やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版の序
 本書第1版が出版されたのが1993年であり,その8年後の2001年に第2版が世に出された.さらに,9年後の2010年に第3版を刊行することができた.すなわち,本書第1版が刊行されてから,20年弱が経とうとしているのである.
 この20年の間には,微生物学の領域で驚くほどの変化が見られた.すなわち,分子生物学の発展により,多くの微生物の遺伝子が明らかになり,その機能なども解明されてきたこと,PCR法など,微生物の遺伝子を迅速に,高い感度と特異度で診断できる方法が開発され,しかも日常的に用いられるようになったことがあげられる.また,感染症の治療においても,さまざまな抗生物質の開発はいうまでもなく,抗ウイルス薬は,当時は抗ヘルペス薬くらいしかなかったのに,今や,エイズ,インフルエンザ,B型肝炎,C型肝炎などに対するものが,すでに日常診療で用いられるようになってきている.
 また,免疫学の分野でも,大きな進歩をとげ,免疫学の根幹となる機構の概念も大きく変わってきている.
 このように,ここ10年,20年の間の変化は大きく,それに伴って,教科書の記述内容も大幅に改訂する必要が出てきた.そのようなことから,今回,第3版の改訂を行うことになったわけである.
 改訂の内容は,新しい微生物や感染症についての記述を加えたこと,第2章の免疫学を大幅に書き改めたこと,第4章のウイルス学についても,記述順を変更し,内容も大きく変えたことがあげられる.
 今回の改訂により,日進月歩の微生物学についての最新の内容が,うまく盛り込まれたことと自負している.しかし,本当に編者らの意図したとおりになっているかどうかは,読者である皆様方の判断に委ねることになる.本書に対する忌憚ないご意見を賜れば,幸いである.
 本書刊行にあたり,ご尽力を頂いた医歯薬出版株式会社の関係各位に感謝致します.
 2010年2月
 編者 今西二郎

第2版の序
 本書は1993年に初版を発行して以降,第1版第10刷時の「新感染症法」関連の見直しに至るまで,できるだけ新しい情報を取り込みむことを心がけながら増刷を重ねてきた.
 幸い各方面でご活用いただき,感謝の念とともに大きな責任も感じていたところ,この度,各領域において適任の共著者を得て,新しい研究成果に裏打ちされた内容を盛り込んだ改訂版発行という念願を実現できる運びとなった.
 全体の大きな章立ては従来の構成にそって,院内感染・起因微生物・感染症を三本柱とし微生物学の基本原則をわかりやすく解説したスタイルは踏襲しながら,微生物学の基礎的知識に加え,現時点で臨床的問題となっている主要な微生物に起因する疾患とその対策など,専門的領域についても最新の情報を盛り込んだ.
 近年の医療の高度化に伴う易感染性患者の増加は感染症の発生率を高めており,これに対する医療対策も近年飛躍的に進歩している一方では,ずさんな衛生管理が招いた食中毒例や感染事故にも事欠かないという現実があり,院内感染など病院内の重大な問題もいまだに解決されたとはいえない状況である.
 このようなときにあって,感染管理の基礎はあくまでも臨床微生物学であり,その知識に基づいた看護技術を駆使することによって,感染予防とよりよい感染看護が可能となることを再認識する必要を痛感している.
 21世紀には医療はさらに高度化され,細胞分子レベルの研究や臓器移植技術にともなう高度医療機器や薬剤の開発が進められていくなかで,患者さん一人ひとりに身近に接し,その訴えを聞くことのできる看護者が,専門的知識を身につけ,責任ある看護を実行できるということは,安全な患者看護に計り知れない効果をもたらすものと確信している.
 本書で多くの学生が臨床微生物学の基礎的知識を修得し,さらに臨床看護者となっても不可欠な知識を確認する手引きとして繰り返し活用していただければ幸いである.
 2001年1月
 著者一同

序文
 医療におけるナースの役割の多様化の中で,真に実力のあるナースの育成が求められている.とくに院内感染をめぐる諸問題は,患者のquality of lifeという観点からも,医療への信頼を高めるためにも,医療スタッフが力を合わせて取り組まねばならない基本的な問題である.
