第3版の序
学生の皆さんに臨床化学という学問を体系的に学び理解してほしいとの願いから,本書が発刊されて6年が経過した.第2版の序でも述べたが,今日,医療を取り巻く状況はさらに大きく変化しつつある.
そのようななか,臨床検査技師国家試験の新しい出題基準が作成され,平成23年度の試験から適用されることになった.今回,本書の内容を新出題基準と照合し,不足分については追加記述を行い,また第2版発刊後の新たな知識や情報を盛り込み,第3版として刊行する.
皆さんに今求められていることは,基礎的知識と技術をしっかり身につけ,応用力を養うことである.生活習慣病の原因の一つとして,エネルギー代謝にかかわるさまざまな酵素の機能不全がクローズアップされている.そのような観点から,「生体エネルギー」と「ビタミン」を新たに書き下ろした.第III章は「化学分析法各論」ではあるが,生体エネルギーの概念と最近の知見およびビタミンに関する総合的な記述を,それぞれ「付」(補足)として挿入した.
本書の編集委員会では,今日の臨床化学を反映する教科書の編纂を目的として,新出題基準とは別に,目次立てや内容さらに造本等について検討してきたが,まだまだ不十分と思われる.よりよい教科書とするために,お気づきの点があれば,遠慮なく,編集委員会あてお知らせいただくようお願いしたい.
2010年初春
著者を代表して 浦山 修
第2版の序
本書が2003年に刊行されてからの2年という短期間のうちにも,医療を取り巻く状況は大きく変化した.ヒトゲノムの完全解読宣言を受けて,膨大なゲノム情報の利用によって,これまでとは異なった病気の診断や病態の解明,そして治療法の開発への期待が高まっている.一方,社会的には,誰もが安心できる医療が強く求められている.私たち医療人は,それぞれの立場で客観的な根拠に基づいて病気を説明し,患者さんの治療法の選択にあたっては的確な情報提供を行わなければならない.臨床検査技師の教育の現場では,大学院教育との接続が現実のものとなり,より高度な専門医療職の育成が進められている.
このような状況をふまえて,本書編集委員会では,化学に根ざした臨床検査学の教育の重要性を再確認しながら,明日の教育のあるべき姿を論議した.その結果,今回の改訂では,検査終了後の検体の取り扱いに関する倫理的観点について言及し(第I章),また微量化学成分に対する分析の考え方と蛍光や化学発光を利用した免疫化学分析法,高速液体クロマトグラフィを追加記述し,マススペクトロメトリを新たに盛り込むことにした(第II章).第IV章では,診療支援の立場から検査結果の解析と評価が一層重視されていることを受けて,各検査項目間の関係や病態解明のための優先度に関する記載を確認した.第V章では,具体的症例を1つ追加した.さらに,全体的には表を見やすくし,代表的な分析法・測定法(第III章)では「色紙」を使用し,また章ごとに「ツメ」を入れるなど,検索しやすいように工夫を加えた.
学生の皆さんには,教室そして実習室で本書を開いて読んで,臨床化学という学問を体系的に理解してほしい.そのことは,病気あるいは患者さんを総合的に見て考える態度を養ってくれるはずである.
2006年初春
著者を代表して 浦山 修
第1版の序
今日,臨床検査は診療になくてはならないものとなっている.そのなかにあって臨床化学は,生体成分の分離・分析そして定量的な取り扱いを通して,主として病態評価の面で医療に貢献してきた.
「臨床化学は,細菌学や病理学とは違い,病因の解析にはいたらないのでつまらない」という言葉を耳にすることがある.はたしてそうだろうか.
検査室の検査結果報告の画面で,血清クレアチンキナーゼ活性と総コレステロール値の高度増加を示した症例に遭遇した.どんな病態が考えられるか.それぞれの増加をきたす疾患はたくさんあるが,双方の増加をきたす疾患は教科書的にはただ一つ,甲状腺機能低下症のみである.確定診断のために,診療科は私たちに血清TSHの検査をオーダーしてくるだろう.各種病態に通じ,臨床化学検査項目の組み合わせを考慮し,検査値を注意深く読むことができれば,診断への関与は可能である.一方,治療においても臨床化学の果たすべき役割は大きい.私たちは,たとえば甲状腺ホルモン投与後の治療経過を,検査値の数量変動をもって追跡している.もちろん,臨床化学がその威力を発揮できる病気は限られる.しかし,その点は他の検査学でも同様である.病気の早期発見や経過観察のために,一つひとつの検査の特性を理解し,必要であればお互いの接点を探る姿勢が求められよう.
