はじめに
在宅医療は療養者の生活の質(QOL)の観点から,あるべき姿として提唱されています.そしてそれを支援する一つの方法が訪問看護です.介護保険や入院期間の短縮化の流れを受けて,従来は入院治療の対象であった高度な医療・看護技術を必要とする人々が訪問看護の対象者として増加しています.
現在,医療依存度が高い療養者の訪問看護に代表されるのは,在宅自己注射,在宅自己腹膜灌流,在宅血液透析,在宅酸素療法,在宅中心静脈栄養法,在宅成分栄養経管栄養法,在宅自己導尿,在宅人工呼吸,在宅持続陽圧呼吸療法,在宅悪性腫瘍患者,在宅寝たきり患者処置,在宅自己疼痛管理,在宅肺高血圧症患者などの「在宅療養指導管理料」算定の対象者といえるでしょう.新しい技術や機器の開発などにより,在宅医療の範囲は広がり,訪問看護師は在宅療養支援のために療養者宅で医療処置を安全に実施することが求められ,また,療養者本人も入院時以上に自己管理が求められ,家族の理解と協力が一層必要となっています.そのため,訪問看護師は退院時の情報を基に療養者のセルフケア能力や家族介護力を高め,さらに,生活上の注意,状態観察のポイント,緊急時の対処方法など,具体的に個人の状況に合わせて一緒に考え,療養者や家族が安心して療養生活を続けていけるように支援することが重要となります.
従来より,在宅での医療処置ケアに関する看護書は多く出版されています.しかし,入院(退院)から在宅でのケアまでが継続して書かれているものは少ないように思います.編者らは医療機関からの訪問看護を通し,在宅療養指導管理の視点から,療養・処置の概要,退院に向けて指導される内容や在宅で行われる看護ケアが一冊に整理されたものがあればと常日頃より考えてきました.そのような意図でまとめたのが本書です.
本書の特徴は,在宅療養指導管理の各療法・処置に対する看護ケア内容を充実させるために,また関心のある療法から読んでいただけるように系統別に在宅療養指導とナーシングケアシリーズ(6冊)としました.また,本書は各療法・処置の「概要と適応」「診療報酬と費用負担」「療養の実際」「退院計画と退院指導」「在宅看護」「発生しやすい問題」「社会資源」「ケーススタディ」の8項目から構成されており,それぞれの療法がトータルに理解できること,さらにそれぞれの項目に写真・イラストなどを多く取り入れ具体的にわかりやすいように工夫をしました.
本シリーズが訪問看護師のみならず,介護を行うご家族,在宅看護を学ぶ看護学生,あるいは退院指導を行う医療機関の看護職,協働し療養者のケアにあたる関係者の皆様に活用していただけることを心より願っております.そして,本書をお読みいただきましたご意見,ご感想をお寄せいただければ幸いです.
編者
在宅医療は療養者の生活の質(QOL)の観点から,あるべき姿として提唱されています.そしてそれを支援する一つの方法が訪問看護です.介護保険や入院期間の短縮化の流れを受けて,従来は入院治療の対象であった高度な医療・看護技術を必要とする人々が訪問看護の対象者として増加しています.
現在,医療依存度が高い療養者の訪問看護に代表されるのは,在宅自己注射,在宅自己腹膜灌流,在宅血液透析,在宅酸素療法,在宅中心静脈栄養法,在宅成分栄養経管栄養法,在宅自己導尿,在宅人工呼吸,在宅持続陽圧呼吸療法,在宅悪性腫瘍患者,在宅寝たきり患者処置,在宅自己疼痛管理,在宅肺高血圧症患者などの「在宅療養指導管理料」算定の対象者といえるでしょう.新しい技術や機器の開発などにより,在宅医療の範囲は広がり,訪問看護師は在宅療養支援のために療養者宅で医療処置を安全に実施することが求められ,また,療養者本人も入院時以上に自己管理が求められ,家族の理解と協力が一層必要となっています.そのため,訪問看護師は退院時の情報を基に療養者のセルフケア能力や家族介護力を高め,さらに,生活上の注意,状態観察のポイント,緊急時の対処方法など,具体的に個人の状況に合わせて一緒に考え,療養者や家族が安心して療養生活を続けていけるように支援することが重要となります.
