序文
近年,少子高齢化や厳しい経済状況,そして国民の意識の変化などにより,医療を取り巻く環境は大きく変化してきている.医療過誤においても病院や医師ばかりでなく専門技術者にまで責任が問われ,医療技術者としての資質向上が社会から求められている.
日本臨床検査学教育協議会では,臨床検査技師をめざす人々のために教育法の開発や効率的な勉学法などの研究を行い,優秀な臨床検査技師の育成と教員の資質向上のための活動を行っている.本問題集の編集は,その活動の一環としてある.
臨床検査技師国家試験は平成15(2003)年3月の第49回から国家試験出題基準に基づいた出題がなされている.これは,平成12(2000)年に臨床検査技師学校養成施設指定規則が改正され各学校の教育カリキュラムが大綱化されたことによるもので,国家試験の妥当な範囲とレベルを設定するために出題基準が作成されたものである.試験科目は10科目に分類され,見出し(章),見出し(節),大項目,中項目,小項目が記載されている.このなかで中項目が国家試験の出題範囲となっている.また,平成12年に厚生省健康施策局医事課長(現・厚生労働省医政局医事課長)の通達があり,第47回国家試験(2001年)より問題形式の変更が行われた.それは適切な情報を獲得する能力を評価する問題〔すなわちTaxonomy II型(解釈型)〕,また適切に分析できる能力や応用力を評価する問題〔すなわちTaxonomy III型(問題解決型)〕の問題が出題されるようになった.さらに2つ選ぶX(2)タイプの問題も増加した.このことは単純記憶の詰め込み式の知識だけでは正しい解答を導き出すことがむずかしいことを示しており,知識ばかりでなく学内実習や臨地実習での経験も問われるようになった.
本問題集は,1977年に厚生省医務局医事課(当時)編の国家試験問題集として出版されたことが始まりである.その後,本協議会が引き継ぎ,指定規則・指導要領に準拠した問題集として漸次改変がなされてきた.令和7(2025)年の第71回臨床検査技師国家試験から「臨床検査技師国家試験出題基準/令和7年版」が適用された.本問題集はこの出題基準に沿って問題を分類し,科目ごとに勉強ができる構成にし,受験生がより使いやすくなるよう工夫を行った.解説は日頃から教育熱心な先生方にご協力をいただき,ポイントを絞ってわかりやすくご執筆いただいた.
国家試験は検査業務全般を取り扱う技術者として第一歩を踏み出すに足る基本的な知識および技能を的確に評価するものとなっている.本問題集を利用することにより国家試験の傾向を把握し,効率的に勉学を進める材料にしてほしい.また,国家試験を受験する最終学年の学生ばかりでなく,低学年から学習内容の習熟度の確認に活用していただければと思う.
さらに本書には2つの購入者特典をつけた.特典(1)過去10年分の国家試験問題が解けるオンラインテストでは,スマートフォンやPCで演習ができるので,電車やバスの通学時間などを活用したり,隙間時間も活かして知識の拡充をして欲しい.特典(2)直近5年分の国家試験問題・解答およびマークシート2種類のPDFは印刷して繰り返して確認することで,マークシートや時間配分の練習に役立てていただきたい.これらの特典もうまく活用し,国家試験合格をつかみとってほしい.
最後に,臨床検査技師をめざす多くの学生に利用され,さらに役に立つ問題集になるためには,利用者のご意見,ご提案が必要である.忌憚のない率直なご意見をいただきたいと思う.ご協力をお願いする次第である.
2025年4月
一般社団法人日本臨床検査学教育協議会
近年,少子高齢化や厳しい経済状況,そして国民の意識の変化などにより,医療を取り巻く環境は大きく変化してきている.医療過誤においても病院や医師ばかりでなく専門技術者にまで責任が問われ,医療技術者としての資質向上が社会から求められている.
日本臨床検査学教育協議会では,臨床検査技師をめざす人々のために教育法の開発や効率的な勉学法などの研究を行い,優秀な臨床検査技師の育成と教員の資質向上のための活動を行っている.本問題集の編集は,その活動の一環としてある.
臨床検査技師国家試験は平成15(2003)年3月の第49回から国家試験出題基準に基づいた出題がなされている.これは,平成12(2000)年に臨床検査技師学校養成施設指定規則が改正され各学校の教育カリキュラムが大綱化されたことによるもので,国家試験の妥当な範囲とレベルを設定するために出題基準が作成されたものである.試験科目は10科目に分類され,見出し(章),見出し(節),大項目,中項目,小項目が記載されている.このなかで中項目が国家試験の出題範囲となっている.また,平成12年に厚生省健康施策局医事課長(現・厚生労働省医政局医事課長)の通達があり,第47回国家試験(2001年)より問題形式の変更が行われた.それは適切な情報を獲得する能力を評価する問題〔すなわちTaxonomy II型(解釈型)〕,また適切に分析できる能力や応用力を評価する問題〔すなわちTaxonomy III型(問題解決型)〕の問題が出題されるようになった.さらに2つ選ぶX(2)タイプの問題も増加した.このことは単純記憶の詰め込み式の知識だけでは正しい解答を導き出すことがむずかしいことを示しており,知識ばかりでなく学内実習や臨地実習での経験も問われるようになった.
本問題集は,1977年に厚生省医務局医事課(当時)編の国家試験問題集として出版されたことが始まりである.その後,本協議会が引き継ぎ,指定規則・指導要領に準拠した問題集として漸次改変がなされてきた.令和7(2025)年の第71回臨床検査技師国家試験から「臨床検査技師国家試験出題基準/令和7年版」が適用された.本問題集はこの出題基準に沿って問題を分類し,科目ごとに勉強ができる構成にし,受験生がより使いやすくなるよう工夫を行った.解説は日頃から教育熱心な先生方にご協力をいただき,ポイントを絞ってわかりやすくご執筆いただいた.