本書のねらいは,化学に根ざした臨床検査学を教授することにある.近年の疾病構造や医療情勢の変化,さらには2000年春にスタートした臨床検査技師教育の新カリキュラムの実施をふまえて,書き下ろした.臨床検査技師の教育の比重が化学的分析そのものよりも検査結果の解析と評価のほうに移りつつあるなかで,いくつかの実験的記述を試みた.第IV章では,第III章で取り上げなかった検査項目を加えて,臓器(生体)機能の立場から各検査項目間の関係や病態解明のための優先度を論じた.基本的事項については第III章の記述と重複している箇所もある.第V章では,臨床化学を含む臨床検査の目的である診療支援の立場を強調した.一つお断りしなければならない.それは,それぞれの教育現場の事情をかんがみて,今回は具体的な分析法の紹介を必要最小限にとどめた点である.
皆さんには,この『臨床化学検査学』を習得し,病気あるいは患者さんを総合的にみて考える態度を養ってほしい.将来,柔軟性をもって仕事に取り組むことのできる医療の担い手であることを,私たちは願う.
2003年初春
著者を代表して 浦山 修
学生の皆さんに臨床化学という学問を体系的に学び理解してほしいとの願いから,本書が発刊されて6年が経過した.第2版の序でも述べたが,今日,医療を取り巻く状況はさらに大きく変化しつつある.
そのようななか,臨床検査技師国家試験の新しい出題基準が作成され,平成23年度の試験から適用されることになった.今回,本書の内容を新出題基準と照合し,不足分については追加記述を行い,また第2版発刊後の新たな知識や情報を盛り込み,第3版として刊行する.
皆さんに今求められていることは,基礎的知識と技術をしっかり身につけ,応用力を養うことである.生活習慣病の原因の一つとして,エネルギー代謝にかかわるさまざまな酵素の機能不全がクローズアップされている.そのような観点から,「生体エネルギー」と「ビタミン」を新たに書き下ろした.第III章は「化学分析法各論」ではあるが,生体エネルギーの概念と最近の知見およびビタミンに関する総合的な記述を,それぞれ「付」(補足)として挿入した.
本書の編集委員会では,今日の臨床化学を反映する教科書の編纂を目的として,新出題基準とは別に,目次立てや内容さらに造本等について検討してきたが,まだまだ不十分と思われる.よりよい教科書とするために,お気づきの点があれば,遠慮なく,編集委員会あてお知らせいただくようお願いしたい.
2010年初春
著者を代表して 浦山 修
第2版の序
本書が2003年に刊行されてからの2年という短期間のうちにも,医療を取り巻く状況は大きく変化した.ヒトゲノムの完全解読宣言を受けて,膨大なゲノム情報の利用によって,これまでとは異なった病気の診断や病態の解明,そして治療法の開発への期待が高まっている.一方,社会的には,誰もが安心できる医療が強く求められている.私たち医療人は,それぞれの立場で客観的な根拠に基づいて病気を説明し,患者さんの治療法の選択にあたっては的確な情報提供を行わなければならない.臨床検査技師の教育の現場では,大学院教育との接続が現実のものとなり,より高度な専門医療職の育成が進められている.
このような状況をふまえて,本書編集委員会では,化学に根ざした臨床検査学の教育の重要性を再確認しながら,明日の教育のあるべき姿を論議した.その結果,今回の改訂では,検査終了後の検体の取り扱いに関する倫理的観点について言及し(第I章),また微量化学成分に対する分析の考え方と蛍光や化学発光を利用した免疫化学分析法,高速液体クロマトグラフィを追加記述し,マススペクトロメトリを新たに盛り込むことにした(第II章).第IV章では,診療支援の立場から検査結果の解析と評価が一層重視されていることを受けて,各検査項目間の関係や病態解明のための優先度に関する記載を確認した.第V章では,具体的症例を1つ追加した.さらに,全体的には表を見やすくし,代表的な分析法・測定法(第III章)では「色紙」を使用し,また章ごとに「ツメ」を入れるなど,検索しやすいように工夫を加えた.
