はじめに
21世紀が幕を開けた年に医歯薬出版(株)より,前著『肥満の生活ガイド』が発行されました.私は1980年に慈恵医大病院に開設された肥満専門外来(後にベストウエイトクリニックと改称)を担当させていただき,米国ペンシルバニア大学医学部精神科Albert J.Stunkard教授の下で学んだ行動修正療法Behaviour modifi cationを基盤とした減量プログラムを日本人向けに改編して,肥満症患者さんの治療にあたってきました.2000年に慈恵医大病院の肥満専門外来が閉鎖されたのを機に,この専門外来で約20年余にわたり培った減量指導のノウハウについてとりまとめ,患者さんから受けた質問に対する回答を添えて,健全なダイエットを実践するためのガイドブックとして発刊されたのが『肥満の生活ガイド』になります.
それから約10年を経て,脂肪細胞に対する分子生物学の分野の研究(脂肪細胞の科学Adiposcience)はめざましく進歩し,従来の教科書に掲載されていた常識的な学説が,一朝一夕にして「非常識な見識」に変わってしまうことも珍しくありませんでした.時期を同じくして,わが国におけるメタボリックシンドロームの診断基準が確立され,それにともない内臓脂肪の過剰蓄積に着目した特定健康診査,特定保健指導という新しい健診制度がスタートしました.このような,内臓脂肪に対する研究と臨床両面における大きな変革を受けて,最新の情勢に適確に対応すべく,前著『肥満の生活ガイド』の骨格をベースとしながら,コメディカルスタッフ向けに最新の専門情報をもれなく盛り込み,しかも第一線の臨床現場で十分に活用しうる実践的実用書として,本書を刊行することになりました.
特定保健指導における介入の現場に携わってみると,食事,運動両面からの行動変容が実際には口で言うほどたやすくはないことが痛感されます.従来の栄養指導は,「知識の理解」に重点がおかれてきた感が否めませんが,身に付いた正しい知識が少しでも日常生活の中で「実践」されなければ行動変容は達成されません.そこで,私は糖尿病治療食の宅配システムを活用し,自宅で糖尿病食を体験学習してもらう「自宅入院システム」を考案し,減量指導の現場に導入して大きな治療効果を確認し,学会誌に発表してきました.この臨床経験と実績を踏まえて,本書ではこの減量システムが多様なフィールドで幅広く活用されることを念頭に,第4章で詳しく紹介した点が他に類を見ない特徴になっています.
私は2002年から日本体育大学へ移籍してスポーツ医学の研究と教育に携わっていますが,研究室の大学院生諸君とともに研究してきた,スローレジスタンストレーニングを取り入れた運動療法の効果や高強度運動に対する抗酸化サプリメントの効果など,運動生理学における最新の研究成果についても,本書の中でできるだけわかりやすく紹介し,運動指導の一助にしていただけるよう配慮しました.研究室のスタッフ,院生諸君の協力に感謝する次第です.
また,行動変容に対する新しいアプローチとして,最近,多方面で注目されているコーチングのテクニックについて,この分野のインストラクターをしている妻(大野久美子)の協力を得て,第8章にコーチング理論と減量指導の現場で活用しうるテクニックについて書き加えてもらった点も本書の新たな特徴の一つになります.
なお,前著『肥満の生活ガイド』で大変好評を博した,佐賀大学(医学部)杉原甫名誉教授よりご提供賜った,脂肪細胞の素顔をとらえた美しい電子顕微鏡写真は,本書でも引き続き多数掲載させていただき,脂肪細胞の実像に身近に触れることが可能になっています.杉原甫名誉教授のご厚情に深謝申し上げる次第です.
本書はこのように多くの方々のご協力,ご支援を得て,何とか発行できる運びになりました.関係各位のご支援,ご尽力に心より厚く御礼申し上げます.なお,本書に掲載した数多くの最新情報も日々変貌していきますので,日夜進歩する最新情報をタイムリーに獲得できるよう,信頼性の高いウエブサイトのURLをできるだけ多く紹介するように心がけました.本書の改訂版を待つことなく,常日頃から情報のバージョンアップに努めていただければ幸いです.
本書が減量指導の介入の現場に携わる多くのスタッフの方々の日常臨床における実践的実用書として活用いただけることを心から祈念致しております.
