はじめに
1999年,ある大学病院で患者を取り違えて手術を施行するという重大な医療事故が発生しました.それを契機に医療事故に関する報道が盛んになり,インターネットなどにも医療事故関連のニュースが毎日掲載されるようになりました.今や,医療安全・医療事故防止は国民の大きな関心事となっています.私たち医療者が医療安全に取り組むのは,マスコミによって報道されたからではなく,患者の信頼に十分応えるためでありますが,この問題に関する社会的関心の大きさが,我々の取り組みを促進させ,さらに国の役割と患者の視点を重視させる機能を果たしたことは確かなことです.
現在の医療環境に目を向けますと,我々医療者にとってはこれまでにない厳しいものがあります.医療の進歩はめざましく,次々と新しい治療法や検査,薬剤や医療機器が導入されると同時に,クリニカルパス,包括医療などの新システムが導入され,医療現場はめまぐるしく変化しています.加えて,在院日数の短縮推進によって患者が激しく入れ替わり,業務が煩雑化して医療者はきわめて多忙になっています.一方,医療に対する人々の期待と権利意識は高まりつつあり,これまで以上に医療者は緊張感を持って業務に携わらなければなりません.
このような厳しさの中で,医療の安全を確立し患者の安心と信頼を得ていくためには,国による医療安全に関する制度の確立のみならず,1)病院における医療安全・医療事故防止に対するシステムの構築とその運営,ならびに2)病院を構成する個々の医療者の医療安全に対する意識の向上とリスク感性の研磨,が必要になります.1)と2)は医療安全という車の両輪をなし,どちらが不十分でも安全は保障されません.
本書は,上述の考え方を基に,これから看護師になろうとする人々や,さらにいっそう医療安全・医療事故防止を勉強し現場に活かそうと考えている現役の看護師のために,医療安全・医療事故防止に関する基本的な知識と情報を提供することを目的に編纂されたものです.本書は,より効果的に学習できるように,テキストとCD-ROMで構成しました.読者はまずテキストで学習し,ついでCD-ROMの中の問題集によって学習成果を自己評価できるように作られています.
テキストは,大きく分けると4部門からなります.最初に,総論として「看護・医療事故防止のための基本的知識」をまとめ,続いて各論として看護業務で発生する事故を「I医師の指示業務での事故」(注射や輸血など)と「II 療養上の世話での事故」(転倒・転落や経管栄養など)に分類し,それぞれに関する注意点を系統的かつわかりやすく記述するよう試みました.さらに,「感染予防の基本的な考え方」,「針刺し・切創事故への対応」についてポイントをまとめてあります.
学習をより効果的に進めるためにCD-ROMの内容もテキストと同じように順序だてられています.すでに現場で経験を積んでおられる方は,CD-ROMの問題に最初から挑戦してもよいでしょう.解答画面には詳しい解説も掲載されていますので,自分の知識のチェックのみならず新情報の学習にもなると思います.また,問題を解きながらテキストを参照し,知識の再整理をすることも可能になると思います.
本書のような私たちの新しい試みが成功するか否かについては,読者の判断に委ねられています.言うまでもなく私たちの力量は十分ではなく,従って本書には改善すべき点が多々あると思われます.是非,本書の構成や内容につき忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです.読者の皆様の参加によって,本書がさらによいものに成長していくことを希望しています.
最後に,本書の編集に当たって細かくご指導いただいた医歯薬出版第一編集部の担当者各位に,この場をお借りして深謝申し上げます.
2004年8月 編者一同
1999年,ある大学病院で患者を取り違えて手術を施行するという重大な医療事故が発生しました.それを契機に医療事故に関する報道が盛んになり,インターネットなどにも医療事故関連のニュースが毎日掲載されるようになりました.今や,医療安全・医療事故防止は国民の大きな関心事となっています.私たち医療者が医療安全に取り組むのは,マスコミによって報道されたからではなく,患者の信頼に十分応えるためでありますが,この問題に関する社会的関心の大きさが,我々の取り組みを促進させ,さらに国の役割と患者の視点を重視させる機能を果たしたことは確かなことです.
現在の医療環境に目を向けますと,我々医療者にとってはこれまでにない厳しいものがあります.医療の進歩はめざましく,次々と新しい治療法や検査,薬剤や医療機器が導入されると同時に,クリニカルパス,包括医療などの新システムが導入され,医療現場はめまぐるしく変化しています.加えて,在院日数の短縮推進によって患者が激しく入れ替わり,業務が煩雑化して医療者はきわめて多忙になっています.一方,医療に対する人々の期待と権利意識は高まりつつあり,これまで以上に医療者は緊張感を持って業務に携わらなければなりません.
