序文
サイトカインとは,免疫担当細胞をはじめとする各種の細胞から産生される生理活性物質の総称である.
細胞が体内で相互作用を営む方法は2つある.ひとつは,相手の細胞と相互に接触・結合する場合である.これはcognate interactionともよばれる.しかし,広い体内で細胞どうしがたがいに接触する機会はそうあるものではない.もうひとつの方法はサイトカインを用いる方法である(factor-mediated interaction).この方法では,すぐ隣り合わせの細胞のみならず近傍の細胞とも相互作用を営むことができる.さらに,サイトカインが血流に乗って遠隔臓器の細胞にまで行き着き,細胞から発せられたシグナルを伝達することができる.このように,サイトカインは細胞が相互作用を営む際に必須の存在であることから,細胞が用いる“ことば”ともいわれる.
サイトカイン(cytokine)というのは造語である.“サイト“とは“細胞の”という意味の,“カイン“とは“作動物質”という意味のラテン語である.もともとは,リンパ球由来の生理活性物質はリンフォカイン,単球・マクロファージ由来の生理活性物質はモノカインとよばれていた.しかし,たとえばインターロイキン1(IL-1)を例にとれば,IL-1はマクロファージのみならず,血管内皮細胞,上皮細胞,ケラチノサイト,滑膜細胞など多様な細胞から産生される.したがって,産生細胞の違いから分類することは難しいことから,最近では両者をまとめてサイトカインとよぶことになっている.
このほか,インターロイキン(interleukin)という言葉もある.これは“白血球間の相互作用に働く生理活性物質”という意味をこめた造語である.現在までにIL-23まであることが知られているが,今後も増加の一途をたどるものと思われる.インターロイキンという言葉が用いられるようになったのは,1979年の国際リンフォカインワークショップである.これまでそれぞれが勝手に命名していたリンフォカインを統一的な名称にすることが本ワークショップで提唱され,リンパ球活性化因子(LAF)がインターロイキン1(IL-1),T細胞増殖因子(TCGF)がインターロイキン2(IL-2)などとよばれるようになった.したがって,これらのインターロイキンはサイトカインの概念に内包されるものである.
ケモカイン(chemokine)という名称もある.ケモカインは細胞の遊走活性を有するサイトカイン(chemotactic cytokine)に由来しており,特定の細胞の遊走や活性化に関与している.これもサイトカインのなかに概念的には含まれる.
■サイトカインの特徴
1.サイトカインは糖蛋白である
多くのサイトカインは糖蛋白であり,その分子量は1〜10万前後である.
2.サイトカインは微量で作用をする
サイトカインの作用はin vivoにおいてもin vitroにおいてもpg〜ng/mlの濃度で発揮される.ただし,サイトカインの作用は一定濃度以下では発揮されず,その作用が発揮されるためには閾値を超えることが必要である.また,サイトカインの作用にはある程度の濃度依存性があるが,ある濃度以上ではその作用はプラトーに達してしまうことが多い.
3.サイトカインは主として産生された局所で作用をする
サイトカインは主としてshort rangeに作用する生理活性物質である.すなわち,サイトカインは産生された局所でその作用を発揮することが多い.このような働きかたをparacrineともよぶ.たとえば,骨髄のなかではさまざまなサイトカインがある一定の順番と組合せで産生されることによって,はじめて有効な造血が行われる.また,関節リウマチ(RA)患者の滑膜組織からは大量の腫瘍壊死因子(TNF-a)やIL-6が産生され,近傍にある破骨細胞の活性化を誘導することによって骨破壊を引き起こしている.
一方,ホルモンは内分泌臓器で産生され,血流を介して遠隔の標的臓器まで運ばれ,そこで生理活性を発揮するlong rangeの生理活性物質である.このような働きかたはendocrineとよばれる.この点においてサイトカインとホルモンは対照的である.しかし,サイトカインでも大量に産生された場合には血流を介して遠隔臓器に作用する.たとえば,炎症病巣で大量に産生されたIL-6は血流を介して肝に運ばれ,肝細胞からのCRP,フィブリノゲンなどの,いわゆる急性炎症蛋白の産生を誘導する.また,発熱は,IL-1,TNF-a,インターフェロンg(IFN-g)などが視床下部の発熱中枢に作用することによって誘導されるが,この場合にもこれらのサイトカインはlong rangeの生理活性物質として作用している.