2011年8月
著者代表 大野 誠
21世紀が幕を開けた年に医歯薬出版(株)より,前著『肥満の生活ガイド』が発行されました.私は1980年に慈恵医大病院に開設された肥満専門外来(後にベストウエイトクリニックと改称)を担当させていただき,米国ペンシルバニア大学医学部精神科Albert J.Stunkard教授の下で学んだ行動修正療法Behaviour modifi cationを基盤とした減量プログラムを日本人向けに改編して,肥満症患者さんの治療にあたってきました.2000年に慈恵医大病院の肥満専門外来が閉鎖されたのを機に,この専門外来で約20年余にわたり培った減量指導のノウハウについてとりまとめ,患者さんから受けた質問に対する回答を添えて,健全なダイエットを実践するためのガイドブックとして発刊されたのが『肥満の生活ガイド』になります.
それから約10年を経て,脂肪細胞に対する分子生物学の分野の研究(脂肪細胞の科学Adiposcience)はめざましく進歩し,従来の教科書に掲載されていた常識的な学説が,一朝一夕にして「非常識な見識」に変わってしまうことも珍しくありませんでした.時期を同じくして,わが国におけるメタボリックシンドロームの診断基準が確立され,それにともない内臓脂肪の過剰蓄積に着目した特定健康診査,特定保健指導という新しい健診制度がスタートしました.このような,内臓脂肪に対する研究と臨床両面における大きな変革を受けて,最新の情勢に適確に対応すべく,前著『肥満の生活ガイド』の骨格をベースとしながら,コメディカルスタッフ向けに最新の専門情報をもれなく盛り込み,しかも第一線の臨床現場で十分に活用しうる実践的実用書として,本書を刊行することになりました.
特定保健指導における介入の現場に携わってみると,食事,運動両面からの行動変容が実際には口で言うほどたやすくはないことが痛感されます.従来の栄養指導は,「知識の理解」に重点がおかれてきた感が否めませんが,身に付いた正しい知識が少しでも日常生活の中で「実践」されなければ行動変容は達成されません.そこで,私は糖尿病治療食の宅配システムを活用し,自宅で糖尿病食を体験学習してもらう「自宅入院システム」を考案し,減量指導の現場に導入して大きな治療効果を確認し,学会誌に発表してきました.この臨床経験と実績を踏まえて,本書ではこの減量システムが多様なフィールドで幅広く活用されることを念頭に,第4章で詳しく紹介した点が他に類を見ない特徴になっています.
私は2002年から日本体育大学へ移籍してスポーツ医学の研究と教育に携わっていますが,研究室の大学院生諸君とともに研究してきた,スローレジスタンストレーニングを取り入れた運動療法の効果や高強度運動に対する抗酸化サプリメントの効果など,運動生理学における最新の研究成果についても,本書の中でできるだけわかりやすく紹介し,運動指導の一助にしていただけるよう配慮しました.研究室のスタッフ,院生諸君の協力に感謝する次第です.
また,行動変容に対する新しいアプローチとして,最近,多方面で注目されているコーチングのテクニックについて,この分野のインストラクターをしている妻(大野久美子)の協力を得て,第8章にコーチング理論と減量指導の現場で活用しうるテクニックについて書き加えてもらった点も本書の新たな特徴の一つになります.
なお,前著『肥満の生活ガイド』で大変好評を博した,佐賀大学(医学部)杉原甫名誉教授よりご提供賜った,脂肪細胞の素顔をとらえた美しい電子顕微鏡写真は,本書でも引き続き多数掲載させていただき,脂肪細胞の実像に身近に触れることが可能になっています.杉原甫名誉教授のご厚情に深謝申し上げる次第です.
本書はこのように多くの方々のご協力,ご支援を得て,何とか発行できる運びになりました.関係各位のご支援,ご尽力に心より厚く御礼申し上げます.なお,本書に掲載した数多くの最新情報も日々変貌していきますので,日夜進歩する最新情報をタイムリーに獲得できるよう,信頼性の高いウエブサイトのURLをできるだけ多く紹介するように心がけました.本書の改訂版を待つことなく,常日頃から情報のバージョンアップに努めていただければ幸いです.
