やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版の発刊にあたって
 本書の初版発刊は2002年5月で,2014年6月には第2版を発刊しました.当学会監修の超音波テキストとしましては,心臓超音波テキストが2001年5月に初版を,2009年2月に第2版,2021年5月に第3版を発刊しました.また,血管超音波テキストは初版が2005年3月で,2018年3月に第2版を発刊しました.このたび,腹部超音波テキストも初版から21年,第2版からはや9年が経過し,心臓超音波テキストに続いて第3版を発刊することとなりました.当会監修の超音波テキストは,いずれも平易にわかりやすくてかつ奥の深い,まさに実践的なテキストとして,版を重ねて広く受け入れられているものと自負しています.
 腹部領域に限ったことではありませんが,超音波診断装置を含めた超音波医学の技術的進歩はめざましく,従来の機能の高性能化だけでなく,新たな機能,診断ツールが次々に開発され,それらを用いた検査領域,判定基準,検査手法に拡張や変化がみられ,とくに近年ではAIを用いての学習成果を応用したアシスト機能もリリースされており,まさに日進月歩の言葉そのままといった状況です.しかし,その前提には,探触子を握る検者の技量が存在することは間違いありません.昨今,猛威をふるった新型コロナウイルス感染症は,リアルな研鑽が不可欠である超音波検査に大きな影響を及ぼし,これまでの学会のあり方も根本から大きく揺さぶられました.最近ようやく各種企画の現地開催を復活することができ,WEBとリアル両面でそれぞれの利点を活かした運用が定着しつつあります.
 そのようななか,気鋭の執筆陣が技術的なノウハウを惜しみなく詳述する超音波テキストのシリーズ共通の方針を踏襲しつつ,数々の新たな知見を盛り込んだ本書第3版のずっしりとしたリアルな重みを超音波検査に携わる皆様に感じていただき,検査室の傍らに置いて困った時に頼れるテキストとしてご活用くだされば無上の喜びであり,本書が今後のステップアップにつながることを願ってやみません.
 末尾となりましたが,たいへんご多忙ななか多彩な内容をご執筆いただき書籍にまとめていただきました編集・執筆陣の皆様,多大なる助言を賜りました医歯薬出版(株)の皆様に心より御礼申し上げます.
 2023年12月
 一般社団法人日本超音波検査学会理事長 尾羽根範員


第3版の序文
 本書は,2002年に第1版,2014年に第2版の発行と,多くの読者のご支持をいただき版を重ねてまいりました.超音波検査は,日常の臨床に迅速かつ適切に対応することが求められています.本書では,日常診療で遭遇する頻度の高い疾患および重要性の高いと思われる疾患についての超音波画像を中心とした解説を基本としてきました.しかし,近年ではさらに新たな検査法の登場や種々の診療ガイドラインや取扱い規約などの改変が生じています.さらに,超音波検査機器および技術の進歩も目覚ましく,本書においても時代の進歩に即した内容が求められるようになりました.このような状況を受け,このたび基本的な骨組みは前版に準じながらも,日常臨床に即応するため第3版を発刊することとしました.
 腹部の検査は骨盤腔も検査範囲となることも多いため,今回の改訂では検査範囲を骨盤腔まで広げ腹部全体とし,大動脈,膀胱,前立腺,婦人科領域まで網羅しています.また,健診領域も含めており,さらに総合画像診断も視野に入れ,CT,MRI,PETなどの画像も収載に努めました.初学者でもわかりやすいよう,画像中の矢印を多用し理解度を深める工夫をしました.消化管領域は本書では急性腹症の重複部分を簡素化し,第2章に統合しました.
 各領域の執筆者については,日本超音波検査学会の腹部専門部会の委員を中心に臨床現場で活躍されている方にお願いし,最新の内容になっています.また,初版から今回の3版まで編集を担っていただいた関根智紀先生とともに制作にかかわることができたことは感慨深いものがあります.
