発刊の序
わが国の超高齢社会において,平均寿命の延伸に伴って健康寿命をいかに長くすることができるかが,歯科医療に課せられた大きなミッションです.一方,疾病構造の変化,患者からのニーズの高まり,歯科医療器材の開発などが急速に進展してきたなかで,歯科医療関係者はこれらの変化に適切に対応し,国民にとって安全,安心,信頼される歯科医療を提供していかなければなりません.このような社会的背景に応えるべく,優秀な歯科技工士の養成が求められています.歯科技工士教育は,歯科技工士学校養成所指定規則に基づき,各養成機関が独自性,特色を発揮して教育カリキュラムを構築していかなければなりません.長年の懸案事項であった歯科技工士国家試験の全国統一化が平成28 年2 月の試験から実施されました.国家試験が全国統一されたことで試験の実施時期,内容などが極めて公平,公正な試験となり,歯科技工士教育の「スタンダード化」ができたことは,今後の歯科技工士教育の向上のためにも大きな意味があると考えられます.
全国歯科技工士教育協議会は,平成26 年11 月に,歯科技工士教育モデル・コア・カリキュラムを作成しました.これは歯科技工士が歯科医療技術者として専門的知識,技術および態度をもってチーム医療に貢献できるよう,医療人としての豊かな人間形成とともに,これまでの伝統的な歯科技工技術を活かしながらも,新しく開発された材料,機器を有効に活用した歯科技工学を修得できるよう,すべての歯科技工士学校養成所の学生が身につけておくべき必須の実践能力の到達目標を定めたものです.また,全国統一化された国家試験の実施に伴って,平成24年に発刊された国家試験出題基準も近々に見直されることでしょう.さらに,これまで歯科技工士教育は「歯科技工士学校養成所指定規則第2 条」によって修業年限2 年以上,総時間数2,200 時間以上と定められていますが,実状は2,500時間程度の教育が実施されています.近年,歯科医療の発展に伴って歯科技工技術の革新,新しい材料の開発などが急速に行われ,さらに医療関係職種との連携を可能とした専門領域での技術習得を十分に培った資質の高い歯科技工士を適正に養成していくためには,教育内容の大綱化・単位制を実施しなければなりません.
歯科技工士教本は,これまで多くの先人のご尽力により,常に時代のニーズに即した教育内容を反映し,歯科技工士教育のバイブル的存在として活用されてまいりました.教本は,国家試験出題基準や歯科技工士教育モデル・コア・カリキュラムを包含し,さらに歯科技工士教育に必要と思われる内容についても掲載することによって,歯科技工士学校養成所の特色が発揮できるように構成されていますが,今回,国家試験の全国統一化や教育内容の大綱化・単位制への移行を強く意識し,改訂に努めました.特に大綱化を意識して教本の名称を一部変更しています.たとえば『歯の解剖学』を『口腔・顎顔面解剖学』,『歯科技工学概論』と『歯科技工士関係法規』を合本して『歯科技工管理学』と変更したように内容に準じて幅広い意味合いをもつタイトルとしていますが,国家試験出題基準などに影響はありません.また,各章の「到達目標」には歯科技工士教育モデル・コア・カリキュラムに記載しております「到達目標」をあてはめています.
今回の改訂にあたっては,編集委員および執筆者の先生方に,ご多忙のなか積極的にご協力いただきましたことに改めて感謝申し上げます.編集にあたりましては十分配慮したところですが,不備,不足もあろうかと思います.ご使用にあたりましてお気づきの点がございましたらご指摘いただき,皆様方の熱意によりましてさらに充実した教本になることを願っています.
本最新歯科技工士教本が,本教本をご使用になり学習される学生の方々にとって,歯科技工学の修得のためのみならず,学習意欲の向上に資することができれば幸甚です.
最新歯科技工士教本の製作にあたりましては,全国歯科技工士教育協議会の前会長である末瀬一彦先生が,編集委員長として企画段階から歯科技工士教育の向上のために,情熱をもって編集,執筆を行っていただきました.末瀬先生の多大なるご尽力に心より感謝申し上げます.