 看護学生のための「微生物学」のテキストを編集するにあたって,執筆者は看護にとって必要な「微生物学」とは何かを真剣に討論し,たくさんの情報の中から何が必要かを選択した.これまでのテキストは,ともすると医学生のための「微生物学」の内容をひきうつしたものが多く,看護教育における「微生物学」として何が求められているかという検討に欠ける点があったように思われる.
 実際の看護教育では,いわゆる専門基礎の分野は多様のニーズに対応するためであろうか,少ない時間にかかわらず項目の増加の傾向が目立ち,詰め込み教育や丸暗記教育に陥り,その結果,比較・連係・組み合わせによる思考や論理的思考,まとめの力を養うに至っていないという状況にある.
 一方,臨床看護は患者との1対1のケアを原点としており,それにはまず,患者一人ひとりの体の中に起きているできごとを大筋で誤りなくとらえることが一つの柱として必要である.そのうえではじめて,全人的総合看護や社会保健活動が展開されるのではないかと思われる.
 医療スタッフの一員としてナースが力を発揮していくためにも,医療の第一線で看護に求められているものは何かを認識し,看護教育のはじめから科学的思考力や応用力を養って,アセスメントや看護診断の力を身につけることが大切である.
 本書は医学生のテキストをそのまま簡略にするようなやり方をいっさい避けて,各分野の専門の先生方に,ナースに求められている内容を,ナースの実際の仕事に役立つ形で詳しく記述していただいた.
 <本書の特徴>
 1)微生物学に興味がわき,学んで楽しいテキストとなることを目指した.
 2)項目の網羅主義を改め,看護の実情に合う内容を精選した.
 3)看護の現場とのかかわり,結び付きがわかる書き方,構成を工夫し,基礎と臨床応用(院内感染など)に関して,学生がその関連づけを考え,理解できるよう努めた.
 4)多くのわかりやすい図や表を工夫した.
 5)ナースのメモ,参考欄(青枠)を設け,看護の現場で役に立つ知識のほか,歴史的事情や実験例を適宜に入れて,学説のつくられる背景を論理的に考える資料とした.
 6)各章ごとに,学んだことを確認する問題をつけた.
 7)索引には微生物学の重要用語のほか疾患名を多く入れ,ナースになじみのある疾患名から病原菌との関係を学べるように配慮した.
 8)特論として「ナースのためのエイズの知識」を付した.
 執筆者一同は,看護教育の中で模索してきた考えをふまえて「微生物学」を本書の形に具体化してみたが,目的には達していない点も多々あると思う.ご指導,ご意見を心よりお願いするとともに,本書が多くの先生方に活用され,また本書で学んだ学生の皆様が医療スタッフとともに活躍される日を執筆者一同願ってやまない.
 1993年2月
 編者
1 病原微生物と院内感染(岸下雅通 小迫芳正)
 1.感染と感染症
   なぜ感染が発症に結びつくのか 日和見感染とは 感染症の種類
 2.病原微生物・常在菌叢
   わが国の法改正にみる病原微生物 常在菌叢の微生物も病原性をもつ
 3.結核・感染症サーベイランス―感染症予防対策のための情報システム
  1)細菌性食中毒
   細菌性食中毒の感染様式 感染性胃腸炎の起因菌の多様化
  2)性感染症(STD)
   日常化したSTD
  3)人獣共通感染症
   ペットからの感染症に注意する
  4)熱帯における感染症
   海外から持ち込まれる病原微生物
 4.化学療法と耐性菌
   菌交代症はどのようにして生じるか 化学療法剤の長期投与は耐性菌をもたらす 選択毒性の高い薬剤とは
 5.院内感染
   強毒菌による水平感染 弱毒菌による水平および内因感染 薬剤耐性菌による菌交代症
  1)院内感染における問題点
   病院全体として取り組む努力はなされているか 国・関係機関にも関連する問題として認識されているか
  2)院内感染対策の今後の展望