従来より,在宅での医療処置ケアに関する看護書は多く出版されています.しかし,入院(退院)から在宅でのケアまでが継続して書かれているものは少ないように思います.編者らは医療機関からの訪問看護を通し,在宅療養指導管理の視点から,療養・処置の概要,退院に向けて指導される内容や在宅で行われる看護ケアが一冊に整理されたものがあればと常日頃より考えてきました.そのような意図でまとめたのが本書です.
本書の特徴は,在宅療養指導管理の各療法・処置に対する看護ケア内容を充実させるために,また関心のある療法から読んでいただけるように系統別に在宅療養指導とナーシングケアシリーズ(6冊)としました.また,本書は各療法・処置の「概要と適応」「診療報酬と費用負担」「療養の実際」「退院計画と退院指導」「在宅看護」「発生しやすい問題」「社会資源」「ケーススタディ」の8項目から構成されており,それぞれの療法がトータルに理解できること,さらにそれぞれの項目に写真・イラストなどを多く取り入れ具体的にわかりやすいように工夫をしました.
本シリーズが訪問看護師のみならず,介護を行うご家族,在宅看護を学ぶ看護学生,あるいは退院指導を行う医療機関の看護職,協働し療養者のケアにあたる関係者の皆様に活用していただけることを心より願っております.そして,本書をお読みいただきましたご意見,ご感想をお寄せいただければ幸いです.
編者
在宅療養指導とナーシングケア─退院から在宅まで─ 4
在宅人工呼吸(気管切開開口/鼻マスク)/在宅持続陽圧呼吸療法
もくじ
■在宅人工呼吸−気管切開口在宅人工呼吸器 1 ・・・ 大谷
I.概要と適応
1)目的
2)定義
3)適応対象
人工呼吸の適応対象
4)適応基準
適応病態/前提条件
5)禁忌
6)導入フローチャート
II.診療報酬と費用負担
1)診療報酬
2)費用負担
III.療法の実際
1)機器の種類と特徴
2)付属機器
標準呼吸回路/加温加湿器/人工鼻/外部バッテリー/
それ以外の補助電源
3)機器の使用方法および管理
機器の使用方法(操作の設定)/呼吸回路の交換(呼吸回路の交換)
機器の管理・点検/機器トラブル時の対応/吸引器のトラブル時
の対応(携帯用吸引器のトラブル時の対処方法)/気管切開カニューレ
(気管切開患者に対して注意すること/気管切開カニューレの交換
方法)/気管内吸引(吸引の方法/薬液消毒による方法)/
用手人工呼吸
IV.退院計画と退院指導
療養日誌の記載/日常現れやすい症状観察のポイント/排痰方法/
食事/入浴/外出/コミュニケーション(意思伝達)/療養者・
家族への支援/サポートシステム
V.在宅看護
1)看護目標
2)在宅看護計画
観察計画/ケア計画/教育計画
3)療法指導管理の中止,終了
在宅看護に必要な呼吸の知識と看護への活用
VI.発生しやすい問題
1 合併症・トラブル
1)人工呼吸療法による合併症
呼吸器感染症/気道粘膜(カニューレ孔)の損傷/人工呼吸療法
に対する不安/ファイティング(fighting)48
2)長期臥床状態に伴う合併症
褥瘡/膀胱炎/便秘・腸閉塞
3)介護に関して
介護者の疲労
4)人工呼吸器のトラブル
2 急性増悪時の対応
1)連絡・受診の判断基準
2)救急車の要請
救急車を呼ぶ前に/救急車に連絡するとき/救急車が到着するま
で/救急車到着時
VII.社会資源
1)医療費助成
2)日常生活の援助
介護保険で利用できるサービス
3)保健サービス
保健師の訪問指導
4)患者会
VIII.ケーススタディ
在宅療養にて“家族の発達課題”達成へと向かった事例
看護援助のポイント
1)家族を生活者としてとらえる
2)院内・外の関連専門職との連携
看護展開の実際
1)退院前の看護の展開
2)訪問看護での展開
掲載・取扱い業者連絡先
ONE POINT
在宅人工呼吸療法教育訓練カリキュラム
訪問カバンには何が入っているの?
