やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

序文
 わが国のリハビリテーション(以下,リハ)医療は,1980年代以前まで慢性期の医療であった.1980年前後には,早期リハ医療が疾病・外傷の発症と同時に廃用症候群の予防として行われるようになった.その後,筋電図バイオフィードバックに治療的電気刺激を組み合わせた方法や経頭蓋的磁気刺激さらに直流刺激(tDCS)を大脳に与えながら運動療法を行う方法などについて,神経回路にある程度の再組織化が認められたとする論文が発表された.現在では脳卒中片麻痺患者(以下,片麻痺)のリハは高頻度の実施が望ましいとされ,1日あたりのリハビリテーション料単位の上限も9単位(180分)へと引き上げられた.
 本書の第1部「歩行獲得のために必要な基礎知識」では,バイオメカニズム,ヒトの進化と発達,姿勢・運動制御,姿勢・動作(背臥位から階段昇降)を解説した.第2部「歩行獲得に向けた治療アプローチ」では,片麻痺を対象とした基本動作である背臥位,寝返り,起き上がり,立ち上がり,歩行,歩行に必要な肩甲帯・上肢・手指の治療アプローチ等について解説した.この一連の運動学習は,片麻痺の脳の神経回路にある程度高頻度の刺激を与えることで脳の可塑性を促し,効果的な運動行動を引き出し,同時に廃用症候群の予防と治療にも役立つ.
 本書は,豊富な臨床・教育経験のある理学療法士が書いた大作である.著者らの配慮によって,初学者でも容易に理解できるようわかりやすい表現で,基本動作と歩行に必要な基礎的知識が解説されている.第2部では143のweb動画がリンクされており,ボバースアプローチの国際インストラクター資格をもちさまざまな実技指導講習会で講師を務められる弓岡光徳氏がすべての実演・執筆・編集を担当した.読者がぶつかりがちな疑問に答えるQ&Aも含めて,上級者の視点やアプローチのコツが豊富に盛り込まれており,まるで実技指導講習会で学ぶかのように知識と技術を習得できる.
 本書が医療従事者(コメディカルスタッフ)の教科書,参考書として愛読されれば限りない喜びである.最後に,本書のために心血を注ぎ日夜尽力いただいた編者・著者およびモデルと,医歯薬出版編集部に深甚の謝意を表したい.
 2021年9月 監修者 武田 功
第1部 歩行獲得のために必要な基礎知識
 第1章 バイオメカニズム(金澤佑治)
   1.身体運動の名称と種類
   2.身体運動における力
   3.てこ
   4.運動における3つの法則
   5.身体重心と支持基底面
 第2章 歩行の獲得―進化と発達(山川友康)
   1.ヒトの歩行の進化
    1)はじめに
    2)魚類から四足動物への進化
    3)類人猿からヒトへの進化
    4)要約
   2.乳幼児の歩行獲得過程
    1)歩行獲得の要因
    2)歩行準備期
    3)歩行開始期
    4)歩行安定期(1歳半〜2歳)
    5)応用歩行期(3〜4歳)
    6)歩行獲得の発達的影響
    7)要約
 第3章 姿勢・運動制御(奥村 裕)
   1.姿勢
   2.重心と支持基底面
   3.姿勢制御におけるシステム
    1)予測的姿勢制御
    2)代償的姿勢制御
   4.動揺に対する姿勢制御
 第4章 背臥位から座位(安彦鉄平・村田 伸)
   1.基本動作と歩行の関連性
   2.背臥位・側臥位・腹臥位
    1)背臥位
    2)側臥位
    3)腹臥位
   3.寝返り動作
    1)屈曲回旋パターン:頭頸部・上肢からの寝返り(左への寝返り)
    2)伸展回旋パターン:片膝を立てた寝返り動作(左への寝返り)
    3)寝返り動作の観察のポイントと異常な動作パターン
   4.起き上がり
    1)背臥位から長座位までの起き上がり動作(左からの起き上がり)
    2)背臥位から端座位までの起き上がり動作(左からの起き上がり)
    3)起き上がり動作の観察のポイントと異常な動作パターン
    4)脳卒中片麻痺患者で観察される起き上がり動作
   5.座位
 第5章 立ち上がりと立位動作(弓岡まみ)
   1.はじめに
   2.重心と支持基底面の関係
    1)安定性戦略
    2)運動量戦略
    3)混合型
   3.立ち上がり動作の区分(3相)
    1)第1相:体重移動相(重心の前方移動期)
    2)第2相:移行相(殿部離床期)
    3)第3相:上昇相(重心の上方移動期)
   4.立ち上がり動作と筋力によるモーメント(求心性・遠心性収縮によるコントロール)
   5.床反力と身体重心による身体重心加速度の変化
    1)立ち上がり動作での床反力と身体重心にかかる重力の関係
    2)しゃがみ動作での床反力と身体重心にかかる重力の関係
   6.立ち上がり動作の各論(確認すべきポイント)
    1)体幹前傾を開始するため骨盤前傾ができているか?
