やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版の序文
 日本臨床細胞学会が細胞検査士の資格認定を開始したのは1969年であります.第1回目には8名の細胞検査士が誕生しました.それから50年が過ぎ,現在では細胞検査士数は7,400名をこえ,日本中で大活躍されています.細胞診検体数は全国で年間2,000万件をこえるともいわれ,そのほとんどすべてに細胞検査士が関わっているといっても過言ではありません.その範囲は子宮頸部にとどまらず,喀痰,乳腺,各種穿刺細胞診など多くの臓器の,特に悪性腫瘍の検出や診断に大きな役割を担っています.
 1次試験と2次試験とで構成される細胞検査士資格認定試験もことのほか厳格に行われ,毎年受験者数は800名をこえ,1次と2次試験の合格者は250名程度で,合格率は30%を下回る厳しいものであります.本書がこの厳しい資格認定試験にチャレンジする臨床検査技師の皆さんに大きな一助となることを期待しているとともに,試験問題集とはいえ,細胞診に関わる多職種の方々すべてにとってその立場立場で役に立つ存在であってほしいと願っています.
 本書の第2版刊行にあたり,ワーキンググループ委員長の広岡保明先生のご尽力に深謝申し上げます.
 2019年2月吉日
 公益社団法人日本臨床細胞学会
 理事長 青木大輔



第1版の序文
 日本臨床細胞学会は公益社団法人として平成24年4月1日に内閣府より認証をいただきました.公益社団法人化に伴い整備すべきことを,学会の理事・評議員が主に委員となり種々の委員会を設け,順次進めて参りました.その一環として,この度「細胞検査士細胞像試験問題集」が刊行されることになりました.
 公益社団法人日本臨床細胞学会,一般社団法人日本臨床検査医学会両学会の公認の問題集であります.今後,細胞検査士を目指す臨床検査技師の皆様の大きな一助となるものと考えております.
 また,本問題集刊行により細胞検査士を目指す方が増えますことを,強く願う次第です.
 なお,本書発刊にあたりご尽力いただいたワーキンググループ委員長の広岡保明先生はじめ,委員の皆様,関係されたすべての皆様に,理事長として心より御礼申し上げます.
 平成26年3月吉日
 公益社団法人日本臨床細胞学会
 理事長 佐々木 寛



第2版の刊行のことば
 このたび,『細胞検査士細胞像試験問題集』第2版が発刊される運びとなった.本書は,公益社団法人日本臨床細胞学会が1969年(昭和44年)より行ってきた細胞検査士資格認定試験のなかのスライド試験(現在は細胞像試験)で出題した過去問のなかから,厳選した問題を解説付きで2014年に初版を発刊したものである.本書第1版は,細胞検査士資格認定試験の受験予定者のみならず細胞診専門医資格認定試験の受験予定者,さらには現役の細胞検査士や細胞診専門医にも非常に好評であった.しかしながら,初版の発刊後数年の間に「各種癌取扱い規約」が改訂され,なかには疾患名(診断名)の変更も見受けられるようになってきた.
 今回の改訂に際し,細胞像の写真は第1版より変更せず,疾患名(診断名)を現在使用されているものに統一し,その解説内容も最新のものになるよう注意深く修正し,細胞検査士資格認定試験の受験を考えている方々の不利にならないように配慮した.また,この第2版に改訂するにあたって,初版で解説を担当していただいた細胞診専門医や細胞検査士の多くは現在も現役で細胞診業務に従事されていることより,同じ先生方に解説を担当していただいた.
 改訂された本書が,細胞検査士資格認定試験や細胞診専門医資格認定試験を受験される方々の参考になれば幸いである.
 最後に,『細胞検査士細胞像試験問題集』第2版の発刊にあたって,疾患名や解説を修正していただいた各分野の細胞診専門医,細胞検査士の方々のご協力に篤く御礼を申し上げるとともに,改訂作業にご尽力いただいた医歯薬出版(株)の関係各位に深謝する次第である.
 公益社団法人日本臨床細胞学会 細胞検査士スライド試験問題集作成ワーキンググループ
 委員長 広岡保明



