やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

Ver.1-0の序

 本書は,臨床検査技師を目指す学生が,(1)臨地実習に出たとき,(2)いつもポケットに携帯し,(3)必要に応じて取り出してチェック,確認しながら実習内容をより充実したものにするのに役立てるものです.かつ,(4)実習指導者,先生,先輩,から聞いた重要なことがらをメモ欄に記録して自分の実習マニュアルを完成させる「自主制作型実習マニュアル書」を意図したものです.
 新カリキュラムでは,(5)臨地実習の多様化と充実を目途としており,何をどう効率よく実習して身につけるかが,学校,病院,および,検査関連施設の実習の場で重要な課題となっています.
 そこで本書は,執筆するにあたって,(6)最初に,実習施設でどのような項目が,どの位の期間で,どのように行われているかを,数十カ所調査しました.(7)次に,現在実習を行っている学生,および,卒後3年,5年,10年目で,第一線で活躍している臨床検査技師の方々に,臨地実習で何が重要かについてアンケート調査にご協力を頂きました.
 これらをベースに,(8)臨床検査技師学校教員,病院等の実習施設の第一線指導者らが執筆した最新の「臨床検査臨地実習マニュアル書」です.
 また,本書は,(9)臨床検査技師国家試験を意識し,臨地実習科目以外に,臨床病理学総論,医用工学概論,情報科学概論,公衆衛生学,関係法規についても,この時期に知っておくべき重要項目を記載しました.
 (10)これから臨地実習に出ようとしている学生諸君はじめ,教育指導にあたられる諸先生方にも微力ながらお役に立てればこれに優る喜びはありません.
 (11)発行にあたり,多くの方々にご協力を頂きましたことを心より感謝いたします.
 また,多くの読者諸氏の忌憚のないご意見,ご叱正を賜れば幸いに存じます.
 2000年 春
 編 者
 第2版の序
 Ver.1-0の序
 執筆者一覧
 前見返し(臨地実習心得10ヵ条,他)
 後見返し(元素の周期表,他)