4.サイトカインは多様な生理活性を有している
多くのサイトカインはひとつの分子であるにもかかわらず,多様な生理活性を有している.このような現象はpleiotropyとよばれ,サイトカインの大きな特徴のひとつである.たとえば,IL-1は免疫系の賦活化作用のほかに,白血球,血管内皮細胞,線維芽細胞,破骨細胞,滑膜細胞など多様な細胞に作用して,それぞれの細胞において特有の作用を発揮する.
5.サイトカインは多様な細胞によって産生される
サイトカインを産生する細胞はかならずしも単一の系列に属するわけではない.たとえば,IL-1はマクロファージのみならず,血管内皮細胞,線維芽細胞,滑膜細胞,ケラチノサイト,B細胞など多様な細胞によって産生される.
6.異なるサイトカインが同一の作用を有する
IL-1とTNF-aは,ほとんど同一の生理活性を有する.このような現象はサイトカインのredundancyとよばれるが,生体のひとつのfail-safe mechanismであるとも考えられている.サイトカイン遺伝子ノックアウトマウスが思ったほど病気にならないのはサイトカインのredundancyで説明することが可能である.
7.サイトカインの作用はかならずしも相加的ではなく,ときには相乗的であったり,拮抗的であったりする
IL-1やTNF-aなどのように炎症の病態に関与するサイトカインは,共存することによって相乗的に作用することが知られている.また,複数のサイトカインが低い濃度で産生された場合,それぞれ単独では作用しえなくても,それらが共存することで強い生理活性を発揮することが可能である.このような現象は炎症の増悪や遷延に関与していることが推測されている.
一方,IL-10はマクロファージに作用することによりIL-1やTNF-aの産生を抑制する.IL-4やIL-13にもこのような生理活性があり,これらのサイトカインは抗炎症性サイトカインとして注目されている.
8.サイトカインネットワークが存在する
ひとつのサイトカインが産生されることにより,つぎのサイトカインが産生される現象をサイトカインネットワーク,あるいはサイトカインカスケードとよぶ.たとえば,TNF-aが産生されることによりIL-1,IL-6,IL-8などがつぎつぎと産生される.このような現象はサイトカインのヒエラルヒーともよばれ,もっとも上位にあるサイトカインの活性を制御することで,下流のサイトカイン産生をすべて制御することが可能となる.実際には関節リウマチの治療において抗TNF-a抗体を投与することによってIL-1やIL-6などの産生まで抑制することが可能であることが知られている.
9.サイトカインにはインヒビターが存在する
サイトカインの生理活性を阻害する物質が存在する.よく知られているのはIL-1アンタゴニスト(IL-1ra)である.IL-1raはIL-1がIL-1レセプターに結合するのを競合的に阻害する.また,IL-1raはIL-1レセプターに結合しても細胞内にシグナルを送ることはできない.しかも,IL-1を産生する細胞自体がIL-1産生に次いでIL-1raを産生することによりIL-1産生を抑制することができる.最近ではIL-1raは関節リウマチ(RA)の治療薬として欧米で用いられている.
また,血中にはサイトカイン活性を阻害するさまざまな物質がある.サイトカインを治療薬として投与しても血中半減期がきわめて短い理由がここにある.生体はサイトカインに対するインヒビターを用意することにより,サイトカインの作用が必要以上に及ばないように調節しているのである.
10.サイトカインは生体の恒常性維持に必要であるが,炎症などの病態では過剰産生され,病態形成・遷延にも関与している
すでに述べたように,関節リウマチ患者滑膜組織からは大量の炎症性サイトカインが産生され,それによって滑膜増殖,軟骨・骨破壊などが誘導される.このために抗TNF-a抗体,可溶性サイトカインレセプター,IL-1ra,抗IL-6レセプター抗体などが生物学的製剤として治療に応用され,著効を上げている.
おわりに
本書ではサイトカインの生理的役割を明らかにするとともに,多様な疾患の病態形成における関与についても言及することとした.それはなぜか.答えは簡単である.昨今,各種の炎症性疾患においてサイトカイン阻害薬の高い有効性が注目されている.とくに関節リウマチでは抗TNF-a抗体,可溶性TNF-aレセプターなどの関節破壊阻止効果が明らかにされ,高い寛解導入率が報告されるようになりつつある.今後,抗炎症療法としてのサイトカイン阻害戦略はますます進歩するであろう.また,サイトカイン自体を治療薬として補充する治療法もある.インターフェロン,エリスロポエチン,G-CSFなどがその例であり,こららの薬剤は日常臨床に必要不可欠となっている.しかし,その一方でこれら薬剤による有害事象の多発も報告されている.それはサイトカインが“生体の恒常性の維持”に必要不可欠な物質であるからである.
