やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

最新歯科衛生士教本の監修にあたって
 歯科衛生士教育は,昭和 24(1949)年に始まって以来,61 年を迎えました.この間,平均寿命と人口構成,疾病構造などの変化,さらには歯科医学・医療技術の発展などを背景に,歯科医療・保健に対する社会的ニーズが高まり,歯科衛生士教育にも質的・量的な充実が要求され,度重なる法制上の整備や改正が行われてきました.平成 17(2005)年4月には,今日の少子高齢化の進展,医療の高度化・多様化など教育を取り巻く環境の変化に伴い,さらなる歯科衛生士の資質向上をはかることを目的にして,歯科衛生士学校養成所指定規則の改正が行われ,平成 22(2010)年にすべての養成機関で修業年限が3年制以上となりました.
 21 世紀を担っていく歯科衛生士には,さまざまな課題が課せられております.今日では,健康志向の高まりや食育の重要性が叫ばれるなか,生活習慣病としての歯周病,全身疾患,摂食・嚥下障害を有した患者や介護を要する高齢者の増加に対し,これまで以上に予防や食べる機能を重視し,口腔と全身の関係を考慮しながら対応していくこと,あるいは他職種との連携が求められています.また,歯周治療の進展や,インプラントなどの技術が広く普及するに伴って患者のニーズが多様化しつつあり,それらの技術に関わるメインテナンスなどの新たな知識の習得も必須です.歯科衛生士には,このような,患者のさまざまなニーズに則したよりよい支援ができる視点と能力がますます必要になってきており,そのためには業務の基盤となる知識と技術の習得が基本となります.
 全国歯科衛生士教育協議会では,こうした社会的要請に対応すべくこれまで活動の一環として,昭和 47(1972)年本協議会最初の編集となる「歯科衛生士教本」,昭和 57(1982)年修業年限が2年制化された時期の「改訂歯科衛生士教本」,平成 3(1991)年歯科衛生士試験の統一化に対応した「新歯科衛生士教本」を編集しました.そして今回,厚生労働省「歯科衛生士の資質向上に関する検討会」で提示された内容および上記指定規則改正を踏まえ,本協議会監修の全面改訂版「最新歯科衛生士教本」を発刊するに至りました.
 本シリーズは,歯科衛生士教育の実践に永年携わってこられ,また歯科医療における歯科衛生士の役割などに対し造詣の深い,全国の歯科大学,歯学部,医学部,歯科衛生士養成機関,その他関係機関の第一線で活躍されている先生方に執筆していただき,同時に内容・記述についての吟味を経て,歯科衛生士を目指す学生に理解しやすいような配慮がなされています.本協議会としては,今後の歯科衛生士教育の伸展に向けて本シリーズが教育の現場で十分に活用され,引いては国民の健康およびわが国の歯科医療・保健の向上に大いに寄与することを期待しております.
 最後に本シリーズの監修にあたり,多くのご助言とご支援・ご協力をいただいた先生方,ならびに全国の歯科衛生士養成機関の関係者に心より厚く御礼申し上げます.
 2011年1月
 全国歯科衛生士教育協議会会長
 松井 恭平

発刊の辞
 今日,歯科衛生士は,高齢社会に伴う医療問題の変化と歯科衛生士の働く領域の拡大などの流れのなか,大きな転換期に立たされています.基礎となる教育に求められる内容も変化してきており,社会のニーズに対応できる教育を行う必要性から 2005(平成 17)年4月に歯科衛生士学校養成所指定規則が改正され,歯科衛生士の修業年限は2年以上から3年以上に引き上げられ,2010年4月からは全校が3年以上となりました.
 また,「日本歯科衛生学会」が 2006年11月に設立され,歯科衛生士にも学術研究や医療・保健の現場における活躍の成果を発表する場と機会が,飛躍的に拡大しました.さらに,今後ますます変化していく歯科衛生士を取り巻く環境に十分対応しうる歯科衛生士自身のスキルアップが求められています.
