やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

▲第3版の序
 臨床検査技師教育の大綱化に基づいて新カリキュラムが2000年4月から実施され,臨地実習7単位(315時間以上)が義務づけされました.
 そこで本書は,これから臨地実習に出ようとしているすべての学生諸君によきパートナーとしての参考書という趣旨で,ほぼ同時期の2000年春に第1版(Ver.1-0)が発行されました.また,2002年7月に発表された臨床検査技師国家試験出題基準(いわゆる国試ガイドライン)に対応して内容を全面的に検討し,2003年1月には第2版が発行されました.
 (1)さて,今回の改訂にあたっては,第2版の内容を全面的に見直しましたが,第2版の序文(ご参照下さい)の(1)から(5)までは踏襲いたしました.
 (2)執筆陣は第2版と同じく臨床検査技師教育施設,大学病院および臨地実習病院の第一線の先生方に参画していただくとともに今版から新たに6名の先生方に加わっていただきました.
 (3)また,過去3年間の国家試験出題内容も参考に内容の見直しを行い, とくに,「病理検査」および「輸血検査」の大部分を新たに書き直しました.
 (4)また本書では,臨地実習科目以外に「臨床検査医学総論」「医用工学」「情報科学」「公衆衛生学」「関係法規」についても取り上げ重要項目を記載しておりますが,第3版ではこのうち「医用工学」「公衆衛生学」「関係法規」の全体を書き直しました.
 (5)今回の改訂によってさらに内容のある使いやすいマニュアル書になったと思います.学生諸君はじめ教育指導にあたられる諸先生方に微力ながらお役に立てれば幸甚です.
 (6)今版も発行にあたり多くの方々にご協力をいただきました.厚く御礼申し上げます.多くの読者諸氏の忌憚のないご意見を賜れば幸いでございます.
2006年4月
編者一同
▲Ver.1-0の序
 本書は,臨床検査技師を目指す学生が,(1)臨地実習に出たとき,(2)いつもポケットに携帯し,(3)必要に応じて取り出してチェック,確認しながら実習内容をより充実したものにするのに役立てるものです.かつ,(4)実習指導者,先生,先輩,から聞いた重要なことがらをメモ欄に記録して自分の実習マニュアルを完成させる「自主制作型実習マニュアル書」を意図したものです.
 新カリキュラムでは,(5)臨地実習の多様化と充実を目途としており,何をどう効率よく実習して身につけるかが,学校,病院,および,検査関連施設の実習の場で重要な課題となっています.
 そこで本書は,執筆するにあたって,(6)最初に,実習施設でどのような項目が,どの位の期間で,どのように行われているかを,数十カ所調査しました.(7)次に,現在実習を行っている学生,および,卒後3年,5年,10年目で,第一線で活躍している臨床検査技師の方々に,臨地実習で何が重要かについてアンケート調査にご協力を頂きました.
 これらをベースに,(8)臨床検査技師学校教員,病院等の実習施設の第一線指導者らが執筆した最新の「臨床検査臨地実習マニュアル書」です.
 また,本書は,(9)臨床検査技師国家試験を意識し,臨地実習科目以外に,臨床病理学総論,医用工学概論,情報科学概論,公衆衛生学,関係法規についても,この時期に知っておくべき重要項目を記載しました.
 (10)これから臨地実習に出ようとしている学生諸君はじめ,教育指導にあたられる諸先生方にも微力ながらお役に立てればこれに優る喜びはありません.
 (11)発行にあたり,多くの方々にご協力を頂きましたことを心より感謝いたします.
 また,多くの読者諸氏の忌憚のないご意見,ご叱正を賜れば幸いに存じます.
2000年春
編者
▲第2版の序
 本書は,2000年4月からスタートした臨床検査技師教育の大綱化に基づいた新カリキュラムによる教育,その中でも,臨地実習7単位(315時間以上)の必須化にあわせた参考書として同時期に発行されたものでありますが,
 (1)2002年7月に発表された,臨床検査技師国家試験出題基準(いわゆる国試ガイドライン)に対応して内容を全面検討いたしました.