1.臨床検査医学総論
 循環器疾患
 呼吸器疾患
 消化器疾患
 肝・胆・膵疾患
 血液・造血器疾患
 内分泌疾患
 泌尿器疾患
 神経・筋疾患
 感染症
 アレルギー・膠病原・免疫疾患
 悪性腫瘍
 代謝・栄養障害
 基準値・基準範囲
2.生理機能検査
《循環機能》
 心電図検査準備
 心電図検査
 心音図
 脈波
《神経・筋機能》
 脳波
 誘発電位
 筋電図
 誘発筋電図
《呼吸機能》
 呼吸
 血液ガス
 基礎代謝
《感覚機能》
 平衡機能検査
 眼底検査
 その他
《画像診断》
 超音波
 乳房の超音波検査
 甲状腺の超音波検査
 核磁気共鳴画像検査
 熱画像検査
 頸動脈の超音波検査
3.臨床検査総論
《尿》
 尿の生成と一般的性状
 尿保存法
 試験紙による尿検査
 尿の化学検査
 腎機能検査
 尿沈渣
《便》
 糞便検査
 寄生虫検査
 潜血反応
 胆汁成分
 ヨードでんぷん反応
 脂肪染色
《精液》
 精液検査
《髄液》
 髄液検査
 化学的検査
《その他》
 穿刺液検査
 喀痰検査
 胃液検査
 採血
4.臨床化学検査
《無機質》
 ナトリウム,カリウム
 クロール
 カルシウム
 無機リン
 マグネシウム
 鉄
 銅
《糖質》
 血糖
 乳酸,ピルビン酸
 ヘモグロビンA↓1c↓
《脂質》
 脂質
 総コレステロール
 HDL-コレステロール
 トリグリセリド
 リン脂質
 遊離脂肪酸
《非蛋白性窒素成分》
 非蛋白性窒素成分
 尿素窒素
 クレアチニン
 尿酸
 アンモニア
 ビリルビン
《蛋白質》
 血清総蛋白
 血清アルブミン
 アルブミン/グロブリン比
 血清蛋白分画
《酵素》
 アルカリ性ホスファターゼ
 酸性ホスファターゼ
 コリンエステラーゼ
 アミラーゼおよびアイソザイム
 クレアチンキナーゼ
 γ-グルタミルトランスペプチダーゼ
 乳酸脱水素酵素
 ロイシンアミノペプチダーゼ
 トランスアミナーゼ
 リパーゼ
 LDアイソザイム
 ALPアイソザイム
 CKアイソザイム
《ホルモン》
 主要ホルモン
《血中薬物》
 血中薬物濃度検査
《その他》
 血液ガス
 血漿浸透圧
 生体機能検査
  肝 /腎 /膵 /内分泌
5.検査管理総論
《誤差》
 正確さと精密さ
 誤差の分類
 誤差の許容限界
《精度管理法》
 内部精度管理
 外部精度管理法
《検査法の評価》
 技術的評価
 検査法の比較評価
《感染性(医療)廃棄物》
 感染性(医療)廃棄物
《基礎実習》
 ピペット検定
 吸光光度法の基礎と分光光度計
 酵素反応分析法と酵素法
《用手法》
 試薬を調製して用手法での実習
《検査の標準化》
 検査の標準化と測定体系
6.病理検査
《病理組織学的検査》
 病理組織学的検査の意義
《病理解剖》
《固定法》
 固定法
《脱脂法,脱灰法》
 脱脂法
 脱灰法
《包埋法》
 パラフィン包埋
《薄切法》
 パラフィンブロックの薄切
 ミクロトームについて
《凍結切片》
 凍結切片
《電子顕微鏡検査》
 電子顕微鏡
《免疫組織化学染色》
 酵素抗体法
 蛍光抗体法
《一般染色》
 HE染色
《結合組織の染色(1)》
 アザン染色
 マッソントリクローム染色
 エラスチカワンギーソン染色
《結合組織の染色(2)》
 渡辺の鍍銀法
《多糖類の染色》
 PAS染色
 アルシアン青染色
《核酸の染色》
 フォイルゲン反応
 メチル緑ピロニン染色
《無機物の染色》
 コッサ染色
 ベルリン青染色
《生体内色素の染色》
 フォンタナ・マッソン染色
《組織内病原体の染色》
 細菌染色
 抗酸菌染色
 真菌
《腎臓の染色》
 PAM染色
《神経組織の染色》
 クリューバーバレラ染色
《アミロイドの染色》
 コンゴーレッド染色
《内分泌細胞の染色》
 グリメリウス染色
 アルデヒドフクシン染色
《脂肪染色》
 ズダンIII染色,オイル赤O染色,ナイル青染色
《横紋筋の染色》
 PTAH染色
《細胞診》
 検査意義と総論
 細胞診結果の解釈
 細胞診と組織診
《各種検体処理》
 細胞採取法と固定法
《細胞診の染色》
 パパニコロウ染色
《婦人科細胞診》
 正常細胞
 良性細胞
 腫瘍細胞
《呼吸器細胞診》
 気道の構造および良性細胞について
 正常細胞
 良性細胞と疾患に関連した所見
