やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

今日の5 疾病Overview―『続5疾病の口腔ケア』発刊にあたって―
 2013 年度より医療法に基づいた医療計画制度の下で,「5疾病・5事業及び在宅医療」*の医療連携体制の構築が各都道府県で進められています.このような背景もあり,特に5疾病や在宅医療において問題となることが多い口腔のトラブルへの具体的対応をまとめ,医科と歯科の医療連携をスムーズにして口腔ケアを推進することを目的として編集した『5 疾病の口腔ケア――チーム医療による全身疾患対応型口腔ケアのすすめ』が2013 年に上梓されました.
 本書はこの続編として,口腔に関する実践的な理解をさらに深めるために,前書では網羅しきれず読者からも問合せを多くいただいた,臨床対応においてさらに配慮が必要となる55 のテーマ(Question)に対して,各分野の専門家の方がたから,臨床症例および研究のエビデンスも含めて回答・解説(Answer)をいただくという構成で編集を行いました.

近年の5疾病の罹患率と死亡率
 5 疾病に関する罹患率や死亡率などについては,前書に解説があるとおり,患者調査や人口動態統計に示されています.平成23〈2011〉年患者調査(宮城県の一部および福島県を除く)によると悪性新生物298.3 万人(+ 0.5 万人,平成20〈2008〉年との比較),脳血管疾患283.8 万人(-35.5 万人),心疾患192.3 万人(+ 3.8 万人),糖尿病232.4 万人(+ 18.2 万人),精神疾患503.5 万人(-30.3 万人)であり,脳血管疾患や精神疾患が減少し,悪性新生物や心疾患,糖尿病が増加していることがわかります.また平成26〈2014〉年人口動態統計(確定数)によると,人口10 万あたりの死亡率は,がん293.5(+3.2,2013 年との比較),心疾患157.0(+ 0.5),肺炎95.4(-2.4),脳血管疾患91.1(-3.0),老衰60.1(+ 4.6),不慮の事故31.1(-0.4)であり,がんと老衰の死亡率が上昇していますが,脳血管疾患と肺炎は減少しています.

慢性期医療施設での調査にみる5疾病の現状
 5疾病に関しては上述のように大規模な年次統計調査報告がありますが,より詳細な調査報告はみられません.そこで,慢性期高齢患者の多い札幌西円山病院に2000〜 2011 年に在院した65 歳以上の高齢者3,562 人(男性1,203 人:平均年齢82.0± 7.9 歳,女性2,359 人:86.1± 7.9 歳,死亡例1,881 人:86.8± 7.8 歳)について5疾病に関して調査した結果から,高齢者と5疾病の現状の一端を考えてみます.

5疾病罹患率・合併率(Table 1)
 3,562 人中,5 疾病いずれかに罹患している者は49.9%(男性50.8%,女性49.4%)であり,脳血管疾患が30.1%(男性34.1%,女性28.1%),精神疾患が10.8%(男性6.5%,女性13.1%)と多く,特に女性の精神疾患の罹患率は,アルツハイマー病,脳血管性認知症,その他の精神疾患のいずれにおいても男性の約2倍でした.
 また5 疾病いずれか2 疾患の複合罹患している者の割合は26.9%(男性26.4%,女性27.1%)であり,男女比をみてみると,男性はがんと糖尿病,がんと脳血管疾患に複合罹患している割合が2 倍以上,女性は心疾患とがん,心疾患と精神疾患の複合罹患が2 倍以上でした.さらに3疾患に複合罹患している者の割合は5.2%(男性5.8%,女性4.8%)であり,4疾患,5疾患の複合罹患患者はわずかでした.また5 疾患いずれにも罹患していない者は17.8%(男性16.9%,女性18.4%)でした.

死亡症例の平均寿命(Table 2)
 死亡例1,881 人(86.8± 7.8 歳,男性633 人,女性1,248 人)について,疾患ごとに平均寿命を調査しました.
 男性はいずれの疾患に罹患していても平均寿命(平成25 年簡易生命表)よりも長命であり,これは病院に入院し適切な医療・看護・介護を受けていることが大きな要因と考えられました.女性はがん単独罹患と5 疾病いずれにも罹患していないと,平均寿命よりも短命でした.また5 疾病の中で,男女ともに精神疾患に罹患している人は最も長命であり,これに対し男性は糖尿病,女性はがんに罹患していると短命でした.