 「最新歯科衛生士教本」は上記を鑑み,前シリーズである「新歯科衛生士教本」の内容を見直し,現在の歯科衛生士に必要な最新の内容を盛り込むため,2003 年に編集委員会が組織されて検討を進めてまいりましたが,発足以来,社会の変化を背景に,多くの読者からの要望が編集委員会に寄せられるようになりました.そこで,この編集委員会の発展継承をはかり,各分野で歯科衛生士教育に関わる委員を迎えて2008年から編集委員の構成を新たにし,改めて編集方針や既刊の教本も含めた内容の再点検を行うことで,発行体制を強化しました.
 本シリーズでは「考える歯科衛生士」を育てる一助となるよう,読みやすく理解しやすい教本とすることを心がけました.また,到達目標を明示し,用語解説や歯科衛生士にとって重要な内容を別項として記載するなど,新しい体裁を採用しています.
 なお,重要と思われる事項については,他分野の教本と重複して記載してありますが,科目間での整合性をはかるよう努めています.
 この「最新歯科衛生士教本」が教育で有効に活用され,歯科衛生士を目指す学生の知識修得,および日頃の臨床・臨地実習のお役に立つことを願ってやみません.
 2011年1月
 最新歯科衛生士教本編集委員会
 松井恭平* 合場千佳子 遠藤圭子 栗原英見 高阪利美
 白鳥たかみ 高見佳代子 田村清美 畠中能子 藤原愛子
 前田健康 眞木吉信 松田裕子 山田小枝子
 (*編集委員長,五十音順)

執筆の序
 国民の口腔を守り,生活の質(QOL)を向上させて,健康長寿を可能とするために歯科衛生士に課せられた期待は大きい.歯科衛生士の役割は時代の流れとともに大きく変化している.歯科衛生士という制度が発足した当初,主たる業務は齲蝕と歯周病に対する予防とされていた.しかし,後に歯科診療補助が加わり,臨床における活躍が期待されるようになり今日に至っている.さらに口腔衛生指導および予防啓発活動も業務となり,教育もそれらに則して行われてきた.
 現在わが国は,65歳以上の人が21%を超えて超高齢社会となった.そのため疾病構造も大きく変わり,歯科衛生士の対象患者も変化した.8020達成者はすでに25%以上となり,高齢者の口腔内には多数の歯が存在するものの,それらの多くは決して健全でなく,顎・口腔粘膜にも病変がある患者も多い.また,抗血栓療法中の歯科患者の増加や,ビスフォスフォネート投与患者の抜歯後顎骨壊死・骨髄炎発症などの問題も起こってきている.そのほか,口腔清掃状態の不良に摂食・嚥下障害が加わり,誤嚥性肺炎を惹起する高齢者も増加している.臨床現場ではそうした患者に対する歯科衛生士による専門的な口腔全体の管理がますます必要となってきた.さらに,歯科衛生士にとって,周術期の患者管理や口腔カンジダ症や難治性口腔粘膜疾患,特に口腔がんを早期発見するための口腔観察も重要な業務となってきている.それら以外にも,手術室の環境維持,器材・器具の管理を含め口腔外科や歯科麻酔に関係する歯科衛生士の役割は大きい.
 口腔は消化器,呼吸器の入口であると同時に,会話・表情・顔貌を整えるなどの重要な機能をもっており,社会生活における影響も大きい.顎・口腔粘膜疾患は,疾患そのものにより,また治療の結果でこれらの口腔機能を障害する.歯科衛生士には,患者管理において各疾患を十分に理解し,患者に対する心理的な面を加味した特別な配慮が求められる.
 顎・口腔粘膜疾患の診断と治療は,歯科大学,医学部附属病院の口腔外科や総合病院の歯科・口腔外科あるいはオーラルメディシン(口腔内科)が担当することが多いため,従来,歯科衛生士がこれらの疾患に遭遇する機会が少なかった.しかし,病院歯科勤務の歯科衛生士が増加していることや,歯科患者の訪問診療が普及しつつあり,歯科衛生士が顎・口腔粘膜疾患に遭遇する機会は多くなってきている.
