序文
高齢社会に暮らす私たちにとって,摂食・嚥下障害は身近な問題となってきた.健康であれば,「食べて飲み込むこと」が当たり前のこととして,意識にも上らない日常生活上の行為である.しかし,障害となって初めて,摂食・嚥下機能の大切さに気づくこととなる.摂食・嚥下障害は,常に誤嚥のリスクを伴うため,肺炎のリスク,栄養不良・脱水のリスク,窒息のリスクが潜在する,その結果,その人のQOLを低下させ,生命を危険にさらし,さらには介護が困難となる事態も起こりうるのである.
看護師は他の専門職に先駆けて,嚥下障害患者に対する援助を模索してきた.それは「口から食べたい」との患者の切実な訴えに動かされてきたといえよう.今もなお,摂食・嚥下障害看護としての領域は実に広く,脳血管障害,神経・筋疾患,口腔・咽頭癌術後障害,脳性麻痺,加齢などによる摂食・嚥下障害があり,発達段階を越え,疾患を越え,施設内外といった場所を越えて,ケアが求められている.
現在,摂食・嚥下リハビリテーションは体系化され,その技術もエビデンスにもとづき確立されつつある.病院においては,多くの専門職によるチームアプローチが行われるようになってきた.その中でも看護師は,医療を受ける患者の生活を援助する役割を担い,毎日のリハビリテーションにおいて重要な存在である.また,看護師は医療のあらゆる分野に存在し,その活動は病院にとどまらず,介護の施設,在宅療養への訪問看護と広がっている.
一方,保険診療を基盤とする医療は,患者の入院期間が短縮され,在宅療養へ移行する方向へと進んできている.そのために,入院時から退院後の療養生活を見通した退院調整が看護師に求められるようになってきた.在宅療養では,訪問看護師が療養者の自宅を訪問して,ケアを提供することとなる.そのため,病院に入院中に提供された摂食・嚥下リハビリテーションが継続されるためには,訪問看護師の力量に負うところが大きい.さらに,在宅では家族介護者が療養者に毎日ケアを提供するのであり,療養者の生活の質は介護者の力量に左右されるといっても過言ではない.
本書は,病院における退院計画から在宅療養へ,摂食・嚥下リハビリテーションが順調に連携されること,在宅療養で摂食・嚥下障害が顕在化してきた療養者に摂食・嚥下リハビリテーションが提供されることを意図した構成となっている.訪問看護師は時間的な制約の中で,多くのケアを提供しなければならない.訪問時には,療養者の摂食・嚥下機能を評価し,介護者のケアが適切かを判断し,介護者が実行し得るケアを調整することが求められる.
これらの指標となるように,II章では摂食・嚥下に関するアセスメントの基礎知識,具体的な支援方法について,どこからでも読めるように配置した.また,III章ではケースマネジメントとして,入院中の退院調整,在宅と高齢者施設でのケースマネジメントを解説している.さらに,IV章では退院指導から在宅療養までの調整について,疾患別に事例にもとづいて解説した.
本書を在宅療養の場で活用していただき,摂食・嚥下障害のある療養者へ摂食・嚥下リハビリテーションが提供されることを願っている.また,本書が完成するまでサポートしていただいた医歯薬出版の担当の方々にこの場を借りてお礼申し上げる.
2007年8月
鎌倉やよい・向井美惠
高齢社会に暮らす私たちにとって,摂食・嚥下障害は身近な問題となってきた.健康であれば,「食べて飲み込むこと」が当たり前のこととして,意識にも上らない日常生活上の行為である.しかし,障害となって初めて,摂食・嚥下機能の大切さに気づくこととなる.摂食・嚥下障害は,常に誤嚥のリスクを伴うため,肺炎のリスク,栄養不良・脱水のリスク,窒息のリスクが潜在する,その結果,その人のQOLを低下させ,生命を危険にさらし,さらには介護が困難となる事態も起こりうるのである.
