はじめに
介護保険の始まりとともに，口腔領域でも新しい対応が必要になってきました．認定調査，課題分析，主治医意見書などのほかに，介護認定審査会への参加や口腔領域の介護サービス計画書作成など，多方面の活動が求められています．
もともと高齢者の口腔ケアには，口から食べるという大きなテーマがありました．これには学際的なチームアプローチが必要ですが，なかでも口腔領域からのかかわりは必須のものです．自立とQOLの向上を図るには，摂食嚥下障害など口腔のもつ課題の克服は非常に重要といえます．また，感染予防や誤嚥性肺炎予防のためにも口腔ケアは大きな役割をもちます．
これらを効果あるものにするには，従来の口腔管理のほかに，地域や環境とのかかわり，多くの職種とのケアマネジメントが大切になります．それには，いろいろな場面におけるよりよい相互のコミュニケーションを図ること，すなわち共通認識・共通言語が必要になります．
本書は，第一線で口腔ケアにかかわる多くの方の協力を得て，可能な限り多くの場面を想定し，現場の口腔ケア実践記録をわかりやすく紹介していただきました．歯科医療施設はもちろんのこと，介護保険施設や在宅介護など，さまざまな場面で実践されている口腔ケアは，かつて考えられない広がりと深さを示しており，これからのさらなる展開を期待させてくれています．また，口腔ケアの実際についてはQ&Aでお応えするなど，口腔ケアの全体像が見渡せるように配慮いたしました．
本書の活用で，介護保険下にあるわが国の高齢者の口腔ケアが，さらに大きく前進することを願わずにはいられません．
2003年春
編者一同
介護保険の始まりとともに，口腔領域でも新しい対応が必要になってきました．認定調査，課題分析，主治医意見書などのほかに，介護認定審査会への参加や口腔領域の介護サービス計画書作成など，多方面の活動が求められています．
もともと高齢者の口腔ケアには，口から食べるという大きなテーマがありました．これには学際的なチームアプローチが必要ですが，なかでも口腔領域からのかかわりは必須のものです．自立とQOLの向上を図るには，摂食嚥下障害など口腔のもつ課題の克服は非常に重要といえます．また，感染予防や誤嚥性肺炎予防のためにも口腔ケアは大きな役割をもちます．
これらを効果あるものにするには，従来の口腔管理のほかに，地域や環境とのかかわり，多くの職種とのケアマネジメントが大切になります．それには，いろいろな場面におけるよりよい相互のコミュニケーションを図ること，すなわち共通認識・共通言語が必要になります．
本書は，第一線で口腔ケアにかかわる多くの方の協力を得て，可能な限り多くの場面を想定し，現場の口腔ケア実践記録をわかりやすく紹介していただきました．歯科医療施設はもちろんのこと，介護保険施設や在宅介護など，さまざまな場面で実践されている口腔ケアは，かつて考えられない広がりと深さを示しており，これからのさらなる展開を期待させてくれています．また，口腔ケアの実際についてはQ&Aでお応えするなど，口腔ケアの全体像が見渡せるように配慮いたしました．
本書の活用で，介護保険下にあるわが国の高齢者の口腔ケアが，さらに大きく前進することを願わずにはいられません．
2003年春
編者一同
はじめに
執筆者一覧
第1章 口腔の基礎知識
口腔の現状 鈴木俊夫・橋本京一
口腔の基礎知識 鈴木淳子・植松 宏
第2章 口腔ケアと介護保険
介護保険制度と口腔ケア 青柳公夫
口腔ケアと介護サービス計画
対象者に応じた口腔ケア 山中ヤヱ子
口腔ケアプラン（介護サービス計画） 阪口英夫
口腔ケアの評価法 上野秀香
第3章 高齢者の口腔ケア・実践事例
重度な要介護者の口腔ケア 関根義朗・阪口英夫
介護老人保健施設の口腔ケアにおけるPT・OTの役割 東 明・古川郁子・溝添栄子・出水 瞳
高齢者施設における個別ケアのかかわりと口腔ケア 加藤秀子
痴呆性高齢者の口腔ケア―老健痴呆専門棟における義歯ケアの実践報告― 中西有美子
誤嚥性肺炎予防のために 村上秀一・哘 淳子・濱頭 誠・寺嶋康志
障害の受容が問題となった医療依存度の高い事例 吉田春陽
口腔ケアと心の通い合い 杉山総子・米山武義
重度障害者の経過と口腔ケア 糸田昌隆
口腔ケアの実践―生活環境も考えた口腔ケアをめざして― 中山京英
舌および口蓋のケア 藤本篤士
神経筋難病患者に対する歯科教室と口腔ケアの事例 佐々木妙子
特定疾病患者に対する居宅療養管理指導・口腔ケア 春名絢女・井須孝弘
訪問看護における口腔ケアマネジメントの事例 乙坂佳代