学生の皆さんには,教室そして実習室で本書を開いて読んで,臨床化学という学問を体系的に理解してほしい.そのことは,病気あるいは患者さんを総合的に見て考える態度を養ってくれるはずである.
2006年初春
著者を代表して 浦山 修
第1版の序
今日,臨床検査は診療になくてはならないものとなっている.そのなかにあって臨床化学は,生体成分の分離・分析そして定量的な取り扱いを通して,主として病態評価の面で医療に貢献してきた.
「臨床化学は,細菌学や病理学とは違い,病因の解析にはいたらないのでつまらない」という言葉を耳にすることがある.はたしてそうだろうか.
検査室の検査結果報告の画面で,血清クレアチンキナーゼ活性と総コレステロール値の高度増加を示した症例に遭遇した.どんな病態が考えられるか.それぞれの増加をきたす疾患はたくさんあるが,双方の増加をきたす疾患は教科書的にはただ一つ,甲状腺機能低下症のみである.確定診断のために,診療科は私たちに血清TSHの検査をオーダーしてくるだろう.各種病態に通じ,臨床化学検査項目の組み合わせを考慮し,検査値を注意深く読むことができれば,診断への関与は可能である.一方,治療においても臨床化学の果たすべき役割は大きい.私たちは,たとえば甲状腺ホルモン投与後の治療経過を,検査値の数量変動をもって追跡している.もちろん,臨床化学がその威力を発揮できる病気は限られる.しかし,その点は他の検査学でも同様である.病気の早期発見や経過観察のために,一つひとつの検査の特性を理解し,必要であればお互いの接点を探る姿勢が求められよう.
本書のねらいは,化学に根ざした臨床検査学を教授することにある.近年の疾病構造や医療情勢の変化,さらには2000年春にスタートした臨床検査技師教育の新カリキュラムの実施をふまえて,書き下ろした.臨床検査技師の教育の比重が化学的分析そのものよりも検査結果の解析と評価のほうに移りつつあるなかで,いくつかの実験的記述を試みた.第IV章では,第III章で取り上げなかった検査項目を加えて,臓器(生体)機能の立場から各検査項目間の関係や病態解明のための優先度を論じた.基本的事項については第III章の記述と重複している箇所もある.第V章では,臨床化学を含む臨床検査の目的である診療支援の立場を強調した.一つお断りしなければならない.それは,それぞれの教育現場の事情をかんがみて,今回は具体的な分析法の紹介を必要最小限にとどめた点である.
皆さんには,この『臨床化学検査学』を習得し,病気あるいは患者さんを総合的にみて考える態度を養ってほしい.将来,柔軟性をもって仕事に取り組むことのできる医療の担い手であることを,私たちは願う.
2003年初春
著者を代表して 浦山 修
第3版の序
第2版の序
第1版の序
カラー口絵
第I章―総論
1.臨床化学とは
I.臨床化学分析の目的と歴史
II.臨床化学分析の特徴
1-検査技術の特徴
2-臨床化学分析の特徴
2.臨床化学分析の単位と標準物質
I.臨床化学分析の単位
II.標準物質
3.精度管理(品質管理)
I.精度管理(品質管理)とは
II.信頼性の管理
III.誤差の分類
IV.誤差の許容限界
V.基準範囲
VI.精密さの評価
VII.正確さの評価
VIII.精度管理(品質管理)
1-内部精度管理(施設内精度管理)
2-外部精度評価(施設間精度評価)
IX.測定値を変動させる要因
1-生理的変動
2-血液の保存
3-抗凝固剤
4-血清,血漿など
X.検査終了後の検体の取り扱い
4.分析の標準体系
1-分析の標準化
2-名称・単位
3-濃度測定の標準体系
4-活性測定の標準体系
5-力価測定の標準体系
第II章―分析法の基礎
1.分析法の選択
I.対象物質と分析法の選択理論
1-分光光度法の選択
2-分光光度法以外の分析法の選択
2.分光光度分析法
I.原理
1-分子スペクトルと電子の遷移
2-ランベルト・ベールの法則
3-モル吸光係数
4-検量線
II.測定の方法
1-定量分析法の分類
2-二波長法の原理と特徴
3-2ポイント法の原理と特徴
III.化学的分析法
1-化学法の特徴
2-キレート呈色反応
IV.酵素的分析法
1-酵素法の原理と理論
2-酵素法における共通検出反応
3-その他の酵素法
V.酵素活性測定法
1-酵素はなぜ活性として測定するのか
2-酵素活性測定の原理
3-国際単位