   院内感染対策委員会の設置 教育機関の創設と人材の確保 感染性医療廃棄物処理への行政機関の対応 院内感染対策における諸外国との技術協力
 6.滅菌と消毒
   可能なかぎりの滅菌が感染を防ぐ
  1)滅菌法
  2)消毒法
   消毒剤について
 7.感染性医療廃棄物
   感染性廃棄物とは 感染性廃棄物は環境を汚染する
2 感染と免疫(今西二郎)
 1.免疫とは
   免疫の定義,種類
 2.抗原と抗体
   抗原 抗原決定基 抗体 免疫グロブリンG 免疫グロブリンM免疫グロブリンA 免疫グロブリンE 免疫グロブリンD
 3.免疫担当細胞と免疫応答機構
  1 免疫担当細胞
   マクロファージ CD分類 T細胞と感作リンパ球 細胞傷害性T細胞 ヘルパーT細胞 Bリンパ球 T細胞抗原レセプター B細胞抗原レセプター 非T非Bリンパ球 好中球 好塩基球(肥満細胞) 好酸球
  2 免疫応答機構
   抗体産生機構 既往症反応
 4.抗原抗体反応
   沈降反応 凝集反応 クームス試験 ABO式血液型 Rh式血液型 中和反応 血清療法
 5.補体とアレルギー
  1 補体
   古典的経路 代替経路 補体結合反応
  2 アレルギー
   I型アレルギー 抗アレルギー薬 アトピー I型アレルギーによる疾患 I型アレルギーの診断 II型アレルギー III型アレルギー IV型アレルギー
 6.サイトカイン
 7.移植,感染,腫瘍免疫
  1 移植免疫と腫瘍組織適合性抗原
   移植の種類 組織適合性抗原 HLA GVH反応
  2 感染免疫
   感染防御抗原・感染防御抗体 ワクチン 腫瘍免疫 免疫療法
 8.免疫の異常
  1 自己免疫病
   全身性エリテマトーデスと新生児ループス症候群 関節リウマチ 膠原病 橋本病 バセドウ病 悪性貧血 糖尿病 重症筋無力症 ベーチェット病
  2 免疫不全
   先天性免疫不全症 後天性免疫不全症候群
 9.成長,発達,老化と免疫
   老化と免疫 妊娠と免疫 原発性習慣性流産
 10.免疫抑制薬および免疫抑制
3 細菌学(小迫芳正 岸下雅通)
 1.細菌学総論
   1)形態と組織―細菌とはどんなものか
    細菌の外形 どのように増殖するか 細菌の構造 グラム陽性菌,グラム陰性菌とは
   2)環境と細菌
    どのような環境で増殖するか 酸素の好きな細菌と嫌いな細菌 細菌の培養
   3)化学療法―細菌を殺し増殖を抑えるには
    ペニシリン類 セフェム類 アミノグリコシド(アミノ配糖体)類 テトラサイクリン類 マクロライド類 ポリペプチド類 クロラムフェニコール その他の合成抗生物質 抗結核剤
   4)細菌感染症の予防
    ワクチン 血清療法
 2.細菌学各論
  1 グラム陽性球菌
   1)ブドウ球菌(スタヒロコッカス属)
    一般性状・分布 病原性 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の病原因子:PBP-2′とmecA CNSの病原因子:スライム因子 ヒトの疾患 CNSによる感染症 治療
   2)レンサ球菌(ストレプトコッカス属)
    一般性状・分布 培養と分類 病原性を示す菌種 化膿レンサ球菌(A群レンサ球菌)の病原性 ストレプトコッカス・アガラクティエ(B群レンサ球菌)の病原性 ストレプトコッカス・ニューモニエ(肺炎球菌)の病原性 ヒトの疾患 治療
   3)腸球菌(エンテロコッカス属)
    一般性状・分布 病原性 治療
  2 グラム陰性球菌
   ナイセリア属
    淋菌(ナイセリア・ゴノレエ) 髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス)
  3 グラム陽性桿菌
   1)バシラス属
    セレウス菌(バシラス・セレウス) 炭疽菌(バシラス・アンスラシス)
   2)クロストリジウム属
