序
2008(平成20)年,『エビデンスに基づく理学療法-活用と臨床思考過程』を発行したところ,読者から多くの支持を得ることができ,2015年には『実践的なQ&Aによるエビデンスに基づく理学療法─評価と治療指標を総まとめ─』として,第2版の改訂をしました.そして,この度,臨床現場でさらに手に取りやすく素早い臨床判断の一助となるようなクイックリファレンスを発行することにいたしました.
本書は臨床実践で使いやすいように,判型と分量を厳選するとともに,記載方法についても徹底した共通化と簡潔化を目指しました.推奨できる評価指標と治療/介入項目を一覧にし,そのエッセンスを示すとともに,臨床活用について執筆者の臨床経験を補完していいただきました.その結果,29の疾患と機能・能力低下を対象とし,推奨できる評価指標124,推奨できる治療/介入148項目を挙げることができました.これは,第2版で取り上げた193のQuestionに対する回答を凝縮したもので,臨床での意思決定の手助けや確認になり得るものです.また,2015年以降に発行された診療ガイドラインや主要な研究論文を追加し,適切な推奨グレードを示しています.あわせて評価指標については,科学的な信頼性と妥当性に加え,煩雑さや特別な機器の使用などをふまえた,実行可能性からみた特徴を表形式で比較しました.
この間,公益社団法人日本理学療法士協会からは「理学療法診療ガイドライン第1版(2011)」が発行され,2016年にはその一部についてダイジェスト版が公開されています.エビデンスに基づく理学療法の実行はますます重要性が増していますが,評価・機能診断,個々の治療方法に加えて,それらを鑑別・選択する臨床思考過程である臨床推論(クリニカルリーズニング)を精緻・視覚化することがきわめて大切となります.
本書では,当初から,活用と臨床思考過程という2つのキーワードを基軸にしながら,病態や症状の理解を含め,卒前教育や新人教育での標準的なテキストとしての役割も担えるように配慮してきました.地域を基盤とする予防,急性期から在宅生活の連続性を保証する多職種連携による価値に基づく臨床実践(Values based Practice)の基盤としてのエビデンスの集積,その個別適用であるエビデンスに基づく理学療法に寄与・発展していくことを目指しています.
本書が,臨床の第一線で活躍されている理学療法士に加えて,養成課程で学ぶ学生や指導される教員・臨床指導者,連携される関係の医療・福祉専門職,さらには理学療法を受けておられる対象者やご家族の皆様に希望や可能性を感じていただければ幸いです.
2017年8月
内山 靖
2008(平成20)年,『エビデンスに基づく理学療法-活用と臨床思考過程』を発行したところ,読者から多くの支持を得ることができ,2015年には『実践的なQ&Aによるエビデンスに基づく理学療法─評価と治療指標を総まとめ─』として,第2版の改訂をしました.そして,この度,臨床現場でさらに手に取りやすく素早い臨床判断の一助となるようなクイックリファレンスを発行することにいたしました.
本書は臨床実践で使いやすいように,判型と分量を厳選するとともに,記載方法についても徹底した共通化と簡潔化を目指しました.推奨できる評価指標と治療/介入項目を一覧にし,そのエッセンスを示すとともに,臨床活用について執筆者の臨床経験を補完していいただきました.その結果,29の疾患と機能・能力低下を対象とし,推奨できる評価指標124,推奨できる治療/介入148項目を挙げることができました.これは,第2版で取り上げた193のQuestionに対する回答を凝縮したもので,臨床での意思決定の手助けや確認になり得るものです.また,2015年以降に発行された診療ガイドラインや主要な研究論文を追加し,適切な推奨グレードを示しています.あわせて評価指標については,科学的な信頼性と妥当性に加え,煩雑さや特別な機器の使用などをふまえた,実行可能性からみた特徴を表形式で比較しました.