 本書が新たなエビデンスに対応した活きた実用書として,超音波検査に携わるさまざまな分野・領域の医療関係者に広く活用され,患者さんへの診療の糧として日常臨床の向上につながれば幸いです.
 2023年12月
 編集 南里和秀・関根智紀


第2版の発刊にあたって
 本書の初版は,2002年5月に日本超音波検査学会の監修のもとに発刊され,1万5000部を超えるご愛用を受け,好評裡のうちに約12年が経過しました.超音波検査に携わる多くのコメディカルや医師などの広く職種を超えた医療従事者の支持,共感をいただき,当学会としても超音波検査を広く普及させることができました.また,我々が目指す社会貢献の一環としても,少しでも役立つことができたことを大変喜ばしいことと感謝しております.
 近年,超音波装置および技術の進歩は目覚ましく,超音波画像がフルデジタル化になり,ハーモニック,コンパウンド技術なども加わり,得られる画像が大きく変化し,肝臓では深部減衰の少ない均質化した画像が得られるようになりました.質的診断を目的とした造影超音波検査も日常検査に取り入れられ,さらに超音波画像とCTやMRIで得られた画像とを同期させるフュージョンイメージなど,超音波検査の使われ方も多岐にわたってきております.また,診断基準やガイドラインなども目まぐるしく変化してきており,そのような背景のなか,読者から改訂の要望の声も聞かれるようになりました.当学会としても,時代の進歩に即するように改訂の必要性を考え,編者も再編し,改訂に全力をあげて取り組んできました.
 本書は平易で分かりやすいことを基本コンセプトとしているため,この第2版も初版の編集方針はそのまま踏襲することとしました.すなわち,新しい手法を取り入れながらも,超音波検査を行う方々のための実践的で,検査の手順やコツなどを容易に習得できるガイドブックであること.そして,この1冊で腹部領域をコンパクトに要約し検査を行う際に知っておかなければならない検査の進め方,装置の調整法などの技術的な面から解説するという編集方針になっております.引き続き,本書が超音波検査に携わる皆様方の日常検査に利用され役立つ書になることを心から願っております.
 終わりに,改訂にあたりその労をつくされた執筆者の皆様にお礼を申し上げるとともに,初版から引き続いて第2版の編集,発刊に際しご担当いただいている医歯薬出版(株)第一出版部取締役塗木誠治氏と,法野崇子氏に心から感謝の意を申し上げます.
 2014年6月
 一般社団法人 日本超音波検査学会理事長 南里和秀


第2版の序文
 2002年5月,日本超音波検査学会は「腹部超音波テキスト」を発刊した.当時は,超音波検査法が広く普及し始めた時代でもあった.多くの皆様から超音波検査を正しく適切に行うためにも,基本走査法や計測法および検査のコツなど,検査情報を多く盛り込んだ教科書の必要性が高まり発刊する運びとなった.今,発刊されてから12年が経過したが,超音波検査を行う方々の厚い信頼とご支持をいただけたことを大変嬉しく感謝している.しかし,臨床医学の発展は目覚ましく,また超音波診断装置の技術の進歩にもあわせるように,本書においても時代に即した記載が求められるようになってきた.
 超音波検査のもつ最大の特徴は,簡便性が高いこと,侵襲性がないこと,1回の検査で効率よく多臓器の情報が得られること,そしてスクリーニングから精密検査までの情報が得られることである.ただ,最近の検査の場では,さらなる検査情報の提供が求められるようになってきた.より小さな病変を発見すること,臨床に病変の程度を提供すること,初回の検査から血流情報を得ること,主病変のみならず背景病態までを観察すること,治療のための情報を提供することなどである.そのために,超音波検査の技術習得にもより具体的な変化が求められるようになっている.すなわち,走査力(病変を見逃さない),推察力(病態そして検査目的から考える),判読力(理屈と根拠から判読する能力),知識力(臨床医学の知識を得る),文書力(臨床側がわかる報告書の作成),経験力(経験そして技量)である.
