第2 版に寄せて
神経伝導検査は,神経や筋活動等の微小な電気活動をとらえることにより,被検者の機能の推測や診断の補助,障害の評価・治療等に役立てることを目的としています.
神経伝導検査において重要なことは,「得られるデータは検者がもつ技術への依存度が大きい」点があります.したがって,神経伝導検査を行うにあたっては,神経生理学,病理学,解剖組織学,電気工学等広範な知識と技術をもちながら,正しい波形を得ることが極めて重要となります.
本書初版は,神経伝導検査に関する知識と技術を習得したうえで,得られた波形を正しく解析し,さらなるステップアップへ進もうと考えている医師および臨床検査技師向けに豊富な写真やイラストを含めてわかりやすく解説し,ハンドブックとして活用できるものとして,2013 年に刊行しました.
幸いにも多くの読者に活用いただき,増刷を重ねてきましたが,この間に本書の将来に期待を寄せる多くのユーザーから,「記載されていない神経についても解説をお願いしたい」との要望がありました.そこで,本書のレベルアップを図ることを目的として,それらをふまえた改訂版を刊行することにしました.
改訂にあたっては,原版そのものは変更せず,新たに神経伝導検査における上肢2 神経と下肢2 神経を追加しました.4 神経の追加は,基本的な神経の検査以外に応用が求められた際,より活用できるようにしたものです.
保険点数の改正等により,神経伝導検査は生理検査部門の一角を担うまでになりつつあります.このため,検査に対する高い“専門性”を発揮して対処することが強く望まれています.
本書が日常診療の検査に役立ち,その専門性や効率化へとつながることが編者・執筆者一同の大きな喜びとするところです.
2017 年10 月
正門由久
橋 修
まえがき
神経伝導検査および筋電図検査は,神経や筋活動などの微小な電気活動をとらえることにより,患者さんの機能の推測,診断の補助や障害の評価,治療などに役立てることを目的としています.
神経伝導検査の重要な点は,「得られるデータは検者の技術によるところが大きい」ことです.神経生理学,病理学,解剖学,電気工学等の広範な知識と技術をもちながら,正しい波形を得ることがきわめて重要となります.たとえば,ハムフィルタの使用によって波形は大きく変化しますが,その波形から診断すると誤診につながり,患者さんに多大な迷惑をかけてしまう可能性があります.
本書は,神経伝導検査に関する知識と技術を習得し,得られた波形を正しく解析し,さらなるステップアップへ進もうと考えている医師や臨床検査技師のためにまとめられたものです.技術面の内容は,神経伝導検査の分野において全国で活躍している臨床検査技師に執筆をお願いしています.また,基礎や臨床に関する内容は,経験豊富な医師にご執筆をいただきました.
本書の大きな特徴は,検査現場へ手軽に持参できるポケットサイズでありながら,一般の神経伝導検査で必要な知識をほぼ網羅していることです.検査室ですぐに役立つように豊富な写真やイラストでわかりやすく解説しています.
近年,保険点数の改正により,神経伝導検査は生理検査部門の一角を担うまでになりつつあります.このため,検査データに責任をもてるだけの高い“専門性”を発揮して対処することが強く望まれています.本書がその役割を大きく前進させるものになることを期待しています.
2012 年12 月
正門由久
橋 修
神経伝導検査は,神経や筋活動等の微小な電気活動をとらえることにより,被検者の機能の推測や診断の補助,障害の評価・治療等に役立てることを目的としています.
神経伝導検査において重要なことは,「得られるデータは検者がもつ技術への依存度が大きい」点があります.したがって,神経伝導検査を行うにあたっては,神経生理学,病理学,解剖組織学,電気工学等広範な知識と技術をもちながら,正しい波形を得ることが極めて重要となります.
本書初版は,神経伝導検査に関する知識と技術を習得したうえで,得られた波形を正しく解析し,さらなるステップアップへ進もうと考えている医師および臨床検査技師向けに豊富な写真やイラストを含めてわかりやすく解説し,ハンドブックとして活用できるものとして,2013 年に刊行しました.
幸いにも多くの読者に活用いただき,増刷を重ねてきましたが,この間に本書の将来に期待を寄せる多くのユーザーから,「記載されていない神経についても解説をお願いしたい」との要望がありました.そこで,本書のレベルアップを図ることを目的として,それらをふまえた改訂版を刊行することにしました.
改訂にあたっては,原版そのものは変更せず,新たに神経伝導検査における上肢2 神経と下肢2 神経を追加しました.4 神経の追加は,基本的な神経の検査以外に応用が求められた際,より活用できるようにしたものです.
保険点数の改正等により,神経伝導検査は生理検査部門の一角を担うまでになりつつあります.このため,検査に対する高い“専門性”を発揮して対処することが強く望まれています.