本書を読むことによりサイトカインに関するup-to-dateな知識を習得するとともに,それを臨床に還元していただければ望外の喜びである.
2004年10月
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
宮坂信之
サイトカインとは,免疫担当細胞をはじめとする各種の細胞から産生される生理活性物質の総称である.
細胞が体内で相互作用を営む方法は2つある.ひとつは,相手の細胞と相互に接触・結合する場合である.これはcognate interactionともよばれる.しかし,広い体内で細胞どうしがたがいに接触する機会はそうあるものではない.もうひとつの方法はサイトカインを用いる方法である(factor-mediated interaction).この方法では,すぐ隣り合わせの細胞のみならず近傍の細胞とも相互作用を営むことができる.さらに,サイトカインが血流に乗って遠隔臓器の細胞にまで行き着き,細胞から発せられたシグナルを伝達することができる.このように,サイトカインは細胞が相互作用を営む際に必須の存在であることから,細胞が用いる“ことば”ともいわれる.
サイトカイン(cytokine)というのは造語である.“サイト“とは“細胞の”という意味の,“カイン“とは“作動物質”という意味のラテン語である.もともとは,リンパ球由来の生理活性物質はリンフォカイン,単球・マクロファージ由来の生理活性物質はモノカインとよばれていた.しかし,たとえばインターロイキン1(IL-1)を例にとれば,IL-1はマクロファージのみならず,血管内皮細胞,上皮細胞,ケラチノサイト,滑膜細胞など多様な細胞から産生される.したがって,産生細胞の違いから分類することは難しいことから,最近では両者をまとめてサイトカインとよぶことになっている.
このほか,インターロイキン(interleukin)という言葉もある.これは“白血球間の相互作用に働く生理活性物質”という意味をこめた造語である.現在までにIL-23まであることが知られているが,今後も増加の一途をたどるものと思われる.インターロイキンという言葉が用いられるようになったのは,1979年の国際リンフォカインワークショップである.これまでそれぞれが勝手に命名していたリンフォカインを統一的な名称にすることが本ワークショップで提唱され,リンパ球活性化因子(LAF)がインターロイキン1(IL-1),T細胞増殖因子(TCGF)がインターロイキン2(IL-2)などとよばれるようになった.したがって,これらのインターロイキンはサイトカインの概念に内包されるものである.
ケモカイン(chemokine)という名称もある.ケモカインは細胞の遊走活性を有するサイトカイン(chemotactic cytokine)に由来しており,特定の細胞の遊走や活性化に関与している.これもサイトカインのなかに概念的には含まれる.
■サイトカインの特徴
1.サイトカインは糖蛋白である
多くのサイトカインは糖蛋白であり,その分子量は1〜10万前後である.
2.サイトカインは微量で作用をする
サイトカインの作用はin vivoにおいてもin vitroにおいてもpg〜ng/mlの濃度で発揮される.ただし,サイトカインの作用は一定濃度以下では発揮されず,その作用が発揮されるためには閾値を超えることが必要である.また,サイトカインの作用にはある程度の濃度依存性があるが,ある濃度以上ではその作用はプラトーに達してしまうことが多い.
3.サイトカインは主として産生された局所で作用をする
サイトカインは主としてshort rangeに作用する生理活性物質である.すなわち,サイトカインは産生された局所でその作用を発揮することが多い.このような働きかたをparacrineともよぶ.たとえば,骨髄のなかではさまざまなサイトカインがある一定の順番と組合せで産生されることによって,はじめて有効な造血が行われる.また,関節リウマチ(RA)患者の滑膜組織からは大量の腫瘍壊死因子(TNF-a)やIL-6が産生され,近傍にある破骨細胞の活性化を誘導することによって骨破壊を引き起こしている.
一方,ホルモンは内分泌臓器で産生され,血流を介して遠隔の標的臓器まで運ばれ,そこで生理活性を発揮するlong rangeの生理活性物質である.このような働きかたはendocrineとよばれる.この点においてサイトカインとホルモンは対照的である.しかし,サイトカインでも大量に産生された場合には血流を介して遠隔臓器に作用する.たとえば,炎症病巣で大量に産生されたIL-6は血流を介して肝に運ばれ,肝細胞からのCRP,フィブリノゲンなどの,いわゆる急性炎症蛋白の産生を誘導する.また,発熱は,IL-1,TNF-a,インターフェロンg(IFN-g)などが視床下部の発熱中枢に作用することによって誘導されるが,この場合にもこれらのサイトカインはlong rangeの生理活性物質として作用している.