 本書では,そうした歯科衛生士を取り巻く環境の変化に極力対応した内容にするため,教育の最前線で活躍する歯科医師および歯科衛生士が分担執筆した.本書が広く教育現場で活用され,ひいては,臨床で口腔のみならず患者の基礎疾患や既往などの背景や家族的・社会的状況を理解して対応できる歯科衛生士が育ち,国民の健康に寄与することを願ってやまない.
 2011年1月
 執筆者代表 山根源之
I編 顎・口腔粘膜疾患と口腔外科
 1章 口腔外科の概要
  (1)口腔外科とは
   1.顎・口腔の役割
   2.口腔外科が対象とする疾患
   3.顎・口腔領域に発現する主な疾患
   4.口腔外科疾患の診断と治療
    1)口腔外科疾患の種類
    2)口腔外科疾患の診断と患者への説明
    3)口腔外科疾患の治療
     Coffee Break 口腔外科と画像検査
   5.口腔外科患者と歯科衛生士のかかわり
  (2)顎・口腔領域の疾患の特徴
   1.口腔の解剖学的特徴
   2.口腔各組織の役割
    1)顎関節および咀嚼筋群と歯周組織
    2)口腔粘膜と唾液腺
   3.口腔の生理学的特徴
   4.加齢に伴う口腔の特徴
  (3)口腔病変と全身疾患
   1.口腔領域に原発する主な疾患と症状
   2.口腔病変を発現する全身疾患と主な症状
    1)歯および顎骨に症状を発現する疾患
    2)口腔粘膜,唾液腺に症状を発現する疾患
 2章 顎・口腔領域の先天異常と発育異常
  (1)歯の発育異常
   1.萌出時期の異常
    1)乳歯の早期萌出
    2)永久歯の晩期萌出
   2.歯数の異常
    1)過剰歯
    2)歯の欠如症(欠如歯)
   3.萌出位置・方向の異常
    1)埋伏歯
    2)転位歯
    3)傾斜歯および捻転歯
   4.歯の形と大きさの異常および歯の形成不全
    1)歯の形と大きさの異常
    2)歯の形成不全
  (2)口腔軟組織の先天異常と発育異常
   1.小帯の異常
    1)舌小帯異常
    2)上唇小帯異常
    3)頬小帯異常
   2.舌の異常
    1)大舌症(巨舌症)
    2)小舌症
    3)溝状舌(溝舌)
    4)正中菱形舌炎
    5)平滑舌
    6)毛舌症(黒毛舌)
   3.口唇の異常
    1)大唇症
    2)二重唇
   4.口腔粘膜の異常
    1)フォーダイス斑
    2)上皮真珠
    3)エプスタイン真珠
    4)歯肉線維腫症
  (3)口唇裂・口蓋裂
   1.発生機序と分類
   2.発生頻度
   3.発生要因
   4.口唇裂・口蓋裂に伴う障害
   5.治療
    1)口唇裂一次手術
    2)口蓋裂一次手術
    3)顎裂部骨移植手術
    4)言語治療
    5)そのほかの治療
  (4)顎の先天異常と発育異常
   1.顎の先天異常
   2.顎の発育異常
    1)下顎前突症
    2)下顎後退症(小下顎症)
    3)上顎前突症
    4)上顎後退症(小上顎症)
    5)下顎非対称・顔面非対称
    6)上下顎(両顎)前突症
    7)開咬
 3章 顎・口腔領域の損傷および機能障害
  (1)軟組織の損傷
   1.機械的損傷
    1)外傷
    2)褥瘡性潰瘍
   2.温度的損傷
    1)熱傷(火傷)
    2)凍傷
   3.化学的損傷(腐食性損傷)
   4.放射線損傷
   5.電気的損傷(電撃傷)
   6.気腫
  (2)歯および歯槽の外傷
   1.歯の打撲(歯根膜炎)
   2.歯の脱臼
   3.歯の破折
  (3)顎骨骨折
   1.骨折の分類
   2.顎・口腔領域の骨折
    1)歯槽骨骨折
    2)上顎骨骨折
    3)下顎骨骨折
    4)頬骨・頬骨弓骨折
   3.顎・口腔領域の骨折の治療
    1)治療方針
    2)処置
 4章 口腔粘膜の病変
