第2版の序
本書の初版は2007年に発行された.当時は2004年に精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいて「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本方針が掲げられ,グランドデザイン案の発表に続いて2006年に障害者自立支援法が施行され,精神保健医療福祉の制度改革が動き出した直後であった.精神医療体制の再編が始まり,現場では救急・急性期医療システムの整備や病床の機能分化が促進され,入院患者の早期退院,長期在院者の退院促進,地域移行支援などがより一層強く求められるようになった頃である.
本書は,このような時代の要請に応じられるよう,「今,そしてこれから作業療法がなすべきことは何か」という視点から,急性期の作業療法,長期在院者の退院促進,地域生活支援などに焦点を絞って構成した.このため精神保健領域の作業療法を網羅するテキストとしては十分とはいえず,既存のテキストを補完するサブテキスト,または現場で実践する臨床家のための実践書を意識して編集した.ところが,意に反してというか,幸いというべきか,本書は多くの養成校でテキストとして使用され,7年間に5刷を重ねることとなった.
この7年間に精神科病院の退院促進はどの程度進んだであろうか?精神科病院に勤務する作業療法士は退院前訪問指導や訪問看護にどの程度かかわっているだろうか?地域で生活支援を実践する作業療法士はどの程度増えたであろうか?地域精神保健はどの程度充実したであろうか?一部には先駆的な取組みも報告されてはいるが,全体としてはグランドデザイン案に示された目標は達成されていない.2009年の「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」報告書では,精神保健医療体系の再構築,精神医療の質の向上,地域生活支援体制の強化,国民の理解の深化が改めて求められ,2013年には地域福祉を促進する「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」が施行されることとなった.本書の役割はまだまだ終わっているとはいえない.
改訂第2版においてもサブテキストまたは臨床家のための実践書としての位置づけは踏襲されている.第1章「精神保健医療福祉の動向と作業療法士の役割」では最新の情報を追加し,作業療法士の課題を整理した.近年,統合失調症やうつ病の認知機能障害が重要視されており,第2章「作業療法実践の基本的視点」では第4節に「認知行動の変容に向けた支援」を新設した.第3章の「急性期作業療法の考え方と実際」では,新たに第1節に「早期介入の考え方」を示し,第4節の「回復状態の評価指標」に統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)と統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J),臺式簡易客観的精神指標検査(UBOM)を追加し,実践例を紹介した.第4章では「退院支援の考え方と実際」を詳解し,第5章の「地域生活支援のあり方と実際」では,作業療法士にとって直近の課題である訪問支援と就労支援をとりあげ,第6節「訪問による支援の実際」と第7節「就労支援の実際」に詳述した.特に就労支援については,作業療法士の活躍が強く求められている領域であり,医療者,事業者,ジョブコーチの立場から参考事例を提示した.第6章の「作業療法士が遭遇することの多い疾患の知識と対応の基本」は疾患別に作業療法のあり方を示した章であり,すべての節で実践例を紹介した.第1節の「気分障害」では,最近増加傾向が指摘されている「双極性障害」をとりあげ,また,第2節では,現在「初期集中支援チーム」への対応が求められている「認知症」を新設した.また,初版では「その他の精神障害」として掲載した神経症圏の疾患と依存症は,第5節「神経症性障害」と第7節「物質依存性障害」に分けてそれぞれ内容を充実させた.「高機能広汎性発達障害―アスペルガー症候群を中心に―」と「ADHD(注意欠陥/多動性障害)」を第4節「広汎性発達障害」にまとめた.なお,疾患名については,2013年に米国でDSM-5が発表されたが,日本語版は2014年2月時点において未刊であり,DSM-IV-TRによる分類を踏襲した.
今後,精神障害をもつ人たちへのリハビリテーションサービスは,欧米のリハビリテーションシステムにみられるように,入院医療は早期リハビリテーションが中心となり,多くは地域で生活を支える包括型支援へと移行していくであろう.その時に作業療法士はどこにいてどのような役割を果たせるだろうか.本書が,新しい時代の作業療法実践の道標として役立つことを切に期待している.
辛抱強く支えていただいた医歯薬出版株式会社の編集部に感謝申し上げます.
2014年2月
編者:香山明美
小林正義
鶴見隆彦
初版の序
わが国に作業療法士が誕生して40年の時が過ぎた.近年,養成施設の増加によって作業療法士数は急増しており,2006年12月現在,(社)日本作業療法士協会の会員数は29,000名を超え,そのうち精神障害領域で働く作業療法士は4,000名を数えるに至っている.
作業療法の現場も大きく様変わりしてきている.編者らが作業療法士になりたての1980年代は,病院環境や対象者の処遇といった,作業療法実践以前の課題が大きく立ちはだかっていた.新参者の作業療法士には情報を整理する能力や新たな方策を提案する力はなく,たじろぐばかりであった.また,生活療法という歴史の大きな遺産は良きにつけ悪しきにつけ,若い作業療法士たちを翻弄した.早い時期からの地域生活支援もまた,手探りでの実践であった.未熟ではあったが,ただひたすら「対象者のために」と願って現場を変える努力を続けてきた.
今,日本の精神保健医療福祉は大きな転換期を迎えている.2004年,厚生労働省は精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいて「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本方針を打ち出し,改革のグランドデザイン案を公表した.2005年の障害者自立支援法には,これらを具体化するためのさまざまな地域生活支援事業が盛り込まれた.そして医療のなかでは,精神科救急医療システムの整備と病床の機能分化が進み,早期リハビリテーション,退院促進と地域生活への移行支援などが,これまで以上に強く求められるようになった.
本書は,こうした精神保健医療福祉の改革という時代の要請に応えるため,第1章において精神保健医療福祉の動向を総括し,「今,そしてこれから作業療法がなすべきことは何か」という視点から,早期リハビリテーションへの貢献と長期入院者の退院支援,地域生活支援に焦点を絞って構成した.