 今回の改訂版では,基本的な骨組みは前版に準じながらも,これらの部分が養えるよう,腹部超音波検査のテキストとして必要な事項が豊富に収載されるようにした. 同時に,感染対策,電気的な安全対策,患者への対応として患者の心理やコミュニケーションスキルなど,重要視される分野についても求められることを記載した.
 本書の発行に際して,お忙しいなかをご執筆いただいた皆様に心より感謝すると同時に,編集から発行そして多大なアドバイスをいただいた医歯薬出版(株)の皆様に心から感謝の意を申し上げる.
 本書が腹部超音波検査を志す者の中心的な書になることを心から願うものである.
 2014年6月
 関根智紀・南里和秀


第1版の発刊にあたって
 2002年5月,日本超音波検査学会は「心臓超音波テキスト」に引き続き「日超検腹部超音波テキスト」を発行した.超音波検査法は疾患の診断と病態の把握に有用であるが,その検査情報量は検者の知識と走査技術,さらに経験に左右されるといわれている.日本超音波検査学会では,このような問題にいち早く取り組み,超音波検査の基本走査法や計測法,さらに判読ポイントを中心に検査のコツやワンポイントアドバイスなどを多く盛り込んだ教科書の必要性を受けて腹部超音波テキストを作成した.いま,本テキストが発行されてから7年が経過したが,超音波検査を行う方々に厚い信頼とご支持をいただけていることを大変嬉しく感謝している.
 さて,超音波検査は超音波診断装置の小型化と高性能化によって,いまでは中央検査室のみならずベッドサイドに至るまで幅広く展開されている.これは,超音波検査のもつ最大の特徴である,簡便性が高いこと,患者への侵襲がないこと,1回の検査で効率よく多臓器の情報が得られることなどが寄与している.ただ,中央検査室で行う場合と異なり制約を受けることも多く,救急外来などでは緊迫したなかでの検査となり,検者の知識と技術および経験が問われる検査法にもなっている.さらに最近では,感染対策,電気的な安全対策,患者への対応として患者の心理やコミュニケーションスキルなど重要視される分野も加わってきた.今回,このような視点からベッドサイド検査について求められることを新たに記載した.
 本書は,これまでどおり超音波検査を行う臨床検査技師,診療放射線技師,看護師,その他腹部超音波検査を学ぼうとする医師などが検査を行う際に知っておかねばならない検査の進め方,装置の調整法,基本走査法,検査のコツなどが容易に習得できるようになっている.
 本書の発行に際して,お忙しい中をご執筆いただいた皆様に心より感謝すると同時に,編集から発行そして多大なアドバイスをいただいた医歯薬出版(株)の皆様に心から感謝の意を申し上げる.
 本書が超音波検査を志す者の中心的な書になることを心から願うものである.
 2009年9月
 日本超音波検査学会


第1版の序文
 「心臓超音波テキスト」に続き「腹部超音波テキスト」を刊行する運びとなった.計画から5年の歳月を要したが,この刊行本2冊は我々技師が,超音波検査を行う上での検査の進め方,操作法を簡潔にまとめ,また何か技術的なことで困った場合に開けば必ず役立つテキストに仕上げることができたのではないかと自負している.本邦で超音波検査が検査室で行われるようになって30数年経つだろうか,当時は水浸法によるBモード断層法が行われていたように記憶する.胆石や腎結石の検出に,また乳腺腫瘤の悪性度の同定に利用されていた.数年後,コンタクトコンパウンドスキャン方式の装置が開発されると即座にそれらが主流となった.従来の機械式スキャンではなく,自らの手でプローブを持ち体表面をなぞるようにスキャンして胆石などを検出する方法である.患者の呼吸調節,スキャン速度,タイミング,機器条件等を上手く調整しないと胆石を捉えることができない,まさにこれぞエコーテクニックの真髄であったが,それらを熟達するのが魅力であった.現在のリアルタイム断層装置で育った方達にとっては,想像を絶する世界であろう.その後,スキャンコンバータ方式の画像蓄積型モニターの出現により,操作・記録がきわめて簡便となり,瞬く間に腹部エコー検査が日本全土の病院に広がったことを記憶している.