看護師は他の専門職に先駆けて,嚥下障害患者に対する援助を模索してきた.それは「口から食べたい」との患者の切実な訴えに動かされてきたといえよう.今もなお,摂食・嚥下障害看護としての領域は実に広く,脳血管障害,神経・筋疾患,口腔・咽頭癌術後障害,脳性麻痺,加齢などによる摂食・嚥下障害があり,発達段階を越え,疾患を越え,施設内外といった場所を越えて,ケアが求められている.
現在,摂食・嚥下リハビリテーションは体系化され,その技術もエビデンスにもとづき確立されつつある.病院においては,多くの専門職によるチームアプローチが行われるようになってきた.その中でも看護師は,医療を受ける患者の生活を援助する役割を担い,毎日のリハビリテーションにおいて重要な存在である.また,看護師は医療のあらゆる分野に存在し,その活動は病院にとどまらず,介護の施設,在宅療養への訪問看護と広がっている.
一方,保険診療を基盤とする医療は,患者の入院期間が短縮され,在宅療養へ移行する方向へと進んできている.そのために,入院時から退院後の療養生活を見通した退院調整が看護師に求められるようになってきた.在宅療養では,訪問看護師が療養者の自宅を訪問して,ケアを提供することとなる.そのため,病院に入院中に提供された摂食・嚥下リハビリテーションが継続されるためには,訪問看護師の力量に負うところが大きい.さらに,在宅では家族介護者が療養者に毎日ケアを提供するのであり,療養者の生活の質は介護者の力量に左右されるといっても過言ではない.
本書は,病院における退院計画から在宅療養へ,摂食・嚥下リハビリテーションが順調に連携されること,在宅療養で摂食・嚥下障害が顕在化してきた療養者に摂食・嚥下リハビリテーションが提供されることを意図した構成となっている.訪問看護師は時間的な制約の中で,多くのケアを提供しなければならない.訪問時には,療養者の摂食・嚥下機能を評価し,介護者のケアが適切かを判断し,介護者が実行し得るケアを調整することが求められる.
これらの指標となるように,II章では摂食・嚥下に関するアセスメントの基礎知識,具体的な支援方法について,どこからでも読めるように配置した.また,III章ではケースマネジメントとして,入院中の退院調整,在宅と高齢者施設でのケースマネジメントを解説している.さらに,IV章では退院指導から在宅療養までの調整について,疾患別に事例にもとづいて解説した.
本書を在宅療養の場で活用していただき,摂食・嚥下障害のある療養者へ摂食・嚥下リハビリテーションが提供されることを願っている.また,本書が完成するまでサポートしていただいた医歯薬出版の担当の方々にこの場を借りてお礼申し上げる.
2007年8月
鎌倉やよい・向井美惠
I 食べること,飲み込むこと─生きるエネルギーの源(向井美惠)
II 口から始める生活支援─口腔機能の回復・向上を目指して
1 在宅での摂食・嚥下リハビリテーションとは(鎌倉やよい)
・病院から在宅へ
・訪問看護の視点
・在宅での摂食・嚥下リハビリテーションの対象
・訪問看護における摂食・嚥下への援助
・摂食・嚥下障害の理解
1 準備期
2 口腔期
3 咽頭期
4 食道期
・摂食・嚥下訓練の理解
1 間接訓練
ブローイング アイスマッサージ 声門内転訓練 supraglottic swallow
2 体幹姿勢,頸部姿勢による代償
頸部回旋位 頸部側屈位
・摂食・嚥下障害に伴うリスクへの対処
1 食物による窒息事故の予防
2 口腔ケア用品などによる窒息事故の予防
3 窒息事故時の対処
2 訪問看護における摂食・嚥下に関するアセスメント
・在宅療養者の摂食・嚥下機能のアセスメント(深田順子)
1 摂食・嚥下機能低下を原因疾患からアセスメント
脳血管疾患 パーキンソン病 筋萎縮性側索硬化症 重症筋無力症
2 摂食・嚥下機能に影響する因子をアセスメント