 腫瘍細胞
 肺癌の特徴
《乳腺・甲状腺細胞診》
 乳腺細胞診
 甲状腺細胞診
《泌尿器細胞診》
 泌尿・生殖器の細胞
 正常細胞
 良性細胞と疾患に関連した所見
 腫瘍細胞
  腎臓 /膀胱 /前立腺 /精巣
《体腔液細胞診》
 体腔液
 良性細胞と疾患に関連した所見
 体腔液中の良性細胞
 体腔液中の悪性細胞
7.微生物検査
 染色法
 培地の種類と・サ
 培養方法
 鑑別・同定検査
 滅菌と消毒
 微生物検査
 材料別検査の進め方
  尿 /便 /喀痰 /咽頭粘液,鼻腔,扁桃 /血液 /髄液 /膿,分泌液,穿刺液
 一般細菌の同定
 薬剤感受性検査法
 薬剤耐性菌の検出
 抗酸菌検査
 真菌検査
 その他の検査
8.免疫・輸血検査
 梅毒
 細菌感染症
 ウイルス・マイコプラズマ感染症
 腫瘍関連抗原腫瘍マーカー
 急性期反応物質
 液性免疫
 IgGの基本構造
 細胞性免疫検査
 妊娠反応
 自己免疫疾患
 輸血検査
 試験管内抗原抗体反応と応用例
 免疫化学的分析
 アレルギー
 内分泌(免疫化学的検査法)
9.血液検査
《採血》
 採血法と抗凝固剤
《細胞数》
 赤血球・白血球・好酸球数
 好塩基球数
 網赤血球数
《血算一式》
 ヘモグロビン濃度
 ヘマトクリット値
《普通染色》
 普通染色法
《特殊染色》
 特殊染色法
《血液像》
 末梢血液像
 赤血球形態異常
 白血球形態異常
 血小板形態異常
 骨髄像
 FAB分類
《血小板t
 血小板数(直接法)
 血小板粘着能(停滞試験)
 血小板凝集能
 血小板第3因子能
 血餅収縮能
 毛細血管抵抗試験
 出血時間
《凝固線溶》
 1.凝固系の検査
 プロトロンビン時間
 活性化部分トロンボプラスチン時間
 トロンビン時間
 フィブリノゲン測定
 血漿カルシウム再加凝固時間
 第XIII因子量
 因子欠乏の同定
 トロンボエラストグラフ
 PIVKA
 2.線溶系の検査
 ユーグロブリン溶解時間
 プラスミノゲン
 3.凝固・線溶系亢進のマーカー
 トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
 可溶性フィブリンモノマー複合体
 フィブリン分解産物
 プラスミン・α↓2↓-プラスミンインヒビター複合体
 4.凝固・線溶系の阻止因子
 アンチトロンビンIII
 プロテインC
 α↓2↓-プラスミンインヒビター
《自動分析機》
 自動血球計数機
 網赤血球自動計数器
 自動凝固機器
 自動塗抹標本作製機器
 自動白血球分類装置
《その他》
 染色体分析
 FISH法
 貪食能と殺菌能検査
 赤血球抵抗試験
 LE細胞試験
 骨髄検査
 表面マーカー
 血液・造血器腫瘍細胞抗原分析
10.医用工学
 医用電子技術
 安全性
11.情報科学
 情報科学の概念
 情報処理
 演算子の種類
 基本動作方式
 基本構成
 ソフトウエア
 ネットワークトポロジ
 ネットワークの規模
 通信プロトコル
 接続機器
 インターネットでできること
 セキュリティ
 パッチ処理
 リアルタイム処理
 タイムシェアリングシステム
 オンライン処理
 病院情報システム
 検査部門システム
12.公衆衛生学
 公衆衛生学の概要
 疾病予防と疫学調査法
 人口静態・動態
 感染症
 母子保健
 学校保健
 成人・老人保健
 精神保健・福祉
 生活環境
 地球環境保全
 栄養・食品衛生
 労働衛生
13.関係法規
 医事法規概説
 臨床検査技師,衛生検査技師等に関する法律
  “衛生検査技師法”から“臨床検査技師,術生検査技師等に関する法律”に改正された要点 /臨床検査技師の業務範囲 /免許 376((1)臨床検査技師免許 /(2)衛生検査技師免許 376)/臨床検査技師,衛生検査技師の社会的責任,義務と禁止事項 /衛生検査所 /罰則規定,届出期間 /学校,養成所指定規則,その他
 関連法規
  医事法規 /死体解剖等に関する法規 /保健衛生法規 /予防衛生法規 /労働衛生法規 /環境衛生法規//薬務法規 /社会福祉と社会保険関係 /放射性同位元素関係
 保健医療関係者に関する法規

付表
 生化学的検査
 血液学的検査
 髄液検査
 免疫学的検査

 和文索引
 欧文索引