やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

「ホワイトニング・コードブック」―まえがきにかえて―

 「コードブック」とは,暗号の一形態であるコードを記載した電信暗号帳のことで,一見ランダムな数字,アルファベットの羅列から本来の意味を読み取るための必須アイテムといえます.
 ホワイトニングを歯界展望の別冊企画としたのは,正しく認識していただくことで普及率をさらに向上させたいことが大きな理由です.ホワイトニングは暗号ではないとしても,歯科医により見解が異なり,総体的に見た場合に情報の整合性に乏しいことを否定できません.本別冊をコードブック的に使用することで,ホワイトニングを正しく認識する際の難解さが解消されれば,執筆者陣も本望ではないでしょうか.
 今回,執筆者の多くは,編者がチェアマンを務めるLEADING DENTISTS ASSOCIATION(略称:LDA)のメンバーですが,数多い有能な人材のなかからあえて「一つの事柄を深く掘り下げる力量と,多面的視点から事象を観察する能力を併せ持つ」ことを基準に担当者を選定いたしました.メンバー以外からも,明確にメッセージが伝わるような講演・研究発表を展開している方々に加わっていただき,内容を充実させたつもりです.また,臨床上でホワイトニングに隣接するジャンルにも触れて応用範囲を拡張させていますので,明日からの臨床に役立つヒントやキーワードも見つかるはずです.
 さらに,数多くの海外の先生方に登場していただき,「海外ではどのような治療が行われているか」,「日本をどのようにとらえているか」も重要項目の一つとしてお伝えします.日本の歯科事情を知ることも大切ですが,ホワイトニングは海外事情を踏まえて考えねばならないジャンルです.グローバルなムーブメントという認識がホワイトニングへのアプローチをさらに容易にしてくれると思います.
 最後に,残念なことに故人となりましたが,わが国にホワイトニングを広める機会を与えてくれたSHOFU CORPORATION USAのMr.RICHARD STANLEYの足跡をここに記録として残すとともに,日本で最初のホワイトニング剤「ハイライト」を販売した松風の貢献度の高さを称えたいと思います.
 2003年5月
 編者 近藤隆一
「ホワイトニング・コードブック」-まえがきにかえて- 近藤隆一

第1章 ホワイトニングについてまずこれだけは知っておこう
 ホワイトニングが歯科診療にもたらすもの 近藤隆一
 オフィス・ホワイトニグとホーム・ホワイトニング 山本達郎
 ホワイトニングのメカニズム 川原 大
 歯の色彩とホワイトニング 細矢由美子
 ホワイトニングの安全性と有効性 宮崎真至
 ホワイトニングの歴史 金子 潤
第2章 ホワイトニングを臨床に応用しよう
 ホワイトニングの診査・診断と適応症 永井茂之
 ホワイトニングの基本的な術式 三宅重光
 ホワイトニングにおけるPMTCの重要性 土屋和子
 ホワイトニング・シェードに対応した技工テクニック 畑田浩幸
 ホワイトニング・シェードの審美保存修復 天川由美子
 ホワイトニング・シェードの審美補綴 土屋賢司
第3章 ホワイトニングを軸とする歯列矯正で審美に対応しよう
 矯正歯科外来患者のホワイトニングに関する意識調査からみえてくるもの 宮崎晴代
 歯列矯正とホワイトニング―主に舌側矯正との関連から― 竹元京人
第4章 海外のホワイトニング応用例を知ろう
 韓国におけるホワイトニング So-Ran Kwon
 インドネシアにおけるホワイトニング Robert H.Dharma,Irene Maya Dewayani
 ホワイトニングとラミネートベニアによる審美歯科治療 Claude Finelle
 有髄歯のオフィス・ホワイトニングとホーム・ホワイトニング Dan E.Fischer,Jaimee'Morgan
 ホワイトニングにおける治療期間と料金体系 Van B.Haywood
第5章 ホワイトニング実践の周辺環境を知ろう
 ホワイトニングを始めるにあたって 大原盛勝
 ホワイトニングにおけるマーケティング 中井宏昌
 日本におけるホワイトニングの将来性 Sandra Cakebread
 メーカーからみるホワイトニングの現状と期待 平田昌弘
 日本におけるホワイトニング市場のゆくえ-メーカー・サイドからのコメント- 岩井賢吾

 ホワイトニング関連器材・薬剤一覧 福森 暁・豊山洋輔
 ホワイトニング関連器材・薬剤の入手方法 近藤隆一
 ホワイトニングFAQ 近藤隆一

 ■編著者一覧
 ■編集後記