●第2版の序文●
2000年3月に,初版を出版してから早くも6年が経過しました.この間に脳卒中診療やリハビリテーションには,次のような進歩や変化がありました.
急性期脳卒中の治療では,5学会合同の委員会による「治療ガイドライン2004」が発表されました.その中では,個々の治療技術について,もとになったエビデンスのレベル(Ia〜IV)によって,推奨のグレード(A「強く勧められる」〜D「行わないよう勧められる」)も示されています.そのエビデンスの中には,本書で紹介したデータも採用され,我々が強調した「チームによる集中的なリハビリテーション」は強く勧められています(グレードA).また,合併症として,深部静脈血栓やうつの重要性が認識され,うつの治療を行うことが推奨されています(グレードB).また,多くの病院に「クリティカルパス」(診断・検査・治療の流れが一目で分かるようした工程表)が,医療の質向上や患者家族への説明に役立つとして取り入れられるようになっています.
リハビリテーションに関わる変化で大きいものは,回復期リハビリテーション病棟(2000年4月)と,2001年にWHOの総会で承認されたICF(国際生活機能分類)の登場です.今後さらに増えるであろう回復期リハビリテーション病棟が,期待される治療効果をあげるためには,ICFで強調される「negativeな側面(障害)ばかりを見ないで,positiveな側面(残された部分)にも着目すること」,ゴールをチームで共有してチームの力を発揮すること,が重要です.また,PT・OTの養成校の設立が相次ぎ,本書をテキストとして採用して下さるところも増えています.
退院支援に目を向ければ,介護保険制度が2000年4月導入され,利用者が急増しました.導入5年後の見直しの結果,介護予防重視型システムや地域包括支援センター,地域密着型サービスが新たに2006年4月から導入されることになりました.
初版の編集方針--急性期治療から早期リハビリテーション,そして退院支援のケアマネジメントまで,脳卒中診療・リハビリテーションの全体像をバランス良く取り上げる--はそのままに,上で述べたような進歩や変化を反映させ改訂しました.その結果,約50ページの増ページとなりました.
脳卒中は,要介護状態の原因として一番多いなど,その重要性は変わっていません.本書が,臨床現場や教育現場で役に立ち,脳卒中リハビリテーションの水準向上に少しでも貢献できることを願っています.
2006年2月
編集委員会
●第1版の序文●
脳卒中は,要介護(寝たきりと痴呆)老人の最大の基礎疾患です.今後,人口の高齢化に伴い,患者数の増加など臨床的にだけでなく,医療費や介護費用など社会経済的にも,その重要性を増していくと思われます.そして,リハビリテーションが特に必要な疾患の1つです.たとえば,一般病棟に比べ治療効果が大きいことが実証された脳卒中病棟(Stroke Unit)においても,リハビリテーションは不可欠な要素です.
脳卒中の医療においては,大学病院がその地域の中心的な役割を果たしていることはきわめてまれです.その背景には,脳卒中が高齢者のcommon diseaseであるため患者数が多いこと,リハビリテーションにはチーム医療が必要であること,入院期間が他疾患に比べ長期となることなどの要因があり,今後も短期的にはこの状況は変わらないと思われます.そのため,脳卒中(リハビリテーション)診療の普及と質の向上は,地域密着型の一般病院における脳卒中病棟やリハビリテーション部門にかかっており,今後これらに積極的に取り組む病院が増えることが期待されます.
本書は,第一線病院の中に,脳卒中病棟やリハビリテーション病棟・部門を立ち上げ運営してきた経験をもつ神経内科専門医やリハビリテーション専門医を中心に編集・執筆しました.チーム医療が不可欠なので,医師だけでなく看護婦や理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),医療ソーシャルワーカー(MSW)などのスタッフにも意見を求め,脳卒中とリハビリテーションをめぐるいわば「共通言語」にあたる基礎的知識と技術に関するテキストをめざした本です.
本書は,以下のような特徴を持っています.まず,内容の上で,脳卒中診療やリハビリテーションのある一面のみを取り上げたものではありません.脳卒中病棟や地域密着型リハビリテーション病棟・部門のスタッフが共有すべき知識や技術は何かという視点から,必要な要素を総合的に述べようと試みました.その結果,1脳卒中の病型診断や(合併症を含む)急性期治療,2看護婦の役割の大きい段階的嚥下訓練や座位耐性訓練,排尿援助などの早期リハビリテーション,3障害の評価と予後予測,4廃用症候群とそれを克服するための健側強化訓練,5各職種の仕事とチーム医療,6一般病院でよく見られる多発性脳梗塞患者に多い嚥下性肺炎や神経因性膀胱,MRSA感染症をはじめ,退院後も含む内科的管理が必要な合併症とその対策,7退院に向けた援助,社会資源,ケアマネジメント,退院後の在宅医療,介護保険まで,幅広く扱うことになります.
また,編集上では,短時間の学習会でも使いやすく,参加できなかったスタッフに後で読んで理解してもらえるよう以下の6点に工夫を加えました.これは第一線病院の実状(1回の学習会にとれる時間は正味30分で,看護婦は3交代勤務なので全員が一度に参加できない)を考えてのことです.具体的には,1学習会参加への動機づけとなるような実践的・具体的基準とその背景となる知識の両者を盛り込み,21つのテーマで分量が多くならないようにし,3前回の勉強会に参加していなくても理解できるよう各テーマごとに内容を独立させるとともに参照ページを明示し,4図表やサイドメモを多く用い,5略語・用語集としても使えるよう索引を充実させました.さらに,6医師以外の職種にもわかりやすい表現や内容になるよう,繰り返し編集の手を加えました.
リハビリテーション部門だけでなく脳卒中病棟で働く医師・看護婦・PT・OT・ST・MSWなど全てのスタッフの役にたつことを意図して編集しました.初心者にわかりやすく,厚すぎない本にしようとするあまり,個別性や専門性の高い内容などに関しては不十分な点があるかもしれません.率直にご批判,ご意見をお寄せいただければ幸いです.