この間,公益社団法人日本理学療法士協会からは「理学療法診療ガイドライン第1版(2011)」が発行され,2016年にはその一部についてダイジェスト版が公開されています.エビデンスに基づく理学療法の実行はますます重要性が増していますが,評価・機能診断,個々の治療方法に加えて,それらを鑑別・選択する臨床思考過程である臨床推論(クリニカルリーズニング)を精緻・視覚化することがきわめて大切となります.
本書では,当初から,活用と臨床思考過程という2つのキーワードを基軸にしながら,病態や症状の理解を含め,卒前教育や新人教育での標準的なテキストとしての役割も担えるように配慮してきました.地域を基盤とする予防,急性期から在宅生活の連続性を保証する多職種連携による価値に基づく臨床実践(Values based Practice)の基盤としてのエビデンスの集積,その個別適用であるエビデンスに基づく理学療法に寄与・発展していくことを目指しています.
本書が,臨床の第一線で活躍されている理学療法士に加えて,養成課程で学ぶ学生や指導される教員・臨床指導者,連携される関係の医療・福祉専門職,さらには理学療法を受けておられる対象者やご家族の皆様に希望や可能性を感じていただければ幸いです.
2017年8月
内山 靖
序(内山 靖)
本書で取り上げたガイドライン文献リスト
執筆者一覧
序章 エビデンスの臨床活用(内山 靖)
1.社会が求める理学療法への期待
2.エビデンスレベルと推奨グレード
3.評価と治療 4.実践活用
I 疾患編
1 脳卒中−急性期(小島 肇,山形哲行)
評価指標
(1)SIAS,(2)NIHSS,(3)mRS
治療/介入の方法
(1)脳卒中ユニット,(2)早期理学療法,
(3)集中的リハ量,(4)麻痺側肩関節管理,
(5)ファシリテーションテクニック
2 脳卒中−回復期(原田和宏,井上 優)
評価指標
(1)WMFT,(2)FMA,(3)MAS,(4)DGI
治療/介入の方法
(1)介入時間の確保,(2)麻痺側上肢への課題反復,
(3)痙縮,(4)麻痺側肩,(5)立位動作,(6)歩行練習,(7)ADL課題の練習,
(8)体力の向上,(9)低栄養の評価,(10)認知障害の把握
3 脳卒中−慢性期(石倉 隆)
評価指標
(1)FIM,(2)SF-36,(3)J-ZBI
治療/介入の方法
(1)課題志向型・課題特異型アプローチ,
(2)有酸素運動と筋力増強運動を組み合わせたトレーニング,
(3)装具療法,(4)バイオフィードバック療法,(5)CI療法,(6)在宅理学療法
4 パーキンソン病(長澤 弘)
評価指標
(1)UPDRS, (2)PDQ-39, (3)Hoehn&Yahr Stage,(4)修正版Hoehn&Yahrの重症度分類
治療/介入の方法
(1)複合的理学療法,(2)筋力増強法,(3)バランス運動,(4)トレッドミル歩行練習,
(5)聴覚や視覚の外的刺激,(6)有酸素運動や呼吸練習
5 脳性麻痺(新田 收)
評価指標
(1)デンバー式発達スクリーニング検査,
(2)GMFM,(3)GMFCS,(4)WeeFIM,
(5)PEDI,(6)GMs評価,(7)NBAS,
(8)Dubowitz評価
治療/介入の方法
(1)NDT,(2)SDR,(3)母親指導,(4)shallow法,(5)軽打法,(6)呼気圧迫法
6 大腿骨近位部骨折(藤田博曉)
評価指標
(1)下肢筋力の評価,(2)術前後に必要となる理学療法評価
治療/介入の方法
(1)加速的リハビリテーション,(2)クリニカルパス,
(3)栄養評価,(4)地域連携パス,(5)再骨折予防