2017 年1 月
全国歯科技工士教育協議会
会長 尾ア順男
序
我が国では65 歳以上の高齢者が総人口に占める割合は昨年秋で27.3%とすでに4 人に1人を超え,100 歳以上の高齢者も6 万5 千人に達するという驚くべき超高齢社会となっています.8020 運動によって,比率としての8020 率は大幅に向上しているものの,総数においては有床義歯を必要とする高齢者は依然として多数存在しています.しかも,それらの高齢者においては,顎堤の吸収,不正な残存歯列,唾液の減少など難症例が多く,さらには何らかの全身疾患を有し,多数の薬剤を服用している場合がほとんどです.このような有床義歯を取り巻く現状を考えると,チーム医療の一員として活躍できる歯科技工士の育成が必要不可欠です.
そこで10 年ぶりの改訂にあたっては,まず歯科医師との連携の観点から,全国の歯科大学で現在使われている教科書を調べ,記述内容の相違の有無をチェックしました.特に用語については『歯科補綴学専門用語集 第4 版』に準じることとし,同義語として「使用が望ましくない用語」とされている用語は極力外しました.また,臨床の場を意識して,臨床写真を増やすとともに診療室と技工室での作業の関連をイメージしやすいよう配慮しました.特に前半の全部床義歯技工学の部分では半数以上の写真が入れ替わっています.新たにノンメタルクラスプデンチャーやジルコニアフレームなど新規技術についても一部加えました.
本書『有床義歯技工学』は,前回の改訂で『全部床義歯技工学』と『部分床義歯技工学』をあわせ,重複箇所を除いて1 冊にまとめられたという経緯があります.今回も全体の流れを重視しつつも,全部床義歯技工学と部分床義歯技工学それぞれに関わる部分で重複がないか,記載の齟齬がないかを再度見直しました.さらに,今回最新歯科技工士教本のシリーズすべての教本を改訂しているため,先行して出版された『歯科理工学』をはじめとする他の科目で教える内容との整合性や重複についても,できる限りチェックしました.それでも最新歯科技工士教本シリーズの中で最もページ数の多い教本です.限られた教育時間の中で歯科技工士として将来にも役立つ必要な知識は何かを常に念頭おき,内容の厳選に努めたつもりです.本教本を卒業後も知識の整理のために活用していただければと願っています.今後,本教本を利用される方々からご意見,ご指摘をいただければ,できる限り早期に修正,加筆し,充実をはかっていければと考えております.
最後に,短い原稿執筆期間にも関わらず,快く執筆をお引き受けいただいた先生方に厚く感謝を申しあげます.
2017 年1 月
鈴木哲也
わが国の超高齢社会において,平均寿命の延伸に伴って健康寿命をいかに長くすることができるかが,歯科医療に課せられた大きなミッションです.一方,疾病構造の変化,患者からのニーズの高まり,歯科医療器材の開発などが急速に進展してきたなかで,歯科医療関係者はこれらの変化に適切に対応し,国民にとって安全,安心,信頼される歯科医療を提供していかなければなりません.このような社会的背景に応えるべく,優秀な歯科技工士の養成が求められています.歯科技工士教育は,歯科技工士学校養成所指定規則に基づき,各養成機関が独自性,特色を発揮して教育カリキュラムを構築していかなければなりません.長年の懸案事項であった歯科技工士国家試験の全国統一化が平成28 年2 月の試験から実施されました.国家試験が全国統一されたことで試験の実施時期,内容などが極めて公平,公正な試験となり,歯科技工士教育の「スタンダード化」ができたことは,今後の歯科技工士教育の向上のためにも大きな意味があると考えられます.
全国歯科技工士教育協議会は,平成26 年11 月に,歯科技工士教育モデル・コア・カリキュラムを作成しました.これは歯科技工士が歯科医療技術者として専門的知識,技術および態度をもってチーム医療に貢献できるよう,医療人としての豊かな人間形成とともに,これまでの伝統的な歯科技工技術を活かしながらも,新しく開発された材料,機器を有効に活用した歯科技工学を修得できるよう,すべての歯科技工士学校養成所の学生が身につけておくべき必須の実践能力の到達目標を定めたものです.また,全国統一化された国家試験の実施に伴って,平成24年に発刊された国家試験出題基準も近々に見直されることでしょう.さらに,これまで歯科技工士教育は「歯科技工士学校養成所指定規則第2 条」によって修業年限2 年以上,総時間数2,200 時間以上と定められていますが,実状は2,500時間程度の教育が実施されています.近年,歯科医療の発展に伴って歯科技工技術の革新,新しい材料の開発などが急速に行われ,さらに医療関係職種との連携を可能とした専門領域での技術習得を十分に培った資質の高い歯科技工士を適正に養成していくためには,教育内容の大綱化・単位制を実施しなければなりません.
