やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 本書は,はり師・きゅう師国家試験受験者を対象にした「はりきゅう理論」における〇×解答式の問題集です.「はりきゅう理論」の国家試験問題を概観しますと,知識の有無を単純に問うものから理解力・応用力を問う問題に変わりつつあります.そこでこれらの傾向に対処するためには,まず基本的な知識の整理・暗記が不可欠となります.よって本書では,「はりきゅう理論」の学習内容を8章に分割し,基本事項の確認・暗記を主眼に編集しました.加えて,理解力・応用力の向上を目指して単元ごとに応用問題を配置しました.さらに本科目では,生理学における神経生理および感覚生理の知識が不可欠であることから,神経生理については第9章「神経生理」としてまとめ,感覚生理については第6章中に必要と思われる内容を追加しました.これらにより,国家試験対策はもとより,平素の授業理解や定期試験にも活用していただければ幸いです.
 本書が皆さんの勉学の助けとなり,国家試験に無事合格されることを心から願ってやみません.
 最後に,本書を刊行するにあたり,多大な労をとっていただきました医歯薬出版竹内大氏,戸田健太郎氏に,心から厚く御礼申し上げます.
 平成19年8月 編著者および執筆協力者一同
第1章 概論と鍼の基礎知識
 1.概要と用具
  1.1 鍼灸治療の意義と特徴 1.2 毫鍼の各部の名称 1.3 鍼の長さの名称 1.4 鍼の太さの名称 1.5 鍼尖形状の種類と特徴 1.6 鍼の材質と特徴 1.7 応用問題
 2.古代九鍼など
  2.1 古代九鍼の概要 2.2 古代九鍼の分類 2.3 九変に応ずる刺法(遠道刺,絡刺,分刺) 2.4 九変に応ずる刺法(その他) 2.5 五刺 2.6 十二刺 2.7 応用問題
第2章 刺鍼の方式と術式
 1.刺鍼の方式
 2.刺鍼の術式
  2.1 前・後揉法と切皮 2.2 押手と刺入法 2.3 刺鍼中の手技(単刺術,間歇術,屋漏術など) 2.4 刺鍼中の手技(乱鍼術,管散術,内調術など)
 3.特殊鍼法
 4.応用問題
第3章 灸の基礎知識と灸術の種類
 1.艾について
 2.艾の品質と種類,線香
 3.有痕灸
 4.無痕灸
 5.応用問題
第4章 鍼灸の臨床応用
 1.刺激量と感受性
 2.鍼灸療法の適応症
 3.鍼灸療法の禁忌
 4.応用問題
第5章 リスク管理
 1.過誤と副作用
  1.1 鍼療法 1.2 灸療法 1.3 応用問題
 2.感染
  2.1 感染様式 2.2 病原微生物 2.3 感染症対策 2.4 応用問題
第6章 鍼灸治効の基礎
 1.痛覚
  1.1 痛みの種類 1.2 求心性神経線維の種類と特徴 1.3 痛覚の種類と特徴 1.4 内因性発痛物質 1.5 痛覚の伝導路と関連痛 1.6 応用問題
 2.温度覚,触圧覚,筋感覚
  2.1 温度感覚の受容 2.2 触圧覚の受容 2.3 筋の伸張刺激および筋の振動の受容 2.4 応用問題
 3.反射
  3.1 反射について 3.2 体性-運動反射 3.3 自律神経反射 3.4 ヘッド帯・マッケンジー帯 3.5 鍼灸刺激と反射 3.6 応用問題
 4.鍼鎮痛と鍼灸の治療的作用
  4.1 鍼麻酔 4.2 内因性鎮痛物質 4.3 鍼鎮痛・ゲートコントロール理論 4.4 鍼灸施術の治療的作用 4.5 応用問題
第7章 鍼灸療法の一般治効理論
 1.自律神経と鍼灸
  1.1 自律神経の概要 1.2 自律神経の生理的機能 1.3 自律神経系の化学的伝達と受容体 1.4 自律神経におよぼす鍼灸刺激の影響 1.5 応用問題
 2.炎症と鍼灸
  2.1 炎症の概要 2.2 炎症反応 2.3 白血球の概要 2.4 炎症における白血球の働き 2.5 応用問題
第8章 関連学説
 1.サイバネティックス,ホメオスターシス,緊急反応
 2.汎適応症候群の学説(ストレス学説)
 3.過剰刺激症候群の学説(レイリー現象),圧発汗反射
 4.応用問題
第9章 神経生理
 1.神経系の基礎
  1.1 神経系の一般 1.2 神経線維の興奮 1.3 興奮の伝導 1.4 興奮の伝達 1.5 応用問題
 2.中枢神経系
  2.1 中枢神経の一般 2.2 脳幹の機能 2.3 間脳と小脳の機能 2.4 大脳の機能 2.5 睡眠・脳波 2.6 応用問題
 3.末梢神経系
  3.1 脳神経(第I〜第VI) 3.2 脳神経(第VII〜第XII) 3.3 脊髄神経 3.4 応用問題

 索引