4-酵素活性を変動させる因子
5-臨床酵素の基質特異性とその活性測定に用いられる基質
6-酵素活性測定の共通検出反応
7-多段酵素反応による酵素活性測定時のラグ
VI.共存物質の影響
1-血清がもつ色による影響
2-共存物質が反応に関与する影響
3.免疫化学分析法
I.免疫化学分析法の特徴
II.免疫比濁法,免疫比ろう法
III.酵素免疫分析法
IV.蛍光・化学発光免疫分析法
V.臨床化学検査への実際の応用
4.電気化学分析法
I.イオン選択電極法
1-原理
2-電極の種類
3-測定の正確さ
II.電量滴定法
III.酵素電極法
5.炎光光度法および原子吸光分析法
1-炎光光度法
2-原子吸光分析法
6.電気泳動法
1-原理
2-支持体
3-検出
4-電気泳動の応用
7.クロマトグラフィ
1-原理
2-高速液体クロマトグラフィ
3-ガスクロマトグラフィ
4-ガスクロマトグラフィ-質量分析法
8.その他の基礎技術
I.超遠心法
II.浸透圧測定
III.屈折率測定
IV.除タンパク法
V.塩析法
VI.抽出法
VII.透析・濃縮法
VIII.マススペクトロメトリ
9.自動分析法
I.自動分析装置
1-ディスクリート方式の自動分析機
2-シングルマルチ型とスーパーマルチ型の自動分析機の特徴と相違
3-自動分析機による分析法の分類
4-自動分析機が備えている主なチェック機能
II.ドライケミストリ
III.検査のシステム化
1-背景
2-自動化システムの概要
3-自動化システムによる診療支援
10.ベッドサイドの簡易検査
1-POCT(point of care testing)とは
2-簡易検査におけるPOCT
3-POCTの対象となる主な疾患
4-POCTの経済効果
5-ベッドサイドにおける簡易検査の実際
6-POCTの問題点と今後
第III章―化学分析法各論
1.糖質
I.グルコース
II.グリコヘモグロビン
III.グリコアルブミン
IV.1,5アンヒドログルシトール
V.乳酸およびピルビン酸
2.タンパク質
I.総タンパク
II.アルブミンおよびA/G比
III.血清膠質反応
IV.血清タンパク分画
V.免疫グロブリンおよびベンスジョーンズタンパク
1-免疫グロブリン
2-ベンスジョーンズタンパク
VI.急性相反応タンパク
VII.その他の血漿タンパク
1-トランスサイレチン
2-トランスフェリン
3-フェリチン
4-β2-ミクログロブリン
5-α1-ミクログロブリン
6-レチノール結合タンパク
3.非タンパク性窒素
I.アンモニア
II.尿素窒素
III.クレアチニンおよびクレアチン
IV.尿酸
V.ビリルビン
4.脂質とリポタンパク
I.リポタンパク
II.コレステロール
III.トリグリセライド
IV.リン脂質
V.遊離脂肪酸
VI.過酸化脂質
VII.胆汁酸
5.酵素
I.臨床酵素
1-血中酵素
II.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
III.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
IV.乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)
V.アルカリ性ホスファターゼ(ALP)
VI.γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)
VII.血清コリンエステラーゼ(ChE)
VIII.アミラーゼ(AMY)
IX.クレアチンキナーゼ(CK)
X.その他
1-ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)
2-リパーゼ
3-酸性ホスファターゼ(AcP)
4-N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)
6.電解質と微量元素
I.ナトリウム
II.クロール
III.カリウム
IV.カルシウム
V.無機リン
VI.マグネシウム
VII.鉄
VIII.その他の微量元素
1-銅
2-亜鉛
IX.重炭酸イオン
7.ホルモン
I.ホルモンの種類と内分泌の概念
II.下垂体ホルモン
1-成長ホルモン
2-ゴナドトロピン
3-甲状腺刺激ホルモン