    2)体幹前傾を制動できているか?
    3)股関節伸展と膝関節伸展のコントロールができているか?
    4)膝関節伸展時に下腿の固定ができているか?
    5)大殿筋によって股関節屈曲を制動できているか?
   7.立位
    1)理想的な立位姿勢
    2)さまざまな立位姿勢
 第6章 歩行(健常者と患者の比較)(廣瀬浩昭)
   1.はじめに
   2.歩行の一般的知識
    1)歩行周期の各相
    2)歩行の測定項目
   3.正常歩行と異常歩行
    1)正常歩行における基本的機能
    2)正常歩行における下肢の関節運動と機能
    3)正常歩行における骨盤・上肢の運動
    4)主な異常歩行
 第7章 階段昇降(溝田勝彦)
   1.はじめに
   2.階段の構造と寸法
    1)階段の構造と名称
    2)階段の寸法
   3.階段昇降の周期
   4.階段昇降に必要な下肢機能
   5.階段昇降動作の分析
    1)昇段
    2)降段
   6.高齢者の階段昇降
   7.片麻痺患者の階段昇降
第2部 歩行獲得に向けた理学療法学的治療アプローチ
 第8章 背臥位,側臥位,腹臥位での治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・金澤佑治)
   1.はじめに
    1)テンタクル活動
    2)ブリッジ活動
    3)ブリッジ―テンタクル活動
   2.背臥位での治療アプローチ(テンタクル活動)
    1)頭部のみ挙上させる方法
    2)頭部と肩甲帯を挙上させる方法
    3)背臥位で対象者の両下肢を挙上させ,体幹前面筋群を活動させる(テンタクル活動)
    4)背臥位ブリッジ活動の準備:開始肢位である両膝立て背臥位をとる
   3.背臥位での治療アプローチ(ブリッジ活動,ブリッジ―テンタクル活動)
    1)背臥位で骨盤を後傾させて行うブリッジ
    2)背臥位で両大腿遠位部からブリッジを誘導する
    3)一側下肢のブリッジ活動と他側下肢のテンタクル活動で歩行の立脚相と遊脚相の準備をする
   4.側臥位での治療アプローチ
    1)側臥位での体幹前面筋と体幹後面筋の促通(テンタクル活動)
    2)側臥位で上肢と下肢を外転させ,頭頸部と体幹の側屈を促通する(テンタクル活動)
    3)側臥位での骨盤前傾・後傾により下肢の振り出しを誘導する
   5.腹臥位での治療アプローチ
  Q&A
 第9章 寝返りでの治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・金澤佑治)
   1.寝返りの準備
    1)抗重力活動を促通する
    2)身体の回転・重心の位置・支持基底面の端(安定性限界)の関係
    3)身体の体幹の形が寝返りに影響する
    4)背臥位から側臥位までの寝返り:身体重心を高く保つと寝返りやすい
    5)上下肢の位置が寝返りに関係する
   2.寝返りの治療アプローチ
    1)頭頸部から寝返りを誘導する(背臥位から側臥位まで)(左側への寝返り,頭頸部と体幹のテンタクル活動を促通する)
    2)頭頸部・肩甲帯から寝返りを誘導する(背臥位から側臥位まで)
    3)肩甲帯・上肢から寝返りを誘導する
    4)上肢から寝返りを誘導する
    5)骨盤・下肢から寝返りを誘導する
    6)両大腿から寝返りを誘導する
  Q&A
 第10章 起き上がりと床上動作での治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・金澤佑治)
  起き上がりの治療アプローチ
   1.はじめに
   2.端座位への起き上がりの治療アプローチ
    1)頭頸部・骨盤からの操作で端座位への起き上がりを誘導する
    2)頭頸部・肩甲帯・骨盤からの操作で端座位への起き上がりを誘導する