このような厳しさの中で,医療の安全を確立し患者の安心と信頼を得ていくためには,国による医療安全に関する制度の確立のみならず,1)病院における医療安全・医療事故防止に対するシステムの構築とその運営,ならびに2)病院を構成する個々の医療者の医療安全に対する意識の向上とリスク感性の研磨,が必要になります.1)と2)は医療安全という車の両輪をなし,どちらが不十分でも安全は保障されません.
本書は,上述の考え方を基に,これから看護師になろうとする人々や,さらにいっそう医療安全・医療事故防止を勉強し現場に活かそうと考えている現役の看護師のために,医療安全・医療事故防止に関する基本的な知識と情報を提供することを目的に編纂されたものです.本書は,より効果的に学習できるように,テキストとCD-ROMで構成しました.読者はまずテキストで学習し,ついでCD-ROMの中の問題集によって学習成果を自己評価できるように作られています.
テキストは,大きく分けると4部門からなります.最初に,総論として「看護・医療事故防止のための基本的知識」をまとめ,続いて各論として看護業務で発生する事故を「I医師の指示業務での事故」(注射や輸血など)と「II 療養上の世話での事故」(転倒・転落や経管栄養など)に分類し,それぞれに関する注意点を系統的かつわかりやすく記述するよう試みました.さらに,「感染予防の基本的な考え方」,「針刺し・切創事故への対応」についてポイントをまとめてあります.
学習をより効果的に進めるためにCD-ROMの内容もテキストと同じように順序だてられています.すでに現場で経験を積んでおられる方は,CD-ROMの問題に最初から挑戦してもよいでしょう.解答画面には詳しい解説も掲載されていますので,自分の知識のチェックのみならず新情報の学習にもなると思います.また,問題を解きながらテキストを参照し,知識の再整理をすることも可能になると思います.
本書のような私たちの新しい試みが成功するか否かについては,読者の判断に委ねられています.言うまでもなく私たちの力量は十分ではなく,従って本書には改善すべき点が多々あると思われます.是非,本書の構成や内容につき忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いです.読者の皆様の参加によって,本書がさらによいものに成長していくことを希望しています.
最後に,本書の編集に当たって細かくご指導いただいた医歯薬出版第一編集部の担当者各位に,この場をお借りして深謝申し上げます.
2004年8月 編者一同
看護・医療事故防止 自己学習CD-ROMプログラム もくじ
看護・医療事故防止のための基本的知識看護・医療事故防止のための基本的知識(清原)
1 医師の業務と看護師の業務
1)絶対的・相対的医療行為における事故
事故原因
2)療養上の世話における事故
転倒・転落
摂食・嚥下障害
自殺
離院
2 わが国の医療事故と事故に対する取り組み
3 リスクマネジメントで使われる用語の使い方
医療事故
医療過誤
インシデント
アクシデント
エラー(error)
ルール違犯(violation)
4 院内報告の整備とツール
1)インシデント報告
患者影響レベル
2)ハインリッヒの法則
3)インシデント分析
定量分析
定性分析
4)スイス・チーズモデル
5)医療安全管理者
6)安全管理のための職員研修
研修の構成
7)リスクアセスメント
8)医療過誤発生と法的責任
民事上の責任
刑事上の責任
行政上の責任
9)PDCAサイクル(Plan-do-check-act)
10)当院における事故防止のための組織横断的取り組み
塞栓症予防ガイドライン
緊急カード院内統一
薬剤変更・廃止
その他
■I.医師の指示業務での事故(清原)
1 与薬
与薬による事故
1 与薬方法
2 指示受けから与薬までのルール
処方箋
3 薬剤内服中の注意事項
インスリン
ワーファリンと納豆
鉄剤とコーヒー,紅茶,緑茶
グレープフルーツと免疫抑制剤(シクロスポリン)
グレープフルーツとカルシウム拮抗剤
睡眠薬
血栓・塞栓形成抑制剤
ワーファリンでの禁忌