4-副腎皮質刺激ホルモン
5-プロラクチン
6-バソプレシン
7-オキシトシン
III.甲状腺ホルモン
1-サイロキシン,トリヨードサイロニン
IV.カルシウム調節ホルモン
1-カルシトニン
2-副甲状腺ホルモン
3-副甲状腺ホルモン関連タンパク
V.副腎皮質・髄質ホルモン
1-グルコ(糖質)コルチコイド:コルチゾール,17-ヒドロキシコルチコイド
2-ミネラル(電解質)コルチコイド:アルドステロン
3-副腎アンドロゲン:デヒドロエピアンドロステロンサルフェート,デヒドロエピアンドロステロン,17-KS
4-カテコールアミン
5-メタネフリン,ノルメタネフリン,バニリルマンデル酸
VI.性腺・胎盤ホルモン
1-エストロゲン
2-テストステロン,ジヒドロテストステロン
3-ヒト絨毛性ゴナドトロピン,ヒト胎盤性ラクトゲン
VII.膵ホルモン
1-インスリン
2-C-ペプチド
3-グルカゴン
VIII.消化管ホルモン
1-ガストリン
IX.ナトリウム利尿ペプチド
X.エイコサノイド
付-1.生体エネルギー
1-高エネルギー化合物の役割と種類
2-代謝とATP生成
付-2.ビタミン
1-ビタミンの定義
2-ビタミンの種類
8.動的機能検査法
I.経口ブドウ糖(グルコース)負荷試験
II.セクレチン試験
III.インドシアニングリーン試験
IV.クレアチニンクリアランス試験
9.代表的な分析法・測定法
●グルコース グルコースオキシダーゼ法 ヘキソキナーゼ・グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ法
●総タンパク ビウレット法
●アルブミン BCG法
●血清タンパク分画 電気浸透現象のないセルロースアセテート膜電気泳動法による血清タンパク分画定量の標準操作法試案
●尿素窒素 ウレアーゼ・グルタミン酸デヒドロゲナーゼ法
●クレアチニン Folin-Wu原法 酵素法
●尿酸 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法
●ビリルビン Malloy-Evelyn原法 酵素法
●リポタンパク 電気泳動による血清リポタンパク分画法
●コレステロール 酵素法による総コレステロール測定法 沈殿法によるHDL-C測定法(ヘパリン-CaCl2-NiCl2法)
●トリグリセライド alcoholic KOH-GK-LD-UV法
●アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ リンゴ酸デヒドロゲナーゼ共役NADH減少法(JSCC常用基準法)
●アラニンアミノトランスフェラーゼ 乳酸デヒドロゲナーゼ共役NADH減少法(JSCC常用基準法)
●乳酸デヒドロゲナーゼ JSCC常用基準法
●アルカリ性ホスファターゼ 2-エチルアミノエタノールを緩衝液とする4-ニトロフェニルリン酸法(JSCC常用基準法)
●クレアチンキナーゼ JSCC常用基準法
●ナトリウム,カリウム,クロール 炎光光度法(内部標準法) イオン選択電極法 電量滴定法
●カルシウム o-クレゾールフタレインコンプレクソン法
●無機リン Fiske-Subbarow法
●鉄 松原法
第IV章―臓器機能評価と病態
1.肝機能
1-ALT,AST,LD
2-ALP,γ-GT,LAP,Bil
3-慢性肝疾患の検査と肝予備能の判定に用いる検査
4-肝機能障害の原因を調べる検査(特に肝炎ウイルス検査)
2.心・循環器機能
1-心筋梗塞
2-心不全
3-脂質異常症
4-高血圧症
3.腎機能
1-腎血流
2-ネフロン
3-糸球体機能
4-尿細管機能
5-腎血流量
6-糸球体腎炎
7-ネフローゼ症候群
8-腎不全
9-慢性腎臓病(CKD)
4.内分泌機能
1-内分泌疾患の症状と身体所見
2-視床下部・下垂体前葉機能
3-視床下部・下垂体後葉機能
4-甲状腺機能
5-副甲状腺(上皮小体)機能
6-副腎皮質機能
7-副腎髄質機能
8-性腺機能
9-小児科領域の内分泌機能
0-高齢者の内分泌機能
5.酸-塩基平衡機能
1-酸-塩基平衡障害の基本
2-酸の産生・処理とHCO 3 の産生
3-酸-塩基平衡の維持機構
4-体内の緩衝作用
5-血液ガス分析
6-酸-塩基平衡障害をきたす疾患
6.骨代謝機能
1-骨の化学
2-骨代謝
3-骨代謝動態の評価