最後に,脳卒中病棟や地域密着型リハビリテーション病棟・部門のスタッフに必要な知識や技術は何であるのかを,われわれに身をもって教えてくれた多くの患者・家族の方々に感謝します.また,慣れない執筆陣を暖かくそして根気強く励ましてくださった医歯薬出版の編集スタッフに深謝いたします.
2000年2月
編集委員会
2000年3月に,初版を出版してから早くも6年が経過しました.この間に脳卒中診療やリハビリテーションには,次のような進歩や変化がありました.
急性期脳卒中の治療では,5学会合同の委員会による「治療ガイドライン2004」が発表されました.その中では,個々の治療技術について,もとになったエビデンスのレベル(Ia〜IV)によって,推奨のグレード(A「強く勧められる」〜D「行わないよう勧められる」)も示されています.そのエビデンスの中には,本書で紹介したデータも採用され,我々が強調した「チームによる集中的なリハビリテーション」は強く勧められています(グレードA).また,合併症として,深部静脈血栓やうつの重要性が認識され,うつの治療を行うことが推奨されています(グレードB).また,多くの病院に「クリティカルパス」(診断・検査・治療の流れが一目で分かるようした工程表)が,医療の質向上や患者家族への説明に役立つとして取り入れられるようになっています.
リハビリテーションに関わる変化で大きいものは,回復期リハビリテーション病棟(2000年4月)と,2001年にWHOの総会で承認されたICF(国際生活機能分類)の登場です.今後さらに増えるであろう回復期リハビリテーション病棟が,期待される治療効果をあげるためには,ICFで強調される「negativeな側面(障害)ばかりを見ないで,positiveな側面(残された部分)にも着目すること」,ゴールをチームで共有してチームの力を発揮すること,が重要です.また,PT・OTの養成校の設立が相次ぎ,本書をテキストとして採用して下さるところも増えています.
退院支援に目を向ければ,介護保険制度が2000年4月導入され,利用者が急増しました.導入5年後の見直しの結果,介護予防重視型システムや地域包括支援センター,地域密着型サービスが新たに2006年4月から導入されることになりました.
初版の編集方針--急性期治療から早期リハビリテーション,そして退院支援のケアマネジメントまで,脳卒中診療・リハビリテーションの全体像をバランス良く取り上げる--はそのままに,上で述べたような進歩や変化を反映させ改訂しました.その結果,約50ページの増ページとなりました.
脳卒中は,要介護状態の原因として一番多いなど,その重要性は変わっていません.本書が,臨床現場や教育現場で役に立ち,脳卒中リハビリテーションの水準向上に少しでも貢献できることを願っています.
2006年2月
編集委員会
●第1版の序文●
脳卒中は,要介護(寝たきりと痴呆)老人の最大の基礎疾患です.今後,人口の高齢化に伴い,患者数の増加など臨床的にだけでなく,医療費や介護費用など社会経済的にも,その重要性を増していくと思われます.そして,リハビリテーションが特に必要な疾患の1つです.たとえば,一般病棟に比べ治療効果が大きいことが実証された脳卒中病棟(Stroke Unit)においても,リハビリテーションは不可欠な要素です.
脳卒中の医療においては,大学病院がその地域の中心的な役割を果たしていることはきわめてまれです.その背景には,脳卒中が高齢者のcommon diseaseであるため患者数が多いこと,リハビリテーションにはチーム医療が必要であること,入院期間が他疾患に比べ長期となることなどの要因があり,今後も短期的にはこの状況は変わらないと思われます.そのため,脳卒中(リハビリテーション)診療の普及と質の向上は,地域密着型の一般病院における脳卒中病棟やリハビリテーション部門にかかっており,今後これらに積極的に取り組む病院が増えることが期待されます.
本書は,第一線病院の中に,脳卒中病棟やリハビリテーション病棟・部門を立ち上げ運営してきた経験をもつ神経内科専門医やリハビリテーション専門医を中心に編集・執筆しました.チーム医療が不可欠なので,医師だけでなく看護婦や理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),医療ソーシャルワーカー(MSW)などのスタッフにも意見を求め,脳卒中とリハビリテーションをめぐるいわば「共通言語」にあたる基礎的知識と技術に関するテキストをめざした本です.
本書は,以下のような特徴を持っています.まず,内容の上で,脳卒中診療やリハビリテーションのある一面のみを取り上げたものではありません.脳卒中病棟や地域密着型リハビリテーション病棟・部門のスタッフが共有すべき知識や技術は何かという視点から,必要な要素を総合的に述べようと試みました.その結果,1脳卒中の病型診断や(合併症を含む)急性期治療,2看護婦の役割の大きい段階的嚥下訓練や座位耐性訓練,排尿援助などの早期リハビリテーション,3障害の評価と予後予測,4廃用症候群とそれを克服するための健側強化訓練,5各職種の仕事とチーム医療,6一般病院でよく見られる多発性脳梗塞患者に多い嚥下性肺炎や神経因性膀胱,MRSA感染症をはじめ,退院後も含む内科的管理が必要な合併症とその対策,7退院に向けた援助,社会資源,ケアマネジメント,退院後の在宅医療,介護保険まで,幅広く扱うことになります.
また,編集上では,短時間の学習会でも使いやすく,参加できなかったスタッフに後で読んで理解してもらえるよう以下の6点に工夫を加えました.これは第一線病院の実状(1回の学習会にとれる時間は正味30分で,看護婦は3交代勤務なので全員が一度に参加できない)を考えてのことです.具体的には,1学習会参加への動機づけとなるような実践的・具体的基準とその背景となる知識の両者を盛り込み,21つのテーマで分量が多くならないようにし,3前回の勉強会に参加していなくても理解できるよう各テーマごとに内容を独立させるとともに参照ページを明示し,4図表やサイドメモを多く用い,5略語・用語集としても使えるよう索引を充実させました.さらに,6医師以外の職種にもわかりやすい表現や内容になるよう,繰り返し編集の手を加えました.