加齢 薬剤 意識レベル 気管切開,カニューレ挿入 経鼻経管栄養チューブの留置 口腔領域の廃用症候群 食事環境,食事の姿勢,食形態
3 摂食・嚥下機能のアセスメント
質問紙を用いた問診 スクリーニングテスト フィジカルアセスメント 誤嚥のアセスメント
4 介護環境・介護者のアセスメント
・食事・水分摂取量のアセスメント(浅田美江)
1 食事・水分摂取量のアセスメントの重要性
2 訪問看護で行う栄養状態のアセスメント
栄養状態のアセスメントの必要性 栄養アセスメント指標を用いた評価 現状の食事摂取量の評価 栄養摂取量の不足への対応
3 訪問看護で行う水分摂取量のアセスメント
脱水症状の身体所見 必要水分量の算出 現状の水分摂取量の評価 水分摂取量の不足への対応
・認知症をもつ人の摂食・嚥下に関するアセスメント(山田律子)
1 情報収集の方法
2 アセスメントにおいて考慮すべき要素
3 療養者の摂食・嚥下に関するアセスメントの視点
食事前の療養者のアセスメント 食事中の療養者のアセスメント 食事後の療養者のアセスメント
4 食べる力を高める環境の調整
5 食べる力を引き出す食事介助の方法
3 退院から在宅までの摂食・嚥下障害のための支援
・在宅での口腔管理(角 保徳)
1 在宅での口腔ケア
在宅での口腔ケアの必要性 在宅での口腔ケアの特徴 標準化した口腔ケア―“口腔ケアシステム” “口腔ケアシステム”の実際 在宅での口腔ケアの役割分担
2 在宅での義歯の管理
義歯の着脱 義歯の清掃方法 義歯の研磨,新製 義歯の管理・保管 義歯のメンテナンス
・安全な食事介助(鎌倉やよい)
1 食事介助とは
2 経口摂取を継続するかの判断
3 経口摂取による栄養補給への安全な介助
食事前の準備 療養者の体位の設定と介助者の位置 安全な食事介助の原則
・在宅での摂食・嚥下訓練(藤本 誠)
1 対象者の事前情報収集
居宅での訓練に困難が予想されるケース 地域での医療・介護・福祉資源のチェック
2 訪問の場での評価
観察の要点
3 スクリーニング
スクリーニングの流れ
4 口腔ケア
口腔内診査と治療 口腔ケアの手順(全介助の場合の一例) 口腔ケアの手順(見守りの場合の一例)
5 食環境の整備
姿勢設定の流れ 食事内容の検討 食事介助法
6 摂食・嚥下訓練
事前チェック 直接訓練に入る前の間接訓練 直接訓練中の咽頭残留の防止 訓練中の観察および注意点 訓練後の観察点および注意点
7 再評価
再評価項目 目標の達成度の総合評価
資料 訪問看護ステーションの実践Q&A(松木満里子)
・施設での摂食・嚥下訓練
1 通所系サービス―デイサービス,デイ・ケア,ショートステイ(田中靖代)
通所系サービスにおける摂食・嚥下訓練の特徴と課題 訓練の実際 集団看護療法―気の里メニュー
2 重症心身障害児施設の場合―症例をとおして(村松美奈)
事例紹介 訓練の意義とは
4 食べることを支援する食と栄養
・栄養サポートを中心とした支援活動(江頭文江)
1 チームの中で進められる栄養管理
2 退院時の指導
3 在宅へ向けての情報収集
・摂食・嚥下障害を支援する食品
1 市販の商品
2 嚥下困難者用増粘剤の選択と使い方
3 介護食品の選択と使い方
4 病態に合わせた市販食品の選択と使い方
ゼリータイプ 補助栄養剤 ビタミン・ミネラル総合ドリンク
・在宅訪問栄養指導による指導
III 摂食・嚥下障害のためのケースマネジメント計画―効果的生活支援を目指して
1 途切れないケア―退院から在宅まで(広瀬会里)
・退院調整(discharge coordination)
1 退院計画とは
2 退院指導との違い
3 退院調整看護師(退院コーディネーター)
4 入院中のケア
・退院調整のための情報の流れ
1 入院前(在宅療養者の場合)
2 入院時
3 入院中
4 退院後
・看護師が関与する診療報酬
2 在宅でのケースマネジメント計画(新井香奈子)
