序にかえて
1999年10月 品田和美
この本は,診療室に新人歯科衛生士を迎えた場合に「何から取り組んでもらうか」という視点でまとめました.当院の場合をもとにして,勤務し始めたときからスタートし,1週間後,1カ月後,3カ月後……という節目ごとに,取り組みやすいことからステップを踏んで仕事になじめるようにと考えました.
教える側としては,「医院の基本」となるところを提示していくわけですが,このとき,誰が教えても同じ内容を伝えられることが大切です.簡単な院内マニュアルがあると伝えることが統一され,新人にも,教える側にも便利です.
マニュアルとか基本などというと機械的な味気なさを感じてしまわれるかもしれませんが,真意は実は次のステップが充実するために,必要なプロセスをきちんと体得してほしいと願ってのメッセージをこめたつもりです.日常臨床は,そのつど考えることが求められるいわば応用編といえるものです.「基本となること」や「医院のルール」など,そのつもりになれば簡単に覚えられることを,早く身につけて,自信をもって仕事をしていただけたらと思います.
また,「な〜んだ,基本どおりのことをやればいいんだ.もうわかっていることだ」と感じられた方も多いと思います.そんな皆さんには,後輩に伝授するための医院独自のマニュアル作りの「たたき台」にという視点でご一読ください.
当医院におけるアシスタントワークの紹介となりました本書ですので,それぞれの項目の内容については,専門書を参照していただければと思います.
つたない表現ではありますが,「患者さんに安心して,信頼してもらえる歯科衛生士になりたい!!」という思いをすこしでも感じていただけたら,このうえない幸せです.
最後にこのような機会を与えていただいた黒田昌彦院長,ならびに当院スタッフに誌面をかりて,心より感謝を申し上げます.
(本書は,月刊デンタルハイジーンに10回にわたり連載(1997年5月〜1998年5月)したものに加筆・修正し,まとめたものです)
院長の立場から
1999年10月 黒田昌彦
スタッフが永く辞めないで勤めてくれたら,どんなによいだろうと思うのは,私だけではないでしょう.ようやくみんなが慣れてくれて,仕事がスムーズに進むようになってホッとしたころにかぎって,誰かが辞めたいと言ってくるのが実状です.
「患者さんのためによい医院でありたい」,「患者さんとの関わりを永くもちたい」と思えば思うほど,医院の質を一定レベルで維持することが必須の条件となります.もし,スタッフの入れ替わりが避けられないものなら,その交代をスムーズにしたいものです.そのためには新人スタッフには早く一人前になってもらわなくてはなりませんが,そこでは,新人教育システムがしっかりしていること,マニュアルが完備していることがまず第一の要件となります.
この本には,当医院での未熟なマニュアルをそのまま掲載してありますが,システムを公開するに際しては,わが家の台所を披露するのに似た気おくれもありました.しかし,このことが若い歯科医や歯科衛生士さんのシステムづくりのお役に立てれば幸いです.
マニュアル作りは,最初から完璧を期するのではなく,まず大切なことは第一歩の行動を起こすこと,医院のポリシーや院長の姿勢がそこに出てくることです.
歯科衛生士にとってアシスタント業務が必要なの?と思われたり,軽視されることは,とても残念に思います.プラークコントロールやルートプレーニングがしっかりできることだけではなく,患者さんが安心できること,心地よく感じられること,快適に過ごせること,なども診療室の機能として求めていきたいからです.
「よきアシスタントこそよい歯科衛生士だ」という私のモットーをみなさんに贈りながら,この本が,歯科衛生士の新人教育や,そして医院のシステムづくりにたずさわることでベテラン歯科衛生士が育つことのお手伝いができることを願っています.
1999年10月 品田和美
この本は,診療室に新人歯科衛生士を迎えた場合に「何から取り組んでもらうか」という視点でまとめました.当院の場合をもとにして,勤務し始めたときからスタートし,1週間後,1カ月後,3カ月後……という節目ごとに,取り組みやすいことからステップを踏んで仕事になじめるようにと考えました.
教える側としては,「医院の基本」となるところを提示していくわけですが,このとき,誰が教えても同じ内容を伝えられることが大切です.簡単な院内マニュアルがあると伝えることが統一され,新人にも,教える側にも便利です.