リハビリテーション部門だけでなく脳卒中病棟で働く医師・看護婦・PT・OT・ST・MSWなど全てのスタッフの役にたつことを意図して編集しました.初心者にわかりやすく,厚すぎない本にしようとするあまり,個別性や専門性の高い内容などに関しては不十分な点があるかもしれません.率直にご批判,ご意見をお寄せいただければ幸いです.
最後に,脳卒中病棟や地域密着型リハビリテーション病棟・部門のスタッフに必要な知識や技術は何であるのかを,われわれに身をもって教えてくれた多くの患者・家族の方々に感謝します.また,慣れない執筆陣を暖かくそして根気強く励ましてくださった医歯薬出版の編集スタッフに深謝いたします.
2000年2月
編集委員会
第2版の序文…iii 第1版の序文…iv 本書で使用する主な略語…vi サイドメモ一覧
第1章 地域密着型リハビリテーションの重要性と技術
1 期待される地域密着型の脳卒中リハビリテーション
1.重要性を増す脳卒中リハビリテーション
2.リハビリテーション医療を提供する場
3.「地域密着型」リハビリテーション部門
4.地域密着型のリハビリテーション部門の長所と制約
1)リハビリテーションの早期開始が可能 2)他科との連携により全身管理が可能 3)家族の日常的面会や自主訓練への協力が可能 4)試験外泊や家屋評価(home evaluation)が可能 5)退院に向けたケアマネジメントが容易 6)退院後の外来・訪問での訓練や全身管理,患者会への参加などが可能 7)脳卒中病棟としての効果が期待できる 8)長期の入院は困難 9)手のかかる患者がたまりやすい
2 エビデンスに基づく脳卒中リハビリテーション
1.エビデンスに基づく脳卒中リハビリテーション
2.重症度評価・合併症を含む全身管理
3.廃用症候群と早期リハビリテーション・健側強化
1)廃用症候群 2)早期リハビリテーション 3)健側強化
4.リハビリテーションチーム
5.家庭復帰に向けたケアマネジメント
3 地域密着型リハビリテーション部門におけるプログラム
1.リハビリテーションプログラム作成上のチェックポイント
2.リハビリテーションプログラム作成・実施の流れ
3.よくみられる障害像と目標の目安
第2章 脳卒中の診断と治療
1 脳卒中の病型と重症度
1.脳血管障害の分類と頻度
2.脳卒中の重症度
3.意識障害の評価
4.脳血管障害の画像診断
1)脳出血の画像所見 2)脳梗塞の画像所見 3)くも膜下出血の画像所見
5.脳出血のCT所見と重症度
1)被殻出血 2)視床出血 3)小脳出血 4) 橋出血 5)皮質下出血
6.一過性脳虚血発作(TIA)
7.脳梗塞
1)ラクナ梗塞(ラクナ症候群) 2)境界領域梗塞 3)線条体内包梗塞(striatocapsular infarction) 4)皮質枝梗塞 5)脳塞栓
8.ビンスワンガー病(ビンスワンガー型脳梗塞)
9.くも膜下出血(SAH)
2 問診
1.脳卒中に関する問診
1) 発症様式 2)既往歴 3)リスクファクター
2.リハビリテーション医学的問診
1)病前のADL 2)脳卒中が再発か否か 3)合併症 4)参加・背景因子
3 神経学的診察と検査
1.神経学的診察
1)意識レベル 2)高次脳機能 3)眼所見 4) 脳神経所見 5)運動機能 6) 反射 7)感覚障害 8)失調 9) ROM(関節可動域)・筋トーヌス 10) 項部硬直 11)ADL
2.内科的診察
1)バイタルサイン 2)心機能 3)全身所見 4)血管所見
3.検査のポイント
4 脳卒中の治療
1.脳外科での手術が必要な脳卒中
1)くも膜下出血 2)脳出血 3)脳梗塞
2.脳卒中共通の治療
1)全身管理 2)脳浮腫対策 3)水分出納
3.各病型の治療
1)脳出血 2)脳梗塞
4.その他の薬剤の特徴
1) ヘパリン 2)ウロキナーゼ 3)低分子デキストラン
5 急性期の全身管理
1.全身管理の重要性
1)脳血管障害の治療の善し悪しは全身管理の質で決まる 2)脳卒中患者は複数のリスクファクターを有することが多い
2.バイタルサイン
1)意識レベル 2)呼吸 3)血圧
3.合併症とその治療
1) 脳由来の合併症 2)脳卒中で生じやすい脳以外の臓器の合併症 3) 危険因子として存在する疾患の増悪
6 クリニカルパス
1.クリニカルパスとは
2.クリニカルパスの一例
1)脳卒中で使用しているクリニカルパス 2)軽症脳梗塞用クリニカルパス
第3章 脳卒中の早期リハビリテーション
1 早期離床と座位耐性訓練
1.早期離床と座位耐性訓練の重要性
2.座位耐性訓練と脳卒中の再発・進行
3.座位耐性訓練基準
1) 安静度・座位耐性訓練開始時期 2)訓練方法 3)観察項目 4)中止基準
4.家人への説明の重要性
5.座位耐性訓練の実際の開始時期
2 段階的嚥下訓練
1.急性期脳卒中患者における嚥下障害の頻度と経過
2.食事開始の基準
3.開始する食形態
4.段階的嚥下訓練の方法
1)環境整備 2)口腔内の保清 3) 姿勢の原則と工夫 4)嚥下訓練の介助のしかた 5)観察点 6)誤嚥した場合
5.段階的嚥下訓練食
6.訓練食の段階を上げる判断基準
3 尿路管理・排尿援助基準
1.発症直後の尿路管理
2.急性期の尿路管理
3.「尿意の訴え」の回復過程
4.排尿援助の流れ
5.排尿援助を進めるうえでの注意点
4 夜間不穏患者への対応
1.不穏・せん妄の定義
2.せん妄の原因
3.せん妄の治療
1)非薬物療法 2)薬物療法
5 関節拘縮の予防と関節可動域(ROM)訓練
1.関節拘縮
2.脳卒中と関節拘縮
3.ROM訓練
1) ポジショニングについて 2)ROM訓練の開始時期 3)ROM訓練の頻度 4)ROM訓練の方法 5) ROM訓練の基本的注意 6) 他動的ROM訓練 7)自己ROM訓練の方法 8)筋痙縮に対する対応 9)おわりに