本書が減量指導の介入の現場に携わる多くのスタッフの方々の日常臨床における実践的実用書として活用いただけることを心から祈念致しております.
2011年8月
著者代表 大野 誠
第1章 肥満,肥満症と生活習慣病のかかわり
1 肥満の判定
Body Mass Indexによる肥満の判定 肥満とやせの割合と動向
2 体脂肪測定による身体組成の把握
いろいろな体脂肪測定法の長所と短所 生体電気インピーダンス式体脂肪計の正しい使用法 体脂肪率の変化に一番影響しているものは何か
3 肥満と肥満症の判別
肥満症とは 肥満に関連する疾患リスク 肥満症の診断の進め方 内臓脂肪とウエスト周囲径(へそ周り)
4 肥満症と倹約遺伝子〜省エネ体質のエコ型人間ほどメタボになりやすい〜
米国とメキシコのピマ・インディアン 糖尿病王国ナウル 人間様とチンパンジーのゲノムの違いは何%? 日本でも糖尿病が急増
第2章 ウエストサイズ・ストーリー〜内臓脂肪と生活習慣病のかかわり〜
1 死の四重奏とメタボリックシンドローム
2 内臓脂肪と生活習慣病
3 メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームとその予備群 徒党を組んだチンピラとサイレントキラー 海外のメタボリックシンドローム診断基準 BMIと内臓脂肪
4 内臓脂肪とは何者?
皮下脂肪,内臓脂肪と異所性脂肪
5 生活習慣病とインスリン抵抗性
6 肥満関連遺伝子とレプチンの発見
7 アディポサイトカインと生活習慣病
遊離脂肪酸 続々と発見されたサイトカイン 悪玉と善玉のアディポサイトカイン
8 血液の中を流れている脂質
動脈硬化の危険因子 高脂血症改め,脂質異常症 酸化LDLという腐った脂肪 内臓脂肪型肥満の男性の生活習慣
第3章 肥満の成り立ち〜体脂肪蓄積のメカニズム〜
1 肥満につながるエネルギーバランス
日常生活で消費するエネルギー 日本人の平均歩数と運動習慣 太った人の食事量に関する調査
2 セットポイント仮説とレプチン
人間はレプチンがあっても太る?
3 中性脂肪がたまる仕組み
甘いものをとりすぎると太る エネルギーの備蓄タンクとしての脂肪細胞
4 からだの中の脂肪細胞
白色脂肪細胞のはたらき 褐色脂肪細胞のはたらき
5 交感神経とエネルギー代謝
交感神経とモナリザ症候群 β3アドレナリン受容体の遺伝子変異 省エネ体質と倹約遺伝子
6 肥満型食事スタイルとは
まとめ食い,夜間の過食は肥満のもと 肥満者の摂食行動の特徴
7 気分,情緒と食欲をつなぐネットワーク
8 社会環境要因と肥満
9 肥満要因チェック表
第4章 ヘルシーダイエットの基本戦略
1 肥満解消の基本原則と治療法
有酸素運動で体脂肪がメラメラ燃える? 肥満症治療の特殊療法
2 治療法選択のためのガイドライン
3 肥満に対する減量指導の進め方
やせるのとやつれるのは違う! 治療(減量)対象の選定 減量計画の立て方 最終目標は自分のベスト体重 ウエイトサイクリングの危険性
4 特定健康診査と特定保健指導
特定保健指導の対象選定と階層化
1)リスクの評価と対象の選定
2)保健指導の階層化
5 「自宅入院」という減量プログラム
体験学習の教育用ツール メタボリックシンドロームとその予備群に対する特定保健指導への臨床応用 体験学習のコストベネフィット
6 健康づくりのための運動指針2006
7 減量のステージ別に主役を決める
8 できそうなところから行動変容に取り組む!
オーダーメイドダイエットに成功した1例
第5章 運動療法のノウハウと健全なライフスタイル
1 食事療法の進め方
1)バランス食かアンバランス食か
2)カロリー計算などしたくないという人には
3)単糖類,少糖類,多糖類って何?
4)エンプティカロリーの食品に要注意
5)ペットボトル症候群とは
6)ウイスキーなら太らないって本当?