本書が日常診療の検査に役立ち,その専門性や効率化へとつながることが編者・執筆者一同の大きな喜びとするところです.
2017 年10 月
正門由久
橋 修
まえがき
神経伝導検査および筋電図検査は,神経や筋活動などの微小な電気活動をとらえることにより,患者さんの機能の推測,診断の補助や障害の評価,治療などに役立てることを目的としています.
神経伝導検査の重要な点は,「得られるデータは検者の技術によるところが大きい」ことです.神経生理学,病理学,解剖学,電気工学等の広範な知識と技術をもちながら,正しい波形を得ることがきわめて重要となります.たとえば,ハムフィルタの使用によって波形は大きく変化しますが,その波形から診断すると誤診につながり,患者さんに多大な迷惑をかけてしまう可能性があります.
本書は,神経伝導検査に関する知識と技術を習得し,得られた波形を正しく解析し,さらなるステップアップへ進もうと考えている医師や臨床検査技師のためにまとめられたものです.技術面の内容は,神経伝導検査の分野において全国で活躍している臨床検査技師に執筆をお願いしています.また,基礎や臨床に関する内容は,経験豊富な医師にご執筆をいただきました.
本書の大きな特徴は,検査現場へ手軽に持参できるポケットサイズでありながら,一般の神経伝導検査で必要な知識をほぼ網羅していることです.検査室ですぐに役立つように豊富な写真やイラストでわかりやすく解説しています.
近年,保険点数の改正により,神経伝導検査は生理検査部門の一角を担うまでになりつつあります.このため,検査データに責任をもてるだけの高い“専門性”を発揮して対処することが強く望まれています.本書がその役割を大きく前進させるものになることを期待しています.
2012 年12 月
正門由久
橋 修
第2 版に寄せて
まえがき
神経伝導検査の注意点チェックリスト
I 原理と意義
(正門由久)
1.神経生理学の基礎知識
2.神経伝導検査の意義と組み立て方
II 検査を実際に行う際のポイントと注意点
(橋 修)
1-必要な検査機器は? / 2-適切な環境は? / 3-検査前の準備は? / 4-被検者への対応は? / 5-検査前の注意点は? / 6-電極の装着方法は? / 7-刺激電極と接地電極とは? / 8-刺激方法は? / 9-刺激電極と記録電極の位置は? / 10-測定条件は? / 11-記録中の注意と対策は? / 12-運動神経伝導検査とは? / 13-感覚神経伝導検査とは? / 14-検査依頼からレポートの作成まで / 15-技術的エラー / 16-正確なデータの提供
III 実践編
1.運動神経伝導検査
上肢(山内孝治)
1)正中神経 / 2)尺骨神経 / 3)橈骨神経
アドバンス:手掌部刺激 / 肘部インチング法
下肢(植松明和・宇城研悟)
1)脛骨神経 / 2)腓骨神経
その他(石郷景子)
1)顔面神経 / 2)瞬目反射
2.感覚神経伝導検査
上肢(星野 哲)
1)正中神経 / 2)尺骨神経 / 3)橈骨神経
下肢(坂下文康)
腓腹神経
3.その他の有用な神経伝導検査
上肢(木崎直人)
1)内側前腕皮神経 / 2)外側前腕皮神経 / 3)前骨間神経
下肢(杉山邦男)
1)浅腓骨神経 / 2)内側足底神経・外側足底神経
4.F波(片山雅史)
1)F波の原理と測定の仕方 / 2)実際の波形
5.反復刺激試験(佐々木一朗)
1)反復刺激試験の原理 / 2)検査の実際 / 3)テクニカルエラー
IV 結果の解釈
1.結果の解釈のための基礎知識(花山耕三)
1-末梢神経の構造と種類 / 2-神経変性の分類 / 3-生理的位相相殺現象
2.波形解析(児玉三彦)
1-脱髄による波形変化 / 2-軸索変性による波形変化 / 3-神経伝導検査の異常と臨床症状 / 4-絞扼性神経障害と脱髄性神経障害
V 疾患編
1.正中神経障害(正門由久)
手根管症候群
アドバンス:手根管症候群の診断に際し用いられる神経伝導検査の方法
2.尺骨神経障害(小林由紀子)
肘部管症候群
3.橈骨神経障害(藤原俊之)
4.腓骨神経麻痺(大田哲生)
5.糖尿病(稲葉 彰)
6.CMT病などの先天性脱髄疾患(叶内 匡)
シャルコー・マリー・トゥース病(CMT病)
7.脱髄性ニューロパチー-GBSと CIDP(叶内 匡)
ギラン・バレー症候群(GBS) / 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)
8.神経破格(稲葉 彰)
Martin-Gruber吻合 / 副深腓骨神経