病棟での介護サービス 田中友二
口腔外科病棟における口腔ケア 渋谷絹子・三宅五十鈴
介護サービスと地域での口腔ケア 菊池一江
第4章 口腔ケアの実践場面
介護療養型医療施設 日向富子
介護老人保健施設 光山 誠
介護老人福祉施設 豊田雅孝
在宅での実践を中心として 高林澄子
脳神経疾患患者の口腔ケアの実践 川崎泰子ほか
第5章 高齢者の口腔ケアQ&A
実践
これから始める人へ 中川律子
口腔ケア実施時の留意点 貝塚みどり
口腔ケア用品 中山京英
口腔ケアに用いる薬剤 森 久美子
口腔ケアの果たす役割―植物症状態からの脱出― 山田恭造ほか
健康回復とその人らしい生活自立を支える口腔ケア 江口隆子
ICUにおける口腔ケア 森 英雄
お茶と口腔ケア 比企雅衣子・宗像倫子
病気と障害
摂食・嚥下障害 田中靖代
誤嚥性肺炎 鈴木幹三
老人性うつ病 遠藤英俊
痴呆性老人の口腔ケア 上田敏雄
感染症と口腔ケア 大原まゆみ
神経筋難病と口腔ケア 佐々木妙子
口腔に影響を及ぼす薬剤 遠藤英俊
連携
病院と歯科医療機関との連携 長谷川美栄子
口腔ケアと情報提供 奥井美枝
教育
看護専門学校における口腔ケアの教育 永 美佐子
看護大学における口腔ケアの教育 渡邉久美
介護福祉士養成施設における口腔ケアの教育 齋藤みちよ
第6章 ターミナルケアと口腔ケア
茶を焙じることから始まる 徳永 進
心の口腔ケア 角脇雅子
第7章 リスクマネジメント
口腔領域で起こりやすい事故とその予防 鈴木俊夫・橋本京一
口腔ケアの指示と法的責任 鈴木利廣
高齢者のリスクマネジメント 石井トク
索引
執筆者一覧
第1章 口腔の基礎知識
口腔の現状 鈴木俊夫・橋本京一
口腔の基礎知識 鈴木淳子・植松 宏
第2章 口腔ケアと介護保険
介護保険制度と口腔ケア 青柳公夫
口腔ケアと介護サービス計画
対象者に応じた口腔ケア 山中ヤヱ子
口腔ケアプラン（介護サービス計画） 阪口英夫
口腔ケアの評価法 上野秀香
第3章 高齢者の口腔ケア・実践事例
重度な要介護者の口腔ケア 関根義朗・阪口英夫
介護老人保健施設の口腔ケアにおけるPT・OTの役割 東 明・古川郁子・溝添栄子・出水 瞳
高齢者施設における個別ケアのかかわりと口腔ケア 加藤秀子
痴呆性高齢者の口腔ケア―老健痴呆専門棟における義歯ケアの実践報告― 中西有美子
誤嚥性肺炎予防のために 村上秀一・哘 淳子・濱頭 誠・寺嶋康志
障害の受容が問題となった医療依存度の高い事例 吉田春陽
口腔ケアと心の通い合い 杉山総子・米山武義
重度障害者の経過と口腔ケア 糸田昌隆
口腔ケアの実践―生活環境も考えた口腔ケアをめざして― 中山京英
舌および口蓋のケア 藤本篤士
神経筋難病患者に対する歯科教室と口腔ケアの事例 佐々木妙子
特定疾病患者に対する居宅療養管理指導・口腔ケア 春名絢女・井須孝弘
訪問看護における口腔ケアマネジメントの事例 乙坂佳代
病棟での介護サービス 田中友二
口腔外科病棟における口腔ケア 渋谷絹子・三宅五十鈴
介護サービスと地域での口腔ケア 菊池一江
第4章 口腔ケアの実践場面
介護療養型医療施設 日向富子
介護老人保健施設 光山 誠
介護老人福祉施設 豊田雅孝
在宅での実践を中心として 高林澄子
脳神経疾患患者の口腔ケアの実践 川崎泰子ほか
第5章 高齢者の口腔ケアQ&A
実践
これから始める人へ 中川律子
口腔ケア実施時の留意点 貝塚みどり
口腔ケア用品 中山京英
口腔ケアに用いる薬剤 森 久美子
口腔ケアの果たす役割―植物症状態からの脱出― 山田恭造ほか
健康回復とその人らしい生活自立を支える口腔ケア 江口隆子
ICUにおける口腔ケア 森 英雄
お茶と口腔ケア 比企雅衣子・宗像倫子
病気と障害
摂食・嚥下障害 田中靖代
誤嚥性肺炎 鈴木幹三
老人性うつ病 遠藤英俊
痴呆性老人の口腔ケア 上田敏雄
感染症と口腔ケア 大原まゆみ
神経筋難病と口腔ケア 佐々木妙子
口腔に影響を及ぼす薬剤 遠藤英俊
連携
病院と歯科医療機関との連携 長谷川美栄子
口腔ケアと情報提供 奥井美枝
教育
看護専門学校における口腔ケアの教育 永 美佐子
看護大学における口腔ケアの教育 渡邉久美
介護福祉士養成施設における口腔ケアの教育 齋藤みちよ
第6章 ターミナルケアと口腔ケア
茶を焙じることから始まる 徳永 進
心の口腔ケア 角脇雅子
第7章 リスクマネジメント
口腔領域で起こりやすい事故とその予防 鈴木俊夫・橋本京一
口腔ケアの指示と法的責任 鈴木利廣
高齢者のリスクマネジメント 石井トク
索引