7)アルコールの適量と酒量の減らし方
8)コレステロールはどう減らせばいいのか
食物繊維をしっかりとる 隠れた脂肪に気をつける
9)中性脂肪を減らす方法
10)リノール酸はからだによいのか?
11)からだにやさしい脂肪酸とは
2 運動療法の進め方
1)運動に何を期待するのか?はっきりとイメージしよう!
2)事前のメディカルチェックが必要な人は?
3)エアロビクスかアネロビクスか
4)ダイエットのための運動に期待される生理効果
5)運動で消費するエネルギー
6)上手にやせるための運動プログラム
ウォーキングを生活に組み込む ちょこまか運動を心がける 手軽な筋力トレーニングも忘れずに
3 ガンと動脈硬化を防ぐライフスタイル
1)からだが錆びるのを防ぐ方法
2)抗酸化物質の上手なとり方
3)米国人も認めた大豆パワー
4)動物性脂肪と塩分をひかえる
5)タバコは百害あって一利なし!
6)赤ワインならからだによい?
7)緑茶とポリフェノール
8)生活習慣病を予防する20カ条
第6章 行動修正療法の実際
1 メモをつけて客観的に自己分析を
1)食事日記のつけ方
2)生活活動日記のつけ方
3)体重,体脂肪量と歩行数の記録
体重と体脂肪の測定 歩行数の測定
4)記録することの意義
5)日記を分析する
己を知るノウハウ 特有な行動パターンは?
2 太りにくいライフスタイルへ脱皮する
1)太りにくい食事療法を身につける
2)食習慣と食環境を整備する
賢い食品購入法 賢い食品貯蔵法 調理と配膳の工夫 食後のマナー
3)行動連鎖を分析する
4)行動連鎖を断ち切る
3 現実的なダイエット作戦を展開する
1)週間自己評価表をもとに徐々に前進する
2)できそうなところに目標を定める
3)完全主義の発想をやめよう
4)100点を取らねば0点と同じか?
4 食べたいという衝動を克服するノウハウ
1)衝動のサーファーになる
2)食べることと両立しにくい行動
5 行動修正療法で応用される主なテクニック〜まとめ〜
第7章 民間のダイエット法の問題点と評価
1 短期間のうちに体重が減るダイエット法
2 単品あるいは偏食ダイエット
3 部分的に体脂肪を減らすことができる?
4 化粧品と医薬品の違い
5 飲むだけでやせられる健康食品はないか
1)ダイエットサプリメントはどう使えばよいか
2)食品でありながら薬のような効果が確認されているものは?
6 栄養素の吸収を阻害する健康食品と薬
1)栄養素の吸収を阻害する健康食品
2)動物実験と人間のからだ
3)栄養素の吸収を阻害する薬
7 天然の食品成分と人工的な製品とのギャップ
1)研究用の繊維と市販の繊維の差
2)天然の繊維と人工の繊維の違い
8 日本ではやせ薬は手に入らないの?
9 欧米のスーパーで売っているやせ薬は安全?
10 医師の処方が必要な肥満治療薬の個人輸入
11 やみ薬,にせ薬の密輸,密売
第8章 減量指導に生かせるコーチングの理念
1 コーチングとは
2 NLPコーチングとは
3 NLPコーチングの基本的理念
1)人間観の転換
2)減量作戦のオーナーシップ(主体性)がクライアントへ移行する
4 減量指導の現場で活用できるNLPコーチングのスキル
1)クライアントとの信頼関係を構築するためのスキル
ペーシングのスキル
2)クライアントの内的状態を引き出す傾聴のスキル
アクティブリスニングのスキル
3)効果的な目標設定をするための質問のスキル
メタ成果を引き出す質問のスキル
4)自分の強みを生かしたやり方を自分で考えて自分で決める
メタモデル質問
Q&A
Q 1日に30品目以上食べないといけないのでしょうか?
Q 高タンパク食が一番やせると聞いたが?
Q 毎日,残業で帰宅が遅くなるのですが,寝る前にしっかり食事をしてもいいのですか?
Q カロリー制限をしなくても,低インスリン・ダイエットでらくらくやせられると聞いたのですが?
Q グライセミック・インデックス(glycemic index,GI値)とは,何のことですか?