■在宅人工呼吸−鼻マスク(非侵襲的陽圧換気療法) 57 ・・ 笠井
I.概要と適応
1)目的と効果
2)定義
3)適応疾患
4)適応基準
5)NPPVの特徴
メリット/デメリット
6)導入フローチャート
II.診療報酬と費用負担
1)診療報酬
2)費用負担
III.療法の実際
1)NPPVの特徴
2)付属器具
インターフェイス/マスクのベルト(ヘッドギア)/呼吸器回路
/加温加湿器
3)機器の使用方法および管理
機器の使用方法(Harmony S/T(R)本体と付属品/Harmony S/T(R)の使用
方法)/Harmony S/T(R)のトリガーの種類/Harmony S/T(R)のア
ラーム/機器の管理(フィルターの交換/NPPVの管理)
IV.退院計画と退院指導
NPPVの導入/在宅人工呼吸療法(NPPV)カード/NPPV療養日誌の
記載/検査の説明/日常注意すべき症状観察のポイント/呼吸リハ
ビリテーション/排痰法/栄養・食事/排泄/入浴/睡
眠/コミュニケーション/外出/NPPV療養中の住まいの工夫
/療養者・家族への支援/サポートシステム/試験外泊
V.在宅看護
1)看護目標
2)在宅看護計画
観察計画/ケア計画/教育計画/在宅看護に必要な呼吸
の知識と看護への活用/筋萎縮性側索硬化症(ALS)とNPPVの知識
と看護への活用
3)在宅医療の受け方と地域連携
4)療養指導管理の中止,終了
VI.発生しやすい問題
1 合併症・トラブル
1)身体症状に関して
低酸素血症/高炭酸ガス血症/呼吸器感染症/喀痰の喀出
困難,痰詰まり/嚥下障害の徴候
2)NPPVに関して
呑気症/気胸/滲出性中耳炎/NPPV,インターフェイス
などによる接触面の皮膚潰瘍/NPPVに対する不安,抵抗感/
NPPVの自己中断/NPPV実施中のトラブル
3)介護者への支援
介護者の疲労
2 急性増悪時の対応
1)緊急時の対応
2)連絡・受診の判断基準
3)救急車の要請
救急車を呼ぶ前に準備するもの/救急車に連絡するとき/救急
車が到着するまで/救急車到着時
VII.社会資源
1)医療費助成
特殊疾病医療費助成制度/重症度認定/小児慢性疾患医療費助
成制度/介護保険と医療保険,医療費助成制度との関係
2)介護保険
対象
3)地域支援サービス
4)区市町村によるサービス 125
日常生活用具給付事業
5)保健所のサービス
6)介護者・家族のためのレスパイト対策
短期入所/在宅人工呼吸器使用等特定疾患患者訪問看護治療研究事
業/障害者福祉制度による介護人派遣(各区市町村)
7)患者会
VIII.ケーススタディ
筋萎縮性側索硬化症にて在宅NPPVを実施しQOLが向上したAさんへの援
助
看護展開
1)NPPV導入にあたり療養者の病状評価をふまえたアプローチ
2)インフォームド・コンセントとインフォームド・チョイスの援助
3)NPPV導入
4)地域支援体制の整備
5)退院に向けてのケースカンファレンスの開催
6)緊急時の対応と連絡体制の整備
7)退院後の療養環境の査定と整備
8)退院時の搬送方法の検討と連絡
9)退院後
掲載・取扱い業者連絡先
ONE POINT
非侵襲的陽圧換気療法をめぐる経過と最近の動向
緊急時の連絡先(例)
■在宅持続陽圧換気療法 135 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 輪湖
I.概要と適応
1)目的
2)定義
3)適応疾患
4)適応基準
5)禁忌および適応外
6)導入フローチャート
II.診療報酬と費用負担
1)診療報酬
2)費用負担
3)保険請求できないもの(療養者実費負担)
III.療法の実際
1 CPAP療法に必要な器材
1)CPAP装置と付属品
エアホース/フィルター/加湿装置
2)インターフェイスと付属品,関連器材
鼻マスク,鼻プラグ(鼻ピロー,鼻プロング)/アダプター/
ヘッドギア(キャップ)
3)インターフェイスの選択
種類の選択/サイズの選択/フィット状態の確認
2 CPAP処方
3 機器の使用方法および管理
1)鼻マスクの使用方法
装着手順
2)CPAP装置の使用方法
CPAP装置の設置/CPAP装置の作動・操作(装置の作動・操作方
法)
3)CPAP装置と付属品の日常管理
鼻マスク/エアホース/ヘッドギア/フィルター/
装置本体
4)CPAP装置の点検と交換
装置供給会社によるCPAP装置の点検
IV.退院計画と退院指導
在宅持続陽圧呼吸(CPAP)療法カード/CPAP療養日誌の記載/C
PAP療法に慣れるために/鼻マスクの適切な装着/日常現れやすい