6 深部静脈血栓症(DVT)
1.脳卒中とDVT・肺塞栓との関係
1) 症状 2)スクリーニングおよび診断 3)予防 4)治療 5)肺塞栓の診断と治療
2.回復期リハ病棟における取り組み
第4章 脳卒中リハビリテーションに必要な知識
1 障害の評価
A リハビリテーション医学的プロブレムリストの作り方
B 機能・形態障害 impairment
1.意識障害
2.認知症
3.失語
4.失行
5.運動維持困難 motor impersistence
6.注意機能の障害 disorders of attention
7.半側空間無視の定義と特徴
8.中枢性麻痺
9.運動失調
10.関節可動域制限
11.嚥下障害
C 活動制限 activity limitation
1.ADL評価の重要性
2.ADL評価の目的
1) 障害重症度の評価 2) 経時的変化(到達レベル)の評価 3)ADLの予後予測 4)退院先の予測 5)今後必要となるプログラムの選択 6)必要な介助器具・社会資源の選定の目安 7)各種診断書に必要
3.ADLを構成する要素
4.ADL評価上の注意点
1)時間帯・状況・条件で変動するADL 2)「できるADL」と「しているADL」 3)評価基準の必要性
5.ADL評価の実際
1)自立度(二木) 2)日常生活自立度判定基準 3)Barthel index(バーテル指数,BI) 4)FIM(functional independence measure) 5)広義のADL・IADL
D 参加制約participation restriction
1.参加制約の評価の重要性
2.評価はチームで行う
3.参加制約とそれに影響する因子の評価
1) 参加制約の評価 2)環境因子 3)個人因子
E 心理―障害の受容過程
1.障害の受容
2.障害の受容の諸段階
1)ショック期 2)否認期 3) 混乱期 4)解決への努力期 5)受容期
3.障害の予後の説明
4.予後の説明後
第5章 回復期のリハビリテーション
1 リハビリテーション施行時の回復経過と予後予測
1.早期リハビリテーションを施行した場合の回復経過
1)機能障害(impairment):上下肢の麻痺(ブルンストロームステージ) 2) 活動制限(activity limitation):バーテル指数 3) 参加制約(participation restriction):自宅退院率
2.歩行自立の予後予測
1)最終自立度予測基準(二木)の特徴 2)予後予測の実際
3.病変部位などによる予後の特徴
1)意識障害が遷延しやすい病変 2)小脳病変などによる失調症 3)多発病変・「両側障害」 4)病前からのADL制限
2 回復期リハビリテーション病棟
1.対象患者の選択
2.専従の職員
3.チームワーク
4.病棟における取り組み
5.退院準備
6.安全管理
7.総合実施計画書
3 リハビリテーションチーム
1.リハビリテーションチームの構成員と役割
2.チームの運営
1)リハビリテーション処方箋(依頼箋) 2)リハチーム回診 3)カンファレンス 4)チームで行う家庭訪問 5)担当者会議 6)学習・教育・研究 7)患者会 8)他職場とのかかわり 9)視点
4 言語障害患者への対応
1.言語障害患者への対応の工夫
2.言語障害患者への言語療法
3.言語障害に関する用語
5 リハビリテーション看護の役割
A リハビリテーション看護において大切なこと
1.急性期の看護
1)医学的管理 2)合併症・廃用症候群の防止 3)療養環境の整備・プライバシーの保護・安全対策
2.回復期の看護
B 看護師の役割と看護計画・看護記録
1.看護師の主な役割
1)全身状態の管理 2)日常生活動作の拡大・自立への援助 3)心理的側面への援助 4)家族への指導 5)他職種との連絡・調整
2.看護計画のたて方
1)情報収集 2)情報を解釈・判断し,問題を明確化 3)看護目標 4)具体策 5)評価・修正
3.看護記録の書き方
6 ADL自立に向けての介護技術
1.ADL自立の意義と心構え
2.起居移動動作の介護技術
1)どんなベッドがよいか 2)ベッドからの起き上がり,移乗の方法 3)転倒予防のために
3.排泄の介護技術
1)ポータブルトイレでの排泄自立訓練3本柱 2)排泄の取り組みのチェックポイント
4.食事・整容・更衣の介護技術
5.入浴の介護技術
6.職員の腰痛・頚肩腕障害の予防
7 下肢装具・歩行補助具・歩行訓練
1.下肢装具
1)使用目的など 2)装具処方の時期 3)主な下肢装具の種類と構造 4)装具の給付制度
2.下肢装具の適応
3.適合判定
4.歩行補助具
1)使用目的 2)歩行補助具の種類とその適応 3)歩行補助具の給付区分
5.歩行訓練の進め方・介助法
1)歩行訓練での留意事項 2)訓練室での歩行訓練の実際 3)病棟での歩行訓練の実際
8 車椅子・車椅子操作法
1.車椅子
1)使用目的および適応 2)構造(普通型を例として) 3)種類 4)車椅子の給付制度
2.車椅子の使い方
1) 座位保持装置として使用する場合 2) 移動手段として使用する場合
第6章 廃用症候群と健側強化訓練
1 廃用症候群
1.廃用症候群とは
1)廃用症候群の概念 2)廃用症候群の臨床的意義
2.廃用症候群の種類
1)廃用性筋萎縮 2)関節拘縮 3)廃用性骨萎縮 4)心機能低下および体力低下 5)起立性低血圧 6)精神機能の低下
2 褥瘡
1.発生機序
2.好発部位
3.褥瘡のリスク評価と創評価
4.褥瘡の予防
5.褥瘡の局所療法と治療薬剤,用材
3 健側強化のための起立・歩行・階段昇降訓練