5疾病と生命予後の関係(Fig.1〜4)
 Kaplan-Meier法にて5疾病の生命予後について解析しました.Fig.1 に男性,Fig.2 に女性の5 疾病のうち単独疾患罹患者における累積生存率を示しますが,男女ともに各疾患間に有意差が認められ,生命予後は精神疾患がよく,糖尿病が悪いという結果でした.
 また同様に2疾病の複合罹患患者についての生命予後について解析したところ(男性;Fig.3,女性;Fig.4),脳血管疾患との複合罹患患者の累積生存率が示すように,精神疾患との複合罹患患者の生命予後がよく,糖尿病は悪いという結果でした.これは心疾患,がんとの複合罹患患者でも同じ結果であり,前述のように2011 年(232.4 万人)は2008 年比18.2 万人もの患者増である糖尿病に対する対策が必要であり,急務であると考えられます.

 これらはあくまで一慢性期病院に入院する高齢患者についての分析であり,わが国における全体像とはいえませんが,少なくとも慢性期病院入院中の高齢者の終末期には6人のうち5人前後が5疾病に罹患し,特に糖尿病に罹患するとその生命予後は悪いなど,多くの示唆を得ることができました.

 人口構造の高齢化が進行することと並行して,このように高齢者の多くが5疾病に罹患し,生命予後への悪影響を及ぼしていると考えられる今日,気道感染予防や,摂食嚥下機能および口腔機能の維持・向上を図るために適切な口腔ケアを実践し,ADLやQOLを支え続けることが求められています.
 国を挙げて5 疾病への対策が進められる中で,医科・歯科および多職種が連携して,5 疾病罹患者の口腔のさまざまなトラブルに対して適切に対応できるよう,本書が口腔ケア推進の一助になることを願ってやみません.