歯科技工士教本は,これまで多くの先人のご尽力により,常に時代のニーズに即した教育内容を反映し,歯科技工士教育のバイブル的存在として活用されてまいりました.教本は,国家試験出題基準や歯科技工士教育モデル・コア・カリキュラムを包含し,さらに歯科技工士教育に必要と思われる内容についても掲載することによって,歯科技工士学校養成所の特色が発揮できるように構成されていますが,今回,国家試験の全国統一化や教育内容の大綱化・単位制への移行を強く意識し,改訂に努めました.特に大綱化を意識して教本の名称を一部変更しています.たとえば『歯の解剖学』を『口腔・顎顔面解剖学』,『歯科技工学概論』と『歯科技工士関係法規』を合本して『歯科技工管理学』と変更したように内容に準じて幅広い意味合いをもつタイトルとしていますが,国家試験出題基準などに影響はありません.また,各章の「到達目標」には歯科技工士教育モデル・コア・カリキュラムに記載しております「到達目標」をあてはめています.
今回の改訂にあたっては,編集委員および執筆者の先生方に,ご多忙のなか積極的にご協力いただきましたことに改めて感謝申し上げます.編集にあたりましては十分配慮したところですが,不備,不足もあろうかと思います.ご使用にあたりましてお気づきの点がございましたらご指摘いただき,皆様方の熱意によりましてさらに充実した教本になることを願っています.
本最新歯科技工士教本が,本教本をご使用になり学習される学生の方々にとって,歯科技工学の修得のためのみならず,学習意欲の向上に資することができれば幸甚です.
最新歯科技工士教本の製作にあたりましては,全国歯科技工士教育協議会の前会長である末瀬一彦先生が,編集委員長として企画段階から歯科技工士教育の向上のために,情熱をもって編集,執筆を行っていただきました.末瀬先生の多大なるご尽力に心より感謝申し上げます.
2017 年1 月
全国歯科技工士教育協議会
会長 尾ア順男
序
我が国では65 歳以上の高齢者が総人口に占める割合は昨年秋で27.3%とすでに4 人に1人を超え,100 歳以上の高齢者も6 万5 千人に達するという驚くべき超高齢社会となっています.8020 運動によって,比率としての8020 率は大幅に向上しているものの,総数においては有床義歯を必要とする高齢者は依然として多数存在しています.しかも,それらの高齢者においては,顎堤の吸収,不正な残存歯列,唾液の減少など難症例が多く,さらには何らかの全身疾患を有し,多数の薬剤を服用している場合がほとんどです.このような有床義歯を取り巻く現状を考えると,チーム医療の一員として活躍できる歯科技工士の育成が必要不可欠です.
そこで10 年ぶりの改訂にあたっては,まず歯科医師との連携の観点から,全国の歯科大学で現在使われている教科書を調べ,記述内容の相違の有無をチェックしました.特に用語については『歯科補綴学専門用語集 第4 版』に準じることとし,同義語として「使用が望ましくない用語」とされている用語は極力外しました.また,臨床の場を意識して,臨床写真を増やすとともに診療室と技工室での作業の関連をイメージしやすいよう配慮しました.特に前半の全部床義歯技工学の部分では半数以上の写真が入れ替わっています.新たにノンメタルクラスプデンチャーやジルコニアフレームなど新規技術についても一部加えました.