・在宅でケースマネジメントが必要とされる背景
・ケースマネジメント
1 ケースマネジメントの定義
2 ケースマネジメントの基本的プロセス
スクリーニング アセスメント ケアプランの策定 ケアプランの実施 評価 終結
3 ケースマネジメントの実施機関
4 ケースマネジメントにおけるチームワーク
・摂食・嚥下障害のためのケースマネジメント
1 在宅におけるアプローチの現状
2 ケースマネジメントにおける現状と課題
チームリーダーの存在 急性期からの継続したかかわり 食の援助と介護者の負担
3効果的な生活支援をめざしたケースマネジメント
生活の中での観察と実践 急変時の対応を明確にしておく 介護者や多職種との連携・協働づくりの推進・調整役になる
3 高齢者施設でのケースマネジメント計画(山田律子)
・高齢者が口から食べることができなくなった理由
・老年期を生きる人々を支援するうえで大切にしたいこと
・高齢者施設での口から食べるための支援 他職種との協働
・摂食・嚥下障害のある高齢者に対するケースマネジメント計画
1 高齢者のケースマネジメントに不可欠なアセスメントの視点
2 ケアプラン立案のためのアセスメントツールの活用
3 摂食・嚥下障害のある高齢者に対する標準的ケアプラン
食事に向かう心の準備に対する支援 摂食・嚥下機能を高めるため支援 食べる力を引き出す食環境づくり リスクマネジメント 生活リズムの整え 生活者としての主体性を強めるための支援
・入院時から始まる退院計画(discharge planning)
IV 退院指導から在宅までの摂食・嚥下リハビリテーションの実際
1 脳卒中(小山珠美)
・事例理解のための基礎知識
1 脳卒中の摂食・嚥下障害の特徴
一側性核上性障害 球麻痺 仮性球麻痺 複数の病態の合併
2 看護のポイント
・事例紹介
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護のポイント
2 社会資源
・在宅療養経過と看護のポイント
1 看護の展開
2 他職種との連携
3 患者・家族への指導,援助
資料 本事例における訪問看護における摂食・嚥下リハビリテーションプログラムの例
2 認知症(浅野妙子,河合多喜子,南美知子,鷲見幸彦)
・事例理解のための基礎知識
1 認知症の摂食・嚥下障害の特徴
2 看護のポイント
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護のポイント
2 社会資源
・事例紹介
・在宅療養経過と看護のポイント
1 看護の展開
2 他職種との連携
3 患者・家族への指導,援助
3 高齢者―加齢変化(藤森まり子)
・事例理解のための基礎知識
1 摂食・嚥下機能の加齢による変化
口腔機能 咽頭,喉頭 神経系 呼吸器系 その他
2 高齢者の誤嚥を予防する食事援助のポイント
・事例紹介
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護
2 カンファレンスでの検討事項
・在宅療養経過と看護のポイント
1 在宅療養の経過
2 社会資源
介護保険 訪問歯科診療
3 看護の展開
4 他職種との連携
5 患者・家族への指導,援助
4 パーキンソン病(野ア園子)
・事例理解のための基礎知識
1 疾患概要
2 パーキンソン病の摂食・嚥下障害の特徴―評価
3 パーキンソン病の摂食・嚥下障害への対処法
原疾患の治療 嚥下訓練の効果 悪性症候群 外科療法
4 看護のポイント
流涎 口腔乾燥 むせ,不顕性誤嚥 咽頭残留 服薬時の嚥下困難 胃食道逆流
・事例紹介
・退院から在宅までの準備と体制づくり
・在宅療養経過と看護のポイント
1 看護の展開
2 他職種との連携
3 患者・家族への指導,援助
5 障害児・障害者(尾本和彦)
・障害児(者)の主な口腔病変とその対応