国家試験は検査業務全般を取り扱う技術者として第一歩を踏み出すに足る基本的な知識および技能を的確に評価するものとなっている.本問題集を利用することにより国家試験の傾向を把握し,効率的に勉学を進める材料にしてほしい.また,国家試験を受験する最終学年の学生ばかりでなく,低学年から学習内容の習熟度の確認に活用していただければと思う.
さらに本書には2つの購入者特典をつけた.特典(1)過去10年分の国家試験問題が解けるオンラインテストでは,スマートフォンやPCで演習ができるので,電車やバスの通学時間などを活用したり,隙間時間も活かして知識の拡充をして欲しい.特典(2)直近5年分の国家試験問題・解答およびマークシート2種類のPDFは印刷して繰り返して確認することで,マークシートや時間配分の練習に役立てていただきたい.これらの特典もうまく活用し,国家試験合格をつかみとってほしい.
最後に,臨床検査技師をめざす多くの学生に利用され,さらに役に立つ問題集になるためには,利用者のご意見,ご提案が必要である.忌憚のない率直なご意見をいただきたいと思う.ご協力をお願いする次第である.
2025年4月
一般社団法人日本臨床検査学教育協議会
本書の使い方
購入者特典のご利用について
1.臨床検査総論
過去10年の出題傾向
臨床検査総合管理学・医療安全管理学
尿・糞便等一般検査
遺伝子関連・染色体検査
主に使用する赤本(以下,最新臨床検査学講座タイトル) 臨床検査総合管理学,医療安全管理学,チーム医療論/多職種連携・栄養学・薬理学・認知症,一般検査学,医動物学,遺伝子関連・染色体検査学
2.臨床検査医学総論
過去10年の出題傾向
臨床病態学
主に使用する赤本 病態学/臨床検査医学総論,チーム医療論/多職種連携・栄養学・薬理学・認知症
3.臨床生理学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,生理学的検査
主に使用する赤本 生理学,生理機能検査学
4.臨床化学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,生化学的検査
主に使用する赤本 生化学,臨床化学検査学,放射性同位元素検査技術学
5.病理組織細胞学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,臨床検査の基礎と疾病との関連
病理学的検査
主に使用する赤本 解剖学,病理学/病理検査学
6.臨床血液学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,血液学的検査
主に使用する赤本 血液検査学
7.臨床微生物学
過去10年の出題傾向
臨床検査の基礎と疾病との関連
微生物学的検査
主に使用する赤本 臨床微生物学
8.臨床免疫学
過去10年の出題傾向
免疫学的検査
輸血・移植検査
主に使用する赤本 免疫検査学/輸血・移植検査学
9.公衆衛生学
過去10年の出題傾向
保健医療福祉と臨床検査
主に使用する赤本 保健医療福祉概論,公衆衛生学,関係法規
10.医用工学概論
過去10年の出題傾向
医療工学・医療情報
臨床検査総合管理学
主に使用する赤本 医用工学概論,情報科学,検査機器総論
第71回臨床検査技師国家試験(問題)
国家試験受験手続き及び概要
過去10年間の臨床検査技師国家試験回数別合格者数一覧
カラー図版・第71回国家試験解説
カラー図版
第71回臨床検査技師国家試験(別冊)
第71回臨床検査技師国家試験解答・解説
購入者特典のご利用について
1.臨床検査総論
過去10年の出題傾向
臨床検査総合管理学・医療安全管理学
尿・糞便等一般検査
遺伝子関連・染色体検査
主に使用する赤本(以下,最新臨床検査学講座タイトル) 臨床検査総合管理学,医療安全管理学,チーム医療論/多職種連携・栄養学・薬理学・認知症,一般検査学,医動物学,遺伝子関連・染色体検査学
2.臨床検査医学総論
過去10年の出題傾向
臨床病態学
主に使用する赤本 病態学/臨床検査医学総論,チーム医療論/多職種連携・栄養学・薬理学・認知症
3.臨床生理学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,生理学的検査
主に使用する赤本 生理学,生理機能検査学
4.臨床化学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,生化学的検査
主に使用する赤本 生化学,臨床化学検査学,放射性同位元素検査技術学
5.病理組織細胞学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,臨床検査の基礎と疾病との関連
病理学的検査
主に使用する赤本 解剖学,病理学/病理検査学
6.臨床血液学
過去10年の出題傾向
人体の構造と機能,血液学的検査
主に使用する赤本 血液検査学
7.臨床微生物学
過去10年の出題傾向
臨床検査の基礎と疾病との関連
微生物学的検査
主に使用する赤本 臨床微生物学
8.臨床免疫学
過去10年の出題傾向
免疫学的検査
輸血・移植検査
主に使用する赤本 免疫検査学/輸血・移植検査学
9.公衆衛生学
過去10年の出題傾向
保健医療福祉と臨床検査
主に使用する赤本 保健医療福祉概論,公衆衛生学,関係法規
10.医用工学概論
過去10年の出題傾向
医療工学・医療情報
臨床検査総合管理学
主に使用する赤本 医用工学概論,情報科学,検査機器総論
第71回臨床検査技師国家試験(問題)
国家試験受験手続き及び概要
過去10年間の臨床検査技師国家試験回数別合格者数一覧
カラー図版・第71回国家試験解説
カラー図版
第71回臨床検査技師国家試験(別冊)
第71回臨床検査技師国家試験解答・解説