4.サイトカインは多様な生理活性を有している
多くのサイトカインはひとつの分子であるにもかかわらず,多様な生理活性を有している.このような現象はpleiotropyとよばれ,サイトカインの大きな特徴のひとつである.たとえば,IL-1は免疫系の賦活化作用のほかに,白血球,血管内皮細胞,線維芽細胞,破骨細胞,滑膜細胞など多様な細胞に作用して,それぞれの細胞において特有の作用を発揮する.
5.サイトカインは多様な細胞によって産生される
サイトカインを産生する細胞はかならずしも単一の系列に属するわけではない.たとえば,IL-1はマクロファージのみならず,血管内皮細胞,線維芽細胞,滑膜細胞,ケラチノサイト,B細胞など多様な細胞によって産生される.
6.異なるサイトカインが同一の作用を有する
IL-1とTNF-aは,ほとんど同一の生理活性を有する.このような現象はサイトカインのredundancyとよばれるが,生体のひとつのfail-safe mechanismであるとも考えられている.サイトカイン遺伝子ノックアウトマウスが思ったほど病気にならないのはサイトカインのredundancyで説明することが可能である.
7.サイトカインの作用はかならずしも相加的ではなく,ときには相乗的であったり,拮抗的であったりする
IL-1やTNF-aなどのように炎症の病態に関与するサイトカインは,共存することによって相乗的に作用することが知られている.また,複数のサイトカインが低い濃度で産生された場合,それぞれ単独では作用しえなくても,それらが共存することで強い生理活性を発揮することが可能である.このような現象は炎症の増悪や遷延に関与していることが推測されている.
一方,IL-10はマクロファージに作用することによりIL-1やTNF-aの産生を抑制する.IL-4やIL-13にもこのような生理活性があり,これらのサイトカインは抗炎症性サイトカインとして注目されている.
8.サイトカインネットワークが存在する
ひとつのサイトカインが産生されることにより,つぎのサイトカインが産生される現象をサイトカインネットワーク,あるいはサイトカインカスケードとよぶ.たとえば,TNF-aが産生されることによりIL-1,IL-6,IL-8などがつぎつぎと産生される.このような現象はサイトカインのヒエラルヒーともよばれ,もっとも上位にあるサイトカインの活性を制御することで,下流のサイトカイン産生をすべて制御することが可能となる.実際には関節リウマチの治療において抗TNF-a抗体を投与することによってIL-1やIL-6などの産生まで抑制することが可能であることが知られている.
9.サイトカインにはインヒビターが存在する
サイトカインの生理活性を阻害する物質が存在する.よく知られているのはIL-1アンタゴニスト(IL-1ra)である.IL-1raはIL-1がIL-1レセプターに結合するのを競合的に阻害する.また,IL-1raはIL-1レセプターに結合しても細胞内にシグナルを送ることはできない.しかも,IL-1を産生する細胞自体がIL-1産生に次いでIL-1raを産生することによりIL-1産生を抑制することができる.最近ではIL-1raは関節リウマチ(RA)の治療薬として欧米で用いられている.
また,血中にはサイトカイン活性を阻害するさまざまな物質がある.サイトカインを治療薬として投与しても血中半減期がきわめて短い理由がここにある.生体はサイトカインに対するインヒビターを用意することにより,サイトカインの作用が必要以上に及ばないように調節しているのである.
10.サイトカインは生体の恒常性維持に必要であるが,炎症などの病態では過剰産生され,病態形成・遷延にも関与している
すでに述べたように,関節リウマチ患者滑膜組織からは大量の炎症性サイトカインが産生され,それによって滑膜増殖,軟骨・骨破壊などが誘導される.このために抗TNF-a抗体,可溶性サイトカインレセプター,IL-1ra,抗IL-6レセプター抗体などが生物学的製剤として治療に応用され,著効を上げている.
おわりに
本書ではサイトカインの生理的役割を明らかにするとともに,多様な疾患の病態形成における関与についても言及することとした.それはなぜか.答えは簡単である.昨今,各種の炎症性疾患においてサイトカイン阻害薬の高い有効性が注目されている.とくに関節リウマチでは抗TNF-a抗体,可溶性TNF-aレセプターなどの関節破壊阻止効果が明らかにされ,高い寛解導入率が報告されるようになりつつある.今後,抗炎症療法としてのサイトカイン阻害戦略はますます進歩するであろう.また,サイトカイン自体を治療薬として補充する治療法もある.インターフェロン,エリスロポエチン,G-CSFなどがその例であり,こららの薬剤は日常臨床に必要不可欠となっている.しかし,その一方でこれら薬剤による有害事象の多発も報告されている.それはサイトカインが“生体の恒常性の維持”に必要不可欠な物質であるからである.