 その当時から,本学会の前身である日本超音波検査技術研究会の創始者,北里大学病院古木量一郎先生はこの分野での先駆者であり,我々技師の指導者であった.古木先生や他の諸先輩方のご努力により超音波検査が技師の手で行えるように関係学会を奔走され,技師が主体である本学会の礎を築かれた.現在では超音波検査が医師から技師の手に委ねられ,超音波検査士としての資格が急速に拡がりをみせたことは周知のことである.
 1974年に本会が発足し,今年でちょうど28年目を迎えようとしている.歳でいえばまさに働き盛りのエネルギッシュな年齢である.本会は今まさに盛会となり,会員数は8000名を越えた.そんな熱き同胞達の声に押され,また支えられながら本書が誕生した.「心臓超音波テキスト」でも申し上げたが,これから腹部エコーを学ばれる会員,あるいはすでに実際に検査を実施されている会員の方たちに少しでも役立ってもらえるように,撮り方・考え方を中心とした事柄をできるだけわかりやすく,またかゆいところに手の届くところまで執筆していただけるように依頼した.新進気鋭の先生方からこの道のオーソリティの先生方まで幅広く選択し,本学会で実施している超音波検査講習会などで講演していただいた内容を,またハンズオンセミナーで実施していただいたテクニックの極意をも記述していただいたつもりである.
 本書が,腹部超音波検査の技術テキストとして会員の皆様方に少しでもお役に立てば幸いである.また,エコー検査が本会とともに,今後さらに発展・普及していくことを執筆者一同,心から願うものである.
 平成14年3月
 書籍編集委員長 増田喜一
 執筆者一覧
 第3版の発刊にあたって
 第3版の序文
 第2版の発刊にあたって
 第2版の序文
 第1版の発刊にあたって
 第1版の序文
第1章 腹部超音波検査の進め方
   I 超音波検査の基本
    1.超音波検査の実際
     1)前処置と検査の準備
     2)超音波検査の流れ
     3)検査の体位
     4)呼吸法の工夫
     5)プローブの走査法
    2.画像の表示法
    3.装置の取り扱い
     1)使用目的に応じた超音波診断装置の選択
     2)装置の調整
    4.アーチファクト
     1)多重反射
     2)サイドローブ
     3)鏡面現象
     4)レンズ効果
     5)断面像の厚み(スライス幅に関係するアーチファクト)
     6)音響陰影
     7)音響増強
     8)外側陰影
   II 解剖
    1.肝臓
     1)肝葉の境界
     2)肝内脈管
     3)肝の区域分類
    2.胆道
     1)胆嚢
     2)胆管
    3.門脈系
    4.脾臓
    5.膵臓
     1)膵臓
     2)隣接する脈管
     3)膵管
     4)膵の発生における腹側膵と背側膵
    6.腎臓
     1)腎臓
     2)脈管
    7.尿管
    8.副腎
    9.膀胱
    10.前立腺
    11.子宮
    12.卵巣・卵管
   III 基本走査法と他の画像診断の特徴
    1.腹部の基本走査法
     1)走査の手順
     2)肝臓を主体に
     3)胆嚢と胆管を主体に
     4)脾臓を主体に
     5)膵臓を主体に
     6)腎臓を主体に
     7)腹部大動脈を主体に
    2.他の医用画像機器(モダリティ)の特徴
     1)X線CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)
     2)MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像診断装置)
     3)PET(positron emission tomography:陽電子放出断層撮影)
   IV 超音波ドプラ法
    1.ドプラ法
     1)ドプラ効果とは
     2)ドプラの公式と角度補正
     3)ドプラ法の種類と特徴
    2.ドプラ装置の調整法