 (2)新規執筆陣に教育施設および臨地実習施設の指導者10人に加わっていただいて,全般的に改訂を行いました.
 (3)改訂にあたっては,第1版(Ver.1-0)の序文(ご参照下さい)(1)から(6)までを踏襲いたしました.
 (4)実際に使用した学生や臨地実習施設の指導者の方々にアンケート調査にご協力いただきまして,改訂の要・不要,新規追加項目,使いやすさなどのご意見を取り込む作業を行いました.
 (5)目次の教科科目名は,国試ガイドラインおよび教育・臨地実習施設の実態にそって若干変更いたしました.
 (6)この小さなマニュアル書は,臨床検査技師教育施設校16校,大学病院および臨地実習病院13施設,総勢40人の執筆者からなる,内容の凝縮した書籍ではないかと自負しております.
 (7)また,約50頁,第1版より増頁になりましたが,本の厚さは逆に第1版より5mmうすくし,白衣の胸のポケットに入るよう工夫いたしました.
 (8)これから臨地実習に出ようとしている学生諸君はじめ,教育指導にあたられる諸先生方に微力ながらお役にたてればさいわいです.
 (9)今版も発行に当たりまして多くの方々にご協力をいただきました.衷心よりお礼申し上げます.
 ◎そして,多くの読者諸氏の忌憚のないご意見を賜れば幸いです.
2003年1月
編者
 第3版の序
 Ver.1-0の序
 第2版の序
 著者一覧
 前見返し(臨地実習心得10ヵ条,他)
 後見返し(元素の周期表,他)
1.臨床検査医学総論
  循環器疾患
  呼吸器疾患
  消化器疾患
  肝・胆・膵疾患
  血液・造血器疾患
  内分泌疾患
  泌尿器疾患
  神経・筋疾患
  感染症
  アレルギー・膠病原・免疫疾患
  悪性腫瘍
  代謝・栄養障害
  基準値・基準範囲
2.生理機能検査
 《循環機能》
  心電図検査準備
  心電図検査
  心音図
  脈波
 《神経・筋機能》
  脳波
  誘発電位
  筋電図
  誘発筋電図
 《呼吸機能》
  呼吸
  血液ガス
  基礎代謝
 《感覚機能》
  平衡機能検査
  眼底検査
  その他
 《画像診断》
  超音波
  乳房の超音波検査
  甲状腺の超音波検査
  頸動脈の超音波検査
  磁気共鳴画像検査
  熱画像検査
3.臨床検査総論
 《尿》
  尿の生成と一般的性状
  尿保存法
  試験紙による尿検査
  尿の化学検査
  腎機能検査
  尿沈渣
 《便》
  糞便検査
  寄生虫検査
  潜血反応
  胆汁成分
  ヨードでんぷん反応
  脂肪染色
 《精液》
  精液検査
 《髄液》
  髄液検査
  化学的検査
 《その他》
  穿刺液検査
  喀痰検査
  胃液検査
  採血
4.臨床化学検査
 《無機質》
  ナトリウム,カリウム
  クロール
  カルシウム
  無機リン
  マグネシウム
  鉄
  銅
 《糖質》
  血糖
  乳酸,ピルビン酸
  ヘモグロビンA↓1c↓
 《脂質》
  脂質
  総コレステロール
  HDL-コレステロール
  トリグリセリド
  リン脂質
  遊離脂肪酸
 《非蛋白性窒素成分》
  非蛋白性窒素成分
  尿素窒素
  クレアチニン
  尿酸
  アンモニア
  ビリルビン
 《蛋白質》
  血清総蛋白
  血清アルブミン
  アルブミン/グロブリン比
  血清蛋白分画
 《酵素》
  アルカリ性ホスファターゼ
  酸性ホスファターゼ
  コリンエステラーゼ
  アミラーゼおよびアイソザイム
  クレアチンキナーゼ
  γ-グルタミルトランスペプチダーゼ
  乳酸脱水素酵素