執筆にあたっては,「作業療法実践の基本的視点」(第2章)に立ち返り,「その人らしさ」を保障する「個」を尊重することの意味を問い直し,精神障害をもつ人たちへの生活支援をどのように進めたらよいのか,という問いに答えるよう,最新の情報を盛り込むとともに,できるかぎり実践的な記述を多く取り入れるよう心がけた.このため本書では,第3章「急性期作業療法の考え方と実際」,第4章「退院支援の考え方と実際」,第5章「地域支援のあり方と実際」に多くのページを割いている.これらの章は,主に統合失調症に対する作業療法を想定して記述されているが,臨床ではさまざまな疾患への対応が求められおり,第6章では,「作業療法士が遭遇することの多い疾患の知識と対応の基本」として,うつ病,人格障害,高機能広汎性発達障害,ADHD,摂食障害,その他の精神障害に対する作業療法についての概要を説明した.このため本書は,基礎教育におけるこれまでの精神障害の作業療法テキストを補完すると同時に,現場で活躍する臨床家のための最新の実践書としての性質を併せもっている.
今後,精神障害をもつ人たちへのリハビリテーションサービスは,欧米のリハビリテーションシステムにみられるように,徐々に医療中心から地域生活を支える包括型支援へと移行していくであろう.そのなかで作業療法士はどのような役割を果たせるか.本書が,新しい時代の作業療法実践の道標として役立つことを切に期待している.
異なる臨床現場をもちながら実践してきた三人の編者が20数年経って,今までの実践とこれからの作業療法を語り合ったとき,根幹にある同じ思いを確認した.この共感した思いが本書の出版という形となって結実した.はじめは2006年の第40回日本作業療法学会の書籍販売コーナーで手にとってもらえるよう意気込んでいたが,日常の業務に追われ,ようやく編集作業を終えたころには新年を迎えていた.辛抱強く支えていただいた医歯薬出版株式会社の米原秀明氏に感謝申し上げたい.
2007年1月
編者:香山明美
小林正義
鶴見隆彦
本書の初版は2007年に発行された.当時は2004年に精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいて「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本方針が掲げられ,グランドデザイン案の発表に続いて2006年に障害者自立支援法が施行され,精神保健医療福祉の制度改革が動き出した直後であった.精神医療体制の再編が始まり,現場では救急・急性期医療システムの整備や病床の機能分化が促進され,入院患者の早期退院,長期在院者の退院促進,地域移行支援などがより一層強く求められるようになった頃である.
本書は,このような時代の要請に応じられるよう,「今,そしてこれから作業療法がなすべきことは何か」という視点から,急性期の作業療法,長期在院者の退院促進,地域生活支援などに焦点を絞って構成した.このため精神保健領域の作業療法を網羅するテキストとしては十分とはいえず,既存のテキストを補完するサブテキスト,または現場で実践する臨床家のための実践書を意識して編集した.ところが,意に反してというか,幸いというべきか,本書は多くの養成校でテキストとして使用され,7年間に5刷を重ねることとなった.
この7年間に精神科病院の退院促進はどの程度進んだであろうか?精神科病院に勤務する作業療法士は退院前訪問指導や訪問看護にどの程度かかわっているだろうか?地域で生活支援を実践する作業療法士はどの程度増えたであろうか?地域精神保健はどの程度充実したであろうか?一部には先駆的な取組みも報告されてはいるが,全体としてはグランドデザイン案に示された目標は達成されていない.2009年の「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」報告書では,精神保健医療体系の再構築,精神医療の質の向上,地域生活支援体制の強化,国民の理解の深化が改めて求められ,2013年には地域福祉を促進する「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」が施行されることとなった.本書の役割はまだまだ終わっているとはいえない.
改訂第2版においてもサブテキストまたは臨床家のための実践書としての位置づけは踏襲されている.第1章「精神保健医療福祉の動向と作業療法士の役割」では最新の情報を追加し,作業療法士の課題を整理した.近年,統合失調症やうつ病の認知機能障害が重要視されており,第2章「作業療法実践の基本的視点」では第4節に「認知行動の変容に向けた支援」を新設した.第3章の「急性期作業療法の考え方と実際」では,新たに第1節に「早期介入の考え方」を示し,第4節の「回復状態の評価指標」に統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)と統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J),臺式簡易客観的精神指標検査(UBOM)を追加し,実践例を紹介した.第4章では「退院支援の考え方と実際」を詳解し,第5章の「地域生活支援のあり方と実際」では,作業療法士にとって直近の課題である訪問支援と就労支援をとりあげ,第6節「訪問による支援の実際」と第7節「就労支援の実際」に詳述した.特に就労支援については,作業療法士の活躍が強く求められている領域であり,医療者,事業者,ジョブコーチの立場から参考事例を提示した.第6章の「作業療法士が遭遇することの多い疾患の知識と対応の基本」は疾患別に作業療法のあり方を示した章であり,すべての節で実践例を紹介した.第1節の「気分障害」では,最近増加傾向が指摘されている「双極性障害」をとりあげ,また,第2節では,現在「初期集中支援チーム」への対応が求められている「認知症」を新設した.また,初版では「その他の精神障害」として掲載した神経症圏の疾患と依存症は,第5節「神経症性障害」と第7節「物質依存性障害」に分けてそれぞれ内容を充実させた.「高機能広汎性発達障害―アスペルガー症候群を中心に―」と「ADHD(注意欠陥/多動性障害)」を第4節「広汎性発達障害」にまとめた.なお,疾患名については,2013年に米国でDSM-5が発表されたが,日本語版は2014年2月時点において未刊であり,DSM-IV-TRによる分類を踏襲した.
今後,精神障害をもつ人たちへのリハビリテーションサービスは,欧米のリハビリテーションシステムにみられるように,入院医療は早期リハビリテーションが中心となり,多くは地域で生活を支える包括型支援へと移行していくであろう.その時に作業療法士はどこにいてどのような役割を果たせるだろうか.本書が,新しい時代の作業療法実践の道標として役立つことを切に期待している.