本書『有床義歯技工学』は,前回の改訂で『全部床義歯技工学』と『部分床義歯技工学』をあわせ,重複箇所を除いて1 冊にまとめられたという経緯があります.今回も全体の流れを重視しつつも,全部床義歯技工学と部分床義歯技工学それぞれに関わる部分で重複がないか,記載の齟齬がないかを再度見直しました.さらに,今回最新歯科技工士教本のシリーズすべての教本を改訂しているため,先行して出版された『歯科理工学』をはじめとする他の科目で教える内容との整合性や重複についても,できる限りチェックしました.それでも最新歯科技工士教本シリーズの中で最もページ数の多い教本です.限られた教育時間の中で歯科技工士として将来にも役立つ必要な知識は何かを常に念頭おき,内容の厳選に努めたつもりです.本教本を卒業後も知識の整理のために活用していただければと願っています.今後,本教本を利用される方々からご意見,ご指摘をいただければ,できる限り早期に修正,加筆し,充実をはかっていければと考えております.
最後に,短い原稿執筆期間にも関わらず,快く執筆をお引き受けいただいた先生方に厚く感謝を申しあげます.
2017 年1 月
鈴木哲也
I 有床義歯技工学総論
1 有床義歯技工学概説(小正 裕,柿本和俊)
1 有床義歯とは
2 有床義歯技工学の意義と目的
3 有床義歯の種類
1)全部床義歯
2)部分床義歯
4 固定性補綴装置(ブリッジ)との相違
2 有床義歯技工に関連のある生体についての基礎知識(小正 裕,柿本和俊)
1 形態的基礎知識
1)顎関節
2)有床義歯に関連のある筋
3)抜歯創の治癒経過
4)歯列弓と顎堤弓
5)咬合彎曲とスピーの彎曲
6)ボンウィル三角
7)基準平面
2 機能的基礎知識
1)咬合力
2)咀嚼能率
3)発音
3 審美的基礎知識
1)顔貌と歯の形態
2)歯の色調
3)SPA要素
4 有床義歯技工に伴う生物学的事項
1)支台歯に加わる力とその影響
2)クラスプの装着による歯肉への影響
3)床縁による残存歯歯肉の変化
4)義歯床による顎堤の変化
II 全部床義歯技工学
3 全部床義歯の特性(小正 裕,柿本和俊)
1 全部床義歯の構成要素
1)人工歯
2)義歯床
2 全部床義歯の種類
1)使用目的による分類
3 全部床義歯の口腔内での維持,安定および支持
1)義歯の維持
2)義歯の安定
3)義歯の支持
4 全部床義歯の製作順序(鈴木哲也,安江 透)
1 歯科診療所と歯科技工所における作業の関連
1)個人トレーの製作
2)咬合床の製作
3)蝋義歯の製作(人工歯排列)
4)義歯の完成
5 全部床義歯の印象採得に伴う技工作業(鈴木哲也,安江 透)
1 無歯顎
1)上顎の解剖学的ランドマーク
2)下顎の解剖学的ランドマーク
3)無歯顎の対向関係
2 無歯顎の印象とトレー
1)無歯顎の印象の特徴
2)印象法の種類
3)概形印象と研究用模型の製作
4)個人トレー
3 精密印象と作業用模型
1)ボクシング
2)石膏の注入
3)作業用模型の仕上げ
6 全部床義歯の咬合採得に伴う技工作業(鈴木哲也,安江 透)
1 咬合床製作のための作業用模型の処理
1)床外形線の記入
2)基準線の記入
3)リリーフ
4)ポストダム(後堤法)
2 咬合床の製作
1)基礎床
2)咬合堤
3)歯科医師による咬合採得
3 全部床義歯に用いられる咬合器
1)平均値咬合器
2)半調節性咬合器
4 作業用模型の咬合器装着
1)咬合平面板
2)フェイスボウ
3)スプリットキャスト法
4)下顎作業用模型の装着
5 咬合器の調節
6 ゴシックアーチ描記装置の取り付け
7 全部床義歯の人工歯排列と歯肉形成(鈴木哲也,安江 透)
1 人工歯
1)人工歯の種類
2)前歯部人工歯の選択
3)臼歯部人工歯の選択
