第2版 まえがき
本書第1版は,伝統医学を学ぶ数多くの臨床家の先生方に,実践弁証の訓練書として使っていただきました.「東洋医学の用語が難しい」ということで,東洋医学の学習指導が難しく,東洋医学の科目を開講されている先生方にとっては,中国に淵源をもつ伝統医療文化を初学者に理解してもらうことは容易なことではありません.そのために東洋医学教育を進める上で,さまざまな工夫を凝らし,多くの伝統医学を学ぶ初学者に対して,惜しみない努力を発揮されて来られたことだと思います.とくに日本では中国や韓国,台湾と比較しても伝統医学教育の開講科目が少なく,本来,教育すべき伝統医学の教育水準は諸外国と比較しても十分だと言えない状態にあります.「専門用語が難しくて理解できない」「東洋医学独自のシステム化された身体の構造や蔵府や気血の解説ができない」「東洋医学のもつ哲学観についても,現行の教育では不十分である」等々の問題点が山積みされ,模索されているのではないでしょうか.
現代西洋医学はあらゆる身体の現象を定量化したことにより,医療関係者であれば,誰にでも情報を提供できるように数値化し,身体の状況を知る仕組みを築きました.しかし,東洋医学は経験則に基づくことが少なくありません.質的変化で個体差を認識して治療するので,数値化されたもののみ偏重することなく,疾患が同じでも,個々の異なった体調の訴えや身体に現れた反応より,疾病の本質を抜本的に解決しようとする学問です.したがって,伝統医療と現代医学を比べると,両者間で疾患をみる方向性はずいぶん違うようです.ただし,疾患の種類によっては標準化された現代医学のシステムに委ねることも必要であるため,現代医学的システムの応用の可否を見極める能力も,東洋医学を学ぶ上では十分に理解しておくことが必要でしょう.
第1版では,従来の設問形式で東洋医学に対する理解度を深めるために『黄帝内経』などの文脈を記して,古典との整合性を学び,難しい用語などを克服してきました.今回の第2版では,設問を見直し,さらに症例を加えたことで,弁証の具体例を示しました.設問内容が理解できれば,症例を解くことができます.国家試験で症例を解くような設問が始まっていることを考えても,症例から気血,蔵府,経絡,四診を理解し,さらに症例と結びつけることができるように「慣れていく」ことが本書改訂の目的です.また,本書の最大の特徴は,実際の臨床現場における弁証訓練を目標に,設問より症例が解けるようにしていることです.
いよいよ超高齢社会に向かって東洋医学の実力を発揮する時代が来ました.中国の伝統医療文化を起源として発展した日本の東洋医学が果たすべき役割,それは漢方薬や鍼灸治療を用いて健康寿命に貢献する一助の光明として,その使命を尽くすことにあります.本書が伝統医学を習熟するための一書として,その責務を果たすことができれば幸いです.最後に本書の改訂版に最後までご尽力を戴きました医歯薬出版の各位に御礼申し上げます.
2018年2月
まえがき
中医学の弁証方法を用いて臨床を行う学生や鍼灸師,医師が増えつつあります.しかし,中医専門の教育機関も少なく,なによりも中医学が教育に生かされているとは限りません.筆者が大学で担当している教科では基礎理論を学び,弁証理論を用いて証を立て,臨床現場で遭遇するさまざまな疾患に対して対応できる臨床家の育成を目指しています.
東京で学生諸氏が「弁証ができるようになる!」というテーマで,講習を行う機会にめぐまれました.そこで講習会用の資料を本学中医学研究会OBの協力を得て編集し,タイトルを「中医学の招待」と題し,勉強会でこの資料による弁証トレーニングを行いました.
「中医学の招待」と題した資料の内容は,まず弁証の仕方や考え方について,「患者へ何を問い,どう考えるか」「患者より情報を引き出すコツ」などを述べ,さらに症例を用いて具体的に弁証をマスターすることを目的としたものでした.実はその時に用いられた「中医学の招待」が本書の生まれるきっかけとなりました.
初学者にとって中医学の用語は難しい,中医学的な考え方も難しい,これは私たちの日常の生活で食養生や予防,また漢字への「なじみ」が薄いのか,なかなか親しむことができません.
現代医学に生理学や病理学があるように,中医学にも生理学と病理学はあります.たとえば英語を学ぶ者が英単語を学び,文法を習得して文書を組み立て,他人に伝える努力をしようとします.中医学も同じことです.鍼灸医学,漢方医学を学ぶ者が,専門の用語を覚えて,東洋医学の生理と病理の知識を身につけて,人体の仕組みを学び,臨床に応用できるように技能を訓練します.
医学部でも英語を学んで,現代医学の生理と病理また解剖学の知識をマスターしなければなりません.