マニュアルとか基本などというと機械的な味気なさを感じてしまわれるかもしれませんが,真意は実は次のステップが充実するために,必要なプロセスをきちんと体得してほしいと願ってのメッセージをこめたつもりです.日常臨床は,そのつど考えることが求められるいわば応用編といえるものです.「基本となること」や「医院のルール」など,そのつもりになれば簡単に覚えられることを,早く身につけて,自信をもって仕事をしていただけたらと思います.
また,「な〜んだ,基本どおりのことをやればいいんだ.もうわかっていることだ」と感じられた方も多いと思います.そんな皆さんには,後輩に伝授するための医院独自のマニュアル作りの「たたき台」にという視点でご一読ください.
当医院におけるアシスタントワークの紹介となりました本書ですので,それぞれの項目の内容については,専門書を参照していただければと思います.
つたない表現ではありますが,「患者さんに安心して,信頼してもらえる歯科衛生士になりたい!!」という思いをすこしでも感じていただけたら,このうえない幸せです.
最後にこのような機会を与えていただいた黒田昌彦院長,ならびに当院スタッフに誌面をかりて,心より感謝を申し上げます.
(本書は,月刊デンタルハイジーンに10回にわたり連載(1997年5月〜1998年5月)したものに加筆・修正し,まとめたものです)
院長の立場から
1999年10月 黒田昌彦
スタッフが永く辞めないで勤めてくれたら,どんなによいだろうと思うのは,私だけではないでしょう.ようやくみんなが慣れてくれて,仕事がスムーズに進むようになってホッとしたころにかぎって,誰かが辞めたいと言ってくるのが実状です.
「患者さんのためによい医院でありたい」,「患者さんとの関わりを永くもちたい」と思えば思うほど,医院の質を一定レベルで維持することが必須の条件となります.もし,スタッフの入れ替わりが避けられないものなら,その交代をスムーズにしたいものです.そのためには新人スタッフには早く一人前になってもらわなくてはなりませんが,そこでは,新人教育システムがしっかりしていること,マニュアルが完備していることがまず第一の要件となります.
この本には,当医院での未熟なマニュアルをそのまま掲載してありますが,システムを公開するに際しては,わが家の台所を披露するのに似た気おくれもありました.しかし,このことが若い歯科医や歯科衛生士さんのシステムづくりのお役に立てれば幸いです.
マニュアル作りは,最初から完璧を期するのではなく,まず大切なことは第一歩の行動を起こすこと,医院のポリシーや院長の姿勢がそこに出てくることです.
歯科衛生士にとってアシスタント業務が必要なの?と思われたり,軽視されることは,とても残念に思います.プラークコントロールやルートプレーニングがしっかりできることだけではなく,患者さんが安心できること,心地よく感じられること,快適に過ごせること,なども診療室の機能として求めていきたいからです.
「よきアシスタントこそよい歯科衛生士だ」という私のモットーをみなさんに贈りながら,この本が,歯科衛生士の新人教育や,そして医院のシステムづくりにたずさわることでベテラン歯科衛生士が育つことのお手伝いができることを願っています.
