はじめに
戸邉一之
富山大学大学院医学薬学研究部(医学)内科学第一講座
高脂肪食や運動不足などのエネルギー過剰の生活習慣による肥満と,インスリン抵抗性を基盤にした高血圧・糖尿病・脂質代謝異常などの危険因子を複数有するメタボリック症候群型の2型糖尿病の患者が急増している.基本病態はエネルギー過剰状態にある.皮下脂肪の機能の低下による内臓脂肪組織過剰の脂肪の蓄積に伴い発生する活性酸素,低酸素状態により,多くの炎症に関与する免疫細胞が集積する.2003年にFerranteとChenのグループが独立に,肥満の脂肪組織には,炎症性サイトカインを高発現するマクロファージが集積することを『Journal of Clinical Investigation』に発表して以来,脂肪組織と免疫細胞の研究は“アディポカイン“や“内臓脂肪と慢性炎症”の研究分野とともに相乗的に発展してきた.アディポカインの研究は,1987年のFlierによるAdipsin,1993年のHotamisligilらのTNF-α,1995〜1996年のアディポネクチンの発見と続く.このなかで,TNF-αを発現する主要な細胞が脂肪細胞なのか他の細胞なのか議論があったが,2003年のFerranteやChenの報告によりマクロファージであることが明確になった.本来,感染防御の役割を果たす免疫細胞がエネルギー過剰の状態に反応して活性化し,炎症からインスリン抵抗性を誘導するという魅力的な仮説であった.マクロファージが中心プレイヤーと考えられていたが,その後の報告で,想像以上に多種類の免疫細胞が関与し,自然免疫のみならず獲得免疫系の活性化も同時に起こっていることがしだいに明らかになってきた.しかしながら,これらの免疫細胞が作り出すネットワークの全貌はかならずしも明らかになっていない.すなわち,肥満の初期に活性化するのはどのような免疫細胞なのか,そのトリガーは何か,そしてどのようなcascadeで“脂肪組織の慢性炎症”という状態がもたらされるのかなどが十分に明らかにされていない.また最近では,マクロファージを中心として細胞内代謝を変える因子(mTORパスウェイ,HIF-1αパスウェイ,脂肪酸合成を調節するパスウェイなど)が炎症を調節していることも判明した.全身の代謝が脂肪組織の免疫細胞の活性化を調節し,それがまた全身の代謝を調節する.また,免疫細胞の細胞内代謝状態がその免疫細胞の機能を調節するという“代謝と免疫細胞機能調節”に関して,多層的・多次元的な理解が必要である.
本特集では,わが国を代表する研究者により,おもに脂肪組織を舞台として“代謝調節における免疫細胞の役割”に関する総説をいただいた.読者のこの分野の理解を助けるものになれば幸いである.
戸邉一之
富山大学大学院医学薬学研究部(医学)内科学第一講座
高脂肪食や運動不足などのエネルギー過剰の生活習慣による肥満と,インスリン抵抗性を基盤にした高血圧・糖尿病・脂質代謝異常などの危険因子を複数有するメタボリック症候群型の2型糖尿病の患者が急増している.基本病態はエネルギー過剰状態にある.皮下脂肪の機能の低下による内臓脂肪組織過剰の脂肪の蓄積に伴い発生する活性酸素,低酸素状態により,多くの炎症に関与する免疫細胞が集積する.2003年にFerranteとChenのグループが独立に,肥満の脂肪組織には,炎症性サイトカインを高発現するマクロファージが集積することを『Journal of Clinical Investigation』に発表して以来,脂肪組織と免疫細胞の研究は“アディポカイン“や“内臓脂肪と慢性炎症”の研究分野とともに相乗的に発展してきた.アディポカインの研究は,1987年のFlierによるAdipsin,1993年のHotamisligilらのTNF-α,1995〜1996年のアディポネクチンの発見と続く.このなかで,TNF-αを発現する主要な細胞が脂肪細胞なのか他の細胞なのか議論があったが,2003年のFerranteやChenの報告によりマクロファージであることが明確になった.本来,感染防御の役割を果たす免疫細胞がエネルギー過剰の状態に反応して活性化し,炎症からインスリン抵抗性を誘導するという魅力的な仮説であった.マクロファージが中心プレイヤーと考えられていたが,その後の報告で,想像以上に多種類の免疫細胞が関与し,自然免疫のみならず獲得免疫系の活性化も同時に起こっていることがしだいに明らかになってきた.しかしながら,これらの免疫細胞が作り出すネットワークの全貌はかならずしも明らかになっていない.すなわち,肥満の初期に活性化するのはどのような免疫細胞なのか,そのトリガーは何か,そしてどのようなcascadeで“脂肪組織の慢性炎症”という状態がもたらされるのかなどが十分に明らかにされていない.また最近では,マクロファージを中心として細胞内代謝を変える因子(mTORパスウェイ,HIF-1αパスウェイ,脂肪酸合成を調節するパスウェイなど)が炎症を調節していることも判明した.全身の代謝が脂肪組織の免疫細胞の活性化を調節し,それがまた全身の代謝を調節する.また,免疫細胞の細胞内代謝状態がその免疫細胞の機能を調節するという“代謝と免疫細胞機能調節”に関して,多層的・多次元的な理解が必要である.
