をともに実現しよう.
なお,最後になってしまったが,本書の構成・執筆にあたって全面的なご助力をいただいた医歯薬出版第3出版部の担当編集者に心より感謝申し上げる.また,本書で紹介した各機材のメーカー,商社の方に,使用貴金属の分析に協力して下さったメーカーの方々,そして,筆者を日夜支えてくれたユニデント社員の諸氏の御協力に感謝申し上げる.
2000年4月25日 川島 哲
* 国連では,65歳以上の老齢人口が7%を超えた国を「高齢化の国」とよび,14%を超えた国を「高齢の国」とよんでいる.わが国は,1995年に14%を超え,高齢の国になった.また,2015年には,老齢人口は25%に達し,「超高齢の国」になることが予測されている.
** 読売新聞夕刊,2000年4月12日号,「アレルギー研究ネット-アトピー,花粉症…新たな“国民病”」
*** 鈴木平,目黒謙次郎監修編:貴金属の科学-基礎編.田中貴金属工業株式会社 創立100周年記念出版,1985,1〜9.
1章 Gold-platinum alloyの性質をマスターしよう…1
患者さんに喜んでいただけるキャストパーシャルを作ろう…2
Gold-platinum alloyの魅力を再発見しよう…2
Gold-platinum alloyは,今まで世界的にもなぜ普及しなかったのか?…3
Gold-platinum alloyをもっとよく知ろう…4
Gold-platinum alloyの性質を思い出そう…4
自分の鋳造能力をチェックしよう…5
本章のまとめ…8
患者さんにとってGold-platinum alloyこそベストパートナー…8
2章 超適合性を引き出すヒートトリートメント(T.K.M.熱処理) をマスターしよう…9
熱処理の用語を整理しておこう…10
まず,軟化熱処理と硬化熱処理の違いを知ろう…10
軟化熱処理後,硬化熱処理をすると合金はどうなるのだろう…14
熱処理の効果をほかの金属でも比較すると…16
T.K.M.熱処理で“超”適合精度を得よう.同時に,金属の性質を最大限引き出そう…18
T.K.M.熱処理をマスターしよう…19
〔コラム〕T.K.M.熱処理に“らくらく”助っ人誕生…25
本章のまとめ…28
T.K.M.熱処理をマスターできたか…28
3章 基本設計をマスターしよう…29
基本設計についてもう一度その定義を確認しよう…30
基本設計の「肩代わり」を依頼されたら…32
キャストパーシャルデンチャーの基本設計は「レスト」で決まる…34
基本設計に沿ったレストレーションの実際…36
模範的なレストのケースプレゼンテーション…40
間違いだらけのレストレーション…43
レストの設定をレッスンしてみよう…44
基本設計の手順をレッスンしてみよう…47
基本設計にアタッチメントを用いるのはどういう場合か…49
クラスプを用いてもこうすれば審美的にできるGold-Platinumワイヤーを用いて…52
基本設計にテレスコープを用いるのはどういう場合か…55
基本設計の番外編…56
インプレッションの不良個所は再インプレッションにトライ…56
マスターモデルの製作はだれが行うのか…58
マスターモデルに必ず行う重要な処理を知ろう…60
4章 構造設計をマスターしよう…61
構造設計図の実際にふれてみよう…62
補綴「構造設計」への理解を求めて:その“真髄”にせまる…63
「阪神淡路大震災」と「建築構造物」からの教訓…65
構造設計の定義…69
構造設計の基本をマスターしよう…70
2の3乗の世界を思い出そう…70
強い構造システムを理解しよう…70
構造設計のちょっとした工夫をマスターしよう…72
既製wax patternを用いた場合のちょっとした構造的工夫…72
コネクターの補強構造のちょっとした例…73
コーヌス外冠の補強構造…74
構造システムの分類をマスターしよう…75
幾何学的要素…75
応力伝達機構…76
応力…76
ひずみ…77
応力-ひずみ曲線…77
構造設計をレッスンしよう…79
ラピッドフレックスシステムによるクラスプの数値化をレッスンしてみよう…82
Gold-platinum alloyを用いた場合のキャストクラスプのアンダーカット量の基準を覚えておこう…85
Iバークラスプ,ローチクラスプ…85
スタンダードクラスプ(エーカースクラスプ)…85
ハーフ&ハーフクラスプ…85
リングクラスプ,バックアクションクラスプ…85
スタンダードクラスプ(エーカースクラスプ) は先端寄り1/3をアンダーカットに入れよう…86
スタンダードクラスプはなぜ先端寄り1/3をアンダーカットに入れるのか…86
クラスプアームの長さ(鉤腕長) 1/3理論をもっとよく知ろう…87
T.K.M.熱処理の番外応用法…88