第1版の刊行のことば
 このたび『細胞検査士細胞像試験問題集』が刊行されることとなった.公益社団法人日本臨床細胞学会(以下,本学会)は,一般社団法人日本臨床検査医学会と共同して1969年(昭和44年)より細胞検査士資格認定試験を実施し,多くの優秀な細胞検査士を認定してきた.その試験の1つとして,細胞像をカラースライドで投影供覧して5つの選択肢から解答を選ばせるスライド試験が行われてきたが,2003年(平成15年)からは,細胞像のカラープリントを供覧する細胞像試験に変更され,現在に引き継がれている.本学会では,細胞検査士資格認定試験のうち筆記試験問題をすでに日本臨床細胞学会雑誌に公開しているが,細胞像試験で供覧する細胞画像については未公開となっていた.近年,この細胞像試験の画像(細胞像)の公開希望が多く寄せられたため,本学会細胞検査士資格認定試験委員会で検討した結果,過去のスライド試験問題の画像を公開することとなった.しかしながら,細胞診を学ぶ方々にとっては単なる細胞画像の公開より,より実際の試験問題に近い状態で,かつ詳細な解説があった方がわかりやすいと判断し,本問題集を作成することとなった.また,顕微鏡のそばにおいて常にみることができるようにするため,CDなどではなく,書籍として発行することとした.
 そのため本書は,細胞診を学び始めた臨床検査技師や医師,ならびに細胞検査士や細胞診専門医の資格認定試験を受験される方々の参考にしていただくことを想定しているが,資格を取得された後の細胞診実務で,少し判断に迷った時にすぐ手にとって細胞像を確認いただくことも期待している.
 以上の経緯より,本学会内に細胞検査士スライド試験問題集作成ワーキンググループを組織し,2012年(平成24年)12月より本書作成に向けて活動を開始した.使用した細胞画像は,第15回細胞検査士資格認定試験(1982年)〜第35回細胞検査士資格認定試験(2002年)のスライド試験で使用された細胞画像より各分野(婦人科,呼吸器,消化器,一般)で合計294問を厳選した.出題時の疾患名・診断名のなかには現在と異なっている症例があるため,できるかぎり現在の疾患名・診断名に整合するように修正した.解説は細胞診業務に精通しておられるベテランの細胞診専門医,細胞検査士の方々に,それぞれの専門的立場からお願いした.各分野の主任の先生方には問題の選定,内容の吟味,解説の妥当性などを,編集委員の先生方には編集・校正作業を責任をもって行っていただいた.本書の作成に関わっていただいた多くの方々の献身的なご協力とご厚意に篤く御礼申し上げる.また,発刊までご協力をいただいた医歯薬出版(株)の関係各位に感謝の意を申し上げる.
 最後に,本書がさらに充実したものとなるよう,ご批判,ご意見をお願い申し上げる次第である.また,2003年以降の細胞像試験の細胞画像についても,今後,追加掲載などを学会として推し進めていただくことを期待している.
 公益社団法人日本臨床細胞学会 細胞検査士スライド試験問題集作成ワーキンググループ
 委員長 広岡保明
 第2版の序文(青木大輔)
 第1版の序文(佐々木 寛)
 第2版の刊行のことば(広岡保明)
 第1版の刊行のことば(広岡保明)
 凡例
 細胞診を学んでいる方へ
  1.より良い標本作製のために(畠山重春)
  2.染色について(越川 卓)
婦人科
 婦人科細胞診を学んでいる方へ(植田政嗣)
 問題・解答・解説
呼吸器
 呼吸器細胞診を学んでいる方へ(野本靖史)
 問題・解答・解説
消化器
 消化器細胞診を学んでいる方へ(羽場礼次)
 問題・解答・解説
一般
 細胞診を学んでいる方へ(白石泰三)
 問題・解答・解説

 索引