辛抱強く支えていただいた医歯薬出版株式会社の編集部に感謝申し上げます.
2014年2月
編者:香山明美
小林正義
鶴見隆彦
初版の序
わが国に作業療法士が誕生して40年の時が過ぎた.近年,養成施設の増加によって作業療法士数は急増しており,2006年12月現在,(社)日本作業療法士協会の会員数は29,000名を超え,そのうち精神障害領域で働く作業療法士は4,000名を数えるに至っている.
作業療法の現場も大きく様変わりしてきている.編者らが作業療法士になりたての1980年代は,病院環境や対象者の処遇といった,作業療法実践以前の課題が大きく立ちはだかっていた.新参者の作業療法士には情報を整理する能力や新たな方策を提案する力はなく,たじろぐばかりであった.また,生活療法という歴史の大きな遺産は良きにつけ悪しきにつけ,若い作業療法士たちを翻弄した.早い時期からの地域生活支援もまた,手探りでの実践であった.未熟ではあったが,ただひたすら「対象者のために」と願って現場を変える努力を続けてきた.
今,日本の精神保健医療福祉は大きな転換期を迎えている.2004年,厚生労働省は精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいて「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本方針を打ち出し,改革のグランドデザイン案を公表した.2005年の障害者自立支援法には,これらを具体化するためのさまざまな地域生活支援事業が盛り込まれた.そして医療のなかでは,精神科救急医療システムの整備と病床の機能分化が進み,早期リハビリテーション,退院促進と地域生活への移行支援などが,これまで以上に強く求められるようになった.
本書は,こうした精神保健医療福祉の改革という時代の要請に応えるため,第1章において精神保健医療福祉の動向を総括し,「今,そしてこれから作業療法がなすべきことは何か」という視点から,早期リハビリテーションへの貢献と長期入院者の退院支援,地域生活支援に焦点を絞って構成した.
執筆にあたっては,「作業療法実践の基本的視点」(第2章)に立ち返り,「その人らしさ」を保障する「個」を尊重することの意味を問い直し,精神障害をもつ人たちへの生活支援をどのように進めたらよいのか,という問いに答えるよう,最新の情報を盛り込むとともに,できるかぎり実践的な記述を多く取り入れるよう心がけた.このため本書では,第3章「急性期作業療法の考え方と実際」,第4章「退院支援の考え方と実際」,第5章「地域支援のあり方と実際」に多くのページを割いている.これらの章は,主に統合失調症に対する作業療法を想定して記述されているが,臨床ではさまざまな疾患への対応が求められおり,第6章では,「作業療法士が遭遇することの多い疾患の知識と対応の基本」として,うつ病,人格障害,高機能広汎性発達障害,ADHD,摂食障害,その他の精神障害に対する作業療法についての概要を説明した.このため本書は,基礎教育におけるこれまでの精神障害の作業療法テキストを補完すると同時に,現場で活躍する臨床家のための最新の実践書としての性質を併せもっている.
今後,精神障害をもつ人たちへのリハビリテーションサービスは,欧米のリハビリテーションシステムにみられるように,徐々に医療中心から地域生活を支える包括型支援へと移行していくであろう.そのなかで作業療法士はどのような役割を果たせるか.本書が,新しい時代の作業療法実践の道標として役立つことを切に期待している.
異なる臨床現場をもちながら実践してきた三人の編者が20数年経って,今までの実践とこれからの作業療法を語り合ったとき,根幹にある同じ思いを確認した.この共感した思いが本書の出版という形となって結実した.はじめは2006年の第40回日本作業療法学会の書籍販売コーナーで手にとってもらえるよう意気込んでいたが,日常の業務に追われ,ようやく編集作業を終えたころには新年を迎えていた.辛抱強く支えていただいた医歯薬出版株式会社の米原秀明氏に感謝申し上げたい.
2007年1月
編者:香山明美
小林正義
鶴見隆彦
第2版の序
初版の序
第1章 精神保健医療福祉の動向と作業療法士の役割
第1節 精神保健医療福祉の動向(執筆:山根 寛)
1.わが国の精神保健医療福祉の歩み
1)明治初期まで 2)明治初期から終戦まで 3)精神保健法成立まで
4)精神保健法成立以後
2.精神保健医療福祉施策制度
1)精神保健医療福祉の改革 2)障害者の自立支援に関する法 3)心神喪失者等医療観察法
第2節 早期退院・退院支援と地域生活支援(執筆:山根 寛)
1.脱施設化に向けて
1)精神科救急医療システム 2)病床の機能分化と早期リハビリテーション体制
3)在院長期化防止・退院促進システム 4)包括型生活支援システム
5)質の高い入院療養システム
2.地域生活支援に向けて
1)住居と基本的な生活の維持 2)活動の場と就労の援助
第3節 作業療法士の役割と課題(執筆:山根 寛)
1.医療領域において
1)急性期・早期作業療法の確立 2)ニューロングステイの防止
3)長期在院者への対処 4)回復期作業療法の整備
2.保健福祉領域において
1)基本的な生活の支援 2)活動・働くことの支援 3)生活を豊かにすることの支援
3.心神喪失者等医療観察法に関して
近年のトピックス(執筆:香山明美)
第2章 作業療法実践の基本的視点
第1節 その人らしい生活を支援する視点(執筆:香山明美)
1.その人らしさとは何か
2.その人らしさを見出すために必要な支援
3.その人らしい生活を支援する
第2節 個別性と主体性(執筆:小林正義)
1.主観的体験への配慮