本特集では,わが国を代表する研究者により,おもに脂肪組織を舞台として“代謝調節における免疫細胞の役割”に関する総説をいただいた.読者のこの分野の理解を助けるものになれば幸いである.
はじめに(戸邉一之)
総論
1.代謝疾患における免疫細胞の役割(柴 久美子・他)
・脂肪組織炎症の制御とアディポカイン
・脂肪組織炎症におけるマクロファージの役割
・脂肪組織炎症と顆粒球
・脂肪組織炎症とリンパ球
・NAFLD・NASHにおける免疫細胞の役割
・骨格筋へのマクロファージの浸潤
2.代謝疾患における臓器連関と免疫系(大石由美子・真鍋一郎)
・脂肪組織炎症と炎症の波及による病態の拡大
・免疫系と神経系の連関
3.M/M2マクロファージの多様性とその制御(薄井 勲・戸邉一之)
・組織常在マクロファージの多様性
・マクロファージのM/M2極性と活性化
・マクロファージの極性獲得のための分子メカニズム
脂肪組織
【炎症性マクロファージを調節する分子】
4.脂肪組織の線維化を調節する分子Mincle(田中 都・菅波孝祥)
・肥満脂肪組織におけるMincle発現 ・Mincleシグナルを介する脂肪組織線維化の分子機序
・脂肪組織炎症,線維化とMincle ・異所性脂肪蓄積におけるMincleの意義
5.自然免疫センサーによる炎症性マクロファージの制御と天然薬物による炎症調節(長井良憲・津聖志)
・自然免疫センサーとメタボリックシンドローム(MetS)
・RP/MD-1による自然免疫制御
・RP/MD-1とMetS
・インフラマソームとMetS
・新規インフラマソーム阻害剤によるMetSの制御
6.CCR5による脂肪組織マクロファージの動態制御―CCR5とインスリン抵抗性(太田嗣人)
・ケモカインシステム
・脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性をつなぐケモカイン
・肥満の脂肪組織で増加するCCR5
・肥満の脂肪組織で増加するCCR5陽性マクロファージ
・CCR5の欠損は高脂肪食による脂肪組織炎症とインスリン抵抗性を減弱する
・CCR5は脂肪組織マクロファージの浸潤および極性の調節にかかわる
・骨髄選択的CCR5の欠損は脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性を改善する
・ケモカインシステムによるインスリン抵抗性の制御―課題と展望
7.脂肪組織の低酸素シグナルと炎症(瀧川章子・他)
・肥満時の脂肪組織は低酸素になる
・低酸素で働く分子HIF
・低酸素と炎症の関係
・脂肪組織の低酸素と炎症性マクロファージ
・脂肪組織におけるHIF-1αシグナル
【M2マクロファージの機能を調節する分子】
8.自然リンパ球による肥満の調節(佐々木崇晴・茂呂和世)
・自然リンパ球(ILCs)
・白色脂肪組織の“褐色化”における自然リンパ球の関与
・肥満の誘導における自然リンパ球の関与
9.疾患特異的M2マクロファージとメタボリックシンドローム(佐藤 荘)
・組織常在型マクロファージの解析
・組織常在型M2様マクロファージの分化制御メカニズム
・脂肪萎縮症の発症と脂肪組織常在型M2様マクロファージ
・メタボリックシンドロームと組織常在型M2様マクロファージ
10.M2マクロファージ機能を調節する分子:mTORパスウェイ(木村哲也)
・マクロファージと活性化
・mTOR周辺のシグナル経路
・M2マクロファージにおけるmTORシグナルの役割
・M2マクロファージ研究,mTORシグナル研究における今後の課題
11.脂肪組織内M2マクロファージの機能を調節する転写因子IRF4(江口 潤)
・マクロファージにおけるIRF4の役割
・脂肪組織内マクロファージにおけるIRF4の役割
【注目される脂肪組織の免疫細胞】