  (1)水疱形成を主徴とする疾患
    1)単純疱疹(単純ヘルペス)
    2)帯状疱疹
    3)ヘルパンギーナ
    4)手足口病
    5)麻疹(コプリック斑)
    6)エイズ(AIDS感染症)
    7)天疱瘡,類天疱瘡(剥離性歯肉炎との関係)
  (2)紅斑およびびらんを主徴とする疾患
    1)紅板症
    2)扁平苔癬(口腔扁平苔癬)
     Coffee Break 歯科金属アレルギー
    3)多形滲出性紅斑
    4)薬疹
  (3)潰瘍を主徴とする疾患
    1)アフタ
    2)急性壊死性潰瘍性歯肉炎
    3)褥瘡性潰瘍
  (4)白斑を主徴とする疾患
    1)白板症
    2)口腔カンジダ症
  (5)色素沈着を主徴とする疾患
    1)色素性母斑
    2)悪性黒色腫
    3)メラニン色素沈着
    4)外来性色素沈着
  (6)粘膜の萎縮を主徴とする疾患
    1)ハンター舌炎
    2)プランマー・ビンソン症候群
  (7)口腔の乾燥を主徴とする疾患
    1)シェーグレン症候群
    2)放射線治療後口腔乾燥
    3)薬剤性口腔乾燥
    4)心因性口腔乾燥
  (8)粘膜の出血および貧血を主徴とする疾患
   1.赤血球系の疾患
    1)全血球産生能の低下による貧血
     Coffee Break 口腔(歯科)心身症と口腔乾燥
    2)DNA合成障害による貧血
    3)ヘモグロビン合成の異常による貧血
    4)赤血球が生理的な寿命(120日間)よりも短時間で破壊し,赤血球産生が間に合わない貧血
   2.白血球系の疾患
    1)白血病
    2)顆粒白血球減少症
     Coffee Break 赤血球,白血球,血小板の機能
   3.出血性素因
    1)血管壁の異常
    2)血小板の異常
    3)血液凝固の異常
  (9)そのほかの異常および疾患
    1)フォーダイス斑
    2)溝状舌(溝舌)
    3)正中菱形舌炎
    4)舌扁桃肥大
    5)肉芽腫性口唇炎
    6)クインケ浮腫
    7)遺伝性血管神経性浮腫
    8)接触性口唇炎
    9)毛舌症(黒毛舌)
 5章 顎・口腔領域の化膿性炎症疾患
  (1)歯周組織の炎症
   1.智歯周囲炎
   2.歯肉膿瘍および歯槽膿瘍
  (2)顎骨の炎症
   1.骨膜炎
    1)急性顎骨骨膜炎
    2)慢性顎骨骨膜炎
   2.骨髄炎
    1)下顎骨骨髄炎
    2)慢性硬化性骨髄炎
    3)ガレー骨髄炎
    4)放射線性骨髄炎
  (3)顎骨周囲組織の炎症
   1.膿瘍:限局性化膿性炎
   2.蜂巣(織)炎(蜂窩織炎):びまん性の化膿性炎
   3.歯性上顎洞炎(蓄膿症)
    1)急性歯性上顎洞炎
    2)慢性歯性上顎洞炎
   4.内歯瘻および外歯瘻
     Coffee Break ビスフォスフォネート薬剤と顎骨壊死・骨髄炎
 6章 顎・口腔領域の嚢胞性疾患
  (1)顎骨に発生する嚢胞
   1.歯原性嚢胞
    1)歯根嚢胞
    2)含歯性嚢胞(濾胞性歯嚢胞)
   2.非歯原性嚢胞
    1)鼻口蓋管嚢胞
    2)球状上顎嚢胞
    3)術後性上顎嚢胞
    4)単純性骨嚢胞
  (2)軟組織に発生する嚢胞
   1.粘液嚢胞
    1)粘液瘤
    2)ガマ腫
   2.そのほかの嚢胞
    1)類表皮嚢胞および類皮嚢胞
    2)鼻歯槽嚢胞
    3)甲状舌管嚢胞
    4)側頸嚢胞
 7章 顎・口腔領域の腫瘍および腫瘍類似疾患
  (1)腫瘍とは
   1.腫瘍の定義
   2.良性腫瘍と悪性腫瘍
  (2)腫瘍の分類
  (3)歯原性腫瘍と非歯原性腫瘍
   1.歯原性腫瘍
    1)概念
    2)分類と代表的な腫瘍
   2.非歯原性腫瘍
    1)概念と分類
    2)非歯原性良性腫瘍