4 容器の類似による間違い
5 経口薬を静脈に誤注入
6 禁忌疾患のある薬剤
ミドリンM ,ミドリンP
ブスコパン
7 薬剤アレルギー(治療薬,麻酔薬,造影剤)
薬剤による過敏反応
予防
対策
8 服薬について
視力障害のある患者の内服の介助
高齢者の服薬管理
うまく飲み込めない場合
飲み忘れがある場合
9 退院時の薬
2.注射
注射による事故
1 注射の種類と方法
2 指示受けから施行までのルール
3 点滴速度換算
点滴比較早見表
4 輸液ポンプ
ローラー方式
蠕動方式
シリンジ方式
輸液ポンプの準備
輸液ポンプ操作ミス
シリンジポンプの操作ミス
5 フィルター
フィルターの目的
使用時の注意
6 類似の形態の薬品
遮光アンプル
内服用バイアル
同じ名前の内服用と注射用薬剤
7 規格・容量に注意が必要な注射薬
8 単独急速静脈注射
9 薬剤充填型注射器
10 インスリン製剤
インスリン製剤の種類
シリンジ用バイアル
ペン型インスリンカートリッジ
インスリン自己注入器具ペン型注射器
スライディングスケールの院内統一
11 遮光アンプル
遮光アンプルは褐色でよく似ているので,取り違えに注意
12 配合変化
配合変化を起こしやすい注射薬
13 ポリ塩化ビニール性チューブ(PVC)の問題
14 ツインバッグ製剤
ダブルパックによる隔壁貫通忘れ
15 投与間違い
投与方法
注射をしてはいけないアンプルやバイアル:トロンビン
事故防止
三方活栓について
16 抗癌剤血管漏出
血管外漏出時の抗癌剤の組織侵襲に基づく分類
血管漏出発生時の対応
17 注射による合併症
血腫
神経麻痺
空気塞栓
静脈炎
針刺し事故
点滴ラインの接続部離脱や自己抜去
静脈内注射の法的解釈
3 輸血
輸血による事故
1 輸血の種類と輸血ラインの選択
赤血球輸血
新鮮凍結血漿FFP
濃厚血小板PC
2 指示受けから施行までのルール
3 異型輸血時の対応
不適合(異型)輸血の症状
4 輸血の副作用
即時型副作用
遅発型副作用
4 人工呼吸器
人工呼吸器装着中の事故
1 人工呼吸器使用に当たっての注意事項
始業点検
(電源 / 酸素および圧縮空気などの医療ガス / 人工呼吸器本体 / 用手式人工呼吸器用具 / 気道内吸引器具 56)
作動点検
人工呼吸器使用中の注意事項
(人工呼吸器側および患者側の注意事項 / 回路チェック / 人工呼吸器アラーム発生時の対応 57)
2 人工呼吸器装着患者の看護
必ず行うべき業務
(各勤務帯で必ず確認すること / 各勤務帯でケアすること 58)
感染予防
3 トラブル発生時の対処
気管内チューブが抜けたら
気管切開カニューレが抜けたら
呼吸器の作動停止
呼吸器の回路の接続外れや破損を見つけたら
停電時の対応
4 酸素ボンベと簡易呼吸器について
5 人工呼吸器機種別チェックリスト
人工呼吸器関連肺炎(Ventilator Associated Pneumonia;VAP)63
患者さんが急変し,心肺停止状態となったら
<心肺蘇生法>
頭部後屈頤部挙上法
心臓マッサージ
胸骨圧迫マッサージの手技
心臓マッサージの合併症
気管内挿管(経口挿管)
心肺停止時のフローチャート
ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support):二次救命処置
AED(Automated External Defibrillator):自動体外式除細動器
5 検査 69 検査時の事故
1 事故防止対策
看護師の指示受け
(絶食の指示 / 内服薬 70)
2 内視鏡検査(大腸ファイバー検査)
(前日
当日
検査中
検査後◆
72)◆
ポリペクトミー時に使用されるブスコパンの禁忌疾患
ニフレックの禁忌
■II.療養上の世話での事故(清原)
1 転倒・転落
転倒による事故
1 「転倒・転落アセスメント・スコアシート」と「転倒・転落防止チェックリスト」
2 高齢者の転倒事故で受ける身体への影響
3 転倒・転落の発生要因
薬剤に関連した転倒・転落の発生
排泄に関連する要因
機能障害に関連する要因
老化による歩行能力に関連する要因
4 転倒・転落事故発生時の対応