     1)ドプラ法の基本設定
     2)パルスドプラ法による動脈血流速波形の解析
    3.ドプラ法とアーチファクト
     1)鏡像によるアーチファクト
     2)twinklingアーチファクト
     3)腹水や尿流でみられるカラー表示
     4)スライス幅でみられるカラー表示
     5)モーションアーチファクト
     6)折り返し現象(エイリアシング)
     7)ブルーミング(はみ出し現象)
    4.ドプラ法の活用
   V 健診領域における超音波検査
    1.超音波けんしん(健診・検診)に求められるもの
     1)けんしんエコーの特徴
     2)見逃しの実情
     3)見逃しをしないための取り組み
    2.各臓器の基準値と計測方法
第2章 症状からみた腹部超音波検査
   I 腹痛をみる
    1.腹痛を訴える患者
     1)腹痛を訴える患者の部位別にみられる疾患
     2)突然に発症する疼痛
     3)急性腹症と紛らわしい疾患
     4)腹痛の診断精度を高めるために
    2.腹痛の発生メカニズム
     1)痛みの原因
   II 超音波検査時に患者から得られる情報
    1.問診により得られる情報
     1)患者との会話
     2)服用歴
     3)月経歴
    2.患者をみて得られる情報
     1)視診
     2)触診
    3.腹膜刺激徴候により得られる情報
     1)腹膜刺激徴候の有無
     2)腹膜炎
    4.嘔吐により得られる情報
     1)嘔吐と腹痛
     2)嘔吐物の性状
    5.下痢と便秘により得られる情報
    6.腹腔内の液体貯留により得られる情報
     1)腹水の貯留の有無
     2)血性腹水の有無
   III 臨床検査値から得られる情報
    1.血液生化学・尿検査
     1)血液生化学検査
     2)尿検査
     3)リパーゼとアミラーゼ
   IV 至急検査の報告
   V 症状からみた疾患
    1.黄疸
     1)黄疸の分類
     2)閉塞性黄疸患者の訴えと症状
     3)ビリルビン代謝(腸肝循環)
     4)黄疸の診かたと超音波検査手順
    2.血尿
     1)血尿の原因が尿路系悪性腫瘍
     2)血尿の原因が血管性腎病変
     3)血尿の原因がその他の病変
    3.発熱
    4.腹部膨満感
   VI 臓器の損傷
    1.各臓器にみられる損傷
     1)症状
     2)超音波検査の所見
    2.FAST(focused assessment with sonography for trauma)
   VII 消化管をみる超音波検査
    1.消化管病変を探し出す超音波検査
     1)消化管をみるスクリーニング検査と精密検査
     2)消化管の異常像
     3)大腸壁の層構造
    2.胃と十二指腸の超音波検査
     1)腹部食道から十二指腸球部までの観察の流れ
     2)十二指腸下行部から水平部までの観察の流れ
     3)胃の各部位の観察法
     4)体位変換で胃と十二指腸の観察を向上させる
    3.大腸の超音波検査
     1)上行結腸から下行結腸までの観察の流れ
     2)S状結腸から直腸までの観察の流れ
     3)回盲部から虫垂までの観察の流れ
     4)大腸の各部位の観察法
     5)体位変換で空腸と下行結腸の観察を向上させる
    4.年齢と体型およびバリエーションなどにみる消化管の描出ポイント
     1)年代別の代表的な消化管疾患
     2)体型による肝の形状と胃の位置
     3)横行結腸の位置と描出のポイント
     4)虫垂の位置と描出のポイント
     5)検査のスタートはヘルニアの有無から
   VIII 臓器別の腹痛疾患
    1.肝臓
     1)急性肝炎
     2)肝腫瘍の破裂
     3)肝膿瘍
     4)感染性肝嚢胞
     5)門脈ガス血症
    2.胆嚢・胆道の疾患