本書はこれらの身近なことを少しずつでも,中医弁証ができるようになるためのマニュアルとして編集しました.用語に慣れるためには,「覚えるよりも慣れること,また使うこと」が大切です.そこで基礎理論よりトレーニングを始め,自然と中医学に親しめるようにしました.当初,中国の問題集を参考にしていましたが,中国の問題集をそのまま日本で使うことができません.日本での教育事情は中国のカリキュラムとは異なるためです.日本の教科書には中国の問題集を解くための十分な解説が少ないという点でした.そこで本書は学校協会指定教科書である「東洋医学概論」を付き合わせて,日本の教科書を参考に,設題をある程度まで解けるように改めて作り換えました.これは弁証を行う上の基礎知識を身につけ,自然に専門用語に親しめるように工夫し,家庭学習,「ひとりでも学べる弁証」のためのトレーニングとして出版する運びとなりました.
本書の出版にあたり多くの人々にお世話になりました.上海中医薬大学の国際鍼灸センターの諸先生方,いろいろとご指導いただいた関西鍼灸大学の諸先生方,本学卒業生の天野聡子さん,並びに担当編集の医歯薬出版株式会社の吉田邦男氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
2003年10月
本書第1版は,伝統医学を学ぶ数多くの臨床家の先生方に,実践弁証の訓練書として使っていただきました.「東洋医学の用語が難しい」ということで,東洋医学の学習指導が難しく,東洋医学の科目を開講されている先生方にとっては,中国に淵源をもつ伝統医療文化を初学者に理解してもらうことは容易なことではありません.そのために東洋医学教育を進める上で,さまざまな工夫を凝らし,多くの伝統医学を学ぶ初学者に対して,惜しみない努力を発揮されて来られたことだと思います.とくに日本では中国や韓国,台湾と比較しても伝統医学教育の開講科目が少なく,本来,教育すべき伝統医学の教育水準は諸外国と比較しても十分だと言えない状態にあります.「専門用語が難しくて理解できない」「東洋医学独自のシステム化された身体の構造や蔵府や気血の解説ができない」「東洋医学のもつ哲学観についても,現行の教育では不十分である」等々の問題点が山積みされ,模索されているのではないでしょうか.
現代西洋医学はあらゆる身体の現象を定量化したことにより,医療関係者であれば,誰にでも情報を提供できるように数値化し,身体の状況を知る仕組みを築きました.しかし,東洋医学は経験則に基づくことが少なくありません.質的変化で個体差を認識して治療するので,数値化されたもののみ偏重することなく,疾患が同じでも,個々の異なった体調の訴えや身体に現れた反応より,疾病の本質を抜本的に解決しようとする学問です.したがって,伝統医療と現代医学を比べると,両者間で疾患をみる方向性はずいぶん違うようです.ただし,疾患の種類によっては標準化された現代医学のシステムに委ねることも必要であるため,現代医学的システムの応用の可否を見極める能力も,東洋医学を学ぶ上では十分に理解しておくことが必要でしょう.
第1版では,従来の設問形式で東洋医学に対する理解度を深めるために『黄帝内経』などの文脈を記して,古典との整合性を学び,難しい用語などを克服してきました.今回の第2版では,設問を見直し,さらに症例を加えたことで,弁証の具体例を示しました.設問内容が理解できれば,症例を解くことができます.国家試験で症例を解くような設問が始まっていることを考えても,症例から気血,蔵府,経絡,四診を理解し,さらに症例と結びつけることができるように「慣れていく」ことが本書改訂の目的です.また,本書の最大の特徴は,実際の臨床現場における弁証訓練を目標に,設問より症例が解けるようにしていることです.
いよいよ超高齢社会に向かって東洋医学の実力を発揮する時代が来ました.中国の伝統医療文化を起源として発展した日本の東洋医学が果たすべき役割,それは漢方薬や鍼灸治療を用いて健康寿命に貢献する一助の光明として,その使命を尽くすことにあります.本書が伝統医学を習熟するための一書として,その責務を果たすことができれば幸いです.最後に本書の改訂版に最後までご尽力を戴きました医歯薬出版の各位に御礼申し上げます.
2018年2月
まえがき
中医学の弁証方法を用いて臨床を行う学生や鍼灸師,医師が増えつつあります.しかし,中医専門の教育機関も少なく,なによりも中医学が教育に生かされているとは限りません.筆者が大学で担当している教科では基礎理論を学び,弁証理論を用いて証を立て,臨床現場で遭遇するさまざまな疾患に対して対応できる臨床家の育成を目指しています.
東京で学生諸氏が「弁証ができるようになる!」というテーマで,講習を行う機会にめぐまれました.そこで講習会用の資料を本学中医学研究会OBの協力を得て編集し,タイトルを「中医学の招待」と題し,勉強会でこの資料による弁証トレーニングを行いました.