    3)非歯原性悪性腫瘍
  (4)腫瘍類似疾患
    1)概念
    2)分類
 8章 唾液腺疾患
  (1)唾液と唾液腺
   1.唾液の役割
   2.唾液腺
    1)耳下腺
    2)顎下腺
    3)舌下腺
    4)小唾液腺
   3.唾液腺疾患
  (2)炎症性唾液腺疾患
   1.急性化膿性唾液腺炎
    1)耳下腺炎
    2)顎下腺炎
    3)小唾液腺炎
   2.慢性唾液腺炎
   3.ウイルス性唾液腺炎
    1)流行性耳下腺炎
  (3)唾石症
  (4)唾液分泌異常
    1)流涎症
    2)口腔乾燥症
  (5)唾液腺腫瘍
    1)多形腺腫
    2)ワルシン腫瘍
    3)粘表皮がん
    4)腺様嚢胞がん
    5)扁平上皮がん
    6)そのほかの腺がん
 9章 口腔領域の神経疾患
  (1)顎口腔の知覚神経と運動神経
    1)三叉神経
    2)顔面神経
    3)舌咽神経
    4)迷走神経
    5)副神経
    6)舌下神経
  (2)神経痛
   1.三叉神経痛
    1)帯状疱疹後神経痛
   2.舌咽神経痛
  (3)神経麻痺
   1.三叉神経麻痺
    1)舌神経麻痺
    2)下歯槽神経・オトガイ神経麻痺
   2.顔面神経麻痺
    1)ラムゼーハント症候群
   3.舌下神経麻痺
  (4)神経痙攣
   1.顔面痙攣(顔面チック)
   2.オーラルジスキネジア
 10章 口腔外科診療の実際
  (1)口腔外科治療の流れ
   1.治療方針の決定まで
   2.手術療法と保存療法
    1)手術療法
    2)保存療法
  (2)診察と診断
   1.診察法
    1)診察の手順
    2)診察の基本
    3)診察時の注意点
    4)診察の順序
    5)診察の記録
    6)病歴の取り方と留意点
    7)身体の基本情報の確認
   2.検査法
    1)検査の目的
    2)検査の注意点
   3.臨床診断と確定診断
  (3)清潔と不潔
    1)消毒と滅菌
    2)手指消毒法
    3)器具の消毒・滅菌
  (4)創傷の処置
    1)創傷の定義
    2)創傷の治癒過程
    3)創傷処置の流れ
    4)必要な器材
  (5)口腔外科小手術
   1.消炎手術
    1)消炎手術に必要な器材
    2)消炎手術の手順
   2.抜歯術
    1)適応症
    2)禁忌症
    3)抜歯の前準備
    4)抜歯に必要な器材の選択と準備
    5)普通抜歯に必要な器材と手順
    6)難抜歯〜埋伏歯抜歯に必要な器材と手順
    7)偶発症への対応
    8)抜歯後の合併症
    9)抜歯創の治癒経過
     Coffee Break ドライソケット
   3.嚢胞摘出術
    1)顎骨内嚢胞摘出術に必要な器材
    2)顎骨内嚢胞の手術法
    3)軟組織内嚢胞摘出術に必要な器材
    4)軟組織内嚢胞の手術法
   4.歯根端(尖)切除術
    1)歯根端切除術の適応症
    2)非適応症
    3)術前準備
    4)歯根端切除術に必要な器材
    5)歯根端切除術の手順
   5.良性腫瘍摘出術
    1)軟組織に発生する良性腫瘍摘出術に必要な器材
    2)軟組織に発生する良性腫瘍摘出術の手順
   6.歯槽骨整形術
    1)目的と適応症
    2)歯槽骨整形術に必要な器材
    3)歯槽骨整形術の手順
   7.小帯切除術
    1)適応症
    2)小帯切除術に必要な器材
    3)小帯切除術の手順
   8.口腔インプラント手術
    1)一次手術(インプラント体埋入手術)に必要な器材と手順
    2)二次手術(アバットメント連結手術)に必要な器材と手順
  (6)止血処置
   1.止血法
    1)一時的止血法
    2)永久止血法
   2.止血薬(材)の種類