本書を読むことによりサイトカインに関するup-to-dateな知識を習得するとともに,それを臨床に還元していただければ望外の喜びである.
2004年10月
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
宮坂信之
別冊・医学のあゆみ サイトカイン── state of arts 目次
Cytokine――state of arts
第1章 サイトカインと受容体――概論
Overview 宮島 篤
第2章 サイトカインのシグナル伝達
Overview 吉村昭彦
IL-1シグナル伝達経路 岸田 聡・他
TRAFファミリー 小端哲二
JAK/STAT経路とSOCSによるサイトカインシグナル制御 吉村昭彦
TGF-bのシグナル伝達機構と疾患 古室暁義・宮園浩平
感染に応答したI型インターフェロン遺伝子の発現制御 米山光俊・藤田尚志
第3章 サイトカインの生理活性
■免疫系
Overview 田村敏生
リンパ組織の発生・分化 松本 満
T細胞の分化と活性化におけるサイトカインの関与 久保允人
B細胞の分化・活性化とサイトカイン 高木 智・紅露 拓
NK細胞とサイトカイン 槇 安希子・反町典子
樹状細胞の産生するサイトカイン 永井重徳・小安重夫
Semaphorinによる免疫制御 識名 崇・熊ノ郷 淳
SOCSによる免疫制御――現況と展望 大河原知治・仲 哲治
IL-18による免疫制御 善本知広・中西憲司
■造血系
Overview 北村俊雄
造血幹細胞とサイトカイン 清田 純・中内啓光
赤血球・巨核球造血に関与するサイトカイン 小松則夫
好中球とサイトカイン 長岡 功・諫山太郎
好酸球・好塩基球・マスト細胞 田中宏幸・永井博弌
■血管系
Overview 森定 徹・他
中胚葉細胞から血管ができるまでのしくみ 高倉伸幸
血管新生とVEGF 渋谷正史
白血球組織浸潤の分子機構――接着分子,サイトカインとケモカインの関与 松本真典・他
■神経系
Overview 佐藤準一・山村 隆
神経発生の生物学――神経幹細胞 村山綾子・岡野栄之
軸索ガイダンス分子セマフォリンの分子機構 谷口雅彦
末梢神経系と血管系の相互作用 向山洋介
■その他・最新TOPICS
アディポサイトカイン 山内敏正・門脇 孝
Runx2――骨芽細胞分化・軟骨細胞成熟のキーファクター 丸山善治郎・小守壽文
破骨細胞 高柳 広
新規サイトカイン――IL-10,IL-12およびIL-17各サイトカインファミリー 笠倉新平
最近のインターロイキンとIL-21 尾崎勝俊
第4章 ケモカイン
Overview 松島綱治
ケモカイン捕捉分子の多様性と細胞動員シグナル形成における意義 田中稔之・他
ケモカインレセプターとリンパ球サブセット 義江 修
SR-PSOX/CXCL16――スカベンジャー受容体活性を有する新規ケモカイン 島岡猛士・米原 伸
フラクタルカインの生物学的意義 今井俊夫
免疫シナプスにおけるケモカイン受容体の役割 灰野 誠
CXCL12(SDF-1/PBSF)による幹細胞,前駆細胞の動態制御 長澤丘司
第5章 サイトカインの病態への関与
■感染症
細菌感染症 光山正雄
結核感染とサイトカイン――新しい結核ワクチン 岡田全司
ウイルス感染症とサイトカイン 西村仁志・吉開泰信
寄生虫感染症におけるサイトカインの病態への関与 広松賢治・名和行文
HTLV-I感染症とサイトカイン 原 敏文・中村正孝
■自己免疫疾患・アレルギー
関節リウマチ 山村昌弘
SLEとB細胞ケモカイン 鈴木 淳・石川 昌
強皮症 竹原和彦・他
Basedow病・橋本病 網野信行・窪田純久
多発性硬化症 宮本勝一・山村 隆
アレルギー性炎症 茆原順一
アトピー性皮膚炎とサイトカイン・ケモカイン 片山一朗
■その他の炎症性疾患
血球貪食症候群 大賀正一・原 寿郎
炎症性腸疾患とサイトカイン 岡田英理子・他
歯周病とサイトカイン 野崎剛徳・村上伸也
皮膚創傷治癒 向田直史
全身性炎症反応症候群(SIRS)――あらたな展開 小川道雄
■血液疾患
貧血 中村裕一・別所正美
Hodgkin病 福原資郎
血小板減少症とサイトカイン 檀 和夫
■免疫不全症
サイトカインのシグナル伝達異常により発症する免疫不全症 峯岸克行
AIDS病態とサイトカイン 高橋秀実
■その他の疾患