 2015 年12 月
 編者代表 藤本篤士(渓仁会 札幌西円山病院 歯科)
 今日の5 疾病Overview 『続5 疾病の口腔ケア』発刊にあたって(藤本篤士)
0 口腔ケア実践の基本ノウハウ
 from Editor 一歩進んだ口腔ケアの検討・実践のために(武井典子)
 Q01 有病者の口腔ケアと摂食嚥下リハビリテーションのとらえ方を教えてください(植田耕一郎)
  リハビリテーションが必要な口腔とはつの側面からのアプローチによる口腔ケア/歯垢除去効果の前に行為を評価
 Q02 発熱もせず寝たきりで覚醒もしていない患者に口腔ケアは必要なのですか?(藤本篤士)
  寝たきりでも発熱や肺炎のリスク管理に口腔ケアが必要
 Q03 口から食べていない胃ろうやTPNの患者になぜ口腔ケアが必要なのですか?(藤本篤士)
  口腔の保清に対する疑問/口腔の汚れとは/口腔の保清と自浄性/胃ろうやTPNと口腔
 Q04 口腔ケア時の姿勢にはどのような配慮が必要ですか?(金谷里砂)
  口腔ケア前のポジショニングについての基本的な考え方/ポジショニングの具体例/口腔ケア前のポジショニングで口腔ケアの質をさらに上げる
 Q05 口腔ケアを開始するに際し,各期にわたり標準化した口腔アセスメントツールはありますか?(金久弥生)
  各種口腔アセスメントについて/口腔ケアの目標設定のためのグループ分類
 Q06 地域に口腔ケアを広めるための,歯科医院の経営的・経済的視点について教えてください(三幣利克)
  経営的・経済的視点からみた地域への口腔ケア拡大の必要性/効率的に地域に口腔ケアを広めるための要件
 Q07 有病者の口腔ケアを行える歯科衛生士を育成するために,どのような教育が行われていますか?(武井典子)
  有病者への口腔ケアについての学校教育(歯科衛生士教育)/継続教育としての生涯研修およびキャリアアップを支える認定制度/歯科衛生研究の推進/多職種との連携の強化
 Editor's Keynote “5 疾病の口腔ケア” を実践するうえでの基本的な考え方(武井典子)
1 がんと口腔ケア
 from Editor がんの治療法に即した多職種による口腔ケアの実践(東森秀年)
 Q08 がん患者の周術期口腔機能管理を病院から依頼されました.具体的に何を行い,何をしてはいけないのでしょうか?(上野尚雄)
  がん治療の内容にあわせた口腔機能管理/リスクのアセスメントに基づく口腔機能管理計画立案/円滑な医科歯科連携
 Q09 生理食塩液の含嗽を頻繁に行っていますが,粘膜の痛みが強く食欲不振です.どうしたらよいでしょうか(多比良祐子)
  疼痛の除痛と二次感染の予防/栄養状態の改善・維持
 Q10 口腔内症状の出やすい化学療法薬(抗がん薬)やレジメンについて教えてください(臼渕公敏)
  口腔有害事象/レジメン/全身状態/口腔環境
 Q11 外来療法中の患者の抗がん薬のレジメンと口腔粘膜炎発症の関係について教えてください(立本行宏)
  対象となる抗がん薬のレジメンを知る/口腔粘膜炎の発症機序/各抗がん薬のプロトコルにおける口腔粘膜炎の関連/外来化学療法患者への歯科的介入
 Q12 造血幹細胞移植症例の口腔ケアについて教えてください(池上由美子)
  造血幹細胞移植患者への口腔ケアアセスメントのポイント/造血幹細胞移植後の口腔ケアにおける留意点
 Q13 終末期で口腔乾燥,ステロイド投与,絶食,不穏や意識障害など,さまざまな要因で口腔ケアが困難な症例の口腔ケアについて教えてください(東森秀年,冨本麻美)
  日常的な保湿が重要/強いくいしばりへの対応/口腔ケアの実際/口腔ケアをいやがる患者への対応
 Q14 食道がん手術予定の患者の術前・術後の口腔管理を教えてください(原野雅生,中野 誠)
  食道がんの特徴と口腔機能管理の留意点/食道がん手術患者への口腔機能管理・口腔ケアの効果/食道がん手術前の口腔機能管理/食道がん手術後の口腔機能管理
 Q15 緩和医療における口腔ケアの効果と意義を教えてください(宮下清美,冨本麻美,東森秀年)
  終末期の口腔内の環境/口腔ケアの落とし穴の時期/終末期の「食」を支援する意義/家族ができる支援/精神的ケアとしての口腔ケア/グリーフケアとしての役割
 Q16 舌がんで半側切除手術予定の患者がいます.術前・術後の口腔管理を教えてください(片倉 朗)
  舌がん半側切除手術の特徴に即した管理計画の立案/手術直後の口腔衛生管理/咀嚼と嚥下機能の回復を図る口腔機能管理
 Q17 舌がん以外の口腔がんの各種治療前後における口腔の管理について教えてください(大亦哲司)
  手術適応患者への口腔管理/化学療法・放射線療法・化学放射線療法適応患者への口腔管理
 Q18 口腔がんで手術が適応ではなく経過観察症例となりましたが,腫瘍が舌下部で大きくなってきています.どう対応すべきでしょうか(上田倫弘)