1)個別作業療法と集団作業療法 2)個別性の重視 3)主観的体験への配慮
4)自己価値について
2.主体性の確保
1)主体性の低下:対象者と専門家の「内なる偏見」 2)回復モデルにもとづく作業療法実践
第3節 疾病とその回復過程(執筆:香山明美)
1.回復過程と作業療法の視点
1)前駆期(前兆期) 2)要安静期 3)亜急性期 4)回復期前期
5)回復期後期
2.回復過程の理解を他職種と共有する視点
第4節 認知行動の変容に向けた支援
1.認知行動療法(執筆:小林正義)
1)基本モデル 2)基本的技法 3)統合失調症への配慮
2.統合失調症の認知機能障害(執筆:小林正義)
1)神経認知 2)認知矯正療法 3)社会認知
4)SCIT−社会認知ならびに対人関係のトレーニング
3.作業療法と認知行動療法(執筆:小林正義)
事例1(執筆:小林正義)
事例2(執筆:小林正義)
事例3(執筆:河埜康二郎)
事例4(執筆:香山明美)
事例5(執筆:香山明美)
第5節 地域生活支援の視点(執筆:鶴見隆彦)
1.精神障害の特性と地域生活
2.地域生活支援における「生活モデル」
3.地域生活支援における主体は本人
4.地域生活支援では健康な面に視点を
5.「本人の回復」する力を信頼する
6.段階論からplace-then-trainへ
7.地域生活支援における連携の重要性
第3章 急性期作業療法の考え方と実際
第1節 早期介入の考え方(執筆:香山明美)
1.早期介入の発展
2.早期精神病の概念
3.精神病未治療期間
4.臨界期仮説
5.早期介入の取り組み
1)オーストラリアにおける実践 2)わが国の実践
6.早期介入プログラムの実際
1)学校への精神保健啓発およびコンサルテーション活動
2)初回エピソード精神病に対する積極的介入 3)早期心理教育プログラムの実際
4)再発防止プログラムの実際
7.早期介入における作業療法士の役割
第2節 急性期の状態像の理解(執筆:小林正義)
1.統合失調症の発症と回復過程
2.亜急性期の状態像
第3節 急性期の作業療法(執筆:小林正義)
1.導入時面接のコツ
1)作業療法の目的 2)作業療法の開始 3)導入時面接のコツ
2.評価のポイントと留意点
1)導入時の情報収集 2)情報収集面接のコツ 3)面接の場の構造
4)作業療法導入後の評価
3.基本的なプログラム
1)病棟内フリー活動 2)簡単な身体運動プログラム
3)パラレルな場を利用した個別作業療法 4)早期心理教育
第4節 回復状態の評価指標
1.統合失調症の回復指標(執筆:小林正義)
2.疲労の回復モデル(執筆:小林正義)
3.主観的体験と行動の広がりの評価−ISDA・SMSF(執筆:小林正義)
1)入院生活チェックリスト(ISDA Ver.2)
事例1
2)気分と疲労のチェックリスト(SMSF Ver.2)
事例2
4.統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)と統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J)(執筆:兼田康宏)
事例3(執筆:島田 岳)
事例4(執筆:島田 岳)
事例5(執筆:香山明美)
5.臺式簡易客観的精神指標検査(UBOM)(執筆:臺 弘・吉田久美・後藤大介・藤本 聡・矢部博興・丹羽真一)
1)臺式簡易客観的精神指標(UBOM)とは 2)検査の実際
事例6
6.クリティカルパスの利用(執筆:香山明美)
1)クリティカルパスの歴史 2)クリティカルパスの定義
3)急性期治療指針と急性期クリティカルパス
4)利用者への説明 5)クリティカルパスのよさを知って利用する
第5節 急性期の心理教育(執筆:香山明美)
1.急性期における主観的体験の重要性
2.早期心理教育プログラムの実際
1)開始の時期 2)進め方 3)運営方法
第6節 急性期における家族支援(執筆:香山明美)
1.急性期における家族状況
2.家族支援のポイント
1)疲弊・混乱への対応 2)疾病教育 3)希望を見出す
3.家族教室の進め方
4.ケア会議への家族の参加
5.急性期における家族支援の留意点
第7節 急性期の連携のポイント(執筆:香山明美)
1.連携の基盤
2.作業療法士にとっての連携の実際
1)対象者の情報を毎日入手する 2)ケースカンファレンス・ケア会議に参加する
3)作業療法プログラム前後の病棟スタッフと情報を共有する
4)作業療法実施報告書はタイムリーに
5)作業療法における目標設定は本人・家族・関係スタッフで共有する
6)多職種連携プログラムの運営 7)退院前訪問
8)地域スタッフとの連携は急性期から
3.急性期における連携のポイント
第4章 退院支援の考え方と実際
第1節 回復期・維持期の状態像(執筆:香山明美)
1.回復期
1)病状としての課題 2)環境としての課題
2.維持期の対象者の状況を理解する視点
1)心理的側面 2)社会生活能力の側面 3)脳機能の側面
4)本人を取り巻く環境的側面
第2節 退院支援の基本的な考え方とアプローチの留意点(執筆:香山明美)
1.退院に向けたケアマネジメント
1)ケアマネジメントとは 2)ケアマネジメントの流れ
3)退院支援とケアマネジメント 4)退院促進に向けた組織づくり
5)退院支援プログラムとケアマネジメント
2.退院支援プログラムの実際
1)プログラムを組み立てる基本 2)プログラムの運営方法
事例1
3.他職種・他機関との連携
1)連携とは何か 2)他職種・他機関との連携のポイント
3)連携を確かなものにするために
4.ケア会議の実際
1)ケア会議の重要ポイント 2)ケア会議の具体例
事例2
5.社会資源の利用
第3節 退院促進と退院支援の実際(執筆:香山明美)