    3)骨盤からの操作で端座位への起き上がりを誘導する
    4)肩甲帯と骨盤からの操作で端座位への起き上がりを誘導する
   3.長座位への起き上がりの治療アプローチ
    1)頭頸部からの操作で背臥位から長座位への対称的な起き上がりを誘導する
    2)頭頸部からの操作で背臥位から長座位への非対称的な起き上がりを誘導する(頭頸部を対称的に保持して操作する起き上がり)
    3)両肩甲帯からの操作で背臥位から長座位への非対称的な起き上がりを誘導する
    4)頭頸部・両肩甲帯からの操作で背臥位から長座位への対称的な起き上がりを誘導する
    5)頭頸部・両肩甲帯からの操作で背臥位から長座位への非対称的な起き上がりを誘導する
    6)右肩甲帯・上肢からの非対称的な操作で起き上がりを誘導する
    7)両上肢からの操作で対称的な起き上がりを誘導する
  床上動作の治療アプローチ
   1.はじめに
   2.治療アプローチ(最初に健常者で誘導の操作を練習する)
    1)両肩甲帯からの操作で両膝立て座位から横座り位へ誘導する
    2)両肩甲帯からの操作で両膝立て座位から横座り位へ誘導し,両側骨盤からの操作で四つ這い位へ誘導する
    3)両肩甲帯からの操作で両膝立て座位から四つ這い位へ誘導する
    4)両肩甲帯の操作による長座位からの立ち上がり
    5)主に肩甲帯からの誘導による長座位からの立ち上がり(右片麻痺患者を想定)
    6)両側骨盤からの操作による長座位からの立ち上がり
    7)主に骨盤からの誘導による長座位からの立ち上がり(右片麻痺患者を想定)
  Q&A
 第11章 座位での治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・奥村 裕・金澤佑治)
   1.はじめに
    1)座位を保持するための頭頸部・体幹筋の抗重力活動(テンタクル活動)
    2)座位での立ち直りと「腰椎と骨盤が反対方向に動く腰椎骨盤リズム」の関係
    3)座位での重心と支持基底面の関係
   2.頭頸部からの操作
    1)頭頸部から操作して体幹の屈曲・伸展を促す
    2)頭頸部から操作して体幹の前傾と後傾を促す
    3)頭頸部から操作して体幹の側方移動と側屈を促す
    4)頭頸部から操作して体幹の側方移動と回旋を促す
   3.肩甲帯からの操作
    1)両肩甲骨から操作して体幹屈曲と伸展を促す
    2)両肩甲骨から操作して体幹の前傾と後傾を促す
    3)両肩甲骨から操作して体幹の側方移動と側屈を促す
    4)両肩甲骨から操作して頭頸部・体幹の側屈・回旋を促す
    5)両肩甲骨から操作して頭頸部挙上と上肢による支持を促す
   4.両上肢からの操作
    1)両上肢から操作して頭頸部・体幹の屈曲・伸展を促す
    2)両上肢から操作して頭頸部・体幹の前傾・後傾を促す
    3)両上肢から操作して頭頸部・体幹の側方移動・側屈を促す
    4)主に両上肢から操作して端座位→長座位→端座位の動きを誘導する
   5.骨盤からの操作
    1)骨盤から操作して腰椎部の屈曲・伸展を促す
    2)骨盤から操作して体幹の前傾・後傾を促す
    3)骨盤から操作して頭頸部・体幹の側方移動と側屈を促す
    4)骨盤からの操作では体幹が垂直に立ち直らない場合:一側骨盤と他側上腕外側(または上胸部側方)から操作して頭頸部・体幹の側方移動と側屈を促す
    5)一側骨盤と対側肩甲帯から操作して端座位→長座位→端座位の動きを誘導する
    6)主に下部体幹と上肢から操作して端座位→長座位→端座位の動きを誘導する
   6.下部体幹から操作して腰椎の屈曲・伸展を促す
   7.両大腿から操作して腰椎の屈曲・伸展を促す
   8.一側肩甲帯と他側骨盤から操作して胸郭伸展位で保持したまま腰椎屈曲・伸展を促す
  Q&A