Q 洋菓子はいけないが,和菓子なら太らない?
Q オリゴ糖シロップはゼロカロリーの甘味料なのですか?
Q スポーツドリンクや果汁100%のジュースなら,低カロリーなので太りにくい?
Q アルコールは体脂肪に変わりにくいので心配いらない?
Q アルコールを飲んだら,その分ご飯を減らせばよい?
Q 血液中のコレステロールを減らすには,コレステロールを多く含む食品をとらないようにするのが一番!
Q 中国茶は血液中の脂肪を流してくれる?
Q イタリア料理は高カロリーなのでダイエットには向かない?
Q 腹筋体操でおなかの脂肪が減る?
Q 日課の散歩でどのくらい歩けば,基礎代謝は上がってくるか?
Q ダイエットには,赤筋を鍛えたほうがいいのか,白筋を鍛えたほうがいいのか?
Q ちょこまか運動は,どのくらい続ければ効果が出るのですか?
Q 筋力トレーニング(筋トレ)をすると腕が太くなるのが心配なのですが?
Q ダンベル体操により筋肉の量が増えると基礎代謝も増えて,やせやすい体質になるって,本当ですか?
Q 抗酸化サプリメントは,どのくらい効果があるのでしょうか?
Q 宿便をとってやせる?
Q 水を飲むと太る?
Q 米国で起こった「液体プロテイン事件」について教えてください.
Q マイクロダイエットは安全ですか?
Q 電気的な刺激で筋肉を動かす,EMS(electrical muscle stimulation)の器械で,おなかの脂肪を減らすことはできますか?
Q コラーゲンやヒアルロン酸を飲むと,肌や関節が若返りますか?
Q JHFAマークがついている健康食品なら大丈夫ですか?
Q クロレラで糖尿病が治る?
Q 中性脂肪を低下させ,体脂肪を燃やす特定保健用食品(トクホ)は?
Q ビタミンやミネラルの錠剤なら,いくら飲んでも問題ありませんか?
Q ガルシニアには副作用があると聞きましたが?
Q トランス脂肪酸って,本当にからだに悪いのですか?
Q コエンザイムQ10を服用すると,パワーアップできますか?
Q 抗うつ効果のあるハーブにはダイエット効果もあると聞いたが?
索引
1 肥満の判定
Body Mass Indexによる肥満の判定 肥満とやせの割合と動向
2 体脂肪測定による身体組成の把握
いろいろな体脂肪測定法の長所と短所 生体電気インピーダンス式体脂肪計の正しい使用法 体脂肪率の変化に一番影響しているものは何か
3 肥満と肥満症の判別
肥満症とは 肥満に関連する疾患リスク 肥満症の診断の進め方 内臓脂肪とウエスト周囲径(へそ周り)
4 肥満症と倹約遺伝子〜省エネ体質のエコ型人間ほどメタボになりやすい〜
米国とメキシコのピマ・インディアン 糖尿病王国ナウル 人間様とチンパンジーのゲノムの違いは何%? 日本でも糖尿病が急増
第2章 ウエストサイズ・ストーリー〜内臓脂肪と生活習慣病のかかわり〜
1 死の四重奏とメタボリックシンドローム
2 内臓脂肪と生活習慣病
3 メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームとその予備群 徒党を組んだチンピラとサイレントキラー 海外のメタボリックシンドローム診断基準 BMIと内臓脂肪
4 内臓脂肪とは何者?
皮下脂肪,内臓脂肪と異所性脂肪
5 生活習慣病とインスリン抵抗性
6 肥満関連遺伝子とレプチンの発見
7 アディポサイトカインと生活習慣病
遊離脂肪酸 続々と発見されたサイトカイン 悪玉と善玉のアディポサイトカイン
8 血液の中を流れている脂質
動脈硬化の危険因子 高脂血症改め,脂質異常症 酸化LDLという腐った脂肪 内臓脂肪型肥満の男性の生活習慣
第3章 肥満の成り立ち〜体脂肪蓄積のメカニズム〜
1 肥満につながるエネルギーバランス
日常生活で消費するエネルギー 日本人の平均歩数と運動習慣 太った人の食事量に関する調査
2 セットポイント仮説とレプチン
人間はレプチンがあっても太る?