1.短期入院患者の退院支援:3か月以内
事例1
2.長期入院患者の退院支援
1)比較的モチベーションがつきやすい例
事例2
2)重度の例
事例3
第4節 退院支援における家族支援(執筆:香山明美)
第5節 心神喪失者等医療観察法とその治療と退院に向けた支援(執筆:鶴見隆彦)
1.心神喪失者等医療観察法の経緯
2.司法精神科医療と医療観察法
3.医療観察制度の概要
4.鑑定入院と作業療法
1)鑑定入院とその目的 2)鑑定入院と作業療法の展開
3)指定入院医療機関と作業療法の展開
第5章 地域生活支援のあり方と実際
第1節 地域生活支援における再発予防のためのかかわり方(執筆:鶴見隆彦)
1.地域生活支援の基本的考え方
2.地域生活における再発と回復
3.再発への対処モデルである生物─心理─社会モデル
4.再発予防のための対処行動の共有
5.再発予防への介入
第2節 地域におけるケアマネジメントの展開(執筆:鶴見隆彦)
1.ケアマネジメントの歴史
2.ケアマネジメントとは
1)障害者ケアマネジメントの定義 2)ケアマネジメント実施機関と資格
3.ケアマネジメントの基本的姿勢
4.ケアマネジメントの過程と実際
1)ケアマネジメントの過程 2)ケアマネジメントの実際 3)ケア会議
第3節 地域生活支援における連携のポイント(執筆:鶴見隆彦)
1.連携を妨げる要因
2.地域スタッフの資質と養成
3.連携のポイント
第4節 外来作業療法における支援の実際(執筆:小林正義)
1.外来作業療法の対象
2.外来作業療法の目的
3.導入時の留意点
4.生活調査・アセスメント
5.外来作業療法の実践
6.心理教育的配慮
1)睡眠の確保 2)服薬管理 3)自己管理 4)自己価値と自尊心
第5節 デイケアにおける支援の実際(執筆:鶴見隆彦)
1.デイケアの概要
2.地域生活支援からみたデイケアの目的と位置づけ
3.デイケアでの心理教育の必要性と治療構造
4.デイケアでの心理教育プログラムの編成
5.心理教育プログラムの実際
6.コーディネーター役としてのデイケア
第6節 訪問による支援の実際(執筆:香田真希子・香山明美)
1.訪問支援の実際
1)目的 2)意義〜入院環境の限界と入院から地域へのスムーズな移行〜
3)基本理念 4)訪問による生活支援プロセス207 5)スタッフの技量
2.ACTの可能性
1)ACTとは−その歴史的背景 2)ACTが大切にしている考え方(概念)
3)ACTの特徴 4)わが国でのACTの可能性
3.多職種アウトリーチ(多職種訪問支援)
1)多職種アウトリーチの特徴 2)多職種アウトリーチの利用者と頻度
3)異職種が協働する意味 4)終了・入院,次の支援への移行
4.訪問支援における診療報酬制度
5.作業療法士が訪問支援をする意味
第7節 就労支援の実際
1.就労支援・雇用支援の現状と施策(執筆:宮崎宏興)
2.当事者へのアプローチ(執筆:宮崎宏興)
3.自己決定に伴う障害の「開示」「非開示」(執筆:宮崎宏興)
4.当事者を取り巻く環境と雇用管理へのアプローチ(執筆:宮崎宏興)
5.復職(再就職)に向けて―医療者(執筆:香山明美)
1)医療機関における復職(再就職)支援の特徴
2)復職(再就職)を希望する対象者の心理的状況―プライドとストレスとの葛藤の狭間で揺れる
3)復職(再就職)に向けた支援 4)復職後の再発・再休職防止に向けた支援
5)病気の回復と就労支援施策の狭間
事例1
6.復職(再就職)へ向けて―事業者(執筆:遠藤真史)
1)就労支援へ結びつける
事例2
2)働き続けることを支援する
7.復職(再就職)へ向けて―ジョブコーチ(執筆:二宮彰浩)
事例3
8.復職(再就職)へ向けて―全体総括(執筆:宮崎宏興)
第8節 福祉サービスと利用の実際−障害者総合支援制度−(執筆:鶴見隆彦)
1.障害者総合支援制度の経緯とパラダイム変換
2.制度による地域支援および利用のポイント
1)利用・支援上の基本的考え方 2)制度を利用するうえで知っておくべきポイント
事例
第9節 地域での家族支援(執筆:鶴見隆彦)
1.地域での支援対象としての家族
2.家族への支援目標と方法
3.家族への心理教育の実際
4.家族プログラム運営上の注意点
5.個別の家族相談アプローチ
第10節 当事者活動の支援(執筆:宮崎宏興)
1.「ピア」「ピアサポート」とは
2.なぜピアが必要なのか
3.地域での当事者活動の支援
1)語り合いの場から自分たちの思いを活字で発信する
事例
2)精神障害者ピアサポーター しずく〜はりまピアサポバンク〜の取り組み
3)アフターワークの会の取り組み
4)兵庫県西播磨圏域自立支援協議会 社会的孤立防止ネットワーク部会の取り組み
5)あおぞら家族会活動の取り組み
4.当事者活動のもつ力
第11節 心神喪失者等医療観察制度における地域処遇と触法障害者への支援(執筆:鶴見隆彦)
1.医療観察制度における地域処遇
2.指定通院医療機関における作業療法
3.医療観察制度の現状と課題
4.その他の触法障害者の支援
事例
第6章 作業療法士が遭遇することの多い疾患の知識と対応の基本
第1節 気分障害(執筆:香山明美)
1.うつ病性障害
1)病態特性 2)生活機能上の特性
2.双極性障害
1)病態特性 2)躁病エピソードの基本症状 3)社会機能障害
3.作業療法における対応の基本
1)作業療法の導入 2)回復期前期 3)回復期後期
4)作業療法全般を通した対応のポイント
4.家族支援
事例1
事例2
第2節 認知症(執筆:苅山和生)
1.病態特性
2.生活機能上の特性
3.作業療法における対応の基本
1)コミュニケーション上のポイント 2)パーソンセンタードケア
3)作業療法場面で認知症に配慮する時
