やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

改訂第2 版序文
 現在あらゆる分野において,もちろん歯科を含めて,急速に国際化社会になりつつある.もはや国境がないかのごとくに異種民族が日常的に共住する時代である.そして,そこに介在するコミュニケーションの手段として共通語としての英語の重要性が高まっている.これをマスターすることがお互いの意志の疎通を良くし,その内容を高次元に導く要であると述べて過言ではない.
 歯科関係者の教育においても彼等自身の活躍の場を広げてゆく可能性と将来性を鑑みてみれば,外国語,特に学校での専門用語の英語を教授し,また学ぶことはいかに重要かがわかるはずである.この本を発刊してはや3年になる.この本は歯科に関係の薄い教養英語ではなく,あるいは外国の原本そのものを副読本とするという内容のものでもない.必要不可欠と思われる専門用語を分かりやすい図説として見やすく配慮したものである.著者らは歯科英語教育の過去の苦い経験を反省して合理的な考えのもとに,いわゆる合目的的な内容の教科書を目指したのである.おかげで,この主旨に同意してくださった方々の多いせいか,予想外の好評を得て第2版をむかえることができたのは誠に悦ばしいことである.とかく陽の目をみなかった外国語の教科に光が指しはじめた時代が到来したことを感ずるとともに,今後ともより使いやすく効果のある書にすべく努めたいと考える.
 また改訂に際して,多くの助言をいただいた本書の採用校の講師の方々,種々の準備に助力をいただいた東海歯科医療専門学校の教職員に深く感謝する次第である.
 昭和61 年4 月10 日
 野村順雄


まえがき
 昭和49 年12 月に歯科技工士養成所教授要綱の学科科目と授業時間数の改正が行われ,歯冠修復技工学,有床義歯技工学など歯科技工の専門分野の教育内容が充実されるとともに,外国語も必須科目として指定されることになった.しかし,現在までの外国語教育は歯科技工の専門科目に比べると,とかく二の次になりがちであり,そのため指定時間数にみあった教科書はいままで皆無であった.著者らは長年の歯科技工士教育の経験から,外国語,その中でも歯科用専門英語を習得させることは,歯科技工士の将来性に大きくつながることを痛感してきた.
 なぜならば,歯科医療の専門用語は英語で語られることが多く,英語の知識なしではコ・デンタルスタッフの一員となりえないこと,歯科技工士は日本ばかりでなく広く海外でも活躍できる職業であり,歯科用英語を習得しておくことは,海外で活躍する場合の大きな自信につながるからである.
 こうした理由から,本書は歯科技工士学校の教科書を第一の目的とし,内容も単語のみにとどまらず,図を多くして他の教科の復習ができるように配慮してある.さらに英文も関係用語の説明文から引用し,興味をもって英語にとりくめるよう配慮した.本書が学生諸君の知識の向上につながり,歯科技工士学校卒業後のハンドブックとしての役割を果たせたら幸いである.
 おわりに,本書を著すにあたり常に御指導いただいた東京歯科大学社会歯科学教室,能美光房教授,ならびに協力いただいた東海歯科医療専門学校教職員の皆様に感謝の意を表します.
 昭和58 年11 月10 日
 野村順雄
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