「中医学の招待」と題した資料の内容は,まず弁証の仕方や考え方について,「患者へ何を問い,どう考えるか」「患者より情報を引き出すコツ」などを述べ,さらに症例を用いて具体的に弁証をマスターすることを目的としたものでした.実はその時に用いられた「中医学の招待」が本書の生まれるきっかけとなりました.
初学者にとって中医学の用語は難しい,中医学的な考え方も難しい,これは私たちの日常の生活で食養生や予防,また漢字への「なじみ」が薄いのか,なかなか親しむことができません.
現代医学に生理学や病理学があるように,中医学にも生理学と病理学はあります.たとえば英語を学ぶ者が英単語を学び,文法を習得して文書を組み立て,他人に伝える努力をしようとします.中医学も同じことです.鍼灸医学,漢方医学を学ぶ者が,専門の用語を覚えて,東洋医学の生理と病理の知識を身につけて,人体の仕組みを学び,臨床に応用できるように技能を訓練します.
医学部でも英語を学んで,現代医学の生理と病理また解剖学の知識をマスターしなければなりません.
本書はこれらの身近なことを少しずつでも,中医弁証ができるようになるためのマニュアルとして編集しました.用語に慣れるためには,「覚えるよりも慣れること,また使うこと」が大切です.そこで基礎理論よりトレーニングを始め,自然と中医学に親しめるようにしました.当初,中国の問題集を参考にしていましたが,中国の問題集をそのまま日本で使うことができません.日本での教育事情は中国のカリキュラムとは異なるためです.日本の教科書には中国の問題集を解くための十分な解説が少ないという点でした.そこで本書は学校協会指定教科書である「東洋医学概論」を付き合わせて,日本の教科書を参考に,設題をある程度まで解けるように改めて作り換えました.これは弁証を行う上の基礎知識を身につけ,自然に専門用語に親しめるように工夫し,家庭学習,「ひとりでも学べる弁証」のためのトレーニングとして出版する運びとなりました.
本書の出版にあたり多くの人々にお世話になりました.上海中医薬大学の国際鍼灸センターの諸先生方,いろいろとご指導いただいた関西鍼灸大学の諸先生方,本学卒業生の天野聡子さん,並びに担当編集の医歯薬出版株式会社の吉田邦男氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
2003年10月
本書の特徴
参考・引用文献
序章 この症例が解けますか?
主訴記載がある症例の弁証
第一段階・概念 弁証の解き方・導き方のコツ
第二段階・導入 虚実・寒熱・表裏を成立させること
まずは主訴が記された以下の症例が弁証できるか?試してみよう!
第1章 診断ができるようになろう
1 弁証総論
1.「弁証」って何だ?
2.二つの目線を持とう!
3.中医学はムズカシイ?
4.人類の宝を自分の力にしよう!
5.弁証はどこから生まれたのか!
6.「弁証」とは弁別すること
7.「本」と「標」
8.一事が万事,私たちの肉体
9.陽虚と陰虚
10.本虚標実とは
11.虚と実
2 四診総論
1.体表から体内を観察する
2.体表へシグナルを送る仕組み
3.四診は合参しよう
4.弁証論治の意味
3 弁証論治
1.弁証論治をしてみよう!
4 臨床における注意点
1.望診術で心得ておかなくてはいけないこと
2.聞診術で心得ておかなくてはいけないこと
3.問診術で心得ておかなくてはいけないこと
4.切診術で心得ておかなくてはいけないこと
5.治療に対して心得ておかなくてはいけないこと
第2章 中医学用語を克服しよう!
A 基礎理論に関係のある用語
1 気血津液
I 気
気の概念
気の生成
気の運動
気の種類
原気(元気)
宗気
営気(栄気)
衛気
気の作用
II 血
血の概念
血の生成
血の循環
血の作用
血と津の関係
III 津液
津液の概念
津液の生成
津液の代謝
津液の働き
津液と気の関係
2 蔵象
I 蔵府概説
蔵府概念
II 五蔵
心
生理作用
五行との関係
肺
生理作用
蔵府概念
脾
生理作用
五行との関係
肝
生理作用
五行との関係
腎
気の生成
五行との関係
III 六府
生理作用
IV 奇恒の府
生理作用
V 蔵府と古典
VI 蔵府間の関係
蔵府概念
蔵象概論
単蔵府
二蔵府
3 病因
I 外感病因
六気(淫)
(一)風
(二)寒
(三)湿
(四)燥
(五)熱(火)
(六)暑邪
II 内傷病因
七情(一)
七情(二)
七情(三)
病因と飲食
過労(虚労)の分類
オ血の概念
オ血の形成
痰飲の基本概念
痰飲の形成
4 病機
病機の概念
気の病機
血の病機
5 防治原則
防治原則の概念
防治原則の役割
正治と反治
扶正とキョ邪
治則と標本緩急
6 経絡
経絡の構成
経絡の機能
十二経の走行
経絡の長さ
脈気の循環速度
経脈の深浅
気血の量
奇経八脈の働き
B 四診に関係のある用語
四診
1 望診
望診の意義視診
神の種類
色を望診する
形体を望診する
姿態を望診する
舌を望診する
舌と経絡の関係
舌色で見分ける
注意を要する舌
舌と蔵府の関係
舌と八綱との関係
2 聞診
聞診の意義
聞診と音声
聞診と呼吸
聞診と臭い
3 問診
問診の意義
十問歌
発汗
気の不足を知る
発熱の種類
頭痛の種類
血の不足を知る
痛みの性質を知る
便秘を分ける
排尿障害
4 切診
I 脈診
脈診の意義
脈状形成の原理
脈状の種類
脈状の四要素
脈診の部位
II 按診
按診の概念
按診の意義
按診の注意事項
腹診の種類
虚里のポイント
按診と圧痛
第3章 症例トレーニング
1 主訴記載のない症例の弁証
2 ケーススタディ・病証名から症状を分析する
索引
参考・引用文献
序章 この症例が解けますか?
