やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 今回,○×トライアルシリーズの1つとして運動学とリハビリテーション医学を一括してまとめることに致しました.本書の特徴は,設問ごとに極めて豊富な解説を加えたことにあります.解説を多くした理由は2つあります.まず,過去の国家試験の結果からこれらの科目は得点が低く,内容を十分に把握していないのではと思われるからです.もう1つの理由は,臨床上,運動学は極めて重要な意味を有しており,運動学を理解しないで臨床(骨・関節疾患)を行うことは,地図なくして冬山に登ろうとするに等しく,極めて危険を伴うからです.その意味から,国家試験に臨む学生さんのQ&Aのみならず,すでに臨床に携わる理学療法士,作業療法士,柔道整復師,鍼灸師,トレーナー,あるいは深く介護に関わる方々にも十分満足できるように配慮致しました.皆さんの知識の整理に役立てば幸いです.
 最後に,本書の企画・制作にあたってご助言をいただきました医歯薬出版の竹内大氏に深く謝意を表します.
 平成17年7月 竹内 義享
 ・序
 ・本書の特徴と使い方
▼第1章 運動学総論
 1.運動学とは
 2.運動の表し方
 3.身体運動と力学の基礎的事項
  3.1 身体運動に関与する力
  3.2 てこ・滑車の原理
  3.3 運動の法則
▼第2章 運動器・神経の構造と機能
 1.骨の構造と機能
  1.1 骨の基本構造
  1.2 骨の発生と成長
 2.関節の構造と機能
  2.1 関節の構造
  2.2 関節の分類
 3.骨格筋の構造と機能
  3.1 骨格筋の構造
  3.2 筋収縮の機序
  3.3 筋線維の種類
  3.4 運動単位
  3.5 筋収縮の様態
 4.神経の構造と機能
  4.1 神経細胞・神経線維・シナプス
  4.2 末梢神経
  4.3 中枢神経
▼第3章 運動感覚・反射と随意運動・運動の発達および学習
 1.運動感覚と運動の制御機構
 2.反射と随意運動
 3.運動の発達と学習
▼第4章 四肢と体幹の運動
 1.上肢帯の運動
 2.肩関節の運動
 3.肘関節と前腕の運動
 4.手関節と手の運動
 5.股関節の運動
 6.膝関節の運動
 7.足関節の運動
 8.体幹と脊柱の運動
 9.頸椎の運動
 10.胸椎と胸郭の運動
 11.腰椎,仙椎および骨盤の運動
 12.顔面および頭部の運動
▼第5章 姿勢・歩行
 1.人体の重心と立位姿勢
 2.歩行周期
 3.歩行の運動学的分析
 4.歩行時の筋活動
 5.異常歩行
▼第6章 リハビリテーションとリハビリテーション医学
 1.リハビリテーションと障害の3つのレベル
 2.リハビリテーション医学と関連職種
 3.リハビリテーションと福祉
▼第7章 評価と診断
 1.患者のとらえ方
  1.1 評価・治療とゴール設定
  1.2 評価の目的と病歴の作成
 2.身体計測・関節可動域測定
 3.徒手筋力テスト
 4.中枢性運動障害・痙縮の評価法
 5.小児運動発達の評価法
 6.協調性テスト
 7.失認と失行の評価
 8.心理評価・日常生活動作の評価
 9.電気生理学的診断・画像診断
▼第8章 リハビリテーション治療総論
 1.理学療法
  1.1 理学療法の目的
  1.2 物理療法
  1.3 牽引・マッサージ・マニピュレーション
  1.4 筋力増強訓練
 2.作業療法
 3.補装具
  3.1 装具
  3.2 義肢
  3.3 移動補助具
  3.4 自助具
 4.言語治療
▼第9章 リハビリテーションの実際
 1.脳卒中
  1.1 脳卒中の分類と特徴
  1.2 脳卒中のリハビリテーション
 2.脊髄損傷
  2.1 脊髄損傷の病態
  2.2 脊髄損傷の合併症と対策
  2.3 脊髄損傷のリハビリテーション
 3.小児疾患
 4.切断
 5.末梢神経損傷
 6.関節リウマチ
 7.整形外科疾患
 8.心疾患
  8.1 心疾患の分類と特徴
  8.2 心疾患のリハビリテーション
 9.呼吸器疾患
  9.1 呼吸と呼吸商ほか
  9.2 呼吸器疾患のリハビリテーション
 10.高齢者のリハビリテーション
  10.1 老年疾患の特徴
  10.2 地域リハビリテーションと寝たきり
  10.3 パーキンソン病

 ・索引