7 変形性膝関節症(坂本雅昭,遠藤康裕)
評価指標
(1)JKOM,(2)WOMAC,(3)JOAスコア
治療/介入の方法
(1)運動療法,(2)物理療法,(3)生活指導,(4)減量療法
8 膝・足部靱帯損傷(加賀谷善教)
評価指標
(1)IKDC,(2)Lysholm Score,(3)Cincinnati Knee Score,(4)AOFAS
治療/介入の方法
(1)加速的リハビリテーション,(2)筋力トレーニング,(3)固有受容器トレーニング,
(4)足関節外側靱帯損傷に推奨される運動療法,
(5)足関節外側靱帯損傷に対するテーピング
9 外傷性頚髄損傷(長谷川隆史)
評価指標
(1)ASIA評価,(2)改良Frankel分類,
(3)Zancolli分類, (4)SCIM, (5)WISCI II
治療/介入の方法
(1)筋力増強,(2)電気療法,(3)BWSTT,
(4)有酸素運動,呼吸理学療法,(5)装具療法
10 頚髄症(樋口大輔)
評価指標
(1)JOACMEQ,(2)JOAスコア,(3)NCSS,
(4)10秒テスト,(5)パブロフ比
治療/介入の方法
(1)複合的保存療法,(2)術後早期の頚部ROM運動,
(3)手指の巧緻練習および歩行課題練習,(4)職業の把握と復職支援,
(5)術後C5麻痺に対する運動・物理療法
11 関節リウマチ(阿部敏彦)
評価指標
(1)ACRコアセット,(2)DAS28,(3)SDAIとCDAI,(4)HAQ
治療/介入の方法
(1)疼痛に有効な物理療法,(2)運動療法,
(3)患者教育/ホームエクササイズの指導,(4)装具療法
12 腰痛症(伊藤俊一)
評価指標
(1)PDとVS,(2)SLRテスト,(3)ODIとRDQ,(4)QIDS-JとBS-POP
治療/介入の方法
(1)筋ストレッチング,(2)McKenzieエクササイズなどによる体操療法,
(3)エアロビクス,(4)徒手療法,(5)神経筋群協調トレーニング
13 心筋梗塞(高橋哲也)
評価指標
(1)6分間歩行距離,(2)最高酸素摂取量,
(3)嫌気性代謝閾値の酸素摂取量,(4)最大運動強度
治療/介入の方法
(1)有酸素運動,(2)インターバルトレーニング,(3)レジスタンストレーニング,
(4)生活習慣改善を含む二次予防教育
14 慢性心不全(神谷健太郎,松永篤彦)
評価指標
(1)NYHA心機能分類,(2)Nohria-Stevenson分類,
(3)ミネソタ心不全質問票・カンザス市心筋症質問票,
(4)フレイル・サルコペニアの関連指標
治療/介入の方法
(1)有酸素運動,(2)患者および家族に対する教育,(3)レジスタンストレーニング,
(4)吸気筋トレーニング,(5)神経筋電気刺激療法
15 大血管疾患(渡辺 敏)
評価指標
(1)画像診断による部位と形態の評価,
(2)その他のバイオマーカー,(3)ステント挿入術の評価
治療/介入の方法
(1)急性期理学療法とADL拡大,(2)回復期および維持期理学療法,(3)予防介入
16 末梢血管疾患(近藤恵理子,林 久恵)
評価指標
(1)ABI,(2)TBI,(3)トレッドミルを用いた歩行負荷試験,(4)WIQ
治療/介入の方法
(1)監視下運動療法,(2)在宅運動療法,
(3)代替運動療法,(4)チームアプローチ,(5)人工炭酸泉温浴
17 急性呼吸不全(沖 侑大郎,石川 朗)
評価指標
(1)ARDS診断基準およびBerlin定義,
(2)BPS,(3)CPOT,(4)RASS,(5)CAMICU,(6)MRCスコア
治療/介入の方法