序にかえて・院長の立場から ……2
1章 診療室に慣れよう―基本を大切に―
1 早く,楽しく,仕事を覚えるために目標を設定しよう……8
楽しく仕事をするために……8
基本を積み重ねる時期……8
優先順位を考える……9
コラム:受け入れる側の方々へ……11
患者さんを担当するまでの準備期間……12
コラム:院長からひとこと……14
2章 理解して覚えること―最初の1カ月―
1 朝の準備,帰りの片づけと掃除,消毒と滅菌……18
仕事のステップ1・2・3……18
朝の準備……18
コラム:新人からひとこと言わせて……20
診療終了後のあと片づけ……22
週末の掃除……26
コラム:先輩のひとりごと……27
2 アシスタントワークにつく前に確認を!……28
基本操作……28
コラム:患者さんの立場になってみる……30
キャビネットにはいっている「物」の把握……32
患者さんごとの片づけ……36
X線写真の現像……38
現像が終わったら……40
X線写真の保存・整理……42
3章 理解して練習が必要なこと ―一歩先を考えよう―
1 治療内容の把握・準備とアシスタントワークの手順……44
第二段階にはいりました・一歩先を読むことを目標に!……44
マニュアルがあると便利……44
コラム:教える側の皆さんへ……49
準備と手順を確実にするためのコツ……50
「一歩先を読む」習慣をつけよう!……50
2 バキューム,スリーウェイシリンジ・操作とポジショニング……52
チェアサイドに行く前に……52
フォーハンドで行う操作の役割と目的を確認しよう!……52
コラム:術者からの要望……53
治療部位によるポジションの決定……54
三者への心配りをしよう!……62
コラム:新人さんへひとこと……63
3 印象採得と補綴物装着のポイント……64
次の目標のために……64
印象採得……65
補綴物の装着……68
コラム:油断しないで!……71
4 口腔内写真撮影のアシスタント……72
自分で気づいて工夫する……72
口腔内写真の活用……72
どんな場面で使うか……76
撮影のアシスタント……77
スライドの整理方法……80
コラム:歯肉の変化……82
4章 見て,聞いて覚えること ―患者さんへの対応へ―
1 患者さんの視点で考えてみよう!……86
来院してよかったと感じてもらうために……86
患者さんの視線で見ると……86
その患者さんの年齢になってみる……89
2 患者さんの日常を知るための手がかり……92
新発見のカギ……92
患者さんによって治療の経緯はさまざま……92
歯ブラシからの情報は興味深い……93
3 情報の生かし方・伝え方……100
目で見てわかる情報……100
質問をしてさらに深める情報……101
情報の伝え方,受け方……104
4 患者さんへの対応……108
1章 診療室に慣れよう―基本を大切に―
1 早く,楽しく,仕事を覚えるために目標を設定しよう……8
楽しく仕事をするために……8
基本を積み重ねる時期……8
優先順位を考える……9
コラム:受け入れる側の方々へ……11
患者さんを担当するまでの準備期間……12
コラム:院長からひとこと……14
2章 理解して覚えること―最初の1カ月―
1 朝の準備,帰りの片づけと掃除,消毒と滅菌……18
仕事のステップ1・2・3……18
朝の準備……18
コラム:新人からひとこと言わせて……20
診療終了後のあと片づけ……22
週末の掃除……26
コラム:先輩のひとりごと……27
2 アシスタントワークにつく前に確認を!……28
基本操作……28
コラム:患者さんの立場になってみる……30
キャビネットにはいっている「物」の把握……32
患者さんごとの片づけ……36
X線写真の現像……38
現像が終わったら……40
X線写真の保存・整理……42
3章 理解して練習が必要なこと ―一歩先を考えよう―
1 治療内容の把握・準備とアシスタントワークの手順……44
第二段階にはいりました・一歩先を読むことを目標に!……44
マニュアルがあると便利……44
コラム:教える側の皆さんへ……49
準備と手順を確実にするためのコツ……50
「一歩先を読む」習慣をつけよう!……50
2 バキューム,スリーウェイシリンジ・操作とポジショニング……52
チェアサイドに行く前に……52
フォーハンドで行う操作の役割と目的を確認しよう!……52
コラム:術者からの要望……53
治療部位によるポジションの決定……54
三者への心配りをしよう!……62
コラム:新人さんへひとこと……63
3 印象採得と補綴物装着のポイント……64
次の目標のために……64
印象採得……65
補綴物の装着……68
コラム:油断しないで!……71
4 口腔内写真撮影のアシスタント……72
自分で気づいて工夫する……72
口腔内写真の活用……72
どんな場面で使うか……76
撮影のアシスタント……77
スライドの整理方法……80
コラム:歯肉の変化……82
4章 見て,聞いて覚えること ―患者さんへの対応へ―
1 患者さんの視点で考えてみよう!……86
来院してよかったと感じてもらうために……86
患者さんの視線で見ると……86
その患者さんの年齢になってみる……89
2 患者さんの日常を知るための手がかり……92
新発見のカギ……92
患者さんによって治療の経緯はさまざま……92
歯ブラシからの情報は興味深い……93
3 情報の生かし方・伝え方……100
目で見てわかる情報……100
質問をしてさらに深める情報……101
情報の伝え方,受け方……104
4 患者さんへの対応……108