事例
4.今後の課題 認知症の入り口問題〜初期集中支援チーム
第3節 パーソナリティ障害(執筆:北脇菊恵)
1.病態特性
2.生活機能上の特性
1)対人関係のもち方 2)作業能力 3)生活管理
3.作業療法における対応の基本
1)作業療法の導入 2)開始当初 3)かかわりの経過 4)かかわりの終了
事例
第4節 広汎性発達障害(執筆:山根 寛)
1.アスペルガー症候群
1)病態特性 2)生活機能上の特性 3)作業療法における対応の基本
事例
2.ADHD(注意欠陥/多動性障害)
1)病態特性 2)生活機能上の特性 3)作業療法における対応の基本
第5節 神経症性障害
1.分類上の特性(執筆:山根 寛)
2.病態特性(執筆:山根 寛)
3.生活機能上の特性(執筆:山根 寛)
4.一般的な治療(執筆:山根 寛)
5.作業療法における対応の基本(執筆:山根 寛)
事例1(執筆:山根 寛)
事例2(執筆:河埜康二郎)
第6節 摂食障害(執筆:北脇菊恵)
1.病態特性
1)神経性無食欲症の病態特性 2)神経性大食症の病態特性
2.生活機能上の特性
1)生活管理 2)対人特性 3)作業能力
3.作業療法における対応の基本
1)作業療法の導入 2)基本の対応
事例
第7節 物質依存性障害(執筆:山根 寛)
1.依存症の病態特性と基本的対応
1)依存症の原因と種類 2)依存症の病態特性 3)依存症の生活機能への影響
2.アルコール依存症
1)アルコール依存症の生活機能の特性 2)アルコール依存症の治療
事例
3.他の物質依存
1)薬物依存症の生活機能の特性 2)薬物依存症の治療
資料
同意書(例)
同意説明文書(例)
入院生活チェックリスト(ISDA)Ver.2
気分と疲労のチェックリスト(SMSF)Ver.2
相談表
アセスメント表
ケアプラン表
アセスメント票
リハビリテーション実施計画書
生活形態の調査
基本的生活行動調査
生活用品・機器・社会資源利用調査
病気についてのテスト
服薬についてのテスト
包括的ニーズアセスメント表
処遇実施計画書
索引
初版の序
第1章 精神保健医療福祉の動向と作業療法士の役割
第1節 精神保健医療福祉の動向(執筆:山根 寛)
1.わが国の精神保健医療福祉の歩み
1)明治初期まで 2)明治初期から終戦まで 3)精神保健法成立まで
4)精神保健法成立以後
2.精神保健医療福祉施策制度
1)精神保健医療福祉の改革 2)障害者の自立支援に関する法 3)心神喪失者等医療観察法
第2節 早期退院・退院支援と地域生活支援(執筆:山根 寛)
1.脱施設化に向けて
1)精神科救急医療システム 2)病床の機能分化と早期リハビリテーション体制
3)在院長期化防止・退院促進システム 4)包括型生活支援システム
5)質の高い入院療養システム
2.地域生活支援に向けて
1)住居と基本的な生活の維持 2)活動の場と就労の援助
第3節 作業療法士の役割と課題(執筆:山根 寛)
1.医療領域において
1)急性期・早期作業療法の確立 2)ニューロングステイの防止
3)長期在院者への対処 4)回復期作業療法の整備
2.保健福祉領域において
1)基本的な生活の支援 2)活動・働くことの支援 3)生活を豊かにすることの支援
3.心神喪失者等医療観察法に関して
近年のトピックス(執筆:香山明美)
第2章 作業療法実践の基本的視点
第1節 その人らしい生活を支援する視点(執筆:香山明美)
1.その人らしさとは何か
2.その人らしさを見出すために必要な支援
3.その人らしい生活を支援する
第2節 個別性と主体性(執筆:小林正義)
1.主観的体験への配慮
1)個別作業療法と集団作業療法 2)個別性の重視 3)主観的体験への配慮
4)自己価値について
2.主体性の確保
1)主体性の低下:対象者と専門家の「内なる偏見」 2)回復モデルにもとづく作業療法実践
第3節 疾病とその回復過程(執筆:香山明美)
1.回復過程と作業療法の視点
1)前駆期(前兆期) 2)要安静期 3)亜急性期 4)回復期前期
5)回復期後期
2.回復過程の理解を他職種と共有する視点
第4節 認知行動の変容に向けた支援
1.認知行動療法(執筆:小林正義)
1)基本モデル 2)基本的技法 3)統合失調症への配慮
2.統合失調症の認知機能障害(執筆:小林正義)
1)神経認知 2)認知矯正療法 3)社会認知
4)SCIT−社会認知ならびに対人関係のトレーニング
3.作業療法と認知行動療法(執筆:小林正義)
事例1(執筆:小林正義)
事例2(執筆:小林正義)
事例3(執筆:河埜康二郎)
事例4(執筆:香山明美)
事例5(執筆:香山明美)
第5節 地域生活支援の視点(執筆:鶴見隆彦)
1.精神障害の特性と地域生活
2.地域生活支援における「生活モデル」
3.地域生活支援における主体は本人
4.地域生活支援では健康な面に視点を
5.「本人の回復」する力を信頼する
6.段階論からplace-then-trainへ
7.地域生活支援における連携の重要性
第3章 急性期作業療法の考え方と実際
第1節 早期介入の考え方(執筆:香山明美)
1.早期介入の発展
2.早期精神病の概念
3.精神病未治療期間
4.臨界期仮説
5.早期介入の取り組み
1)オーストラリアにおける実践 2)わが国の実践
6.早期介入プログラムの実際
1)学校への精神保健啓発およびコンサルテーション活動
2)初回エピソード精神病に対する積極的介入 3)早期心理教育プログラムの実際
4)再発防止プログラムの実際
7.早期介入における作業療法士の役割
第2節 急性期の状態像の理解(執筆:小林正義)
1.統合失調症の発症と回復過程
2.亜急性期の状態像
第3節 急性期の作業療法(執筆:小林正義)