4-骨代謝マーカーの臨床的意義
7.炎症
1-炎症の分子機構
2-急性相反応タンパクの種類と特徴
3-臨床検査としての急性相反応タンパク
4-生活習慣病と急性相反応タンパク
8.腫瘍マーカー
1-腫瘍マーカーとは
2-腫瘍マーカーの種類と臨床的意義
3-検体
4-分析法
5-分析における注意点
6-基準範囲と異常値
7-生理的変動要因
9.栄養状態
1-栄養障害とは
2-体格指数
3-栄養状態評価のための生化学・免疫学的指標
4-やせ
5-肥満
10.血中薬物モニタリング
1-血中薬物濃度をモニタリングする目的:治療の個人別至適化
2-生体内の薬物動態,および薬物濃度解釈の注意
3-血中薬物濃度測定法
4-毒物・乱用薬物の分析
第V章―診療支援と臨床化学検査結果の解析・評価
I.診療支援
II.基本的検査の有用性
III.検査結果の解析の具体例
1-甲状腺機能低下症
2-ヘモグロビン異常症
3-AST結合性免疫グロブリン血症(マクロAST血症)
4-メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)
IV.解析・評価の日常化に向けて
付:
(1)原子量表
(2)SI単位換算表
(3)日常検査に使用する各種緩衝液
(4)臨床化学検査に必要な数値
(5)分析に利用される主な化学物質
索引
第2版の序
第1版の序
カラー口絵
第I章―総論
1.臨床化学とは
I.臨床化学分析の目的と歴史
II.臨床化学分析の特徴
1-検査技術の特徴
2-臨床化学分析の特徴
2.臨床化学分析の単位と標準物質
I.臨床化学分析の単位
II.標準物質
3.精度管理(品質管理)
I.精度管理(品質管理)とは
II.信頼性の管理
III.誤差の分類
IV.誤差の許容限界
V.基準範囲
VI.精密さの評価
VII.正確さの評価
VIII.精度管理(品質管理)
1-内部精度管理(施設内精度管理)
2-外部精度評価(施設間精度評価)
IX.測定値を変動させる要因
1-生理的変動
2-血液の保存
3-抗凝固剤
4-血清,血漿など
X.検査終了後の検体の取り扱い
4.分析の標準体系
1-分析の標準化
2-名称・単位
3-濃度測定の標準体系
4-活性測定の標準体系
5-力価測定の標準体系
第II章―分析法の基礎
1.分析法の選択
I.対象物質と分析法の選択理論
1-分光光度法の選択
2-分光光度法以外の分析法の選択
2.分光光度分析法
I.原理
1-分子スペクトルと電子の遷移
2-ランベルト・ベールの法則
3-モル吸光係数
4-検量線
II.測定の方法
1-定量分析法の分類
2-二波長法の原理と特徴
3-2ポイント法の原理と特徴
III.化学的分析法
1-化学法の特徴
2-キレート呈色反応
IV.酵素的分析法
1-酵素法の原理と理論
2-酵素法における共通検出反応
3-その他の酵素法
V.酵素活性測定法
1-酵素はなぜ活性として測定するのか
2-酵素活性測定の原理
3-国際単位
4-酵素活性を変動させる因子
5-臨床酵素の基質特異性とその活性測定に用いられる基質
6-酵素活性測定の共通検出反応
7-多段酵素反応による酵素活性測定時のラグ
VI.共存物質の影響
1-血清がもつ色による影響
2-共存物質が反応に関与する影響
3.免疫化学分析法
I.免疫化学分析法の特徴
II.免疫比濁法,免疫比ろう法
III.酵素免疫分析法
IV.蛍光・化学発光免疫分析法
V.臨床化学検査への実際の応用
4.電気化学分析法
I.イオン選択電極法
1-原理
2-電極の種類
3-測定の正確さ
II.電量滴定法
III.酵素電極法
5.炎光光度法および原子吸光分析法
1-炎光光度法
2-原子吸光分析法
6.電気泳動法
1-原理
2-支持体
3-検出
4-電気泳動の応用
7.クロマトグラフィ
1-原理
2-高速液体クロマトグラフィ
3-ガスクロマトグラフィ
4-ガスクロマトグラフィ-質量分析法
8.その他の基礎技術
I.超遠心法
II.浸透圧測定
III.屈折率測定
IV.除タンパク法
V.塩析法
VI.抽出法
VII.透析・濃縮法
VIII.マススペクトロメトリ
9.自動分析法
I.自動分析装置
1-ディスクリート方式の自動分析機
2-シングルマルチ型とスーパーマルチ型の自動分析機の特徴と相違
3-自動分析機による分析法の分類
4-自動分析機が備えている主なチェック機能
