はじめに
私が心電図波形に出会ったのは臨床検査技師学校の学生のときです.心電図はさっぱりわからないが第一印象でした.病院に就職して生理検査を担当することになり,心電図はわからないではすまないので専門書を読んで勉強しましたが,やっぱりわからない.P波とQRS波,T波しか出てこないのに書いてあることがなかなか理解できないのです.そこで,心臓の絵を書き刺激伝導系と心電図波形を線で結ぶ作業を一つ一つ行ううちに理解できるようになりました.また,忙しい中,じっくり波形を見ている時間はありません.心電図の異常所見を瞬時に判断するトレーニングをしました.例えば,心電図をさっと見て(1〜2秒で)PQ時間が延長しているか,正常かを判断します.次に,じっくり見て判断が正しかったかを確認します.このようなことをいろいろな項目で行うと,瞬時に異常が発見できるようになります.医療の現場はスポーツに似ていると思います.その時に行動することができなければ医療に貢献することができません.トレーニングすれば,誰でもそれなりに上達します.すると,心電図をチラリと見て「ここに異常が出ていますよ」と言うと,すごいですね,と褒められたりします.人から褒められたり,感心されたりすると俄然やる気が出てきます.
看護師さんの仕事は大変だなと思います.モニターをみて瞬時に判断をしなければなりません.少しの時間で良いですから,余裕のある時に心電図波形をチラリと見てトレーニングをしてみてください.本書は,判読の仕方をできるだけわかりやすく説明するように努めました.本書を熟読していただくだけでなく,トレーニングにも生かしていただければと願っています.頭で理解していることと行動が結び付けば,人から褒められることも増えてきます.そして心電図の判読が楽しくなれば,さらにスキルが向上することでしょう.
本書が皆様のスキルアップのきっかけになれば幸いです.
2017年10月
土居忠文
私が心電図波形に出会ったのは臨床検査技師学校の学生のときです.心電図はさっぱりわからないが第一印象でした.病院に就職して生理検査を担当することになり,心電図はわからないではすまないので専門書を読んで勉強しましたが,やっぱりわからない.P波とQRS波,T波しか出てこないのに書いてあることがなかなか理解できないのです.そこで,心臓の絵を書き刺激伝導系と心電図波形を線で結ぶ作業を一つ一つ行ううちに理解できるようになりました.また,忙しい中,じっくり波形を見ている時間はありません.心電図の異常所見を瞬時に判断するトレーニングをしました.例えば,心電図をさっと見て(1〜2秒で)PQ時間が延長しているか,正常かを判断します.次に,じっくり見て判断が正しかったかを確認します.このようなことをいろいろな項目で行うと,瞬時に異常が発見できるようになります.医療の現場はスポーツに似ていると思います.その時に行動することができなければ医療に貢献することができません.トレーニングすれば,誰でもそれなりに上達します.すると,心電図をチラリと見て「ここに異常が出ていますよ」と言うと,すごいですね,と褒められたりします.人から褒められたり,感心されたりすると俄然やる気が出てきます.
看護師さんの仕事は大変だなと思います.モニターをみて瞬時に判断をしなければなりません.少しの時間で良いですから,余裕のある時に心電図波形をチラリと見てトレーニングをしてみてください.本書は,判読の仕方をできるだけわかりやすく説明するように努めました.本書を熟読していただくだけでなく,トレーニングにも生かしていただければと願っています.頭で理解していることと行動が結び付けば,人から褒められることも増えてきます.そして心電図の判読が楽しくなれば,さらにスキルが向上することでしょう.
本書が皆様のスキルアップのきっかけになれば幸いです.