齲蝕の多発 歯石沈着 口臭 歯肉肥大症 口内炎 磨耗症 外傷による歯の脱臼・破折 口唇外傷 乳歯の晩期残存および歯周病による動揺歯 外来性色素沈着 流涎
・口腔ケアの方法と器具の選択
1 機械的清掃法
歯の表面全体を清掃するもの 歯と歯の間を清掃するもの 舌や粘膜面を清掃するもの 歯磨剤
2 薬液などを用いる含嗽や洗浄による方法
ポピドンヨード液 塩化ベンゼトニウム,塩化ベンザルコニウム アズレンスルホン酸 カテキン
・ブラッシングを嫌がる児の口腔ケア
1 過敏と心理的拒否の違い
2 過敏のある場合の口腔ケア
3 心理的拒否のある場合の口腔ケア
・歯ブラシを噛んでしまう児の口腔ケア
開口器
6 筋萎縮性側索硬化症(ALS)(大塚義顕)
・事例理解のための基礎知識
1 ALSの特徴
2 ALSの摂食・嚥下障害の特徴
病初期の特徴 進行期の特徴 食行動の特徴
3 看護のポイント
口腔内状態の特徴 口腔環境の特徴 口腔・咽頭の機能の特徴 全身状態の特徴
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護のポイント
口腔ケアの留意点 口腔ケアについて 「退院から在宅まで」の口腔ケア 「在宅」での口腔ケア
2 社会資源
・在宅療養におけるALSの口腔ケアについて
1 口腔ケアの実際
器質的ケア 機能的ケア
2 他職種との連携
・事例紹介1
・事例紹介2
索引
II 口から始める生活支援─口腔機能の回復・向上を目指して
1 在宅での摂食・嚥下リハビリテーションとは(鎌倉やよい)
・病院から在宅へ
・訪問看護の視点
・在宅での摂食・嚥下リハビリテーションの対象
・訪問看護における摂食・嚥下への援助
・摂食・嚥下障害の理解
1 準備期
2 口腔期
3 咽頭期
4 食道期
・摂食・嚥下訓練の理解
1 間接訓練
ブローイング アイスマッサージ 声門内転訓練 supraglottic swallow
2 体幹姿勢,頸部姿勢による代償
頸部回旋位 頸部側屈位
・摂食・嚥下障害に伴うリスクへの対処
1 食物による窒息事故の予防
2 口腔ケア用品などによる窒息事故の予防
3 窒息事故時の対処
2 訪問看護における摂食・嚥下に関するアセスメント
・在宅療養者の摂食・嚥下機能のアセスメント(深田順子)
1 摂食・嚥下機能低下を原因疾患からアセスメント
脳血管疾患 パーキンソン病 筋萎縮性側索硬化症 重症筋無力症
2 摂食・嚥下機能に影響する因子をアセスメント
加齢 薬剤 意識レベル 気管切開,カニューレ挿入 経鼻経管栄養チューブの留置 口腔領域の廃用症候群 食事環境,食事の姿勢,食形態
3 摂食・嚥下機能のアセスメント
質問紙を用いた問診 スクリーニングテスト フィジカルアセスメント 誤嚥のアセスメント
4 介護環境・介護者のアセスメント
・食事・水分摂取量のアセスメント(浅田美江)
1 食事・水分摂取量のアセスメントの重要性
2 訪問看護で行う栄養状態のアセスメント
栄養状態のアセスメントの必要性 栄養アセスメント指標を用いた評価 現状の食事摂取量の評価 栄養摂取量の不足への対応
3 訪問看護で行う水分摂取量のアセスメント
脱水症状の身体所見 必要水分量の算出 現状の水分摂取量の評価 水分摂取量の不足への対応
・認知症をもつ人の摂食・嚥下に関するアセスメント(山田律子)
1 情報収集の方法
2 アセスメントにおいて考慮すべき要素
3 療養者の摂食・嚥下に関するアセスメントの視点
食事前の療養者のアセスメント 食事中の療養者のアセスメント 食事後の療養者のアセスメント
4 食べる力を高める環境の調整
5 食べる力を引き出す食事介助の方法
3 退院から在宅までの摂食・嚥下障害のための支援
・在宅での口腔管理(角 保徳)
1 在宅での口腔ケア
在宅での口腔ケアの必要性 在宅での口腔ケアの特徴 標準化した口腔ケア―“口腔ケアシステム” “口腔ケアシステム”の実際 在宅での口腔ケアの役割分担