  舌下部にできる腫瘍と治療/手術適応外患者の管理
 Q19 頭頸部がんの放射線治療を行うにあたって,放射線治療前から治療中,治療後の一連における口腔ケアについて教えてください(勝良剛詞)
  放射線治療前の口腔ケア/放射線治療中の口腔ケア/放射線治療後の口腔ケア
 Q20 小児のがん患者への口腔ケアについて教えてください(福永暁子,大橋正子)
  小児がん患者への口腔ケアのポイント/患児・家族への口腔ケア指導のポイント
 Editor's Keynote 支持療法としての口腔ケアの意義とポイント(東森秀年)
2 脳卒中と口腔ケア
 from Editor 罹患後長期にわたって,各病期・各所に応じた対応が必要になる脳卒中患者への口腔ケア(糸田昌隆)
 Q21 脳卒中の治療はどのように行うのでしょうか.くも膜下出血,脳梗塞,脳出血で症状などの違いはありますか? また口腔に現れる症状にも違いはありますか?(高畠英昭)
  脳卒中の概要/脳卒中の治療/各病型における症状の違い/脳卒中後に口腔に現れる症状
 Q22 脳卒中により損傷を受けた部位によって,口腔にみられる特徴的な症状や症候,障害はありますか?(梅本安則)
  錐体路障害/球麻痺/失調/口腔顔面失行
 Q23 脳卒中周術期における口腔ケアの必要性とその効果は?(前田圭介)
 Q24 脳卒中の治療中(主に投薬治療)の患者への口腔ケア実施の際に注意する点はありますか?(齊藤美香)
 Q25 口腔保湿剤の特徴と選択法を教えてください(藤本篤士)
  唾液と口腔乾燥/口腔保湿剤の物性/口腔保湿剤の使用目的
 Q26 経鼻経管やPEG(経皮的内視鏡的胃ろう造設)などによる経腸栄養管理中の患者の口腔にみられる症状はありますか? 口腔ケアの注意点は?(長尾菜緒)
  経腸栄養管理中の口腔の特徴とケア/経腸栄養の合併症の観察・対応の留意点
 Q27 亜急性期とはどのような症状・病態ですか? 亜急性期での対応は急性期と違いがありますか?(岸本裕充,長谷川陽子)
  脳卒中発症後の時期区分/亜急性期におけるオーラルマネジメント
 Q28 亜急性期では,口腔ケアを行うとバイタルサインに著しい変化がある患者がいます.各種バイタルサインの診方を教えてください.また,口腔機能へのアプローチを開始するタイミングは?(佐藤理恵)
  脳卒中患者における誤嚥のリスク/誤嚥・窒息のリスク管理に配慮した口腔ケア
 Q29 脳卒中のリハビリテーションにおける機能回復の手技・手法で,口腔機能回復に応用できるメソッドはありますか?(梅本安則)
  脳卒中リハビリテーションにおける口腔ケアの目的/急性期のリハビリテーションのエビデンスと口腔機能訓練への応用/亜急性期・回復期のリハビリテーションのエビデンスと口腔機能訓練への応用
 Q30 口腔機能を回復するアプローチ法にはどのようなものがありますか? また回復した機能をできるだけ維持するにはどのようにしてもらえばよいですか?(貴島真佐子,糸田昌隆)
  口腔機能へのアプローチ法/口腔機能へのアプローチ法の進め方
 Q31 最近食事をとりにくくなっている人がいます.どのように対処すればよいですか? 安全な食事形態とは? また食事形態の調整にはどのような方法がありますか?(須佐千明)
  食事がとりにくくなっている人への対処/安全な食形態とは/食形態の調整法
 Q32 介護保険施設で口腔ケアを行いたいのですが,口腔ケアの基本的な手順を教えてください.また保険点数は算定できますか?(坂東達矢)
  介護保険施設における口腔ケア/介護保険施設における口腔ケアの保険点数算定
 Q33 誤嚥防止のための外科手術があると聞いたことがありますが,どのようなものでしょうか?(金沢英哲)
  嚥下機能改善手術/誤嚥防止手術/喉頭蓋管形成術
 Q34 開口障害やくいしばり,逆に開口しすぎて易顎関節脱臼する場合の対応法を教えてください(梅本丈二)
  開口障害やくいしばりの患者への対応/易顎関節脱臼の患者への対応/開口障害や易顎関節脱臼の患者への口腔ケア
 Editor's Keynote 脳卒中の口腔ケアの必須性と多様性(糸田昌隆)
3 急性心筋梗塞と口腔ケア
 from Editor “急性期”の口腔ケア(大野友久)
 Q35 再灌流療法後の患者の口腔ケア時に注意すべきことはありますか?(大石佐奈美)
 Q36 経口挿管中の患者の口腔ケアの注意点を教えてください(石井美和)
 Q37 経口挿管中など呼吸療法中の患者の口腔ケアの必要性,特殊性,注意点を教えてください(夏井一生)
  経口挿管中の患者で起こりうる口腔の問題点とVAPについて/経口挿管中の患者の口腔ケアにおける観察ポイントと開始タイミング
 Q38 経口挿管中の患者に口腔洗浄は必要でしょうか?(松尾浩一郎)