II.ドライケミストリ
III.検査のシステム化
1-背景
2-自動化システムの概要
3-自動化システムによる診療支援
10.ベッドサイドの簡易検査
1-POCT(point of care testing)とは
2-簡易検査におけるPOCT
3-POCTの対象となる主な疾患
4-POCTの経済効果
5-ベッドサイドにおける簡易検査の実際
6-POCTの問題点と今後
第III章―化学分析法各論
1.糖質
I.グルコース
II.グリコヘモグロビン
III.グリコアルブミン
IV.1,5アンヒドログルシトール
V.乳酸およびピルビン酸
2.タンパク質
I.総タンパク
II.アルブミンおよびA/G比
III.血清膠質反応
IV.血清タンパク分画
V.免疫グロブリンおよびベンスジョーンズタンパク
1-免疫グロブリン
2-ベンスジョーンズタンパク
VI.急性相反応タンパク
VII.その他の血漿タンパク
1-トランスサイレチン
2-トランスフェリン
3-フェリチン
4-β2-ミクログロブリン
5-α1-ミクログロブリン
6-レチノール結合タンパク
3.非タンパク性窒素
I.アンモニア
II.尿素窒素
III.クレアチニンおよびクレアチン
IV.尿酸
V.ビリルビン
4.脂質とリポタンパク
I.リポタンパク
II.コレステロール
III.トリグリセライド
IV.リン脂質
V.遊離脂肪酸
VI.過酸化脂質
VII.胆汁酸
5.酵素
I.臨床酵素
1-血中酵素
II.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
III.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
IV.乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)
V.アルカリ性ホスファターゼ(ALP)
VI.γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)
VII.血清コリンエステラーゼ(ChE)
VIII.アミラーゼ(AMY)
IX.クレアチンキナーゼ(CK)
X.その他
1-ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)
2-リパーゼ
3-酸性ホスファターゼ(AcP)
4-N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)
6.電解質と微量元素
I.ナトリウム
II.クロール
III.カリウム
IV.カルシウム
V.無機リン
VI.マグネシウム
VII.鉄
VIII.その他の微量元素
1-銅
2-亜鉛
IX.重炭酸イオン
7.ホルモン
I.ホルモンの種類と内分泌の概念
II.下垂体ホルモン
1-成長ホルモン
2-ゴナドトロピン
3-甲状腺刺激ホルモン
4-副腎皮質刺激ホルモン
5-プロラクチン
6-バソプレシン
7-オキシトシン
III.甲状腺ホルモン
1-サイロキシン,トリヨードサイロニン
IV.カルシウム調節ホルモン
1-カルシトニン
2-副甲状腺ホルモン
3-副甲状腺ホルモン関連タンパク
V.副腎皮質・髄質ホルモン
1-グルコ(糖質)コルチコイド:コルチゾール,17-ヒドロキシコルチコイド
2-ミネラル(電解質)コルチコイド:アルドステロン
3-副腎アンドロゲン:デヒドロエピアンドロステロンサルフェート,デヒドロエピアンドロステロン,17-KS
4-カテコールアミン
5-メタネフリン,ノルメタネフリン,バニリルマンデル酸
VI.性腺・胎盤ホルモン
1-エストロゲン
2-テストステロン,ジヒドロテストステロン
3-ヒト絨毛性ゴナドトロピン,ヒト胎盤性ラクトゲン
VII.膵ホルモン
1-インスリン
2-C-ペプチド
3-グルカゴン
VIII.消化管ホルモン
1-ガストリン
IX.ナトリウム利尿ペプチド
X.エイコサノイド
付-1.生体エネルギー
1-高エネルギー化合物の役割と種類
2-代謝とATP生成
付-2.ビタミン
1-ビタミンの定義
2-ビタミンの種類
8.動的機能検査法
I.経口ブドウ糖(グルコース)負荷試験
II.セクレチン試験
III.インドシアニングリーン試験
IV.クレアチニンクリアランス試験