    破傷風菌(クロストリジウム・テタニ) ボツリヌス菌(クロストリジウム・ボツリナム)ディフィシル菌(クロストリジウム・ディフィシル) ウェルシュ菌(クロストリジウム・パーフリンジェンス)
   3)コリネバクテリウム属
    ジフテリア菌(コリネバクテリウム・ジフテリエ)
   4)リステリア属
    リステリア(リステリア・モノサイトゲネス)
   5)放線菌類
    アクチノマイセス属 ノカルディア属
   6)マイコバクテリア属
    結核菌群(マイコバクテリウム・ツベルクローシス・コンプレックス) 非結核性抗酸菌(非定型抗酸菌)
  4 グラム陰性桿菌理音
   1)腸内細菌科
    大腸菌属 赤痢菌属 サルモネラ属 エルシニア属 プロテウス属 セラチア属 クレブシエラ属
   2)ビブリオ属
    コレラ菌(ビブリオ・コレレ) 腸炎ビブリオ(ビブリオ・パラヘモリティカス)
   3)エロモナス属
   4)プレジオモナス属
   5)ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌
    緑膿菌(シュードモナス・エルジノーサ) アシネトバクター属 アクロモバクター属 クリセオバクテリウム属 ステノトロフォモナス属
   6)ヘモフィルス属
    インフルエンザ菌(ヘモフィルス・インフルエンゼ)
   7)パスツレラ属
    パスツレラ・ムルトシダ
   8)フランシセラ属
    野兎病菌(フランシセラツラレンシス 亜種 ツラレンシス)
   9)ボルデテラ属
    百日咳菌(ボルデテラ・ペルツッシス)
   10)ブルセラ属
    一般性状 ヒトの疾患 治療
   11)レジオネラ属
    一般性状・分布 病原性 ヒトの疾患 治療
   12)カンピロバクター属
    一般性状・分布 病原性 ヒトの疾患(カンピロバクター腸炎) 治療
   13)ヘリコバクター属
    一般性状・分布 病原性 ヒトの疾患 治療
  5 マイコプラズマ属
    一般性状・分布 病原性 ヒトの疾患 治療
  6 スピロヘータ
   1)トレポネーマ属
    梅毒トレポネーマ(トレポネーマ・パリダム)
   2)ボレリア属
    回帰熱ボレリア(ボレリア・レカレンチス) ライム病ボレリア(ボレリア・ブルグドルフェリ)
   3)レプトスピラ属
    黄疸出血性レプトスピラ(Weil病) 秋季レプトスピラ イヌ・レプトスピラ
  7 リケッチア
   リケッチア属
    発疹チフスリケッチア(リケッチア・プロワツェキイ) 発疹熱リケッチア(リケッチア・ティフィ) 恙虫病リケッチア(オリエンチア・ツツガムシ)
  8 クラミジア
   クラミジア属
    トラコーマ・クラミジア(クラミジア・トラコマチス) オウム病クラミジア(クラミジア・シッタシ) 肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)
4 ウイルス学(森内昌子 森内浩幸)
 1.ウイルス学総論
  1)ウイルスとは何か?
   ウイルスの構造 ウイルスの増殖 ウイルスの特徴
  2)ウイルスの生活様式は?
   ウイルスの伝播様式 ウイルスの感染形態
  3)ウイルスはどのようにしてヒトに病気を引き起こすのか?
   発病機構
  4)ヒトはウイルスからどのようにして身を守っているのか?
   自然免疫(内因性免疫)と獲得免疫(特異的免疫) ウイルス感染はいろいろな段階で防御されている ウイルス感染はなぜ時に重症化するのか
  5)ウイルス感染からさらに逃れるためにはどうすればいいのか?
   能動免疫 受動免疫
  6)ウイルス感染はどう診断するのか?
   疫学的および臨床的診断 血清学的診断 ウイルス分離 抗原検出 核酸検出
  7)ウイルス病はどう治療するのか?