1.導入時面接のコツ
1)作業療法の目的 2)作業療法の開始 3)導入時面接のコツ
2.評価のポイントと留意点
1)導入時の情報収集 2)情報収集面接のコツ 3)面接の場の構造
4)作業療法導入後の評価
3.基本的なプログラム
1)病棟内フリー活動 2)簡単な身体運動プログラム
3)パラレルな場を利用した個別作業療法 4)早期心理教育
第4節 回復状態の評価指標
1.統合失調症の回復指標(執筆:小林正義)
2.疲労の回復モデル(執筆:小林正義)
3.主観的体験と行動の広がりの評価−ISDA・SMSF(執筆:小林正義)
1)入院生活チェックリスト(ISDA Ver.2)
事例1
2)気分と疲労のチェックリスト(SMSF Ver.2)
事例2
4.統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)と統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J)(執筆:兼田康宏)
事例3(執筆:島田 岳)
事例4(執筆:島田 岳)
事例5(執筆:香山明美)
5.臺式簡易客観的精神指標検査(UBOM)(執筆:臺 弘・吉田久美・後藤大介・藤本 聡・矢部博興・丹羽真一)
1)臺式簡易客観的精神指標(UBOM)とは 2)検査の実際
事例6
6.クリティカルパスの利用(執筆:香山明美)
1)クリティカルパスの歴史 2)クリティカルパスの定義
3)急性期治療指針と急性期クリティカルパス
4)利用者への説明 5)クリティカルパスのよさを知って利用する
第5節 急性期の心理教育(執筆:香山明美)
1.急性期における主観的体験の重要性
2.早期心理教育プログラムの実際
1)開始の時期 2)進め方 3)運営方法
第6節 急性期における家族支援(執筆:香山明美)
1.急性期における家族状況
2.家族支援のポイント
1)疲弊・混乱への対応 2)疾病教育 3)希望を見出す
3.家族教室の進め方
4.ケア会議への家族の参加
5.急性期における家族支援の留意点
第7節 急性期の連携のポイント(執筆:香山明美)
1.連携の基盤
2.作業療法士にとっての連携の実際
1)対象者の情報を毎日入手する 2)ケースカンファレンス・ケア会議に参加する
3)作業療法プログラム前後の病棟スタッフと情報を共有する
4)作業療法実施報告書はタイムリーに
5)作業療法における目標設定は本人・家族・関係スタッフで共有する
6)多職種連携プログラムの運営 7)退院前訪問
8)地域スタッフとの連携は急性期から
3.急性期における連携のポイント
第4章 退院支援の考え方と実際
第1節 回復期・維持期の状態像(執筆:香山明美)
1.回復期
1)病状としての課題 2)環境としての課題
2.維持期の対象者の状況を理解する視点
1)心理的側面 2)社会生活能力の側面 3)脳機能の側面
4)本人を取り巻く環境的側面
第2節 退院支援の基本的な考え方とアプローチの留意点(執筆:香山明美)
1.退院に向けたケアマネジメント
1)ケアマネジメントとは 2)ケアマネジメントの流れ
3)退院支援とケアマネジメント 4)退院促進に向けた組織づくり
5)退院支援プログラムとケアマネジメント
2.退院支援プログラムの実際
1)プログラムを組み立てる基本 2)プログラムの運営方法
事例1
3.他職種・他機関との連携
1)連携とは何か 2)他職種・他機関との連携のポイント
3)連携を確かなものにするために
4.ケア会議の実際
1)ケア会議の重要ポイント 2)ケア会議の具体例
事例2
5.社会資源の利用
第3節 退院促進と退院支援の実際(執筆:香山明美)
1.短期入院患者の退院支援:3か月以内
事例1
2.長期入院患者の退院支援
1)比較的モチベーションがつきやすい例
事例2
2)重度の例
事例3
第4節 退院支援における家族支援(執筆:香山明美)
第5節 心神喪失者等医療観察法とその治療と退院に向けた支援(執筆:鶴見隆彦)
1.心神喪失者等医療観察法の経緯
2.司法精神科医療と医療観察法
3.医療観察制度の概要
4.鑑定入院と作業療法
1)鑑定入院とその目的 2)鑑定入院と作業療法の展開
3)指定入院医療機関と作業療法の展開
第5章 地域生活支援のあり方と実際
第1節 地域生活支援における再発予防のためのかかわり方(執筆:鶴見隆彦)
1.地域生活支援の基本的考え方
2.地域生活における再発と回復
3.再発への対処モデルである生物─心理─社会モデル
4.再発予防のための対処行動の共有
5.再発予防への介入
第2節 地域におけるケアマネジメントの展開(執筆:鶴見隆彦)
1.ケアマネジメントの歴史
2.ケアマネジメントとは
1)障害者ケアマネジメントの定義 2)ケアマネジメント実施機関と資格
3.ケアマネジメントの基本的姿勢
4.ケアマネジメントの過程と実際
1)ケアマネジメントの過程 2)ケアマネジメントの実際 3)ケア会議
第3節 地域生活支援における連携のポイント(執筆:鶴見隆彦)
1.連携を妨げる要因
2.地域スタッフの資質と養成
3.連携のポイント
第4節 外来作業療法における支援の実際(執筆:小林正義)
1.外来作業療法の対象
2.外来作業療法の目的
3.導入時の留意点
4.生活調査・アセスメント
5.外来作業療法の実践
6.心理教育的配慮
1)睡眠の確保 2)服薬管理 3)自己管理 4)自己価値と自尊心
第5節 デイケアにおける支援の実際(執筆:鶴見隆彦)
1.デイケアの概要
2.地域生活支援からみたデイケアの目的と位置づけ
3.デイケアでの心理教育の必要性と治療構造
4.デイケアでの心理教育プログラムの編成
5.心理教育プログラムの実際
6.コーディネーター役としてのデイケア