2 在宅での義歯の管理
義歯の着脱 義歯の清掃方法 義歯の研磨,新製 義歯の管理・保管 義歯のメンテナンス
・安全な食事介助(鎌倉やよい)
1 食事介助とは
2 経口摂取を継続するかの判断
3 経口摂取による栄養補給への安全な介助
食事前の準備 療養者の体位の設定と介助者の位置 安全な食事介助の原則
・在宅での摂食・嚥下訓練(藤本 誠)
1 対象者の事前情報収集
居宅での訓練に困難が予想されるケース 地域での医療・介護・福祉資源のチェック
2 訪問の場での評価
観察の要点
3 スクリーニング
スクリーニングの流れ
4 口腔ケア
口腔内診査と治療 口腔ケアの手順(全介助の場合の一例) 口腔ケアの手順(見守りの場合の一例)
5 食環境の整備
姿勢設定の流れ 食事内容の検討 食事介助法
6 摂食・嚥下訓練
事前チェック 直接訓練に入る前の間接訓練 直接訓練中の咽頭残留の防止 訓練中の観察および注意点 訓練後の観察点および注意点
7 再評価
再評価項目 目標の達成度の総合評価
資料 訪問看護ステーションの実践Q&A(松木満里子)
・施設での摂食・嚥下訓練
1 通所系サービス―デイサービス,デイ・ケア,ショートステイ(田中靖代)
通所系サービスにおける摂食・嚥下訓練の特徴と課題 訓練の実際 集団看護療法―気の里メニュー
2 重症心身障害児施設の場合―症例をとおして(村松美奈)
事例紹介 訓練の意義とは
4 食べることを支援する食と栄養
・栄養サポートを中心とした支援活動(江頭文江)
1 チームの中で進められる栄養管理
2 退院時の指導
3 在宅へ向けての情報収集
・摂食・嚥下障害を支援する食品
1 市販の商品
2 嚥下困難者用増粘剤の選択と使い方
3 介護食品の選択と使い方
4 病態に合わせた市販食品の選択と使い方
ゼリータイプ 補助栄養剤 ビタミン・ミネラル総合ドリンク
・在宅訪問栄養指導による指導
III 摂食・嚥下障害のためのケースマネジメント計画―効果的生活支援を目指して
1 途切れないケア―退院から在宅まで(広瀬会里)
・退院調整(discharge coordination)
1 退院計画とは
2 退院指導との違い
3 退院調整看護師(退院コーディネーター)
4 入院中のケア
・退院調整のための情報の流れ
1 入院前(在宅療養者の場合)
2 入院時
3 入院中
4 退院後
・看護師が関与する診療報酬
2 在宅でのケースマネジメント計画(新井香奈子)
・在宅でケースマネジメントが必要とされる背景
・ケースマネジメント
1 ケースマネジメントの定義
2 ケースマネジメントの基本的プロセス
スクリーニング アセスメント ケアプランの策定 ケアプランの実施 評価 終結
3 ケースマネジメントの実施機関
4 ケースマネジメントにおけるチームワーク
・摂食・嚥下障害のためのケースマネジメント
1 在宅におけるアプローチの現状
2 ケースマネジメントにおける現状と課題
チームリーダーの存在 急性期からの継続したかかわり 食の援助と介護者の負担
3効果的な生活支援をめざしたケースマネジメント
生活の中での観察と実践 急変時の対応を明確にしておく 介護者や多職種との連携・協働づくりの推進・調整役になる
3 高齢者施設でのケースマネジメント計画(山田律子)
・高齢者が口から食べることができなくなった理由
・老年期を生きる人々を支援するうえで大切にしたいこと
・高齢者施設での口から食べるための支援 他職種との協働
・摂食・嚥下障害のある高齢者に対するケースマネジメント計画
1 高齢者のケースマネジメントに不可欠なアセスメントの視点
2 ケアプラン立案のためのアセスメントツールの活用
3 摂食・嚥下障害のある高齢者に対する標準的ケアプラン
食事に向かう心の準備に対する支援 摂食・嚥下機能を高めるため支援 食べる力を引き出す食環境づくり リスクマネジメント 生活リズムの整え 生活者としての主体性を強めるための支援