1.廃用症候群防止に必要な訓練量
1)廃用症候群防止の重要性 2)健常者の歩行量 3)廃用症候群防止に必要な歩行量・運動量
2.起立・歩行・階段昇降の意義
3.起立(立ち上がり)・歩行・階段昇降訓練の方法と実施上の注意
1)起立(-着席)訓練 2)歩行訓練 3)階段昇降訓練
4.集団で行う起立訓練
5.指導下の自主訓練
1)指導下の自主訓練とは 2)指導下の自主訓練チェック表 3)指導下の自主訓練の処方量の目安
6.退院に向けた指導下の自主訓練の指導
第7章 脳卒中によくある合併症とその対策
1 嚥下障害と嚥下訓練
1)摂食・嚥下のメカニズム 2)摂食・嚥下の評価とリハビリテーションアプローチ 3)嚥下訓練 4)嚥下訓練食 5)補助栄養 6)チームアプローチ 7)OE法について
2 嚥下性(吸引性)肺炎
1)嚥下性肺炎のタイプ 2)嚥下性肺炎への対策 3)嚥下性肺炎の起因菌 4)嚥下性肺炎の治療
3 胃瘻と流動食
1)経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG)の有用性 2)PEG手技の概要 3)PEGの合併症 4) PEG施行後の管理 5)PEGの今後と応用 6)経腸栄養剤の分類 7)経腸栄養における副作用,合併症と対策 8)経腸栄養の栄養評価
4 神経因性膀胱(NB,NGB)
1.正常な排尿と排尿障害
2.排尿の神経調節とレセプターの分布
3.脳卒中による排尿障害の特徴
4.神経因性膀胱の診断
1) 排尿パターンと失禁のタイプの把握 2)残尿の有無 3)尿路感染,前立腺肥大,薬剤起因の除外
5.膀胱機能検査
1) 超音波検査 2)排泄時膀胱尿道造影(VCU) 3)尿流動態検査法(urodynamic study)
6.神経因性膀胱の治療
1)バルーンカテーテル抜去後の尿閉 2)溢流性尿失禁 3)切迫性尿失禁 4)反射性尿失禁(無抑制性尿失禁) 5)腹圧性尿失禁 6)夜間頻尿
5 脳卒中後の抑うつ
1.脳卒中後の抑うつの重要性
2.脳卒中後の抑うつの分類
3.うつに対する治療効果のエビデンス
4.抗うつ薬による薬物療法
1)SSRI・SNRI 2)リタリン
5.心理療法的アプローチ
6.リハビリテーション医学的アプローチ
6 けいれん
1)けいれん発作とてんかん病態 2)てんかんの管理 3)非てんかん性のけいれん発作
7 痙性
1.筋緊張異常としての痙性(spasticity)と固縮(rigidity)
2.痙性麻痺の回復過程と治療原則
3.痙性の治療
1)運動療法 2)薬物治療 3)外科的治療 4)その他の療法
8 肩手症候群
1)症状 2)診断 3)治療 4)発症機序・関連因子
9 肩関節亜脱臼
1)肩関節の亜脱臼 2)亜脱臼と麻痺 3)亜脱臼と痛み 4)亜脱臼のある患者の診察 5)亜脱臼のある患者の治療 6)アームスリング(三角巾)の使用基準 7)アームスリングの2つのタイプ
10 脳卒中患者の骨折
1)脳卒中患者の骨折の特徴 2)骨折の治療法
11 MRSA感染
12 便秘
1)便秘の原因 2)便秘の治療
第8章 退院に向けて
1 退院先の決定
1.リハビリテーションの種々のゴール
2.退院の時期
3.退院先の決定時に留意すべき点
4.退院先の選択肢
5.自宅退院を可能にする条件
2 在宅療養に向けての援助の実際
1.家屋評価,住宅改造
2.福祉用具(補装具・福祉機器)などの準備
3.試験外泊
4.家族の役割
5.家族への介護指導
6.本人・家族への生活指導
7.社会資源の利用
8.ケアマネジメントとケアプラン作成
9.車の運転
1)運転再開例の特徴 2)運転に適さない例
10.脳卒中患者の性の問題
1)男性脳卒中患者の性欲と性行為について 2)男性脳卒中患者と配偶者との関係 3) 女性脳卒中患者の性欲と性行為 4)性欲に影響する因子 5)指導上の注意
3 退院後の内科的管理
1.退院後の内科的管理のポイント
2.再発予防
1)再発の頻度 2)再発予防のための薬物療法
3.危険因子の治療
1)生活指導 2)疾患管理(危険因子となる疾患の治療)
4.後遺症に対する治療
5.合併症の早期発見
4 退院後の在宅療養支援
1.在宅療養支援チームが形成されているか
2.適切なリスク管理ができているか
3.適切な栄養・水分補給方法が選択されているか
4.患者のもつ障害の軽減はできないか
5.家族の介助量の軽減はできないか,家族にとって適切な援助がなされているか
6.患者および家族とのインフォームドコンセントが重視されているか
7.社会資源の利用は十分か
5 社会資源の利用とケアマネジメント
1.社会資源の定義
2.ケアマネジメントの視点
3.社会資源利用の実際
1)介護保険優先の原則 2)社会資源利用の目的とサービス選択
4.各種サービスの具体的内容
1)主な居宅サービス 2)主な施設サービス
5.社会資源に関連する制度
1)介護保険 2)障害者支援費制度 3)身体障害者手帳 4)障害年金
6 介護保険制度
1.介護保険制度の背景と目的
2.介護保険制度の概要
1)保険者 2)被保険者と保険料 3)要介護認定 4)給付対象となる介護サービス 5)ケアプラン作成とケアマネジャー(介護支援専門員) 6)利用者負担
3.介護保険制度の現状と問題点
1)介護保険制度の現状 2)介護保険制度の問題点
4.介護保険制度の見直し
1)介護保険制度改定 2)予防重視型システムの転換 3)新たなサービス体系の確立 4)サービスの質の向上 5)介護保険制度見直しの評価点,問題点
7 介護予防対策,閉じ込もり,転倒予防など
1.介護予防
1)介護予防が重視された背景 2)介護予防と地域支援事業 3)5つの強化すべき分野