VI 針筋電図の基礎知識
(赤星和人)
1-針筋電図の特徴 / 2-検査の実際
コラム
患者さんにリラックスしてもらうコツは?(水野久美子)
加算平均法とは?(水野久美子)
フィルタとは?(ローカット,ハイカット,ハムなど)(水野久美子)
適正な皮膚温で測定するために(水野久美子)
活動電位の導出法は?(水野久美子)
最大上刺激とは?(水野久美子)
神経伝導検査に禁忌の患者は?(水野久美子)
顔面神経麻痺の麻痺程度の評価(柳原40 点法)(水野久美子)
リング電極の扱い方(水野久美子)
皮膚接触抵抗を下げるコツは?(水野久美子)
モノニューロパチーとポリニューロパチー(水野久美子)
時間的分散(temporal disparsion)とは?(水野久美子)
Guyon管症候群(小林由紀子)
付録
1.神経伝導検査の正常値
2.神経伝導検査でよく使われる略語
索引
まえがき
神経伝導検査の注意点チェックリスト
I 原理と意義
(正門由久)
1.神経生理学の基礎知識
2.神経伝導検査の意義と組み立て方
II 検査を実際に行う際のポイントと注意点
(橋 修)
1-必要な検査機器は? / 2-適切な環境は? / 3-検査前の準備は? / 4-被検者への対応は? / 5-検査前の注意点は? / 6-電極の装着方法は? / 7-刺激電極と接地電極とは? / 8-刺激方法は? / 9-刺激電極と記録電極の位置は? / 10-測定条件は? / 11-記録中の注意と対策は? / 12-運動神経伝導検査とは? / 13-感覚神経伝導検査とは? / 14-検査依頼からレポートの作成まで / 15-技術的エラー / 16-正確なデータの提供
III 実践編
1.運動神経伝導検査
上肢(山内孝治)
1)正中神経 / 2)尺骨神経 / 3)橈骨神経
アドバンス:手掌部刺激 / 肘部インチング法
下肢(植松明和・宇城研悟)
1)脛骨神経 / 2)腓骨神経
その他(石郷景子)
1)顔面神経 / 2)瞬目反射
2.感覚神経伝導検査
上肢(星野 哲)
1)正中神経 / 2)尺骨神経 / 3)橈骨神経
下肢(坂下文康)
腓腹神経
3.その他の有用な神経伝導検査
上肢(木崎直人)
1)内側前腕皮神経 / 2)外側前腕皮神経 / 3)前骨間神経
下肢(杉山邦男)
1)浅腓骨神経 / 2)内側足底神経・外側足底神経
4.F波(片山雅史)
1)F波の原理と測定の仕方 / 2)実際の波形
5.反復刺激試験(佐々木一朗)
1)反復刺激試験の原理 / 2)検査の実際 / 3)テクニカルエラー
IV 結果の解釈
1.結果の解釈のための基礎知識(花山耕三)
1-末梢神経の構造と種類 / 2-神経変性の分類 / 3-生理的位相相殺現象
2.波形解析(児玉三彦)
1-脱髄による波形変化 / 2-軸索変性による波形変化 / 3-神経伝導検査の異常と臨床症状 / 4-絞扼性神経障害と脱髄性神経障害
V 疾患編
1.正中神経障害(正門由久)
手根管症候群
アドバンス:手根管症候群の診断に際し用いられる神経伝導検査の方法
2.尺骨神経障害(小林由紀子)
肘部管症候群
3.橈骨神経障害(藤原俊之)
4.腓骨神経麻痺(大田哲生)
5.糖尿病(稲葉 彰)
6.CMT病などの先天性脱髄疾患(叶内 匡)
シャルコー・マリー・トゥース病(CMT病)
7.脱髄性ニューロパチー-GBSと CIDP(叶内 匡)
ギラン・バレー症候群(GBS) / 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)
8.神経破格(稲葉 彰)
Martin-Gruber吻合 / 副深腓骨神経
VI 針筋電図の基礎知識
(赤星和人)
1-針筋電図の特徴 / 2-検査の実際
コラム
患者さんにリラックスしてもらうコツは?(水野久美子)
加算平均法とは?(水野久美子)
フィルタとは?(ローカット,ハイカット,ハムなど)(水野久美子)
適正な皮膚温で測定するために(水野久美子)
活動電位の導出法は?(水野久美子)
最大上刺激とは?(水野久美子)
神経伝導検査に禁忌の患者は?(水野久美子)
顔面神経麻痺の麻痺程度の評価(柳原40 点法)(水野久美子)
リング電極の扱い方(水野久美子)
皮膚接触抵抗を下げるコツは?(水野久美子)
モノニューロパチーとポリニューロパチー(水野久美子)
時間的分散(temporal disparsion)とは?(水野久美子)
Guyon管症候群(小林由紀子)
付録
1.神経伝導検査の正常値
2.神経伝導検査でよく使われる略語
索引

