5 転倒・転落危険度別対応
6 転倒・転落防止のための用品
転倒・転落防止のための離床センサーマット
転倒・転落時の骨折,外傷防止用品
抑制について
抑制への基本的考え方
抑制とは
適応例
抑制解除
2 摂食・嚥下障害
摂食・嚥下障害の原因
1 摂食・嚥下障害を引き起こす疾患
2 摂食・嚥下障害の診断(問診表)
3 摂食・嚥下障害のスクリーニング・検査方法
スクリーニングテスト 88(反復唾液嚥下テスト(RSST;repetitive salivas swallowing test) / 水飲みテスト / フードテスト 89)
検査 90(下咽頭食道透視 / 喉頭ファイバー 90)
4 試食
試食前の確認事項
試食中の観察事項
5 摂食・嚥下の5段階評価
食事摂取時の姿勢注意
6 経口摂食不可能な場合の栄養補給
(経静脈栄養 / 経管栄養(経鼻経管栄養) / 胃瘻・腸瘻 93)
7 経口摂食中止の基準
8 経口摂取開始に向けた段階的摂食訓練
3 経管栄養
経管栄養による事故
1 経管栄養開始に当たっての注意事項
胃管挿入時の注意 95(胃管挿入の長さ / 鼻腔から胃管を挿入する場合 / 胃管の胃内到達確認 / 胃管の固定 96)
経管栄養剤への注意
2 経管栄養実施患者への看護
患者の状態観察
体位を整える
胃管留置の確認
痰の吸引が必要な患者
注入速度
注入中の観察
注入後
3 医療事故防止
経管栄養の静脈内への誤注入防止
肺への誤注入
経管栄養のための栄養剤
4 事故発生後の処置
栄養剤注入中の胃部不快,腹部不快
下痢
栄養剤注入中
鼻孔・鼻翼の皮膚のびらん,潰瘍
5 気管に経管栄養剤を注入してしまった場合の対応
4 熱傷
熱傷の要因となる事故原因
1 湯たんぽの使用に当たっての注意事項
湯の温度と量
準備時の注意
使用上の注意
観察
2 手術室での電気メスによる熱傷事故
3 その他の熱傷
4 熱傷度分類
熱傷の深さ分類
熱傷の重症度
5 事故後の処置
感染予防の基本的な考え方感染予防の基本的な考え方(藤田)
I.スタンダードプリコーションの概念
1 スタンダードプリコーションとは
2 なぜ疾患非特異的な対策が必要なのか
II.スタンダードプリコーションの実際
1 手指消毒・手洗い
1)手指消毒・手洗いの必要性
2)手指消毒・手洗いの原則
3)手洗い・手指消毒の種類と,洗浄剤・手指消毒剤の使い分け方
4)手指消毒・手洗いの方法
5)手荒れの予防
2 防護用具について
1)手 袋
2)マスク
3)保護着衣(ガウン,エプロン)
4)その他(ゴーグル,フェイスシールド,キャップ)
3 周囲環境対策
1)器材の取扱い
2)リネン類
3)清 掃
4)感染性廃棄物の処理
III.感染経路別対策
1 感染経路別対策とは
2 感染経路別の具体的対策
1)空気感染
2)飛沫感染
3)接触感染
針刺し・切創事故への対応針刺し・切創事故への対応(藤田)
I.針刺し・切創事故とは
1 針刺し・切創事故によって病気を引き起こす代表的な病原体
2 針刺し・切創事故直後の処置
3 針刺し・切創事故防止のための実施事項
II.対応の実際
III.感染症別の対応
1 HIV
HIV血液・体液曝露事故自己判断フローチャート
2 HBV:感染源がHBs抗原陽性かHBV-DNA陽性のとき
3 HCV
4 梅毒
5 HTLV-1
6 クロイツフェルト・ヤコブ病プリオン
看護・医療事故防止のための基本的知識看護・医療事故防止のための基本的知識(清原)
1 医師の業務と看護師の業務
1)絶対的・相対的医療行為における事故
事故原因
2)療養上の世話における事故
転倒・転落
摂食・嚥下障害
自殺
離院
2 わが国の医療事故と事故に対する取り組み
3 リスクマネジメントで使われる用語の使い方
医療事故
医療過誤
インシデント
アクシデント
エラー(error)
ルール違犯(violation)
4 院内報告の整備とツール
1)インシデント報告
患者影響レベル
2)ハインリッヒの法則
3)インシデント分析
定量分析
定性分析
4)スイス・チーズモデル
5)医療安全管理者
6)安全管理のための職員研修
研修の構成