     1)急性胆嚢炎
     2)無石胆嚢炎
     3)気腫性胆嚢炎
     4)捻転による急性胆嚢炎
     5)肝外胆管結石(総胆管結石)
    3.膵臓
     1)急性膵炎
     2)グルーブ膵炎
     3)自己免疫性膵炎
     4)膵癌
    4.脾臓
     1)脾梗塞
     2)脾腫
    5.泌尿器領域の疾患
     1)尿管結石
     2)水腎症
     3)腎盂腎炎
     4)膀胱炎
    6.消化管
     1)急性虫垂炎
     2)大腸憩室周囲炎
     3)腸閉塞
     4)胃切除後輸入脚症候群
     5)胃・腸アニサキス症
     6)消化管穿孔
     7)腸重積
     8)虚血性腸炎
     9)偽膜性腸炎
     10)肥厚性幽門狭窄症
     11)急性胃粘膜病変
     12)炎症性腸疾患
     13)便秘
    7.腹部血管
     1)腹部大動脈瘤
     2)大動脈解離
    8.産婦人科領域
     1)卵巣出血
     2)異所性妊娠(子宮外妊娠)
     3)卵巣嚢腫茎捻転
     4)子宮内膜症
     5)Fitz-Hugh-Curtis症候群
第3章 各臓器における超音波検査の進め方
 1 肝臓
   I 肝臓の検査ポイント
    1.びまん性肝疾患
     1)肝サイズ
     2)肝縁の評価
     3)肝表面の評価
     4)実質エコーレベル,エコーパターン評価
     5)肝内脈管の評価
     6)肝外所見
    2.肝腫瘤の検査ポイント
     1)形状
     2)内部エコー
     3)境界・輪郭
     4)辺縁
     5)後方エコー
     6)外側陰影
     7)腫瘤と脈管の関係
     8)背景肝の状況(びまん性肝疾患の有無)
   II 肝臓の病変
    1.急性肝炎
    2.急性肝不全/劇症肝炎
    3.慢性肝炎
    4.肝硬変
    5.脂肪肝
    6.代謝異常・遺伝性疾患
    7.特発性(非硬変性)門脈圧亢進症
    8.肝外門脈閉塞症/門脈海綿状変形
    9.肝内門脈-肝静脈短絡
    10.うっ血肝
    11.肝硬度測定(超音波エラストグラフィ)
     1)超音波エラストグラフィの種類
     2)SWE測定における注意点
     3)SWEの実際の役割
     4)ウイルス性肝疾患におけるSWEのカットオフ値
    12.肝性ポルフィリン症
    13.日本住血吸虫症
    14.肝エキノコックス(包虫)症
    15.肝膿瘍
    16.肝嚢胞
    17.胆管過誤腫
    18.肝内石灰化
    19.肝血管腫
    20.肝血管筋脂肪腫
    21.肝細胞腺腫
    22.限局性結節性過形成
    23.肝細胞癌
    24.肝内胆管癌/胆管細胞癌
    25.粘液性嚢胞性腫瘍
    26.胆管内乳頭状腫瘍
    27.転移性肝腫瘍
    28.肝芽腫
    29.肝損傷
    30.門脈ガス血症
 2 脾臓
   I 脾臓の検査ポイント
   II 脾臓の病変
    1.脾腫
    2.副脾
    3.脾嚢胞
    4.脾リンパ管腫
    5.脾血管腫
    6.脾過誤腫
    7.脾サルコイドーシス
    8.脾SANT
    9.脾膿瘍
    10.脾石灰化
    11.ガムナ・ガンディ結節
    12.脾外傷,脾損傷
    13.脾梗塞
    14.脾動脈瘤
    15.脾腎短絡
    16.脾血管肉腫
    17.脾悪性リンパ腫
    18.転移性脾腫瘍
 3 胆嚢・胆管
   I 胆嚢の検査ポイント
    1.大きさ:腫大,萎縮,虚脱
    2.壁:肥厚,性状
    3.隆起性病変
    4.血流評価(ドプラ所見)
   II 胆嚢の異常像
     1)位置
     2)形態
     3)大きさ
     4)胆嚢壁
     5)胆嚢周囲