12.脂肪組織Tregの特徴と役割(小野寺俊晴・他)
・制御性T細胞(Treg)とは ・アディポネクチンと脂肪組織Treg
・脂肪組織Treg ・脂肪組織TregとIL-33
・マクロファージと脂肪組織Treg ・ヒトにおける脂肪組織Treg
13.脂肪組織における免疫バランスの可視化解析―螢光をいかに生体に使うか(西村 智)
・なぜ生体イメージングを行うのか
・脂肪組織炎症とバイオイメージング
・脂肪免疫
・バイオイメージングと脂肪組織
・脂質による脂肪組織免疫細胞の直接的賦活化作用
14.内臓脂肪の慢性炎症を惹起するヘルパーCD4T細胞とB細胞の役割(白川公亮・佐野元昭)
・内臓脂肪における“免疫細胞”がもたらす炎症のカスケード
・肥満がCD4T細胞に及ぼす影響
・内臓脂肪組織のCD4T細胞はMHC classIIを介して慢性炎症を増悪させる
・Th1細胞の機能と内臓脂肪組織における役割
・Th2細胞の機能と内臓脂肪組織における役割
・Th17細胞の機能と内臓脂肪組織における役割
・B細胞の機能
・CD4T細胞との相互作用の観点からみた内臓脂肪の慢性炎症におけるB細胞の役割
15.NKT細胞・NK細胞の脂肪組織での役割(佐藤 雅・岩渕和也)
・NKT細胞/NK細胞とは
・食餌誘導性肥満におけるNKT細胞の役割
・動脈硬化症とNKT細胞/NK細胞
・脂肪組織中のNKT細胞/NK細胞亜群
・脂肪細胞とNKT細胞/NK細胞さらにはCD4+T細胞間の相互作用
16.肥満による自己免疫疾患発症リスクと,脂肪酸代謝酵素ACC1によるTh17細胞分化制御機構(遠藤裕介・中山俊憲)
・肥満によって誘導される免疫細胞の変化
・T細胞分化における細胞内代謝の役割
・脂肪酸代謝酵素ACC1によるTh17細胞分化制御と肥満関連疾患
・RORγtの活性化機構
神経系によるマクロファージを介した炎症の調節
17.自律神経による脂肪組織マクロファージ機能の調節(箕越靖彦)
・摂食促進神経ペプチドAgRPによる脂肪組織TNF-αへの調節作用
・交感神経による脂肪組織TNF-αの発現抑制作用
・β2アドレナリン受容体とPKA(protein kinase A)によるTNF-α mRNA発現抑制作用
・βアドレナリン受容体欠損マウスと食餌性肥満マウス
18.グレリンの抗炎症メカニズム―免疫応答調節の役割(坪内拡伸・他)
・グレリンの抗炎症作用機構
・免疫細胞とグレリンシグナル
・グレリンの治療応用
腸管免疫細胞
19.腸管免疫細胞による代謝調節(中江 淳・他)
・腸内環境
・腸内細菌叢と肥満・糖代謝調節
・肥満・高脂肪食負荷による自然免疫系の変化
・肥満・高脂肪食負荷による獲得免疫系の変化
最新の解析技術
20.ヒトの単球あるいはマクロファージの解析―脂肪組織慢性炎症とリピドミクス(浅原哲子・田中将志)
・肥満脂肪組織とM/M2マクロファージ
・単球の多様性とマクロファージ分化
・肥満・2型糖尿病における単球形質と生活習慣病薬による形質改善
・単球形質と心血管病リスク・心血管イベントとの関連
・肥満・2型糖尿病とリピドミクス
21.免疫細胞の生体イメージング(菊田順一・石井 優)
・生体二光子励起イメージングのメリット
・肥満脂肪組織におけるマクロファージの動態解析
・その他の組織・臓器の生体イメージング
22.マクロファージの転写・トランスクリプトーム・エピゲノム解析(大石由美子)
・マクロファージの転写解析
・マクロファージのエピゲノム解析
・マクロファージのトランスクリプトーム解析
サイドメモ
Crown-like structure(CLS)
M1マクロファージ
Toll様受容体(TLR)
甘草とイソリクイリチゲニン
マクロファージのHIF-2α
転写抑制因子Id2とサイトカイン共通γ鎖(γc鎖)
ヒドロダイナミックインジェクション法