7)リスクアセスメント
8)医療過誤発生と法的責任
民事上の責任
刑事上の責任
行政上の責任
9)PDCAサイクル(Plan-do-check-act)
10)当院における事故防止のための組織横断的取り組み
塞栓症予防ガイドライン
緊急カード院内統一
薬剤変更・廃止
その他
■I.医師の指示業務での事故(清原)
1 与薬
与薬による事故
1 与薬方法
2 指示受けから与薬までのルール
処方箋
3 薬剤内服中の注意事項
インスリン
ワーファリンと納豆
鉄剤とコーヒー,紅茶,緑茶
グレープフルーツと免疫抑制剤(シクロスポリン)
グレープフルーツとカルシウム拮抗剤
睡眠薬
血栓・塞栓形成抑制剤
ワーファリンでの禁忌
4 容器の類似による間違い
5 経口薬を静脈に誤注入
6 禁忌疾患のある薬剤
ミドリンM ,ミドリンP
ブスコパン
7 薬剤アレルギー(治療薬,麻酔薬,造影剤)
薬剤による過敏反応
予防
対策
8 服薬について
視力障害のある患者の内服の介助
高齢者の服薬管理
うまく飲み込めない場合
飲み忘れがある場合
9 退院時の薬
2.注射
注射による事故
1 注射の種類と方法
2 指示受けから施行までのルール
3 点滴速度換算
点滴比較早見表
4 輸液ポンプ
ローラー方式
蠕動方式
シリンジ方式
輸液ポンプの準備
輸液ポンプ操作ミス
シリンジポンプの操作ミス
5 フィルター
フィルターの目的
使用時の注意
6 類似の形態の薬品
遮光アンプル
内服用バイアル
同じ名前の内服用と注射用薬剤
7 規格・容量に注意が必要な注射薬
8 単独急速静脈注射
9 薬剤充填型注射器
10 インスリン製剤
インスリン製剤の種類
シリンジ用バイアル
ペン型インスリンカートリッジ
インスリン自己注入器具ペン型注射器
スライディングスケールの院内統一
11 遮光アンプル
遮光アンプルは褐色でよく似ているので,取り違えに注意
12 配合変化
配合変化を起こしやすい注射薬
13 ポリ塩化ビニール性チューブ(PVC)の問題
14 ツインバッグ製剤
ダブルパックによる隔壁貫通忘れ
15 投与間違い
投与方法
注射をしてはいけないアンプルやバイアル:トロンビン
事故防止
三方活栓について
16 抗癌剤血管漏出
血管外漏出時の抗癌剤の組織侵襲に基づく分類
血管漏出発生時の対応
17 注射による合併症
血腫
神経麻痺
空気塞栓
静脈炎
針刺し事故
点滴ラインの接続部離脱や自己抜去
静脈内注射の法的解釈
3 輸血
輸血による事故
1 輸血の種類と輸血ラインの選択
赤血球輸血
新鮮凍結血漿FFP
濃厚血小板PC
2 指示受けから施行までのルール
3 異型輸血時の対応
不適合(異型)輸血の症状
4 輸血の副作用
即時型副作用
遅発型副作用
4 人工呼吸器
人工呼吸器装着中の事故
1 人工呼吸器使用に当たっての注意事項
始業点検
(電源 / 酸素および圧縮空気などの医療ガス / 人工呼吸器本体 / 用手式人工呼吸器用具 / 気道内吸引器具 56)
作動点検
人工呼吸器使用中の注意事項
(人工呼吸器側および患者側の注意事項 / 回路チェック / 人工呼吸器アラーム発生時の対応 57)
2 人工呼吸器装着患者の看護
必ず行うべき業務
(各勤務帯で必ず確認すること / 各勤務帯でケアすること 58)
感染予防
3 トラブル発生時の対処
気管内チューブが抜けたら
気管切開カニューレが抜けたら
呼吸器の作動停止
呼吸器の回路の接続外れや破損を見つけたら
停電時の対応
4 酸素ボンベと簡易呼吸器について
5 人工呼吸器機種別チェックリスト
人工呼吸器関連肺炎(Ventilator Associated Pneumonia;VAP)63
患者さんが急変し,心肺停止状態となったら
<心肺蘇生法>
頭部後屈頤部挙上法
心臓マッサージ
胸骨圧迫マッサージの手技
心臓マッサージの合併症
気管内挿管(経口挿管)
心肺停止時のフローチャート
ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support):二次救命処置
AED(Automated External Defibrillator):自動体外式除細動器