 Q39 急性心筋梗塞で経口挿管されていますが,動揺歯があり脱落のリスクがあります.どうしたらよいでしょうか?(大渡凡人)
 Q40 心筋梗塞の急性期で経口挿管されている患者です.口腔内に歯の欠損があり,入院前は義歯を使用していたようです.義歯はどうしたらよいでしょうか?(西川利恵)
  気管挿管中の口腔環境/気管挿管中の義歯装着の適否/気管挿管中に義歯を装着する場合
 Q41 経口挿管中で意識障害があり頬粘膜咬傷など口腔粘膜の損傷があります.どうしたらよいでしょうか?(鴨田勇司)
  粘膜損傷への対応法
 Q42 経口挿管中で口腔粘膜にチューブやバイトブロックによる潰瘍形成があります.どのように対応すべきでしょうか(寺田 泉)
  経口挿管中の口唇・口腔粘膜の潰瘍形成/褥瘡性潰瘍への対応/褥瘡性潰瘍以外の原因による口内炎への対応
 Q43 心不全の患者ですが,なぜか舌が口腔外にはみ出してきます.対応方法はありますか?(高柳久与)
  舌の浮腫への対応/舌浮腫のある患者の口腔管理
 Q44 感染性心内膜炎発症後で弁置換術予定の患者の周術期の口腔ケア,歯科治療で注意すべきポイントを教えてください(`島桂子,内藤慶子)
  感染性心内膜炎と周術期口腔機能管理の意義と注意点/心臓血管外科の周術期口腔機能管理の流れ・口腔ケア
 Editor's Keynote 急性期医療への歯科医療従事者介入の必要性について(大野友久)
4 糖尿病と口腔ケア
 from Editor 糖尿病と歯周病の双方向性の関連性(永田俊彦)
 Q45 糖尿病腎症と透析治療の概要を教えてください(小松まち子)
  糖尿病腎症の成因と経過/糖尿病腎症の病期分類と診断/慢性腎臓病(CKD)との関係/糖尿病腎症の治療
 Q46 糖尿病をもつ歯周病患者に歯石除去やルートプレーニングなどの簡単な歯科処置を行う際,菌血症に配慮する必要はありますか?(両角俊哉,吉江弘正)
  糖尿病をもつ歯周病患者と菌血症のかかわり/菌血症予防に配慮した歯科治療
 Q47 糖尿病で薬物性歯肉増殖症を合併している歯周病患者へどのように対応したらよいですか?(二宮雅美)
  糖尿病をもつ歯周病患者における薬物性歯肉増殖症/薬物性歯肉増殖症を合併した患者への対応
 Q48 糖尿病の状態によって歯周病の治療効果や血糖値の改善度に差がありますか?(西村英紀)
  血糖値と歯周治療の効果のかかわり/歯周治療と血糖コントロール改善のかかわり/血糖コントロールと炎症コントロールの相関性
 Q49 慢性腎不全の透析患者や腎移植患者の口腔内に特徴的な所見がみられますか?(又賀 泉)
  慢性腎不全による透析患者の口腔の特徴と歯科的対応/慢性腎不全による腎移植患者の口腔の特徴と歯科的対応
 Q50 透析患者の口腔ケアおよび歯科治療時の問題点について教えてください(板東高志)
  透析患者への口腔ケア/歯科治療の臨床的意義/透析患者への口腔ケア/歯科治療時の問題点と対応/口腔ケア/歯科治療のための体制作り
 Editor's Keynote 糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン(永田俊彦)
5 精神疾患と口腔ケア
 from Editor 増加し続ける精神疾患患者への対応(藤本篤士)
 Q51 統合失調症患者では歯の保存より抜歯を優先したほうがよいのでしょうか?(弘中祥司)
  統合失調症とは/各病期における歯科治療(特に抜歯)の検討
 Q52 過鎮静状態の患者は誤嚥リスクが高く口腔ケアが行えません.どうしたらよいでしょうか?また,このような患者の口腔に関する注意点を教えてください(橋清美,花木かおる)
  抗精神病薬の作用と摂食嚥下障害の関連/過鎮静状態の患者への口腔ケア
 Q53 認知症の人に口腔ケアを行う際に,アルツハイマー病,血管性認知症,レビー小体型認知症では,対応や方法に配慮すべき点はありますか?(枝広あや子)
  認知症の症状・治療が口腔に及ぼす影響/認知症の人への口腔ケア時の留意点
 Q54 在宅の重症認知症患者について,訪問看護師やケアマネージャーが口腔に関して必要としている情報は何でしょうか?(建宮実和)
  本人の意思が尊重される支援のあり方/最期まで「口から食べられる」ために/終末期の口渇と口腔ケア
 Q55 認知症で摂食嚥下障害がある患者の口腔ケアにおいて注意すべき点やポイントを教えてください(野原幹司)
  認知症の進行と口腔ケア/誤嚥がある認知症患者への口腔ケア/口腔ケアの目的を明確に
 Editor's Keynote 認知症患者に口腔ケアをいつ・どのように指導すべきか(藤本篤士)

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