2.閉じ込もり予防
1)脳卒中患者が閉じ込もりとなる要因 2)退院時のケアプランが重要
3.転倒・転落予防
1)転倒の実態 2)転倒のリスク評価 3)チームで取り組む転倒対策 4)転倒対策
第9章 資料編
1.関節可動域表示ならびに測定法
2.片麻痺機能テスト
3.主治医意見書
4.身体拘束ゼロへの手引き
和文索引
欧文索引
薬剤名索引
第1章 地域密着型リハビリテーションの重要性と技術
1 期待される地域密着型の脳卒中リハビリテーション
1.重要性を増す脳卒中リハビリテーション
2.リハビリテーション医療を提供する場
3.「地域密着型」リハビリテーション部門
4.地域密着型のリハビリテーション部門の長所と制約
1)リハビリテーションの早期開始が可能 2)他科との連携により全身管理が可能 3)家族の日常的面会や自主訓練への協力が可能 4)試験外泊や家屋評価(home evaluation)が可能 5)退院に向けたケアマネジメントが容易 6)退院後の外来・訪問での訓練や全身管理,患者会への参加などが可能 7)脳卒中病棟としての効果が期待できる 8)長期の入院は困難 9)手のかかる患者がたまりやすい
2 エビデンスに基づく脳卒中リハビリテーション
1.エビデンスに基づく脳卒中リハビリテーション
2.重症度評価・合併症を含む全身管理
3.廃用症候群と早期リハビリテーション・健側強化
1)廃用症候群 2)早期リハビリテーション 3)健側強化
4.リハビリテーションチーム
5.家庭復帰に向けたケアマネジメント
3 地域密着型リハビリテーション部門におけるプログラム
1.リハビリテーションプログラム作成上のチェックポイント
2.リハビリテーションプログラム作成・実施の流れ
3.よくみられる障害像と目標の目安
第2章 脳卒中の診断と治療
1 脳卒中の病型と重症度
1.脳血管障害の分類と頻度
2.脳卒中の重症度
3.意識障害の評価
4.脳血管障害の画像診断
1)脳出血の画像所見 2)脳梗塞の画像所見 3)くも膜下出血の画像所見
5.脳出血のCT所見と重症度
1)被殻出血 2)視床出血 3)小脳出血 4) 橋出血 5)皮質下出血
6.一過性脳虚血発作(TIA)
7.脳梗塞
1)ラクナ梗塞(ラクナ症候群) 2)境界領域梗塞 3)線条体内包梗塞(striatocapsular infarction) 4)皮質枝梗塞 5)脳塞栓
8.ビンスワンガー病(ビンスワンガー型脳梗塞)
9.くも膜下出血(SAH)
2 問診
1.脳卒中に関する問診
1) 発症様式 2)既往歴 3)リスクファクター
2.リハビリテーション医学的問診
1)病前のADL 2)脳卒中が再発か否か 3)合併症 4)参加・背景因子
3 神経学的診察と検査
1.神経学的診察
1)意識レベル 2)高次脳機能 3)眼所見 4) 脳神経所見 5)運動機能 6) 反射 7)感覚障害 8)失調 9) ROM(関節可動域)・筋トーヌス 10) 項部硬直 11)ADL
2.内科的診察
1)バイタルサイン 2)心機能 3)全身所見 4)血管所見
3.検査のポイント
4 脳卒中の治療
1.脳外科での手術が必要な脳卒中
1)くも膜下出血 2)脳出血 3)脳梗塞
2.脳卒中共通の治療
1)全身管理 2)脳浮腫対策 3)水分出納
3.各病型の治療
1)脳出血 2)脳梗塞
4.その他の薬剤の特徴
1) ヘパリン 2)ウロキナーゼ 3)低分子デキストラン
5 急性期の全身管理
1.全身管理の重要性
1)脳血管障害の治療の善し悪しは全身管理の質で決まる 2)脳卒中患者は複数のリスクファクターを有することが多い
2.バイタルサイン
1)意識レベル 2)呼吸 3)血圧
3.合併症とその治療
1) 脳由来の合併症 2)脳卒中で生じやすい脳以外の臓器の合併症 3) 危険因子として存在する疾患の増悪
6 クリニカルパス
1.クリニカルパスとは
2.クリニカルパスの一例
1)脳卒中で使用しているクリニカルパス 2)軽症脳梗塞用クリニカルパス
第3章 脳卒中の早期リハビリテーション
1 早期離床と座位耐性訓練
1.早期離床と座位耐性訓練の重要性
2.座位耐性訓練と脳卒中の再発・進行
3.座位耐性訓練基準
1) 安静度・座位耐性訓練開始時期 2)訓練方法 3)観察項目 4)中止基準
4.家人への説明の重要性
5.座位耐性訓練の実際の開始時期
2 段階的嚥下訓練
1.急性期脳卒中患者における嚥下障害の頻度と経過
2.食事開始の基準
3.開始する食形態
4.段階的嚥下訓練の方法
1)環境整備 2)口腔内の保清 3) 姿勢の原則と工夫 4)嚥下訓練の介助のしかた 5)観察点 6)誤嚥した場合
5.段階的嚥下訓練食
6.訓練食の段階を上げる判断基準
3 尿路管理・排尿援助基準
1.発症直後の尿路管理
2.急性期の尿路管理
3.「尿意の訴え」の回復過程
4.排尿援助の流れ
5.排尿援助を進めるうえでの注意点
4 夜間不穏患者への対応
1.不穏・せん妄の定義
2.せん妄の原因
3.せん妄の治療
1)非薬物療法 2)薬物療法
5 関節拘縮の予防と関節可動域(ROM)訓練
1.関節拘縮
2.脳卒中と関節拘縮
3.ROM訓練
1) ポジショニングについて 2)ROM訓練の開始時期 3)ROM訓練の頻度 4)ROM訓練の方法 5) ROM訓練の基本的注意 6) 他動的ROM訓練 7)自己ROM訓練の方法 8)筋痙縮に対する対応 9)おわりに
6 深部静脈血栓症(DVT)
1.脳卒中とDVT・肺塞栓との関係
1) 症状 2)スクリーニングおよび診断 3)予防 4)治療 5)肺塞栓の診断と治療
2.回復期リハ病棟における取り組み
第4章 脳卒中リハビリテーションに必要な知識
1 障害の評価