肺線維症――サイトカインからの理解 吉見通洋・中西洋一
動脈硬化とサイトカイン・増殖因子 小林和人・山田信博
糖尿病とサイトカイン 佐藤 譲
心筋症 瀧原圭子
糸球体腎炎におけるサイトカインの役割 柘植俊直・富野康日己
前立腺疾患――肥大症と癌 杉村芳樹
妊娠とその異常 下屋浩一郎・佐治文隆
■遺伝子改変マウスを用いた研究
サイトカイン遺伝子改変マウス 角田 茂
Gp130変異マウスの免疫異常 石原克彦
OSMR KO肝障害マウス 田中 稔
SKGマウスにおけるサイトカインの役割――関節リウマチ様関節炎自然発症モデルマウス 畑 洋・坂口志文
第6章 サイトカインの治療への応用
関節リウマチに対する抗TNF-α抗体療法の有用性と問題点 田中良哉
関節リウマチに対するTNF-αレセプター製剤,エタネルセプトの有用性と問題点 川合眞一
関節リウマチに対するIL-1レセプターアンタゴニスト 友尾 孝・住田孝之
関節リウマチに対する抗IL-6レセプター抗体による治療 佐伯行彦
Crohn病に対する抗TNF-α抗体療法の有用性と問題点 日比紀文・桜庭 篤
Beh稿t病に対する抗TNF-α抗体療法の有用性と問題点 中村 聡・大野重昭
ケモカインアンタゴニストを用いた炎症の制御 南木敏宏
癌治療へのサイトカインおよびサイトカイン遺伝子治療の応用 谷 憲三朗
血液疾患とインターフェロン療法――有用性と問題点 吉永健太郎・和田眞紀夫
慢性肝炎に対するインターフェロン療法――現況と展望 岡田俊一・榎本信幸
NF-kB,MAPK制御による抗炎症療法 川上 純・他
造血幹細胞のex vivo増幅 平松英文・平家俊男
Appendix A.略語一覧
Appendix B.索引
サイドメモ
■サイトカインのシグナル伝達
Sprouty/Spredファミリー
MAPキナーゼカスケード
TNFRファミリー
BMP系シグナルの異常と癌
■サイトカインの生理活性
LT(lymphotoxin)
TNF(tumor necrosis factor)
B細胞の前駆細胞および亜集団
CMV(MCMV)
Cpg
エリスロポエチン同定からクローニングまでの経緯
骨髄ストローマ細胞
W突然変異マウスとSl突然変異マウス
造血幹細胞の純化
EPO発現機構の破綻と赤血球増加症
好中球機能と活性化物質
リンパ管
ペリサイト
癌組織の血管とリンパ管
リンパ球ホーミング
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
Neurosphere法
血管網形成と神経回路形成
VEGFとartemin
Neuropilin-1
VEGFと筋萎縮側索硬化症(ALS)
骨芽細胞分化
Runx family genes
骨免疫学
発現配列タグ(EST)
Th1細胞とTh2細胞
T-bet
インターロイキン
Th1とTh……2
Homeostatic proliferation
■ケモカイン
成人T細胞白血病(ATL)とCCR……4
スカベンジャー受容体
免疫シナプス
脂質マイクロドメイン/ラフト
■サイトカインの病態への関与
キラーT細胞・granulysinと結核免疫
IRF(interferon regulatory factor)
CD……30
T reg(regulatory T cells)
GLUT-1
TNF-αと炎症性サイトカインカスケード
RAの病態におけるT細胞の関与
BLC(B lymphocyte chemoattractant)
CTGF(connective tissue growth factor)
無痛性甲状腺炎
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
アトピー性皮膚炎と組織リモデリング
EBV+T/NK細胞リンパ増殖性疾患(LPD)
再表皮化
SLIRS,LISISからみた臓器不全の分類
ヘプシジン(hepcidin)
TRAF(TNF receptor-associated factor)
GATA-1
297 mDCとpDC
PDGF
HB-EGF
TGF-b
糖尿病
IgA腎症におけるIgA1の糖鎖異常
ジーントラップ
IL-6と自己免疫疾患
HTLV-1pX-TgマウスとRA様関節炎
オンコスタチンM(OSM)
ゼラチンザイモグラフィー