5章 数値化したキャストクラスプの製作法をマスターしよう…89
数値化にはまず正確なサベヤーから…90
サベヤーの使用目的…90
精密計測のらくらくサベヤーを用いよう…91
数値化したキャストスクラプの製作法…92
クラスプアームの長さのらくらく測定法…92
簡便Au-Pt表とは何か…92
クラスプの研磨目減り分をwax pattern段階でどう見込むか…92
簡便Au-Pt表をどう用いるか…94
6章 シリコーン複印象法をマスターしよう…97
複印象用フラスコの選択と使い方をマスターしよう…98
ビギナーにも使いやすいBEGO社の複印象用フラスコ…100
アドバンス用にはHeraeus Flaskシステムを使いこなそう…110
Heraeus Flaskシステムの使用法と注意事項…111
Heraeus Flaskシステムの弱点とその克服法…114
さらに上級者は,ケースによってスタビライザーの有無を使い分けよう…118
シリコーン複印象法:すぐに役立つナイスヒント…120
耐火模型材には何を選ぶか…121
7章 合理的なスプルーイングとキャスティングテクニックをマスターしよう…127
君たちはほとんど酸化膜のないGold色でキャストできるか…128
キャストタイミングをつかむには,インゴットづくりから始めよう…130
あらかじめインゴットをつくっておく理由…130
必要量のインゴットをつくってみよう…131
インゴットにする理由の理工学的裏づけ…133
クルーシブルフォーマーの設定法…135
スプルーイングをマスターしよう…140
外埋没材には何を用いるか…144
加熱スケジュールのプロテクニックをマスターしよう…146
キャスティングのプロテクニックをマスターしよう…147
割り出しのプロテクニックにふれてみよう…150
T.K.M.マジックカップ法で鋳造体を完成させよう…152
8章 全製作ステップの復習をしよう…155
Optivestを用いた場合の製作ステップ…156
Deguvest Fを用いた場合の製作ステップ:上顎の場合…178
Deguvest Fを用いた場合の製作ステップ:下顎の場合…186
9章 臨床例にみるGold-platinumの魅力…193
Case1 Cherilyn G.Sheets,D.D.S.の臨床…194
Case2 Jacinthe M.Paquette,D.D.S.の臨床 その…1196
Case3 Jacinthe M.Paquette,D.D.S.の臨床 その…2200
Case4 Jacinthe M.Paquette,D.D.S.の臨床 その…3204
10章 新開発金合金-ニューバイオメタルに期待する…213
ニューバイオメタルの登場とその臨床応用…214
国産初の金チタン合金の臨床評価…220
付章 器材の選択基準・器材一覧・メーカー一覧…223
器材の選択基準…224
器材一覧・メーカー一覧…236
文献…240
索引…242
患者さんに喜んでいただけるキャストパーシャルを作ろう…2
Gold-platinum alloyの魅力を再発見しよう…2
Gold-platinum alloyは,今まで世界的にもなぜ普及しなかったのか?…3
Gold-platinum alloyをもっとよく知ろう…4
Gold-platinum alloyの性質を思い出そう…4
自分の鋳造能力をチェックしよう…5
本章のまとめ…8
患者さんにとってGold-platinum alloyこそベストパートナー…8
2章 超適合性を引き出すヒートトリートメント(T.K.M.熱処理) をマスターしよう…9
熱処理の用語を整理しておこう…10
まず,軟化熱処理と硬化熱処理の違いを知ろう…10
軟化熱処理後,硬化熱処理をすると合金はどうなるのだろう…14
熱処理の効果をほかの金属でも比較すると…16
T.K.M.熱処理で“超”適合精度を得よう.同時に,金属の性質を最大限引き出そう…18
T.K.M.熱処理をマスターしよう…19
〔コラム〕T.K.M.熱処理に“らくらく”助っ人誕生…25
本章のまとめ…28
T.K.M.熱処理をマスターできたか…28
3章 基本設計をマスターしよう…29
基本設計についてもう一度その定義を確認しよう…30
基本設計の「肩代わり」を依頼されたら…32
キャストパーシャルデンチャーの基本設計は「レスト」で決まる…34
基本設計に沿ったレストレーションの実際…36
模範的なレストのケースプレゼンテーション…40
間違いだらけのレストレーション…43
レストの設定をレッスンしてみよう…44
基本設計の手順をレッスンしてみよう…47
基本設計にアタッチメントを用いるのはどういう場合か…49
クラスプを用いてもこうすれば審美的にできるGold-Platinumワイヤーを用いて…52