  ロイシンアミノペプチダーゼ
  トランスアミナーゼ
  リパーゼ
  LDアイソザイム
  ALPアイソザイム
  CKアイソザイム
 《ホルモン》
  主要ホルモン
 《血中薬物》
  血中薬物濃度検査
 《その他》
  血液ガス
  血漿浸透圧
  生体機能検査
5.検査管理総論
 《誤差》
  正確さと精密さ
  誤差の分類
  誤差の許容限界
 《精度管理法》
  内部精度管理
  外部精度管理法
  《検査法の評価》
  技術的評価
  検査法の比較評価
  検査法の感度と特異度
  カットオフ値
  ROC曲線
 《感染性(医療)廃棄物》
  感染性(医療)廃棄物
 《基礎実習》
  ピペット検定
  吸光光度法の基礎と分光光度計
  酵素反応分析法と酵素法
 《用手法》
  試薬を調製して用手法での実習
 《検査の標準化》
  検査の標準化と測定体系
6.病理検査
 《病理組織学的検査》
  病理組織学的検査の意義
  病理組織検査
  臓器組織の固定
 《病理解剖》
 《固定法》
 《脱脂法,脱灰法》
 《包埋法》
  パラフィン包埋
 《薄切法》
  パラフィンブロックの薄切
  ミクロトームについて
 《凍結切片》
 《電子顕微鏡検査》
 《分子病理学》
 《免疫組織化学染色》
 《一般染色》
  HE染色
 《結合組織染色》
  アザン染色法
  マッソン・トリクローム染色法
  エラスチカ・ワンギーソン染色法
  ビクトリア青染色法
  細網線維染色法(渡辺の鍍銀法)
 《糖質(グリコーゲン,糖蛋白,プロテグリカン)染色》
  アルシアン青染色法
  PAS反応(染色法)
 《核酸染色》
  フォイルゲン反応
  メチル緑・ピロニン染色法
 《無機物の染色》
  コッサ反応(染色法)
  ベルリン青染色法
 《生体内色素の染色》
  フォンタナ・マッソン染色法
 《組織内病原体の染色》
  細菌染色法
  真菌:グロコット染色法
  ウイルス:オルセイン染色法
 《腎臓の染色》
  PAM染色法
  マッソン・トリクローム染色法
 《神経組織の染色》
  クリューバー・バレラ染色法
  ボディアン染色法
 《アミロイドの染色》
  コンゴー赤染色法
 《内分泌細胞の染色》
  グリメリウス染色法
  フォンタナ・マッソン染色法
 《脂肪染色》
  ズダンIII染色・ズダン黒B・オイル赤O染色法
  ナイル青染色法
 《横紋筋の染色》
  PTAH染色
 《ヘリコバクター・ピロリの染色》
  ギムザ染色
  酵素抗体法
 《細胞診》
  細胞診の意義
  細胞診の目的
  細胞診検査法
  術中細胞診
 《各種検体処理法》
  集細胞法
  細胞塗抹法
  固定法
 《細胞診の染色》
  パパニコロウ染色法
  ギムザ染色法
  その他特殊染色の目的
 《細胞診と組織診の違い》
 《標本の見方》
  鏡検(標本観察)上,熟知し留意すべき点
  異型度判定
  異型度の記載法
 《鏡検の実際》
  悪性度判定のための核所見
  診断に有用な特徴的核所見
  悪性度判定のための細胞質所見
  診断に有用な特徴的細胞質所見
  細胞質内顆粒
  細胞質内あるいは背景にみられる物質
  脂質を有する腫瘍
  砂粒小体(石灰化小体)を伴う腫瘍
  特徴的な細胞所見とその病変
  特徴的な細胞配列と集塊像
  特徴的な背景
7.微生物検査
  染色法
  培地の種類と作製
  培養方法
  鑑別・同定検査
  滅菌と消毒
  微生物検査
  材料別検査の進め方