  (7)縫合処置
   1.縫合の目的
   2.縫合の種類
    1)粘膜や皮膚切開部の縫合
    2)定位縫合
    3)止血縫合
   3.縫合の準備
    1)必要な器材
    2)縫合の間隔
    3)縫合糸の結び目の残し方
    4)抜歯の方法と注意事項
II編 歯科治療と歯科麻酔
 1章 歯科治療における歯科麻酔と患者管理
  (1)歯科治療における歯科麻酔の立場
   1.歯科麻酔の役割
   2.歯科麻酔の立場からみたチーム医療に
     Coffee Break おける歯科衛生士の役割
  (2)全身状態の評価と患者管理
   1.全身状態の評価
    1)医療面接
    2)主治医への対診
    3)診察と検査
   2.バイタルサイン
   3.ストレッサー,生体応答,予備力の関係
   4.歯科治療におけるストレッサー
   5.生体応答とそのモニタリング
    1)呼吸のモニタリング
    2)循環のモニタリング
    3)中枢神経系のモニタリング
   6.患者の予備力の評価
 2章 局所麻酔
  (1)局所麻酔法
   1.表面麻酔法
   2.浸潤麻酔法
   3.伝達麻酔法
  (2)局所麻酔薬
   1.局所麻酔薬の分類
   2.歯科用局所麻酔薬製剤の特徴
  (3)血管収縮薬
  (4)局所麻酔に使用する器材
   1.注射器
   2.カートリッジ
   3.注射針
     Coffee Break 注射針の太さ
   4.特殊な注射針
  (5)局所麻酔時の局所的偶発症
    1)刺入点部の潰瘍・壊死
    2)感染
    3)下顎孔伝達麻酔後の開口障害
    4)内出血
    5)キューンの貧血帯
    6)浸潤麻酔後の口唇や頬粘膜咬傷
    7)注射針の破折・迷入
    8)後麻痺,遷延性知覚障害
    9)顔面神経麻痺
    10)視覚障害
    11)誤薬の注射
 3章 精神鎮静法
  (1)吸入鎮静法
   1.使用薬物と投与方法
   2.適応症と禁忌症
    1)適応症
    2)禁忌症
   3.ボンベおよび吸入鎮静器の取り扱い上の注意
    1)ボンベ取り扱い上の注意
    2)吸入鎮静器取り扱い上の注意
   4.吸入鎮静法の実際
    1)吸入鎮静法の手順
    2)至適鎮静状態の判定
   5.亜酸化窒素の長期曝露による医療従事者の副作用
  (2)静脈内鎮静法
   1.使用薬物
   2.適応症と禁忌症
    1)適応症
    2)禁忌症
   3.静脈内鎮静法の実際
    1)静脈内鎮静法の手順
    2)至適鎮静状態の判定
  (3)精神鎮静法実施に際する一般的注意点
    1)術前の経口摂取制限
    2)治療中のモニタリング
    3)治療中の誤嚥
    4)帰宅判定
 4章 全身麻酔
  (1)術前管理
    1)全身状態評価
    2)経口摂取制限
    3)麻酔前投薬
  (2)全身麻酔法
   1.全身麻酔器
   2.吸入麻酔
    1)吸入麻酔薬の種類
    2)吸入麻酔法の種類
    3)気管挿管
   3.静脈麻酔
    1)静脈麻酔薬の種類
    2)適応症
   4.筋弛緩薬
   5.麻薬性鎮痛薬
  (3)術中管理
    1)麻酔深度の評価
    2)呼吸状態の評価
    3)循環状態の評価
    4)体温管理
    5)筋弛緩状態の評価
    6)輸液・輸血管理
  (4)麻酔覚醒と抜管
  (5)術後管理
    1)低酸素症
    2)術後痛
    3)循環変動
    4)悪心・嘔吐
  (6)全身麻酔下歯科治療と日帰り全身麻酔
 5章 救急蘇生法
  (1)歯科治療時の全身的偶発症
   1.血管迷走神経反射(神経性ショック)
   2.過換気症候群
   3.薬物アレルギー
   4.誤飲および誤嚥
    1)誤飲・誤嚥の定義
    2)誤飲・誤嚥の症状