2017年10月
土居忠文
第1部 心電図のキホン
刺激伝導系
刺激の伝わり方と波形の成り立ち
モニター心電図波形と対応
致死的不整脈
ドクターコールが必要な心電図
ケースバイケースの心電図
MINI COLUMN “めげない”ことが大事
心電図波形の読み方
PQ時間
P波,QRS波
ST,T波
第2部 心電図波形・読み方のコツ
1 洞頻脈
2 洞徐脈
3 洞房ブロック
4 洞停止
5 心房細動
6 心房粗動
7 I度房室ブロック
8 II度房室ブロック ウエンケバッハ型
9 II度房室ブロック モビッツII型
10 II度房室ブロック 2:1房室ブロック
11 III度房室ブロック(完全房室ブロック)
12 発作性房室ブロック
13 補充収縮
14 房室接合部調律
15 WPW症候群
16 発作性上室頻拍
17 洞不全症候群
18 脚ブロック
19 間歇性脚ブロック
20 期外収縮
21 上室期外収縮
22 心室期外収縮
23 上室期外収縮の3つのQRSパターン
24 心室内変行伝導を伴う上室期外収縮
25 非伝導性上室期外収縮
26 危険な心室期外収縮 多源性心室期外収縮
27 危険な心室期外収縮 RonT型心室期外収縮
28 危険な心室期外収縮 心室期外収縮の連発
29 心室固有調律
30 心室頻拍
31 偽性心室頻拍(WPW症候群の心房細動)
32 心室細動
33 無脈性電気活動
34 心静止
35 心筋梗塞
36 高カリウム血症
37 人工ペースメーカー
38 人工ペースメーカーの異常 ペーシング不全
39 人工ペースメーカーの異常 センシング不全
第3部 心電図判読にチャレンジ
問題1-28
解説1 洞徐脈
解説2 心房粗動
解説3 洞停止
解説4 II度房室ブロック ウエンケバッハ型
解説5 心房細動
解説6 心室期外収縮
解説7 上室期外収縮
解説8 II度房室ブロック モビッツII型
解説9 心房細動
解説10 洞頻脈+脚ブロック
解説11 多源性心室期外収縮
解説12 間歇性脚ブロック
解説13 洞調律から心房細動
解説14 洞徐脈+非伝導性上室期外収縮+心室内変行伝導を伴う上室期外収縮
解説15 右脚ブロック+II度房室ブロック モビッツII型
解説16 非持続性心室頻拍
解説17 頻脈性心房細動
解説18 洞頻脈
解説19 心房粗動(2:1伝導)
解説20 洞調律から発作性上室頻拍
解説21 心房細動+III度房室ブロック(完全房室ブロック)
解説22 心室固有調律
解説23 右脚ブロック+RonT型心室期外収縮
解説24 心室頻拍
解説25 高カリウム血症
解説26 ST上昇(急性心筋梗塞)
解説27 心室細動
解説28 人工ペースメーカーのペーシング不全
刺激伝導系
刺激の伝わり方と波形の成り立ち
モニター心電図波形と対応
致死的不整脈
ドクターコールが必要な心電図
ケースバイケースの心電図
MINI COLUMN “めげない”ことが大事
心電図波形の読み方
PQ時間
P波,QRS波
ST,T波
第2部 心電図波形・読み方のコツ
1 洞頻脈
2 洞徐脈
3 洞房ブロック
4 洞停止
5 心房細動
6 心房粗動
7 I度房室ブロック
8 II度房室ブロック ウエンケバッハ型
9 II度房室ブロック モビッツII型
10 II度房室ブロック 2:1房室ブロック
11 III度房室ブロック(完全房室ブロック)
12 発作性房室ブロック
13 補充収縮
14 房室接合部調律
15 WPW症候群
16 発作性上室頻拍
17 洞不全症候群
18 脚ブロック
19 間歇性脚ブロック
20 期外収縮
21 上室期外収縮
22 心室期外収縮
23 上室期外収縮の3つのQRSパターン
24 心室内変行伝導を伴う上室期外収縮
25 非伝導性上室期外収縮
26 危険な心室期外収縮 多源性心室期外収縮
27 危険な心室期外収縮 RonT型心室期外収縮
28 危険な心室期外収縮 心室期外収縮の連発
29 心室固有調律
30 心室頻拍
31 偽性心室頻拍(WPW症候群の心房細動)
32 心室細動
33 無脈性電気活動
34 心静止
35 心筋梗塞
36 高カリウム血症
37 人工ペースメーカー
38 人工ペースメーカーの異常 ペーシング不全
39 人工ペースメーカーの異常 センシング不全
第3部 心電図判読にチャレンジ
問題1-28
解説1 洞徐脈
解説2 心房粗動
解説3 洞停止
解説4 II度房室ブロック ウエンケバッハ型
解説5 心房細動
解説6 心室期外収縮
解説7 上室期外収縮
解説8 II度房室ブロック モビッツII型
解説9 心房細動
解説10 洞頻脈+脚ブロック
解説11 多源性心室期外収縮
解説12 間歇性脚ブロック
解説13 洞調律から心房細動
解説14 洞徐脈+非伝導性上室期外収縮+心室内変行伝導を伴う上室期外収縮
解説15 右脚ブロック+II度房室ブロック モビッツII型
解説16 非持続性心室頻拍
解説17 頻脈性心房細動
解説18 洞頻脈
解説19 心房粗動(2:1伝導)
解説20 洞調律から発作性上室頻拍
解説21 心房細動+III度房室ブロック(完全房室ブロック)
解説22 心室固有調律
解説23 右脚ブロック+RonT型心室期外収縮
解説24 心室頻拍
解説25 高カリウム血症
解説26 ST上昇(急性心筋梗塞)
解説27 心室細動
解説28 人工ペースメーカーのペーシング不全