(1)体位変換,(2)排痰手技を併用した体位ドレナージ,(3)腹臥位療法,
(4)早期離床,(5)プロトコール化された人工呼吸器離脱トライアル
18 慢性呼吸不全(角野 直,神津 玲)
評価指標
(1)修正MRC,(2)スパイロメトリー,
(3)CAT,(4)身体活動量評価
治療/介入の方法
(1)呼吸練習,(2)気道クリアランス,(3)持久力トレーニング,
(4)筋力トレーニング,(5)患者教育
19 糖尿病(片田圭一)
評価指標
(1)血糖コントロールの評価,(2)運動耐容能の評価,(3)活動量の評価,
(4)筋力・筋萎縮の評価,(5)TTMによる行動評価
治療/介入の方法
(1)有酸素運動,(2)レジスタンス運動,(3)糖尿病足病変に対する理学療法,
(4)生活習慣改善,(5)患者教育,(6)チーム医療
20 虚弱高齢者(河合 恒,大渕修一)
評価指標
(1)基本チェックリスト,(2)老研式活動能力指標,(3)歩行速度
治療/介入の方法
(1)包括的高齢者運動トレーニング,(2)尿失禁予防トレーニング,
(3)膝痛対策プログラム,(4)腰痛対策プログラム,
(5)転倒・骨折対策プログラム,(6)複合プログラム
II 機能・能力低下編
1 関節可動低下(板場英行)
評価指標
(1)関節可動域表示測定法(学会法),(2)距離測定,(3)視認法,
(4)特殊器具活用法,(5)画像分析法
治療/介入の方法
(1)複合的理学療法,(2)徒手他動的関節可動手技,(3)関節モビライゼーション,
(4)運動併用モビライゼーション,(5)治療ストレッチング,
(6)軟部組織モビライゼーション,(7)筋膜リリース,(8)物理療法
2 筋力低下(岡西哲夫)
評価指標
(1)MMT,(2)HHD,(3)握力,(4)1RM,
(5)等速性筋力評価機器,(6)立ち上がりテスト
治療/介入の方法
(1)レジスタンストレーニング,(2)在宅での低負荷による抵抗運動プログラム,
(3)立位での荷重練習,(4)栄養介入とPRTの併用
3 持久性低下(有薗信一)
評価指標
(1)6分間歩行試験,(2)最大酸素摂取量と最高酸素摂取量,(3)運動持続時間
治療/介入の方法
(1)持久力トレーニング
4 バランス低下(望月 久)
評価指標
(1)BBS,またはFBS(2)FRT,(3)FES-1,
(4)BESTest
治療/介入の方法
(1)バランス運動と筋力増強運動を含む多面的な運動,(2)太極拳,
(3)トレッドミル歩行練習,(4)その他の介入方法
5 歩行能力低下(橋立博幸)
評価指標
(1)TUG,(2)歩行速度,(3)POMA,
(4)FAC,(5)6分間歩行試験
治療/介入の方法
(1)脳卒中に対する反復的な課題を用いたトレーニング,(2)脳卒中に対する課題特異的な練習,
(3)脳卒中に対するトレッドミル歩行練習または体重免荷トレッドミル歩行練習,
(4)脳卒中に対する持久性運動,(5)パーキンソン病に対する理学療法および歩行練習,
(6)パーキンソン病に対する感覚刺激を用いた歩行練習,(7)虚弱高齢者に対する運動療法
6 嚥下機能低下(吉田 剛)
評価指標
(1)MASA,(2)DSS,(3)FILS,(4)聖隷式嚥下質問紙,(5)RSST,MWST
治療/介入の方法
(1)姿勢調節,(2)メンデルソン手技,
(3)Shaker法,(4)咽頭冷却刺激,
(5)嚥下筋への低周波電気刺激療法
7 疼痛(鈴木重行,林 和寛)
評価指標
(1)VAS,(2)NRS,(3)VRS,(4)フェイススケール,(5)MPQ,(6)SF-MPQ
治療/介入の方法