    3)誤飲・誤嚥の治療
    4)誤飲・誤嚥の予防
  (2)酸素療法
    1)低酸素症の分類
    2)酸素投与法
  (3)静脈確保
  (4)一次救命処置
   1.一次救命処置と救命の連鎖
   2.成人および小児に対する一次救命処置の手順
    1)傷病者を発見したとき
    2)傷病者と救助者の安全確認
    3)気道確保(air way)
    4)呼吸の確認
    5)循環の確認
    6)人工呼吸(breathing)
    7)胸骨圧迫(circulation)
    8)AEDによる除細動(defibrillation)
III編 口腔外科・歯科麻酔の臨床における歯科衛生士のかかわり
 1章 検査・診断時の業務
  (1)問診
  (2)観察・検査
    1)患者の観察
    2)臨床検査
 2章 口腔外科・歯科麻酔処置における業務
  (1)術前管理
   1.患者来院前の管理
   2.患者来院後の確認事項
   3.そのほかの注意事項
  (2)局所麻酔時の業務
   1.器材の管理
   2.器材の準備と片づけ
    1)局所麻酔時における器材の準備
    2)アンプルおよびバイアルの取り扱い
  (3)精神鎮静および全身麻酔時の業務
   1.笑気吸入鎮静法
    1)笑気吸入鎮静器の名称,整備と消毒
    2)笑気吸入鎮静患者の管理
   2.点滴の準備
  (4)消炎手術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (5)抜歯術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
    1)普通抜歯手術の使用器材
    2)埋伏抜歯手術の使用器材
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (6)顎骨内の嚢胞および良性腫瘍摘出術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (7)軟組織内の嚢胞および良性腫瘍摘出術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (8)歯根端(尖)切除術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (9)歯槽骨整形術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (10)小帯切除術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (11)口腔インプラント手術時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (12)止血処置時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (13)縫合処置時の業務
   1.患者観察
   2.器材の準備
    1)使用器材
    2)持針器への縫合糸の付け方
   3.留意点
   4.術後の注意と患者指導
  (14)術中・術後の管理
   1.術中の管理
   2.術後の管理
  (15)救急蘇生時の業務
 3章 歯科衛生士が行う術前・術後のケアと器材の管理
  (1)歯科衛生士が行う術前・術後のケア
   1.術前・術後のセルフケアのための支援
   2.口腔環境とプロフェッショナルケア
    1)顎骨骨折患者へのプロフェッショナルケア
    2)腫瘍患者へのプロフェッショナルケア
     Coffee Break 顎顔面補綴を目的としたインプラント
  (2)診療室および器材の管理
   1.診療室の管理
    1)清潔の維持,器材の整理・整頓
    2)環境の整備
   2.器材別滅菌,消毒と保管
    1)器材別滅菌および消毒方法
    2)器材の保管

 索引