 第12章 立ち上がりでの治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・奥村 裕)
   1.端座位から立ち上がるために体幹を準備する(端座位で骨盤が後傾し,体幹が円背の対象者の治療)
   2.端座位から立ち上がるための下肢を準備する
    1)足部と下腿から操作して膝関節伸展位での足関節背屈と膝関節屈曲位での足関節底屈・背屈を促す
    2)膝関節屈曲位での足関節背屈・底屈を促す
    3)セラピストの体幹を使って膝関節の屈曲・伸展,足関節背屈を促す
    4)膝関節伸展位での足関節背屈,膝関節屈曲位での足関節底屈(ハムストリングスの保持)を促す
   3.両肩甲骨から操作して立ち上がりを促す
    1)立ち上がりの操作
    2)座位に戻す操作
   4.両上肢から操作して立ち上がりを促す
    1)上肢の回旋の操作によって体幹屈曲・伸展を促す
    2)上肢の回旋の操作によって立ち上がり・着座を促す
   5.一側上肢からの回旋の操作によって立ち上がり・着座を促す(右片麻痺患者を想定)
    1)立ち上がりの操作
    2)座位に戻す操作
   6.下部体幹から操作して立ち上がりを促す(矢状面より観察,右片麻痺患者を想定)
    1)立ち上がりの操作
    2)座位に戻す操作
   7.下部体幹から操作して立ち上がりを促す(前額面より観察,右片麻痺患者を想定)
    1)立ち上がりの操作
    2)座位に戻す操作
   8.骨盤から操作して立ち上がりを促す
    1)立ち上がりの操作
    2)立位から座位に戻す操作
   9.両大腿からの操作によって立ち上がりを促す
    1)両大腿から操作して体幹の前傾・後傾を促す
    2)両大腿から操作して立ち上がりと着座を促す
  Q&A
 第13章 立位での治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・奥村 裕・金澤佑治)
   1.脳卒中右片麻痺患者の立位の特徴と治療の目的
   2.立位で体幹をできるだけ垂直に保ったまま膝関節を屈曲する(スクワット)
    1)立位から膝関節を屈曲する(スクワット)
    2)スクワット位から膝関節を伸展して立位に戻る
    3)前述の方法では体幹を垂直に保ったスクワットが難しい場合:壁に背中を付けてスクワットを行う
    4)前述の方法では体幹を垂直に保ったスクワットが難しい場合:セラピストの右手で体幹を垂直に保ちながらスクワットを行う
   3.立位で骨盤の側方移動を促し,股関節の内転・外転の可動性を増加させる
   4.立位での股関節回旋を促す
    1)立位で骨盤を回旋することで,股関節の内旋・外旋の可動性を増加させる
    2)右下肢(麻痺側を想定)を安定させて骨盤を回旋することで股関節回旋を促す
   5.立位ステップ姿勢で股関節の伸展と回旋を促す
    1)立位ステップ姿勢で股関節の伸展を促す(右片麻痺患者を想定)
    2)立位ステップ姿勢で股関節の回旋を促す(右片麻痺患者を想定)
   6.両上肢支持で左右対称的な立位から後方へのステップを促す
    1)両上肢支持での左右対称的な立位を獲得する(右片麻痺患者を想定)
    2)立位で足部内反と足趾屈曲の治療を行う(右片麻痺患者を想定)
    3)右下肢の後方へのステップを促す(右片麻痺患者を想定)
   7.プローンスタンディングでの治療(右片麻痺患者を想定)
    1)プローンスタンディングへの誘導
    2)立位や座位で右肩甲骨・肩関節が後方に引かれた状態の右片麻痺患者の治療
    3)肩甲骨内転と肩関節水平外転によって上部体幹の伸展を促す
    4)骨盤後傾によって腰背部を伸張させる
    5)右骨盤の前方回旋・後傾によって右膝関節を屈曲させる
    6)プローンスタンティング姿勢から立位に戻す
  Q&A