(1)運動療法,(2)温熱療法,(3)レーザー療法,(4)電気刺激療法,
(5)集学的/学際的リハビリテーション
8 痙縮・痙縮筋(臼田 滋)
評価指標
(1)MAS,(2)MTS
治療/介入の方法
(1)筋力増強,(2)物理療法,(3)ストレッチング,(4)装具療法,(5)ボツリヌス治療
9 認知機能低下(島田裕之)
評価指標
(1)MMSE, (2)ADAS-cog, (3)MoCA,
(4)ウエクスラー記憶検査,(5)TMT,
(6)NCGG-FAT
治療/介入の方法
(1)運動・身体活動,(2)認知トレーニング,
(3)生活習慣の改善,(4)認知症高齢者の認知機能の低下抑制
索引
本書で取り上げたガイドライン文献リスト
執筆者一覧
序章 エビデンスの臨床活用(内山 靖)
1.社会が求める理学療法への期待
2.エビデンスレベルと推奨グレード
3.評価と治療 4.実践活用
I 疾患編
1 脳卒中−急性期(小島 肇,山形哲行)
評価指標
(1)SIAS,(2)NIHSS,(3)mRS
治療/介入の方法
(1)脳卒中ユニット,(2)早期理学療法,
(3)集中的リハ量,(4)麻痺側肩関節管理,
(5)ファシリテーションテクニック
2 脳卒中−回復期(原田和宏,井上 優)
評価指標
(1)WMFT,(2)FMA,(3)MAS,(4)DGI
治療/介入の方法
(1)介入時間の確保,(2)麻痺側上肢への課題反復,
(3)痙縮,(4)麻痺側肩,(5)立位動作,(6)歩行練習,(7)ADL課題の練習,
(8)体力の向上,(9)低栄養の評価,(10)認知障害の把握
3 脳卒中−慢性期(石倉 隆)
評価指標
(1)FIM,(2)SF-36,(3)J-ZBI
治療/介入の方法
(1)課題志向型・課題特異型アプローチ,
(2)有酸素運動と筋力増強運動を組み合わせたトレーニング,
(3)装具療法,(4)バイオフィードバック療法,(5)CI療法,(6)在宅理学療法
4 パーキンソン病(長澤 弘)
評価指標
(1)UPDRS, (2)PDQ-39, (3)Hoehn&Yahr Stage,(4)修正版Hoehn&Yahrの重症度分類
治療/介入の方法
(1)複合的理学療法,(2)筋力増強法,(3)バランス運動,(4)トレッドミル歩行練習,
(5)聴覚や視覚の外的刺激,(6)有酸素運動や呼吸練習
5 脳性麻痺(新田 收)
評価指標
(1)デンバー式発達スクリーニング検査,
(2)GMFM,(3)GMFCS,(4)WeeFIM,
(5)PEDI,(6)GMs評価,(7)NBAS,
(8)Dubowitz評価
治療/介入の方法
(1)NDT,(2)SDR,(3)母親指導,(4)shallow法,(5)軽打法,(6)呼気圧迫法
6 大腿骨近位部骨折(藤田博曉)
評価指標
(1)下肢筋力の評価,(2)術前後に必要となる理学療法評価
治療/介入の方法
(1)加速的リハビリテーション,(2)クリニカルパス,
(3)栄養評価,(4)地域連携パス,(5)再骨折予防
7 変形性膝関節症(坂本雅昭,遠藤康裕)
評価指標
(1)JKOM,(2)WOMAC,(3)JOAスコア
治療/介入の方法
(1)運動療法,(2)物理療法,(3)生活指導,(4)減量療法
8 膝・足部靱帯損傷(加賀谷善教)
評価指標
(1)IKDC,(2)Lysholm Score,(3)Cincinnati Knee Score,(4)AOFAS
治療/介入の方法
(1)加速的リハビリテーション,(2)筋力トレーニング,(3)固有受容器トレーニング,
(4)足関節外側靱帯損傷に推奨される運動療法,
(5)足関節外側靱帯損傷に対するテーピング