   尿 /便 /喀痰 /咽頭粘液,鼻腔,扁桃 /血液 /髄液 /膿,分泌液,穿刺液
  一般細菌の同定
  薬剤感受性検査法
  薬剤耐性菌の検出
  抗酸菌検査
  真菌検査
  その他の検査
8.免疫・輸血検査
 《自動分析機》
  試験管内抗原抗体反応と応用例
  血清の取り扱い方法
  免疫化学的分析
 《感染症》
  梅毒
  細菌感染症
  ウイルス・マイコプラズマ感染症
 《アレルギー》
 《自己抗体》
  自己免疫疾患
 《腫瘍関連抗原(腫瘍マーカー)》
 《血漿蛋白・他》
  急性期反応物質
  液性免疫
  IgGの基本構造
 《補体》
 《細胞性免疫検査》
 《内分泌(免疫化学的検査法)》
 《輸血検査》
9.血液検査
 《採血》
  採血法と抗凝固剤
 《細胞数》
  赤血球・白血球・好酸球数
  好塩基球数
  網赤血球数
 《血算一式》
  ヘモグロビン濃度
  ヘマトクリット値
 《普通染色》
 《特殊染色》
 《血液像》
  末梢血液像
  赤血球形態異常
  白血球形態異常
  血小板形態異常
  骨髄像
  FAB分類
 《血小板》
  血小板数
  血小板粘着能
  血小板凝集能
  血小板第3因子能
  血餅収縮能
  毛細血管抵抗試験
  出血時間
 《凝固線溶/凝固系の検査》
  プロトロンビン時間
  活性化部分トロンボプラスチン時間
  トロンビン時間
  フィブリノゲン測定
  血漿カルシウム再加凝固時間
  第XIII因子量
  因子欠乏の同定
  トロンボエラストグラフ
  PIVKA
 《凝固線溶/線溶系の検査》
  ユーグロブリン溶解時間
  プラスミノゲン
 《凝固線溶/凝固・線溶系亢進のマーカー》
  トロンビン・アンチトロンビンIII複合体
  可溶性フィブリンモノマー複合体
  フィブリン分解産物
  プラスミン・プラスミンインヒビター複合体
 《凝固線溶/凝固・線溶系の阻止因子》
  アンチトロンビン
  プロテインC
   プラスミンインヒビター
 《自動分析機》
  自動血球計数機
  網赤血球自動計数器
  自動凝固機器
  自動塗抹標本作製機器
  自動白血球分類装置
 《その他》
  染色体分析
  FISH法
  貪食能と殺菌能検査
  赤血球抵抗試験
  LE細胞試験
  骨髄検査
  表面マーカー(フローサイトメトリー)
  血液・造血器腫瘍細胞抗原分析
10.医用工学
  電気に関する法則など
  受動素子
  能動素子
  増幅器
  濾波回路(フィルター回路)
  電源回路
  マルチバイブレーター
  トランジューサー(変換器)
  電気的安全対策
11.情報科学
  情報科学の概念
  情報処理
  演算子の種類
  基本動作方式
  基本構成
  ソフトウエア
  ネットワークトポロジ
  ネットワークの規模
  通信プロトコル
  インターネットでできること
  セキュリティ
  バッチ処理
  リアルタイム処理
  タイムシェアリングシステム
  オンライン処理
  病院情報システムを構成するサブシステム
  地域医療情報システム
12.公衆衛生学
  公衆衛生学の意義
  人口統計と健康水準
  疫学
  環境と健康
  健康の保持増進
  衛生行政
  国際保健
  臨地実習見学実習施設
13.関係法規
  臨床検査技師等に関する法律
  医事法規
  薬事法規
  保健衛生法規
  予防衛生法規
  環境衛生法規
  労働衛生法規

付表
  内分泌腺とその機能
  生化学的検査
  血液学的検査
  髄液検査
  免疫学的検査

 和文索引
 欧文索引