5 検査 69 検査時の事故
1 事故防止対策
看護師の指示受け
(絶食の指示 / 内服薬 70)
2 内視鏡検査(大腸ファイバー検査)
(前日
当日
検査中
検査後◆
72)◆
ポリペクトミー時に使用されるブスコパンの禁忌疾患
ニフレックの禁忌
■II.療養上の世話での事故(清原)
1 転倒・転落
転倒による事故
1 「転倒・転落アセスメント・スコアシート」と「転倒・転落防止チェックリスト」
2 高齢者の転倒事故で受ける身体への影響
3 転倒・転落の発生要因
薬剤に関連した転倒・転落の発生
排泄に関連する要因
機能障害に関連する要因
老化による歩行能力に関連する要因
4 転倒・転落事故発生時の対応
5 転倒・転落危険度別対応
6 転倒・転落防止のための用品
転倒・転落防止のための離床センサーマット
転倒・転落時の骨折,外傷防止用品
抑制について
抑制への基本的考え方
抑制とは
適応例
抑制解除
2 摂食・嚥下障害
摂食・嚥下障害の原因
1 摂食・嚥下障害を引き起こす疾患
2 摂食・嚥下障害の診断(問診表)
3 摂食・嚥下障害のスクリーニング・検査方法
スクリーニングテスト 88(反復唾液嚥下テスト(RSST;repetitive salivas swallowing test) / 水飲みテスト / フードテスト 89)
検査 90(下咽頭食道透視 / 喉頭ファイバー 90)
4 試食
試食前の確認事項
試食中の観察事項
5 摂食・嚥下の5段階評価
食事摂取時の姿勢注意
6 経口摂食不可能な場合の栄養補給
(経静脈栄養 / 経管栄養(経鼻経管栄養) / 胃瘻・腸瘻 93)
7 経口摂食中止の基準
8 経口摂取開始に向けた段階的摂食訓練
3 経管栄養
経管栄養による事故
1 経管栄養開始に当たっての注意事項
胃管挿入時の注意 95(胃管挿入の長さ / 鼻腔から胃管を挿入する場合 / 胃管の胃内到達確認 / 胃管の固定 96)
経管栄養剤への注意
2 経管栄養実施患者への看護
患者の状態観察
体位を整える
胃管留置の確認
痰の吸引が必要な患者
注入速度
注入中の観察
注入後
3 医療事故防止
経管栄養の静脈内への誤注入防止
肺への誤注入
経管栄養のための栄養剤
4 事故発生後の処置
栄養剤注入中の胃部不快,腹部不快
下痢
栄養剤注入中
鼻孔・鼻翼の皮膚のびらん,潰瘍
5 気管に経管栄養剤を注入してしまった場合の対応
4 熱傷
熱傷の要因となる事故原因
1 湯たんぽの使用に当たっての注意事項
湯の温度と量
準備時の注意
使用上の注意
観察
2 手術室での電気メスによる熱傷事故
3 その他の熱傷
4 熱傷度分類
熱傷の深さ分類
熱傷の重症度
5 事故後の処置
感染予防の基本的な考え方感染予防の基本的な考え方(藤田)
I.スタンダードプリコーションの概念
1 スタンダードプリコーションとは
2 なぜ疾患非特異的な対策が必要なのか
II.スタンダードプリコーションの実際
1 手指消毒・手洗い
1)手指消毒・手洗いの必要性
2)手指消毒・手洗いの原則
3)手洗い・手指消毒の種類と,洗浄剤・手指消毒剤の使い分け方
4)手指消毒・手洗いの方法
5)手荒れの予防
2 防護用具について
1)手 袋
2)マスク
3)保護着衣(ガウン,エプロン)
4)その他(ゴーグル,フェイスシールド,キャップ)
3 周囲環境対策
1)器材の取扱い
2)リネン類
3)清 掃
4)感染性廃棄物の処理
III.感染経路別対策
1 感染経路別対策とは
2 感染経路別の具体的対策
1)空気感染
2)飛沫感染
3)接触感染
針刺し・切創事故への対応針刺し・切創事故への対応(藤田)
I.針刺し・切創事故とは
1 針刺し・切創事故によって病気を引き起こす代表的な病原体
2 針刺し・切創事故直後の処置
3 針刺し・切創事故防止のための実施事項
II.対応の実際
III.感染症別の対応
1 HIV
HIV血液・体液曝露事故自己判断フローチャート
2 HBV:感染源がHBs抗原陽性かHBV-DNA陽性のとき
3 HCV
4 梅毒
5 HTLV-1
6 クロイツフェルト・ヤコブ病プリオン