9 外傷性頚髄損傷(長谷川隆史)
評価指標
(1)ASIA評価,(2)改良Frankel分類,
(3)Zancolli分類, (4)SCIM, (5)WISCI II
治療/介入の方法
(1)筋力増強,(2)電気療法,(3)BWSTT,
(4)有酸素運動,呼吸理学療法,(5)装具療法
10 頚髄症(樋口大輔)
評価指標
(1)JOACMEQ,(2)JOAスコア,(3)NCSS,
(4)10秒テスト,(5)パブロフ比
治療/介入の方法
(1)複合的保存療法,(2)術後早期の頚部ROM運動,
(3)手指の巧緻練習および歩行課題練習,(4)職業の把握と復職支援,
(5)術後C5麻痺に対する運動・物理療法
11 関節リウマチ(阿部敏彦)
評価指標
(1)ACRコアセット,(2)DAS28,(3)SDAIとCDAI,(4)HAQ
治療/介入の方法
(1)疼痛に有効な物理療法,(2)運動療法,
(3)患者教育/ホームエクササイズの指導,(4)装具療法
12 腰痛症(伊藤俊一)
評価指標
(1)PDとVS,(2)SLRテスト,(3)ODIとRDQ,(4)QIDS-JとBS-POP
治療/介入の方法
(1)筋ストレッチング,(2)McKenzieエクササイズなどによる体操療法,
(3)エアロビクス,(4)徒手療法,(5)神経筋群協調トレーニング
13 心筋梗塞(高橋哲也)
評価指標
(1)6分間歩行距離,(2)最高酸素摂取量,
(3)嫌気性代謝閾値の酸素摂取量,(4)最大運動強度
治療/介入の方法
(1)有酸素運動,(2)インターバルトレーニング,(3)レジスタンストレーニング,
(4)生活習慣改善を含む二次予防教育
14 慢性心不全(神谷健太郎,松永篤彦)
評価指標
(1)NYHA心機能分類,(2)Nohria-Stevenson分類,
(3)ミネソタ心不全質問票・カンザス市心筋症質問票,
(4)フレイル・サルコペニアの関連指標
治療/介入の方法
(1)有酸素運動,(2)患者および家族に対する教育,(3)レジスタンストレーニング,
(4)吸気筋トレーニング,(5)神経筋電気刺激療法
15 大血管疾患(渡辺 敏)
評価指標
(1)画像診断による部位と形態の評価,
(2)その他のバイオマーカー,(3)ステント挿入術の評価
治療/介入の方法
(1)急性期理学療法とADL拡大,(2)回復期および維持期理学療法,(3)予防介入
16 末梢血管疾患(近藤恵理子,林 久恵)
評価指標
(1)ABI,(2)TBI,(3)トレッドミルを用いた歩行負荷試験,(4)WIQ
治療/介入の方法
(1)監視下運動療法,(2)在宅運動療法,
(3)代替運動療法,(4)チームアプローチ,(5)人工炭酸泉温浴
17 急性呼吸不全(沖 侑大郎,石川 朗)
評価指標
(1)ARDS診断基準およびBerlin定義,
(2)BPS,(3)CPOT,(4)RASS,(5)CAMICU,(6)MRCスコア
治療/介入の方法
(1)体位変換,(2)排痰手技を併用した体位ドレナージ,(3)腹臥位療法,
(4)早期離床,(5)プロトコール化された人工呼吸器離脱トライアル
18 慢性呼吸不全(角野 直,神津 玲)
評価指標
(1)修正MRC,(2)スパイロメトリー,
(3)CAT,(4)身体活動量評価
治療/介入の方法
(1)呼吸練習,(2)気道クリアランス,(3)持久力トレーニング,
(4)筋力トレーニング,(5)患者教育
19 糖尿病(片田圭一)
評価指標
(1)血糖コントロールの評価,(2)運動耐容能の評価,(3)活動量の評価,
(4)筋力・筋萎縮の評価,(5)TTMによる行動評価
治療/介入の方法