A リハビリテーション医学的プロブレムリストの作り方
B 機能・形態障害 impairment
1.意識障害
2.認知症
3.失語
4.失行
5.運動維持困難 motor impersistence
6.注意機能の障害 disorders of attention
7.半側空間無視の定義と特徴
8.中枢性麻痺
9.運動失調
10.関節可動域制限
11.嚥下障害
C 活動制限 activity limitation
1.ADL評価の重要性
2.ADL評価の目的
1) 障害重症度の評価 2) 経時的変化(到達レベル)の評価 3)ADLの予後予測 4)退院先の予測 5)今後必要となるプログラムの選択 6)必要な介助器具・社会資源の選定の目安 7)各種診断書に必要
3.ADLを構成する要素
4.ADL評価上の注意点
1)時間帯・状況・条件で変動するADL 2)「できるADL」と「しているADL」 3)評価基準の必要性
5.ADL評価の実際
1)自立度(二木) 2)日常生活自立度判定基準 3)Barthel index(バーテル指数,BI) 4)FIM(functional independence measure) 5)広義のADL・IADL
D 参加制約participation restriction
1.参加制約の評価の重要性
2.評価はチームで行う
3.参加制約とそれに影響する因子の評価
1) 参加制約の評価 2)環境因子 3)個人因子
E 心理―障害の受容過程
1.障害の受容
2.障害の受容の諸段階
1)ショック期 2)否認期 3) 混乱期 4)解決への努力期 5)受容期
3.障害の予後の説明
4.予後の説明後
第5章 回復期のリハビリテーション
1 リハビリテーション施行時の回復経過と予後予測
1.早期リハビリテーションを施行した場合の回復経過
1)機能障害(impairment):上下肢の麻痺(ブルンストロームステージ) 2) 活動制限(activity limitation):バーテル指数 3) 参加制約(participation restriction):自宅退院率
2.歩行自立の予後予測
1)最終自立度予測基準(二木)の特徴 2)予後予測の実際
3.病変部位などによる予後の特徴
1)意識障害が遷延しやすい病変 2)小脳病変などによる失調症 3)多発病変・「両側障害」 4)病前からのADL制限
2 回復期リハビリテーション病棟
1.対象患者の選択
2.専従の職員
3.チームワーク
4.病棟における取り組み
5.退院準備
6.安全管理
7.総合実施計画書
3 リハビリテーションチーム
1.リハビリテーションチームの構成員と役割
2.チームの運営
1)リハビリテーション処方箋(依頼箋) 2)リハチーム回診 3)カンファレンス 4)チームで行う家庭訪問 5)担当者会議 6)学習・教育・研究 7)患者会 8)他職場とのかかわり 9)視点
4 言語障害患者への対応
1.言語障害患者への対応の工夫
2.言語障害患者への言語療法
3.言語障害に関する用語
5 リハビリテーション看護の役割
A リハビリテーション看護において大切なこと
1.急性期の看護
1)医学的管理 2)合併症・廃用症候群の防止 3)療養環境の整備・プライバシーの保護・安全対策
2.回復期の看護
B 看護師の役割と看護計画・看護記録
1.看護師の主な役割
1)全身状態の管理 2)日常生活動作の拡大・自立への援助 3)心理的側面への援助 4)家族への指導 5)他職種との連絡・調整
2.看護計画のたて方
1)情報収集 2)情報を解釈・判断し,問題を明確化 3)看護目標 4)具体策 5)評価・修正
3.看護記録の書き方
6 ADL自立に向けての介護技術
1.ADL自立の意義と心構え
2.起居移動動作の介護技術
1)どんなベッドがよいか 2)ベッドからの起き上がり,移乗の方法 3)転倒予防のために
3.排泄の介護技術
1)ポータブルトイレでの排泄自立訓練3本柱 2)排泄の取り組みのチェックポイント
4.食事・整容・更衣の介護技術
5.入浴の介護技術
6.職員の腰痛・頚肩腕障害の予防
7 下肢装具・歩行補助具・歩行訓練
1.下肢装具
1)使用目的など 2)装具処方の時期 3)主な下肢装具の種類と構造 4)装具の給付制度
2.下肢装具の適応
3.適合判定
4.歩行補助具
1)使用目的 2)歩行補助具の種類とその適応 3)歩行補助具の給付区分
5.歩行訓練の進め方・介助法
1)歩行訓練での留意事項 2)訓練室での歩行訓練の実際 3)病棟での歩行訓練の実際
8 車椅子・車椅子操作法
1.車椅子
1)使用目的および適応 2)構造(普通型を例として) 3)種類 4)車椅子の給付制度
2.車椅子の使い方
1) 座位保持装置として使用する場合 2) 移動手段として使用する場合
第6章 廃用症候群と健側強化訓練
1 廃用症候群
1.廃用症候群とは
1)廃用症候群の概念 2)廃用症候群の臨床的意義
2.廃用症候群の種類
1)廃用性筋萎縮 2)関節拘縮 3)廃用性骨萎縮 4)心機能低下および体力低下 5)起立性低血圧 6)精神機能の低下
2 褥瘡
1.発生機序
2.好発部位
3.褥瘡のリスク評価と創評価
4.褥瘡の予防
5.褥瘡の局所療法と治療薬剤,用材
3 健側強化のための起立・歩行・階段昇降訓練
1.廃用症候群防止に必要な訓練量
1)廃用症候群防止の重要性 2)健常者の歩行量 3)廃用症候群防止に必要な歩行量・運動量
2.起立・歩行・階段昇降の意義
3.起立(立ち上がり)・歩行・階段昇降訓練の方法と実施上の注意
1)起立(-着席)訓練 2)歩行訓練 3)階段昇降訓練
4.集団で行う起立訓練
5.指導下の自主訓練