第6節 訪問による支援の実際(執筆:香田真希子・香山明美)
1.訪問支援の実際
1)目的 2)意義〜入院環境の限界と入院から地域へのスムーズな移行〜
3)基本理念 4)訪問による生活支援プロセス207 5)スタッフの技量
2.ACTの可能性
1)ACTとは−その歴史的背景 2)ACTが大切にしている考え方(概念)
3)ACTの特徴 4)わが国でのACTの可能性
3.多職種アウトリーチ(多職種訪問支援)
1)多職種アウトリーチの特徴 2)多職種アウトリーチの利用者と頻度
3)異職種が協働する意味 4)終了・入院,次の支援への移行
4.訪問支援における診療報酬制度
5.作業療法士が訪問支援をする意味
第7節 就労支援の実際
1.就労支援・雇用支援の現状と施策(執筆:宮崎宏興)
2.当事者へのアプローチ(執筆:宮崎宏興)
3.自己決定に伴う障害の「開示」「非開示」(執筆:宮崎宏興)
4.当事者を取り巻く環境と雇用管理へのアプローチ(執筆:宮崎宏興)
5.復職(再就職)に向けて―医療者(執筆:香山明美)
1)医療機関における復職(再就職)支援の特徴
2)復職(再就職)を希望する対象者の心理的状況―プライドとストレスとの葛藤の狭間で揺れる
3)復職(再就職)に向けた支援 4)復職後の再発・再休職防止に向けた支援
5)病気の回復と就労支援施策の狭間
事例1
6.復職(再就職)へ向けて―事業者(執筆:遠藤真史)
1)就労支援へ結びつける
事例2
2)働き続けることを支援する
7.復職(再就職)へ向けて―ジョブコーチ(執筆:二宮彰浩)
事例3
8.復職(再就職)へ向けて―全体総括(執筆:宮崎宏興)
第8節 福祉サービスと利用の実際−障害者総合支援制度−(執筆:鶴見隆彦)
1.障害者総合支援制度の経緯とパラダイム変換
2.制度による地域支援および利用のポイント
1)利用・支援上の基本的考え方 2)制度を利用するうえで知っておくべきポイント
事例
第9節 地域での家族支援(執筆:鶴見隆彦)
1.地域での支援対象としての家族
2.家族への支援目標と方法
3.家族への心理教育の実際
4.家族プログラム運営上の注意点
5.個別の家族相談アプローチ
第10節 当事者活動の支援(執筆:宮崎宏興)
1.「ピア」「ピアサポート」とは
2.なぜピアが必要なのか
3.地域での当事者活動の支援
1)語り合いの場から自分たちの思いを活字で発信する
事例
2)精神障害者ピアサポーター しずく〜はりまピアサポバンク〜の取り組み
3)アフターワークの会の取り組み
4)兵庫県西播磨圏域自立支援協議会 社会的孤立防止ネットワーク部会の取り組み
5)あおぞら家族会活動の取り組み
4.当事者活動のもつ力
第11節 心神喪失者等医療観察制度における地域処遇と触法障害者への支援(執筆:鶴見隆彦)
1.医療観察制度における地域処遇
2.指定通院医療機関における作業療法
3.医療観察制度の現状と課題
4.その他の触法障害者の支援
事例
第6章 作業療法士が遭遇することの多い疾患の知識と対応の基本
第1節 気分障害(執筆:香山明美)
1.うつ病性障害
1)病態特性 2)生活機能上の特性
2.双極性障害
1)病態特性 2)躁病エピソードの基本症状 3)社会機能障害
3.作業療法における対応の基本
1)作業療法の導入 2)回復期前期 3)回復期後期
4)作業療法全般を通した対応のポイント
4.家族支援
事例1
事例2
第2節 認知症(執筆:苅山和生)
1.病態特性
2.生活機能上の特性
3.作業療法における対応の基本
1)コミュニケーション上のポイント 2)パーソンセンタードケア
3)作業療法場面で認知症に配慮する時
事例
4.今後の課題 認知症の入り口問題〜初期集中支援チーム
第3節 パーソナリティ障害(執筆:北脇菊恵)
1.病態特性
2.生活機能上の特性
1)対人関係のもち方 2)作業能力 3)生活管理
3.作業療法における対応の基本
1)作業療法の導入 2)開始当初 3)かかわりの経過 4)かかわりの終了
事例
第4節 広汎性発達障害(執筆:山根 寛)
1.アスペルガー症候群
1)病態特性 2)生活機能上の特性 3)作業療法における対応の基本
事例
2.ADHD(注意欠陥/多動性障害)
1)病態特性 2)生活機能上の特性 3)作業療法における対応の基本
第5節 神経症性障害
1.分類上の特性(執筆:山根 寛)
2.病態特性(執筆:山根 寛)
3.生活機能上の特性(執筆:山根 寛)
4.一般的な治療(執筆:山根 寛)
5.作業療法における対応の基本(執筆:山根 寛)
事例1(執筆:山根 寛)
事例2(執筆:河埜康二郎)
第6節 摂食障害(執筆:北脇菊恵)
1.病態特性
1)神経性無食欲症の病態特性 2)神経性大食症の病態特性
2.生活機能上の特性
1)生活管理 2)対人特性 3)作業能力
3.作業療法における対応の基本
1)作業療法の導入 2)基本の対応
事例
第7節 物質依存性障害(執筆:山根 寛)
1.依存症の病態特性と基本的対応
1)依存症の原因と種類 2)依存症の病態特性 3)依存症の生活機能への影響
2.アルコール依存症
1)アルコール依存症の生活機能の特性 2)アルコール依存症の治療
事例
3.他の物質依存
1)薬物依存症の生活機能の特性 2)薬物依存症の治療
資料
同意書(例)
同意説明文書(例)
入院生活チェックリスト(ISDA)Ver.2
気分と疲労のチェックリスト(SMSF)Ver.2
相談表
アセスメント表
ケアプラン表
アセスメント票
リハビリテーション実施計画書
生活形態の調査
基本的生活行動調査
生活用品・機器・社会資源利用調査
病気についてのテスト
服薬についてのテスト
包括的ニーズアセスメント表
処遇実施計画書
索引