症状観察のポイント/CPAP療法の継続について/適正体重の維持につ
いて/睡眠中の姿勢について/禁煙について/感染予防(かぜの予
防)/事故防止/睡眠衛生について/合併症の管理,かかりつ
け医や入院時の主治医への連絡/特殊な場合のCPAP装置の使用/装置
の購入/療養者・家族への支援/サポートシステム
V.在宅看護
1)看護目標
2)在宅看護計画
観察計画/ケア計画/教育計画
3)療法指導管理の中止,終了
在宅看護に必要な睡眠および睡眠時無呼吸症候群の知識と看護への活用
VI.発生しやすい問題
1 合併症・トラブル
1)症状コントロールに関して
症状の持続・再燃:いびき,無呼吸,日中の眠気など/自覚的な治療
効果の低下
2)鼻マスクに関して
皮膚障害/眼瞼結膜刺激,結膜炎/マスク内の結露/マ
スクの臭気
3)エアフローや圧に関連して
鼻閉増強,鼻汁,鼻出血,鼻咽頭や口腔の乾燥/耳痛・耳閉感
/空気嚥下/呼吸がうまくできない,呼気が苦しい
4)その他
全般的な不快感・違和感(違和感が強い/肩こり,頸部筋肉痛,腰背
部痛/無意識にマスクをはずす)/心理的抵抗(面倒くさい,気
がすすまない/ボディイメージの障害/社会的偏見への恐れ)
/CPAP装置関連(音が気になる/CPAP装置の作動不具合)
2 急性増悪時の対応
VII.社会資源
社会保障制度/患者会や情報サービス/医療機関 186
VIII.ケーススタディ
1 導入・継続が円滑にすすんだ例
在宅療養経過と看護のポイント
1)CPAP圧調節検査終了〜CPAP療法導入
2)外来受診(治療導入1カ月目)
3)外来受診(治療導入2カ月目)
4)外来受診(治療導入3カ月目)
5)長期経過(治療導入6カ月目)
2 細かいフォローアップによる継続支援
在宅療養経過と看護のポイント
1)CPAP圧調節検査終了〜CPAP療法導入
2)外来受診(治療導入2週目)
3)外来受診(治療導入6週目)
4)外来受診(治療導入10週目)
5)外来受診(治療導入18週目)
掲載・取扱い業者連絡先
ONE POINT
CPAP装置内蔵のメモリー機能を活用したケア
停電時の対応
付録
在宅人工呼吸(気管切開開口/鼻マスク)/在宅持続陽圧呼吸療法
もくじ
■在宅人工呼吸−気管切開口在宅人工呼吸器 1 ・・・ 大谷
I.概要と適応
1)目的
2)定義
3)適応対象
人工呼吸の適応対象
4)適応基準
適応病態/前提条件
5)禁忌
6)導入フローチャート
II.診療報酬と費用負担
1)診療報酬
2)費用負担
III.療法の実際
1)機器の種類と特徴
2)付属機器
標準呼吸回路/加温加湿器/人工鼻/外部バッテリー/
それ以外の補助電源
3)機器の使用方法および管理
機器の使用方法(操作の設定)/呼吸回路の交換(呼吸回路の交換)
機器の管理・点検/機器トラブル時の対応/吸引器のトラブル時
の対応(携帯用吸引器のトラブル時の対処方法)/気管切開カニューレ
(気管切開患者に対して注意すること/気管切開カニューレの交換
方法)/気管内吸引(吸引の方法/薬液消毒による方法)/
用手人工呼吸
IV.退院計画と退院指導
療養日誌の記載/日常現れやすい症状観察のポイント/排痰方法/
食事/入浴/外出/コミュニケーション(意思伝達)/療養者・
家族への支援/サポートシステム
V.在宅看護
1)看護目標
2)在宅看護計画
観察計画/ケア計画/教育計画
3)療法指導管理の中止,終了
在宅看護に必要な呼吸の知識と看護への活用
VI.発生しやすい問題
1 合併症・トラブル
1)人工呼吸療法による合併症
呼吸器感染症/気道粘膜(カニューレ孔)の損傷/人工呼吸療法
に対する不安/ファイティング(fighting)48
2)長期臥床状態に伴う合併症
褥瘡/膀胱炎/便秘・腸閉塞
3)介護に関して
介護者の疲労
4)人工呼吸器のトラブル
2 急性増悪時の対応
1)連絡・受診の判断基準
2)救急車の要請
救急車を呼ぶ前に/救急車に連絡するとき/救急車が到着するま
で/救急車到着時
VII.社会資源
1)医療費助成
2)日常生活の援助
介護保険で利用できるサービス
3)保健サービス
保健師の訪問指導
4)患者会
VIII.ケーススタディ
在宅療養にて“家族の発達課題”達成へと向かった事例
看護援助のポイント
1)家族を生活者としてとらえる
2)院内・外の関連専門職との連携
看護展開の実際
1)退院前の看護の展開
2)訪問看護での展開
掲載・取扱い業者連絡先
ONE POINT
在宅人工呼吸療法教育訓練カリキュラム
訪問カバンには何が入っているの?