9.代表的な分析法・測定法
●グルコース グルコースオキシダーゼ法 ヘキソキナーゼ・グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ法
●総タンパク ビウレット法
●アルブミン BCG法
●血清タンパク分画 電気浸透現象のないセルロースアセテート膜電気泳動法による血清タンパク分画定量の標準操作法試案
●尿素窒素 ウレアーゼ・グルタミン酸デヒドロゲナーゼ法
●クレアチニン Folin-Wu原法 酵素法
●尿酸 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法
●ビリルビン Malloy-Evelyn原法 酵素法
●リポタンパク 電気泳動による血清リポタンパク分画法
●コレステロール 酵素法による総コレステロール測定法 沈殿法によるHDL-C測定法(ヘパリン-CaCl2-NiCl2法)
●トリグリセライド alcoholic KOH-GK-LD-UV法
●アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ リンゴ酸デヒドロゲナーゼ共役NADH減少法(JSCC常用基準法)
●アラニンアミノトランスフェラーゼ 乳酸デヒドロゲナーゼ共役NADH減少法(JSCC常用基準法)
●乳酸デヒドロゲナーゼ JSCC常用基準法
●アルカリ性ホスファターゼ 2-エチルアミノエタノールを緩衝液とする4-ニトロフェニルリン酸法(JSCC常用基準法)
●クレアチンキナーゼ JSCC常用基準法
●ナトリウム,カリウム,クロール 炎光光度法(内部標準法) イオン選択電極法 電量滴定法
●カルシウム o-クレゾールフタレインコンプレクソン法
●無機リン Fiske-Subbarow法
●鉄 松原法
第IV章―臓器機能評価と病態
1.肝機能
1-ALT,AST,LD
2-ALP,γ-GT,LAP,Bil
3-慢性肝疾患の検査と肝予備能の判定に用いる検査
4-肝機能障害の原因を調べる検査(特に肝炎ウイルス検査)
2.心・循環器機能
1-心筋梗塞
2-心不全
3-脂質異常症
4-高血圧症
3.腎機能
1-腎血流
2-ネフロン
3-糸球体機能
4-尿細管機能
5-腎血流量
6-糸球体腎炎
7-ネフローゼ症候群
8-腎不全
9-慢性腎臓病(CKD)
4.内分泌機能
1-内分泌疾患の症状と身体所見
2-視床下部・下垂体前葉機能
3-視床下部・下垂体後葉機能
4-甲状腺機能
5-副甲状腺(上皮小体)機能
6-副腎皮質機能
7-副腎髄質機能
8-性腺機能
9-小児科領域の内分泌機能
0-高齢者の内分泌機能
5.酸-塩基平衡機能
1-酸-塩基平衡障害の基本
2-酸の産生・処理とHCO 3 の産生
3-酸-塩基平衡の維持機構
4-体内の緩衝作用
5-血液ガス分析
6-酸-塩基平衡障害をきたす疾患
6.骨代謝機能
1-骨の化学
2-骨代謝
3-骨代謝動態の評価
4-骨代謝マーカーの臨床的意義
7.炎症
1-炎症の分子機構
2-急性相反応タンパクの種類と特徴
3-臨床検査としての急性相反応タンパク
4-生活習慣病と急性相反応タンパク
8.腫瘍マーカー
1-腫瘍マーカーとは
2-腫瘍マーカーの種類と臨床的意義
3-検体
4-分析法
5-分析における注意点
6-基準範囲と異常値
7-生理的変動要因
9.栄養状態
1-栄養障害とは
2-体格指数
3-栄養状態評価のための生化学・免疫学的指標
4-やせ
5-肥満
10.血中薬物モニタリング
1-血中薬物濃度をモニタリングする目的:治療の個人別至適化
2-生体内の薬物動態,および薬物濃度解釈の注意
3-血中薬物濃度測定法
4-毒物・乱用薬物の分析
第V章―診療支援と臨床化学検査結果の解析・評価
I.診療支援
II.基本的検査の有用性
III.検査結果の解析の具体例
1-甲状腺機能低下症
2-ヘモグロビン異常症
3-AST結合性免疫グロブリン血症(マクロAST血症)
4-メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)
IV.解析・評価の日常化に向けて
付:
(1)原子量表
(2)SI単位換算表
(3)日常検査に使用する各種緩衝液
(4)臨床化学検査に必要な数値
(5)分析に利用される主な化学物質
索引