■サイトカインの治療への応用
ACRコアセット
Sharpスコア
ACR改善基準
ぶどう膜炎
インターフェロン開発の歴史
慢性骨髄性白血病の現況
NOD/SCIDマウス
Cytokine――state of arts
第1章 サイトカインと受容体――概論
Overview 宮島 篤
第2章 サイトカインのシグナル伝達
Overview 吉村昭彦
IL-1シグナル伝達経路 岸田 聡・他
TRAFファミリー 小端哲二
JAK/STAT経路とSOCSによるサイトカインシグナル制御 吉村昭彦
TGF-bのシグナル伝達機構と疾患 古室暁義・宮園浩平
感染に応答したI型インターフェロン遺伝子の発現制御 米山光俊・藤田尚志
第3章 サイトカインの生理活性
■免疫系
Overview 田村敏生
リンパ組織の発生・分化 松本 満
T細胞の分化と活性化におけるサイトカインの関与 久保允人
B細胞の分化・活性化とサイトカイン 高木 智・紅露 拓
NK細胞とサイトカイン 槇 安希子・反町典子
樹状細胞の産生するサイトカイン 永井重徳・小安重夫
Semaphorinによる免疫制御 識名 崇・熊ノ郷 淳
SOCSによる免疫制御――現況と展望 大河原知治・仲 哲治
IL-18による免疫制御 善本知広・中西憲司
■造血系
Overview 北村俊雄
造血幹細胞とサイトカイン 清田 純・中内啓光
赤血球・巨核球造血に関与するサイトカイン 小松則夫
好中球とサイトカイン 長岡 功・諫山太郎
好酸球・好塩基球・マスト細胞 田中宏幸・永井博弌
■血管系
Overview 森定 徹・他
中胚葉細胞から血管ができるまでのしくみ 高倉伸幸
血管新生とVEGF 渋谷正史
白血球組織浸潤の分子機構――接着分子,サイトカインとケモカインの関与 松本真典・他
■神経系
Overview 佐藤準一・山村 隆
神経発生の生物学――神経幹細胞 村山綾子・岡野栄之
軸索ガイダンス分子セマフォリンの分子機構 谷口雅彦
末梢神経系と血管系の相互作用 向山洋介
■その他・最新TOPICS
アディポサイトカイン 山内敏正・門脇 孝
Runx2――骨芽細胞分化・軟骨細胞成熟のキーファクター 丸山善治郎・小守壽文
破骨細胞 高柳 広
新規サイトカイン――IL-10,IL-12およびIL-17各サイトカインファミリー 笠倉新平
最近のインターロイキンとIL-21 尾崎勝俊
第4章 ケモカイン
Overview 松島綱治
ケモカイン捕捉分子の多様性と細胞動員シグナル形成における意義 田中稔之・他
ケモカインレセプターとリンパ球サブセット 義江 修
SR-PSOX/CXCL16――スカベンジャー受容体活性を有する新規ケモカイン 島岡猛士・米原 伸
フラクタルカインの生物学的意義 今井俊夫
免疫シナプスにおけるケモカイン受容体の役割 灰野 誠
CXCL12(SDF-1/PBSF)による幹細胞,前駆細胞の動態制御 長澤丘司
第5章 サイトカインの病態への関与
■感染症
細菌感染症 光山正雄
結核感染とサイトカイン――新しい結核ワクチン 岡田全司
ウイルス感染症とサイトカイン 西村仁志・吉開泰信
寄生虫感染症におけるサイトカインの病態への関与 広松賢治・名和行文
HTLV-I感染症とサイトカイン 原 敏文・中村正孝
■自己免疫疾患・アレルギー
関節リウマチ 山村昌弘
SLEとB細胞ケモカイン 鈴木 淳・石川 昌
強皮症 竹原和彦・他
Basedow病・橋本病 網野信行・窪田純久
多発性硬化症 宮本勝一・山村 隆
アレルギー性炎症 茆原順一
アトピー性皮膚炎とサイトカイン・ケモカイン 片山一朗
■その他の炎症性疾患
血球貪食症候群 大賀正一・原 寿郎
炎症性腸疾患とサイトカイン 岡田英理子・他
歯周病とサイトカイン 野崎剛徳・村上伸也
皮膚創傷治癒 向田直史
全身性炎症反応症候群(SIRS)――あらたな展開 小川道雄
■血液疾患
貧血 中村裕一・別所正美
Hodgkin病 福原資郎
血小板減少症とサイトカイン 檀 和夫
■免疫不全症
サイトカインのシグナル伝達異常により発症する免疫不全症 峯岸克行
AIDS病態とサイトカイン 高橋秀実
■その他の疾患
肺線維症――サイトカインからの理解 吉見通洋・中西洋一
動脈硬化とサイトカイン・増殖因子 小林和人・山田信博
糖尿病とサイトカイン 佐藤 譲
心筋症 瀧原圭子