基本設計にテレスコープを用いるのはどういう場合か…55
基本設計の番外編…56
インプレッションの不良個所は再インプレッションにトライ…56
マスターモデルの製作はだれが行うのか…58
マスターモデルに必ず行う重要な処理を知ろう…60
4章 構造設計をマスターしよう…61
構造設計図の実際にふれてみよう…62
補綴「構造設計」への理解を求めて:その“真髄”にせまる…63
「阪神淡路大震災」と「建築構造物」からの教訓…65
構造設計の定義…69
構造設計の基本をマスターしよう…70
2の3乗の世界を思い出そう…70
強い構造システムを理解しよう…70
構造設計のちょっとした工夫をマスターしよう…72
既製wax patternを用いた場合のちょっとした構造的工夫…72
コネクターの補強構造のちょっとした例…73
コーヌス外冠の補強構造…74
構造システムの分類をマスターしよう…75
幾何学的要素…75
応力伝達機構…76
応力…76
ひずみ…77
応力-ひずみ曲線…77
構造設計をレッスンしよう…79
ラピッドフレックスシステムによるクラスプの数値化をレッスンしてみよう…82
Gold-platinum alloyを用いた場合のキャストクラスプのアンダーカット量の基準を覚えておこう…85
Iバークラスプ,ローチクラスプ…85
スタンダードクラスプ(エーカースクラスプ)…85
ハーフ&ハーフクラスプ…85
リングクラスプ,バックアクションクラスプ…85
スタンダードクラスプ(エーカースクラスプ) は先端寄り1/3をアンダーカットに入れよう…86
スタンダードクラスプはなぜ先端寄り1/3をアンダーカットに入れるのか…86
クラスプアームの長さ(鉤腕長) 1/3理論をもっとよく知ろう…87
T.K.M.熱処理の番外応用法…88
5章 数値化したキャストクラスプの製作法をマスターしよう…89
数値化にはまず正確なサベヤーから…90
サベヤーの使用目的…90
精密計測のらくらくサベヤーを用いよう…91
数値化したキャストスクラプの製作法…92
クラスプアームの長さのらくらく測定法…92
簡便Au-Pt表とは何か…92
クラスプの研磨目減り分をwax pattern段階でどう見込むか…92
簡便Au-Pt表をどう用いるか…94
6章 シリコーン複印象法をマスターしよう…97
複印象用フラスコの選択と使い方をマスターしよう…98
ビギナーにも使いやすいBEGO社の複印象用フラスコ…100
アドバンス用にはHeraeus Flaskシステムを使いこなそう…110
Heraeus Flaskシステムの使用法と注意事項…111
Heraeus Flaskシステムの弱点とその克服法…114
さらに上級者は,ケースによってスタビライザーの有無を使い分けよう…118
シリコーン複印象法:すぐに役立つナイスヒント…120
耐火模型材には何を選ぶか…121
7章 合理的なスプルーイングとキャスティングテクニックをマスターしよう…127
君たちはほとんど酸化膜のないGold色でキャストできるか…128
キャストタイミングをつかむには,インゴットづくりから始めよう…130
あらかじめインゴットをつくっておく理由…130
必要量のインゴットをつくってみよう…131
インゴットにする理由の理工学的裏づけ…133
クルーシブルフォーマーの設定法…135
スプルーイングをマスターしよう…140
外埋没材には何を用いるか…144
加熱スケジュールのプロテクニックをマスターしよう…146
キャスティングのプロテクニックをマスターしよう…147
割り出しのプロテクニックにふれてみよう…150
T.K.M.マジックカップ法で鋳造体を完成させよう…152
8章 全製作ステップの復習をしよう…155
Optivestを用いた場合の製作ステップ…156
Deguvest Fを用いた場合の製作ステップ:上顎の場合…178
Deguvest Fを用いた場合の製作ステップ:下顎の場合…186
9章 臨床例にみるGold-platinumの魅力…193
Case1 Cherilyn G.Sheets,D.D.S.の臨床…194
Case2 Jacinthe M.Paquette,D.D.S.の臨床 その…1196
Case3 Jacinthe M.Paquette,D.D.S.の臨床 その…2200
Case4 Jacinthe M.Paquette,D.D.S.の臨床 その…3204
10章 新開発金合金-ニューバイオメタルに期待する…213
ニューバイオメタルの登場とその臨床応用…214
国産初の金チタン合金の臨床評価…220
付章 器材の選択基準・器材一覧・メーカー一覧…223
器材の選択基準…224
器材一覧・メーカー一覧…236
文献…240
索引…242