   抗ヘルペスウイルス剤 抗レトロウイルス剤 抗インフルエンザウイルス剤 抗B型またはC型肝炎ウイルス剤
 2.ウイルス学各論
  (1)ウイルス学的分類
   1 DNAウイルス
    ポックスウイルス ヘルペスウイルス アデノウイルス ポリオーマウイルス パピローマウイルス パルボウイルス ヘパドナウイルス
   2 RNAウイルス
    レトロウイルス レオウイルス フィロウイルス ラブドウイルス パラミキソウイルス オルソミキソウイルス ピコルナウイルス カリシウイルス コロナウイルス フラビウイルス トガウイルス プリオン
  (2)症候学的または感染経路の観点からの分類
   1 呼吸器感染を起こすウイルス
   2 消化器感染を起こすウイルス
   3 急性発疹性発熱性感染を起こすウイルス
   4 中枢神経系に感染する,または障害を及ぼすウイルス
   5 肝炎を起こすウイルス
    A型肝炎ウイルス(HAV) B型肝炎ウイルス(HBV) C型肝炎ウイルス(HCV) D型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルス
   6 媒介動物を介して感染するウイルス
    蚊が媒介するウイルス 動物咬傷により感染するウイルス 人獣共通感染する新興感染症ウイルス
   7 性感染を起こすウイルス
    性器病変を起こすウイルス 性行為を介して感染するが,性器病変ではなく全身性疾患を引き起こすウイルス
   8 垂直(母子)感染を起こすウイルス
    出生前感染 周産期感染 出生後感染
   9 血液を介して感染するウイルス
   10 日和見感染を起こすウイルス
    サイトメガロウイルス EBウイルス 水痘帯状疱疹ウイルス 単純ヘルペスウイルス JCウイルス
5 真菌学(西山彌生)
 1.真菌学総論
   1)真菌とはどんな微生物か
    真菌の特徴 真菌の有益性と有害性 真菌の形態 真菌の生殖と生活環真菌の微細構造 真菌の栄養と代謝
   2)真菌の分類―真菌の分類学的位置と病原真菌の分類
    真菌の分類学的位置 病原真菌の分類
   3)真菌症にどうしてかかるのか―病原性と宿主防御機構
    真菌の寄生形態 真菌の病原因子 真菌症に対する生体防御機構
   4)真菌症の対策は
    真菌症の診断 真菌症の検査 真菌症の治療
 2.真菌学各論
  真菌症の分類
  1 深在性真菌症
   1)日和見感染型深在性真菌症
    カンジダ症 クリプトコックス症 アスペルギルス症 接合菌症(ムーコル症) トリコスポロン症 ニューモシスチス感染症(ニューモシスチス肺炎) その他の新興真菌による深在性真菌症(新興真菌感染症)
   2)輸入真菌症
    ブラストミセス症 パラコクシジオイデス症 ヒストプラスマ症 コクシジオイデス症 マルネッフェイ型ペニシリウム症
  2 表在性真菌症
    白癬(皮膚糸状菌症) 皮膚・粘膜のカンジダ症 外耳道真菌症 癜風黒癬
  3 深部皮膚真菌症
    クロモミコーシス(黒色真菌感染症) スポロトリコーシス 足菌腫(菌腫)角膜真菌症
6 寄生虫学(多田 功)
 1.寄生虫学総論
   1)世界の寄生虫病の現状
    先進国で注意を要する寄生虫病
   2)寄生と寄生虫
    寄生虫の分類 生活史と宿主 感染の様式 生殖の様式 宿主-寄生虫関係
   3)寄生虫による病害・症候
    血液にみられる症候 呼吸器症候 肝脾の症候 消化器症候 中枢神経症状 発熱 眼症状 心臓障害 皮膚・筋肉の症候 リンパ系の障害 泌尿生殖器の症候
   4)寄生虫感染の背景
    風土の条件 伝搬昆虫・中間宿主の条件 人間の条件
   5)寄生虫病の診断・検査
   6)寄生虫病対策
    個人レベルの対策 地域社会レベルでの対策
 2.寄生虫学各論
  1 原虫類
   1)腸管寄生性原虫類
    赤痢アメーバ ランブル鞭毛虫 戦争イソスポラ クリプトスポリジウム・パルブム
   2)血液・組織寄生性原虫類
    トリパノソーマ リーシュマニア トキソプラズマ・ゴンディ マラリア原虫
   3)泌尿生殖器寄生性原虫
    膣トリコモナス
  2 条虫類
   1)腸管寄生性条虫症
    広節裂頭条虫 無鉤条虫 有鉤条虫 瓜実条虫
   2)幼条虫症を起こす条虫類
    マンソン孤虫症 有鉤嚢虫症 包虫症(エキノコックス症)
  3 吸虫類
   1)腸管寄生性吸虫類
    横川吸虫 有害異形吸虫 肥大吸虫
   2)血管寄生性吸虫類
    日本住血吸虫 マンソン住血吸虫 ビルハルツ住血吸虫 住血吸虫性皮膚炎
   3)組織寄生性吸虫類
    肝蛭 肝吸虫 肺吸虫
  4 線虫類
   1)腸管寄生性線虫類
    回虫 鉤虫 アニサキス 蟯虫 糞線虫
   2)組織寄生性線虫類
    糸状虫(フィラリア)類 顎口虫 広東住血線虫 旋毛虫
  この章のまとめ

 ・付表1 「感染症法」の対象疾患と起因病原体
 ・付表2 主な新興感染症と起因病原体
 ・付表3 主な再興感染症と起因病原体
 索引