実験に用いられるマクロファージ
慢性炎症と急性炎症の違い
慢性炎症の役割
B細胞の働き
白色脂肪組織と褐色脂肪組織の交感神経
総論
1.代謝疾患における免疫細胞の役割(柴 久美子・他)
・脂肪組織炎症の制御とアディポカイン
・脂肪組織炎症におけるマクロファージの役割
・脂肪組織炎症と顆粒球
・脂肪組織炎症とリンパ球
・NAFLD・NASHにおける免疫細胞の役割
・骨格筋へのマクロファージの浸潤
2.代謝疾患における臓器連関と免疫系(大石由美子・真鍋一郎)
・脂肪組織炎症と炎症の波及による病態の拡大
・免疫系と神経系の連関
3.M/M2マクロファージの多様性とその制御(薄井 勲・戸邉一之)
・組織常在マクロファージの多様性
・マクロファージのM/M2極性と活性化
・マクロファージの極性獲得のための分子メカニズム
脂肪組織
【炎症性マクロファージを調節する分子】
4.脂肪組織の線維化を調節する分子Mincle(田中 都・菅波孝祥)
・肥満脂肪組織におけるMincle発現 ・Mincleシグナルを介する脂肪組織線維化の分子機序
・脂肪組織炎症,線維化とMincle ・異所性脂肪蓄積におけるMincleの意義
5.自然免疫センサーによる炎症性マクロファージの制御と天然薬物による炎症調節(長井良憲・津聖志)
・自然免疫センサーとメタボリックシンドローム(MetS)
・RP/MD-1による自然免疫制御
・RP/MD-1とMetS
・インフラマソームとMetS
・新規インフラマソーム阻害剤によるMetSの制御
6.CCR5による脂肪組織マクロファージの動態制御―CCR5とインスリン抵抗性(太田嗣人)
・ケモカインシステム
・脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性をつなぐケモカイン
・肥満の脂肪組織で増加するCCR5
・肥満の脂肪組織で増加するCCR5陽性マクロファージ
・CCR5の欠損は高脂肪食による脂肪組織炎症とインスリン抵抗性を減弱する
・CCR5は脂肪組織マクロファージの浸潤および極性の調節にかかわる
・骨髄選択的CCR5の欠損は脂肪組織の炎症とインスリン抵抗性を改善する
・ケモカインシステムによるインスリン抵抗性の制御―課題と展望
7.脂肪組織の低酸素シグナルと炎症(瀧川章子・他)
・肥満時の脂肪組織は低酸素になる
・低酸素で働く分子HIF
・低酸素と炎症の関係
・脂肪組織の低酸素と炎症性マクロファージ
・脂肪組織におけるHIF-1αシグナル
【M2マクロファージの機能を調節する分子】
8.自然リンパ球による肥満の調節(佐々木崇晴・茂呂和世)
・自然リンパ球(ILCs)
・白色脂肪組織の“褐色化”における自然リンパ球の関与
・肥満の誘導における自然リンパ球の関与
9.疾患特異的M2マクロファージとメタボリックシンドローム(佐藤 荘)
・組織常在型マクロファージの解析
・組織常在型M2様マクロファージの分化制御メカニズム
・脂肪萎縮症の発症と脂肪組織常在型M2様マクロファージ
・メタボリックシンドロームと組織常在型M2様マクロファージ
10.M2マクロファージ機能を調節する分子:mTORパスウェイ(木村哲也)
・マクロファージと活性化
・mTOR周辺のシグナル経路
・M2マクロファージにおけるmTORシグナルの役割
・M2マクロファージ研究,mTORシグナル研究における今後の課題
11.脂肪組織内M2マクロファージの機能を調節する転写因子IRF4(江口 潤)
・マクロファージにおけるIRF4の役割
・脂肪組織内マクロファージにおけるIRF4の役割
【注目される脂肪組織の免疫細胞】
12.脂肪組織Tregの特徴と役割(小野寺俊晴・他)
・制御性T細胞(Treg)とは ・アディポネクチンと脂肪組織Treg