糸球体腎炎におけるサイトカインの役割 柘植俊直・富野康日己
前立腺疾患――肥大症と癌 杉村芳樹
妊娠とその異常 下屋浩一郎・佐治文隆
■遺伝子改変マウスを用いた研究
サイトカイン遺伝子改変マウス 角田 茂
Gp130変異マウスの免疫異常 石原克彦
OSMR KO肝障害マウス 田中 稔
SKGマウスにおけるサイトカインの役割――関節リウマチ様関節炎自然発症モデルマウス 畑 洋・坂口志文
第6章 サイトカインの治療への応用
関節リウマチに対する抗TNF-α抗体療法の有用性と問題点 田中良哉
関節リウマチに対するTNF-αレセプター製剤,エタネルセプトの有用性と問題点 川合眞一
関節リウマチに対するIL-1レセプターアンタゴニスト 友尾 孝・住田孝之
関節リウマチに対する抗IL-6レセプター抗体による治療 佐伯行彦
Crohn病に対する抗TNF-α抗体療法の有用性と問題点 日比紀文・桜庭 篤
Beh稿t病に対する抗TNF-α抗体療法の有用性と問題点 中村 聡・大野重昭
ケモカインアンタゴニストを用いた炎症の制御 南木敏宏
癌治療へのサイトカインおよびサイトカイン遺伝子治療の応用 谷 憲三朗
血液疾患とインターフェロン療法――有用性と問題点 吉永健太郎・和田眞紀夫
慢性肝炎に対するインターフェロン療法――現況と展望 岡田俊一・榎本信幸
NF-kB,MAPK制御による抗炎症療法 川上 純・他
造血幹細胞のex vivo増幅 平松英文・平家俊男
Appendix A.略語一覧
Appendix B.索引
サイドメモ
■サイトカインのシグナル伝達
Sprouty/Spredファミリー
MAPキナーゼカスケード
TNFRファミリー
BMP系シグナルの異常と癌
■サイトカインの生理活性
LT(lymphotoxin)
TNF(tumor necrosis factor)
B細胞の前駆細胞および亜集団
CMV(MCMV)
Cpg
エリスロポエチン同定からクローニングまでの経緯
骨髄ストローマ細胞
W突然変異マウスとSl突然変異マウス
造血幹細胞の純化
EPO発現機構の破綻と赤血球増加症
好中球機能と活性化物質
リンパ管
ペリサイト
癌組織の血管とリンパ管
リンパ球ホーミング
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
Neurosphere法
血管網形成と神経回路形成
VEGFとartemin
Neuropilin-1
VEGFと筋萎縮側索硬化症(ALS)
骨芽細胞分化
Runx family genes
骨免疫学
発現配列タグ(EST)
Th1細胞とTh2細胞
T-bet
インターロイキン
Th1とTh……2
Homeostatic proliferation
■ケモカイン
成人T細胞白血病(ATL)とCCR……4
スカベンジャー受容体
免疫シナプス
脂質マイクロドメイン/ラフト
■サイトカインの病態への関与
キラーT細胞・granulysinと結核免疫
IRF(interferon regulatory factor)
CD……30
T reg(regulatory T cells)
GLUT-1
TNF-αと炎症性サイトカインカスケード
RAの病態におけるT細胞の関与
BLC(B lymphocyte chemoattractant)
CTGF(connective tissue growth factor)
無痛性甲状腺炎
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
アトピー性皮膚炎と組織リモデリング
EBV+T/NK細胞リンパ増殖性疾患(LPD)
再表皮化
SLIRS,LISISからみた臓器不全の分類
ヘプシジン(hepcidin)
TRAF(TNF receptor-associated factor)
GATA-1
297 mDCとpDC
PDGF
HB-EGF
TGF-b
糖尿病
IgA腎症におけるIgA1の糖鎖異常
ジーントラップ
IL-6と自己免疫疾患
HTLV-1pX-TgマウスとRA様関節炎
オンコスタチンM(OSM)
ゼラチンザイモグラフィー
■サイトカインの治療への応用
ACRコアセット
Sharpスコア
ACR改善基準
ぶどう膜炎
インターフェロン開発の歴史
慢性骨髄性白血病の現況
NOD/SCIDマウス