3 中性脂肪がたまる仕組み
甘いものをとりすぎると太る エネルギーの備蓄タンクとしての脂肪細胞
4 からだの中の脂肪細胞
白色脂肪細胞のはたらき 褐色脂肪細胞のはたらき
5 交感神経とエネルギー代謝
交感神経とモナリザ症候群 β3アドレナリン受容体の遺伝子変異 省エネ体質と倹約遺伝子
6 肥満型食事スタイルとは
まとめ食い,夜間の過食は肥満のもと 肥満者の摂食行動の特徴
7 気分,情緒と食欲をつなぐネットワーク
8 社会環境要因と肥満
9 肥満要因チェック表
第4章 ヘルシーダイエットの基本戦略
1 肥満解消の基本原則と治療法
有酸素運動で体脂肪がメラメラ燃える? 肥満症治療の特殊療法
2 治療法選択のためのガイドライン
3 肥満に対する減量指導の進め方
やせるのとやつれるのは違う! 治療(減量)対象の選定 減量計画の立て方 最終目標は自分のベスト体重 ウエイトサイクリングの危険性
4 特定健康診査と特定保健指導
特定保健指導の対象選定と階層化
1)リスクの評価と対象の選定
2)保健指導の階層化
5 「自宅入院」という減量プログラム
体験学習の教育用ツール メタボリックシンドロームとその予備群に対する特定保健指導への臨床応用 体験学習のコストベネフィット
6 健康づくりのための運動指針2006
7 減量のステージ別に主役を決める
8 できそうなところから行動変容に取り組む!
オーダーメイドダイエットに成功した1例
第5章 運動療法のノウハウと健全なライフスタイル
1 食事療法の進め方
1)バランス食かアンバランス食か
2)カロリー計算などしたくないという人には
3)単糖類,少糖類,多糖類って何?
4)エンプティカロリーの食品に要注意
5)ペットボトル症候群とは
6)ウイスキーなら太らないって本当?
7)アルコールの適量と酒量の減らし方
8)コレステロールはどう減らせばいいのか
食物繊維をしっかりとる 隠れた脂肪に気をつける
9)中性脂肪を減らす方法
10)リノール酸はからだによいのか?
11)からだにやさしい脂肪酸とは
2 運動療法の進め方
1)運動に何を期待するのか?はっきりとイメージしよう!
2)事前のメディカルチェックが必要な人は?
3)エアロビクスかアネロビクスか
4)ダイエットのための運動に期待される生理効果
5)運動で消費するエネルギー
6)上手にやせるための運動プログラム
ウォーキングを生活に組み込む ちょこまか運動を心がける 手軽な筋力トレーニングも忘れずに
3 ガンと動脈硬化を防ぐライフスタイル
1)からだが錆びるのを防ぐ方法
2)抗酸化物質の上手なとり方
3)米国人も認めた大豆パワー
4)動物性脂肪と塩分をひかえる
5)タバコは百害あって一利なし!
6)赤ワインならからだによい?
7)緑茶とポリフェノール
8)生活習慣病を予防する20カ条
第6章 行動修正療法の実際
1 メモをつけて客観的に自己分析を
1)食事日記のつけ方
2)生活活動日記のつけ方
3)体重,体脂肪量と歩行数の記録
体重と体脂肪の測定 歩行数の測定
4)記録することの意義
5)日記を分析する
己を知るノウハウ 特有な行動パターンは?
2 太りにくいライフスタイルへ脱皮する
1)太りにくい食事療法を身につける
2)食習慣と食環境を整備する
賢い食品購入法 賢い食品貯蔵法 調理と配膳の工夫 食後のマナー
3)行動連鎖を分析する
4)行動連鎖を断ち切る
3 現実的なダイエット作戦を展開する
1)週間自己評価表をもとに徐々に前進する
2)できそうなところに目標を定める
3)完全主義の発想をやめよう
4)100点を取らねば0点と同じか?
4 食べたいという衝動を克服するノウハウ
1)衝動のサーファーになる
2)食べることと両立しにくい行動
5 行動修正療法で応用される主なテクニック〜まとめ〜
第7章 民間のダイエット法の問題点と評価
1 短期間のうちに体重が減るダイエット法
2 単品あるいは偏食ダイエット
3 部分的に体脂肪を減らすことができる?