・脂肪組織Treg ・脂肪組織TregとIL-33
・マクロファージと脂肪組織Treg ・ヒトにおける脂肪組織Treg
13.脂肪組織における免疫バランスの可視化解析―螢光をいかに生体に使うか(西村 智)
・なぜ生体イメージングを行うのか
・脂肪組織炎症とバイオイメージング
・脂肪免疫
・バイオイメージングと脂肪組織
・脂質による脂肪組織免疫細胞の直接的賦活化作用
14.内臓脂肪の慢性炎症を惹起するヘルパーCD4T細胞とB細胞の役割(白川公亮・佐野元昭)
・内臓脂肪における“免疫細胞”がもたらす炎症のカスケード
・肥満がCD4T細胞に及ぼす影響
・内臓脂肪組織のCD4T細胞はMHC classIIを介して慢性炎症を増悪させる
・Th1細胞の機能と内臓脂肪組織における役割
・Th2細胞の機能と内臓脂肪組織における役割
・Th17細胞の機能と内臓脂肪組織における役割
・B細胞の機能
・CD4T細胞との相互作用の観点からみた内臓脂肪の慢性炎症におけるB細胞の役割
15.NKT細胞・NK細胞の脂肪組織での役割(佐藤 雅・岩渕和也)
・NKT細胞/NK細胞とは
・食餌誘導性肥満におけるNKT細胞の役割
・動脈硬化症とNKT細胞/NK細胞
・脂肪組織中のNKT細胞/NK細胞亜群
・脂肪細胞とNKT細胞/NK細胞さらにはCD4+T細胞間の相互作用
16.肥満による自己免疫疾患発症リスクと,脂肪酸代謝酵素ACC1によるTh17細胞分化制御機構(遠藤裕介・中山俊憲)
・肥満によって誘導される免疫細胞の変化
・T細胞分化における細胞内代謝の役割
・脂肪酸代謝酵素ACC1によるTh17細胞分化制御と肥満関連疾患
・RORγtの活性化機構
神経系によるマクロファージを介した炎症の調節
17.自律神経による脂肪組織マクロファージ機能の調節(箕越靖彦)
・摂食促進神経ペプチドAgRPによる脂肪組織TNF-αへの調節作用
・交感神経による脂肪組織TNF-αの発現抑制作用
・β2アドレナリン受容体とPKA(protein kinase A)によるTNF-α mRNA発現抑制作用
・βアドレナリン受容体欠損マウスと食餌性肥満マウス
18.グレリンの抗炎症メカニズム―免疫応答調節の役割(坪内拡伸・他)
・グレリンの抗炎症作用機構
・免疫細胞とグレリンシグナル
・グレリンの治療応用
腸管免疫細胞
19.腸管免疫細胞による代謝調節(中江 淳・他)
・腸内環境
・腸内細菌叢と肥満・糖代謝調節
・肥満・高脂肪食負荷による自然免疫系の変化
・肥満・高脂肪食負荷による獲得免疫系の変化
最新の解析技術
20.ヒトの単球あるいはマクロファージの解析―脂肪組織慢性炎症とリピドミクス(浅原哲子・田中将志)
・肥満脂肪組織とM/M2マクロファージ
・単球の多様性とマクロファージ分化
・肥満・2型糖尿病における単球形質と生活習慣病薬による形質改善
・単球形質と心血管病リスク・心血管イベントとの関連
・肥満・2型糖尿病とリピドミクス
21.免疫細胞の生体イメージング(菊田順一・石井 優)
・生体二光子励起イメージングのメリット
・肥満脂肪組織におけるマクロファージの動態解析
・その他の組織・臓器の生体イメージング
22.マクロファージの転写・トランスクリプトーム・エピゲノム解析(大石由美子)
・マクロファージの転写解析
・マクロファージのエピゲノム解析
・マクロファージのトランスクリプトーム解析
サイドメモ
Crown-like structure(CLS)
M1マクロファージ
Toll様受容体(TLR)
甘草とイソリクイリチゲニン
マクロファージのHIF-2α
転写抑制因子Id2とサイトカイン共通γ鎖(γc鎖)
ヒドロダイナミックインジェクション法
実験に用いられるマクロファージ
慢性炎症と急性炎症の違い
慢性炎症の役割
B細胞の働き
白色脂肪組織と褐色脂肪組織の交感神経