1)指導下の自主訓練とは 2)指導下の自主訓練チェック表 3)指導下の自主訓練の処方量の目安
6.退院に向けた指導下の自主訓練の指導
第7章 脳卒中によくある合併症とその対策
1 嚥下障害と嚥下訓練
1)摂食・嚥下のメカニズム 2)摂食・嚥下の評価とリハビリテーションアプローチ 3)嚥下訓練 4)嚥下訓練食 5)補助栄養 6)チームアプローチ 7)OE法について
2 嚥下性(吸引性)肺炎
1)嚥下性肺炎のタイプ 2)嚥下性肺炎への対策 3)嚥下性肺炎の起因菌 4)嚥下性肺炎の治療
3 胃瘻と流動食
1)経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG)の有用性 2)PEG手技の概要 3)PEGの合併症 4) PEG施行後の管理 5)PEGの今後と応用 6)経腸栄養剤の分類 7)経腸栄養における副作用,合併症と対策 8)経腸栄養の栄養評価
4 神経因性膀胱(NB,NGB)
1.正常な排尿と排尿障害
2.排尿の神経調節とレセプターの分布
3.脳卒中による排尿障害の特徴
4.神経因性膀胱の診断
1) 排尿パターンと失禁のタイプの把握 2)残尿の有無 3)尿路感染,前立腺肥大,薬剤起因の除外
5.膀胱機能検査
1) 超音波検査 2)排泄時膀胱尿道造影(VCU) 3)尿流動態検査法(urodynamic study)
6.神経因性膀胱の治療
1)バルーンカテーテル抜去後の尿閉 2)溢流性尿失禁 3)切迫性尿失禁 4)反射性尿失禁(無抑制性尿失禁) 5)腹圧性尿失禁 6)夜間頻尿
5 脳卒中後の抑うつ
1.脳卒中後の抑うつの重要性
2.脳卒中後の抑うつの分類
3.うつに対する治療効果のエビデンス
4.抗うつ薬による薬物療法
1)SSRI・SNRI 2)リタリン
5.心理療法的アプローチ
6.リハビリテーション医学的アプローチ
6 けいれん
1)けいれん発作とてんかん病態 2)てんかんの管理 3)非てんかん性のけいれん発作
7 痙性
1.筋緊張異常としての痙性(spasticity)と固縮(rigidity)
2.痙性麻痺の回復過程と治療原則
3.痙性の治療
1)運動療法 2)薬物治療 3)外科的治療 4)その他の療法
8 肩手症候群
1)症状 2)診断 3)治療 4)発症機序・関連因子
9 肩関節亜脱臼
1)肩関節の亜脱臼 2)亜脱臼と麻痺 3)亜脱臼と痛み 4)亜脱臼のある患者の診察 5)亜脱臼のある患者の治療 6)アームスリング(三角巾)の使用基準 7)アームスリングの2つのタイプ
10 脳卒中患者の骨折
1)脳卒中患者の骨折の特徴 2)骨折の治療法
11 MRSA感染
12 便秘
1)便秘の原因 2)便秘の治療
第8章 退院に向けて
1 退院先の決定
1.リハビリテーションの種々のゴール
2.退院の時期
3.退院先の決定時に留意すべき点
4.退院先の選択肢
5.自宅退院を可能にする条件
2 在宅療養に向けての援助の実際
1.家屋評価,住宅改造
2.福祉用具(補装具・福祉機器)などの準備
3.試験外泊
4.家族の役割
5.家族への介護指導
6.本人・家族への生活指導
7.社会資源の利用
8.ケアマネジメントとケアプラン作成
9.車の運転
1)運転再開例の特徴 2)運転に適さない例
10.脳卒中患者の性の問題
1)男性脳卒中患者の性欲と性行為について 2)男性脳卒中患者と配偶者との関係 3) 女性脳卒中患者の性欲と性行為 4)性欲に影響する因子 5)指導上の注意
3 退院後の内科的管理
1.退院後の内科的管理のポイント
2.再発予防
1)再発の頻度 2)再発予防のための薬物療法
3.危険因子の治療
1)生活指導 2)疾患管理(危険因子となる疾患の治療)
4.後遺症に対する治療
5.合併症の早期発見
4 退院後の在宅療養支援
1.在宅療養支援チームが形成されているか
2.適切なリスク管理ができているか
3.適切な栄養・水分補給方法が選択されているか
4.患者のもつ障害の軽減はできないか
5.家族の介助量の軽減はできないか,家族にとって適切な援助がなされているか
6.患者および家族とのインフォームドコンセントが重視されているか
7.社会資源の利用は十分か
5 社会資源の利用とケアマネジメント
1.社会資源の定義
2.ケアマネジメントの視点
3.社会資源利用の実際
1)介護保険優先の原則 2)社会資源利用の目的とサービス選択
4.各種サービスの具体的内容
1)主な居宅サービス 2)主な施設サービス
5.社会資源に関連する制度
1)介護保険 2)障害者支援費制度 3)身体障害者手帳 4)障害年金
6 介護保険制度
1.介護保険制度の背景と目的
2.介護保険制度の概要
1)保険者 2)被保険者と保険料 3)要介護認定 4)給付対象となる介護サービス 5)ケアプラン作成とケアマネジャー(介護支援専門員) 6)利用者負担
3.介護保険制度の現状と問題点
1)介護保険制度の現状 2)介護保険制度の問題点
4.介護保険制度の見直し
1)介護保険制度改定 2)予防重視型システムの転換 3)新たなサービス体系の確立 4)サービスの質の向上 5)介護保険制度見直しの評価点,問題点
7 介護予防対策,閉じ込もり,転倒予防など
1.介護予防
1)介護予防が重視された背景 2)介護予防と地域支援事業 3)5つの強化すべき分野
2.閉じ込もり予防
1)脳卒中患者が閉じ込もりとなる要因 2)退院時のケアプランが重要
3.転倒・転落予防
1)転倒の実態 2)転倒のリスク評価 3)チームで取り組む転倒対策 4)転倒対策
第9章 資料編
1.関節可動域表示ならびに測定法
2.片麻痺機能テスト
3.主治医意見書
4.身体拘束ゼロへの手引き
和文索引
欧文索引
薬剤名索引