   III 胆嚢の病変
    1.胆嚢結石症
    2.胆嚢コレステロールポリープ
    3.胆嚢腺筋腫症
    4.急性胆嚢炎
    5.気腫性胆嚢炎
    6.胆嚢捻転症
    7.黄色肉芽腫性胆嚢炎
    8.慢性胆嚢炎
    9.陶器様胆嚢
    10.胆嚢癌
     1)腫瘤・隆起を呈する胆嚢癌
     2)壁肥厚を呈する胆嚢癌
     3)内腔に充満する胆嚢癌
     4)胆嚢癌と鑑別を要する胆嚢病変の診断ポイント
   IV 胆管の検査ポイント
    1.胆管拡張と閉塞機転
    2.胆管壁の肥厚
   V 胆管の病変
    1.総胆管結石症
    2.肝内結石症
    3.胆道気腫
    4.胆管炎
     1)急性胆管炎
     2)IgG4関連硬化性胆管炎
     3)原発性硬化性胆管炎
    5.Mirizzi症候群
    6.先天性胆道拡張症
    7.膵・胆管合流異常
    8.胆管癌
    9.胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)
 4 膵臓
   I 膵臓の検査ポイント
    1.位置・大きさ
    2.内部エコー
    3.膵管の走行異常
    4.膵管の拡張
    5.膵周囲の血管構造と異常所見
   II 膵臓描出のコツ
   III 膵臓の病変
    1.脂肪腫
    2.膵の奇形
     1)輪状膵
     2)異所性膵
    3.急性膵炎
    4.慢性膵炎
    5.腫瘤形成性膵炎
    6.自己免疫性膵炎(IgG4関連膵疾患)
    7.グルーブ膵炎
    8.膵神経内分泌腫瘍
    9.膵嚢胞性疾患
     1)まれな腫瘍性嚢胞
     2)二次性嚢胞
     3)先天性嚢胞
    10.漿液性腫瘍
     1)漿液性嚢胞腺腫
     2)漿液性嚢胞腺癌
    11.粘液性嚢胞腫瘍/粘液性嚢胞腺腫/粘液性嚢胞腺癌,非浸潤性/粘液性嚢胞腺癌,浸潤性
    12.膵管内乳頭粘液性腫瘍/膵管内乳頭粘液性腺腫/膵管内乳頭粘液性腺癌,非浸潤性/膵管内乳頭粘液性腺癌,浸潤性
    13.膵管内管状乳頭腫瘍
    14.充実性偽乳頭状腫瘍
    15.浸潤性膵管癌
     1)膵癌の死亡率
     2)膵癌のリスクファクター
     3)膵癌の症状と検査データ
     4)膵癌の占拠部位
     5)膵癌の神経浸潤
     6)膵癌の切除可能性のチェックポイント
    16.膵上皮内腫瘍性病変/低異型度膵上皮内腫瘍性病変/高異型度膵上皮内腫瘍性病変/同義語:上皮内癌
    17.腺房細胞腫瘍
    18.膵芽腫
    19.転移性膵腫瘍
    20.悪性リンパ腫
 5 腎臓・副腎
  5-1 腎臓・尿管
   I 腎臓の検査ポイント
   II 腎臓の病変
    1.位置異常
    2.形態異常
     1)腎形成不全
     2)馬蹄腎
     3)重複腎盂尿管
    3.腎実質の異常所見
     1)慢性腎臓病
     2)急性腎障害
     3)海綿腎
    4.腎盂・腎洞部の異常所見
     1)水腎症
     2)腎外腎盂
     3)膿腎症
     4)腎洞脂肪腫症
    5.腎結石・腎石灰化
     1)腎結石
    6.腎の嚢胞性疾患
     1)単純性腎嚢胞(いわゆる腎嚢胞)
     2)傍腎盂嚢胞
     3)腎杯憩室
     4)複雑性腎嚢胞
     5)後天性嚢胞性腎疾患
     6)多嚢胞性異形成腎
     7)常染色体優性多発性嚢胞腎
     8)常染色体劣性多発性嚢胞腎
    7.腎の充実性腫瘤
     1)血管筋脂肪腫
     2)オンコサイトーマ
     3)腎細胞癌
     4)腎盂癌
     5)Wilms腫瘍
     6)転移性腎腫瘍
    8.腎の炎症性疾患
     1)腎盂腎炎
     2)急性限局性細菌性腎炎
     3)腎膿瘍
     4)気腫性腎盂腎炎
     5)腎結核