2 人工歯排列
1)前歯部人工歯の排列
2)臼歯部人工歯の排列
3 歯肉形成
1)唇側の歯肉形成
2)頬側の歯肉形成
3)舌側の歯肉形成
4)口蓋部の歯肉形成
5)床縁の形成
4 蝋義歯の試適
8 全部床義歯の埋没と重合(鈴木哲也,安江 透)
1 埋没の前準備
1)スプリットキャスト
2)テンチの歯型(テンチのコア)
2 埋没
1)加熱重合レジンの埋没
2)常温重合レジンの埋没
3 流蝋
4 義歯床用レジンの重合
1)加熱重合レジンの重合
2)常温重合レジンの重合
3)ポリスルフォン樹脂の成形
9 全部床義歯の咬合器への再装着,削合および研磨(小正 裕,柿本和俊)
1 咬合器再装着の方法と特徴
1)スプリットキャスト法
2)テンチの歯型法
3)フェイスボウトランスファー法
2 人工歯の削合
1)咬合小面
2)選択削合と自動削合
3)人工歯咬合面の形態修正と研磨
3 研磨
1)義歯の作業用模型からの分離
2)研磨の目的
3)研磨の要点
4)義歯の洗浄と完成後の保管
III 部分床義歯技工学
10 部分床義歯の特性(永井栄一,椎名芳江)
1 部分床義歯の構成要素
1)支台装置
2)連結子
3)義歯床
4)人工歯
2 残存歯,欠損の分布状態による分類
1)ケネディーの分類
3 咬合圧の支持様式による分類
1)歯根膜負担(歯根膜支持)
2)歯根膜粘膜負担(歯根膜粘膜支持)
3)粘膜負担(粘膜支持)
4 咬合圧支持域による分類
5 義歯の目的別による分類
1)最終義歯(本義歯)
2)暫間義歯(仮義歯)
11 部分床義歯の製作順序(永井栄一,椎名芳江)
1 歯科診療所と歯科技工所における作業の関連
12 部分床義歯の構成要素(永井栄一,椎名芳江)
1 支台装置
1)クラスプ(鉤)
2)レスト
3)アタッチメント
4)テレスコープ義歯
5)補助支台装置
2 連結子
1)連結子の必要条件
2)連結子の目的
3)連結子の利点と欠点
4)連結子の分類
3 義歯床
1)義歯床の役割
2)義歯床用材料
3)床外形線の決定
4)床縁の形態と位置
5)義歯床の厚さ
6)緩衝腔
4 人工歯
13 部分床義歯の印象採得に伴う技工作業(永井栄一,椎名芳江)
1 印象採得に伴う技工作業
1)部分床義歯の印象
2)研究用模型
3)個人トレー
2 作業用模型の製作
1)ボクシング
2)石膏の注入および作業用模型の仕上げ
3 オルタードキャスト法
14 部分床義歯の咬合採得に伴う技工作業(永井栄一,椎名芳江)
1 咬合採得に伴う技工作業
1)咬合床の製作
2 咬合器への作業用模型の装着
1)咬合平面板を使用して作業用模型を装着する方法
2)フェイスボウを使用して作業用模型を装着する方法
15 クラスプの製作(永井栄一,椎名芳江)
1 支台歯の前処置
1)ガイドプレーン(誘導面)
2)レストシート
2 サベイヤーの構造と使用方法
1)サベイヤーの使用目的
2)サベイヤーの構造および種類
3)サベイング
3 鋳造鉤
1)鉤外形線
2)間接法(耐火模型上でワックスアップする方法)
3)直接法(作業用模型上で製作する方法)
4 線鉤
1)線鉤の外形線
2)屈曲の原則
3)レストの製作法
4)1 線法
5)2 線法
16 バーの製作(若林則幸,安江 透)
1 鋳造バーの製作
1)バーの外形線と作業用模型のリリーフ
2)パターンの形成
3)スプルー線の植立と埋没
4)鋳造と研磨
5)支台装置とバーの位置関係
2 屈曲バーの製作
1)屈曲用鉗子の使い方
2)バーの外形線と作業用模型のリリーフ
3)参照用ワックスパターンの準備
4)屈曲
5)研磨と完成
6)支台装置とバーとの位置関係
17 部分床義歯の人工歯排列,削合,歯肉形成(永井栄一,椎名芳江)
1 前歯部排列