■在宅人工呼吸−鼻マスク(非侵襲的陽圧換気療法) 57 ・・ 笠井
I.概要と適応
1)目的と効果
2)定義
3)適応疾患
4)適応基準
5)NPPVの特徴
メリット/デメリット
6)導入フローチャート
II.診療報酬と費用負担
1)診療報酬
2)費用負担
III.療法の実際
1)NPPVの特徴
2)付属器具
インターフェイス/マスクのベルト(ヘッドギア)/呼吸器回路
/加温加湿器
3)機器の使用方法および管理
機器の使用方法(Harmony S/T(R)本体と付属品/Harmony S/T(R)の使用
方法)/Harmony S/T(R)のトリガーの種類/Harmony S/T(R)のア
ラーム/機器の管理(フィルターの交換/NPPVの管理)
IV.退院計画と退院指導
NPPVの導入/在宅人工呼吸療法(NPPV)カード/NPPV療養日誌の
記載/検査の説明/日常注意すべき症状観察のポイント/呼吸リハ
ビリテーション/排痰法/栄養・食事/排泄/入浴/睡
眠/コミュニケーション/外出/NPPV療養中の住まいの工夫
/療養者・家族への支援/サポートシステム/試験外泊
V.在宅看護
1)看護目標
2)在宅看護計画
観察計画/ケア計画/教育計画/在宅看護に必要な呼吸
の知識と看護への活用/筋萎縮性側索硬化症(ALS)とNPPVの知識
と看護への活用
3)在宅医療の受け方と地域連携
4)療養指導管理の中止,終了
VI.発生しやすい問題
1 合併症・トラブル
1)身体症状に関して
低酸素血症/高炭酸ガス血症/呼吸器感染症/喀痰の喀出
困難,痰詰まり/嚥下障害の徴候
2)NPPVに関して
呑気症/気胸/滲出性中耳炎/NPPV,インターフェイス
などによる接触面の皮膚潰瘍/NPPVに対する不安,抵抗感/
NPPVの自己中断/NPPV実施中のトラブル
3)介護者への支援
介護者の疲労
2 急性増悪時の対応
1)緊急時の対応
2)連絡・受診の判断基準
3)救急車の要請
救急車を呼ぶ前に準備するもの/救急車に連絡するとき/救急
車が到着するまで/救急車到着時
VII.社会資源
1)医療費助成
特殊疾病医療費助成制度/重症度認定/小児慢性疾患医療費助
成制度/介護保険と医療保険,医療費助成制度との関係
2)介護保険
対象
3)地域支援サービス
4)区市町村によるサービス 125
日常生活用具給付事業
5)保健所のサービス
6)介護者・家族のためのレスパイト対策
短期入所/在宅人工呼吸器使用等特定疾患患者訪問看護治療研究事
業/障害者福祉制度による介護人派遣(各区市町村)
7)患者会
VIII.ケーススタディ
筋萎縮性側索硬化症にて在宅NPPVを実施しQOLが向上したAさんへの援
助
看護展開
1)NPPV導入にあたり療養者の病状評価をふまえたアプローチ
2)インフォームド・コンセントとインフォームド・チョイスの援助
3)NPPV導入
4)地域支援体制の整備
5)退院に向けてのケースカンファレンスの開催
6)緊急時の対応と連絡体制の整備
7)退院後の療養環境の査定と整備
8)退院時の搬送方法の検討と連絡
9)退院後
掲載・取扱い業者連絡先
ONE POINT
非侵襲的陽圧換気療法をめぐる経過と最近の動向
緊急時の連絡先(例)
■在宅持続陽圧換気療法 135 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 輪湖