    9.腎損傷
     1)腎損傷
    10.腎の血管性疾患
     1)腎動脈瘤
     2)腎動静脈瘻
     3)腎梗塞
     4)腎動脈狭窄症
     5)Nutcracker現象
   III 尿管の異常・病変
    1.尿管の閉塞性疾患
     1)尿管結石
     2)尿管腫瘍
     3)周囲病変による尿管の狭窄・閉塞
    2.尿管の形態異常
     1)重複腎盂尿管
     2)尿管瘤
  5-2 副腎
   I 副腎の走査方法
    1.右副腎の走査方法
     1)右肋間走査
     2)右肋弓下走査
    2.左副腎の走査方法
     1)左肋間走査
     2)心窩部横走査
     3)左季肋部縦走査
     4)左背部からの走査
   II 副腎の病変
    1.副腎の良性腫瘤
     1)副腎腺腫
     2)褐色細胞腫
     3)副腎嚢胞
     4)骨髄脂肪腫
    2.副腎の悪性腫瘍
     1)副腎皮質癌
     2)悪性リンパ腫
     3)転移性副腎腫瘍
     4)神経芽腫
    3.その他の副腎病変
 6 前立腺,膀胱,婦人科
  6-1 前立腺
   I 前立腺の検査ポイント
    1.正常像
     1)位置
     2)大きさ
     3)形状
     4)内部構造
    2.異常像
     1)腫大と形状
     2)内部
   II 前立腺の病変
    1.前立腺肥大症
    2.前立腺結石
    3.前立腺炎・膿瘍
    4.前立腺嚢胞
    5.前立腺癌
  6-2 膀胱
   I 膀胱の検査ポイント
    1.正常像
     1)位置
     2)構造,大きさ
    2.異常像
     1)壁の肥厚
     2)内腔の異常
     3)その他
   II 膀胱の病変
    1.膀胱結石
    2.膀胱炎
    3.膀胱肉柱形成
    4.膀胱憩室
    5.膀胱癌
  6-3 婦人科
   I 子宮の検査ポイント
    1.正常像
     1)位置
     2)大きさ,区分
     3)形状
     4)内部エコー(筋層,内膜)
    2.異常像
     1)形態
     2)腫大
     3)子宮内膜,内腔
   II 子宮付属器(卵巣・卵管)の検査ポイント
    1.正常像
     1)位置
     2)大きさ,形状
     3)内部エコー
    2.異常像
     1)腫大(腫瘤)
     2)卵管拡張
     3)腹水貯留
   III 子宮および子宮付属器の病変
    1.子宮筋腫
    2.子宮腺筋症
    3.子宮頸癌
    4.子宮体癌
    5.子宮留水腫,子宮留血腫,子宮留膿腫
    6.骨盤内感染症
    7.卵巣腫瘤
    8.卵巣腫瘍茎捻転
    9.卵巣出血
    10.異所性妊娠
第4章 造影超音波検査の進め方
    1.造影超音波検査(CEUS)の目的(用途)
    2.CEUSの撮像方法
     1)harmonic imaging法
     2)amplitude modulation imaging(power modulation)(AM)法
    3.CEUSの検査体制
    4.ソナゾイドの調製方法
    5.投与方法
    6.描出方法
    7.フォーカス
    8.音圧
    9.フレームレート(fps)
    10.記録方法
    11.肝腫瘍のCEUSの時相(phase)
    12.CEUSによる肝腫瘍の鑑別診断
    13.症例
     1)進行肝細胞癌(古典的肝細胞癌)
     2)高分化型肝細胞癌
     3)肝内胆管癌
     4)混合型肝癌
     5)転移性肝腫瘍
     6)リンパ腫(転移性リンパ腫も含む)
     7)肝血管腫
     8)肝細胞腺腫
     9)限局性結節性過形成(focal nodular hyperplasia:FNH)
    14.まとめ

 索引