・入院時から始まる退院計画(discharge planning)
IV 退院指導から在宅までの摂食・嚥下リハビリテーションの実際
1 脳卒中(小山珠美)
・事例理解のための基礎知識
1 脳卒中の摂食・嚥下障害の特徴
一側性核上性障害 球麻痺 仮性球麻痺 複数の病態の合併
2 看護のポイント
・事例紹介
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護のポイント
2 社会資源
・在宅療養経過と看護のポイント
1 看護の展開
2 他職種との連携
3 患者・家族への指導,援助
資料 本事例における訪問看護における摂食・嚥下リハビリテーションプログラムの例
2 認知症(浅野妙子,河合多喜子,南美知子,鷲見幸彦)
・事例理解のための基礎知識
1 認知症の摂食・嚥下障害の特徴
2 看護のポイント
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護のポイント
2 社会資源
・事例紹介
・在宅療養経過と看護のポイント
1 看護の展開
2 他職種との連携
3 患者・家族への指導,援助
3 高齢者―加齢変化(藤森まり子)
・事例理解のための基礎知識
1 摂食・嚥下機能の加齢による変化
口腔機能 咽頭,喉頭 神経系 呼吸器系 その他
2 高齢者の誤嚥を予防する食事援助のポイント
・事例紹介
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護
2 カンファレンスでの検討事項
・在宅療養経過と看護のポイント
1 在宅療養の経過
2 社会資源
介護保険 訪問歯科診療
3 看護の展開
4 他職種との連携
5 患者・家族への指導,援助
4 パーキンソン病(野ア園子)
・事例理解のための基礎知識
1 疾患概要
2 パーキンソン病の摂食・嚥下障害の特徴―評価
3 パーキンソン病の摂食・嚥下障害への対処法
原疾患の治療 嚥下訓練の効果 悪性症候群 外科療法
4 看護のポイント
流涎 口腔乾燥 むせ,不顕性誤嚥 咽頭残留 服薬時の嚥下困難 胃食道逆流
・事例紹介
・退院から在宅までの準備と体制づくり
・在宅療養経過と看護のポイント
1 看護の展開
2 他職種との連携
3 患者・家族への指導,援助
5 障害児・障害者(尾本和彦)
・障害児(者)の主な口腔病変とその対応
齲蝕の多発 歯石沈着 口臭 歯肉肥大症 口内炎 磨耗症 外傷による歯の脱臼・破折 口唇外傷 乳歯の晩期残存および歯周病による動揺歯 外来性色素沈着 流涎
・口腔ケアの方法と器具の選択
1 機械的清掃法
歯の表面全体を清掃するもの 歯と歯の間を清掃するもの 舌や粘膜面を清掃するもの 歯磨剤
2 薬液などを用いる含嗽や洗浄による方法
ポピドンヨード液 塩化ベンゼトニウム,塩化ベンザルコニウム アズレンスルホン酸 カテキン
・ブラッシングを嫌がる児の口腔ケア
1 過敏と心理的拒否の違い
2 過敏のある場合の口腔ケア
3 心理的拒否のある場合の口腔ケア
・歯ブラシを噛んでしまう児の口腔ケア
開口器
6 筋萎縮性側索硬化症(ALS)(大塚義顕)
・事例理解のための基礎知識
1 ALSの特徴
2 ALSの摂食・嚥下障害の特徴
病初期の特徴 進行期の特徴 食行動の特徴
3 看護のポイント
口腔内状態の特徴 口腔環境の特徴 口腔・咽頭の機能の特徴 全身状態の特徴
・退院から在宅までの準備と体制づくり
1 退院から在宅までの看護のポイント
口腔ケアの留意点 口腔ケアについて 「退院から在宅まで」の口腔ケア 「在宅」での口腔ケア
2 社会資源
・在宅療養におけるALSの口腔ケアについて
1 口腔ケアの実際
器質的ケア 機能的ケア
2 他職種との連携
・事例紹介1
・事例紹介2
索引