1)審美性の回復
2)発音の回復
2 臼歯部排列
1)対合歯との関係
2)支台装置との関係
3 削合
1)選択削合
4 歯肉形成
1)歯肉形成の目的
2)歯肉形成の方法
18 部分床義歯の埋没と重合(永井栄一,椎名芳江)
1 加熱重合法
1)埋没の前準備
2)埋没
3)流蝋
4)加熱重合レジンの填入と重合
5)義歯の取り出し
2 流し込みレジン重合法
1)寒天埋没法
2)石膏コア法
3)シリコーンコア法
19 部分床義歯の咬合調整と研磨(永井栄一,椎名芳江)
1 咬合調整
2 研磨
IV 有床義歯とその関連事項
20 修理(永井栄一,椎名芳江)
1 破折・破損の原因
2 義歯破折・破損のメカニズム
3 義歯床の修理
1)常温重合レジンによる修理方法
4 人工歯の修理
1)人工歯の脱離あるいは大部分が破損した場合の修理
2)人工歯が義歯床用レジンごと脱離した場合の修理
5 支台装置の修理
6 人工歯の追加(増歯)
21 リベースおよびリライン(永井栄一,椎名芳江)
1 リベース
2 リライン
1)直接法
2)間接法
22 オーバーデンチャー(大久保力廣,市川正幸,原田直彦)
1 形態的分類
1)コンプリートオーバーデンチャー
2)パーシャルオーバーデンチャー
2 オーバーデンチャーの意義と問題点
1)オーバーデンチャーの意義
2)オーバーデンチャーの問題点
3 オーバーデンチャーの支台装置
4 インプラントオーバーデンチャー
23 金属床義歯(大久保力廣,市川正幸,原田直彦)
1 金属床義歯の利点と欠点
1)金属床義歯の利点
2)金属床義歯の欠点
2 金属床義歯の種類
1)金属フレームワークの材料
2)顎堤部フレームワークの構造
3 全部床義歯のフレームワーク
1)鋳造床
2)圧印床
4 部分床義歯のフレームワーク
1)模型と設計
2)複印象
3)耐火模型の製作と表面処理
4)ワックスアップ
5)スプルー線の植立
6)埋没
7)焼却,鋳造,割り出し
8)研磨
9)完成
5 フレームワーク製作に必要な技工操作
1)ブロックアウト
2)リリーフ
3)ビーディング
4)ティッシュストップ
5)フィニッシュライン
24 その他の有床義歯(大久保力廣,市川正幸,原田直彦)
1 ノンメタルクラスプデンチャー
1)種類と適応症
2)使用樹脂
3)利点と欠点
4)設計と製作
2 ジルコニアを用いた義歯
1)ジルコニアフレームワーク
2)ジルコニアティース
参考文献
索引
1 有床義歯技工学概説(小正 裕,柿本和俊)
1 有床義歯とは
2 有床義歯技工学の意義と目的
3 有床義歯の種類
1)全部床義歯
2)部分床義歯
4 固定性補綴装置(ブリッジ)との相違
2 有床義歯技工に関連のある生体についての基礎知識(小正 裕,柿本和俊)
1 形態的基礎知識
1)顎関節
2)有床義歯に関連のある筋
3)抜歯創の治癒経過
4)歯列弓と顎堤弓
5)咬合彎曲とスピーの彎曲
6)ボンウィル三角
7)基準平面
2 機能的基礎知識
1)咬合力
2)咀嚼能率
3)発音
3 審美的基礎知識
1)顔貌と歯の形態
2)歯の色調
3)SPA要素
4 有床義歯技工に伴う生物学的事項
1)支台歯に加わる力とその影響
2)クラスプの装着による歯肉への影響
3)床縁による残存歯歯肉の変化
4)義歯床による顎堤の変化
II 全部床義歯技工学
3 全部床義歯の特性(小正 裕,柿本和俊)
1 全部床義歯の構成要素
1)人工歯
2)義歯床
2 全部床義歯の種類
1)使用目的による分類
3 全部床義歯の口腔内での維持,安定および支持
1)義歯の維持
2)義歯の安定
3)義歯の支持
4 全部床義歯の製作順序(鈴木哲也,安江 透)
1 歯科診療所と歯科技工所における作業の関連