(1)有酸素運動,(2)レジスタンス運動,(3)糖尿病足病変に対する理学療法,
(4)生活習慣改善,(5)患者教育,(6)チーム医療
20 虚弱高齢者(河合 恒,大渕修一)
評価指標
(1)基本チェックリスト,(2)老研式活動能力指標,(3)歩行速度
治療/介入の方法
(1)包括的高齢者運動トレーニング,(2)尿失禁予防トレーニング,
(3)膝痛対策プログラム,(4)腰痛対策プログラム,
(5)転倒・骨折対策プログラム,(6)複合プログラム
II 機能・能力低下編
1 関節可動低下(板場英行)
評価指標
(1)関節可動域表示測定法(学会法),(2)距離測定,(3)視認法,
(4)特殊器具活用法,(5)画像分析法
治療/介入の方法
(1)複合的理学療法,(2)徒手他動的関節可動手技,(3)関節モビライゼーション,
(4)運動併用モビライゼーション,(5)治療ストレッチング,
(6)軟部組織モビライゼーション,(7)筋膜リリース,(8)物理療法
2 筋力低下(岡西哲夫)
評価指標
(1)MMT,(2)HHD,(3)握力,(4)1RM,
(5)等速性筋力評価機器,(6)立ち上がりテスト
治療/介入の方法
(1)レジスタンストレーニング,(2)在宅での低負荷による抵抗運動プログラム,
(3)立位での荷重練習,(4)栄養介入とPRTの併用
3 持久性低下(有薗信一)
評価指標
(1)6分間歩行試験,(2)最大酸素摂取量と最高酸素摂取量,(3)運動持続時間
治療/介入の方法
(1)持久力トレーニング
4 バランス低下(望月 久)
評価指標
(1)BBS,またはFBS(2)FRT,(3)FES-1,
(4)BESTest
治療/介入の方法
(1)バランス運動と筋力増強運動を含む多面的な運動,(2)太極拳,
(3)トレッドミル歩行練習,(4)その他の介入方法
5 歩行能力低下(橋立博幸)
評価指標
(1)TUG,(2)歩行速度,(3)POMA,
(4)FAC,(5)6分間歩行試験
治療/介入の方法
(1)脳卒中に対する反復的な課題を用いたトレーニング,(2)脳卒中に対する課題特異的な練習,
(3)脳卒中に対するトレッドミル歩行練習または体重免荷トレッドミル歩行練習,
(4)脳卒中に対する持久性運動,(5)パーキンソン病に対する理学療法および歩行練習,
(6)パーキンソン病に対する感覚刺激を用いた歩行練習,(7)虚弱高齢者に対する運動療法
6 嚥下機能低下(吉田 剛)
評価指標
(1)MASA,(2)DSS,(3)FILS,(4)聖隷式嚥下質問紙,(5)RSST,MWST
治療/介入の方法
(1)姿勢調節,(2)メンデルソン手技,
(3)Shaker法,(4)咽頭冷却刺激,
(5)嚥下筋への低周波電気刺激療法
7 疼痛(鈴木重行,林 和寛)
評価指標
(1)VAS,(2)NRS,(3)VRS,(4)フェイススケール,(5)MPQ,(6)SF-MPQ
治療/介入の方法
(1)運動療法,(2)温熱療法,(3)レーザー療法,(4)電気刺激療法,
(5)集学的/学際的リハビリテーション
8 痙縮・痙縮筋(臼田 滋)
評価指標
(1)MAS,(2)MTS
治療/介入の方法
(1)筋力増強,(2)物理療法,(3)ストレッチング,(4)装具療法,(5)ボツリヌス治療
9 認知機能低下(島田裕之)
評価指標
(1)MMSE, (2)ADAS-cog, (3)MoCA,
(4)ウエクスラー記憶検査,(5)TMT,
(6)NCGG-FAT
治療/介入の方法
(1)運動・身体活動,(2)認知トレーニング,
(3)生活習慣の改善,(4)認知症高齢者の認知機能の低下抑制
索引