4 化粧品と医薬品の違い
5 飲むだけでやせられる健康食品はないか
1)ダイエットサプリメントはどう使えばよいか
2)食品でありながら薬のような効果が確認されているものは?
6 栄養素の吸収を阻害する健康食品と薬
1)栄養素の吸収を阻害する健康食品
2)動物実験と人間のからだ
3)栄養素の吸収を阻害する薬
7 天然の食品成分と人工的な製品とのギャップ
1)研究用の繊維と市販の繊維の差
2)天然の繊維と人工の繊維の違い
8 日本ではやせ薬は手に入らないの?
9 欧米のスーパーで売っているやせ薬は安全?
10 医師の処方が必要な肥満治療薬の個人輸入
11 やみ薬,にせ薬の密輸,密売
第8章 減量指導に生かせるコーチングの理念
1 コーチングとは
2 NLPコーチングとは
3 NLPコーチングの基本的理念
1)人間観の転換
2)減量作戦のオーナーシップ(主体性)がクライアントへ移行する
4 減量指導の現場で活用できるNLPコーチングのスキル
1)クライアントとの信頼関係を構築するためのスキル
ペーシングのスキル
2)クライアントの内的状態を引き出す傾聴のスキル
アクティブリスニングのスキル
3)効果的な目標設定をするための質問のスキル
メタ成果を引き出す質問のスキル
4)自分の強みを生かしたやり方を自分で考えて自分で決める
メタモデル質問
Q&A
Q 1日に30品目以上食べないといけないのでしょうか?
Q 高タンパク食が一番やせると聞いたが?
Q 毎日,残業で帰宅が遅くなるのですが,寝る前にしっかり食事をしてもいいのですか?
Q カロリー制限をしなくても,低インスリン・ダイエットでらくらくやせられると聞いたのですが?
Q グライセミック・インデックス(glycemic index,GI値)とは,何のことですか?
Q 洋菓子はいけないが,和菓子なら太らない?
Q オリゴ糖シロップはゼロカロリーの甘味料なのですか?
Q スポーツドリンクや果汁100%のジュースなら,低カロリーなので太りにくい?
Q アルコールは体脂肪に変わりにくいので心配いらない?
Q アルコールを飲んだら,その分ご飯を減らせばよい?
Q 血液中のコレステロールを減らすには,コレステロールを多く含む食品をとらないようにするのが一番!
Q 中国茶は血液中の脂肪を流してくれる?
Q イタリア料理は高カロリーなのでダイエットには向かない?
Q 腹筋体操でおなかの脂肪が減る?
Q 日課の散歩でどのくらい歩けば,基礎代謝は上がってくるか?
Q ダイエットには,赤筋を鍛えたほうがいいのか,白筋を鍛えたほうがいいのか?
Q ちょこまか運動は,どのくらい続ければ効果が出るのですか?
Q 筋力トレーニング(筋トレ)をすると腕が太くなるのが心配なのですが?
Q ダンベル体操により筋肉の量が増えると基礎代謝も増えて,やせやすい体質になるって,本当ですか?
Q 抗酸化サプリメントは,どのくらい効果があるのでしょうか?
Q 宿便をとってやせる?
Q 水を飲むと太る?
Q 米国で起こった「液体プロテイン事件」について教えてください.
Q マイクロダイエットは安全ですか?
Q 電気的な刺激で筋肉を動かす,EMS(electrical muscle stimulation)の器械で,おなかの脂肪を減らすことはできますか?
Q コラーゲンやヒアルロン酸を飲むと,肌や関節が若返りますか?
Q JHFAマークがついている健康食品なら大丈夫ですか?
Q クロレラで糖尿病が治る?
Q 中性脂肪を低下させ,体脂肪を燃やす特定保健用食品(トクホ)は?
Q ビタミンやミネラルの錠剤なら,いくら飲んでも問題ありませんか?
Q ガルシニアには副作用があると聞きましたが?
Q トランス脂肪酸って,本当にからだに悪いのですか?
Q コエンザイムQ10を服用すると,パワーアップできますか?
Q 抗うつ効果のあるハーブにはダイエット効果もあると聞いたが?
索引