主訴記載がある症例の弁証
第一段階・概念 弁証の解き方・導き方のコツ
第二段階・導入 虚実・寒熱・表裏を成立させること
まずは主訴が記された以下の症例が弁証できるか?試してみよう!
第1章 診断ができるようになろう
1 弁証総論
1.「弁証」って何だ?
2.二つの目線を持とう!
3.中医学はムズカシイ?
4.人類の宝を自分の力にしよう!
5.弁証はどこから生まれたのか!
6.「弁証」とは弁別すること
7.「本」と「標」
8.一事が万事,私たちの肉体
9.陽虚と陰虚
10.本虚標実とは
11.虚と実
2 四診総論
1.体表から体内を観察する
2.体表へシグナルを送る仕組み
3.四診は合参しよう
4.弁証論治の意味
3 弁証論治
1.弁証論治をしてみよう!
4 臨床における注意点
1.望診術で心得ておかなくてはいけないこと
2.聞診術で心得ておかなくてはいけないこと
3.問診術で心得ておかなくてはいけないこと
4.切診術で心得ておかなくてはいけないこと
5.治療に対して心得ておかなくてはいけないこと
第2章 中医学用語を克服しよう!
A 基礎理論に関係のある用語
1 気血津液
I 気
気の概念
気の生成
気の運動
気の種類
原気(元気)
宗気
営気(栄気)
衛気
気の作用
II 血
血の概念
血の生成
血の循環
血の作用
血と津の関係
III 津液
津液の概念
津液の生成
津液の代謝
津液の働き
津液と気の関係
2 蔵象
I 蔵府概説
蔵府概念
II 五蔵
心
生理作用
五行との関係
肺
生理作用
蔵府概念
脾
生理作用
五行との関係
肝
生理作用
五行との関係
腎
気の生成
五行との関係
III 六府
生理作用
IV 奇恒の府
生理作用
V 蔵府と古典
VI 蔵府間の関係
蔵府概念
蔵象概論
単蔵府
二蔵府
3 病因
I 外感病因
六気(淫)
(一)風
(二)寒
(三)湿
(四)燥
(五)熱(火)
(六)暑邪
II 内傷病因
七情(一)
七情(二)
七情(三)
病因と飲食
過労(虚労)の分類
オ血の概念
オ血の形成
痰飲の基本概念
痰飲の形成
4 病機
病機の概念
気の病機
血の病機
5 防治原則
防治原則の概念
防治原則の役割
正治と反治
扶正とキョ邪
治則と標本緩急
6 経絡
経絡の構成
経絡の機能
十二経の走行
経絡の長さ
脈気の循環速度
経脈の深浅
気血の量
奇経八脈の働き
B 四診に関係のある用語
四診
1 望診
望診の意義視診
神の種類
色を望診する
形体を望診する
姿態を望診する
舌を望診する
舌と経絡の関係
舌色で見分ける
注意を要する舌
舌と蔵府の関係
舌と八綱との関係
2 聞診
聞診の意義
聞診と音声
聞診と呼吸
聞診と臭い
3 問診
問診の意義
十問歌
発汗
気の不足を知る
発熱の種類
頭痛の種類
血の不足を知る
痛みの性質を知る
便秘を分ける
排尿障害
4 切診
I 脈診
脈診の意義
脈状形成の原理
脈状の種類
脈状の四要素
脈診の部位
II 按診
按診の概念
按診の意義
按診の注意事項
腹診の種類
虚里のポイント
按診と圧痛
第3章 症例トレーニング
1 主訴記載のない症例の弁証
2 ケーススタディ・病証名から症状を分析する
索引