1)個人トレーの製作
2)咬合床の製作
3)蝋義歯の製作(人工歯排列)
4)義歯の完成
5 全部床義歯の印象採得に伴う技工作業(鈴木哲也,安江 透)
1 無歯顎
1)上顎の解剖学的ランドマーク
2)下顎の解剖学的ランドマーク
3)無歯顎の対向関係
2 無歯顎の印象とトレー
1)無歯顎の印象の特徴
2)印象法の種類
3)概形印象と研究用模型の製作
4)個人トレー
3 精密印象と作業用模型
1)ボクシング
2)石膏の注入
3)作業用模型の仕上げ
6 全部床義歯の咬合採得に伴う技工作業(鈴木哲也,安江 透)
1 咬合床製作のための作業用模型の処理
1)床外形線の記入
2)基準線の記入
3)リリーフ
4)ポストダム(後堤法)
2 咬合床の製作
1)基礎床
2)咬合堤
3)歯科医師による咬合採得
3 全部床義歯に用いられる咬合器
1)平均値咬合器
2)半調節性咬合器
4 作業用模型の咬合器装着
1)咬合平面板
2)フェイスボウ
3)スプリットキャスト法
4)下顎作業用模型の装着
5 咬合器の調節
6 ゴシックアーチ描記装置の取り付け
7 全部床義歯の人工歯排列と歯肉形成(鈴木哲也,安江 透)
1 人工歯
1)人工歯の種類
2)前歯部人工歯の選択
3)臼歯部人工歯の選択
2 人工歯排列
1)前歯部人工歯の排列
2)臼歯部人工歯の排列
3 歯肉形成
1)唇側の歯肉形成
2)頬側の歯肉形成
3)舌側の歯肉形成
4)口蓋部の歯肉形成
5)床縁の形成
4 蝋義歯の試適
8 全部床義歯の埋没と重合(鈴木哲也,安江 透)
1 埋没の前準備
1)スプリットキャスト
2)テンチの歯型(テンチのコア)
2 埋没
1)加熱重合レジンの埋没
2)常温重合レジンの埋没
3 流蝋
4 義歯床用レジンの重合
1)加熱重合レジンの重合
2)常温重合レジンの重合
3)ポリスルフォン樹脂の成形
9 全部床義歯の咬合器への再装着,削合および研磨(小正 裕,柿本和俊)
1 咬合器再装着の方法と特徴
1)スプリットキャスト法
2)テンチの歯型法
3)フェイスボウトランスファー法
2 人工歯の削合
1)咬合小面
2)選択削合と自動削合
3)人工歯咬合面の形態修正と研磨
3 研磨
1)義歯の作業用模型からの分離
2)研磨の目的
3)研磨の要点
4)義歯の洗浄と完成後の保管
III 部分床義歯技工学
10 部分床義歯の特性(永井栄一,椎名芳江)
1 部分床義歯の構成要素
1)支台装置
2)連結子
3)義歯床
4)人工歯
2 残存歯,欠損の分布状態による分類
1)ケネディーの分類
3 咬合圧の支持様式による分類
1)歯根膜負担(歯根膜支持)
2)歯根膜粘膜負担(歯根膜粘膜支持)
3)粘膜負担(粘膜支持)
4 咬合圧支持域による分類
5 義歯の目的別による分類
1)最終義歯(本義歯)
2)暫間義歯(仮義歯)
11 部分床義歯の製作順序(永井栄一,椎名芳江)
1 歯科診療所と歯科技工所における作業の関連
12 部分床義歯の構成要素(永井栄一,椎名芳江)
1 支台装置
1)クラスプ(鉤)
2)レスト
3)アタッチメント
4)テレスコープ義歯
5)補助支台装置
2 連結子
1)連結子の必要条件
2)連結子の目的
3)連結子の利点と欠点
4)連結子の分類
3 義歯床
1)義歯床の役割
2)義歯床用材料
3)床外形線の決定
4)床縁の形態と位置
5)義歯床の厚さ
6)緩衝腔
4 人工歯
13 部分床義歯の印象採得に伴う技工作業(永井栄一,椎名芳江)
1 印象採得に伴う技工作業
1)部分床義歯の印象
2)研究用模型
3)個人トレー
2 作業用模型の製作
1)ボクシング
2)石膏の注入および作業用模型の仕上げ
3 オルタードキャスト法
14 部分床義歯の咬合採得に伴う技工作業(永井栄一,椎名芳江)