 第14章 歩行での治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ・奥村 裕)
   1.はじめに
   2.肩甲帯からの歩行の治療アプローチ
   3.上肢からの歩行の治療アプローチ
    1)右上肢(麻痺側)から前方歩行を促す
    2)右上肢(麻痺側)から側方ステップを促す
   4.下部体幹から前方歩行を促す
   5.骨盤から前方・側方ステップを促す(肩幅・左右均等に下肢を開いた立位)
    1)骨盤から前方ステップを促す
    2)骨盤から側方ステップを促す
    3)上部体幹と骨盤から側方ステップを促す
   6.下部体幹と大腿部から前方・後方ステップを促す
    1)下部体幹と大腿部から前方ステップを促す
    2)下部体幹と大腿部から後方ステップを促す
   7.大腿部から前方・後方ステップを促す
    1)大腿部から前方ステップを促す
    2)大腿部から後方ステップを促す
   8.下腿から前方歩行を促す
   9.前方に置いた台への昇降
    1)前方に置いた台に上る
    2)前方に置いた台から下りる
   10.台の上で立位をとって左下肢を前方の床に下ろし,左下肢を台に戻す
    1)左下肢を前方の床に下ろす
    2)左下肢を後方の台に戻す
   11.階段を上る
    1)右下肢支持期(麻痺側想定)を誘導する
    2)右下肢遊脚期(麻痺側想定)を誘導する
   12.階段を下りる
    1)右下肢支持期(麻痺側想定)を誘導する
    2)右下肢遊脚期(麻痺側想定)を誘導する
  Q&A
 第15章 歩行に必要な肩甲帯・上肢・手指の治療アプローチ(弓岡光徳・廣瀬浩昭・弓岡まみ)
   1.はじめに
   2.麻痺側上肢の機能的な動作獲得のための3つの肢位
   3.肩関節,肘関節,手関節,手指の機能的役割
    1)主に肩甲骨・肩関節の動きと手関節の動きを必要とする動作
    2)主に肘関節の動きを必要とする動作
   4.肩甲骨の安定性の獲得
    1)CHOR(contactual hand orientating response)
    2)立位でのCHOR
    3)肩甲帯コントロールの促通
   5.肩甲帯・上肢・手指の治療アプローチ(右片麻痺患者を想定)
    1)背臥位で肩甲骨の前方突出と肘関節伸展を促す.192
    2)背臥位で肩甲骨前方突出させ上肢を各位置で保持させる
    3)背臥位で肩甲骨前方突出させ肘関節の伸展を促す
    4)背臥位で肩甲骨前方突出させ肘関節の屈曲を促す
    5)側臥位で体幹を安定させ上肢伸展位での肩甲骨の外転を促す
    6)側臥位で前後移動のなかで肘関節の屈曲伸展を促す
    7)端座位で体幹の側方移動のなかで右上肢の伸展を促す
    8)端座位で体幹の前傾のなかで上肢の伸展を促す
    9)端座位で肩甲帯から肘関節の伸展を促す
    10)端座位での上肢の支持
    11)端座位での肘関節伸展(前方)
    12)端座位での肘関節伸展(上方)
    13)端座位でテーブル上のタオルを肘関節伸展位で動かす
    14)端座位でテーブル上の大きな積み木を肘関節伸展位で動かす
    15)端座位でテーブル上のタオルを肘関節屈曲・伸展させて動かす
    16)端座位でテーブル上の大きな積み木を肘関節屈曲・伸展させて動かす
    17)端座位でのペットボトルへのリーチとグラスプ・リリース(1)(手関節掌屈位で手指伸展してペットボトルをグラスプ・リリースする)
    18)端座位でのペットボトルへのリーチとグラスプ・リリース(2)(手関節背屈位で手指伸展してペットボトルをグラスプ・リリースする)
    19)端座位での積み木へのリーチとグラスプ・リリース(手関節掌屈位で手指伸展して積み木をグラスプ・リリースする)
    20)両上肢で支持した立位での肘関節の屈曲と伸展を促す
  Q&A

 索引