I.概要と適応
1)目的
2)定義
3)適応疾患
4)適応基準
5)禁忌および適応外
6)導入フローチャート
II.診療報酬と費用負担
1)診療報酬
2)費用負担
3)保険請求できないもの(療養者実費負担)
III.療法の実際
1 CPAP療法に必要な器材
1)CPAP装置と付属品
エアホース/フィルター/加湿装置
2)インターフェイスと付属品,関連器材
鼻マスク,鼻プラグ(鼻ピロー,鼻プロング)/アダプター/
ヘッドギア(キャップ)
3)インターフェイスの選択
種類の選択/サイズの選択/フィット状態の確認
2 CPAP処方
3 機器の使用方法および管理
1)鼻マスクの使用方法
装着手順
2)CPAP装置の使用方法
CPAP装置の設置/CPAP装置の作動・操作(装置の作動・操作方
法)
3)CPAP装置と付属品の日常管理
鼻マスク/エアホース/ヘッドギア/フィルター/
装置本体
4)CPAP装置の点検と交換
装置供給会社によるCPAP装置の点検
IV.退院計画と退院指導
在宅持続陽圧呼吸(CPAP)療法カード/CPAP療養日誌の記載/C
PAP療法に慣れるために/鼻マスクの適切な装着/日常現れやすい
症状観察のポイント/CPAP療法の継続について/適正体重の維持につ
いて/睡眠中の姿勢について/禁煙について/感染予防(かぜの予
防)/事故防止/睡眠衛生について/合併症の管理,かかりつ
け医や入院時の主治医への連絡/特殊な場合のCPAP装置の使用/装置
の購入/療養者・家族への支援/サポートシステム
V.在宅看護
1)看護目標
2)在宅看護計画
観察計画/ケア計画/教育計画
3)療法指導管理の中止,終了
在宅看護に必要な睡眠および睡眠時無呼吸症候群の知識と看護への活用
VI.発生しやすい問題
1 合併症・トラブル
1)症状コントロールに関して
症状の持続・再燃:いびき,無呼吸,日中の眠気など/自覚的な治療
効果の低下
2)鼻マスクに関して
皮膚障害/眼瞼結膜刺激,結膜炎/マスク内の結露/マ
スクの臭気
3)エアフローや圧に関連して
鼻閉増強,鼻汁,鼻出血,鼻咽頭や口腔の乾燥/耳痛・耳閉感
/空気嚥下/呼吸がうまくできない,呼気が苦しい
4)その他
全般的な不快感・違和感(違和感が強い/肩こり,頸部筋肉痛,腰背
部痛/無意識にマスクをはずす)/心理的抵抗(面倒くさい,気
がすすまない/ボディイメージの障害/社会的偏見への恐れ)
/CPAP装置関連(音が気になる/CPAP装置の作動不具合)
2 急性増悪時の対応
VII.社会資源
社会保障制度/患者会や情報サービス/医療機関 186
VIII.ケーススタディ
1 導入・継続が円滑にすすんだ例
在宅療養経過と看護のポイント
1)CPAP圧調節検査終了〜CPAP療法導入
2)外来受診(治療導入1カ月目)
3)外来受診(治療導入2カ月目)
4)外来受診(治療導入3カ月目)
5)長期経過(治療導入6カ月目)
2 細かいフォローアップによる継続支援
在宅療養経過と看護のポイント
1)CPAP圧調節検査終了〜CPAP療法導入
2)外来受診(治療導入2週目)
3)外来受診(治療導入6週目)
4)外来受診(治療導入10週目)
5)外来受診(治療導入18週目)
掲載・取扱い業者連絡先
ONE POINT
CPAP装置内蔵のメモリー機能を活用したケア
停電時の対応
付録