1 咬合採得に伴う技工作業
1)咬合床の製作
2 咬合器への作業用模型の装着
1)咬合平面板を使用して作業用模型を装着する方法
2)フェイスボウを使用して作業用模型を装着する方法
15 クラスプの製作(永井栄一,椎名芳江)
1 支台歯の前処置
1)ガイドプレーン(誘導面)
2)レストシート
2 サベイヤーの構造と使用方法
1)サベイヤーの使用目的
2)サベイヤーの構造および種類
3)サベイング
3 鋳造鉤
1)鉤外形線
2)間接法(耐火模型上でワックスアップする方法)
3)直接法(作業用模型上で製作する方法)
4 線鉤
1)線鉤の外形線
2)屈曲の原則
3)レストの製作法
4)1 線法
5)2 線法
16 バーの製作(若林則幸,安江 透)
1 鋳造バーの製作
1)バーの外形線と作業用模型のリリーフ
2)パターンの形成
3)スプルー線の植立と埋没
4)鋳造と研磨
5)支台装置とバーの位置関係
2 屈曲バーの製作
1)屈曲用鉗子の使い方
2)バーの外形線と作業用模型のリリーフ
3)参照用ワックスパターンの準備
4)屈曲
5)研磨と完成
6)支台装置とバーとの位置関係
17 部分床義歯の人工歯排列,削合,歯肉形成(永井栄一,椎名芳江)
1 前歯部排列
1)審美性の回復
2)発音の回復
2 臼歯部排列
1)対合歯との関係
2)支台装置との関係
3 削合
1)選択削合
4 歯肉形成
1)歯肉形成の目的
2)歯肉形成の方法
18 部分床義歯の埋没と重合(永井栄一,椎名芳江)
1 加熱重合法
1)埋没の前準備
2)埋没
3)流蝋
4)加熱重合レジンの填入と重合
5)義歯の取り出し
2 流し込みレジン重合法
1)寒天埋没法
2)石膏コア法
3)シリコーンコア法
19 部分床義歯の咬合調整と研磨(永井栄一,椎名芳江)
1 咬合調整
2 研磨
IV 有床義歯とその関連事項
20 修理(永井栄一,椎名芳江)
1 破折・破損の原因
2 義歯破折・破損のメカニズム
3 義歯床の修理
1)常温重合レジンによる修理方法
4 人工歯の修理
1)人工歯の脱離あるいは大部分が破損した場合の修理
2)人工歯が義歯床用レジンごと脱離した場合の修理
5 支台装置の修理
6 人工歯の追加(増歯)
21 リベースおよびリライン(永井栄一,椎名芳江)
1 リベース
2 リライン
1)直接法
2)間接法
22 オーバーデンチャー(大久保力廣,市川正幸,原田直彦)
1 形態的分類
1)コンプリートオーバーデンチャー
2)パーシャルオーバーデンチャー
2 オーバーデンチャーの意義と問題点
1)オーバーデンチャーの意義
2)オーバーデンチャーの問題点
3 オーバーデンチャーの支台装置
4 インプラントオーバーデンチャー
23 金属床義歯(大久保力廣,市川正幸,原田直彦)
1 金属床義歯の利点と欠点
1)金属床義歯の利点
2)金属床義歯の欠点
2 金属床義歯の種類
1)金属フレームワークの材料
2)顎堤部フレームワークの構造
3 全部床義歯のフレームワーク
1)鋳造床
2)圧印床
4 部分床義歯のフレームワーク
1)模型と設計
2)複印象
3)耐火模型の製作と表面処理
4)ワックスアップ
5)スプルー線の植立
6)埋没
7)焼却,鋳造,割り出し
8)研磨
9)完成
5 フレームワーク製作に必要な技工操作
1)ブロックアウト
2)リリーフ
3)ビーディング
4)ティッシュストップ
5)フィニッシュライン
24 その他の有床義歯(大久保力廣,市川正幸,原田直彦)
1 ノンメタルクラスプデンチャー
1)種類と適応症
2)使用樹脂
3)利点と欠点
4)設計と製作
2 ジルコニアを用いた義歯
1)ジルコニアフレームワーク
2)ジルコニアティース
参考文献
索引